JP4810731B2 - フェノール変性ロジンエステルの製造法、フェノール変性ロジンエステル及びその用途 - Google Patents

フェノール変性ロジンエステルの製造法、フェノール変性ロジンエステル及びその用途 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノール変性ロジンエステルの新規な製造法、該製造法によって得られるフェノール変性ロジンエステル及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール変性ロジンエステルは、印刷インキ用のバインダー等として、好適に使用されている。
【0003】
従来、フェノール変性ロジンエステルは、ロジン類にフェノール変性工程とエステル化工程を施すことにより製造されている。通常は、(1)ロジン類をフェノール変性した後、多価アルコールによりエステル化する方法、又は(2)ロジン類を多価アルコールによりエステル化した後、フェノール変性する方法が採用されている。また、(1)及び(2)の方法におけるフェノール変性工程としては、(a)レゾール化フェノール樹脂の有機溶剤溶液と、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステルとを220〜270℃で混合加熱してフェノール変性する方法と、(b)溶融させたロジン類又はロジン類の多価アルコールエステル中にフェノール類及びパラホルムアルデヒドを80〜120℃で投入し、レゾール化触媒存在下に一定時間保温した後、200〜250℃に昇温してフェノール変性する方法とがある。
【0004】
しかし、方法(a)の場合には、通常、出発原料のレゾール化フェノール樹脂の製造時にレゾール化触媒として水酸化カルシウム等の不揮発性金属化合物を多量に使用しているため、最終的に得られるフェノール変性ロジンエステル中に該化合物が多量に残存し、これを用いた印刷インキの性能は満足しうるものではなく、かかるインキ性能の低下を回避するためには、製造されたレゾール化フェノール樹脂中に残存する該化合物を除去する必要があり、そのための操作として水洗工程が不可欠である。従って、水洗工程において、レゾール化フェノール樹脂を含む反応物の粘度を低下させ、且つ洗浄した水を容易に分離除去できるように、レゾール化フェノール樹脂の製造時に有機溶剤の使用が必須であった。
【0005】
また、方法(a)のフェノール変性工程においては、上記のレゾール化フェノール樹脂の有機溶剤溶液が用いられるため、反応系に当該樹脂溶液を一度に多量に供給すると、有機溶剤の突沸等の危険性があり、又有機溶剤の蒸発潜熱が大きいため反応系の温度が低下したりするので、当該樹脂溶液を反応系に徐々に添加せざるを得ず、その結果として製造時間が長くなるという欠点があり、又レゾール化フェノール樹脂製造時の有機溶剤の使用や水洗工程のための設備、廃水処理設備等が必要であるため、作業工数や設備費が嵩む等の不利がある。
【0006】
一方、方法(b)の場合には、フェノール変性工程においてフェノール樹脂のレゾール化を同時に行うため、方法(a)に見られるような作業工数や設備費増大の不利は少なく、採算性に優れる。しかしながら、フェノール樹脂の自己縮合と余剰のホルマリンのロジン類への付加が原因で、昨今の印刷インキ用バインダーの要求性能である高分子量且つ高溶解性のフェノール変性ロジンエステルを得ることは困難である。
【発明の開示】
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の課題が解消された新規なフェノール変性ロジンエステルの製造法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、上記製造法により得られるフェノール変性ロジンエステルを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、上記フェノール変性ロジンエステルを含有する印刷インキ用バインダー及び印刷インキを提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的及び特徴は、以下の記載により明らかにされるであろう。
【0011】
本発明は、ロジン類に、フェノール類、ホルムアルデヒド及び多価アルコールを反応させてフェノール変性ロジンエステルを製造する方法において、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステルと、揮発性塩基触媒存在下に得られるレゾール化フェノール樹脂とを反応させることを特徴とするフェノール変性ロジンエステルの製造法を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、当該製造法により得られるフェノール変性ロジンエステルを提供するものである。
【0013】
更に、本発明は、当該フェノール変性ロジンエステルを含有する印刷インキ用バインダー、及び該印刷インキ用バインダーを含有する印刷インキを提供するものである。
【0014】
本発明者は、前記課題を解決すべく、フェノール変性ロジンエステルの原料成分であるレゾール化フェノール樹脂に着目して鋭意検討を重ねた結果、前記方法(a)のフェノール変性工程において、特に、上記特定のレゾール化フェノール樹脂を使用することにより、高分子量且つインキ用等の溶剤に対する高溶解性のフェノール変性ロジンエステルを、比較的簡素な設備により、短時間で製造できること、得られたフェノール変性ロジンエステルは改良された印刷適性を有する印刷インキ用のバインダーとして好適であること等を見出した。
【0015】
本発明は、かかる新規な諸知見に基づいて完成されたものである。
【0016】
本発明製造法においては、フェノール変性ロジンエステルを製造するに当たり、フェノール変性工程におけるレゾール化フェノール樹脂として、揮発性塩基触媒存在下に、必要に応じて密閉加圧下に、フェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて得られるレゾール化フェノール樹脂を使用することを必須とする。これにより、次のような種々の利点が得られる。
【0017】
即ち、上記レゾール化フェノール樹脂は、従来のレゾール化触媒である不揮発性金属化合物を含んでいないので、レゾール化フェノール樹脂製造後の水洗作業が不要となる。従って、該レゾール化フェノール樹脂の製造を無溶剤で行うことができる。また、レゾール化フェノール樹脂の製造を密閉加圧下で行なうことにより、ホルムアルデヒドや揮発性塩基触媒の系外散逸を防止でき、レゾール化工程時間も大幅に短縮できる。更に、該レゾール化フェノール樹脂が実質的に溶剤を含んでいないため、フェノール変性工程における当該樹脂の添加速度が制限されず、フェノール変性工程時間を大幅に短縮できる。
【0018】
また、当該レゾール化フェノール樹脂を原料成分として得られるフェノール変性ロジンエステルは、上記の製造上の優位性に加えて、残存揮発性塩基触媒に起因すると思われるが、意外にも印刷インキ用バインダーとして使用した場合に従来のフェノール変性ロジンエステルに比して各種印刷適性が優れるものである。これにより、各種印刷適性に優れた印刷インキを提供することができる。
【0019】
本発明では、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステルに、特定のレゾール化フェノール樹脂を反応させてフェノール変性ロジンエステルを製造する。
【0020】
本発明のフェノール変性ロジンエステルの原料となるロジン類としては、各種のものを使用でき、たとえば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水添ロジン、重合ロジン、不均斉化ロジン等があげられる。
【0021】
本発明におけるレゾール化フェノール樹脂の原料用フェノール類としては、フェノール、パラオクチルフェノール、パラノニルフェノール、パラドデシルフェノール、パラブチルフェノール、ビスフェノールA、フェニルフェノール、パラアミノフェノール、パラエチルフェノール等があげられる。
【0022】
また、当該レゾール化フェノール樹脂の他の原料であるホルムアルデヒドとしては、パラホルムアルデヒド又はホルマリン水溶液を使用できる。ホルムアルデヒドの使用量(パラホルムアルデヒドの場合はホルムアルデヒドに換算)は、フェノール類1モルに対して、0.5〜3モル程度である。ホルムアルデヒドの使用量が0.5モルより少ない場合には、得られるフェノール変性ロジンエステルの溶解性は高くなるが、フェノール類及びロジン類の未反応成分が多く残ってしまい、高分子量化し難くなる傾向がある。また、3モルを超える場合には、得られるフェノール変性ロジンエステルは高分子量化するが、溶解性が悪くなる傾向がある。これらの観点から、ホルムアルデヒドの使用量の上限は2.5モル以下、下限は1.5モル以上が好ましい。
【0023】
本発明では、揮発性塩基触媒の存在下にフェノール類及びホルムアルデヒドを反応させて得られるレゾール化フェノール樹脂を用いることが必須とされる。
【0024】
当該レゾール化フェノール樹脂を得るための反応条件としては、触媒として揮発性塩基触媒を用いる他は特に限定されないが、フェノール類のレゾール化反応温度は、80〜200℃程度とするのが好ましい。80℃未満の場合にはレゾール化反応速度が著しく遅く、又200℃を超える場合はレゾール化反応の制御が困難になる。これらの観点から当該レゾール化反応温度の上限は160℃、下限は90℃が特に好ましい。
【0025】
上記反応温度域でレゾール化反応させる場合は、通常、ホルムアルデヒドが気化し、反応生成水が沸騰するため、使用する反応容器としては、耐圧仕様のものが好ましい。また、該レゾール化反応を密閉加圧下で行なえばフェノール類、ホルマリン、揮発性塩基触媒の系外散逸を防止し得るため、反応温度を上げて反応時間を更に短縮でき、例えば1.0MPaの加圧条件下では180℃程度で行なうことが可能となり、例えば従来数時間を要した反応を僅か5分で完結させることができる。しかも、高温で樹脂の粘度が低下するためレゾール化反応を無溶剤下で好適に行なうことができる。この場合、本来不要な溶剤を用いる必要がないため、収量も大幅に増加して更に経済性が増す。但し、レゾール化反応における溶剤の使用を禁ずるものではなく、必要ならば、適宜溶剤を使用しても差し支えない。
【0026】
本発明では、原料成分として使用するレゾール化フェノール樹脂としては、重量平均分子量が低過ぎるとこれを用いて製造される樹脂の溶解性が低くなり、高過ぎるとこれを用いて製造される樹脂の粘度が低くなるため、500〜2,500程度のものが好ましい。
【0027】
レゾール化フェノール樹脂の製造に用いる揮発性塩基触媒としては、通常約200℃以下の沸点又は分解温度を有するものが好ましい。具体的には、例えば、アンモニア水溶液、ヘキサメチレンテトラミン等のアンモニア発生物質;アミン類として、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン等の脂肪族第一アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン等の脂肪族第二アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族第三アミン;アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン等の脂肪族不飽和アミン;シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン等の芳香族アミン;その他モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類等を挙げることができる。また、エチレンジアミン等の多価アミン類;その他、ピリジン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ピラジン類、アニリン類等も使用できる。更には、上記各種の例示化合物と弱酸との塩、上記各種の例示化合物の4級アンモニウム塩も使用できる。これらの中でも、触媒活性、沸点、安全性、取扱い性等の観点から、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン等が好ましい。
【0028】
当該揮発性塩基触媒の使用量は、レゾール化フェノール樹脂の製造における所要時間や、後述するように、得られるフェノール変性ロジンエステルの諸特性のうち残存窒素分等を考慮して適宜に決定するのがよい。
【0029】
レゾール化フェノール樹脂の使用量は、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステル100重量部に対して、通常、20重量部以上である。20重量部未満では高分子量の目的物を得ることは困難である。一方、コスト面からはレゾール化フェノール樹脂の使用量の上限は、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステル100重量部に対して、通常、200重量部以下である。
【0030】
また、ロジン類をエステル化する成分である多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等があげられる。多価アルコールの使用量は、(多価アルコールの−OH当量)/(ロジン類の−COOH当量)の比で0.3〜1.5程度が好ましい。この当量比が0.3より小さくなると高分子量の目的物を得ることが困難であり、当量比が1.5を超えると得られたフェノール変性ロジンエステルの溶解性が悪くなる傾向がある。以上の観点から、多価アルコールの使用量は前記当量比で0.5〜1.3程度となるようにするのがより好ましい。
【0031】
本発明のフェノール変性ロジンエステルの製造においては、任意成分として、ジシクロペンタジエン等の石油樹脂類等を使用することもできる。これらの任意成分の使用量は、ロジン類100重量部に対して、100重量部程度以下とするのが好ましい。
【0032】
本発明では、ロジン類に、レゾール化フェノール樹脂及び多価アルコールを反応させてフェノール変性ロジンエステルを製造するが、その方法としては、(1)ロジン類をレゾール化フェノール樹脂でフェノール変性した後、多価アルコールによりエステル化する方法、(2)ロジン類を多価アルコールによりエステル化してロジン類の多価アルコールエステルとした後、当該エステルをレゾール化フェノール樹脂でフェノール変性する方法、(3)ロジン類、レゾール化フェノール樹脂及び多価アルコールを同時に仕込んで反応させる方法等を適宜採用できる。
【0033】
上記フェノール変性ロジンエステルの製造における反応条件は、特に制限されず、公知の条件を採用できる。一般的には、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステルのフェノール変性の反応温度は通常180〜270℃程度で、反応時間は、通常3〜5時間程度である。また、エステル化工程の温度は、通常、230〜280℃程度であり、反応時間は10〜16時間程度である。上記エステル化工程では、必要により、エステル化触媒を使用することもできる。
【0034】
得られる本発明のフェノール変性ロジンエステルは、前記従来の方法(a)により得られたものと対比して、印刷インキ用バインダーとして勝るとも劣らない諸特性を発揮するものである。また、本発明のフェノール変性ロジンエステルの製造法に従えば、容易に高分子量且つ高溶解性を有するフェノール変性ロジンエステルを得ることができる。
【0035】
当該フェノール変性ロジンエステルの諸特性値は、印刷インキ用バインダーとする場合、該バインダーを用いて調製された印刷インキの耐乳化性、耐版汚れ性等の印刷適性に多大の影響を及ぼすため、慎重に決定されねばならず、次のような範囲であることが望ましい。
【0036】
即ち、当該フェノール変性ロジンエステルの酸価は、10〜40mgKOH/g、好ましくは15〜30mgKOH/gであるのが望ましい。ポリスチレン換算による重量平均分子量は1万〜50万、好ましくは2万〜20万であるのが望ましい。軟化点(環球法)は140〜190℃、好ましくは150〜180℃であるのが望ましい。
【0037】
また、当該フェノール変性ロジンエステル中の残存窒素分(触媒酸化変換法による微量全窒素分析法)は10〜1,000ppm、好ましくは30〜500ppmであるのが望ましい。ここに、当該残存窒素分は、レゾール化フェノール樹脂の製造に用いられる揮発性塩基触媒に由来するものであり、揮発性塩基触媒そのものの形態で当該フェノール変性ロジンエステル中に残存するもの、揮発性塩基触媒が何らかの形態で当該フェノール変性ロジンエステルの分子中に結合しているもののいずれでもよい。
【0038】
更に、当該フェノール変性ロジンエステルの石油系溶剤(沸点範囲276〜313℃、アニリン点69℃)に対する溶解性(25℃)は、2倍以上、好ましくは5倍以上であるのが望ましい。当該溶剤としては、例えば、インキ用溶剤等として使用されている「5号ソルベント」(日石三菱(株)製、商品名)が挙げられる。かかる溶解性の評価方法は次の通りである。まず当該フェノール変性ロジンエステル1.0gを試験管に取り、ここに当該ソルベントを2.0g加えて180℃において加熱溶融した後、25℃迄冷却する。ついで、必要に応じて当該ソルベントを追加して行き、濁りを生じた時点を終点とする。終点における当該フェノール変性ロジンエステル1.0gに対する使用ソルベントの総g数(g/g)で示す。
【0039】
前記の諸特性値が当該範囲を逸脱する場合には、これを印刷インキ用バインダーとして用いると、印刷性能の劣るインキとなるので、好ましくない。
【0040】
本発明により得られるフェノール変性ロジンエステルは、例えば、印刷インキ用バインダーとして好適に使用できる。このバインダーを使用した印刷インキは、特にオフセット印刷に使用しうるほか、水なし平版印刷、凸版印刷、グラビア印刷等にも好適に使用することができる。
【0041】
本発明のフェノール変性ロジンエステルを用いて印刷インキ用バインダーを得る場合には、通常、このロジンエステルと石油系溶剤、乾性油又は半乾性油とを加熱溶解し、必要に応じてゲル化剤等を適宜配合して、バインダーを調製できる。また、当該印刷インキ用バインダーを使用して印刷インキを調製するにあたっては、通常の方法により、各種公知の顔料、非芳香族系溶剤、乾性油、耐摩擦性向上剤、ドライヤー等の各種添加剤等を適宜配合して練肉すれば良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。各例中において使用する「部」及び「%」は、いずれも重量基準である。
比較製造例1
(従来のレゾール化フェノール樹脂を水洗することなく、製造する例)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器及び温度計を備えた反応容器に、p−オクチルフェノール4,000部、92%パラホルムアルデヒド1,800部及びキシレン2,000部を仕込み、60℃まで昇温させながら加熱溶解した後、レゾール化触媒として水酸化カルシウム72部を加えた。次いで、90℃に昇温し4時間反応させて、重量平均分子量740のレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分65%)を得た。
比較製造例2
(従来のレゾール化フェノール樹脂を水洗処理して製造する例)
比較製造例1で得たレゾール化フェノール樹脂溶液7,500部に所定量の塩酸を加えて、内容物のpHを約4に調整した。当該内容物を温水3,000部で水洗した後、2時間静置して油層を分離し、重量平均分子量745のレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分65%)を得た。
製造例1
(レゾール化フェノール樹脂を加圧下に製造する例)
攪拌機、内圧計、水分離器付き還流冷却器及び温度計を備えた1.5MPaの耐圧反応容器に、p−オクチルフェノール4,000部及び92%パラホルムアルデヒド1,300部を仕込み、密閉加圧下に80℃まで昇温させながら加熱溶解させた後、レゾール化触媒としてトリエチルアミン120部を加えた。次いで、145℃まで昇温し5分間反応させて、重量平均分子量746のレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)を得た。
製造例2
(レゾール化フェノール樹脂を加圧下に製造する例)
前記の耐圧反応容器に、p−オクチルフェノール4,000部及び92%パラホルムアルデヒド1,050部を仕込み、密閉加圧下に80℃まで昇温させながら加熱溶解させた後、レゾール化触媒としてトリエチルアミン120部を加えた。次いで、125℃まで昇温し30分間反応させて、重量平均分子量755のレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)を得た。
製造例3
(レゾール化フェノール樹脂を加圧下で製造する例)
前記の耐圧反応容器に、p−オクチルフェノール4,000部及び92%パラホルムアルデヒド1,050部を仕込み、密閉加圧下で80℃まで昇温させながら加熱溶解させた後、レゾール化触媒としてトリメチルアミン70部を加えた。次いで、125℃まで昇温し30分間反応させて、重量平均分子量782のレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)を得た。
製造例4
(レゾール化フェノール樹脂を常圧下で製造する例)
反応容器に、p−オクチルフェノール4,000部及び92%パラホルムアルデヒド1,050部を仕込み、80℃まで昇温させながら加熱溶解させた後、レゾール触媒としてジメチルアミノエタノール110部を加えた。次いで、90℃まで昇温し4時間反応させて、重量平均分子量715のレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)を得た。
【0043】
各製造例において得られたレゾール化フェノール樹脂の重量平均分子量、レゾール化フェノール樹脂製造時の反応時間及び反応温度を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004810731
【0045】
実施例1
攪拌機、水分離器付き還流冷却器及び温度計を備えた反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶融させながら230℃まで昇温した。ついで、ペンタエリスリトール170部を加え均一混合状態下に、エステル化触媒として水酸化カルシウム4部を加えた後、280℃に昇温した。この際、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。同温度で8時間反応させ酸価25mgKOH/g以下になったところで250℃まで冷却した。ついで、同温度下、製造例1で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)1,100部を4時間かけて滴下した後、しばらく保温し、所定の樹脂粘度となったことを確認して、フェノール変性ロジンエステルを得た。このロジンエステルは、酸価22mgKOH/g、重量平均分子量(ポリスチレン換算)4.3万、軟化点(環球法)169℃、残存窒素分(触媒酸化変換法による微量全窒素分析法、使用測定装置:三菱化学(株)製、商品名「TN−10型」)は200ppm、石油系炭化水素溶剤(沸点範囲276〜313℃、アニリン点69℃)として「5号ソルベント」(日石三菱(株)製、商品名)を用いたときの溶解性(25℃)は20倍以上であった。
実施例2
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶解させながら250℃まで昇温した。ついで、製造例2で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)1,050部を3時間かけて滴下した後、グリセリン170部を加え、250℃に保った。この間、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。同温度下、8時間反応させ、酸価25mgKOH/g以下になったことを確認後、フェノール変性ロジンエステルを得た。
実施例3
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶解させながら250℃まで昇温した。ついで、製造例3で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)1,050部を3時間かけて滴下した後、グリセリン170部を加え、250℃に保った。この間、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。同温度下、8時間反応させ、酸価25mgKOH/g以下になったことを確認後、フェノール変性ロジンエステルを得た。
実施例4
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶解させながら250℃まで昇温した。ついで、製造例4で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)1,050部を3時間かけて滴下した後、グリセリン170部を加え、250℃に保った。この間、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。同温度下、8時間反応させ、酸価25mgKOH/g以下になったことを確認後、フェノール変性ロジンエステルを得た。
実施例5
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶融させながら230℃まで昇温した。ついで、ペンタエリスリトール85部とグリセリン10部を加え均一混合状態下、285℃に昇温した。この間、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。同温度下、3時間反応させ酸価80mgKOH/gになったところで250℃まで冷却した。ついで、製造例2で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分95%)1,200部を4時間かけて滴下した後、グリセリン80部を加えた後、6時間程度反応を続けた。この間、水分離器付き還流冷却器より生成水を回収した。酸価20mgKOH/g以下になったことを確認して、フェノール変性ロジンエステルを得た。
比較例1
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶融させながら230℃まで昇温した。ついで、ペンタエリスリトール170部を加え均一混合状態下に、エステル化触媒として水酸化カルシウム4部を加えた後、280℃まで昇温した。この際、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。酸価25mgKOH/g以下になったところで250℃まで冷却し、比較製造例1で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分65%)1,600部を12時間かけて滴下した。この間、水分離器付き還流冷却器によりキシレンと水を回収した。レゾール化フェノール樹脂の滴下終了後、1時間保温して、フェノール変性ロジンエステルを得た。
比較例2
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶融させながら230℃まで昇温した。ついで、ペンタエリスリトール170部を加え均一混合状態下に、エステル化触媒として水酸化カルシウム4部を加えた後、280℃まで昇温した。この際、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。酸価25mgKOH/g以下になったところで250℃まで冷却し、比較製造例2で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分65%)1,600部を12時間かけて滴下した。この間、水分離器付き還流冷却器によりキシレンと水を回収した。レゾール化フェノール樹脂の滴下終了後、1時間保温して、フェノール変性ロジンエステルを得た。
比較例3
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶融させながら250℃まで昇温した。ついで、比較製造例2で得られたレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分65%)1,530部を7時間かけて滴下した後、グリセリン170部を加え同温度で12時間反応させて、フェノール変性ロジンエステルを得た。この間、水分離器付き還流冷却器を用いて、キシレンと水の回収を行った。該ロジンエステルは、酸価24mgKOH/g、軟化点175℃、前記「5号ソルベント」を用いたときの溶解性(25℃)11.5倍、重量平均分子量6.5万であった。
比較例4
前記反応容器にガムロジン1,800部を仕込み、窒素雰囲気下に加熱溶融させながら230℃まで昇温した。ついで、ペンタエリスリトール85部とグリセリン10部を加え均一混合し、285℃に昇温した。この間、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。同温度下、3時間反応させ酸価80mgKOH/gになったところで250℃まで冷却し、比較製造例2で製造したレゾール化フェノール樹脂溶液(固形分65%)1,600部を7時間かけて滴下した後、グリセリン80部を加え、6時間程度反応を続けた。この際、水分離器付き還流冷却器により生成水を回収した。酸価20mgKOH/g以下になったところで還流を止め、同温度でしばらく保温し所定の樹脂粘度となったことを確認して、フェノール変性ロジンエステルを得た。
【0046】
各実施例及び比較例で得られたフェノール変性ロジンエステルの諸特性、及び当該ロジンエステルの製造時間を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0004810731
【0048】
印刷インキの調製
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた各フェノール変性ロジンエステル43部を、アマニ油20部及び「AFソルベント6号」(日石三菱(株)製、商品名、沸点範囲302〜321℃の水添石油系炭化水素溶剤)45部に、180℃において混合溶解してワニスを得た。このワニス100部に対し、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製、商品名「ALCH」)0.5部を添加し、190℃で1時間反応させ、ゲルワニスを得た。このゲルワニスを用いて、次の配合割合で3本ロールミルにより練肉して印刷インキとした。
【0049】
紅顔料 18部
上記ゲルワニス 70〜78部
「AFソルベント6号」 3〜11部
ドライヤー 1部
上記配合に基づいてインキのタック値が8.5±0.5、フロー値が18±0.5となるよう適宜調整した。
【0050】
上記紅顔料としては「ブリリアントカーミン6B」(東洋インキ製造(株)製、商品名)を、ドライヤーとしてはナフテン酸コバルトを、それぞれ用いた。
【0051】
上記で得られた印刷インキの性能試験を、次のようにして、行った。
【0052】
光沢:インキ0.27mlをJIS K5701に準じて、「RIテスター」(石川島産業機械(株)製)を使用し、上質紙上に展色する。この展色試料を25℃の雰囲気下で24時間乾燥後、JIS Z8741に準じて60度鏡面光沢(%)を測定する。
【0053】
耐乳化性:インキ3.9mlを動的乳化試験機(日本レオロジー機器(株)製)上に展色し、200rpmにて純水を5ml/分の速度で供給し、このインキ中の水分量を赤外水分計で測定した。乳化率を、次式に従って、算出した。
乳化率(%)=[(インキ中に含まれる水の重量)/(インキ中に含まれる水の重量+インキの重量)]×100
耐ミスチング性:25℃に空調された室内においてインキ2.7mlをJIS K5701に規定されるインコメーターのロール上に塗布し、更に手動でロールを回転させインキを均一にロール上に展開させる。ロールから10cmの距離に白紙を保持し、ロールを1,200rpmで2分間回転させる。この白紙上に飛散したインキ量を、次の基準で、目視によって判定する。A:インキの飛散が殆どなし、B:インキの飛散がかなりある。実機印刷機と同様に飛散量が少ないものが好ましい。
【0054】
乾燥性:インキ0.27mlをJIS K5701に準じて、「RIテスター」(石川島産業機械(株)製)を使用し、硫酸紙上に展色する。その展色面に硫酸紙を重ねてC型乾燥試験機((株)東洋精機製作所製)に当て紙用硫酸紙が外側になるように回転ドラムに巻き付ける。おもり及び押し圧歯車を当て紙用硫酸紙の上に静かに降ろし、ドラムを回転させ、押し圧歯車の歯形が当て紙に殆ど移らなくなった時間を乾燥時間(hr)とする。
【0055】
耐版汚れ性:軽オフセット印刷機(リョービ(株)製「2800CD」)を使用し、水ダイヤルを汚れが生じる直前まで絞った状態で1,000枚印刷を行う。その後、次の基準で、目視によって版上の汚れを判定する。
A:汚れなし、B:わずかに汚れあり、C:汚れが著しい。
【0056】
上記の各性能試験結果を、表3に示す。
【0057】
【表3】
Figure 0004810731
【0058】
表3から明らかなように、従来の金属化合物触媒下に製造された比較製造例1のレゾール化フェノール樹脂(洗浄処理なし)を用いて得られる比較例1のフェノール変性ロジンエステルは、これをバインダーとして用いた印刷インキとしての性能である光沢、耐乳化性(乳化率)、耐版汚れ性の点で劣悪であることが判る。また、従来の金属化合物触媒下に製造された比較製造例2のレゾール化フェノール樹脂(洗浄処理あり)を用いて得られる比較例2〜4のフェノール変性ロジンエステルも、これをバインダーとして用いた印刷インキとしての性能の点で十分満足しうるものではない。これに対し、実施例1〜5の本願発明フェノール変性ロジンエステルは、これをバインダーとして用いた印刷インキとしての性能で格段に優れることが明らかである。
【0059】
本発明の製造法によれば、原料のレゾール化フェノール樹脂の製造時間を大幅に短縮でき、しかもレゾール化反応を無溶剤下で行なうことができる。また、本発明の製造法によれば、フェノール変性ロジンエステルの製造設備を簡素化でき、且つ当該エステルの製造時間を大幅に短縮できる。また、本発明のフェノール変性ロジンエステルは、従来法で得られるフェノール変性ロジンエステルと同様の樹脂恒数を有するものの、印刷インキ用のバインダーとして優れた性能を発揮するものである。

Claims (17)

  1. ロジン類に、フェノール類、ホルムアルデヒド、並びにグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール及びトリメチロールプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを反応させてフェノール変性ロジンエステルを製造する方法において、ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステルと、200℃以下の沸点又は分解温度を有し、アンモニア発生物質、脂肪族第一アミン、脂肪族第二アミン、脂肪族第三アミン、及びアミノアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の塩基触媒の存在下に得られるレゾール化フェノール樹脂とを反応させることを特徴とするフェノール変性ロジンエステルの製造法。
  2. 多価アルコールの使用量が、(多価アルコールの−OH当量)/(ロジン類の−COOH当量)の比で0.3〜1.5である請求項1記載の製造法。
  3. レゾール化フェノール樹脂が、フェノール類及びホルムアルデヒドを、80〜200℃で反応させてなるものである請求項1記載の製造法。
  4. レゾール化フェノール樹脂が、フェノール類及びホルムアルデヒドを、密閉加圧下に反応させてなるものである請求項1記載の製造法。
  5. レゾール化フェノール樹脂における前記塩基触媒が、アミン類である請求項1に記載の製造法。
  6. レゾール化フェノール樹脂が、フェノール類1モルに対してホルムアルデヒド0.5〜3モル反応させたものである請求項1に記載の製造法。
  7. ロジン類が、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水添ロジン、重合ロジン及び不均斉化ロジンからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1に記載の製造法。
  8. フェノール変性ロジンエステルが、ロジン類にレゾール化フェノール樹脂を反応させた後、これにグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール及びトリメチロールプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを反応させて得られるものである請求項1に記載の製造法。
  9. フェノール変性ロジンエステルが、ロジン類にグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール及びトリメチロールプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを反応させてロジン類の多価アルコールエステルとした後、これにレゾール化フェノール樹脂を反応させて得られるものである請求項1に記載の製造法。
  10. ロジン類又はロジン類の多価アルコールエステルと、レゾール化フェノール樹脂との反応温度が、180〜270℃である請求項1に記載の製造法。
  11. 請求項1に記載の製造法により得られ、前記塩基触媒由来の残存窒素分(触媒酸化変換法による微量全窒素分析法にて測定)が、10〜1,000ppmであるフェノール変性ロジンエステル。
  12. 酸価が、10〜40mgKOH/gである請求項11に記載のフェノール変性ロジンエステル。
  13. ポリスチレン換算による重量平均分子量が、1万〜50万である請求項11に記載のフェノール変性ロジンエステル。
  14. 軟化点(環球法)が、140〜190℃である請求項11に記載のフェノール変性ロジンエステル。
  15. 石油系炭化水素溶剤(沸点範囲276〜313℃、アニリン点69℃)に対する溶解性(25℃)が、2倍以上である請求項11に記載のフェノール変性ロジンエステル。
  16. 請求項11に記載のフェノール変性ロジンエステルを含有してなる印刷インキ用バインダー。
  17. 請求項16に記載の印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ。
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