JP4283026B2 - 光学樹脂用添加剤とその製造方法および光学樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学樹脂用添加剤とその製造方法および光学樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、例えば、光拡散シートや導光板等の光学樹脂用の添加剤とその製造方法、および、該添加剤を含んでなる光学樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種用途に用いる樹脂や樹脂組成物中に微粒子を含有させ、該樹脂や樹脂組成物の物性あるいは有用性等を向上させることが試みられている。LCD、PDP、ELディスプレイおよびタッチパネル等の光学系用途において材料として用いられる光学樹脂でも同様であり、例えば、光拡散シート等の光学樹脂シートとしては、酸化チタン、ガラスビーズおよびシリカ等の無機質微粒子やシリコーン樹脂、アクリル樹脂あるいはポリスチレン等からなる樹脂微粒子を、バインダーとしての透明樹脂中に混合してなる樹脂組成物であって、所定の基材表面にコーティングして得られたものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。また、導光板としては、アクリル樹脂等からなる樹脂粒子を、基材としてのポリカーボネート等の透明樹脂中に含有させて得られた樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献5参照。)。
【0003】
しかしながら、前述した各種樹脂組成物は、微粒子と樹脂(バインダー樹脂、樹脂基材)との親和性(なじみ)の面において、光学的用途を考慮した場合、実用性に欠けるか、または、十分とは言えないものであった。具体的には、樹脂組成物の表面またはその近傍において、微粒子がバインダー樹脂層や樹脂基材等から脱落しやすく、これが原因となって、脱落した微粒子がバインダー樹脂層表面や樹脂基材表面を傷つけてしまい、例えば光学シート(光拡散シートや導光板等)等の光学的用途においては、その光学的特性を大きく低下させたり十分に発揮させることができないという問題があった。
【0004】
特に無機質微粒子は、媒体となる樹脂との親和性が低いため、該微粒子を含有する樹脂組成物を製造する際あるいは各種光学装置の製品化段階で取り扱う際に、ロールでの巻き取り時や折曲げ時に加わる応力等、あるいは、他の基材等との表面接触時の衝撃力・摩擦力等により、該微粒子が簡単に脱落してしまい、光学用途に用いる材料としては実用性に欠けることにもなる。一方、樹脂微粒子は、上記無機質微粒子に比べれば樹脂との親和性は高いと言え、樹脂からの脱落もある程度低減され得るが、各種光学装置等の技術分野における近年の飛躍的技術進歩に伴い要求されるようになった光学的特性の水準は非常に高いものとなっており、より高品質かつ高性能の光学材料の開発・供給が要請されていることを考慮すると、前述した樹脂微粒子であっても樹脂との親和性はまだ十分とは言えず、脱落した微粒子により受けるダメージも無視できない程度に大きい。
【0005】
光学用途の樹脂組成物においては、添加剤となる微粒子について述べた前記の理由で、光学的特性においてまだ十分な性能であるとは言えず、しかも、より高品質かつ高性能の光学材料となるべきことを考慮するとその点はより一層顕著となる。具体的には、光拡散シートや導光板などの各種光学材料における、輝度ムラ(部分的な輝度のばらつき)の程度や面発光性(全体での輝度の大きさ)においてより一層顕著となる。
無機質微粒子を含有する各種樹脂組成物においては、前述したように脱落する微粒子が多いためこれに起因して輝度ムラの程度が大きくなる。脱落しなかった微粒子や樹脂組成物内部の微粒子については、巻き取り時や折り曲げ時等に発生する応力により樹脂と該微粒子との界面(接触面)が解離するため(いわゆる界面クラック)、これが原因となって輝度ムラの程度はより一層大きくなる。無機質微粒子の樹脂との親和性の低さは、該微粒子自体の樹脂中での分散性の低さにも影響を与え、不均一な分散状態(存在状態)となり、これも輝度ムラの程度を大きくする要因となる。無機質微粒子は、一般的に樹脂との屈折率差が大きく光の透過効率が低いため、面発光性の点で非常に劣るものとなる。一方、樹脂微粒子を含有する各種樹脂組成物においては、無機質微粒子ほどの脱離は認められないものの、より高品質かつ高性能の光学材料となるべきことを考慮すると、輝度ムラの程度はまだ大きすぎる。脱落しなかった樹脂微粒子や樹脂組成物内部の樹脂微粒子については、巻き取り時や折り曲げ時等に発生する応力により該微粒子自体が内部破壊する(内部構造に亀裂等が入る)、あるいは、樹脂微粒子の種類によっては樹脂組成物の製造時に熱が加わった場合に該微粒子自体が塑性変形するため、これらが原因となって輝度ムラの程度はより一層大きくなる。樹脂微粒子を含有する各種樹脂組成物は、面発光性の点でも十分なものとは言えない。樹脂部分(有機ポリマー部分)に由来する樹脂微粒子の屈折率は、一般的には、優れた面発光性が得られるための適度な範囲を満たしているが、上述した樹脂微粒子自体の内部破壊や塑性変形が原因となって、本来有する適度な屈折率が得られず結果として面発光性に劣ることとなるのである。この点も、より高品質かつ高性能の光学材料となるべきことを考慮すると一層顕著となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−172801号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平7−27904号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−249525号公報
【0009】
【特許文献4】
特許第3306987号公報
【0010】
【特許文献5】
特許第3100853号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、光学的用途を考慮した場合においても、バインダー樹脂層や樹脂基材等から脱落しにくく、輝度ムラの無い均一な光拡散性および高い面発光性を発揮させ得る光学樹脂用添加剤とその製造方法を提供すること、および、該添加剤と透明樹脂とを含んでなり、光学用途に用いた場合に輝度ムラの無さや面発光性等の光学的特性において非常に優れた性能を発揮し得る光学樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。
その過程で、無機質部分と有機質部分とを共に有する微粒子に着目することとし、このような微粒子において、該無機質部分としてはポリシロキサンの骨格構造を備え、該有機質部分としては有機ポリマーの骨格構造を備えるとともに、これら両骨格構造が互いに複合一体化してなる有機質無機質複合体粒子を、光学樹脂用の添加剤として用いれば、上記課題の全てを一挙に解決し得ることを見出し、それを確認して本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明にかかる光学樹脂用添加剤は、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須骨格として含む構造を有する有機質無機質複合体粒子からなり、また、本発明にかかる光学樹脂組成物は、上記本発明にかかる光学樹脂用添加剤と透明樹脂とを含んでなるが、本発明にかかる光学樹脂用添加剤の製造方法は、かかる光学樹脂用添加剤を、下記一般式(3)のシリコン化合物を加水分解縮合させる工程と、前記加水分解縮合により得られるポリシロキサン骨格を有する粒子に吸収させてなる重合性モノマーを重合させる工程と、を含み、前記重合性モノマーの吸収が当該重合性モノマーを乳化分散させた状態でなされている、ことを特徴とし、したがって、本発明にかかる光学樹脂用添加剤において、前記ポリシロキサン骨格は下記一般式(3)のシリコン化合物を加水分解縮合させることにより得られるものであり、かつ、前記有機ポリマー骨格は前記加水分解縮合により得られるポリシロキサン骨格を有する粒子に乳化分散状態で吸収させてなる重合性モノマーを重合させることにより得られるものである。
R’mSiX4−m (3)
(ここで、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0または1の整数である。)
近年の光学的用途において特に要求される高い性能水準からみた場合であっても、上述の有機質無機質複合体粒子が、光学樹脂用添加剤として用いたときに、従来の各種微粒子に比べて、媒体となる透明樹脂(バインダー樹脂や樹脂基材等)から脱落し難い点で優れている理由は、現状では明らかではない部分が多いが、以下のように推測できる。本発明の光学樹脂用添加剤としての有機質無機質複合体粒子は、有機ポリマー骨格由来の樹脂部分を有しているため、少なくとも従来の無機質微粒子との比較においては、媒体となる樹脂への親和性が高く(なじみが良く)、かなり脱落し難いものである。しかも、従来の樹脂微粒子との比較においても樹脂への親和性がより一層優れたものとなっている。その理由としては次のことが考えられる。有機質無機質複合体粒子はポリシロキサンによる網目構造骨格を備えているため、媒体となる樹脂が粒子表面近傍の網目構造に適度に絡み合う。結果として樹脂に対する粒子の密着性が飛躍的に向上し、脱落防止に大きく影響する。加えて、該網目構造は粒子自身に適度な柔軟性や弾力性をも与えるので、摩擦力や応力を受けた場合であっても適度な緩衝作用が働き、脱落が抑制される。以上より、前述した有機質部分と無機質部分とを組み合わせて備えていることが、樹脂からの脱落のし難さを飛躍的に向上させる要因になっていると考えられる。
【0014】
本発明の光学樹脂組成物を光学材料として用いた場合に、輝度ムラが無く均一性に優れる製品が得られる理由については、有機質無機質複合体粒子が前述のごとく非常に脱落し難いことに加え、媒体となる樹脂への分散性が良好であること等が挙げられるが、樹脂微粒子を用いた場合との比較においても顕著に優れている理由については、さらに以下のように推測できる。従来用いていた樹脂微粒子では、ある程度の脱落のし難さや樹脂中での分散性は有するものの、樹脂組成物の製造段階において折り曲げ等による応力が加わった場合、樹脂と粒子との歪み率の差により、樹脂組成物において部分的に、樹脂微粒子の内部構造が破壊されることがあり、そうすると光の透過性や屈折率の面で粒子の光学的特性にばらつきが生じ、これが原因となって輝度ムラが認められるようになる。さらに、樹脂組成物の製造段階において加熱を伴う工程がある場合、樹脂組成物において部分的に、樹脂微粒子が熱によって可塑変形することがあり、そうすると上記同様に粒子の光学的特性にばらつきが生じ、輝度ムラが認められるようになる。これに対し、本発明の光学樹脂用添加剤としての有機質無機質複合体粒子は、前述したようにポリシロキサン骨格に由来する適度な柔軟性や弾力性を有するので、樹脂組成物の製造段階において前記応力が加わった場合であっても、含有される粒子は樹脂の歪み率に追随することができ、上述のごとき内部破壊等は生じないか又は大きく抑制される。また、ポリシロキサン骨格は適度な柔軟性とともに粒子形状の復元性をも与えるので、上述のごとき可塑変形についても、生じないか又は大きく抑制される。
【0015】
本発明の光学樹脂組成物を光学材料として用いた場合に、面発光性に優れる製品が得られる理由については、樹脂部分(有機ポリマー骨格部分)に由来する適度な屈折率を有することと共に、上述のように含有させた粒子の内部破壊や可塑変形が生じないか又は大きく抑制されること等が挙げられる。
さらに驚くべきことに、本発明の光学樹脂用添加剤としての有機質無機質複合体粒子は、所望の粒径のものが極めて粒度分布のシャープな状態で得られるため、実際に光学樹脂組成物を得て光学材料として用いた場合に、生産性の向上およびコストの低減を図ることができるのみならず、該樹脂組成物の光学的特性や物理的特性を向上させることもできる。具体的には、上記有機質無機質複合体粒子の粒径は、ほぼ無機質部分としてのポリシロキサン骨格に依存するところ、この骨格からなるポリシロキサン粒子は、製造方法上、所望の粒径のものを極めて粒度分布のシャープな状態で得ることができる。よって、有機質無機質複合体粒子についても、優れた光学的特性を発揮できるよう考慮しつつ所望の用途に応じた粒径のものを、極めて粒度分布のシャープな状態で得ることができるのである。そうすると、従来と同様の割合で樹脂中に含有させた場合であれば、明らかに従来より優れた光学的性能を発揮させることができ、また、従来と同程度あるいはそれ以上の性能を発揮させる場合であっても従来より含有量を少なくすることができ、生産性および経済性に優れる。含有量を少なくした場合は、さらに次のよな効果も期待できる。例えば、本発明の光学樹脂組成物を導光板や光拡散シート等として用いた場合に、光拡散性などの効果は十分に得ることができる上、微粒子の含有量に依存する光の損失を効果的に低減できる。この点、特にLCD等の技術分野においては、光拡散シートを備えずに導光板だけを用いるようにした場合であっても、導光板が本来有する光源からの光の透過機能を低下させないようにした上で、さらに優れた面発光性と光拡散性との両性能を持たせるようにすることができ、極めて有効であると言える。また、微粒子の含有量を少なくできれば、必然的に、媒体とする樹脂そのものの機械的強度や柔軟性等の物性を、得られる樹脂組成物に反映させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる光学樹脂用添加剤および光学樹脂組成物について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔光学樹脂用添加剤〕
本発明にかかる光学樹脂用添加剤(以下、本発明の添加剤と称することがある。)は、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須骨格として含む構造を有する有機質無機質複合体粒子(以下、単に複合体粒子と称することがある。)からなるものである。
【0017】
以下、本発明の添加剤である上記有機質無機質複合体粒子の構造等について説明するとともに、該複合体粒子の製法についても合わせて説明する。
複合体粒子は、有機質部分としての有機ポリマー骨格と、無機質部分としてのポリシロキサン骨格とを含んでなる粒子である。該複合体粒子については、a)ポリシロキサン骨格が有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素原子を分子内に有している形態(化学結合タイプ)であってもよいし、b)このような有機ケイ素原子を分子内に有していない形態(IPNタイプ)であってもよく、特に限定はされない。詳しくは、上記a)の形態としては、ポリシロキサン骨格中のケイ素原子と有機ポリマー骨格中の炭素原子とが結合していることにより、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格とが3次元的なネットワーク構造を構成している形態が好ましい。上記b)の形態としては、ポリシロキサン骨格からなる粒子(ポリシロキサン粒子)の構造中に有機ポリマーが含まれている形態、さらに詳しくは、ポリシロキサン粒子を構成する網目状のポリシロキサン骨格構造の骨格間(該骨格どうしの隙間)に有機ポリマーが存在しており、ポリシロキサンおよび有機ポリマーが互いに独立に骨格構造を形成しつつ複合一体化している粒子形態が好ましい。
【0018】
有機ポリマー骨格は、有機ポリマーに由来する主鎖、側鎖、分岐鎖および架橋鎖のうちの少なくとも主鎖を含んでなる骨格構造である。該骨格を形成する有機ポリマーの分子量、組成、構造および官能基の有無などは、特に限定はされない。有機ポリマーは、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレンおよびポリオレフィン等のビニルポリマー、ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ならびに、尿素樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0019】
有機ポリマー骨格の形態としては、複合体粒子の硬度を適度に制御できるという理由から、下記式(1):
【0020】
【化1】
【0021】
で表される繰り返し単位の化学的結合により構成される主鎖を有するポリマー(いわゆるビニル系ポリマー)であることが好ましい。
ポリシロキサン骨格は、下記式(2):
【0022】
【化2】
【0023】
で表されるシロキサン単位が連続的に化学結合して、網目構造のネットワークを構成した化合物と定義される。ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は、複合体粒子の重量に対して0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5〜90重量%、さらに好ましくは1.0〜80重量%である。ポリシロキサン骨格中のSiO2の量が上記範囲であることにより、前述したポリシロキサン骨格により期待できる効果を十分に発揮させることができる。また、0.1重量%未満であると、粒子の柔軟性や弾力性が低下し、樹脂組成物に外部応力が加わった場合に粒子内部が破壊する等の不具合が生じるおそれがあり、上記範囲を超える場合は、粒子と樹脂との密着性が低下し、樹脂組成物中の粒子が脱落しやすくなるおそれがある。なお、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は、粒子を空気などの酸化性雰囲気中で1000℃以上の温度で焼成した前後の重量を測定することにより求めた重量百分率である。
【0024】
本発明の添加剤として用いる複合体粒子は、光電子分光法により求められる該粒子表面の炭素原子数とケイ素原子数との比(表面原子数比(C/Si))が1.0〜1.0×104であることが、媒体として用いる樹脂との密着性に優れる点で好ましい。上記表面原子数比(C/Si)が1.0未満であると、樹脂との密着性が低下するおそれがあり、1.0×104を超える場合は、粒子の柔軟性や弾力性が低下し、樹脂組成物に外部応力が加わった場合に粒子内部が破壊する等の不具合が生じるおそれがある。
本発明の添加剤として用いる複合体粒子の平均粒子径は、特に限定されるわけではないが、0.01〜200μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜100μm、さらに好ましくは0.1〜80μmである。平均粒子径が上記範囲内である場合は、光学樹脂用添加剤として、例えば、得られる光学樹脂組成物において優れた光拡散性や面発光性を発揮させることができる等の有利な効果が得られる。上記平均粒子径が0.01μm未満であると、十分な光拡散効果が得られないおそれがあり、200μmを超える場合は、媒体となる樹脂での分散性が低下するおそれがある。
【0025】
本発明の添加剤として用いる複合体粒子の粒度分布のシャープさは、特に限定されるわけではないが、粒子径の変動係数(CV値)で示した場合、50%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは10%以下である。上記変動係数(CV値)が上記範囲内である場合は、例えば、光学樹脂用添加剤として、例えば、得られる光学樹脂組成物において優れた光拡散性や面発光性を発揮させることができる等の有利な効果が得られる。上記変動係数(CV値)が、50%を超える場合は、光拡散性や面発光性等といった光学的特性を十分に発揮できないおそれがある。
【0026】
複合体粒子は、その硬度や破壊強度などといった機械的特性それぞれについて、ポリシロキサン骨格部分や有機ポリマー骨格部分の割合を適宜変化させることにより任意に調節することができる。
複合体粒子の形状は、特に限定はされないが、例えば、球状、針状、板状、鱗片状、紛砕状、偏状、まゆ状およびこんぺい糖状などが挙げられる。特に、光学樹脂添加剤として用いる場合(光学樹脂組成物に用いる場合)は、真球状かほぼ真球に近い形状であって、その短粒子径に対する長粒子径の比率が1.00〜1.20の範囲にあり、かつ、粒子径の変動係数が50%以下であることが好ましい。
【0027】
本発明の添加剤は、LCD等に用いる光拡散シートや導光板、あるいは、PDP、ELディスプレイおよびタッチパネル等に用いる光学樹脂に対する光拡散剤やアンチブロッキング剤などの添加剤として用いられるが、用途は特にこれに限定されず、例えば、その他各種フィルム用のアンチブロッキング剤などとしても有用である。
上記光学樹脂としては、後述する本発明の光学樹脂組成物の説明において例示する各種樹脂等が挙げられる。
本発明の添加剤として用いる複合体粒子におけるポリシロキサン骨格は、加水分解性基を有するシリコン化合物の加水分解縮合反応により得られることが好ましい。
【0028】
加水分解性を有するシリコン化合物としては、特に限定はされないが、例えば、下記一般式(3):
R’mSiX4-m (3)
(ここで、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0から3までの整数である。)
で表されるシラン化合物およびその誘導体などが挙げられる。
【0029】
上記一般式(3)で表されるシラン化合物としては、特に限定はされないが、例えば、m=0のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン;m=1のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の3官能性シラン;m=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能性シラン;m=3のものとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール等の1官能性シラン等が挙げられる。
【0030】
これらの中でも、上記一般式(3)中、mが1の構造を有し、Xがメトキシ基またはエトキシ基であり、屈折率が1.30〜1.60であるシラン化合物は、光学樹脂用添加剤として好適な屈折率の有機質無機質複合体粒子を得ることができるため好ましい。具体的には、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるシラン化合物の誘導体としては、特に限定はされないが、例えば、Xの一部がカルボキシル基、β−ジカルボニル基等のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物や、上記シラン化合物を部分的に加水分解して得られる低縮合物等が挙げられる。
【0031】
加水分解性を有するシリコン化合物は、1種のみ用いても2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。上記一般式(3)において、m=3であるシラン化合物およびその誘導体のみを原料として使用する場合は、複合体粒子は得られない。
本発明の添加剤として用いる複合体粒子において、ポリシロキサン骨格が、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接結合した有機ケイ素原子を分子内に有する形態の場合は、上記加水分解性を有するシリコン化合物としては、有機ポリマー骨格を形成し得る重合性反応基を含有する有機基を有するものを用いる必要があり、該反応基としては、例えば、ラジカル重合性基、エポキシ基、水酸基およびアミノ基などが挙げられる。
【0032】
ラジカル重合性基を含有する有機基としては、例えば、下記一般式(4)、(5)および(6):
CH2=C(−Ra)−COORb− (4)
(ここで、Raは水素原子またはメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
CH2=C(−Rc)− (5)
(ここで、Rcは水素原子またはメチル基を表す。)
CH2=C(−Rd)−Re− (6)
(ここで、Rdは水素原子またはメチル基を表し、Reは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
で表されるラジカル重合性基などを挙げることができる。
【0033】
上記一般式(4)のラジカル重合性基含有有機基としては、例えば、アクリロキシ基およびメタクリロキシ基などが挙げられ、該有機基を有する上記一般式(3)のシリコン化合物としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0034】
上記一般式(5)のラジカル重合性基含有有機基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基などが挙げられ、該有機基を有する上記一般式(3)のシリコン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記一般式(6)のラジカル重合性基含有有機基としては、例えば、1−アルケニル基もしくはビニルフェニル基、イソアルケニル基もしくはイソプロペニルフェニル基などが挙げられ、該有機基を有する上記一般式(3)のシリコン化合物としては、例えば、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルトリエトキシシラン、1−オクテニルトリメトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−トリメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−トリメトキシシリルスチレン、1−ヘキセニルメチルジメトキシシラン、1−ヘキセニルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0035】
エポキシ基を含有する有機基を有するシリコン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
水酸基を含有する有機基を有するシリコン化合物としては、例えば、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0036】
アミノ基を含有する有機基を有するシリコン化合物としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
複合体粒子においてはまた、有機ポリマー骨格は、例えば、1)上記シリコン化合物が、加水分解性基とともに、ラジカル重合性基やエポキシ基等の有機ポリマー骨格を形成し得る重合性反応基を含有する有機基を有する場合は、1-1)シリコン化合物の加水分解縮合反応後に重合することで得られることや、1-2)シリコン化合物の加水分解縮合反応により得られたポリシロキサン骨格を有する粒子に、ラジカル重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーおよびアミノ基を有するモノマー等の重合性反応基を有する重合性モノマーを吸収させておいて重合することで得られること、
2)上記シリコン化合物が、ラジカル重合性基、エポキシ基、水酸基、アミノ基等の有機ポリマー骨格を形成し得る重合性反応基を含有する有機基を有しない場合は、シリコン化合物の加水分解縮合反応により得られたポリシロキサン骨格を有する粒子に、ラジカル重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーおよびアミノ基を有するモノマー等の重合性反応基を有する重合性モノマーを吸収させておいて重合することで得られること、
などが好ましい。
【0037】
前述のごとく、複合体粒子は、a)ポリシロキサン骨格が有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素原子を分子内に有している形態(化学結合タイプ)であってもよいし、b)このような有機ケイ素原子を分子内に有していない形態(IPNタイプ)であってもよく、特に限定はされないが、例えば、上記1-1)のようにしてポリシロキサン骨格とともに有機ポリマー骨格を得た場合は、a)の形態を有する複合体粒子を得ることができ、上記2)のようにした場合は、b)の形態を有する複合体粒子を得ることができる。また、上記1-2)のようにしてポリシロキサン骨格とともに有機ポリマー骨格を得た場合は、上記a)とb)の形態を併せ持った形態を有する複合体粒子を得ることができる。
【0038】
上記1-2)や2)の方法において、ポリシロキサン骨格を有する粒子に吸収させることのできるラジカル重合性モノマーとしては、ラジカル重合性ビニルモノマーを必須とするモノマー成分であることが好ましい。
上記ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、例えば、分子内に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を含有する化合物であればよく、その種類等は特に限定されず、複合体粒子が所望の物性を発揮できるよう適宜選択することができ、これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリシロキサン骨格を有する粒子に上記モノマー成分を吸収させる際に、あらかじめ上記モノマー成分を乳化分散させエマルションを生成させておくにあたり、安定なエマルションとするため、疎水性のラジカル重合性ビニルモノマーを用いることがより好ましい。同様に、架橋性モノマーを用いてもよく、得られる複合体粒子の機械的特性に関する効果を容易に調節することができ、好ましい。また、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性モノマーを用いることもできる。具体的には、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−トリメトキシシシリルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
【0039】
本発明の添加剤として用いる複合体粒子を製造する方法について、以下に説明する。後述する加水分解縮合工程と重合工程とを含む製造方法が好ましく挙げられる。さらに必要に応じて、加水分解縮合工程後、重合工程前に、重合性モノマーを吸収させる吸収工程を含めてもよいが、加水分解縮合工程に用いるシリコン化合物が、ポリシロキサン骨格構造を構成し得る要素とともに有機ポリマー骨格を構成する要素を併せ持ったものでない場合は、上記吸収工程を必須とし、この吸収工程において有機ポリマー骨格を形成するようにする。
加水分解縮合工程は、前述したシリコン化合物を、水を含む溶媒中で加水分解して縮合させる反応を行う工程である。該工程により、ポリシロキサン骨格を有する粒子(ポリシロキサン粒子)を得ることができる。加水分解と縮合は、一括、分割、連続など、任意の方法をとることができる。加水分解・縮合させるにあたっては、触媒としてアンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができる。
【0040】
上記水を含む溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤を含めることができる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のアステル類;イソオクタン、シクロへキサン等の(シクロ)パラフィン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類などを挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0041】
加水分解縮合工程ではまた、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することもできる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
加水分解および縮合は、例えば、原料となる上記シリコン化合物や触媒や有機溶剤を水を含む溶媒に添加し、0〜100℃、好ましくは0〜70℃で、30分〜100時間撹拌することにより行うことができる。また、このような方法により、所望の程度まで反応を行って一旦得られた粒子を、種粒子として予め反応系に仕込んでおいたうえで、さらにシリコン化合物を添加して該種粒子を成長させることもできる。
【0042】
吸収工程は、前述したように、用いるシリコン化合物に応じて必須工程にすべき場合と任意工程にしてもよい場合とがある。
吸収工程においては、ポリシロキサン粒子に重合性モノマーが加えるが、最終的にポリシロキサン粒子の存在下に上記重合性モノマーを存在させた状態で吸収させればよい。よって、特に限定はされないが、例えば、ポリシロキサン粒子を分散させた溶媒中に重合性モノマーを加えておいてもよいし、重合性モノマーを含む溶媒中にポリシロキサン粒子を加えておいてもよいとする。なかでも、前者のように、予めポリシロキサン粒子を分散させた溶媒中に、重合性モノマーを加えておくことが、好ましく、さらにはポリシロキサン粒子を合成して得られたポリシロキサン粒子分散液から該粒子を取り出すことなく該分散液に重合性モノマーを加えておくことが、複雑な工程を必要とならず、生産性に優れており、好ましい。
【0043】
吸収工程においては、ポリシロキサン粒子の構造中に上記重合性モノマーを吸収させるが、この吸収が容易にされやすくなるよう、ポリシロキサン粒子に上記重合性モノマーを加えるにあたっては、種々の条件を設定し、その条件のもとで行うことが好ましい。そのような条件としては、ポリシロキサン粒子および重合性モノマーのそれぞれの濃度や、ポリシロキサン粒子と重合性モノマーとの混合比、混合の処理方法・手段、混合時の温度や時間、混合後の処理方法・手段などが挙げられる。これら条件は、用いるポリシロキサン粒子や重合性モノマーの種類などによって、適宜その必要性を考慮すればよい。また、これら条件は1種のみ適用しても2種以上を合わせて適用してもよい。
【0044】
吸収工程において、上記重合性モノマーを加えておく際は、ポリシロキサン粒子の原料として使用したシリコン化合物の重量に対して、重量で0.01倍〜100倍で添加しておくことが好ましい。上記添加量が0.01倍より小さい場合は、ポリシロキサン粒子の上記重合性モノマーの吸収量が少なくなり、得られる複合体粒子の樹脂中への密着性が低下するおそれがあり、100倍を超える場合は、添加した重合性モノマーをポリシロキサン粒子に完全に吸収させることが困難であり、未吸収の重合性モノマーが残存するため後の重合段階において粒子間の凝集が発生しやすくなるおそれがある。
【0045】
吸収工程において、重合性モノマーを加えておくにあたっては、重合性モノマーを一括で加えておいてもよいし、数回に分けて加えてもよいし、任意の速度でフィードしてもよく、特に限定はされない。また、重合性モノマーを加えるにあたっては、重合性モノマーのみで添加しても、重合性モノマーの溶液を添加してもよいが、重合性モノマーを予め乳化分散させた状態でポリシロキサン粒子に加えておくことが、該粒子への吸収がより効率よく行われるため、好ましい。
上記乳化分散については、通常、上記モノマー成分を乳化剤とともにホモミキサーや超音波ホモジナイザー等を用いて水中で乳濁状態とすることが好ましい。
【0046】
吸収工程において、モノマー成分がポリシロキサン粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、モノマー成分を加える前および吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、モノマー成分の吸収により粒子径が大きくなっていることで容易に判断できる。
重合工程は、重合性反応基を重合反応させて、有機ポリマー骨格を有する粒子を得る工程である。具体的には、シリコン化合物として重合性反応基含有有機基を有するものを用いた場合は、該有機基の重合性反応基を重合させて有機ポリマー骨格を形成する工程であり、吸収工程を経た場合は、吸収させた重合性反応基を有する重合性モノマーを重合させて有機ポリマー骨格を形成する工程であるが、両方に該当する場合はどちらの反応によっても有機ポリマー骨格を形成する工程となり得る。
【0047】
重合反応は、加水分解縮合工程や吸収工程の途中で行ってもよいし、いずれか又は両方の工程後に行ってもよく、特に限定はされないが、通常は、加水分解縮合工程後(吸収工程を行った場合は吸収工程後)に開始するようにする。
重合工程後は、得られた粒子を含む調製液をそのまま使用することもできるが、有機溶剤を蒸留して水および/またはアルコールを含む分散媒に置換して使用してもよく、また、ろ過、遠心分離および減圧濃縮等の従来公知の方法を用いて単離することもできる。また、分級により所望の粒度分布を有する粒子にすることができる。単離後は、必要に応じ、乾燥や焼成を目的として、得られた複合体粒子に熱処理工程を施すことができる。
【0048】
熱処理工程は、重合工程で生成した複合体粒子を500℃以下、より好ましくは50〜300℃の温度で乾燥および焼成する工程であり、たとえば、10容量%以下の酸素濃度を有する雰囲気中や減圧下で行われることが好ましい。熱処理工程を行うことによって、重合工程で得られた複合体粒子の柔軟性や弾力性をさらに高くすることができる。
〔光学樹脂組成物〕
本発明にかかる光学樹脂組成物(以下、本発明の樹脂組成物と称することがある。)は、前述した本発明にかかる光学樹脂用添加剤と、光学樹脂としての透明樹脂とを含んでなるものである。
【0049】
本発明の樹脂組成物の形態としては、特に限定はされないが、例えば、1)透明樹脂としての基材樹脂中に、本発明の添加剤を添加および分散させて得られる樹脂組成物であってもよいし、2)所定の基材表面に、透明樹脂としてのバインダー樹脂と本発明の添加剤を含む混合物を積層する(コーティングする)ことによって得られる樹脂組成物であってもよい。
上記1)の形態の場合、基材樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、(メタ)アクリロニトリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、非昌質ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、および、トリアセチルセルロース樹脂等が好ましく挙げられるが、特にこれらに限定はされない。
【0050】
上記1)の形態の光学樹脂組成物は、例えば、光拡散板(光拡散シート)、導光板、各種ディスプレイのプラスチック基板およびタッチパネル用基板などの光学的用途に用いられる。
上記2)の形態の場合、バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、および、ポリウレタン樹脂等が好ましく挙げられるが、特にこれらに限定はされない。
上記2)の形態の光学樹脂組成物は、例えば、光拡散板(光拡散シート)、導光板、各種ディスプレイのプラスチック基板およびタッチパネル用基板などの光学的用途に用いられる。
【0051】
本発明の樹脂組成物においては、本発明の添加剤の含有量は、得ようとする光学的特性を考慮して適宜選択されるべきものであり、特に限定されるものではないが、該樹脂組成物全体に対して0.001〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜93重量%、さらに好ましくは0.05〜90重量%である。本発明の添加剤の含有量が、0.001重量%未満であると、例えば、光拡散性が求められる用途において光の拡散効率が低下するおそれがあり、95重量%を超えると、光学樹脂組成物自体の強度が低下するおそれがある。
本発明の樹脂組成物を得るにあたり、透明樹脂への本発明の添加剤の添加方法は、透明樹脂中に均一に本発明の添加剤たる複合体粒子が分散される方法であれば、特に限定はされないが、複合体粒子の液分散体を透明樹脂に添加する方法でもよいし、複合体粒子をそのまま樹脂中に添加してもよい。
【0052】
上記1)の形態の光学樹脂組成物を得る方法としては、例えば、本発明の添加剤を基材樹脂中に混合し、適当な押出機により溶融混練しながら押出してペレットを形成する方法等が挙げられる。なお、その他必要に応じて、耐候性や耐UV性などの物性を高めるために、各種添加剤や安定剤および難燃剤等の添加物を加えて形成することもできる。
上記2)の形態の光学樹脂組成物を得るにあたり、バインダー樹脂と本発明の添加剤とを含む混合物を積層する方法としては、例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、スプレーコート法等の公知の各種積層方法が挙げられる。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。
実施例と比較例における評価・測定方法を以下に示す。
〔添加剤粒子の脱落性〕
得られた添加剤粒子(光学樹脂用添加剤)の、光学樹脂組成物からの脱落性を、以下の方法により測定・評価した。
【0054】
バインダー樹脂(PET、PEN、PCまたはPMMA)100部に、評価対象とする添加剤粒子10部を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合した後、65mm一軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットを作製した。得られたペレットを射出成形機により成形し、脱落性評価用の試験片とした。
作製した試験片の表面をレーヨン製の布で20回擦った後、布表面を顕微鏡で観察し、脱落粒子が多量に観察されるものを「×」、少量観察されるものを「△」、微量ながら観察されたものを「○」、全く観察されなかったものを「◎」として評価した。
【0055】
〔光拡散シートの輝度ムラ〕
得られた光拡散シート(1辺150mm、厚み30μm)を、端部側面に冷陰極管(直径3mm、長さ170mm)が1灯設置された液晶表示装置用バックライトモジュールの導光板上に重ね合わせ、輝度計(ミノルタ社製、CS−100)を光拡散シートの表面から距離30cmのところに設置し、任意の10ヶ所のスポットについて輝度を測定し、光拡散シート面内の輝度ムラを以下の基準で評価した。
なお、測定・評価の対象とした光拡散シートとしては、(1)光拡散シートの表面をレーヨン製の布で20回擦った後のもの(摩擦試験後)、および、(2)光拡散シートを異なる折り目で20回折り曲げたもの(折り曲げ試験後)、を用いた。
【0056】
◎:全く輝度ムラ無し
○:僅かに部分的に輝度ムラあり
△:部分的に輝度ムラあり
×:全面に輝度ムラあり
〔光拡散シートの面発光性〕
得られた光拡散シート(1辺150mm、厚み30μm)を、端部側面に冷陰極管(直径3mm、長さ170mm)が1灯設置された液晶表示装置用バックライトモジュールの導光板上に重ね合わせ、輝度計(ミノルタ社製、CS−100)を光拡散シートの表面から距離30cmのところに設置し、光拡散シート全面についての輝度を測定し、該シート面内の面発光性を以下の基準で評価した。
【0057】
なお、測定・評価の対象とした光拡散シートとしては、上記輝度ムラの測定・評価と同様の(1)および(2)のものを用いた。
◎:発光面が非常に明るい
○:発光面が明るい
△:発光面がやや暗い
×:発光面が暗い
〔導光板の輝度ムラ〕
得られた導光板(1辺150mm、厚み4mm)を、一辺150mm、厚み2mmの白色反射板の上部に一辺150mm、厚み4mmの導光板を重ね合わせ、導光板の端部側面に冷陰極管(直径3mm、長さ170mm)を設置した。
【0058】
輝度計(ミノルタ社製、CS−100)を導光板の表面から距離30cmのところに設置し、任意の10ヶ所のスポットについて輝度を測定し、導光板面内の輝度ムラを以下の基準で評価した。
なお、測定・評価の対象とした導光板としては、(1)導光板の表面をレーヨン製の布で20回擦った後のもの(摩擦試験後)、および、(2)導光板を異なる折り目で20回折り曲げたもの(折り曲げ試験後)、を用いた。
◎:全く輝度ムラ無し
○:僅かに部分的に輝度ムラあり
△:部分的に輝度ムラあり
×:全面に輝度ムラあり
〔導光板の面発光性〕
得られた導光板(1辺150mm、厚み4mm)を、一辺150mm、厚み2mmの白色反射板の上部に一辺150mm、厚み4mmの導光板を重ね合わせ、導光板の端部側面に冷陰極管(直径3mm、長さ170mm)を設置した。
【0059】
輝度計(ミノルタ社製、CS−100)を導光板の表面から距離30cmのところに設置し、導光板全面についての輝度を測定し、導光板面内の面発光性を以下の基準で評価した。
なお、測定・評価の対象とした導光板としては、上記輝度ムラの測定・評価と同様の(1)および(2)のものを用いた。
◎:発光面が非常に明るい
○:発光面が明るい
△:発光面がやや暗い
×:発光面が暗い
−実施例1−
(光学樹脂用添加剤(添加剤粒子)の調製)
冷却管、温度計および滴下口を備えたフラスコに、イオン交換水650部、25%アンモニア水2.6部およびメタノール322部の混合溶液を入れ、撹拌しながら、該混合溶液にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン24部を滴下口から投入して反応を開始させ、その後2時間撹拌した。別途、スチレン480部と2、2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V−65)10.1部を混合した溶液にアニオン性界面活性剤(N−08、第一工業製薬社製)4.8部とイオン交換水240部を加えたものをホモミキサーにより15分間乳化分散させ、エマルションを調製しておき、このエマルションを前記反応開始から2時間後(2時間撹拌後)、滴下口より添加した。該添加後、さらに1時間撹拌し、反応液を窒素雰囲気下65℃に昇温して、65±2℃で2時間保持し、ラジカル重合反応を行った。該重合反応後、得られた乳濁液を自然沈降により固液分離し、得られたケーキをイオン交換水およびメタノールで洗浄し、さらに100℃で5時間真空乾燥することにより、粒子が凝集してなる乾燥物を得た。該乾燥物をラボジェットを用いて解砕することにより粒子(添加剤粒子(1))を得た。
【0060】
添加剤粒子(1)の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径は10.0μmであり、粒子径の変動係数は3.2%であった。
添加剤粒子(1)の脱落性を前述した方法により評価した。その結果を表1に示す。
(光拡散シートの作製)
厚さ100μmのポリエステル(PET)フィルム表面上に、アクリル系樹脂20部、添加剤粒子(1)40部、溶剤(トルエン)60部を混合分散して調製したワニスをダイコート法でコーティングし、厚さ30μmの光拡散層を作製した。その後、この光拡散層をPETフィルムから単離して、光拡散シート(1)を得た。
【0061】
得られた光拡散シート(1)の輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
(導光板の作製)
芳香族ポリカーボネート樹脂100部に、添加剤粒子(1)0.1部を添加した後、一軸押出し機により溶融混練し、ペレットを得た。得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機により1辺150mm、厚み4mmの板状に成形して、導光板(1)を得た。
得られた導光板(1)の輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
【0062】
−実施例2−
冷却管、温度計および滴下口を備えたフラスコに、イオン交換水650部および25%アンモニア水2.6部の混合溶液を入れ、撹拌しながら、該混合溶液にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン50部とメタノール322部に2.2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V−65)10.1部を溶解した溶液とを滴下口から投入して反応を開始させ、その後2時間撹拌した。反応液を窒素雰囲気下65℃に昇温して、65±2℃で2時間保持し、ラジカル重合反応を行った。該重合反応後、得られた乳濁液を自然沈降により固液分離し、得られたケーキをイオン交換水およびメタノールで洗浄し、さらに100℃で5時間真空乾燥することにより、粒子が凝集してなる乾燥物を得た。該乾燥物をラボジェットを用いて解砕することにより粒子(添加剤粒子(2))を得た。
【0063】
添加剤粒子(2)の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径は12.0μmであり、粒子径の変動係数は2.5%であった。
添加剤粒子(2)の脱落性を前述した方法により評価した。その結果を表1に示す。
次に、添加剤粒子(1)の代わりに添加剤粒子(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光拡散シート(2)および導光板(2)を作製した。
得られた光拡散シート(2)および導光板(2)それぞれの、輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
【0064】
−比較例1−
ジビニルベンゼン、スチレンおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物を懸濁重合し、得られたケーキをイオン交換水およびメタノールで洗浄し、さらに100℃で5時間真空乾燥することにより、粒子が凝集してなる乾燥物を得た。該乾燥物をラボジェットを用いて解砕することにより粒子(添加剤粒子(c1))を得た。
添加剤粒子(c1)の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径は12.0μm、粒子径の変動係数は45%であった。
【0065】
添加剤粒子(c1)の脱落性を前述した方法により評価した。その結果を表1に示す。
次に、添加剤粒子(1)の代わりに添加剤粒子(c1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光拡散シート(c1)および導光板(c1)を作製した。
得られた光拡散シート(c1)および導光板(c1)それぞれの、輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
【0066】
−比較例2−
メタクリル酸メチル、ジメタクリル酸エチレングリコールおよび2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸の混合物を懸濁重合し、得られたケーキをイオン交換水およびメタノールで洗浄し、さらに100℃で5時間真空乾燥することにより、粒子が凝集してなる乾燥物を得た。該乾燥物をラボジェットを用いて解砕することにより粒子(添加剤粒子(c2))を得た。
添加剤粒子(c2)の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径は12.0μmであり、粒子径の変動係数は45%であった。
【0067】
添加剤粒子(c2)の脱落性を前述した方法により評価した。その結果を表1に示す。
次に、添加剤粒子(1)の代わりに添加剤粒子(c2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光拡散シート(c2)および導光板(c2)を作製した。
得られた光拡散シート(c2)および導光板(c2)それぞれの、輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
【0068】
−比較例3−
冷却管、温度計および滴下口を備えたフラスコに、イオン交換水650部および25%アンモニア水1.0部の混合溶液を入れ、撹拌しながら、該混合溶液にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100部とメタノール322部に2.2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V−65)10.1部を溶解した溶液とを滴下口から投入して反応を開始させ、その後2時間撹拌した。反応液を窒素雰囲気下65℃に昇温して、65±2℃で2時間保持し、ラジカル重合反応を行った。該重合反応後、得られた乳濁液を自然沈降により固液分離し、得られたケーキをイオン交換水およびメタノールで洗浄し、さらに900℃で5時間焼成することにより、シリカ粒子(添加剤粒子(c3))を得た。
【0069】
添加剤粒子(c3)の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径は10.5μmであり、粒子径の変動係数は5.5%であった。
添加剤粒子(c3)の脱落性を前述した方法により評価した。その結果を表1に示す。
次に、添加剤粒子(1)の代わりに添加剤粒子(c3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光拡散シート(c3)および導光板(c3)を作製した。
【0070】
得られた光拡散シート(c3)および導光板(c3)それぞれの、輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
−比較例4−
市販のシリコーン球状微粒子(東芝シリコーン(株)製、トスパール120)(添加剤粒子(c4))を用意した。
添加剤粒子(c4)の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径は2.0μmであり、粒子径の変動係数は8.2%であった。
【0071】
添加剤粒子(c4)の脱落性を前述した方法により評価した。その結果を表1に示す。
次に、添加剤粒子(1)の代わりに添加剤粒子(c4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光拡散シート(c4)および導光板(c4)を作製した。
得られた光拡散シート(c4)および導光板(c4)それぞれの、輝度ムラおよび面発光性を前述した方法により評価した。その結果を表2および表3に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、光学的用途を考慮した場合においても、バインダー樹脂層や樹脂基材等から脱落しにくく、輝度ムラの無い均一な光拡散性および高い面発光性を発揮させることができる光学樹脂用添加剤を提供すること、および、該添加剤と透明樹脂とを含んでなり、光学用途に用いた場合に輝度ムラの無さや面発光性等の光学的特性において非常に優れた性能を発揮し得る光学樹脂組成物を提供することができる。また、本発明の光学樹脂用添加剤を用いれば、生産性の向上や、コスト等の経済性の向上も図ることができ、光学材料として光の損失が少なく、機械的強度や柔軟性等の物理的性能にも優れた光学樹脂組成物を提供することもできる。
Claims (6)
- 有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須骨格として含む構造を有する有機質無機質複合体粒子からなる光学樹脂用添加剤であって、
前記ポリシロキサン骨格が、下記一般式(3)のシリコン化合物を加水分解縮合させることにより得られるものであり、かつ、
前記有機ポリマー骨格が、前記加水分解縮合により得られるポリシロキサン骨格を有する粒子に乳化分散状態で吸収させてなる重合性モノマーを重合させることにより得られるものである、
ことを特徴とする、光学樹脂用添加剤。
R’mSiX4−m (3)
(ここで、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0または1の整数である。) - 前記重合性モノマーがラジカル重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーおよびアミノ基を有するモノマーのうちから選ばれるものである、請求項1に記載の光学樹脂用添加剤。
- 前記有機質無機質複合体粒子の粒子径の変動係数が10%以下である、請求項1または2に記載の光学樹脂用添加剤。
- 有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須骨格として含む構造を有する有機質無機質複合体粒子からなる光学樹脂用添加剤の製造方法であって、
下記一般式(3)のシリコン化合物を加水分解縮合させる工程と、
前記加水分解縮合により得られるポリシロキサン骨格を有する粒子に吸収させてなる重合性モノマーを重合させる工程と、
を含み、
前記重合性モノマーの吸収が当該重合性モノマーを乳化分散させた状態でなされている、
ことを特徴とする、光学樹脂用添加剤の製造方法。
R’mSiX4−m (3)
(ここで、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0または1の整数である。) - 前記重合性モノマーがラジカル重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーおよびアミノ基を有するモノマーのうちから選ばれるものである、請求項4に記載の光学樹脂用添加剤の製造方法。
- 請求項1から3までのいずれかに記載の光学樹脂用添加剤と透明樹脂とを含んでなる、光学樹脂組成物。
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