JP2009254938A - 粒子の分級方法およびその方法を用いて得られる粒子 - Google Patents

粒子の分級方法およびその方法を用いて得られる粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】粗大粒子からなる第一粒子群を十分に除去できる粒子の分級方法の提供。
【解決手段】内部に液体または気体を有する粒子を含む粒子混合物から、この粒子混合物中においてある値を基準としてそれよりも大きい粒径の粒子を第一粒子群、粒子混合物中の第一粒子群以外の粒子を第二粒子群としたとき、第一粒子群を除去する篩い分け工程と、篩い分け工程後の粒子混合物を、流体中にて個々の粒子の質量および個々の粒子が受ける流体抵抗の差により乾式分級する流体分級工程とを有する粒子の分級方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粒径を高度にコントロールすることができる粒子の分級方法、ならびにその分級方法を用いて得られる粒子に関するものである。
従来から、液晶ディスプレイ(LCD)、透過型スクリーン、およびタッチパネル等の表示機器の材料として、光拡散性または反射防止防眩性を付与する光学用フィルム(シート、板)等の光学用樹脂材料が使用されており、当該光学用樹脂材料の原料には粒子が使用されている。また、電子写真用トナーにも粒子が使用されている。
光学用樹脂材料に使用される粒子は、粒径が所定値以上である粗大粒子の含有量が少ないことが要望されることがある。光学用フィルム等の表面に粗大粒子が傷を発生させる場合や、同フィルムにおいて粗大粒子が直接視認される場合には、表示機器の表示品位を低下させることになる。このことが前記の要望の理由の一つとなっている。他方、粗大粒子が電子写真用トナーを用いた画像形成に直接悪影響を及ぼすこととなるため、電子写真用トナーに使用する粒子に含まれる粗大粒子量が少ないことが望まれる。
粗大粒子量を抑える方法として、粒径が1μmを超えるポリマー粒子を除去する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、粒子の粒度分布を高度にコントロールする方法として、気流分級機を使用する粒子の分級方法が提案されている(特許文献2参照)。
ところで、気流分級機のような質量および個々の粒子が受ける流体抵抗の差による乾式分級法で粒子分級を行なっていたところ、分級後の粒子に粗大粒子が多量に含まれることがあった。上記の光学用樹脂材料等に対する要望に応じることができないため、可能な限り粗大粒子を除去できる分級方法の提供が望まれる。
特開平7−228705号公報 特開平4−166275号公報
本発明は、上記事情に鑑み、粗大粒子を十分に除去できる粒子の分級方法の提供を目的とする。
所定の粒径よりも大きい粒子である粗大粒子が混在する粒子混合物から粗大粒子を十分に除去できる分級方法について本発明者らが鋭意検討した結果、粗大粒子の一種として存在している低比重の非中実な粒子が、乾式分級で粗大粒子を十分に除去できない要因となっていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係る分級方法は、内部に液体または気体を有する粒子を含む粒子混合物から、この粒子混合物中においてある値を基準としてそれよりも大きい粒径の粒子を第一粒子群、前記粒子混合物中の前記第一粒子群以外の粒子を第二粒子群としたとき、前記第一粒子群を除去する篩い分け工程と、前記篩い分け工程後の粒子混合物を、流体中にて個々の粒子の質量および個々の粒子が受ける流体抵抗の差により乾式分級する流体分級工程とを有するところに要旨を有する。ここで、第一粒子群の構成粒子を規定するための「ある値を基準としてそれよりも大きい粒径」とは、任意に定められる粒径であり、粒子混合物からの十分な除去目的物とされる粒子の粒径を意味する。また、流体分級工程の乾式分級における「流体抵抗」とは、流体中に置かれた物体が、流体により当該流体の流れと平行方向に受ける力をいう。
前記篩い分け工程は、前記粒子混合物をフィルターを用いて濾過する前濾過工程と、前記前濾過工程で用いたフィルターよりも目開きの小さいフィルターを用いて、さらに濾過する後濾過工程とを有していると良い。
前記流体分級工程は、慣性力と流体抵抗の両因子の総合的作用により分級するものであると好ましい。
前記粒子混合物は、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質・無機質複合粒子の混合物であっても良い。
また、本発明に係る粒子は、本発明に係る粒子の分級方法を使用して得られる粒子である。
本発明に係る粒子の分級方法によれば、粒子混合物を乾式分級する流体分級工程の前に、大粒径の粒子からなる第一粒子群を篩い分け工程で除去するので、乾式分級のみでは不可能な第一粒子群(粗大粒子)の十分な除去を実現できる。
また、内部気泡を有する粒子を含む粒子混合物を乾式分級のみ行なった場合には、その内部気泡を有する粒子を十分に除去できないが、本発明に係る粒子の分級方法によれば、その内部気泡を有する粒子を十分に除去できる。この除去が行なわれた粒子群は、光学用樹脂材料として使用するのに好適である。
以下に実施形態の粒子の分級方法に基づき本発明の分級方法を説明する。
本実施形態の分級方法は、粒子混合物を分級する方法であり、篩い分け工程、および流体分級工程とを有する。
(粒子混合物)
分級対象である粒子混合物は、大小の粒径の粒子が存在する。この粒子混合物は、重合体を主な構成とする複数粒子からなる第一粒子群と、重合体を主な構成とする複数粒子からなる第二粒子群とを有する。
第一粒子群は、任意に定めた粒径を基準にして区別される。その任意に定めたある粒径よりも大粒径の複数粒子が第一粒子群である。第一粒子群の構成粒子の外形は、球状、またはお椀状等の凹面部を有する形状である。ここで、第一粒子群に該当するかを判断するための「任意に定めた粒径」は、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザーII」)による測定値を基準にする。
上記第一粒子群を区別するための粒径は、任意に定めるべき値である。例えば、平均粒径のX倍以上の粒径粒子の含有量が少ないことを求めるとき、第一粒子群における各粒子の粒径は、精密粒度分布測定装置で測定した平均粒径のX倍以上である。第一粒子群における各粒子の粒径は、特に限定されないが、1〜100μmが良く、2〜80μmが好ましく、4〜50μmがより好ましい。
本実施形態の分級方法は粒子混合物から第一粒子群を十分に除去することを目的とするが、第一粒子群には、流体分級工程で十分に除去することができる中実粒子(内部がほぼ重合体だけの粒子)だけではなく、流体分級工程のみでは十分な除去が困難な粒子も含まれている。その除去困難な粒子は、内部に液体および/または気体が存在する粒子である。また、除去困難な粒子として、凹面部を有する粒子が上記第一粒子群に含まれている場合がある。なお、球状粒子および凹面部を有する粒子の何れであっても、内部に液体および/または気体を有する場合がある。以下においては、「内部に液体および/または気体を有する粒子」を「中空粒子」と称することがある。また、凹面部を有する粒子、内部に液体および/または気体を有する粒子の何れをも「非中実粒子」ということがある。さらに、凹面部を有する粒子を特に「お椀状粒子」ということがある。
非中実粒子は、重合体が不存在となる凹面部、内部液体、および内部気泡の何れかを有しているため、中実粒子に比して空隙率が高い。ここで空隙率とは、V1/V2×100で表される(V1:粒子中における重合体不存在部の体積、V2:重合体不存在部を含めた粒子の全体積)。本実施形態の分級方法は、第一粒子群に非中実粒子を有している粒子混合物の分級に適した方法であり、空隙率10%以上の非中実粒子を有する第一粒子群を構成している粒子混合物の分級に適している。
ここで、V1およびV2は以下の方法により定めることができる。すなわち、粒子1gにエチレングリコールモノエチルエーテル10gを加えて均一に分散した後、スライドガラス上に分散液を滴下し、カバーガラスを載せてデジタルマイクロスコープ(ハイロックス社製)を用いて倍率1000倍にて観察する。透過光の散乱により中空粒子の中空部は黒く見える。観察された中空粒子の黒く見える中空部の最大径をD1、外殻部の最大径をD2とし、次式によりV1およびV2を算出する。
1 = π/6×D1 3
2 = π/6×D2 3
ところで、非中実粒子の一種である凹面部を有する粒子は、当該粒子製造時に凹面部を有している場合がある。また、篩い分け工程前または篩い分け工程と流体分級工程との間に行われる乾燥によって、粒子に凹面部が形成される場合がある。乾燥で凹面部が形成されるのは、気体および/または液体が粒子に内包されているからである。
なお、本実施形態に係る分級方法は、流体分級工程を設け、当該工程では乾式の分級を採用しているので、流体分級工程前の粒子乾燥は必須である。また、乾燥では、粒子の水分含量を0.05〜2質量%にすることが好ましく、0.1〜0.5質量%にすることがより好ましい。ここで「粒子の含水量」とは、カールフィッシャー水分計(例えば平沼産業株式会社製、水分測定装置)により測定される値である。前記水分量を満たす粒子であれば、粒子における含水量が多すぎる場合の粒子同士の凝集、および、粒子における含水量が少なすぎる場合の粒子同士の凝集が抑制されることになり、流体分級工程における乾式分級を適切に行える。
第二粒子群は、この構成粒子各々の外形および中実であるか否かについては特に限定されない(なお、第二粒子群における構成粒子の大部分の外形は、その短粒径に対する長粒径の比率が1.0〜1.2の範囲に入る球状である。)。また、第二粒子群を構成する各粒子の粒径は、第一粒子群の各粒子の粒径と異なる。第二粒子群の構成粒子であるためには、その粒径が上記第一粒子群に属するかを区別するための任意粒径未満であることが要件である。
粒子混合物は、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質・無機質複合粒子、(メタ)アクリル酸系ポリマー粒子等の樹脂粒子等、特に限定されない。例示した粒子について、以下に更に説明する。
先ず、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質・無機質複合粒子(以下、単に「複合粒子」ということがある)を説明する。
公知の重合方法により複合粒子を製造することができる。従って、乳化重合、懸濁重合、シード重合、ゾルゲル重合などにより、複合粒子を製造できる。
複合粒子は、加水分解性シリル基を有するシリコーン化合物を原料とするポリシロキサンと重合性基(例えばビニル基、(メタ)アクリロイル基など)を有する重合性単量体などと反応させて得られる有機ポリマー骨格と、ポリシロキサン骨格とを含む複合粒子である。該複合粒子は、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子に、ポリシロキサン骨格中のケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素原子を分子内に有すると良い。この複合粒子としては、ポリシロキサン骨格中のケイ素原子と有機ポリマー骨格中の炭素原子とが結合していることにより、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格とが3次元的なネットワーク構造を構成していると良い。
複合粒子は、光電子分光法により求められる該粒子表面の炭素原子数とケイ素原子数との比(表面原子数比(C/Si))が1.0〜1.0×104であることが、フィルムにおける複合粒子の密着性に優れる点で好ましい。上記表面原子数比(C/Si)が1.0未満であると、複合粒子の密着性が低下するおそれがあり、1.0×104を超える場合は、粒子の柔軟性や弾力性が低下する恐れがある。
複合粒子の硬度や破壊強度などといった機械的特性は、ポリシロキサン骨格部分や有機ポリマー骨格部分の割合で調節される。
上記有機ポリマー骨格は、側鎖を有するもの、分岐構造を有するもの、さらには架橋構造を有するものであってもよい。該骨格を形成する有機ポリマーの分子量、組成、構造および官能基の有無などは、特に限定はされない。上記有機ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレンおよびポリオレフィン等のビニルポリマー、ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ならびに、尿素樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
また、上記有機ポリマー骨格は、複合粒子の硬度を適度に制御できるという理由から、下記式(1)で表される繰り返し単位により構成される主鎖(いわゆるビニル系ポリマー骨格)にしていることが好ましい。
Figure 2009254938
一方、上記ポリシロキサン骨格は、下記式(2)で表されるシロキサン単位が連続的に化学結合して、網目構造のネットワークを構成した化合物と定義される。
Figure 2009254938
ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は、複合粒子の重量に対して0.1〜25質量%であると良く、1〜10質量%であることが好ましい。ポリシロキサン骨格中のSiO2 の量が上記範囲であれば、複合粒子の硬度の制御が容易となる。また、0.1質量%未満であると、粒子の柔軟性や弾力性が低下するおそれがあり、上記範囲を超える場合は、複合粒子をフィルム等に使用したときの複合粒子と樹脂との密着性が低下し、複合粒子が脱落しやすくなるおそれがある。なお、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は、複合粒子を空気などの酸化性雰囲気中で800℃以上の温度で焼成した前後の質量を測定することにより求めた質量百分率である。
上記複合粒子におけるポリシロキサン骨格は、加水分解性基を有するシリコーン化合物の加水分解縮合反応により形成される。加水分解性を有するシリコーン化合物としては、特に限定はされないが、例えば、下記一般式(3)で表されるシラン化合物およびその誘導体などが挙げられる。
R’mSiX4‐m(3)
(ここで、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0から3までの整数である。)
上記一般式(3)で表されるシラン化合物としては、特に限定はされないが、例えば、m=0のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン;m=1のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の3官能性シラン;m=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能性シラン;m=3のものとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール等の1官能性シラン等が挙げられる。これらの中でも、上記一般式(3)中、mが1の構造を有し、Xがメトキシ基またはエトキシ基であり、屈折率が1.30〜1.60であるシラン化合物は、光学用途に好適な屈折率の有機質・無機質複合粒子を得ることができるため好ましい。具体的には、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるシラン化合物の誘導体としては、特に限定はされないが、例えば、Xの一部がカルボキシル基、β−ジカルボニル基等のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物や、上記シラン化合物を部分的に加水分解して得られる低縮合物等が挙げられる。
加水分解性を有するシリコーン化合物は、1種のみ用いても2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。上記一般式(3)において、m=3であるシラン化合物およびその誘導体のみを原料として使用する場合は、複合粒子は得られない。
上記複合粒子が、ポリシロキサン骨格が有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接結合した有機ケイ素原子を分子内に有する形態の場合は、上記加水分解性を有するシリコーン化合物としては、有機ポリマー骨格を形成し得る重合性反応基を含有する有機基を有するものを用いる必要があり、該反応基としては、例えば、ラジカル重合性基、エポキシ基、水酸基およびアミノ基などが挙げられる。
上記ラジカル重合性基を含有する有機基としては、例えば、下記一般式(4)、(5)および(6)で表されるラジカル重合性基などを挙げることができる。
CH2=C(−Ra)−COORb− (4)
(ここで、Raは水素原子またはメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
CH2=C(−Rc)− (5)
(ここで、Rcは水素原子またはメチル基を表す。)
CH2=C(−Rd)−Re− (6)
(ここで、Rdは水素原子またはメチル基を表し、Reは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
上記一般式(4)のラジカル重合性基含有有機基としては、例えば、アクリロキシ基およびメタクリロキシ基などが挙げられ、該有機基を有する上記一般式(3)のシリコーン化合物としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記一般式(5)のラジカル重合性基含有有機基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基などが挙げられ、該有機基を有する上記一般式(3)のシリコーン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記一般式(6)のラジカル重合性基含有有機基としては、例えば、1−アルケニル基もしくはビニルフェニル基、イソアルケニル基もしくはイソプロペニルフェニル基などが挙げられ、該有機基を有する上記一般式(3)のシリコーン化合物としては、例えば、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルトリエトキシシラン、1−オクテニルトリメトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−トリメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−トリメトキシシリルスチレン、1−ヘキセニルメチルジメトキシシラン、1−ヘキセニルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
エポキシ基を含有する有機基を有するシリコーン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
水酸基を含有する有機基を有するシリコーン化合物としては、例えば、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
アミノ基を含有する有機基を有するシリコーン化合物としては、例えば、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
また、上記複合粒子に含まれる有機ポリマー骨格は、例えば、1)上記シリコーン化合物が、加水分解性基とともに、ラジカル重合性基やエポキシ基等の有機ポリマー骨格を形成し得る重合性反応基を含有する有機基を有する場合には、1−1)シリコーン化合物の加水分解縮合反応後に重合する方法や、1−2)シリコーン化合物の加水分解縮合反応により得られたポリシロキサン骨格を有する粒子に、ラジカル重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーおよびアミノ基を有するモノマー等の重合性反応基を有する重合性モノマーを吸収させた後、重合させる方法によっても得られる。また、2)上記シリコーン化合物が、ラジカル重合性基、エポキシ基、水酸基、アミノ基等の有機ポリマー骨格を形成し得る重合性反応基を含有する有機基を有しない場合には、シリコーン化合物の加水分解縮合反応により得られたポリシロキサン骨格を有する粒子に、ラジカル重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーおよびアミノ基を有するモノマー等の重合性反応基を有する重合性モノマーを吸収させた後、重合反応させることでも得られる。
前述のごとく、複合粒子は、a)ポリシロキサン骨格が有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素原子を分子内に有すると良いし、b)このような有機ケイ素原子を分子内に有さない(IPNタイプ)ものであってもよく、特に限定はされないが、例えば、上記1−1)のようにしてポリシロキサン骨格とともに有機ポリマー骨格を得た場合は、a)の形態を有する複合粒子を得られ、上記2)のようにした場合は、b)の形態を有する複合粒子が得られる。また、上記1−2)のようにしてポリシロキサン骨格とともに有機ポリマー骨格を得た場合は、上記a)とb)の形態を併せ持った形態を有する複合粒子が得られる。
上記1−2)や2)の方法において、ポリシロキサン骨格を有する粒子に吸収させることのできるラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性ビニルモノマーを必須とするモノマー成分であることが好ましい。上記ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、例えば、分子内に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を含有する化合物であればその種類等は特に限定されず、所望する複合粒子の物性に応じて適宜選択することができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
例えば、疎水性のラジカル重合性ビニルモノマーは、ポリシロキサン骨格を有する粒子に上記モノマー成分を吸収させる際に、上記モノマー成分を乳化分散させた安定なエマルションを生成させ得るので好ましい。また、ラジカル重合性ビニルモノマーとして、架橋性モノマーを用いてもよく、架橋性モノマーを使用すれば、得られる複合粒子の機械的特性の調節が容易にでき、また、複合粒子の耐溶剤性を向上させることもできる。具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
上記複合粒子を製造する方法としては、後述する加水分解、縮合工程と、重合工程とを含む製造方法が好ましく挙げられる。さらに必要に応じて、加水分解、縮合工程後、重合工程前に、重合性モノマーを吸収させる吸収工程を含めてもよい(上記1−2)および2)の場合)。なお、加水分解、縮合工程に用いるシリコーン化合物が、ポリシロキサン骨格構造を構成し得る要素とともに有機ポリマー骨格を構成する要素を併せ持ったものでない場合は(上記2)の場合)、上記吸収工程を必須とし、この吸収工程に続く重合工程において有機ポリマー骨格が形成される。
上記加水分解、縮合工程は、前述したシリコーン化合物を、水を含む溶媒中で加水分解して縮重合させる反応を行う工程である。該工程により、ポリシロキサン骨格を有する粒子(ポリシロキサン粒子)を得ることができる。加水分解と縮重合は、一括、分割、連続など、任意の方法を採用できる。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒としてアンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができる。
上記水を含む溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤を含めることができる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロへキサン等の(シクロ)パラフィン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類などを挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
加水分解、縮合工程ではまた、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することもできる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
加水分解および縮合は、原料となる上記シリコーン化合物と、触媒や水および有機溶剤を含む溶媒を混合した後、温度0〜100℃、好ましくは0〜70℃で、30分〜100時間撹拌することにより行うことができる。また、所望の程度まで加水分解、縮合反応を行って粒子を製造した後、これを種粒子として、反応系にさらにシリコーン化合物を添加して該種粒子を成長させてもよい。
吸収工程は、前述したように、用いるシリコーン化合物に応じて必須工程にすべき場合と、任意工程にしてもよい場合とがある。上記吸収工程は、ポリシロキサン粒子の存在下に、重合性モノマーを存在させた状態で進行するものであれば特に限定されない。したがって、ポリシロキサン粒子を分散させた溶媒中に重合性モノマーを加えてもよいし、重合性モノマーを含む溶媒中にポリシロキサン粒子を加えてもよい。なかでも、前者のように、予めポリシロキサン粒子を分散させた溶媒中に、重合性モノマーを加えるのが好ましく、さらには、加水分解、縮合工程で得られたポリシロキサン粒子を反応液(ポリシロキサン粒子分散液)から取り出すことなく、該反応液に重合性モノマーを加える方法は、工程が複雑にならず、生産性に優れるため好ましい。
なお、吸収工程においては、上記ポリシロキサン粒子の構造中に上記重合性モノマーを吸収させるが、重合性モノマーの吸収が速やかに進行するように、ポリシロキサン粒子および重合性モノマーそれぞれの濃度や、上記ポリシロキサンと重合性モノマーの混合比、混合の処理方法、手段、混合時の温度や時間、混合後の処理方法、手段などを設定し、その条件のもとで行うのが好ましい。
これら条件は、用いるポリシロキサン粒子や重合性モノマーの種類などによって、適宜その必要性を考慮すればよい。また、これら条件は1種のみ適用しても2種以上を合わせて適用してもよい。
上記吸収工程における、重合性モノマーの添加量は、ポリシロキサン粒子の原料として使用したシリコーン化合物の質量に対して、質量で0.01倍〜100倍とするのが好ましい。より好ましくは0.5〜30倍であり、さらに好ましくは1〜15倍である。添加量が上記範囲に満たない場合は、ポリシロキサン粒子の重合性モノマーの吸収量が少なくなり、生成する複合粒子の機械的特性が得られ難くなることがあり、上記範囲を超える場合は、添加した重合性モノマーをポリシロキサン粒子に完全に吸収させることが困難となる傾向があり、未吸収の重合性モノマーが残存するため後の重合段階において粒子間の凝集が発生しやすくなるおそれがある。
上記吸収工程において、重合性モノマーの添加のタイミングは特に限定されず、該重合性モノマーを一括で加えておいてもよいし、数回に分けて加えてもよいし、任意の速度でフィードしてもよい。また、重合性モノマーを加えるにあたっては、重合性モノマーのみで添加しても、重合性モノマーの溶液を添加してもよいが、重合性モノマーを予め乳化剤で乳化分散させた状態でポリシロキサン粒子に加えておくことが、ポリシロキサン粒子への吸収がより効率よく行われるため好ましい。
上記乳化剤は特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、分子中に1個以上の重合可能な炭素‐炭素不飽和結合を有する重合性界面活性剤等がある。なかでも、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤は、ポリシロキサン粒子や、重合性モノマーを吸収したポリシロキサン粒子、重合体粒子の分散状態を安定化させることもできるので好ましい。これら乳化剤は、1種のみを使用しても2種以上を併用してもよい。
上記乳化剤の使用量は特に限定されるものではなく、具体的には、上記重合性モノマーの総質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。上記乳化剤の使用量が、0.01質量%未満の場合は、安定な重合性モノマーの乳化分散物が得られないことがあり、10質量%を超える場合は、乳化重合等が副反応として併発してしまうおそれがある。上記乳化分散については通常、上記重合性モノマーを乳化剤とともにホモミキサーや超音波ホモジナイザー等を用いて水中で乳濁状態とすることが好ましい。
また、重合性モノマーを乳化剤で乳化分散させる際には、重合性モノマーの質量に対して0.3〜10倍の水や水溶性有機溶剤を使用するのが好ましい。上記水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。
上記吸収工程は、0〜60℃の温度範囲で、5分〜720分間、攪拌しながら行うのが好ましい。これらの条件は、用いるポリシロキサン粒子や重合性モノマーの種類などによって、適宜設定すればよく、これらの条件は1種のみ、あるいは2種以上を合わせて採用してもよい。
吸収工程において、モノマー成分がポリシロキサン粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、モノマー成分を加える前および吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、モノマー成分の吸収により粒径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
重合工程は、重合性反応基を重合反応させて、有機ポリマー骨格を有する粒子を得る工程である。具体的には、シリコーン化合物として重合性反応基含有有機基を有するものを用いた場合は、前記有機基の重合性反応基を重合させて有機ポリマー骨格を形成する工程であり、吸収工程を経た場合は、吸収させた重合性反応基を有する重合性モノマーを重合させて有機ポリマー骨格を形成する工程であるが、両方に該当する場合はどちらの反応によっても有機ポリマー骨格を形成する工程となり得る。
重合反応は、加水分解縮合工程や吸収工程の途中で行ってもよいし、いずれか又は両方の工程後に行ってもよく、特に限定はされないが、通常は、加水分解縮合工程後(吸収工程を行った場合は吸収工程後)に開始するようにする。
重合反応は特に限定されないが、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる方法、紫外線や放射線を照射する方法、熱を加える方法など、いずれも採用可能である。上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤類;アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;などを好ましく挙げることができる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、上記重合性モノマーの総質量に対して、0.001質量%〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%〜10質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜5質量%である。上記ラジカル重合開始剤の使用量が、0.001質量%未満の場合は、重合性モノマーの重合度が上がらない場合がある。上記ラジカル重合開始剤の上記溶媒に対する仕込み方については、特に限定はなく、最初(反応開始前)に全量仕込む方法(ラジカル重合開始剤を重合性モノマーと共に乳化分散させておく態様、重合性モノマーが吸収された後にラジカル重合開始剤を仕込む態様);最初に一部を仕込んでおき、残りを連続フィード添加する方法、または、断続的にパルス添加する方法、あるいは、これらを組み合わせた手法など、従来公知の手法はいずれも採用することができる。
上記ラジカル重合する際の反応温度は40〜100℃であることが好ましく、50〜80℃がより好ましい。反応温度が低すぎる場合には、重合度が十分に上がらず重合体粒子の機械的特性が得られ難くなる傾向があり、一方、反応温度が高すぎる場合には、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなる傾向がある。尚、上記ラジカル重合する際の反応時間は用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常、5〜600分が好ましく、10〜300分がより好ましい。反応時間が短すぎる場合には、重合度が十分に上がらない場合があり、反応時間が長すぎる場合には、粒子間で凝集が起こり易くなる傾向がある。
本実施形態では、重合工程後、得られた重合体粒子を含む調製液をそのまま、あるいは、有機溶剤を蒸留して水および/またはアルコールを含む分散媒に置換した後、後述の湿式分級工程に供給してもよく、また、生成した重合体粒子を単離し、乾燥させた後、水および/または有機溶剤に分散させた後、篩い分け工程へと供給してもよい。
次に、樹脂粒子を説明する。
上記樹脂粒子は、モノマー成分の一種として(メタ)アクリル酸系モノマー、スチレン系モノマー、その他の重合性モノマーを一種または二種以上を組み合わせて重合して得られる粒子である。樹脂粒子を製造するための重合方法は、特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、シード重合、ゾルゲル重合等の公知の重合法を使用すると良い。
上記(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアクリル酸あるいはメタクリル酸系モノマー等を挙げることができる。
また、上記スチレン系重合性モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン等を挙げることができる。
その他、重合性モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等を挙げることができる。
重合開始剤、架橋剤、安定剤、界面活性剤等を添加原料にして樹脂粒子を製造することができる。樹脂粒子の製造方法は、例えば特開平5−40366号にその詳細が記載されている。
(篩い分け工程)
篩い分け工程は、粒子混合物から第一粒子群を除去することを目的に、粒子混合物を湿式分級または乾式分級する工程である。本工程では、第一粒子群除去のための目開きに設定された篩いで粒子混合物が分級される。
本実施形態で適用できる粒子混合物の篩い分け方法としては、例えば、メンブランフィルター、メンブランフィルターカートリッジ、プリーツフィルターカートリッジ、デプスフィルターカートリッジ、セラミック膜フィルター等のフィルターを使用した濾過;金属篩;が挙げられる。プリーツフィルターカートリッジおよびデプスフィルターカートリッジの両方の特徴を併せ持つプリーテッドタイプ(プリーツ型の)デプスフィルターが市販されており、このフィルターを使用した濾過で篩い分けを行なっても良い。これらのフィルター(カートリッジ)は、単独で、あるいは同種や異種のものを組み合わせて使用することができる。また、公知の篩い分け方法を単独、または組み合わせて篩い分けを行なっても良い。
また、本実施形態の篩い分け工程に適用できる好ましい篩い分け方法としては、フィルターで粒子混合物を篩い分ける方法がある。フィルターを使用して第一粒子群を除去するためには、粒子混合物を多段階に分けて篩い分けることが特に好適である。
上記多段階で篩い分ける方法は、目開きがある大きさである第一フィルター(a)で粒子混合物から第一粒子群の一部を除去する前濾過工程と、当該前濾過工程後にフィルター(a)よりも目開きが小さいフィルター(b)を用いて更に第一粒子群を除去する後濾過工程を有していると良い。
上記前濾過工程は、その目的が第一粒子群の中でも比較的大粒径の粒子を除去することである。その目的に沿う限り、複数回の篩い分けで前濾過工程が構成されていても良い。
他方、上記後濾過工程の目的は前濾過工程で除去することができなかった第一粒子群中の比較的大粒径の粒子および当該粒子以外の第一粒子群を構成する粒子を除去することである。そのため、後濾過工程も、複数回の篩い分けで構成されていても良い。例えば、(1)所定目開きのフィルター(b1)で粒子混合物を篩い分け、この操作を複数回行うこと、(2)所定目開きのフィルター(b1)で粒子混合物を篩い分けた後、更に目開きの小さいフィルター(b2)で粒子混合物を篩分けること、(3)前記(2)のフィルター(b2)での篩い分けの後に、フィルター(b2)よりも目開きの小さいフィルター(b3)で篩い分けること、が挙げられる。後濾過工程後の粒子混合物は、前濾過工程前の第一粒子群の50%以上(個数基準)が除去されたものが好ましく、60%以上が除去されたものがより好ましく、80%以上が除去されたものが更に好ましい。
なお、上記前濾過工程および後濾過工程で使用するフィルターは、市販のフィルターを適宜選択して使用することが可能である。市販フィルターにおける目開きの公称値が同じであっても、フィルター構造が異なれば分級精度や効率も異なると考えられるため、各種フィルターの構造や目開きを任意選定できる。
(流体分級工程)
篩い分け工程の後に本流体分級工程が行われる。流体分級工程では、篩い分け工程で第一粒子群が除去されることにより全部または大部分が第二粒子群になった粒子混合物を乾式分級する。当該乾式分級には、粒子混合物を構成する個々の粒子の質量差および粒子混合物を構成する個々の粒子が受ける流体抵抗差に基いた原理の分級方法が選択される。
これら質量差および流体抵抗差の相互作用によって分級する公知の装置としては、粒子の落下速度、落下位置等の重力差が原理である重力分級機(水平流型、垂直流型、ジグザグ型等);粒子の慣性力が原理である慣性分級機(直線型、曲線型、ルーバ型等)、日鉄鉱業社製エルボージェット、バリアブルインパクタ等;自由渦、半自由渦による遠心力と空気抗力の釣り合を原理とするホソカワミクロン社製ターボプレックス、日本ニューマチック工業社製DSX、ディスパーションセパレータ、サイクロン、ファントンゲレン、クラシクロン、ミクロプレックス等の (半)自由渦遠心分級;回転する分級羽根(ローター)によってつくられる回転流によって生じる遠心力と空気による抗力の釣り合いを原理とするホソカワミクロン社製ミクロンセパレータ、ミクロプレックス、アキュカット、日清エンジニアリング社製ターボクラシファイア、セイシン社製O−SEPA、セイシン社製クラッシール、エアセパレータ等の回転羽根付き遠心分級;等が挙げられる。
乾式分級方法としては、粒子が受ける慣性力と流体抵抗の両因子の総合的作用により分級する方法が好ましい。例えば、分級装置として日鉄鉱業社製エルボージェット(以下、単に「エルボージェット」ということがある)を選択し、これを使用して分級する方法である。エルボージェットを使用した場合には、流体抵抗に大きく影響するコアンダ効果がある。コアンダ効果とは、流通方向の一方の側だけに壁が置かれた噴流はその壁面に沿って流れる性質であり、このコアンダ効果を利用するコアンダ式気流分級装置であるエルボージェットは、中実な第一粒子群を効率的に除去できるので好ましい。
前記エルボージェットは、粒子を気流と共に装置内に噴出するエジェクター部と、分級室内にまで粒子を含む噴流を導くコアンダブロックと、粒子を性状(粗粉、細粉、微粉など)に応じて隔離する分級エッジを分級目的に応じた位置に備えている。上記エジェクター部から噴出された噴流(粒子を含む)は、コアンダブロックに沿って流れようとする。このとき第一粒子群の構成粒子と第二粒子群の構成粒子の比重が同じであれば各粒子に働く慣性力に差が生じることになるから、第一粒子群の構成粒子はより遠くへ飛行しようとし、第一粒子群の構成粒子と第二粒子の構成粒子とが分級される。
本実施形態の分級方法は、上記の通りである。本実施形態の分級方法によれば、当該方法で分級された粒子0.5gにおける第一粒子群の個数を、20個/0.5g以下にすることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、以下、質量部を「部」、質量%を「%」と表す。
(粒子分散液製造例1)
冷却装置、温度計および滴下口を備えた反応釜に、イオン交換水280部、25%アンモニア水5部およびメタノール120部の混合溶液を入れ、混合溶液の攪拌下、滴下口から、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部を投入して、温度30℃で2時間、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、ポリシロキサン粒子の懸濁液を調整した。
別途、上述のものとは異なる反応釜2で、スチレン360部、エチレングリコールジメタクリレート360部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V−65)3部、アニオン性界面活性剤(LA−10、第一工業社製)1.5部およびイオン交換水400部をホモミキサーにより、室温下(25℃)で15分間乳化分散させ、エマルション(モノマー溶液)を調整した。
前記ポリシロキサン粒子の懸濁液の調製開始から2時間後(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加から2時間後)、反応釜1の滴下口より上記エマルションを添加した。1時間攪拌を継続し、ポリシロキサン粒子がモノマー成分を吸収していることを確認した後、ここにイオン交換水3500部を添加し、窒素雰囲気下、反応溶液を65℃まで昇温させて、65±2℃で2時間保持し、ラジカル重合反応を行い、重合体粒子(有機質無機質複合体粒子)を含む粒子分散液1を得た。下記式により算出した粒子分散液中に分散する重合体粒子の固形分濃度C0は15質量%、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製の「マルチサイザーII」)を使用して測定した平均粒径は7.1μmであった。
Figure 2009254938
さらに、粒子分散液1に含まれる第一粒子群(上記平均粒径の2倍以上の粒径を有する粒子)およびお椀状粒子の数を以下のようにして確認した。
乾燥させた粒子0.5gをメタノール100gに分散させた液を調整し、平均粒径の1.75〜2倍の目開きを有するメッシュ(ニッケル製、東京プロセスサービス株式会社製)と、濾過鐘にブフナーロートを備えた吸引濾過装置を使用して、減圧下で濾過を行った。
次いで、メッシュ上に残留した粒子を走査型電子顕微鏡(SEM、「S−3500N」、日立製作所製、加速電圧:25kV)での観察により、最長径が上記精密粒度分布測定装置で測定した平均粒径の2倍以上の第一粒子群の個数と、この粒子群に含まれるお椀状粒子の個数を数えて、各々の個数を求めた。尚、SEM観察では、倍率200倍で全視野を観察し、個数を求めた。
結果は、平均粒径の2倍以上の粒径を有する第一粒子群の個数が73050個/0.5g、お椀状粒子(粒径20μm以上)の個数が8000個/0.5gであった。
(実施例1a)
篩い分け工程:
1750kgの粒子分散液1を、目開き20μmのステンレス鋼製金網で常圧下により250kg/hrで分級し、篩い分けを行なった。上記操作を行なうことによる粒子回収率は98.3質量%であった。その回収率Iは、篩い分け前の粒子分散液1の質量W0と、篩い分け前の上記固形分濃度C0と、篩い分けで金網を通過した粒子分散液1の質量W1と、上記固形分濃度C0と同様にして算出した篩い分けで金網を通過した粒子分散液1の固形分濃度C1とを使用し、次式により算出したものである。
Figure 2009254938
篩い分け後の粒子分散液1(第一粒子群の一部が除去された粒子混合物の分散液)から粒子を分離し、乾燥後にSEMで確認したところ、粒子混合物0.5g中の第一粒子群は26900個、粒子混合物0.5g中のお椀状粒子は450個であった。
流体分級工程:
篩い分け後の粒子分散液1を、自然沈降により固液分離した。得られたケーキをイオン交換水およびメタノールで洗浄した後、100℃で5時間真空乾燥する事により、粒子が凝集してなる乾燥物を得、この乾燥物を粉砕することにより粒子を得た。
粉砕して得られた粒子を、コアンダ式気流分級装置(「エルボージェットEJ−15」、日鉄鉱業株式会社製)に投入し、粒子に与えられる慣性力と吸引ブロワーによる抗力のバランスを調節することにより気流分級を行った。気流分級装置に供給した粒子を100質量%としたときの気流分級で回収された回収率IIは、95.3質量%であった。
また、粒子分散液1中の粒子を100質量%としたときの気流分級で回収された粒子の回収率I−IIは、93.7質量%であった。
前記気流分級で回収された粒子をSEM観察したところ、粒子混合物0.5g中の第一粒子群は19個、粒子混合物0.5g中のお椀状粒子は5個であった。
(実施例1b)
篩い分け工程:
100kgの粒子分散液1を、濾過精度50μmのデプスタイプカートリッジフィルター(「HC−50」、株式会社ロキテクノ製)に通した後、濾過精度25μmのデプスタイプカートリッジフィルター(「HC−25」、株式会社ロキテクノ製)に通し、次いで、濾過精度30μmの、(デプスフィルターとプリーツフィルターの両方の特徴を併せ持つフィルター)プリーテッドタイプデプスフィルター(「SLP−300」、株式会社ロキテクノ製)に通し、篩い分けを行なった。
上記篩い分け操作におけるカートリッジフィルターへの給液は、モーノポンプ(兵神装備株式会社製)を用いて55kg/hrの速度で行なった。実施例1aと同様にして求めた回収率Iは、96.0質量%であった。
篩い分け後の粒子分散液1から粒子を分離し、乾燥後にSEMで確認したところ、粒子混合物0.5g中の第一粒子群は11500個、粒子混合物0.5g中のお椀状粒子は180個であった。
流体分級工程:
篩い分け後の粒子分散液1を自然沈降により固液分離した。得られたケーキをイオン交換水及びメタノールで洗浄した後、100℃で5時間真空乾燥する事により、粒子が凝集してなる乾燥物を得、この乾燥物を粉砕することにより粒子を得た。
粉砕して得られた粒子を、コアンダ式気流分級装置(「エルボージェットEJ−15」)に投入し、実施例1aにおける条件で気流分級を行った。実施例1aと同様にして求めた回収率IIは、97.5質量%であった。
また、実施例1aと同様にして求めた回収率I−IIは、93.6質量%であった。
前記気流分級で回収された粒子をSEM観察したところ、粒子混合物0.5g中の第一粒子群は17個、粒子混合物0.5g中のお椀状粒子は5個であった。
(比較例1)
粒子分散液1を自然沈降により固液分離した。得られたケーキをイオン交換水及びメタノールで洗浄した後、100℃で5時間真空乾燥する事により、粒子が凝集してなる乾燥物を得、この乾燥物を粉砕することにより粒子を得た。
粉砕して得られた粒子を、コアンダ式気流分級装置(「エルボージェットEJ−15」)に投入し、実施例1aにおける条件で気流分級を行った。実施例1aと同様にして求めた回収率IIは85.8質量%(回収率I−IIも85.8質量%)であった。
前記気流分級で回収された粒子をSEM観察したところ、粒子混合物0.5g中の第一粒子群は23個、粒子混合物0.5g中のお椀状粒子は203個であった。
比較例1と、上記実施例1aおよび1bとの結果を表1に示す。
Figure 2009254938
表1から、実施例1aおよび1bの粒子の回収率I−II(93.7質量%、93.6質量%)は篩い分け工程を欠く比較例1の回収率I−II(85.8質量%)よりも高いにも関わらず、実施例1aおよび1bの方が第一粒子群を少なくできたことが確認される。また、実施例1a、1bのお椀状粒子の個数については、比較例1のそれの約1/40であったことが確認される。
(粒子分散液製造例2)
冷却装置、温度計及び滴下口を備えた反応釜に、アニオン性界面活性剤としてハイテノールNF−08の20%水溶液を20部と、イオン交換水590部を添加し溶解させた。そこへ予め調製しておいたn−ブチルメタクリレート280部及びエチレングリコールジメタクリレート120部からなる重合性単量体に、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)8部を配合した混合液を滴下口より添加し、ホモミキサーにより室温下(25℃)で3分間乳化分散させて均一な懸濁液とした。
さらに、前記懸濁液にイオン交換水980部を添加し、重合用の懸濁液とした。次いで、窒素雰囲気下、懸濁液を75℃まで昇温させて、1時間半重合を行なった後、85℃まで昇温し、さらに2時間半の間熟成を行なった後、粒子分散液2を得た。
粒子分散液1の固形分(重合体粒子)濃度と同様にして求めた粒子分散液2の固形分濃度C0は、20質量%であった。また、粒子分散液1中の粒子の平均粒径と同様にして求めた粒子分散液2における粒子の平均粒径は、7.1μmであった。
(粒子分散液製造例3)
粒子分散液製造例2で使用した重合性単量体を、n−ブチルメタクリレート280部からメチルメタクリレート280部に変えた事以外は、粒子分散液製造例2と同様の手法を用いて重合を行ない、粒子分散液3を得た。
粒子分散液1の固形分(重合体粒子)濃度と同様にして求めた粒子分散液3の固形分濃度C0は、20質量%であった。また、粒子分散液1中の粒子の平均粒径と同様にして求めた粒子分散液3における粒子の平均粒径は、8.1μmであった。
(実施例2)
篩い分け工程:
100kgの粒子分散液2を、目開き50μmのステンレス鋼製金網を用いて常圧下で篩い分けにより分級した。実施例1aと同様にして求めた篩い分け工程後の回収率Iは98.5質量%であった。
流体分級工程:
篩い分け後の粒子分散液2を吸引濾過してケーキ状の粒子を得た。得られたケーキを80℃で12時間真空乾燥する事により、粒子が凝集してなる乾燥物を得、この乾燥物を粉砕する事により、粒子を得た。
粉砕して得られた粒子を、コアンダ式気流分級装置(「エルボージェットEJ−15」)に投入し、粒子に与えられる慣性力と吸引ブロワーによる抗力のバランスを調節することにより気流分級を行った。実施例1aと同様にして求めた流体分級工程後の回収率IIは86.0質量%、全工程後の回収率I−IIは84.7質量%であった。
(実施例3)
粒子分散液2を粒子分散液3に変更した以外は、実施例2と同様にして、篩い分け工程と流体分級工程からなる分級を行った。篩い分け工程後の回収率Iは99.2質量%、流体分級工程後の回収率IIは84.2質量%、全工程後の回収率I−IIは83.5質量%であった。
(比較例2)
篩い分け工程を省略した以外は、実施例2と同様にして分級を行った。流体分級工程後の回収率IIは、82.3質量%であった。なお、全工程後の回収率I−IIは回収率IIと同じである。
(比較例3)
篩い分け工程を省略した以外は、実施例3と同様にして分級を行った。流体分級工程後の回収率IIは、81.4質量%であった。なお、全工程後の回収率I−IIは回収率IIと同様である。
(中空粒子数の評価方法)
分級後に得られた粒子粉体中に存在する中空粒子の評価を、以下の手順により行なった。
粒子1gにエチレングリコールモノエチルエーテル10gを加え均一に分散した後、スライドガラス上に分散液を滴下しカバーガラスを載せて、光学顕微鏡により倍率1000倍で任意に選んだ5つの視野を観察し、中空粒子の存在状態を評価した。中空粒子の存在状態の評価には以下の基準を用いるが、前述のごとく、中空粒子は光学顕微鏡の透過光の散乱によりその中空部が黒く見えるため、中空粒子ではない粒子と識別することが可能である。
中空粒子数の評価基準は以下の通りとした。
○:1つの視野あたり1〜5個の中空粒子の存在が認められた
×:1つの視野あたり11個以上の中空粒子の存在が認められた
上記の実施例2、3および比較例2、3の結果を表2に示す。
Figure 2009254938
実施例2と比較例2における中空粒子数評価結果の対比、および、実施例3と比較例3における中空粒子数評価結果の対比から、流体分級工程前に篩い分け工程を設けたことで中空粒子数が大幅に減少したことが分かる。

Claims (5)

  1. 内部に液体または気体を有する粒子を含む粒子混合物から、この粒子混合物中においてある値を基準としてそれよりも大きい粒径の粒子を第一粒子群、前記粒子混合物中の前記第一粒子群以外の粒子を第二粒子群としたとき、
    前記第一粒子群を除去する篩い分け工程と、
    前記篩い分け工程後の粒子混合物を、流体中にて個々の粒子の質量および個々の粒子が受ける流体抵抗の差により乾式分級する流体分級工程とを有する粒子の分級方法。
  2. 前記篩い分け工程が、前記粒子混合物をフィルターを用いて濾過する前濾過工程と、前記前濾過工程で用いたフィルターよりも目開きの小さいフィルターを用いて、さらに濾過する後濾過工程とを有する請求項1に記載の粒子の分級方法。
  3. 前記流体分級工程が、慣性力と流体抵抗の両因子の総合的作用により分級するものである請求項1または2に記載の粒子の分級方法。
  4. 前記粒子混合物が、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質・無機質複合粒子の混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の粒子の分級方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の分級方法を用いて得られる粒子。
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