JP5390239B2 - 有機無機複合微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、均一な粒子径を有する有機無機複合微粒子に関し、詳細には着色の少ない有機無機複合微粒子およびその製造方法に関するものである。
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ノートパソコン等の幅広い分野で利用されている。液晶表示装置においては、例えば、液晶表示パネルの背後にバックライトユニットを配置し、このバックライトユニットからの光を液晶表示パネルに供給することにより、画像を表示する。このような液晶表示装置に用いられるバックライトユニットは、その表示画像を見やすくするために、液晶表示パネルに均一な光を供給するだけでなく、できるだけ多くの光を供給することが要求される。
従来のバックライトユニットは、光源の他に、光源から後方に出射した光を正面方向に反射する役割を果たす反射シート、光源(線光源)からの光を拡散し、面光源とすると共に、光源の形状を消す役割を果たす光拡散板、光拡散板を通過した光をさらに拡散し、光源の形状を消すと共に、光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たす光拡散シート、光拡散シートを通過した光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たすプリズムシート等の多くの部材から構成されている。
上記の部材の、例えば、光拡散層や反射層には光学的特性を高めるために、微粒子が配合されることが多い。本願出願人も、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須骨格として含む構造を有する有機無機複合微粒子が、光学樹脂用の添加剤として有用であることを見出し、既に出願している(例えば、特許文献1等)。上記複合微粒子は、粒子径の均一性、強度、光拡散性、面発光性に優れ、高性能な光学用の微粒子である。
しかしながら、上記有機無機複合微粒子は、合成時に若干黄色みを帯びていることがある。光学装置に関する技術が飛躍的に進歩していることや、液晶画面の大画面化に伴い、従来はあまり問題にならなかった上記複合微粒子の着色が、現在は好ましくない現象として改善が要求されていた。
特開2004−307644号公報
そこで、本発明では、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須骨格として含む構造の有機無機複合微粒子の着色の原因を突き止め、着色の少ない有機無機複合微粒子を提供することを課題とした。
上記課題を解決し得た本発明は、水と親水性有機溶剤との混合溶媒中でアルコキシシランの加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を合成し、このポリオルガノシロキサン粒子にカテコール系重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分を吸収させてからラジカル重合させることにより得られる有機無機複合微粒子であって、2倍質量のメタノール中に分散させたときのb*値が5以下であるところに特徴を有する。
また、本発明は、水と親水性有機溶剤との混合溶媒中でアルコキシシランの加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を合成し、このポリオルガノシロキサン粒子に、カテコール系重合禁止剤を含まず、カテコール系以外の重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分を吸収させてからラジカル重合させることにより得られる有機無機複合微粒子であって、2倍質量のメタノール中に分散させたときのb*値が2.5以下であるところに特徴を有する。
本発明には、上記有機無機複合微粒子を合成する方法であって、
水と親水性有機溶剤とを混合し、アンモニアおよび/またはアミンを加えてアルカリ性にした溶媒中で、アルコキシシランの加水分解縮合反応を行って、ポリオルガノシロキサン粒子分散液を合成する工程、
カテコール系あるいはカテコール系以外の重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分をプレエマルション化する工程、
上記ポリオルガノシロキサン粒子分散液および/またはプレエマルションに、上記アンモニアおよび/またはアミンを中和するのに必要な酸量のうちの0.75当量以上の酸を添加する工程、
酸添加後に、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとを混合し、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性モノマー成分を吸収させる工程、
ラジカル重合性モノマーを重合する工程を含むことを特徴とする有機無機複合微粒子の製造方法も含まれる。
着色が少ない有機無機複合微粒子を提供することができた。
本発明者等が、有機無機複合微粒子の着色の原因について検討したところ、重合禁止剤が含まれているラジカル重合性モノマーを単独でエマルション重合しても、得られる粒子は着色しないことがわかった。さらに検討を続けたところ、ポリオルガノシロキサン粒子を製造する工程で用いるアルカリ触媒であるアンモニアおよび/またはアミンと、ラジカル重合性モノマーに含まれている重合禁止剤とが何らかの反応を起こして着色の原因になっていることを突き止めた。そして、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性モノマーを吸収させる工程の前に、アンモニアおよび/またはアミンを酸で中和すれば、重合禁止剤とアンモニアおよび/またはアミンとの反応を抑制でき、着色の少ない有機無機複合微粒子が得られることを見出し、本発明に想到した。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機無機複合微粒子(以下、単に複合微粒子ということがある。)は、水と親水性溶媒との混合溶媒中でアルコキシシランの加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)を合成し、このポリオルガノシロキサン粒子に重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分を吸収させてからラジカル重合させることにより得られるものである。この有機無機複合微粒子は、ポリオルガノシロキサンからなる外殻の中に、ビニル系重合体とポリオルガノシロキサンが混在している粒子である態様、ポリオルガノシロキサンの外殻の中に、ポリオルガノシロキサンとビニル系重合体が共重合して一体化して内部を形成した粒子の態様、ポリオルガノシロキサンとビニル系重合体が共重合して一体化した粒子となっている態様等がある。
本発明の有機無機複合微粒子は、ラジカル重合性モノマーに含まれている重合禁止剤がカテコール系の場合は、2倍質量のメタノール中に分散させたときのb*値が5以下でなければならない。b*値が特に5を超えると、人間の目によっても明らかに薄く黄色に着色していることが認識でき、光拡散板や反射板等を製造する際に着色が問題となる。また、ラジカル重合性モノマーが、カテコール系重合禁止剤を含まず、カテコール系以外の重合禁止剤を含む場合は、着色度合いがカテコール系重合禁止剤よりも顕著でないため、b*値は2.5以下でなければならない。b*値は、複合微粒子を例えば5gと、その2倍質量すなわち10gのメタノール(試薬特級)を各々精秤し、例えば50mlのスクリュー管に両者を入れ、タッチミキサー等を用いてよく分散させた後、色差計の測定部において測定すればよい。なお、測定回数は3回以上とし、その平均値をb*値とする。
上記b*値は、ラジカル重合性モノマー成分の含有する重合禁止剤が、カテコール系以外の、例えばキノン系重合禁止剤である場合は1.9以下であることが好ましい。カテコール系重合禁止剤よりも、キノン系重合禁止剤の方が着色が小さいからである。カテコール系重合禁止剤としては、4−t−ブチルカテコール等が挙げられ、スチレン系モノマー(スチレンやジビニルベンゼン等)等に使用されている。カテコール系重合禁止剤を含むスチレン系モノマーを用いると着色度合いの点では不利であるが、高屈折率の粒子が得られる利点があるため、ある程度の着色は許容される。キノン系重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられ、(メタ)アクリル系モノマー等に使用されている。
本発明において、b*値が5以下の複合微粒子を得るためには、下記製造方法の採用が好ましい。その製造方法とは、
(A)水と親水性有機溶剤とを混合し、アンモニアおよび/またはアミンを加えてアルカリ性にした溶媒中で、アルコキシシランの加水分解縮合反応を行って、ポリオルガノシロキサン粒子分散液を合成する工程
(B)カテコール系またはカテコール系以外の重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分をプレエマルション化する工程
(C)上記ポリオルガノシロキサン粒子分散液および/またはプレエマルションに、上記アンモニアおよび/またはアミンを中和するのに必要な酸量のうちの0.75当量以上の酸を添加する工程
(D)酸添加後に、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとを混合し、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性モノマー成分を吸収させる工程
(E)ラジカル重合性モノマーを重合する工程
を含む方法である。
(A)の工程において用い得るアルコキシシランは、ラジカル重合性二重結合を有するアルコキシシラン(以下、重合性アルコキシシランということがある)を必須的に含むことが好ましい。粒子形成後に吸収させるラジカル重合性モノマーとの共重合が可能になるからである。これらの重合性アルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記式で表される(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシランが好ましい。
(上記一般式(1)中、Raは、水素原子またはメチル基を表し、Rbは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を表し、Rcは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアシル基よりなる群から選択される少なくとも1つの1価基を表す。Rdは、同一または異なって、炭素数1〜5のアルキル基およびフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1つの1価の基を示す。lは1または2であり、mは0または1である。)
上記(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシランの中でも、最も好ましいのは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
上記重合性アルコキシシランと共に、または重合性アルコキシシランに代えて、必要に応じて、下記一般式(2)
e nSi(ORf4-n (2)
(ここで、Reは、同一または異なって、炭素数1〜20のアルキル基、エポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基よりなる群から選択される少なくとも1つの1価基を表し、Rfは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアシル基よりなる群から選択される少なくとも1つの1価基を示す。nは0〜3の整数である。)で示されるアルコキシシラン(以下、非重合性アルコキシシランということがある)を用いてもよい。
一般式(2)で示される非重合性アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアセトキシシラン等の上記一般式(2)においてn=0の4官能性シラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の上記一般式(2)においてn=1の3官能性シラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルジシランジオール等の上記一般式(2)においてn=2の2官能性シラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記アルコキシシラン(以下においては、特に限定しない限り、重合性アルコキシシランと非重合性アルコキシシランの両方を含む)としては、その誘導体を用いても良く、具体的には、例えば、アルコキシシランが含有するORc基またはORf基に関して、その少なくとも1つがβ−ジカルボニル基および/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物や、このような化合物と上記アルコキシシランとが部分的に加水分解縮合した低縮合物等が挙げられる。
上記アルコキシシランの加水分解縮合反応は、水と親水性有機溶剤との混合溶媒中で行う。水としては、超純水を用いることが好ましい。なお、超純水は、イオン交換、逆浸透膜、限外ろ過等で、無機イオン、溶存気体、固形粒子等を除去して得られるものである。
親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。中でも、使用するアルコキシシランの加水分解によって生成するアルコールと同じアルコールを用いることが好ましい。異なる種類のアルコールを用いると、交換反応によって様々なアルコキシシランが生成し、加水分解速度の制御が困難となることがある。水と親水性有機溶剤との質量比率は、95:5〜60:40程度が好ましい。
加水分解縮合反応を促進するためには触媒を用いることが好ましく、触媒としては、揮発性のアルカリ触媒であるアンモニアおよび/またはアミンが好ましい。これらの触媒を用いた場合に発生する複合微粒子の着色を抑制するのが本発明の目的だからである。アミンとしては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等が挙げられる。アンモニアおよび/またはアミンは、アルコキシシラン100質量部に対し、0.5〜5質量部程度用いると良い。なお、アンモニアおよび/またはアミンに加えて、尿素、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等のアルカリ触媒を添加しても構わない。
水と親水性有機溶剤との混合溶媒に、アルカリ触媒と、アルコキシシランを添加して撹拌すれば、加水分解縮合反応が始まる。反応温度は特に限定されず、0〜100℃程度が好ましく、0〜70℃程度がより好ましい。反応時間も特に限定されず、適宜設定可能である。アルコキシシランは、混合溶媒100質量部に対し、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
アルコキシシランの添加方法は、一括、分割、連続等、任意の方法を採ることができるが、最終的に得られる有機無機複合微粒子の平均粒子径をシャープに制御するためには、シード粒子となるポリオルガノシロキサン粒子の平均粒子径をシャープに制御することが望ましい。このため、加水分解縮合反応が進行して、ある程度の大きさのポリオルガノシロキサン粒子が析出したら、一旦、この一次粒子の平均粒子径を測定してから、所望の大きさの平均粒子径のシード粒子になるようにアルコキシシランの必要量を計算して追加するといった、二段階以上に分けた添加方法を採用することが好ましい。シード粒子の平均粒子径は、最終的な有機無機複合微粒子の平均粒子径をどの程度にするかによって決まり、目的とする有機無機複合微粒子の平均粒子径の20%〜80%程度にすることが好ましい。なお本発明では、シード粒子の平均粒子径は、コールター原理を採用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザーII」等)により測定される数中位径(数基準メディアン径)である。
加水分解縮合反応が進行すると、ポリオルガノシロキサン粒子分散液が得られ、工程(A)が終了する。アルコキシシランとして重合性アルコキシシランを用いた場合には、得られたポリオルガノシロキサンもラジカル重合性二重結合を有しており、後述するラジカル重合性モノマーと重合反応することができる。
工程(B)は、ポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)に吸収させるためのラジカル重合性モノマー成分をプレエマルション化する工程である。ラジカル重合性モノマー成分をプレエマルション化せずに、工程(A)で得られたポリオルガノシロキサン粒子分散液に直接添加することも可能であるが、モノマーをプレエマルション化しておき、両者を接触させる方が、モノマーがポリオルガノシロキサン粒子に吸収されやすいため、好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー類;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール鎖を有するモノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタンフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロアミル(メタ)アクリレート等のフッ素原子含有(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、O−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の単官能モノマー類;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル系モノマー;ジビニルベンゼン類;ジアリルフタレート類;トリアリルシアヌレート等の多官能モノマーが挙げられる。これらラジカル重合性モノマーは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
単官能モノマーと多官能モノマーとを組み合わせると、多官能モノマー量を変更することにより、得られる粒子の硬さや耐溶剤性を容易にコントロールすることができる。また、スチレン等の芳香環を有する高屈折率のモノマーと、メチル(メタ)アクリレート等の比較的低屈折率のモノマーを組み合わせると、例えば光学用途に用いる場合に両者の比率を制御することで屈折率をコントロールできるため、好適である。これらの観点から、メチル(メタ)アクリレートおよびスチレンよりなる群から選択される1種以上の単官能モノマーと、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジビニルベンゼンよりなる群から選択される1種以上の多官能モノマーとの組み合わせが、好ましい例として挙げられる。
プレエマルション化する際に好適に用いられる界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、分子中に1個以上の重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する重合性界面活性剤等がある。なかでも、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤が、ポリオルガノシロキサン粒子、モノマー成分を吸収したポリオルガノシロキサン粒子および重合体粒子の分散状態を安定化させることもできるので好ましい。これらの界面活性剤は、1種のみを使用しても2種以上を併用してもよい。
上記アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート類;アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート類;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、ナトリウムスルホシノエート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩類;スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート類;ナトリウムラウリレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩類、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート類;高級アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等を好ましく挙げることができる。
上記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン塩、4級アンモニウム塩、オキシエチレン付加型アンモニウム塩酸塩等が挙げられ、具体的には、トリメチルアルキルアンモニウム塩酸塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩酸塩、モノアルキルアミン酢酸塩、アルキルメチルジポリオキシエチレンアンモニウム塩酸塩等が例示できる。
上記非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド類;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、エチレンオキサイドと脂肪酸アミン、アミドまたは酸との縮合生成物等を好ましく挙げることができる。
上記高分子界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、これらの重合体の構成単位である重合性単量体の2種以上の共重合体または他の単量体との共重合体、クラウンエーテル類の相関移動触媒等を好ましく挙げることができる。
上記重合性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルベンゼンスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステルのリン酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリレート等のノニオン性重合性界面活性剤等を好ましく挙げることができる。
上記界面活性剤の使用量は、特に限定されるものではなく、具体的には、上記ラジカル重合性モノマーの総質量に対して0.01〜10質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。上記界面活性剤の使用量が0.01質量%未満の場合は、安定なプレエマルションが得られないことがあり、10質量%を超える場合は、ポリオルガノシロキサン粒子へモノマーがうまく吸収されず、乳化重合等が副反応として併発してしまうおそれがある。
プレエマルションには、重合開始剤を添加してもよい。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;等を好ましく挙げることができる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、上記ラジカル重合性モノマー成分の総質量に対して、0.001質量%〜20質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.01質量%〜10質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜5質量%である。上記ラジカル重合開始剤の使用量が、0.001質量%未満の場合は、ラジカル重合性モノマーの重合度が上がらないことがある。
ラジカル重合開始剤は、その一部または全部を、プレエマルションではなく、後の重合の際に反応容器に逐次または一括添加する態様を採用しても構わない。また、モノマーに油溶性の重合開始剤を溶解させてから、これを界面活性剤を溶解させた水に投入して、プレエマルションにすることが好ましい。プレエマルション化に際しては、ホモミキサーや超音波ホモジナイザー等を用いて乳濁状態とすればよい。プレエマルションの固形分濃度は特に限定されないが、20〜60質量%程度が好適である。
工程(B)が終了したら、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとを接触させるのであるが、本発明では、両者が接触する前に、あるいは接触後速やかに、ポリオルガノシロキサン粒子を合成する際に用いたアルカリ触媒を中和する必要がある。
上記ラジカル重合性モノマーには、重合禁止剤が必須的に追加されている。移送中や保管中に重合してしまうのを防ぐためである。この重合禁止剤が、前記したようにポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)合成時に用いられるアルカリ触媒(アンモニアおよび/またはアミン)と何らかの反応を起こし、有機無機複合微粒子が着色するものと考えられる。予め、モノマーから重合禁止剤を分離除去してから用いることで上記着色を抑制することも可能であるが、蒸留等が必要となって工程が煩雑となる上、その後のモノマーの重合を禁止できなくなるため、配管閉塞等のトラブルが起きやすい。本発明では、アルカリ触媒と重合禁止剤とが併存すると、着色の主要因となることを突き止めたので、工程(B)の後、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとが接触する前に、アルカリ触媒を中和することとしたのである。本発明では、単にアルカリ触媒を中和するという簡便な方法で着色を防止できるため、予め重合禁止剤を分離除去する場合のような上記不都合は起こり得ない。
工程(C)では、ポリオルガノシロキサン粒子分散液および/またはプレエマルションに、上記アンモニアおよび/またはアミンを中和するのに必要な酸量のうちの0.75当量以上の酸を添加する。アンモニアおよび/またはアミンが含まれているのはポリオルガノシロキサン粒子分散液であるが、酸を含まないポリオルガノシロキサンと、酸が添加されたプレエマルションが接触すれば、速やかに中和反応が起こるため、酸を添加するのは、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションのいずれでもよく、また、両方に添加してもよい。さらに、ポリオルガノシロキサン粒子分散液にプレエマルションを添加した後、速やかに、両者の混合液に酸を添加する方法でも構わない。
アンモニアおよび/またはアミンを中和するのに必要な酸量(当量)は、ポリオルガノシロキサン粒子分散液中のアンモニアおよびアミンの合計量(当量)、すなわち、ポリオルガノシロキサン粒子合成の際に、混合溶媒へ添加したアンモニアおよびアミンの合計量(当量)から求まる。工程(C)では、この必要な酸量の0.75当量以上を添加する。本発明者等の検討の結果、0.75当量の添加でも、着色防止効果が発現することが明らかとなったからである。この理由は明らかではないが、アンモニアやアミンが工程(A)や重合反応中に揮散しているためではないかと考えられる。逆に、中和に必要な酸量の1当量を超えて添加すると、重合後の反応溶液が酸性に傾き、設備の腐食等の不都合が発生するおそれがある。従って、酸量は1当量以下とすることが好ましい。より好ましい酸の添加量は、中和に必要な酸量の0.8〜0.95当量である。
中和に用いることのできる酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸;ギ酸、シュウ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。作業の安全性や、ステンレス鋼を主とする通常の製造装置の耐食性を考慮すれば、有機酸の方が好ましい。これらの酸は、通常、水溶液の形態でポリオルガノシロキサン粒子分散液および/またはプレエマルション、あるいはこれらの混合液に添加する。
工程(C)を終えたら、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとを混合し、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性モノマー成分を吸収させる工程(D)を行う。この場合、ポリオルガノシロキサン粒子分散液が入った反応容器にプレエマルションを添加してもよく、プレエマルションが入った反応容器にポリオルガノシロキサン粒子分散液を添加してもよい。添加方法も、一括添加、分割添加、連続滴下等、公知の添加方法が採用可能である。
吸収工程(D)では、上述のモノマー成分がポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)の構造中に容易に吸収されるように、種々の条件を設定し、その条件のもとで行うことが好ましい。そのような条件としては、上記ポリオルガノシロキサン粒子およびモノマー成分のそれぞれの濃度や、上記ポリオルガノシロキサン粒子とモノマー成分との混合比、混合の処理方法・手段、混合時の温度や時間、混合後の処理方法・手段等が挙げられる。これらの条件は、用いるポリオルガノシロキサン粒子やモノマー成分の種類等に応じて、適宜決定すればよい。なお、吸収工程中に重合反応が起こらないように、また、これらの条件は1種のみを採用しても、2種以上を組み合わせて採用してもよい。
上記吸収工程におけるモノマー成分の使用量は、ポリオルガノシロキサン粒子の質量、すなわち、ポリオルガノシロキサン粒子の合成原料として使用したアルコキシシランの総量に対して、質量比で0.01倍〜100倍とするのが好ましい。上記添加量が0.01倍より少ない場合は、ポリオルガノシロキサン粒子のモノマー成分の吸収量が少ないため、所望の粒子径の複合微粒子が得られなかったり、複合微粒子の機械的特性が損なわれたりするおそれがある。一方、100倍を超える場合は、モノマー成分をポリオルガノシロキサン粒子に完全に吸収させることが困難となり、未吸収のモノマー成分が残存するため、後の重合段階において粒子間の凝集が発生したり、未吸収のモノマー成分がそのまま重合した有機物のみの粒子(複合化されていない粒子)が生成するおそれがある。
この吸収工程(D)において、モノマー成分が吸収されたかどうかの判断は、例えば、モノマーを加える前および吸収工程終了後の粒子径を顕微鏡で観察することにより、容易に判断できる。すなわち、吸収工程終了後の粒子径が、吸収工程前の粒子径に比べて大きくなっていれば、ポリオルガノシロキサン粒子内にモノマー成分が吸収されているものと判断できる。また、吸収させるべきモノマー成分の量から、モノマー成分を全量吸収した後の粒子径がどの程度になるかも計算できるので、吸収工程が終了しているか否かが確認できる。
ラジカル重合性モノマーがポリオルガノシロキサン粒子に吸収された後は、ラジカル重合を行う。重合開始剤の全量が既にプレエマルションに添加されている場合は、反応系を不活性ガス雰囲気に置換して、昇温することで重合が始まる。重合開始剤をプレエマルションに添加していない場合は、昇温前および/または後の段階で適宜添加すればよいが、油溶性重合開始剤の全量をモノマーに溶解させてプレエマルション化しておく方が、乳化重合の併発を防止できる点で好ましい。
重合温度は、40〜100℃程度が好ましく、50〜80℃がより好ましい。また、重合時間は、5〜600分が好ましく、10〜300分がより好ましい。重合温度が低かったり、重合時間が短いと、重合度が充分に上がらず、複合微粒子の機械的特性が低くなることがある。また、重合温度が高かったり、重合時間が長すぎる場合は、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなるため好ましくない。
本発明の有機無機複合微粒子では、ポリオルガノシロキサン合成時に重合性アルコキシシランを用いることが好ましいが、この場合は、ラジカル重合性モノマーの重合時に、ポリオルガノシロキサンが有するラジカル重合性二重結合とラジカル重合性モノマーのラジカル重合性二重結合とが重合反応するため、ポリオルガノシロキサンの外殻に粒子内部の有機質ポリマーが化学的に連結した有機無機複合微粒子が得られる。非重合性のポリマー粒子をシードとして用いたシード重合により得られた粒子の場合、インキ化したときに、シード粒子が未架橋なため、溶剤に膨潤してインキの粘度が変化したり、塗工後の乾燥に悪影響を与えて、例えば、光拡散シートの物性が損なわれることがある。また、拡散板用樹脂に混合して使用する場合に、未架橋部分の存在によって、耐熱性が不充分で粒子が変形し、所望の光拡散性能が得られないことがある。しかしながら、上記タイプの本発明の有機無機複合粒子では、有機部分と無機部分とが確実に複合しており、未架橋部分も少ないため、上記のような不具合はない。
本発明の有機無機複合微粒子の質量平均粒子径は、2〜30μmが好ましい。なお、機械的特性や光学特性は、無機質成分、有機質成分の含有比、あるいは、使用するモノマー成分の種類や量等を調整することにより、各種用途に応じて所望の特性を有するように設計することができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「質量部」を単に「部」と記すことがある。また、「質量%」を「%」と記すことがある。まず、本発明の実施例において記載する測定値の定義、測定方法、評価基準について以下に示す。
[粒子径の測定]
下記実験例で得られた粒子0.03gを、1%界面活性剤水溶液(第一工業製薬株式会社製;「ハイテノールN−08」;「ハイテノール」は登録商標)5mlに分散させた後、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製;「コールターマルチサイザーII」)を用いて、有機無機複合微粒子の質量平均粒子径の測定を行った。なお、シード粒子については、シード粒子液0.3gを上記1%界面活性剤水溶液5mlに分散させた後、数中位径を測定した。
[b*値の測定]
乾燥後の有機無機複合微粒子5gを精秤し、同じく精秤したメタノール10gが入った50mlのスクリュー管に、複合微粒子を加えた。タッチミキサー(井内盛栄堂社製(現アズワン);「HM−10」)を用いて微粒子を分散させ、色差計(日本電色社製;型式「SE−2000」)の測定部に置いて測定する。測定は3回行い、平均値を求めた。
実施例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、超純水700部、メタノール300部および25%アンモニア水3.29部を混合した溶液を入れ、撹拌した。撹拌を継続しながら、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;「KBM−503」)110部を滴下口から添加して、ポリオルガノシロキサン粒子を合成した。この段階で粒子径(数中位径)を測定したところ4.3μmであった。撹拌を継続しながら、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを173部追加し、さらに反応を続けて粒子を成長させ、反応開始から2時間後に、数中位径5.7μmのポリオルガノシロキサン粒子の分散液を得た。
メチルメタクリレート225部、エチレングリコールジメタクリレート75部を混合し、この混合物に、2,2’−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.6部を溶解した。この混合物と、イオン交換水240部、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩1.5部を混合した後、ホモミキサー(プライミクス社製;「T.K.ホモミクサーMARKII」)を用いて8000回転で5分間撹拌し、プレエマルションを調製した。なお、重合禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエーテルは、メチルメタクリレートには15ppm、エチレングリコールジメタクリレートには100ppm含まれていた。
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、上記プレエマルションを全量投入して撹拌した。このフラスコへ、96%硫酸0.08部をイオン交換水430部で希釈した希硫酸を投入し、続いて、上記ポリオルガノシロキサン粒子分散液を55部投入した。投入後、90分間撹拌を継続し、シード粒子にプレエマルションを吸収させた。吸収時の温度は23℃であった。
プレエマルション吸収終了後にイオン交換水を520部追加して、60℃まで昇温し、窒素ガス雰囲気下、重合反応を行った。重合開始による発熱ピーク確認後、75℃で2時間熟成し、質量平均粒子径19.3μmの有機無機複合微粒子を得た。濾紙にて固液分離後、80℃の熱風乾燥機で2時間乾燥した後、ラボ・ジェットミル(日本ニューマチック工業社製)で解砕して、乾燥粒子を得た。得られた粒子の質量平均粒子径は20μmであった。また、この粒子のb*値は、1.69であった。
比較例1
硫酸を用いない以外は、実施例1と同様にして、乾燥した有機無機複合微粒子を得た。得られた粒子の質量平均粒子径は20μmであった。また、この粒子のb*値は、2.76であった。
実施例2
スチレン200部と、「DVB−570」(新日鐵化学社製;ジビニルベンゼン57%、エチルビニルベンゼン39%、その他4%)100部とを混合し、この混合物に2,2’−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.6部を溶解させた。得られた混合物と、イオン交換水240部、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩1.5部を混合した後、ホモミキサーを用いて8000回転で5分間撹拌し、プレエマルションを調製した。なお、重合禁止剤である4−t−ブチルカテコールは、スチレンには30ppm、DVB−570には1000ppm含まれていた。
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、シュウ酸無水物0.456部をイオン交換水10部に溶解させた水溶液を投入し、続いて、実施例1で得られたポリオルガノシロキサン分散液を330部投入した。投入後、240分間撹拌を継続し、シード粒子にプレエマルションを吸収させた。吸収時の温度は23℃であった。
プレエマルション吸収終了後にイオン交換水を220部追加して、60℃まで昇温し、窒素ガス雰囲気下、重合反応を行った。重合開始による発熱ピーク確認後、75℃で2時間熟成し、有機無機複合微粒子を得た。濾紙にて固液分離後、80℃の熱風乾燥機で2時間乾燥した後、ラボ・ジェットミルで解砕して、乾燥粒子を得た。得られた粒子の質量平均粒子径は10.3μmであった。また、この粒子のb*値は、4.78であった。
比較例2
シュウ酸水溶液を用いなかった以外は実施例2と同様にして、有機無機複合微粒子を得た。この粒子のb*値は、10.74であった。
本発明では、着色が少ない有機無機複合微粒子を提供することができた。この複合微粒子は、光拡散板の光拡散層や反射板の反射層、光拡散シートの光拡散層、集光層等を形成する際に用いることができる。

Claims (4)

  1. 水と親水性有機溶剤との混合溶媒中でアルコキシシランの加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を合成し、このポリオルガノシロキサン粒子にカテコール系重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分を吸収させてからラジカル重合させることにより得られる有機無機複合微粒子であって、2倍質量のメタノール中に分散させたときのb*値が5以下であることを特徴とする有機無機複合微粒子。
  2. 水と親水性有機溶剤との混合溶媒中でアルコキシシランの加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を合成し、このポリオルガノシロキサン粒子に、カテコール系重合禁止剤を含まず、キノン系重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分を吸収させてからラジカル重合させることにより得られる有機無機複合微粒子であって、2倍質量のメタノール中に分散させたときのb*値が2.5以下であることを特徴とする有機無機複合微粒子。
  3. 請求項1に記載の有機無機複合微粒子を合成する方法であって、
    水と親水性有機溶剤とを混合し、アンモニアおよび/またはアミンを加えてアルカリ性にした溶媒中で、アルコキシシランの加水分解縮合反応を行って、ポリオルガノシロキサン粒子分散液を合成する工程、
    カテコール系重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分をプレエマルション化する工程、
    上記ポリオルガノシロキサン粒子分散液および/またはプレエマルションに、上記アンモニアおよび/またはアミンを中和するのに必要な酸量のうちの0.75当量以上の酸を添加する工程、
    酸添加後に、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとを混合し、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性モノマー成分を吸収させる工程、
    ラジカル重合性モノマーを重合する工程を含むことを特徴とする有機無機複合微粒子の製造方法。
  4. 請求項2に記載の有機無機複合微粒子を合成する方法であって、
    水と親水性有機溶剤とを混合し、アンモニアおよび/またはアミンを加えてアルカリ性にした溶媒中で、アルコキシシランの加水分解縮合反応を行って、ポリオルガノシロキサン粒子分散液を合成する工程、
    カテコール系重合禁止剤を含まず、キノン系重合禁止剤を含んだラジカル重合性モノマー成分をプレエマルション化する工程、
    上記ポリオルガノシロキサン粒子分散液および/またはプレエマルションに、上記アンモニアおよび/またはアミンを中和するのに必要な酸量のうちの0.75当量以上の酸を添加する工程、
    酸添加後に、ポリオルガノシロキサン粒子分散液とプレエマルションとを混合し、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性モノマー成分を吸収させる工程、
    ラジカル重合性モノマーを重合する工程を含むことを特徴とする有機無機複合微粒子の製造方法。
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