JP4976609B2 - 着色粒子、その製造方法及び用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色粒子、その製法及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示板(LCD)は、2枚の電極基板と、該基板間の隙間距離(セルギャップ)を均一にし保持するためのスペーサと、該基板間に充填された液晶(LC)とを備えている。スペーサが存在する部分には液晶が存在しないため、液晶層にバックライトを当てたとき、バックライトの一部が抜け出てきて、画像のコントラストが低下し、表示品位が悪くなるという問題があり、その解決が求められている。特に表示がノーマリーブラックモードである場合、スペーサが存在する部分からの光抜けの抑制が特に求められている。
【0003】
スペーサ部分からの光抜けの抑制方法として、スペーサ粒子を着色する方法が試みられている。従来から知られている着色法には、染料などの着色剤を用いる方法があり、▲1▼得られた粒子を染料で後染着する方法(特開平3−33165号公報、特開平4−103633号公報、特開平4−351689号公報など)、▲2▼染料の存在下でモノマーを懸濁重合する方法(特開平5−301909号公報など)に大別される。
【0004】
ところが、▲1▼および▲2▼のいずれの方法においても、粒子マトリックス中に染料を固定化することが困難なため、染料や染料中の不純物が液晶中に溶出(ブリード)し、液晶の電気特性などの信頼性に問題が生じることがある。
そこで、本発明者らは、上記問題を解決できる粒子として、着色された有機質無機質複合体粒子を提案している(特開平8−81561号公報など)。しかしながら、これら公報で提案された着色粒子は、染料や染料中の不純物の液晶への溶出(ブリード)は抑えられるものの、最近の流れである低電圧駆動型の液晶表示板には信頼性の点で満足できない場合があり、信頼性を高くするには着色度を抑える必要があり逆に遮光性が満足できない場合があった。特に低電圧駆動型の液晶表示板は低消費電力、高速応答性を有するため、高表示品位の液晶表示板となり得るが、高信頼性と高遮光性の両方を満足する着色スペーサは従来存在しなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、トレードオフの関係にある信頼性と遮光性の両方を満足する着色スペーサを得るために、有機質無機質複合体粒子の染色に関して、染料と染色方法を鋭意検討した。
すなわち、本発明の課題は、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)のない信頼性の高い着色粒子を提供することにある。
【0006】
また、本発明の別の課題は、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)のない信頼性の高い着色粒子を製造する方法を提供することにある。
さらに、本発明の別の課題は、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)のない信頼性の高い液晶表示板用着色スペーサを提供することにある。
【0007】
さらに、本発明の別の課題は、スペーサが存在する部分からの光抜けが十分に抑制されており、かつ低電圧駆動型においても信頼性も高い液晶表示板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、以下の構成を採用する。本発明の着色粒子は、オキサジン系染料により染色された有機質無機質複合体粒子よりなる着色粒子であって、上記有機質無機質複合体粒子が有機ポリマー骨格と上記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、該有機ポリマー骨格が、アクリロキシ基を含むラジカル重合性基をラジカル重合反応させて得られる構造を含む。本発明の着色粒子の製造方法は、有機質無機質複合体粒子を、オキサジン系染料で染色した後、加熱処理する工程を含む、着色粒子の製造方法であって、上記有機質無機質複合体粒子が有機ポリマー骨格と上記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、該有機ポリマー骨格が、アクリロキシ基を含むラジカル重合性基をラジカル重合反応させて得られる構造を含む。
【0009】
本発明の液晶表示板用着色スペーサは、前記記載の着色粒子からなる。
本発明の液晶表示板は、前記記載の液晶表示板用着色スペーサを含んでなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[着色粒子]
本発明の着色粒子は、オキサジン系染料により染色された有機質無機質複合体粒子よりなる。
有機質無機質複合体粒子は、有機ポリマー骨格と該有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含むものであり、ポリシロキサン骨格の特徴である大きな硬度と、有機ポリマー骨格の特徴である高い機械的復元性および破壊強度とを有する。
【0011】
有機ポリマー骨格は、有機ポリマーに由来する主鎖・側鎖・分岐鎖・架橋鎖のうちの少なくとも主鎖を含む。有機ポリマーの分子量、組成、構造、官能基の有無などは特に限定されない。好ましい有機ポリマー骨格は、機械的復元性に特に優れた粒子を形成するという理由で、繰り返し単位−C−C−から構成される主鎖を有するもの(以下では、「ビニル系ポリマー」と言うことがある)である。
【0012】
ビニル系ポリマーは、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、およびポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つである。好ましいビニル系ポリマーは、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂およびポリスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1つである。より好ましいビニル系ポリマーは、(メタ)アクリル樹脂および(メタ)アクリル−スチレン系樹脂である。
【0013】
ポリシロキサンは、次式
【0014】
【化1】
【0015】
で表されるシロキサン単位が連続的に化学結合して、三次元のネットワークを構成した化合物と定義される。有機ポリマー骨格を構成する炭素原子の少なくとも1個には、ポリシロキサン中のケイ素原子が直接化学結合している。
本発明の着色粒子においては、有機質無機質複合体粒子がオキサジン系染料により染色されている。オキサジン系染料は、単に有機質無機質複合体粒子に含まれるものでもよく、あるいは、オキサジン系染料と有機質無機質複合体粒子を構成するマトリックスとが化学結合によって結び付けられた構造を有するものでもよい。
【0016】
本発明の着色粒子は、たとえば、液晶表示板に使用する場合に液晶層の厚みを均一かつ一定に保持するために必要であり、その平均粒子径は、好ましくは0.5〜25μm、より好ましくは1〜22μm、最も好ましくは1〜20μmである。平均粒子径が上記範囲を外れると、液晶表示板用スペーサとして通常は用いられない領域である。
【0017】
本発明の着色粒子の粒子径の変動係数(CV)は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは7%以下、最も好ましくは6%以下である。粒子径変動係数が10%を超えると、液晶表示板に使用した場合、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持することが困難となり、画像ムラを起こしやすくなる。
【0018】
本発明の着色粒子はオキサジン系染料により染色されてなるので、着色スペーサとして用いた場合、低電圧駆動(例えば3V以下)の液晶表示板には信頼性の面で非常に高いため着色度(遮光性)を高めることができ、今後の流れである低消費電力、高速応答性を有した液晶表示板には好適な着色粒子である。
[着色粒子の製造方法]
本発明の着色粒子は、たとえば、有機質無機質複合体粒子を、オキサジン系染料で染色した後(染色工程)、加熱処理する工程(熱処理工程)を含む製造方法によって作ることができる。より具体的には、以下に示すような縮合工程と重合工程と染色工程と熱処理工程とを含む製造方法によって作ることができるが、これに限定されない。
【0019】
縮合工程は、下記一般式(1)と(2)と(3)とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つの、ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物を用いて加水分解・縮合する工程であることが好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】
(ここで、R1 は水素原子またはメチル基を示し;R2 は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し;R3 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;R′は炭素数1〜5のアルキル基と、フェニル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;aは0又は1を示す)
【0022】
【化3】
【0023】
(ここで、R4 は水素原子またはメチル基を示し;R5 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;R''は炭素数1〜5のアルキル基と、フェニル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;bは0又は1を示す)
【0024】
【化4】
【0025】
(ここで、R6 は水素原子またはメチル基を示し;R7 は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し;R8 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;R''' は炭素数1〜5のアルキル基と、フェニル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;cは0又は1を示す)
中でも、後述の染色工程において染色し易く、染料の溶出(ブリード)が抑制される点で、a、b、cが0である第1シリコン化合物が好ましい。
【0026】
一般式(1)〜(3)において、ラジカル重合性基は、CH2 =C(−R1 )−COOR2 −、CH2 =C(−R4 )−、または、CH2 =C(−R6 )−R7 −である。ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることにより、上述したビニル系ポリマーに由来する有機ポリマー骨格を生成する。ラジカル重合性基は、アクリロキシ基(一般式(1)においてR1 が水素原子である場合)、メタクリロキシ基(一般式(1)においてR1 がメチル基である場合)、ビニル基(一般式(2)においてR4 が水素原子である場合)、イソプロペニル基(一般式(2)においてR4 がメチル基である場合)、1−アルケニル基もしくはビニルフェニル基(一般式(3)においてR6 が水素原子である場合)、または、イソアルケニル基もしくはイソプロペニルフェニル基(一般式(3)においてR6 がメチル基である場合)である。これらの中で、オキサジン系染料により染色されやすい点でアクリロキシ基が好ましい。
【0027】
一般式(1)〜(3)において、加水分解性基はR3 O、R5 OおよびR8 Oである。R3 O基、R5 O基およびR8 O基は、水酸基と炭素数1〜5のアルコキシ基と炭素数2〜5個のアシロキシ基とからなる群から選ばれる1価基である。一般式(1)〜(3)において、2又は3個のR3 O基、2又は3個のR5 O基およびR8 O基は、それぞれ、互いに異なっていても良いし、2個以上が同じであっても良い。好ましいR3 O基・R5 O基・R8 O基は、加水分解・縮合速度が大きい点で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびアセトキシ基からなる群から選ばれるものであり、メトキシ基およびエトキシ基がより好ましい。第1シリコン化合物は、R3 O基・R5 O基・R8 O基が水により加水分解し、更に縮合することにより、ポリシロキサン骨格を形成する。
【0028】
一般式(1)および(3)において、R2 基およびR7 基は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基である。この2価の有機基としては、特に限定されないが、たとえば、置換基を有していてもよい、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などのアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基、あるいは、これらの置換基を有していてもよいアルキレン基やフェニレン基がエーテル結合を介して結合した基等が挙げられる。容易に入手可能である点で、R2 およびR7 がプロピレン基やフェニレン基であるラジカル重合性基を有するものが好ましい。
【0029】
一般式(1)と(2)と(3)とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合物は、1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した2又は3個の加水分解性基と、ケイ素原子に結合した1個のラジカル重合性基とを有する。
一般式(1)で表される化合物の具体例は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)等であり、これらのうちのいずれか1つが単独で使用されたり、2以上が併用されたりする。
【0030】
一般式(2)で表される化合物の具体例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等であり、これらのうちのいずれか1つが単独で使用されたり、2以上が併用されたりする。
一般式(3)で表される化合物の具体例は、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルメチルジメトキシシラン、1−オクテニルトリメトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−トリメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−トリメトキシシリルスチレン等であり、これらのうちのいずれか1つが単独で使用されたり、2以上が併用されたりする。
【0031】
一般式(1)〜(3)で表される化合物の誘導体は、たとえば、一般式(1)〜(3)で表される化合物の有する一部のR3 O基、R5 O基、R8 O基がβ−ジカルボニル基および/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物と、一般式(1)〜(3)で表される化合物および/またはそのキレート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
有機質無機質複合体粒子を得るために、上述した第1シリコン化合物以外に、下記一般式(4)、(5)で表されるシラン化合物;その誘導体;ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、チタン、ジルコニウム等の有機金属化合物および無機金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの加水分解・縮合可能な金属化合物も併用して良い。
【0032】
【化5】
【0033】
(ここで、R11、R13、R17は、R3 と同じであり;R12、R14、R16は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基と、炭素数6〜10のアリール基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;R15はR7 と同じであり;p、q、rは、0又は1である)
一般式(4)、(5)で表されるシラン化合物の有するR11、R13、R17基としては、加水分解縮合速度が速い点でメチル基又はエチル基が好ましい。p、q、rは、0又は1であるが、得られる有機質無機質複合体粒子の硬度を高めることができる点でp、q、r=0が好ましい。
【0034】
一般式(4)で表されるシラン化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。一般式(5)で表されるシラン化合物の例としては、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−トリメトキシシリル−2−トリエトキシシリルエタン等が挙げられる。一般式(4)、(5)で表されるシラン化合物の誘導体は、一般式(4)、(5)で表される化合物の有する一部のR11O、R13O、R17O基がβ−ジカルボニル基および/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物と、一般式(4)、(5)で表される化合物および/またはそのキレート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
【0035】
第1シリコン化合物以外の加水分解・縮合可能な金属化合物の量は、特に限定されないが、多量に使用すると得られる有機質無機質複合体粒子の形状が球状にならなかったり、粒子径の制御が困難になったり、粒度分布が広がったりするので液晶表示板用スペーサーには不適な場合がある。このため、この加水分解・縮合可能な金属化合物の量は、第1シリコン化合物の合計重量に対して、200wt%以下が好ましく、100wt%以下が更に好ましく、50wt%以下がより一層好ましい。
【0036】
第1シリコン化合物と、必要に応じて使用される加水分解・縮合可能な金属化合物と(以下では、「原料」と言うことがある)は、水を含む溶媒中で加水分解され、縮合する。加水分解と縮合は、一括、分割、連続等、任意の方法を採ることができる。加水分解や縮合させるにあたり、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよい。また、溶媒中には、水や触媒以外の有機溶剤が存在していてもよい。有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が単独で、または、混合して用いられる。
【0037】
加水分解と縮合は、たとえば、上記した原料またはその有機溶剤溶液を水を含む溶媒に添加し、0〜100℃、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜100時間攪拌することによって行われる。また、上記のような方法により得られた粒子を、種粒子として予め合成系に仕込んでおき、上記原料を添加して該種粒子を成長させていっても良い。
【0038】
このようにして原料を、水を含む溶媒中で適切な条件の下で加水分解、縮合させることにより、粒子が析出しスラリーが生成する。析出した粒子は、上述のラジカル重合性基を有するシリコン化合物を加水分解・縮合したので、平均粒子径が0.5μm以上の任意の粒子径で、しかも、粒度分布のシャープな粒子である。ここで、適切な条件とは、たとえば、得られるスラリーに対して、原料濃度については20重量%以下、水濃度については50重量%以上、触媒濃度については10重量%以下が好ましく用いられる。
【0039】
加水分解・縮合で生成する粒子の平均粒子径は、水濃度、触媒濃度、有機溶剤濃度、原料濃度、原料の添加時間、温度、種粒子の濃度を、たとえば、それぞれ、50〜99.99重量%、0.01〜10重量%、0〜90重量%、0.1〜30重量%、0.001〜500時間、0〜100℃、0〜10重量%に設定することにより、好ましい範囲内にすることができる。生成する粒子の粒子径の変動係数は、水濃度、触媒濃度、有機溶剤濃度を、それぞれ、上記範囲内に設定することにより、好ましい範囲内にすることができる。
縮合工程中に、および/または、縮合工程後に、ラジカル重合性基をラジカル重合反応させる。すなわち、第1シリコン化合物を、加水分解・縮合で得られた中間生成物・粒子をラジカル重合する。ラジカル重合性基がラジカル重合反応して有機ポリマー骨格を形成する。ラジカル重合する方法としては、加水分解・縮合して得られた粒子の水を含む溶媒スラリーに水溶性又は油溶性のラジカル重合開始剤を添加溶解して、そのまま重合しても良いし、また加水分解・縮合して得られた粒子を、濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてスラリーから単離した後、ラジカル重合開始剤を含有する水又は有機溶媒等の溶液に分散させて重合しても良く、これらに限定されるものではない。特に、上記原料を加水分解・縮合しながらラジカル重合開始剤を共存させてラジカル重合を同時に行う方法が好ましい。この理由としては、ポリシロキサンの生成と重合による有機ポリマーの生成が並行して生じるため、無機質の特徴である硬度と、有機ポリマーの特徴である機械的復元性および破壊強度とを含有する有機質無機質複合体粒子が得られ易く、また硬度、機械的復元性および破壊強度が効果的に発現する有機質無機質複合体粒子となるためである。
【0040】
ここで、ラジカル重合開始剤としては従来公知のものを使用することができ、特に限定されないが、好ましくはアゾ化合物、過酸化物等から選ばれる少なくとも1つの化合物である。上記したラジカル重合開始剤の量は、特に限定されないが、多量に使用すると発熱量が多くなって反応の制御が困難となり、一方、少量使用の場合にはラジカル重合が進行しない場合があるので、第1シリコン化合物の合計重量に対して、たとえば0.1〜5wt%、好ましくは0.3〜2wt%の範囲である。
ラジカル重合させる際の温度は、使用するラジカル重合開始剤によって適宜選択可能であるが、反応の制御のし易さから30〜100℃、好ましくは、50〜80℃の範囲である。また、ラジカル重合する際に、ラジカル重合性基とラジカル重合可能な基を有するモノマーを共存させても良い。モノマーとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸類;アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマール酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル類;アクリルアミド類;メタクリルアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物等のビニル化合物類等が挙げられ、これらの一種以上を使用しても良い。中でも、ラジカル重合可能な基を2個以上含有する、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等のモノマーが好ましい。
【0041】
しかし、モノマーを多量に使用して有機質無機質複合体粒子中のポリシロキサン骨格の含有量が25wt%未満になると、硬度が不充分になるので好ましくない。このため、モノマーの量は、第1シリコン化合物の合計重量に対して、たとえば0〜50wt%、好ましくは0〜30wt%である。
ついで、ラジカル重合により生成した重合体粒子を濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いて上記スラリーより単離した後、染色を行う。
【0042】
染色は、オキサジン系染料によって行われる。オキサジン系染料を用いることによって得られる本発明の着色粒子は、液晶表示板用着色スペーサとして用いたとき低電圧駆動の液晶表示板に対して、初めて高信頼性と高遮光性の両方を満足できたものである。オキサジン系染料とは、下記構造を有するものである。染色され易く、染料の溶出(ブリード)が抑制される点から、オキサジン系塩基性染料が好ましく、中でも水溶性のものが特に好ましい。
【0043】
【化6】
【0044】
水溶性のオキサジン系塩基性染料として具体的には、日本化薬(株)製「カヤクリルライトブルー4GSL」、保土谷化学(株)製「カチロンブルー3GLH」、「カチロンピュアブルー5GH200%」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「マキシロンブルー5G200%」、ダイスタージャパン(株)製「アストラゾンブルーBG200%」が挙げられ、これらの中でも日本化薬(株)製「カヤクリルライトブルー4GSL」及びダイスタージャパン(株)製「アストラゾンブルーBG200%」が少量でも着色度(染色度)が高く、すなわち遮光性が大きいので好ましい。
【0045】
オキサジン系染料を用いた染色方法は特に限定されないが、単離された重合体粒子を溶剤存在下で染色する方法が好ましい。前記溶剤としては、水および/または水に対する溶解度が水100重量部に対して5重量部以上である有機溶剤が使用でき、好ましくは、水、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールから選ばれる1種または2種以上である。
【0046】
染色の温度範囲は、特に限定されないが、120〜200℃が好ましい。120℃未満では粒子への染色性が低下し、遮光性に良好な着色粒子を得にくくなる。また、200℃を越える温度では粒子が凝集する場合がある。また、溶剤の沸点より高い温度で染色を行うときにはオートクレーブ等の密閉容器内で染色を行う必要がある。この方法により、密閉容器内の内圧が高まり染料により粒子内部まで染色することができる。
【0047】
染色の際のオキサジン系染料の濃度は、特に限定されないが、粒子に対して50〜150重量%であることが好ましい。50重量%未満では染色度が低く、150重量%を越えると粒子が凝集する場合がある。
染色の際には、オキサジン系染料と共に、染色を促進させるための染色助剤を用いても良い。
【0048】
染色工程は、染色をより確実に行うため複数回行ってもよい。
染色工程の後、加熱処理を行う。加熱処理によってオキサジン系染料が粒子中に固定化される。加熱処理温度は特に限定されないが、120〜240℃で行われることが好ましい。また、雰囲気は、窒素雰囲気中が好ましい。窒素雰囲気中で加熱処理することで、染料の分解が少なくなり、また後工程の洗浄工程において染料の溶出(ブリード)が少なくなるため、染料の粒子中への固定化が大きくなり、良好な遮光性となる。大気中では染料の分解が大きく、染料の粒子中への固定化が小さくなり易い。また、真空中では染料の分解は抑制できるが、染料の粒子中への固定化が小さくなり易い。また、加熱処理の温度が120℃未満では染料の粒子中への固定化が小さく後工程の洗浄工程における染料の溶出(ブリード)が大きくなる場合がある。一方、240℃を越える温度で加熱処理すると、染料の分解のおそれがある。
【0049】
加熱処理の時間は特に限定されないが、1〜10時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。1時間未満では染料の粒子中への固定化が小さく、10時間を越えると染料が分解しやすい。
焼成工程の後、洗浄を行うことが好ましい。洗浄の方法は特に限定されないが、染色工程で用いた溶剤と同じ溶剤を用いて行うことが好ましく、また煮沸する方が洗浄効率が高くなる。
【0050】
ついで、粒子を濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いて上記スラリーより単離する。また、溶剤を除去するため乾燥を行うことが好ましい。乾燥は150℃以下であることが染料の分解が少ないため好ましく、減圧乾燥がより好ましい。
[液晶表示板用スペーサ]
本発明の液晶表示板用スペーサは、本発明の着色粒子よりなるので、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)がない。特に低電圧駆動型の液晶表示板に対して、初めて高信頼性と高遮光性の両方を満足したスペーサとなる。
[液晶表示板]
本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板において、従来のスペーサーの代わりに、上述したような本発明の液晶表示板用スペーサーを電極基板間に介在させたものであり、同スペーサーの粒子径と同じかまたはほぼ同じ隙間距離を有する。使用されるスペーサーの量は、通常30〜400個/mm2 、好ましくは50〜300個/mm2 である。
【0051】
本発明の液晶表示板用スペーサーは、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)がないため、これを含んでなる本発明の液晶表示板は、スペーサが存在する部分からの光抜けが十分に抑制されており、かつ低電圧駆動型における信頼性が非常に高い。
本発明の液晶表示板は、たとえば、図1に見るように、第1電極基板110と、第2電極基板120と、液晶表示板用スペーサと、シール材と液晶とを備えている。第1電極基板110は、第1基板11と、第1基板11の表面に形成された第1電極5とを有する。第2電極基板120は、第2基板12と、第2基板12の表面に形成された第2電極5とを有し、第1電極基板110と対向している。液晶表示板用スペーサとしては上述の本発明のものが使用され、第1電極基板110と第2電極基板120との間に介在し、その電極基板間の間隔を保持する。シール材2は、第1電極基板110と第2電極基板120とを周辺部で接着する。液晶7は、第1電極基板110と第2電極基板120との間に封入されており、第1電極基板110と第2電極基板120とシール材2とで囲まれた空間に充填されている。
【0052】
本発明の液晶表示板において、スペーサー以外の、電極基板、シール材、液晶などについては従来と同様のものを同様に使用することができる。
電極基板は、ガラス基板、プラスチック基板などの基板と、基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさらに有する。シール材としては、エポキシ樹脂接着シール材などが使用される。液晶としては、従来より用いられているものでよく、たとえば、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
【0053】
本発明の液晶表示板を作製する方法としては、たとえば、本発明のスペーサーを面内スペーサーとして2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に湿式法または乾式法により均一に散布したものに、シリカスペーサーをシール部スペーサーとしてエポキシ樹脂等の接着シール材に分散させた後、もう一方の電極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量40〜300mJ/cm2 の紫外線照射により、接着シール材を加熱硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶表示板を得る方法を挙げることができるが、液晶表示板の作製方法によって本発明が限定されるものではない。
【0054】
本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板と同じ用途、たとえば、テレビ、モニター、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、カーナビゲーションシステム、DVD、デジタルビデオカメラ、PHS(携帯情報端末)などの画像表示素子として使用される。
【0055】
【実施例】
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下において単に「部」、「%」とあるのは特にことわりがない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表すものとする。
<着色粒子の平均粒子径と粒子径変動係数>
着色粒子を電子顕微鏡により観察して、その撮影像の任意の粒子200個の粒子径を実測し、次式に従って、平均粒子径、粒子径の標準偏差および粒子径の変動係数を求めた。
【0056】
【数1】
【0057】
【数2】
【0058】
【数3】
【0059】
[実施例1]
冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フラスコ中に25重量%アンモニア水溶液4.9g、メタノール10.1g、水139.1gを混合した溶液(A液)を入れ、25±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中に、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン27g、ラジカル重合開始剤として2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.14gを混合した溶液(B液)を滴下口から添加して、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合を行った。攪拌を継続しながら20分後、N2 雰囲気中で70±5℃に加熱し、ラジカル重合を行った。
【0060】
2時間加熱を続けた後、室温まで冷却し、重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固液分離し、得られたケーキを水による洗浄を3回繰り返して行い、染色用原料粒子(1)を得た。
次いで、染色用原料粒子(1)10g、オキサジン系塩基性染料(日本化薬(株)製カヤクリルライトブルー4GSL)5g、水250gをオートクレーブに仕込み、170℃まで昇温して1時間保持した後冷却した。冷却後濾過して、メタノール洗浄と水洗を行った。
【0061】
さらに、得られた粒子、オキサジン系塩基性染料(日本化薬(株)製カヤクリルライトブルー4GSL)4g、水250gをオートクレーブに仕込み、170℃まで昇温して1時間保持し、再度粒子を染色した後冷却した。冷却後濾過して、メタノール洗浄と水洗を行った。
次に、窒素雰囲気中、200℃で3時間加熱処理を行った。
【0062】
加熱処理後、500mlセパラブルフラスコに焼成した粒子と、イソプロパノール/水(1/1体積比)を400ml入れ、攪拌しながら2時間加熱した。これを4回繰り返した。
次に500mlビーカー中に粒子と水400mlを入れ、10分間超音波分散した後、デカンテーションした。これを5回繰り返し、6回目に濾過を行って、粒子を単離した。
【0063】
単離した粒子は、イソプロパノールで置換した後、濾過して、減圧乾燥器で90℃、2時間乾燥し、着色粒子(1)を得た。
着色粒子(1)は、平均粒子径3.0μm、粒子径の変動係数4.3%であった。染料の溶出性と遮光性は以下の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
<染料の溶出性>
液晶表示板用スペーサを湿式散布する際の溶媒組成である、イソプロパノール/水(1/1体積比)に粒子を2重量%となるように添加して、30分間超音波分散させたときの溶媒への染料溶出の程度を目視で観察した。
【0064】
○:溶媒が透明(染料のブリードなし)
△:溶媒が若干着色(染料のブリード少しあり)
×:溶媒がかなり着色(染料のブリード多い)
<遮光性>
光学顕微鏡にて、下から光を照射したときの粒子内部の光の透過性を目視で観察した。
【0065】
○:光の透過が粒子中心部及び周辺部とも非常に小さい
△:光の透過が粒子周辺部に認められる。
×:光の透過が粒子中心部にも認められる。
[実施例2]
実施例1において、加熱処理の条件を窒素雰囲気中150℃、3時間に変更した以外は実施例1と全く同様にして、着色粒子(2)を得た。
【0066】
着色粒子(2)の平均粒子径、粒子径の変動係数、染料の溶出性、遮光性を測定・評価した結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、オキサジン系塩基性染料として、ダイスタージャパン(株)製「アストラゾンブルーBG200%」を用いた以外は実施例1と全く同様にして、着色粒子(3)を得た。
【0067】
着色粒子(3)の平均粒子径、粒子径の変動係数、染料の溶出性、遮光性を測定・評価した結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、オキサジン系塩基性染料の代わりに、アントラキノン系塩基性染料(Basic Blue 45)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較着色粒子(11)を得た。
【0068】
比較着色粒子(11)の平均粒子径、粒子径の変動係数、染料の溶出性、遮光性を測定・評価した結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、加熱処理の条件を窒素雰囲気中120℃、3時間に変更した以外は実施例1と全く同様にして、着色粒子(4)を得た。
【0069】
着色粒子(4)の平均粒子径、粒子径の変動係数、染料の溶出性、遮光性を測定・評価した結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、加熱処理の条件を窒素雰囲気中240℃、3時間に変更した以外は実施例1と全く同様にして、着色粒子(5)を得た。
【0070】
着色粒子(5)の平均粒子径、粒子径の変動係数、染料の溶出性、遮光性を測定・評価した結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
[実施例6]
低電圧駆動(3V)タイプのノーマリーブラックモードのTN−TFT型液晶表示装置を作製した。スペーサとしては、実施例1で得られた着色粒子(1)を用いた。
液晶表示装置の表示性能(コントラスト)及び信頼性は以下にしたがって評価した。結果を表2に示す。<表示性能(コントラスト)>
○:良好
△:普通
×:悪い
<信頼性>
90℃、1000時間の長期間駆動後のV−T特性(電圧−透過率)の変化を調べた。
【0073】
○:正常(初期と同じ)
×:初期に異なる
[実施例7〜10]
実施例6において、スペーサとして、実施例2〜5で得られた着色粒子(2)〜(5)を用いた以外は全く同様にして液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の表示性能(コントラスト)及び信頼性を評価した結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例6において、スペーサとして、比較例1で得られた比較着色粒子(11)を用いた以外は全く同様にして液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の表示性能(コントラスト)及び信頼性を評価した結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】
本発明の着色粒子は、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)がない。
本発明の着色粒子の製造方法は、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)のない着色粒子を製造することができる。
【0076】
本発明の液晶表示板用スペーサは、着色度が高く遮光性に優れるとともに、染料などの溶出(ブリード)がない。
本発明の液晶表示板は、スペーサが存在する部分からの光抜けが十分に抑制されており、かつ低電圧駆動型においても信頼性が非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示装置の一例を表わす概略断面図である。
【符号の説明】
2 シール材
3 シール部スペーサ
4 配向膜
5 電極
6 偏光膜
7 液晶
8 面内スペーサ
11 下側ガラス基板
12 上側ガラス基板
110 下側電極基板
120 上側電極基板
Claims (4)
- オキサジン系染料により染色された有機質無機質複合体粒子よりなる着色粒子であって、
該有機質無機質複合体粒子が有機ポリマー骨格と該有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、
該有機ポリマー骨格が、アクリロキシ基を含むラジカル重合性基をラジカル重合反応させて得られる構造を含む、
着色粒子。 - 有機質無機質複合体粒子を、オキサジン系染料で染色した後、加熱処理する工程を含む、着色粒子の製造方法であって、
該有機質無機質複合体粒子が有機ポリマー骨格と該有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、
該有機ポリマー骨格が、アクリロキシ基を含むラジカル重合性基をラジカル重合反応させて得られる構造を含む、
着色粒子の製造方法。 - 請求項1記載の着色粒子からなる液晶表示板用着色スペーサ。
- 請求項3記載の液晶表示板用着色スペーサを含んでなる液晶表示板。
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