JP3976614B2 - 帯電防止付カバーフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止付カバーフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、電子部品材料であるIC、トランジスター、ダイオード、圧電素子レジスター、コンデンサー等の表面実装用チップ型電子部品は、電子部品の形状に合わせて収納できるようにエンボス成形されたポケットを連続的に形成したプラスチック製エンボスキャリアーテープと、エンボスキャリアーテープに熱接着可能なカバーフィルムとからなる包装体に包装されて供給される。
【0003】
キャリアーテープやカバーフィルムは成型性や取り扱いの点で合成樹脂が用いられ、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンなどが材料として使われている。
【0004】
カバーフィルムは、キャリアーテープと熱接着するため、ヒートシール層を有する。カバーフィルムは最終的にはがされるため帯電防止性能の付与が必要である。帯電防止性能を付与するために、比較的安価なカーボン粒子を練り込んだり、塗布することが従来より行われている。しかしながらカーボン粒子を用いると透明性がなくなり、カーボン粒子が脱落し、電子部品材料へ付着することもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなカバーシートに使用される材料は、有機高分子であるため、単独では非常に帯電しやすい特性をもっている。このような材料をカバーシートとして用いた場合、シート自身が帯電し、静電気の放電現象により、梱包された電子部品が破損し、性能が損なわれるばかりでなく、周囲からのゴミが吸着し、生産歩留りを悪化させる原因にもなる。
【0006】
またカバーシートにおけるヒートシール層は、十分な密着性とイージーピール性の両方の特性を兼ねそなえていなければならない。ヒートシール工程においては低温でヒートシールができ、十分な強度を保ち、イージーピール時には、ジッピング現象が起こらないよう剥離できる必要がある。
【0007】
帯電防止性能としては透明性が良く、低い表面抵抗が必要不可欠である。導電性微粒子では、透明性が損なわれ、金属粒子の脱落が、電子部品の破損をひきおこす。また、界面活性剤の帯電防止剤は、湿度依存性が大きく、安定な帯電防止性能が得られない。
【0008】
またこのようなキャリヤーテープ内に梱包された電子部品材料は、水分を非常にきらうため、長期保管の場合、カバーシートからの水分の透過により、電子部品材料の金属部分に水分が吸着し、チップ組み込み時に接触不良を起こす可能性がある。
【0009】
本発明は、上述の従来技術の問題を解決するためのものであり、安定した良好な帯電防止性、ヒートシール性、透明性を備え、水分の透過が少なく、電子部品材料のカバーフィルムとして好適な帯電防止付カバーフィルムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、Al,Si,Fe,Cr,Ni,Sn,およびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする金属酸化物層を形成し、該金属酸化物層のうえに融点が60℃以上の、エチレン−酢酸ビニルもしくはエチレン−アクリル酸共重合体で構成されているヒートシール層、または、ポリエチレンの層と、融点が60℃以上の、エチレン−酢酸ビニルもしくはエチレン−アクリル酸共重合体の層との2つの層から構成されているヒートシール層を形成した積層体に、該積層体の両方の面に帯電防止層を設けた帯電防止付カバーフィルムであって、光線透過率が80%以上、透湿度が3g/m/24hr以下表面抵抗値が1012Ω/□以下、かつポリカーボネートに温度100℃でヒートシールした際のヒートシール強度が600g/インチ幅以上であり、温度150℃でヒートシールした際のヒートシール強度と温度100℃でヒートシールした際のヒートシール強度との差が1500g/インチ幅以下である、帯電防止付カバーフィルムである。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
[ポリエステルフィルム]
本発明において、基材となるポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルのフィルムを用いる。耐熱性、機械的強度に優れることから二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
【0013】
二軸延伸ポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の温度(但し、Tm:ポリエステルの融点)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、40〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で縦方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、横方向2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、必要に応じて180〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造できる。フィルムの厚みは5〜100μmの範囲が好ましい。
【0014】
これらのポリエステルには、必要により、適当なフィラーを含有させることができる。このフィラーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付与剤として知られているものを用いることができるが、その例を示すと炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子が挙げられる。さらにポリエステルには、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒などを適宜添加してもよい。
【0015】
[金属酸化物層]
金属酸化物層は、電子部品材料への水分の吸着がおこらないようにするために必要な防湿層である。透湿度としては、耐電防止付カバーフィルムとして3g/m2/24hr以下である。透湿度が3g/m2/24hrを越えると、電子部品の金属部に水分が吸着し、部品の組み込み時に接触不良の原因となる。そのため、透湿度は3g/m2/24hr以下が必要となる。好ましくは、1g/m2/24hr以下、更に好ましくは0.8g/m2/24hr以下である。
【0016】
金属酸化物層は、Al,Si,Fe,Cr,Ni,Sn,Znの少なくとも1種以上の金属より構成されることが好ましい。特に透明性と透湿度を達成させるためには、SiまたはSnの酸化物が好ましい。金属酸化物層は、蒸着法やスパッタリング法によって設けることが出きる。膜厚みとしては透明性を保持するために500Å以下であることが好ましい。さらに好ましくは300Å以下である。
【0017】
[ヒートシール層]
ヒートシール層の熱可塑性樹脂としては、十分なヒートシール性をもたせるため、融点が60℃以上、好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは60〜110℃のものを用いる。融点が60℃より低いと工程内で熱がかかったとき、はり付き現象がおこり、ハンドリング性が悪くなるばかりでなく、ロール状に巻かれたときブロッキング現象が発生する。120℃以上では、ヒートシール時にラミネート時間が必要となり、生産性が悪くなり好ましくない。ヒートシール層の熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、LLDPE、VLDPE、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン系アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレンメタクリル酸メチル共重合樹脂を挙げることができる。就中、エチレン系共重合樹脂の中でもエチレン酢酸ビニル共重合、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂が、ヒートシール強度が安定していることから好ましい。特にエチレン系共重合樹脂の場合、共重合が5〜30%のものがヒートシール性と剥離特性に優れている。
【0018】
ヒートシール層は、ポリエチレンの層とエチレン−酢酸ビニルまたはエチレン−アクリル酸共重合体の層との2つの層から構成されていることが好ましい。
【0019】
ヒートシール層の熱可塑性樹脂は、公知の方法により基材のポリエステルフィルムの上に積層することができる。ポリエステル基材フィルムの上に、ヒートシール層を設けた状態での積層厚みは、ヒートシール強度と、剥離のバランスにより最適化して決めることができる。基材であるポリエステルフィルムは、剛性が高く、剥離時にジッピングが発生する。剛性が高くなると剥離する際キャリアテープとカバーシートの剥離角度が小さくなるためこの現象がおこる。このため、ポリエステルフィルムの剛性を小さくするため、基材のポリエステルフィルムの厚みを薄くし、ヒートシール層の柔軟な熱可塑性樹脂成分を増すことが好ましい。
【0020】
ヒートシール層は、厚みが5mμから200μmが好ましく、さらには12μmから50mμが好ましい。基材としてポリエステルフィルムを用いる場合、ヒートシール層はポリエステルフィルムの少なくとも2倍の厚みを有することが好ましい。2倍未満であるとジッピングが発生する。ヒートシール層は、ヒートシール温度を100℃とした際のポリカーボネートとのヒートシール強度が600g/インチ以上であることが好ましい。600g未満であればシール強度不足のため、密封が不完全になり好ましくない。
【0021】
また、温度150℃でヒートシールした際のヒートシール強度と温度100℃でヒートシールした際のヒートシール強度との差が1500g/インチ幅以下であることが好ましく、1500g/インチ幅を越えると生産条件の変動により、シート強度にばらつきが発生し、剥離工程での機械のトラブルの原因にもなるので、好ましくない。さらに好ましくは、1000g/インチ幅以下である。このヒートシール層は上記樹脂からなる少なくとも一層以上であることが好ましい。ポリエステルフィルムへの密着性向上のためには、コロナ処理や、アンカー処理または多層積層により密着性や剥離時に必要なフィルム弾性を向上させることができる。
【0022】
[帯電防止層]
帯電防止層としては、有機の帯電防止剤または高分子導電剤を含有する層を用いる。ヒートシール層を介さずにポリエステルフィルム上に帯電防止層を設ける際には、ポリエステルフィルムが二軸延伸により結晶配向される前に塗設することが望ましい。有機の帯電防止剤としては、下記式で示される構造の繰り返し単位を主成分とする化合物が好ましい。
【0023】
【化1】
Figure 0003976614
【0024】
ただし、上記式中のR1,R2はそれぞれHまたはCH3、R3は炭素数2−10のアルキレン基、R4,R5はそれぞれ炭素数が1−5の飽和炭化水素基、R6は炭素数が2−10のアルキレン基、mは1−20の数、nは1−40の数、Y-はハロゲンイオン、モノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又はアルキルスルホネートイオンである。本体帯電防止剤は、ポリエステルフィルムへの密着性を高めるために、アクリル共重合体、界面活性剤等の添加物とともにポリエステルフィルム上に積層することが好ましい。
【0025】
また、ヒートシール層上に設けられる帯電防止剤としては、高分子導電剤であるポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、またはその誘導体として得られる高分子ポリマーを用いてもよい。これら、少なくとも一種以上の帯電防止剤を、バインダー成分として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびそれらの共重合体から選ばれる樹脂に添加し基材のポリエステルフィルム上に設ける。
【0026】
帯電防止層は2つ以上の層を設けてもよいが、帯電防止層の少なくとも1層は導電性高分樹脂からなることが好ましい。
【0027】
導電性重合体は、重合単位として下記式(I)、式(II)、式(III)及び/又は式(IV)で示される単位を主成分とする単独重合体または共重合体であり、この他の重合単位を共重合成分として少量含む共重合体であってもよい。
【0028】
【化2】
Figure 0003976614
【0029】
【化3】
Figure 0003976614
【0030】
【化4】
Figure 0003976614
【0031】
【化5】
Figure 0003976614
【0032】
上記式(I)および式(II)でR1、R2はそれぞれ水素元素(−H)、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基、水酸基(−OH)、末端に水酸基を有する基(−R3OH:R3は炭素数1〜20の2価の炭化水素基(例えば、アルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基、アルキレン・アリーレン基等))、アルコキシ基(−OR4:R4は炭素数1〜20の炭化水素基)、末端にアルコキシ基を有する基(−R3OR5:R5は炭素数1〜4のアルキル基)、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル塩基(−COOH:Mはアルカリ金属元素、第4級アミンまたはテトラホスホニウム)、末端にカルボキシル基を有する基(−R3COOH)、末端にカルボキシル塩基を有する基(−R3COOM)、エステル基(−COOR5)、末端にエステル基を有する基(−R3COOR5)、スルホン酸基(−SO3H)、末端にスルホン酸基を有する基(−R3SO3H)、スルホン酸塩基(−SO3M)、末端にスルホン酸塩基を有する基(−R3SO3M)、スルホニル基(−SO34)、末端にスルホニル基を有する基(−R3SO24)、スルフィニル基(−S(=O)R4)、末端にスルフィニル基を有する基(−R3S(=O)R4)、アシル基(−C(=O)R6:R6は炭素数1〜10の炭化水素基)、末端にアシル基を有する基(−R3C(=O)R6)、アミノ基(−NH2)、末端にアミノ基を有する基(−R3NH2)、アミノ基の水素元素の一部または全部が置換された基(−NR78:R7は水素元素、炭素数1〜3のアルキル基、−CH2OHまたは−CH2OR6、R8は炭素数1〜3のアルキル基、−CH2OHまたは−CH2OR6)、アミノ基の水素元素の一部または全部が置換された基を末端に有する基(−R3NR78)、カルバモイル基(−CONH2)、末端にカルバモイル基を有する基(−R3CONH2または−R3NHCONH2)、カルバモイル基の水素元素の一部または全部が置換された(−CONR78)、ハロゲン基(−F、−Cl、−Br、−I)、Rの水素元素の一部がハロゲン元素で置換された基、−[NR129+][X-]で示される基(R9は水素元素または炭素数1〜20の炭化水素基、X-はF-、Cl-、Br-、I-、R1OSO3 -、R1SO3 -、NO3 -またはR1COO-で示されるイオン)、リン酸塩基(−P(=O)(OM)2)、末端にリン酸塩基を有する基(−R3P(=O)(OM)2)、オキシラン基(下記式(V−1)で示される基)または末端にオキシラン基を有する基(下記式(V−2)で示される基)である。
【0033】
【化6】
Figure 0003976614
【0034】
【化7】
Figure 0003976614
【0035】
また、下記式(II)および式(IV)でY-は、陰イオンを有する元素または化合物(Cl-、Br-、I-、F-、R1OSO3 -、R1SO3 -、NO3 -、R1COO-等)またはこれらの陰イオンを有する重合体を示す。
【0036】
前記式(I)、式(II)、式(III)及び/又は式(IV)で示される重合単位としては、例えば、下記式(I−1)〜式(I−12)、式(II−1)〜式(II−2)、下記式(III−1)および下記式(IV−1)〜式(IV−2)を挙げることができる。
【0037】
【化8】
Figure 0003976614
【0038】
【化9】
Figure 0003976614
【0039】
【化10】
Figure 0003976614
【0040】
【化11】
Figure 0003976614
【0041】
【化12】
Figure 0003976614
【0042】
【化13】
Figure 0003976614
【0043】
【化14】
Figure 0003976614
【0044】
【化15】
Figure 0003976614
【0045】
【化16】
Figure 0003976614
【0046】
【化17】
Figure 0003976614
【0047】
【化18】
Figure 0003976614
【0048】
【化19】
Figure 0003976614
【0049】
【化20】
Figure 0003976614
【0050】
【化21】
Figure 0003976614
【0051】
【化22】
Figure 0003976614
【0052】
【化23】
Figure 0003976614
【0053】
【化24】
Figure 0003976614
【0054】
なお、チオフェン及び/又はチオフェン誘導体を重合して得られた導電性重合体には、導電性を更に良好なものとするためドーピング剤を、例えば導電性重合体100重量部に対し0.1〜500重量部配合することができる。このドーピング剤としては、LiCl、R10COOLi(R10:炭素数1〜30の飽和炭化水素基)、R10SO3Li、R10COONa、R10SO3Na、R10COOK、R10SO3K、テトラエチルアンモニウム、I2、BF3Na、BF4Na、CH3SO3H、FeCl3、テトラシアノキノリン(TCNQ)、Na2B10Cl10、フタロシアニン、ポルフィリン、グルタミン酸、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸Na(K、Li)塩、スチレン・アルキルスルホン酸Na(K、Li)塩共重合体、ポリスチレンスルホン酸アニオン(例えば、前記式(II−2a)、式(IV−1a)で示される重合体)、スチレンスルホン酸・スチレンスルホン酸アニオン共重合体(例えば、前記式(II−1a)、式(IV−2a)で示される共重合体)等を挙げることができる。
【0055】
[バインダー樹脂]
本発明においては、ヒートシール層と高分子導電性樹脂層との接着性をより良好なものとするため、導電性重合体バインダー樹脂を配合することができる。このバインダー樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の二次転移点が20〜150℃の樹脂であることが好ましい。この二次転移点が20℃未満であると高分子導電性樹脂の耐ブロッキング性が低下し、150℃を超えると高分子導電性樹脂の耐削れ性が不足する傾向にあるので好ましくない。さらに密着性を向上させるために、ヒートシール層にコロナ処理を実施してもよい。
【0056】
[光線透過率]
本発明の帯電防止付カバーフィルムは、光線透過率が80%以上である。光透過率が80%未満であると透明性が不足する。
【0057】
[透湿度]
本発明の帯電防止付カバーフィルムは、透湿度が3g/m2/24hr以下である。透質度が3g/m2/24hrを超えると電子部品の金属部に水分が吸着し、部品の組み込み時に接触不良の原因となる。
【0058】
[表面抵抗値]
本発明の帯電防止付カバーフィルムの表面固有抵抗値は、耐電防止層の厚み、耐電防止剤の含有量にも依存するところがあるが、1012Ω/□以下であり、好ましくは105〜1012Ω/□、さらに好ましくは107〜1010Ω/□、特に好ましくは107〜109Ω/□である。表面抵抗値が1012Ω/□を超えるとカバーフィルムに蓄積した電荷が十分除電されず、放電が起こる。
【0059】
[層の構造]
本発明において、帯電防止付フィルムは、帯電防止層、ポリエステルフィルム、金属酸化物層、ヒートシール層、高分子導電性樹脂の帯電防止層の順に層が存在することが最も好ましい態様である。ポリエステルフィルムと金属酸化物層の間に帯電防止層が入る構成も好ましい態様である。
【0060】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、フィルムの各特性は以下の方法で行なう。
【0061】
(1)融点の測定
PERKINELMER製DSC−7型を用いて5℃/分で昇温して、融点を測定する。
(2)光線透過率
JIS K7105に準じて、全光線透過率を測定する。
(3)透湿度
JIS Z0208「防湿包装材料の透湿度」の試験方法に準じ測定する。
(4)表面固有抵抗値(Ω/□)
タケダ理研社製 表面固有抵抗測定器を使用し、23℃×65%RHの雰囲気下で印加電圧100Vで測定する。
(5)ヒートシール強度
ヒートシール温度 100℃,150℃
ラミ圧力 2.0kg/cm
の条件にて、ヒートシール層とポリカーボネートフィルムを貼り合せ、常温まで冷却してから5サンプルを1インチ巾にカットし、180°の剥離強度を測定する。
【0062】
[実施例1]
固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレー(PET)90wt%と平均粒径0.4μmの酸化チタン10wt%からなる組成物を溶融して冷却ドラム上にキャストし、次いで得られた未延伸フィルムを縦方向に3.6倍延伸した。この一軸延伸フィルムの片面にメタクリル酸メチル(35mol%)、アクリル酸エチル(50mol%)、アクリロニトリル(10mol%)、及びN−メチロールメタクリルアミド(5mol%)から作成されたノニオン性アクリル共重合体(数平均分子量:245000、Tg=25℃)53wt%、下記式で示される高分子帯電防止剤30wt%、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(63mol%)、メタクリル酸メチル(14mol%)、メタクリルアミド(23mol%)からなるオキサゾリン基を含有する重合体(分子量:100000、Tg=100℃、オキサゾリン等量=150g(固形分)/等量)10wt%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(D−1)5wt%からなる固形分組成の10wt%水性液を4g/m2(wet)の塗布量でマイクログラビアコート法にてフィルムの片面に塗布した。乾燥後、横方向に3.6倍延伸し、230℃で熱処理して厚さ16μmの帯電防止層を備える二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0063】
【化25】
Figure 0003976614
【0064】
このフィルムの帯電防止層とは反対面に酸化ケイ素の膜を真空蒸着法により100オングストロームの薄膜を積層した。
【0065】
この積層フィルムの酸化ケイ素膜上にヒートシール層として、溶融押し出し温度が310℃においてヒートシール特性をもつエチレン酸酢酸ビニル共重合体(EVA:三井デュポン社製 P1207)を厚さ40μmとなるように押し出し、ヒートシール層を備える積層フィルムを得た。このEVA表面上に高分子導電性樹脂として、バイエル社製バイトロンP[M1]とジカルボン酸成分としてテレフタル酸54モル%、イソフタル酸37モル%、アジピン酸5モル%および5−Naスルホイソフタル酸4モル%、グリコール成分としてエチレングリコール92モル%、ジエチレングリコール5モル%、1,4−ブタンジオール3モル%を用いて得られた共重合ポリエステル[M2](Tg59℃、平均分子量20,660)、ならびにノニオン系界面活性剤[M3](ポリオキシエチレンアルキルエーテル)からなる組成物(重量比;M1/M2/M3=30/70/10)の5重量%水性塗液を4g/m2(wet)となるようグラビアコーターで塗布した。このようにして、高分子導電性樹脂層を備える積層フィルムである、帯電防止用カバーフィルムをえた。結果を表1に示す。
【0066】
[実施例2]
実施例1におけるヒートシール層をLDPE(三井デュポン社製ミラソンM11)を溶融押し出し法により、30μm積層し、次いで実施例1で用いたヒートシール樹脂を20μm積層した。これ以外は実施例1と同様の方法で作成した。結果を表1に示す。
【0067】
[比較例1〜5]
比較例1では、実施例1の導電性高分子を塗布しない以外は同様の方法で得た。
比較例2では、実施例1の酸化ケイ素膜を設けない以外は同様の方法で得た。
比較例3では、実施例1のヒートシール層の厚みを20μmとする以外は同様の方法で得た。
比較例4では、実施例1の導電性樹脂を塗布せず、ヒートシール層にケッチェンブラック(粒径:30nm)を3重量部添加しそれ以外は実施例1と同様の方法で得た。
比較例5では、実施例1のヒートシール層に、三井デュポン社製 エバフレックスA709を使用する以外は同様の方法で得た。
結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003976614
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、安定した良好な帯電防止性、ヒートシール性、透明性を備え、水分の透過が少なく、電子部品材料のカバーフィルムとして好適な帯電防止性カバーフィルムを提供することができる。

Claims (5)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、Al,Si,Fe,Cr,Ni,Sn,およびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする金属酸化物層を形成し、該金属酸化物層のうえに融点が60℃以上の、エチレン−酢酸ビニルもしくはエチレン−アクリル酸共重合体で構成されているヒートシール層、または、ポリエチレンの層と、融点が60℃以上の、エチレン−酢酸ビニルもしくはエチレン−アクリル酸共重合体の層との2つの層から構成されているヒートシール層を形成した積層体に、該積層体の両方の面に帯電防止層を設けた帯電防止付カバーフィルムであって、光線透過率が80%以上、透湿度が3g/m/24hr以下表面抵抗値が1012Ω/□以下、かつポリカーボネートに温度100℃でヒートシールした際のヒートシール強度が600g/インチ幅以上であり、温度150℃でヒートシールした際のヒートシール強度と温度100℃でヒートシールした際のヒートシール強度との差が1500g/インチ幅以下である、帯電防止付カバーフィルム。
  2. ポリエステルフィルムが二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、ヒートシール層の厚みが、二軸配向ポリエステルフィルムの2倍以上である請求項1に記載の帯電防止付カバーフィルム。
  3. 帯電防止層の少なくとも1層が、下記式で表される構造の繰返し単位を主成分とする帯電防止剤を含有する層である、請求項1または2に記載の帯電防止付カバーフィルム。
    Figure 0003976614
    式中のR ,R はそれぞれHまたはCH 、R は炭素数2−10のアルキレン基、R ,R はそれぞれ炭素数が1−5の飽和炭化水素基、R は炭素数が2−10のアルキレン基、mは1−20の数、nは1−40の数、Y はハロゲンイオン、モノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又はアルキルスルホネートイオンである。
  4. 帯電防止層の少なくとも1層が導電性高分子からなり、その表面固有抵抗値が10Ω/□以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止付カバーフィルム。
  5. ヒートシール層を形成した側の面の帯電防止層が導電性高分子からなる、請求項4に記載の帯電防止付カバーフィルム。
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