JP4284721B2 - 制電性積層体、包装袋および容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は制電性積層体、この積層体から作られた包装袋または容器に関するものである。制電性積層体は、静電気を嫌う一般的包装用途のみならず、特定用途の包装材料として用いることができる。特定用途としては、磁気メディア、光メディア、光磁気メディア等の記憶媒体や、受動素子、能動素子、これらの集積化されたIC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)、VLSI(超大規模集積回路)、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ等の電子通信工業で用いられるパーツ類の包装用途がある。また、本発明は、これら部品を実装し、組立てて製品または半製品とするまでの運送、搬送、保管、組立ての各工程における専用の包装容器、例えばキャリアテープ、トレイ、マガジンバルクケース、さらにそれらをまとめて包装する包装袋や容器を開発する分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性フィルムは、耐熱性、寸法安定性、機械的強度等に優れるので、包装用フィルム、工業用フィルムとして、多量かつ広い範囲に使われている。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等は、耐熱性に劣るものの、成形性の良さ、安価である等の理由で包装材料として一般的に用いられている。合成樹脂は一般的に誘電性であるので、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静電気が発生し易く、ほこり等が付着し易い。したがって、合成樹脂の包装材料では、静電気により他物品に吸引されたり、また内容物が吸引されて取り出せなくなる等のトラブル、さらには放電が起こる等の危険性もあり、改良の必要があった。さらに昨今の電子技術の進歩により包装材に一層のクリーン度が要求されるとともに、半導体素子の静電気による破壊が問題となっている。
【0003】
フィルム、包装材料等の帯電防止剤としては、一般的に界面活性剤が用いられるが、界面活性剤では塵、ほこり等の付着を制御するのに充分な表面抵抗(1010Ω/□以下) が得られないのみならず、帯電防止能が周囲の湿気や水分の影響を受け変化しやすい。特に界面活性剤により低下したフィルムの表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して所望の帯電防止能が得られなくなる欠点がある。このことは、製造工程中に洗浄等の高湿度、キュアー等の低湿度、そして最終的に乾燥環境に晒されることが多い電子材料の包装材料にとって極めて不都合なことである。
【0004】
このような理由のもと、低湿度環境下で静電気障害のないフィルムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1010Ω/□以下の表面抵抗値を与える帯電防止剤の出現が望まれている。このような低表面抵抗値を与える素材として、カーボンブラックを混合した樹脂を用いることが多い。しかしこのものは透明性に劣り、内容物や下地層の目視検査や光センシングによる検査には適さない。透明で制電性のある材料として、ITO(インジウム酸化スズ)やSnO2 の蒸着膜、それらの粉末を混合した樹脂を用いることが考えられるが、包装材料として用いるにはコスト高となる欠点があった。
【0005】
同様の特性を示す材料としてポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子が知られている。いずれも特定の有機溶剤には可溶であるが、水や水/アルコールの混合溶媒系には不溶または分散不可であるので、芳香環にスルホン酸基を結合させる方法等が行われる。さらにこれら導電性高分子単独では充分な膜特性が出ないので、水溶性または水分散性樹脂を混合する方法が行われている。しかし、ポリアニリンまたはその誘導体やスルホン化したポリアニリン等との相溶性の良い樹脂を用いた場合には、所定の表面抵抗値が出ず、反対に所定の表面抵抗値が出る樹脂を用いた場合には、表面が白濁してフィルム本来の透明性を損なうという問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱可塑性フィルムやシート、なかでもポリオレフィン、ポリエステルまたは熱接着性を有するポリエステルのシーラントを有する構造形成体の優れた点を保有し、低湿度下でも充分な制電性を有し、かつ汎用性のある積層構成で、安価に製造し得る制電性積層体、包装袋および包装容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の制電性積層体は、包装材料として一般的に用いられるポリエステル、ポリオレフィンまたは熱接着性を有するポリエステルのシーラントを積層構成に用い、その片面または両面に、ポリアニリンおよび/またはその誘導体(中でもスルホン化ポリアニリンが好ましい。)と、イオン性基および/またはポリアルキレングリコール成分を含有する共重合ポリエステル(中でもスルホン酸基を含有するポリエステルが好ましい。)との混合物を主成分とする制電層を設ける。
【0008】
「ポリアニリンおよびその誘導体」としてはいかなるものも用い得るが、制電性の点でドープされていることが好ましい。ポリアニリン誘導体としては、例えばスルホン化ポリアニリン、プロトン酸をドープしたポリアニリン等が挙げられる。ポリアニリンとスルホン化ポリアニリン等のポリアニリン誘導体との混合物でも、それぞれの単体でも好適に用いられる。以下、「ポリアニリンおよびその誘導体」を総称して「ポリアニリン類」ともいう。
【0009】
スルホン化ポリアニリンとしては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするアリニン系共重合体スルホン化物が、本発明の制電性積層体の基本素材に好適であり、特にアミノアニソールスルホン酸類が好適である。さらに、制電層を形成する溶液の塗布性、延展性、塗布体の硬度の向上の点において、5−スルホイソフタル酸単位を4モル%〜10モル%含む該共重合ポリエステルの併用がさらに好適である。
【0010】
ここで、アミノアニソールスルホン酸類の具体例として、2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−スルホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙げることができる。アニソールのメトキシ基がエトキシ基、iso−プロポキシ基等のアルコシキ基に置換された化合物を用いることも可能である。
【0011】
好ましくは、2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸が用いられる。このように、アミノアニソールスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリン共重合体が制電層の一成分に用いられる。
【0012】
前述したように、本発明の制電性積層体に用いられるスルホン化ポリアニリン共重合体は、スルホン化ポリアニリン共重合体を構成する芳香環の数に対してスルホン酸基が結合している芳香環の数の割合が70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%である。また、スルホン酸基を含む芳香環と含まない芳香環が混在したり、交互に並んだりしても、本発明の目的達成に問題はない。該スルホン化ポリアニリン共重合体のスルホン酸基含有率が70%未満であると、該共重合体の水、アルコールまたはそれらの混合溶媒系等への溶解性または分散性が不充分になり、結果として基体への塗布性および延展性が悪くなり、得られる塗布膜の制電性が著しく低下する傾向になる。スルホン化ポリアニリン共重合体の数平均分子量は300〜500000であり、1000以上が前記溶媒への溶解性および塗布膜の強度の点で好ましい。
【0013】
該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合は溶剤100重量部に対して0.01重量部〜10重量部であり、好ましくは0.1重量部〜2重量部である。該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合が0.01重量部未満では、溶液の長期保存性が悪くなり、表面のコート層(塗布膜)にピンホールが発生し易くなりコート面の制電性が著しく劣る。また、使用割合が10重量部を越えると、該共重合体の水または水/有機溶媒混合系への溶解性、分散性およびコート層の塗布性が悪くなる傾向があり、好ましくない。
【0014】
前記溶媒は、ポリエステルフィルム等の基体を溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶媒も使用可能であるが、水または水/アルコール等の有機溶媒との混合溶媒を用いる方が、使用環境面で好ましいのみならず、支持体への塗布性および制電性が向上する場合もある。有機溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルプロピレングリコール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用いられる。これらは、水と任意の割合で混合して用いられる。この例として、具体的には、水/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコールなどを挙げることができる。水/有機溶媒の割合は、1/10〜10/1が好ましい。
【0015】
「イオン性基および/またはポリアルキレングリコール成分を含有する共重合ポリエステル」(以下、イオン性基等含有共重合ポリエステルともいう。)には、スルホン酸基、カルボキシル基、ポリアクリル酸基等のイオン性基、ポリアルキレングリコール成分等を主鎖または側鎖に有する共重合ポリエステル、さらにそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が含まれる。共重合の様式はランダム、ブロック、グラフトの何れでもよく、特に限定されない。
【0016】
これらイオン性基等含有共重合ポリエステルの中でも、スルホン酸基を含有する共重合ポリエステル(以下、スルホン酸基含有共重合ポリエステルという。)が好ましい。スルホン酸基含有共重合ポリエステルとは、スルホン酸およびそのアルカリ金属塩からなる群より選択される少なくとも一種の化合物のスルホン酸成分がジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の一部に結合したポリエステルである。さらに、スルホン酸基含有共重合ポリエステルの中でも、スルホン酸およびそのアルカリ金属塩からなる群より選択される少なくとも一種の化合物のスルホン酸成分を含有する芳香族ジカルボン酸成分を用いて調製された共重合ポリエステルであって、全酸成分に対して4〜10モル%の割合で芳香族ジカルボン酸成分を用いて調製された共重合ポリエステルが、制電層の表面硬度が高いという点で好ましい。このようなジカルボン酸成分の例としては、5−スルホイソフタル酸ナトリウムが好適である。
【0017】
他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニル、4,4′−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸などが挙げられる。制電層の表面硬度の向上の点から、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましい。
【0018】
共重合ポリエステルを調製するためのグリコール成分としては、エチレングリコールが主として用いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが用いられ得る。中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどを共重合成分として用いると、スルホン化ポリアニリンなどのポリアニリン類との相溶性が向上するという点で好ましい。
【0019】
この他、共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合などを含有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含んでも良い。さらに、制電層を形成する組成物を基材に塗布して得られる塗膜の表面硬度を向上させるために、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多カルボキシ基含有モノマーを5モル%以下の割合で、上記ポリエステルの共重合成分として用いることも可能である。5モル%を越える場合には、得られるスルホン酸基含有共重合ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル化し易くなるので、制電層の成分として好ましくない。
【0020】
上記スルホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮合反応などを行うことにより得られる。得られたスルホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチルセロソルブのような溶媒とともに加熱攪拌され、さらに攪拌しながら徐々に水を加えることにより、水溶液または水分散液とされて用いられ得る。
【0021】
上記スルホン酸基含有共重合ポリエステルの含有割合は、得られる制電層の制電性および機械的特性から、ポリアニリン類100重量部に対して50〜2000重量部が好ましく、さらに好ましくは100〜1500重量部、最も好ましくは200〜1000重量部である。
【0022】
制電層は、上記ポリアニリン類と、イオン性基等含有共重合ポリエステルとの混合物を主成分とする組成物(以下、この組成物を制電性組成物ともいう。)から形成される。この制電性組成物は溶剤に溶解または分散させて、所望の基体表面に塗布される。ここで用いられる溶剤は、基材(例えば、ポリエステルフィルム等)を溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶媒も使用可能である。水、または水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、使用環境面で好ましいだけでなく、得られる制電層の制電性が向上する場合もある。
【0023】
上記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、メチルプロピレングリコール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用いられる。これらの有機溶媒は、水と任意の割合で混合して用いられ得る。混合の例としては、水/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコールなどが挙げられる。水/有機溶媒の混合割合は、1/10〜10/1が好ましい。
【0024】
溶剤の使用割合は特に制限されないが、ポリアニリン類100重量部に対して、通常1000〜20000重量部である。溶剤の使用量が極端に多い場合は、制電層の造膜性が悪くなるおそれがある。従って、制電層にピンホールが発生し易くなり、制電性が著しく低下、すなわち帯電防止性が低下するおそれがある。一方、溶剤の使用量が極端に少ない場合は、ポリアニリン類の上記溶剤への溶解性または分散性が不十分となり、得られる制電層の表面が平坦になり難くなるおそれがある。
【0025】
制電性組成物は、上記成分のみでも、造膜性および延展性が優れており、得られる制電層の表面硬度も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤および/または高分子化合物をさらに併用することにより、濡れ性の悪い熱可塑性フィルムへの塗布も可能となる。
【0026】
上記界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤およびフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル四級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤が用いられる。用いられる界面活性剤の量は、ポリアニリン類100重量部に対して、0.001重量部以上1000重量部以下が好ましい。界面活性剤の使用量が1000重量部を越えると、基材の非コート面にコート層中の界面活性剤が裏移りして、二次加工等で問題を生じてしまうおそれがある。
【0027】
上記高分子化合物としては、前記のイオン性基等含有共重合ポリエステルの他に、例えばポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂、水酸基もしくはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性の共重合ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などのアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのアクリル酸エステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルフェノールなどのスチレン樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール類、ノボラック、レゾールなどのフェノール樹脂などが用いられ得る。中でもポリアニリン類との相溶性の点、およびポリエステルなどからなる基材との接着性の点から、水酸基もしくはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性の共重合ポリエステルおよびポリビニルアルコール類が好ましい。また、いずれの高分子化合物を用いる場合にも、低軟化点のものを選ぶことにより制電層に熱接着性を付与することができる。
【0028】
上記高分子化合物量は、好ましくはポリアニリン類100重量部に対して0〜1000重量部、さらに好ましくは0〜500重量部である。高分子化合物の量が1000重量部を越えると、ポリアニリン類の導電性が現れず、本来の帯電防止機能が発揮されないおそれがあるからである。
【0029】
制電性組成物には、上記の他に種々の添加剤が含まれ得る。添加剤としては、TiO2 、SiO2 、カオリン、CaCO3 、Al2 O3 、BaSO4 、ZnO、タルク、マイカ、複合粒子などの無機粒子、ポリスチレン、ポリアクリレート、またはそれらの架橋体で構成される有機粒子などが挙げられる。制電性のさらなる向上を目的として、SnO2 (酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)の粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO2 、BaSO4 など)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維などのカーボン系導電性フィラーなどを添加することも可能である。上記添加剤の含有量は、ポリアニリン類100重量部に対して、4000重量部以下の割合であることが好ましい。4000重量部を越える場合には、塗布液の粘度上昇による制電層の塗布むらの原因となるおそれがある。
【0030】
熱可塑性フィルムまたはそれを含む積層体およびそれからなる包装材料の表面に制電層を積層する方法としては、スプレーコート法、グラビアロールコーティング法、リーバスロールコーティング法、ナイフコータ法、ディップコート法、スピンコート法などがあるが、制電性組成物に適したコート法は特に制限はない。フィルムへの塗布を製膜工程内で同時に行うインラインコート法と、製膜ロール製造後に独立して行うオフラインコート法とがあり、また印刷技術を用いて積層することもできるが、用途に応じて好ましい方法を選ぶことが可能で、特に制限はない。本発明で用いるスルホン化ポリアニリンは250℃以上の高温では不安定であるが、200℃で約3分間も熱安定性が良好であるので、共存する高分子化合物および添加剤の種類にもよるが、通常短時間の200℃加熱ならば制電性に悪影響を与えない。むしろ、制電性の向上の点では、200℃付近で30秒以内加熱することが好ましい。制電層は、下記に示される積層用材料によって、共押出積層することもできる。
【0031】
積層用材料としては、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリアミド、接着性ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリスチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリウレタン、アクリル系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、アイオノマー、セロファン、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の単一または混合物が挙げられる。これらの材料をシート、フィルム化する方法に制限は特になく、溶融押出成形、流延法、射出成形法等により作られ、必要に応じて、ステンター法、ロール延伸法、ブロー延伸法、圧延法等により一軸または二軸に配向を与えることができる。また、非相溶原料の場合はこの工程で空洞含有物とすることができる。さらに配向条件によっては熱収縮性を付与することもできる。シート、フィルムの厚みとして規定はないが、最大1(mm)程度である。なお、シート、フィルム中には滑剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、UV吸収剤、乾燥剤等の添加剤が含まれていても良い。
【0032】
本発明の制電性積層体は、ポリエステル層およびポリオレフィン層を有していることが望ましく、これにより複層化や多層化等のラミネート積層が可能となり、熱接着性を付与することができる。
【0033】
制電層にシール能が不足している場合は、あらかじめシールする部分のみ制電層の上に接着相手に適合したシーラントや接着または粘着用材料を設けることもできる。また、制電層の下に、シーラントの役割をする層を設け、あらかじめシールする部分のみ制電層を開口あるいは露出させておくこともできる。さらに、シール処理により制電層が破壊されるようにしておき、制電層の下にシーラント層を一面にわたって設けておくこともできる。
【0034】
制電層に積層するシーラントとしては、溶剤の揮発による硬化型(イソブテン−イソプレンゴム、クロロ−スルホニル−ポリエチレン、アクリルゴムなど)、一液自然架硫型(シリコーンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、液状イソブテン−イソプレンゴムなど)、二液自然架硫型(多硫化ゴム、ウレタンゴムなど)が挙げられる。制電層に積層するポリエステル層としては特にポリエステル樹脂からなるシーラント層が望ましい。制電層にはポリエステル系バインダーを用いることが多いので、シーラントにポリエステル系樹脂を用いると接着力が高くなるからである。
【0035】
本発明の制電性積層体には、他の薄層物としてアルミニウム箔、紙、布、不織布、銅箔、金箔、鉄箔、ガラス、無機薄膜、無機酸化物薄膜等を用いることができる。
【0036】
本発明の制電性積層体の積層方法は特に限定はなく、適当な方法を選択して利用できる。例えば共押出積層法、インラインコート法、オフラインコート法、エクストルージョンラミネート法、ホットメルトラミネート法、ドライラミネート法、ウエットラミネート法等を適宜利用し、必要に応じアンカーコート、プライマーコート、コロナ処理、火炎処理、UV照射処理等を併用することができる。さらに、積層後にも先述の適当な方法にて積層体に様々な配向を与えることができる。また積層する工程はいかなる段階でも良く、制電層を設ける前であっても後であっても良い。
【0037】
本発明の包装袋、包装容器は、上述したシート、フィルム、積層体から作られる。包装材として使用するために、任意の層の間に意匠用、表示用、検査用の印刷層を有してもよい。また制電層が印刷層を兼ねても良い。包装袋を作るためには常套手段によりシールすることが行われる。シール方法としてはバーシール法、回転ロールシール法、インパルスシール法、溶剤シール法、溶断シール法、熱溶融シール法、超音波シール法、高周波シール法等があり、任意の方法を選択することが可能である。
【0038】
得られる袋の形態としては、ピロー包装袋、三方シール袋、四方シール袋等目的に応じて任意の形態を選択することができる。また、包装容器を作るための方法としては制限がなく、代表的なものとして熱成形法、例えば射出成形法、ブロー成形法、ドレープ成形法、真空成形法があり、折曲げ加工を利用することもできる。得られる容器の形態としてはトレイ、マガジン、バルクケース、キャリアテープ、ボトル、カップ、カートン状物、箱、ブリスターパッケージ等がある。またそれら容器を封止する蓋材、シート材も本発明の技術により製造できるものがある。例えばキャリアテープ用剥離シート、カバーテープやトレイ、カップの蓋などがあげられる。
【0039】
本発明の包装袋、包装容器は上記のように、製袋時、封止時に熱による軟化、または溶剤による膨潤を利用してシールする必要がある。この処理に適するように制電層中のイオン性基等含有共重合ポリエステルの組成を決めておくことも一考に値する。例えば脂肪族モノマーを用いてガラス移転点や融点を下げたり、イソフタル酸やネオペンチルグリコールの共重合比を変えて結晶性を低下させるなどすることによって、熱接着性を向上させることができ、同時に溶剤による膨潤も起こり易くなる。また、溶剤の溶解度パラメーターと共重合ポリエステルの同パラメーターとを膨潤するに適当な関係になるようモノマー種および共重合比を決めることもできる。
【0040】
【実施例】
以下に実施例および比較例を例示して本発明の具体化方法を詳細に説明する。各例に共通して用いた評価方法は次のとおりである。実施例および比較例の構成、評価結果等を表1〜3に示した。
【0041】
(1−1)拭き取り法による制電層の厚み測定
操作は25℃50%RHの恒温恒湿室内で行う。制電層を設けたフィルム、シートまたはテストピースを3日間放置後、除電器にて10秒間除電し、10-5(g)まで計れる電子天秤にて重量測定をする。その後、酢酸エチル、アセトン、メタノール等の溶媒をベンコット(旭化成工業製)につけ、制電層を拭きとり3日間放置する。再び除電器にて10秒間除電し、同様に電子天秤にて秤量し、拭き取り前後の重量減少量(g)を100倍して、1(m2 )あたりの制電層の重量(g/m2 )を算出する。制電層の密度は約1.00とし、
【0042】
{制電層の厚み}(μm)=1.00×{1(m2 )あたりの制電層の重量}(g/m2 )・・・式1
【0043】
により計算される。テストピースとしてはPETフィルムやシリカプレート等が用いられる。
【0044】
(1−2)吸光度による制電層の厚み測定
同一組成の制電層を幾つか厚みを変えて透明なシート、フィルムまたはテストピース上に設け、分光光度計にて、制電層の特性吸収帯における吸光度を求める。それらの試料を拭き取り法による制電層の厚み測定を行う。{拭き取り法による制電層の厚み}〜{吸光度}のプロットを行い、直線部分を外挿した計量線を作成し、制電層の厚みが未知の試料に関して、特性吸収の吸光度によりその厚みを予想する。この方法は拭き取り法が適さないサンプルに補助的に用いられる。なお、吸光度測定時のチャートに干渉によるベースライン振動が現れた場合は、平均をとるようなスムージングを行う。
【0045】
(2)表面抵抗の測定
制電層を形成した時点で24℃14%RHで1日放置した後、サンプル表面をタケダ理研社製の表面抵抗測定器で印加電圧500V24℃、14%RHの条件下で測定した。
【0046】
実施例1
(a)スルホン酸基含有ポリエステルおよびその水分散液の調製
まずスルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により合成し、さらにその分散液を調製した。ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート46モル%、ジメチルイソフタレート47モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%を用いて、常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエステルのガラス転移温度は69℃であった。このスルホン酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱攪はんして、粘ちょうな溶液とし、さらに攪はんしつつ水550部を徐々に加えて、固形分30重量%の均一淡白色の水分散液を得た。
【0047】
(b)スルホン酸含有ポリアニリン溶液の調製
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に攪はん溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液に滴下した。滴下終了後23℃で10時間さらに攪はんした後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉末状の共重合体13gを得た。この共重合体の体積固有抵抗値は12.3Ωcmであった。上記重合体3重量部を0.3モル/リットルの硫酸水溶液100重量部に室温で攪はん溶解し導電性組成物を調製した。このときのスルホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100%であった。
【0048】
(c)制電層形成用塗布液の調製
スルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比が30/70、さらに界面活性剤エマルゲン810(花王製)をスルホン化ポリアニリンとの比が8/100になるように混合した。これを水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、総固形分濃度1重量%の塗布液を調製した。
【0049】
(d)制電性積層フィルムまたはシートの作成
ポリエチレンテレフタレート(PET)と、ポリエチレンテレフタレートの原料モノマーのうち酸成分の22モル%にイソフタル酸を共重合し、平均粒径2.5μmのシリカ粒子を500ppm添加した共重合ポリエステルとを用意する。二機の押出しバレルを有し、マルチマニホールドダイスを有する多層押出機にて280℃から290℃の温度で押出し積層し、回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけて急冷し、PETシートの耳部を残して共重合ポリエステルが積層された積層体を得た。このときPET層の厚みは110μm、共重合ポリエステル層の厚みは31μmであった。このシートを85℃に加熱して回転速度の相異なる二組のニップロール間でシート進行方向に3.4倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムをステンター方式にて95℃に加熱しながら3.6倍延伸し、5%弛緩させつつ230℃の熱風で熱固定し巻きとった。得られたフィルムのPET層の厚みは10μm、共重合ポリエステル層は2.6μmであった。次にこのフィルムの共重合ポリエステル層側に(c)で調製した塗布液をバーコート法にて塗布し70℃で熱風乾燥した。
【0050】
(e)特性評価
(d)で得られたフィルムの制電層の厚み、表面抵抗を測定した。結果を表1に示す。また明るい白色光のともる部屋の中で、(d)で得られたフィルムを透かしてカラーコード表示の金属皮膜抵抗器や数値表示の積層セラミックコンデンサを見ることでそれぞれの定数を確認することができた。
【0051】
(f)包装袋、包装容器の作成
(d)で得られたフィルムを制電層を内側に向けてヒートシール法にて三方シールした。袋として何ら問題のないものになった。
【0052】
実施例2
実施例1の(d)制電性積層フィルムまたはシートの作成において、フィルムのPET層側に(c)で調製した塗布液を塗布乾燥した後、共重合ポリエステル面に、あらかじめシールする部分を除いて(c)で調製した塗布液をバーコード法にて塗布し、70℃で熱風乾燥した。その他は実施例1と同様の手順を踏んだ。
【0053】
実施例3、4
実施例3および4は、それぞれ実施例1、2の(c)制電層形成用塗布液の調製におけるスルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比を10/90にした以外は実施例1、2と同様の方法を用いた例である。
【0054】
比較例1、2
比較例1および2は、それぞれ実施例1、2の(c)制電層形成用塗布液の調製におけるスルホン化ポリアニリンのかわりにドデシルベンゼンスルホン酸塩を用いた以外は実施例1、2と同様の方法を用いた例である。
【0055】
実施例5
二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡ポリエステルフィルム、厚さ25μm、東洋紡績(株)製)の表面に、実施例1の(c)で得た塗布液をバーコート法により塗布し、70℃で熱風乾燥した。この塗布面の反対側の面にポリエチレンフィルム(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡績(株)製)をドライラミネート法により、接着剤(主剤:AD590、硬化剤:RT86、東洋モートン(株)製)を介してラミネートして、制電性積層体を得た。このものは、実施例1の(f)の方法でポリエチレン面を内側として製袋することができた。
【0056】
実施例6
実施例1の(c)で得た塗布液をポリエチレンフィルム(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡績(株)製)の表面にバーコート法によって、後にシールする部分を残して塗布し、70℃で熱風乾燥した。次いで、これとは別に、二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡ポリエステルフィルム、厚さ25μm、東洋紡績(株)製)の表面に、実施例1の(c)で得た塗布液をバーコート法により塗布し、70℃で熱風乾燥した。当該ポリエチレンフィルムの塗布面に対して反対面と、当該二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布面に対して反対面とを、ドライラミネート法により、接着剤(主剤:AD590、硬化剤:RT86、東洋モートン(株)製)を介してラミネートして、制電性積層体を得た。このものは、ポリエチレン面を内側として実施例1の(f)の方法で製袋することができた。
【0057】
比較例3、4
比較例3および4は、それぞれ実施例5、6における制電層形成用塗布液として実施例1の(c)のスルホン化ポリアニリンのかわりにドデシルべンゼンスルホン酸塩を用いた以外は実施例5、6と同様の方法を用いた例である。
【0058】
実施例7
実施例1の(d)において(c)で調製した塗布液をコートするときフィルムのPET層側に塗布し、(f)の包装袋の作成時に共重合ポリエステル層を内側に向けてヒートシールした以外は実施例1と同様の手順で行った。このものは一般的なヒートシーラブルPETフィルムからなる袋と同様の取り扱いのできる包装袋となった。
【0059】
実施例8
ポリエチレンフィルム(LIX−2、厚さ40μm、東洋紡績(株)製)の表面に、実施例1の(c)で得られた塗布液をバーコート法により塗布し、70℃で熱風乾燥した。このものは実施例1の(f)の方法でポリエチレン面を内側として製袋することができた。このものは一般的なポリエチレンフィルムからなる袋と同様の取り扱いのできる包装袋となった。
【0060】
実施例9
厚み25μmのエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物からなるフィルム(表1においてはEVOHと記す)の両側に厚み12μmの接着性ポリオレフィン(表1においては接着剤と記す)を介して各厚み40μmのリニア・ローデンシティー・ポリエチレン(LLDPE)を積層してなる積層体を作成した。この積層体の最外層両面に実施例1の(c)で調製した塗布液を塗布し、積層シートを作成した。このものは溶断シール法にて製袋することができた。
【0061】
実施例10
厚み50μmのポリアミド(PA)フィルムの両側に厚み12μmの接着性ポリオレフィンを介して各厚み40μmのリニア・ローデンシティー・ポリエチレン(LLDPE)を積層してなる積層体を作成した。この積層体の最外層両面に、シール部をあらかじめ除いて、実施例1の(c)で調製した塗布液を塗布し積層シートを作成した。このものは、ヒートシール法にて製袋することができた。
【0062】
以下の表1〜3の積層構成の欄において、制電性積層体を袋状にした際の内側をA面側、外側をB面側として表した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】
本発明の制電性積層体は、低湿度下においても制電性に優れるので、湿気を嫌う物品を包装したり、乾燥、寒冷地での包装用として用いることができる。さらに乾燥工程や乾燥保管を必要とする電子部品等の半製品の搬送用、包装用としての制電性包装袋および包装容器に好適である。
【0067】
また、一般包装材料に用いられるポリエステル、熱接着性を有するポリエステルのシーラントまたはポリオレフィンを積層構成に用いることができるので、一般包材なみの価格で供給できる。一般包材の有するハンドリング性、シール性、汎用性も具備するので、同一製品による多用途の使い回しが利くものである。さらに積層構成を工夫することによって、防湿性、ガスバリアー性、耐油性、耐ピンホール性、強度、透明性等の性能を自由に変化させることができる。
Claims (6)
- 熱可塑フィルムからなる基材と制電層と、製袋時もしくは封止時に熱接着性を有するシーラント層とを有する積層体であって、前記シーラント層はポリエステル層またはポリオレフィン層であり、前記制電層がポリアニリンおよび/またはその誘導体と、イオン性基および/またはポリアルキレングリコール成分を含有する共重合ポリエステルとの混合物を主成分とすることを特徴とする制電性積層体。
- 前記製袋時もしくは封止時に熱接着性を有するシーラント層を、前記基材と前記制電層との間に有する請求項1記載の制電性積層体。
- ポリアニリン誘導体がスルホン化ポリアニリンである請求項1または2記載の制電性積層体。
- 共重合ポリエステルがスルホン酸基を含有する共重合ポリエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の制電性積層体。
- 前記シーラント層が共重合ポリエステルである請求項1〜4のいずれかに記載の制電性積層体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体から作られた包装袋または容器。
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