JP3789277B2 - フッ素化合物の分解用反応剤、分解方法及びその用途 - Google Patents

フッ素化合物の分解用反応剤、分解方法及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクロロフルオロカーボン類(以下「CFC」と略す。)、ハイドロクロロフルオロカーボン類(以下「HCFC」と略す。)、パーフルオロカーボン類(以下「PFC」と略す。)、ハイドロフルオロカーボン類(以下「HFC」と略す。)、パーフルオロエーテル類(以下「PFE」と略す。)、ハイドロフルオロエーテル類(以下「HFE」と略す。)またはフッ化硫黄等の各種フッ素化合物と、これらの化合物を例えば半導体デバイス製造プロセスのエッチングまたはクリーニング工程に使用した際に生成するHF、SiF4あるいはCOF2等の化合物を同時に分解し、無害化するための反応剤及び分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記のフッ素化合物は一般に安定で、人体に無害な化合物が多いため、様々な分野で広範囲に使用されている。特に最近では、カーエアコン等の冷媒用のHFCの使用量と、半導体製造プロセスでのエッチング用及びクリーニングガス用のPFCの使用量が増大している。また、電気絶縁特性が優れていることから、コンデンサーあるいは変圧器等に六フッ化硫黄が多量に使用されている。しかし、これらのフッ素化合物は安定な化合物であるが故に地球温暖化係数が大きく、そのまま地球環境へ放出されると、その影響が長期間にわたって続くことが懸念される。特にSF6、CF4、C26等は非常に安定なガスであり、大気寿命も非常に長く、使用後の排出にあたっては地球環境に影響を与えない無害な物質に分解して排出する必要がある。さらにこれらの代替化合物として考えられているPFEやHFEも同様に地球温暖化が懸念される化合物であり、半導体デバイス製造プロセスに使用された後に排出されるガスには、例えばHF、SiF4、COF2等のガスも含まれるため、これらの化合物と共にそれぞれ安全に分解して排出する必要がある。
【0003】
一方、従来から冷媒、洗浄剤等として多量に使用されてきたCFCとその代替化合物であるHCFCは、オゾン層の破壊が深刻な環境問題として提起されているため、無害な物質に分解する必要があり、そのまま排出することはできない。従来、このようなフッ素化合物の分解技術としては、例えば、▲1▼燃料と共に処理する燃焼分解法(WO94/05399号公報)、▲2▼シリカやゼオライト等の反応剤を利用した熱分解法(特開平7−116466号公報)、▲3▼アルミナ等を利用した触媒的分解法(特開平10−286434号公報)等が知られている。
【0004】
しかし、▲1▼の方法は、燃焼により生成するNOXの生成抑制や多量の希釈ガスが必要であり、結果的に分解率が低くなること、さらに、分解した後の排ガス中に含まれるHFの2次処理が必要となること等の問題がある。▲2▼の方法は、特にPFC(CF4、C26等)を十分な速度で分解するには1000℃以上の高温が必要であり、しかも分解後の排ガス中に含まれるSiF4等の化合物の2次処理が別に必要である等の問題がある。また、▲3▼の方法は、▲1▼と▲2▼の方法と比較して低温で分解可能と言われているが、PFCを100%分解するには供給ガス中のPFCの濃度を、空気等で希釈して低濃度にする必要がある。さらにアルミナを触媒的に作用させるためには、例えばアルミナ表面に蓄積したフッ化物等を加水分解するための多量の水蒸気の共存が不可欠となる。したがって、高温で水とアルミナ表面のフッ化物が分解して生成するHFに対する耐食材料と、HFの2次処理が必要である等の問題がある。
このようにフッ素化合物を工業的に有利な方法により効果的に分解する方法はこれまで知られておらず、更なる改善が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような技術背景に鑑み、本発明は、前記の課題を解決するために、フッ素化合物を、水を加えることなく比較的低温度で熱分解し、分解されたフッ素化合物の分解生成物(F、SOX等)を反応剤に固定化する反応剤と、特に難分解性のPFCを効率的に分解する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、フッ素化合物を効率的に分解するためには、アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有する反応剤を用いればこの課題を解決できることが分かった。さらに本発明者らは、フッ素化合物を分解する方法において、フッ素化合物を上記反応剤と200℃以上の温度で接触熱分解し、生成する塩素原子、フッ素原子及び/または硫黄原子を反応剤中のアルカリ土類金属の塩化物、フッ化物及び/または硫酸塩として固定させて無害化でき、さらに必要に応じて上記反応剤に金属酸化物を添加し、フッ素化合物に酸素を含有させれば、生成する一酸化炭素も同時に酸化して無害化できることを見いだし、本発明を完成するに至った。本発明は以下の(1)〜(28)に示されるフッ素化合物の分解用反応剤及び分解方法に関する。
【0007】
(1)アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有することを特徴とするフッ素化合物の分解用反応剤。
(2)前記アルミナの比表面積が50m2/g以上である上記(1)に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(3)前記アルミナが、擬ベーマイトアルミナである上記(1)または(2)に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(4)前記アルミナが、擬ベーマイトアルミナを焼成したものであり、その焼成温度が400〜1000℃の範囲である上記(1)または(2)に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(5)前記アルカリ土類金属化合物が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムの炭酸塩である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
【0008】
(6)前記反応剤に含まれるアルミナとアルカリ土類金属化合物の粒径が、それぞれ100μm以下の粉末状である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(7)前記反応剤に含まれるアルミナとアルカリ土類金属化合物の含有量は質量比で、1:9〜1:1である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(8)前記反応剤は、銅、錫、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン及びバナジウムからなる群から選ばれる金属の酸化物の少なくとも一種を含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(9)前記金属の酸化物の含有量は、前記アルミナとアルカリ土類金属化合物の合計質量との比で、1:99〜5:95である上記(8)に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(10)前記反応剤に含まれるアルカリ金属の含有量が、0.1質量%以下である上記(1)〜(9)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
【0009】
(11)前記反応剤は、400〜700℃で焼成された粒状品である上記(1)〜(10)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(12)前記反応剤が、粒径が0.5〜10mmの範囲の粒状品である上記(11)に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(13)前記反応剤に含まれる水分含有量が1質量%以下である上記(1)〜(12)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(14)前記フッ素化合物がパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィン、フッ化硫黄、SiF4及びCOF2からなる化合物群より選ばれるフッ素化合物の少なくとも一種である上記(1)〜(13)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
(15)前記フッ素化合物が塩化水素及び/またはフッ化水素を含むものである上記(14)に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
【0010】
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の反応剤とフッ素化合物とを200℃以上の温度で接触させることを特徴とするフッ素化合物の分解方法。
(17)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の反応剤と接触させる被処理ガス中のフッ素化合物の濃度が0.01〜10vol%の範囲である上記(16)に記載のフッ素化合物の分解方法。
(18)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の反応剤と、フッ素化合物とを酸素ガスの存在下で500℃以上の温度で接触させることにより、一酸化炭素の生成を抑制することを特徴とするフッ素化合物の分解方法。
(19)被処理ガス中の酸素ガス濃度が20vol%以下である上記(18)に記載のフッ素化合物の分解方法。
(20)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の反応剤とフッ素化合物とを接触させて生成する塩素原子、フッ素原子及び/または硫黄原子を、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物及び/またはアルカリ土類金属硫酸塩として固定する上記(16)〜(19)のいずれかに記載のフッ素化合物の分解方法。
【0011】
(21)エッチングガスまたはクリーニングガスとして、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィンおよびフッ化硫黄からなる化合物群より選ばれるフッ素化合物の少なくとも一種を用いるエッチング工程またはクリーニング工程と、それらの工程から排出されるフッ素化合物を含有するガスを上記(1)〜(15)のいずれかに記載の反応剤を用いて分解する分解工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
(22)前記エッチング工程またはクリーニング工程から排出されるガスが、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィン、フッ化硫黄、SiF4及びCOF2からなる化合物群より選ばれる少なくとも一種のフッ素化合物を含有するガスである上記(21)に記載の半導体デバイスの製造方法。
(23)前記フッ素化合物を含有するガスが塩化水素及び/またはフッ化水素を含むものである上記(22)に記載の半導体デバイスの製造方法。
(24)前記分解工程における被処理ガス中のフッ素化合物の分解温度が200℃以上である上記(21)〜(23)のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
【0012】
(25)前記分解工程における被処理ガス中のフッ素化合物の濃度が0.01〜10vol%の範囲である上記(21)〜(24)のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
(26)前記分解工程が、酸素ガスの存在下、500℃以上の温度で行うことにより一酸化炭素の生成を抑制することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
(27)前記分解工程における被処理ガス中の酸素ガス濃度が20vol%以下である上記(26)に記載の半導体デバイスの製造方法。
(28)前記エッチング工程またはクリーニング工程から排出されるガスを上記(1)〜(15)のいずれかに記載の反応剤を用いて分解する分解工程で生成する、塩素原子、フッ素原子及び/または硫黄原子を、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物及び/またはアルカリ土類金属硫酸塩として固定する上記(21)〜(27)のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
【0013】
すなわち本発明は、「オゾン層破壊係数あるいは地球温暖化係数の高いフッ素化合物を分解して無害化する、アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有することを特徴とするフッ素化合物の分解用反応剤」、「フッ素化合物を前記反応剤と200℃以上の温度で接触させることを特徴とするフッ素化合物の分解方法」、「フッ素化合物に酸素を含有させ、前記反応剤と500℃以上の温度で接触させることにより、一酸化炭素の生成を抑制することを特徴とするフッ素化合物の分解方法」及び「エッチング工程またはクリーニング工程と、それらの工程から排出されるフッ素化合物を含有するガスを前記反応剤を用いて分解する分解工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。」である。
【0014】
【発明の実施の形態】
前記した従来の▲1▼燃焼分解法、▲2▼反応剤との熱分解法、▲3▼アルミナ触媒分解法では、フッ素化合物の分解生成物が依然として環境に対して有害な影響を与える物質であるため、分解工程の後段に別途、分解生成物の除害処理工程を付加する必要があり、装置を小型化する際には問題があった。中でも半導体デバイスの製造プロセスから排出されるガス、例えばエッチングあるいはクリーニングに用いられたPFCの排ガスは、PFC以外にHF、SiF4、COF2等のフッ素化合物も含有する。従って触媒分解方法で処理するには、前段にもSiF4等の除害処理工程が必要になり、装置的に複雑かつ煩雑になる。また特にPFCは難分解性であり、分解には高温が必要となるため反応器の材質が劣化するという問題がある。
【0015】
これに対し、本発明に従えば、電気絶縁用、冷媒用、半導体デバイス製造用等で使用されるフッ素化合物を、低温で効率よく分解できる。本発明は、フッ素化合物と例えばエッチング等に使用して生成したSiF4等を同時に分解し、例えば分解して生成するフッ素をアルカリ土類金属フッ化物(例えばCaF2)として固定化し、無害化する反応が同時に進行するため、係る問題をも同時に解決できる。
【0016】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明に係る反応剤で分解できるフッ素化合物は、CFCとしては例えば、CClF3、CCl22、CCl3F、C2Cl33、C2Cl24、C2ClF5等の化合物、HCFCとしては例えば、CHClF2、C2HCl23等の化合物が挙げられる。またPFCとしては例えば、CF4、C26、C38、C48(オクタフルオロシクロブタン)等の化合物、HFCとしては例えば、CH3F、CH22、CHF3、C224等の化合物が挙げられる。またPFEとしては例えば、CF3OCF3、CF3OCF2CF3等の化合物、HFEとしてはCHF2OCHF2、CHF2OCH2CF3、CH3OCF2CF3等の化合物が挙げられる。またフッ化硫黄としては例えば、SF6、S210等の化合物が挙げられる。本発明の反応剤は、これら以外の化合物にも適用することができ、例えば、不飽和の化合物であるCF3OCF=CF2やC58(オクタフルオロシクロペンテン)等の化合物、あるいは前述したようなPFCのエッチング工程の排ガスに含まれるHF、SiF4、COF2等の化合物も同様に分解して無害化することができる。
【0017】
これらのフッ素化合物は、ヘリウム・アルゴン・窒素等の不活性ガスあるいは空気で希釈されてもよく、常温で液体状であるが、他の不活性ガスあるいは空気と同伴すると0.01vol%以上のその蒸気を含む混合ガスであってもよい。また、フッ素化合物は、単独でも2種以上の混合物であってもよい。
【0018】
次に本発明のフッ素化合物の分解用反応剤について説明する。
本発明のフッ素化合物の分解用反応剤は、アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有する点に特徴がある。反応剤中のアルミナは、代表的な酸性物質(固体酸)であり、それ単独であってもフッ素化合物を分解できることが知られている。例えば、触媒(Vol.34, No.7, p464〜469(1992))には、アルミナをCFCの分解触媒として利用できることが記載されている。その内容は概ね、アルミナ(Al23)を用いてCFCを分解すると、分解されて生成したフッ素によってアルミナ表面がフッ素化され、AlF3として被毒されて触媒活性が短時間で失活する。しかし一般的に金属ハロゲン化合物は高温で加水分解しやすいことから、この性質を利用して、AlF3を水蒸気を共存させて加水分解(2AlF3+3H2O→Al23+6HF)すれば、再生するアルミナを触媒的に利用することができるというものである。しかし上述したように、水分共存下での反応は、AlF3の分解でフッ化水素が生成するため、装置を腐食する問題が起こる。そこで、本発明者らは水が存在しなくとも、フッ素化合物、特に難分解性のPFCを低温で連続的に分解できる分解剤を種々検討した結果、アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有する反応剤を用いれば、反応温度200℃以上でフッ素化合物を分解でき、生成するフッ化水素もアルカリ土類金属フッ化物として固定化できるため、装置を腐食することなく無害化できることがわかった。
【0019】
さらに、アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有する本発明のフッ素化合物の分解用反応剤は、以下に示すようにフッ素化合物の種類によっては一酸化炭素が生成する場合がある。
(1)CF4+2CaCO3/Al23 → 2CaF2+3CO2
(2)C26+3CaCO3/Al23 → 3CaF2+4CO2+CO
この一酸化炭素を酸化するには、酸化に十分な酸素分圧下であればよいが、酸素分圧に制限がある場合には、前記反応剤に、銅、錫、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン及びバナジウムからなる群から選ばれる金属の酸化物の少なくとも一種を添加することにより、低酸素分圧でも二酸化炭素に酸化できることが分かった。また、これらの金属の酸化物は、フッ素化合物の炭素−炭素結合を切断する助触媒としての働きも果たしていると考えられる。
【0020】
本発明で使用するアルミナは特に制限はないが、アルミナはフッ素化合物の分解を決定づける活性点とフッ素化合物の吸着を決定づける比表面積、すなわち細孔(細孔の径と容積)が充分発現されたものを選ぶことが重要である。したがって、アルミナの比表面積は50m2/g以上であることが好ましく、さらに好ましくは100〜300m2/gであるものがよい。また、不純物が少ない適当な出発原料を選定することが重要であり、本発明では、アルミナ原料として、例えば活性アルミナや擬ベーマイトアルミナを用いることができ、好ましくは擬ベーマイトアルミナを用いるのがよい。擬ベーマイトアルミナはそのままの状態でアルカリ土類金属化合物と混合して使用することもできるが、焼成する場合は、擬ベーマイトアルミナを窒素等の不活性ガスまたは空気中で400〜1000℃、好ましくは500〜800℃、さらに好ましくは500〜600℃で数時間焼成すればよい。
【0021】
またアルミナは、不純物として含まれるアルカリ金属の含有量が0.1質量%以下であるものがよく、好ましくは0.01質量%以下であるものがよく、さらに好ましくは0.001質量%以下であるものがよい。さらに、アルミナの粒径は100μm以下であるものがよく、好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下であり、粉末状のものが用いられる。
【0022】
次に反応剤の成分の一つであるアルカリ土類金属化合物について説明する。
アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物または酸化物が用いられ、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムの炭酸塩が好ましく用いられ、特に好ましくはカルシウムの炭酸塩がよい。反応剤に、例えば炭酸カルシウムを用いた場合、アルミナと共存することにより、フッ素化合物が分解して生成するフッ素をCaF2として固定することでアルミナのフッ素化を防止する役割を果たし、アルミナのフッ素化合物の分解機能(活性)を維持することができる。
【0023】
アルカリ土類金属化合物もアルミナと同様、不純物として含まれるアルカリ金属の含有量が0.1質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下であるものがよい。また、アルカリ土類金属化合物の粒径は100μm以下であるものがよく、好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下であり、粉末状のものが用いられる。アルカリ土類金属化合物の粒径がアルミナと共に100μm以下のものが用いられるのは、それらが微粉であるために各原料が互いに分散しやすく、そのため、各原料の比表面積が増大し、アルミナとアルカリ土類金属化合物の接触により互いに限りなく近づき、フッ素化合物がアルミナの表面上で分解されて生成するフッ素とアルカリ土類金属化合物とが反応する機会を増大させるためであると考えられる。従って、アルカリ土類金属化合物の比表面積は5m2/g以上であるものがよい。特に好ましく用いられる炭酸カルシウム原料の具体例としては、重質炭酸カルシウム(石灰岩を微粉砕したもの)と軽質炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウムともいい、石灰乳に二酸化炭素を吹き込んでできたもの)及び、生石灰あるいは消石灰を炭酸で中和したものが挙げられる。好ましくはアルカリ金属等の不純物が少ない軽質炭酸カルシウムがよく、さらに好ましくは高純度炭酸カルシウムがよい。
また、本発明の反応剤がフッ素化合物を低温度で分解する詳しい機構は明らかではないが、酸化鉄、酸化マンガンなどの金属酸化物ではほとんど効果は認められず、アルミナとアルカリ土類金属化合物、特にアルミナとアルカリ土類金属の炭酸塩を共存させると特異的な複合効果が発揮されると考えられる。
【0024】
さらに、本発明の反応剤の成分の一つである、銅、錫、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン及びバナジウムの酸化物について説明する。上記金属の酸化物は、酸化銅、酸化錫、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン及び酸化バナジウムとして、これらのうち少なくとも一種を反応剤に添加することができる。これらの金属酸化物は、酸化銅、酸化錫または酸化バナジウムが好ましく用いられ、さらに好ましくは酸化銅または酸化錫がよい。これらの金属酸化物は、フッ素化合物を分解する助触媒としての働きもあると考えられるが、反応剤に例えば酸化銅または酸化錫を用いた場合、アルミナとアルカリ土類金属化合物と共存することにより、フッ素化合物の種類によっては、分解して生成する一酸化炭素を低酸素分圧下で二酸化炭素まで酸化することができる。
また、これらの金属酸化物も前記反応剤の各原料と同様、不純物として含まれるアルカリ金属の含有量が0.1質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下であるものがよい。また、金属酸化物の粒径は100μm以下であるものがよく、好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下であり、粉末状のものが用いられる。
【0025】
次に本発明の反応剤の製造方法について説明する。
本発明に従うフッ素化合物の分解方法は、アルミナとアルカリ土類金属化合物を含有する反応剤を使用する点に特徴がある。この反応剤に添加するアルミナとアルカリ土類金属化合物の含有割合は、質量比で、1:9〜1:1であるのがよく、好ましくは1:4〜2:3であるのがよい。反応剤中のアルミナは、アルカリ土類金属化合物と共存することによりフッ素化合物を効率よく分解するが、その含有量は分解反応の進行につれて変動することはあっても、少なくとも分解反応初期には、反応剤全体の質量を1とした場合の質量比で0.1以上含有することが好ましく、この比が0.1未満ではフッ素化合物の分解が十分に進行しないことがある。しかし、質量比が0.5より大きくなるような量でアルミナが含有されると、これに伴ってアルカリ土類金属化合物の量が低下して反応剤の有効利用率が低下する。
さらに、金属酸化物の含有割合は、アルミナとアルカリ土類金属化合物の合計質量との比で、1:99〜5:95であるのがよい。この質量比は小さすぎると効果を失い、大きすぎるとアルミナとアルカリ土類金属化合物の総量が相対的に低下し、金属酸化物の効果も飽和するのでフッ素化合物を効率よく分解できなくなる。
【0026】
本発明のフッ素化合物の反応剤は、前記アルミナとアルカリ土類金属化合物を前記質量比で混合し、必要に応じて金属の酸化物を添加して混合しそのまま用いることができる。ただし、それぞれの原料中に含まれる水分はできる限り少ないことがよく、反応剤に含まれる水分としては1質量%以下とすることがよい。
また、反応剤は造粒し、粒剤として用いることができる。反応剤を造粒する際は、水あるいは原料の粒径によっては水と共にバインダーも添加することができる。バインダーは配合原料に影響を与えないものであれば特に制限はないが、配合原料の総質量を1.0とした場合の質量比で、0.03〜0.05を添加することができる。好ましくは微粉アルミナを用いるのがよく、微粉アルミナを添加することにより、各原料の分散性がさらに向上し、アルカリ土類金属化合物の難造粒性が解決される。このバインダーとして添加するアルミナの粒径は0.1μm以下のものがよく、不純物として含まれるアルカリ金属の含有量は0.1質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以下であるものがよい。この微粉アルミナは少量でも効果があり、反応剤の単位容積当たりの有効成分含有量が相対的にほとんど低下しないという利点がある。しかし、得られる当該反応剤の性能に影響を与えないようなバインダーであれば、その種類・量に限定されるものではない。
【0027】
前述したように、反応剤中の各配合原料は、バインダーとして添加する微粉アルミナを含めて、いずれもアルカリ金属の含有量が0.1質量%以下であるのがよい。反応剤中のアルカリ金属の含有量が0.1質量%以上では、アルミナ表面上の活性点が減少するため、特にCF4、C26等のPFCの分解率が低下するものと考えられる。
【0028】
また、本発明に用いる粒状の反応剤を製造するには、各原料を配合した後、適量の水を加えて混練物を造粒して粒状品とするが、この粒状品の調製に必要な混練機としては、混合及び造粒が同時に行えるものが便宜であるが、混合と造粒を分けて行うものであってもよい。例えば、ヘンシェルミキサーや縦型ミキサーを用いると、混合と造粒を同時に行うことができるが、原料の混合をヘンシェルミキサーやV型混合機で行い、次いで造粒を皿型造粒機やドラムペレタイザーで行っても良い。
【0029】
次いで粒状品を窒素等の不活性ガスまたは空気中、100〜200℃で水分を蒸発させるために乾燥する。粒状品とする理由としては、反応剤の分解活性を高めることと、反応容器への充填およびハンドリング時の破砕や粉化を防止するために硬度を高めるためである。このために粒状品はさらに焼成することがよく、すなわち、前記造粒乾燥品を窒素等の不活性ガスまたは空気中で、400〜700℃の範囲、好ましくは500〜700℃の範囲で焼成する。400℃以上とするのは、造粒工程で添加した水分をさらに蒸発させて分解活性を高めるためと、硬度をさらに高めるためである。また700℃より高い温度では、アルカリ土類金属化合物が分解(例:CaCO3→CaO+CO2)するためかどうかは定かではないが、反応剤の分解率(活性)が低下する。すなわち、反応剤の活性が低下しない700℃以下でアルミナの結合水をほぼ完全に脱水することが重要であり、焼成後の反応剤に含まれる水分含有量は、不活性ガスまたは空気雰囲気中で550℃に加熱したときの水分放出量が1質量%以下であるものが好ましい。また、焼成に使用する設備としては、ロータリーキルン等の連続式のものが使用できるが、固定式の炉で行うこともできる。
【0030】
以上のように、本発明のフッ素化合物の分解用反応剤はアルミナとアルカリ土類金属化合物を必須の成分として含有する。さらに一酸化炭素が生成する場合には、低酸素分圧条件でも二酸化炭素まで酸化するために、銅、錫、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウムからなる群から選ばれる金属の酸化物の少なくとも一種を含有する。この反応剤は、分解に供するフッ素化合物との接触機会を高める上では、粒状であるのがよく、粒径が大きすぎるとフッ素化合物ガスの吸着拡散に関与する表面積が相対的に小さくなり、拡散速度が遅くなる。逆に粒径が小さすぎると吸着拡散に関与する表面積が相対的に大きくなり、拡散速度が速くなるが、処理しようとするガス量が多くなると差圧も大きくなり、反応容器のコンパクト化等に支障をきたす。従って、反応剤の粒径は0.5〜10mmの範囲、好ましくは1〜5mmの範囲であるのが好ましい。
【0031】
次に本発明のフッ素化合物の分解方法について説明する。
前述した方法で製造した反応剤に、フッ素化合物を適当な温度で接触させると、フッ素化合物が分解し、分解によって生成した塩素原子及び/またはフッ素原子はアルカリ土類金属の塩素物及び/またはフッ化物として反応剤に固定される。また、被処理ガスにSF6等のフッ化硫黄を含む場合には、分解によって生成した硫黄原子はアルカリ土類金属の硫酸塩として反応剤に固定され、硫黄酸化物の生成を防止することができる。
【0032】
すなわち、本発明による分解用反応剤を用いれば、有害な分解生成ガス、例えばHF、SiF4、COF2またはSOX等の化合物を排出することなく、フッ素化合物を効率よく分解することができる。しかし、分解ガス中にこのような生成物を排出させないためにはさらに反応条件、例えば反応温度、分解に供する被処理ガス中のフッ素化合物の濃度や酸素の存在の有無、反応剤の形態、被処理ガス供給速度など適切に調整することが必要となるが、中でも重要な条件は反応(分解開始)温度である。
【0033】
この反応温度は、被処理ガス中に含まれるフッ素化合物の種類により異なる。例えばPFCはフッ素化合物のうちで難分解性の化合物に分類され、中でもCF4、C26等は最も難分解性であり、単なる熱分解だけで分解するには1200〜1400℃の高温を必要とするが、本発明の方法によれば550℃以上で分解できる。また、HCFCであるCHClF2は、本発明の方法によれば200℃以上の温度で分解できる。このようにフッ素化合物の種類により、その分解温度はかなりの幅で開きがあり、その化合物の種類により反応器を最適温度に設定することが重要である。
【0034】
また、このように化合物の種類や構造により反応温度が異なるため、半導体デバイス製造プロセスでのエッチングあるいはクリーニング工程からの排ガスのように、多種類のPFCやHFCが含有する場合には、これらのフッ素化合物をすべて無害化するために、反応温度を550℃以上にすればよい。ここで、アルカリ土類金属化合物に、例えば炭酸塩を用いた場合には、フッ素化合物に由来する炭素は、炭酸塩が分解して放出される酸素により酸化され、ほとんどがCO2として放出される。また、フッ素化合物の種類によりCOが生成する場合があるが、被処理ガスに酸素を共存させることにより、COも同一反応剤で容易にCO2に酸化され、完全に無害化できる。
【0035】
すなわち、本発明に従うフッ素化合物の分解処理は、前記反応剤を充填した反応容器にフッ素化合物を含むガスを通気することによって行うことができ、その際、フッ素化合物の分解性に応じて分解温度を維持すればよい。さらに、反応雰囲気としては非酸化性雰囲気であっても十分に目的が達成できるが、生成するCOを許容濃度以下にするには、酸化性雰囲気、例えば20vol%以下の酸素ガスを被処理ガス中に含有する雰囲気で処理すれば、COも同時に処理できる。ここで、酸素ガス濃度が20vol%以下であるのは、希釈ガスとして空気を用いることが好ましいからであり、酸素ガスがそれ以上の濃度であっても効果が飽和して分解性能は向上しない。
【0036】
また、被処理ガス中のフッ素化合物の濃度は特に限定されるものではないが、あまり小さすぎると経済的に不利である。また高すぎるとフッ素化合物の種類により異なるが、その分解生成熱によって反応温度が上昇し、反応容器の温度制御が困難となる場合があり、0.01〜10vol%の範囲とするのがよい。好ましくは0.01〜5vol%の範囲、さらに好ましくは0.01〜3vol%の範囲になるように、不活性ガスあるいは酸素ガス含有ガス(空気も含む)で希釈するのがよいが、分解生成熱を強制的に除熱し、コントロールできればこの濃度に限定されるものではない。
【0037】
このように分解に供する被処理ガス中のフッ素化合物の種類及び濃度、被処理ガス中の酸素ガス濃度、SV(空塔速度)、LV(線速度)及び他のガスとの混合状態を考慮してそれぞれ好ましい反応条件を設定する。
この分解処理は、前記反応剤を充填した反応容器とこの反応容器内に通じるように設けられた被処理ガス導入口、及び該反応容器内からの反応後のガスを排出するように設けられたガス排出口、さらには該反応容器を収容する炉と、この炉内の雰囲気を所定の温度に高めるための熱源からなる分解装置に、前記の被処理ガス導入口とフッ素化合物ガス源とを配管で接続することによって行うことができる。
【0038】
図1は本発明を実施する装置の一例を示したものである。予め、窒素ガス供給ライン2もしくは空気または酸素ガス供給ライン3からキャリアガスとして一定量のガスを流しながら、反応容器8内の被処理ガスの予熱部9とその下流側に充填された反応剤12とを、反応容器8内に設けられた温度センサー7と温度制御装置10により、電気加熱器11で所定の温度まで上昇させ、一定の温度に制御する。
【0039】
所定の温度に制御されたら、被処理ガスをフッ素化合物ガス供給ライン1と窒素ガス供給ライン2もしくは空気または酸素供給ライン3から、各バルブを介して混合器及びヘッダー4に導く。混合された被処理ガスをガス導入管6を介して反応容器8に導く。反応容器8に導かれ、予熱部9で加熱されたた被処理ガスは、所定の温度まで上昇された反応剤と接触することによりフッ素化合物が分解される。分解された処理ガス(排ガス)は、冷却器14(水冷・空冷でも可)で所定の温度まで冷却され、放出管16より排気される。尚、ガスサンプリング用として反応容器8の入口及び出口近傍に、それぞれ被処理ガス用5及び処理ガス用15のサンプリングポートを設けることにより各ガスの成分分析を行うことができる。
【0040】
このようにして、被処理ガス中のフッ素化合物は、ほぼ完全に(100%近い分解率で)分解できる。分解したフッ素化合物中のフッ素成分は、例えばCaF2のように安定なアルカリ土類金属のフッ化物として反応剤に固定され、炭素はほとんどがCO2として窒素ガス等の希釈ガスと共に排気される。従って、処理されたガスはフッ素成分あるいは一酸化炭素などの有害物は実質上残存しない、無害なガスとなる。
【0041】
充填した反応剤の分解能力が尽きると分解反応は終了となるが、この分解反応の終点はフッ素化合物が検出され始めた時点をもって知ることができる。フッ素化合物が検出され、反応剤の分解能力がなくなったら、装置の稼働を停止し、新たに反応剤を充填して分解反応を開始するというバッチ方式と、同一装置で順次あるいは予め反応剤が充填された予備の反応容器と交換して、フッ素化合物の分解を行うことができる。
【0042】
このバッチ方式を連続化するために、複数の同様の反応容器を併設し、一方の反応容器が稼働している間に、他の反応容器の反応剤の入れ換え、あるいは予め反応剤が充填された反応容器の交換を行い、一方の反応容器が停止したとき他方の反応容器にガス流路を切り換えるという、複塔切換方式を採用することもできる。また、反応容器内への反応剤の連続または断続供給と、使用済み反応剤の反応容器からの連続または断続排出ができるようにしたものを使用すれば、同一装置で長時間連続稼働できる。
【0043】
以上説明したように、本発明に従えば、フッ素化合物を効率よく分解することができ、排出されるガス中にはフッ素成分あるいは一酸化炭素などの有害物は実質上残存しない。ここで述べるフッ素化合物は、半導体デバイス製造工程の中のエッチング工程におけるエッチングガスまたはクリーニング工程におけるクリーニングガスとして用いることができるものであり、前述のパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィン及びフッ化硫黄からなる化合物群より選ばれるフッ素化合物の少なくとも一種である。本発明は、エッチングガスまたはクリーニングガスとして上記フッ素化合物を用いるエッチング工程またはクリーニング工程と、それらの工程から排出されるフッ素化合物を含有するガスを、前述したアルミナとアルカリ土類金属化合物を含有する反応剤を用いて分解する分解工程を有する半導体デバイスの製造方法であり、エッチング工程またはクリーニング工程から排出される前記フッ素化合物を含有するガスを効率よく分解して無害化することができる。
【0044】
LSIやTFTなどの半導体デバイスの製造プロセスでは、CVD法、スパッタリング法あるいは蒸着法などを用いて薄膜や厚膜を形成し、回路パターンを形成するためにエッチングを行う。また、薄膜や厚膜を形成する装置においては、装置内壁、冶具等に堆積した不要な堆積物を除去するためのクリーニングが行われる。これは不要な堆積物が生成するとパーティクル発生の原因となるためであり、良質な膜を製造するために随時除去する必要がある。
【0045】
ここで、例えば前記フッ素化合物を用いるエッチング方法は、プラズマエッチング、マイクロ波エッチング等の各種ドライエッチング条件で行うことができる。このエッチング工程から排出されるガス中には、前記フッ素化合物以外に、例えばSiF4あるいはCOF2のような化合物と塩化水素あるいはフッ化水素のようなガスが生成してくることがあるが、前述したように、本発明の反応剤を用いることにより、これらの化合物も同時に分解処理することができ、塩素原子あるいはフッ素原子はアルカリ土類金属の塩化物あるいはフッ化物として固定化し、炭素原子は二酸化炭素まで分解し、無害化することができる。
また、フッ素化合物の種類によってはCOが生成してくる場合があるが、分解工程における被処理ガスに酸素ガスを共存させることにより、COも容易にCO2に酸化され、完全に無害化することができる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例中、実施例1〜20および25〜40は参考例である。
(反応剤の調製例)
試験で使用する反応剤の各種原料を表1に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0003789277
【0048】
表1の反応剤の各原料物質名で同一物質についてはグレード毎に区別するため、その物質の化学式の後にアルファベット(例:CaCO3−a)あるいはアラビア数字を付記した。この区別は実施例、比較例を記載した表2〜表6においても対応している。
原料として表1に示す物質を用い、例えば表2に示した試験条件1の各物質とバインダーを配合してヘンシェルミキサーで混合し、水を添加して造粒した後、110℃で3時間乾燥処理を行い、篩い分けして粒径0.85〜2.8mmの粒状品を得た。得られた粒状品を空気雰囲気で表2の試験条件2に示した焼成温度550℃または700℃(電気炉)で3時間熱処理を行って脱水焼成し、反応剤を調製した。
【0049】
(反応例)
図1に示したものと同じ原理の装置を使用して本発明法を実施した。すなわち、通電により発熱する発熱体(カンタル合金)を装着した環状炉(電気容量1.4KW、長さ400mm)の軸中心に沿って、内径16mm、長さ500mmのインコネル600(あるいはSUS310S)からなる反応管を貫通させ、この反応管内の炉中心部にフッ素化合物分解用の反応剤35ccを充てんした。
分解に供するフッ素化合物を使用し、図1に示したように、このフッ素化合物に酸素ガスを添加するか、または、しないで窒素ガスをキャリヤとして前記の反応管に導入した。その際
被処理ガスの流量 :0.20l/min
被処理ガス中のフッ素化合物濃度:0.5〜3vol%
被処理ガスの空塔速度 :343hr-1
被処理ガスの線速度 :1.0m/min
被処理ガスの酸素ガス濃度 :20vol%以下
とした。
【0050】
また、一部の試験では被処理ガス中にHF、SiF4またはCOガスを共存させたり、反応管の連結も実施した。
いずれの試験でも被処理ガスの導入に際しては、発熱体への通電を開始し、反応剤中心部(反応剤の嵩さのうち最も高温となる部位)に挿入した熱電対で計測される温度がその温度に維持されるように、環状炉の通電量を制御した。各表中の反応温度は、反応の間維持したこの温度のことを表している。
被処理ガス、処理ガスの組成分析は図1に示した、それぞれのサンプリングポートよりサンプリングし、O2、N2、CO、CO2、フッ素化合物についてはガス分析器を用い、またFイオンについては苛性ソーダ溶液を入れたフッ素吸収瓶にてサンプリングしてそれぞれ分析を行った。
【0051】
表2〜表6の試験条件1に記載した反応剤組成(各物質の組合せ)及びバインダーは表1の反応剤の各原料物質名と対応する。例えば、高純度炭酸カルシウムであればCaCO3−a,擬ベーマイトアルミナであればAl23−a、超微粉アルミナバインダーであればバインダーIと記載した。さらにアルミナとアルカリ土類金属化合物を配合した後の質量を1.0として、バインダーIの場合は質量比で0.05、バインダーIIの場合は質量比で0.1添加し、反応剤を調製した。分解試験は表2〜表6にそれぞれ示した試験条件1の反応剤と試験条件2の各条件に基づき実施し、その結果は被処理ガスを導入してから1時間毎のフッ素化合物の分解率及びCO、Fイオンの処理ガス中に含有する濃度(vol%)で示した。
分解率=(被処理ガス中フッ素化合物濃度−処理ガス中フッ素化合物濃度)÷(被処理ガス中フッ素化合物濃度)×100(%)
【0052】
(実施例1〜3)
反応剤のアルミナと炭酸カルシウムの配合比を表2に示したように変えた反応剤について、CF4の分解反応を行った。アルミナとして擬ベーマイトアルミナ(以下Al23−aと略す)を用い、アルカリ土類金属化合物として高純度炭酸カルシウム(以下CaCO3−aと略す)を用いた。また、反応温度は650℃一定とし、酸素濃度は3.5vol%に設定した。
結果を表2に示したが、いずれの配合比の場合も被処理ガス通気後3時間まで99%以上の分解率を示した。さらに表2に示したように、実施例1の処理ガス中にはFイオンとCOはほとんど検出されなかった。
【0053】
(実施例4〜6)
実施例2と同様の条件で調製した反応剤について、反応温度を変えてCF4の分解反応を行った。結果を表2に示したが、反応温度が600℃で99%以上の分解率を示し、700℃では被処理ガス通気後5時間まで99.9%以上の分解率を示した。
【0054】
(実施例7)
反応剤の焼成温度を550℃から700℃に変えた以外は実施例6と同じ条件でCF4の分解反応を行った。結果を表2に示した。CF4の分解率は共に99%以上であったが、実施例6に比して徐々に分解率の低下が見られた。
【0055】
(実施例8〜9)
反応剤中のアルミナを擬ベーマイトアルミナを550℃で3時間焼成したもの(以下Al23−bと略す)に変えた以外は実施例2及び実施例7と同じ条件でCF4の分解反応を行った。ただし、実施例8についてはバインダーIIを添加した場合についても分解反応を実施した。結果を表2に示したが、実施例8は実施例2とほぼ同様の分解率を示し、バインダーの差は見られなかった。また、実施例9は実施例7と同様、焼成温度及び反応温度共に700℃に設定して試験したが、高分解率を維持することができた。
【0056】
【表2】
Figure 0003789277
【0057】
(実施例10〜13)
反応剤中の炭酸カルシウムを軽質炭酸カルシウム(以下CaCO3−bと略す)と重質炭酸カルシウム(以下CaCO3−cと略す)に変えた以外は実施例2及び6と同じ条件でCF4の分解反応を行った。結果を表3に示したが、CF4の分解率は表1に示した各炭酸カルシウムの不純物の総量に対応し、CaCO3−a(実施例2、6)>CaCO3−b(実施例10、11)>CaCO3−c(実施例12、13)の順に低下する傾向を示すことが分かった。
【0058】
(実施例14〜16)
反応剤中のアルミナを表1に示した各アルミナ(Al23−b、Al23−c、Al23−d)に変えた以外は実施例13と同様の条件でCF4の分解反応を行った。結果を表3に示したが、CF4の分解率は表1に示す各種Al23の不純物量に対応し、Al23−a(実施例13)≧Al23−b(実施例14)>Al23−c(実施例15)>Al23−d(実施例16)の順に低下することが分かった。
【0059】
(実施例17)
フッ素化合物をCF4からC26に変えた以外は実施例1と同じ条件で分解反応を行った。結果を表3に示したが、被処理ガス通気後3時間までC26の分解率は80%以上を示した。
【0060】
(実施例18〜20)
反応温度と酸素濃度を変えた以外は実施例2と同じ条件でC26の分解反応を行った。結果を表3に示した。実施例18では、反応温度600℃、酸素濃度3.5vol%に設定したが、C26の分解率は実施例17と同程度で、CO生成の抑制効果は十分ではなかった。
実施例19と20では、反応温度が650℃で、酸素ガス濃度を0vol%と20vol%に変えて分解反応を行った。その結果、どちらの場合もC26の分解率は被処理ガス通気後3時間まで90%以上を示した。またCOは、実施例19では3%近く生成しているのに対し、実施例20では被処理ガス通気後3時間まで検出しなかったことから、ほぼ完全にCOの生成を抑制するためには、酸素ガスを存在させればよいことが分かった。
【0061】
【表3】
Figure 0003789277
【0062】
(実施例21〜24)
実施例20で用いた、質量比が、Al23−a/CaCO3−a=0.3/0.7である反応剤に、各金属酸化物(実施例21−V25、実施例22−SnO2、実施例23−CuO+SnO2、実施例24−Cr23)を添加した反応剤を用いたことと、酸素濃度を20vol%から3.5vol%に変えた以外は実施例20と同じ条件でC26の分解反応を行った。その結果を表4に示したが、C26の分解率は実施例18〜20の結果とほとんど変化はないが、COは酸素ガス濃度が3.5vol%でもほとんど検出せず、反応剤中に金属酸化物を添加することにより、低酸素分圧下でもほぼ完全にCOを酸化することができることが分かった。
【0063】
(実施例25〜26)
反応管を2連結(反応剤35×2=70cc)し、反応温度を550℃と650℃に変えた以外は実施例2と同じ条件でCF4とC26の混合ガスの分解反応を行った。結果を表4に示したが、実施例21の反応温度550℃では、C26の分解率が約70%と低いが、CF4の分解率と共にほぼその分解率を維持した。また実施例22の反応温度650℃では、CF4、C26共に高い分解率を維持することができた。
【0064】
(実施例27〜28)
CO、HF、SiF4を共存させたことと濃度を変えた以外は実施例2と同じ条件でCF4の分解反応を行った。結果を表4に示したが、CO共存下の実施例23では処理ガス中にCOは検出されなかった。また、HF、SiF4共存下の実施例24では処理ガス中にFイオンは検出されなかった。
【0065】
(実施例29〜39)
フッ素化合物の種類と濃度及び反応温度以外は実施例2と同じ条件で分解反応を行った。結果を表5に示したが、いずれのフッ素化合物も反応温度はそれぞれ異なるものの高い分解率を示した。ここで実施例31〜39で用いたフッ素化合物の構造を以下に示す。
実施例31 CF2=CF2 実施例32 CHClFCF3
実施例33 CClF2CClF2 実施例34 CH2FCF3
実施例35 CF3OCHFCF3 実施例36 CF3OCF=CF2
実施例37
【化1】
Figure 0003789277
実施例38
【化2】
Figure 0003789277
実施例39 SF6
【0066】
(実施例40)
反応剤中のCaCO3をSrCO3に変えた以外は実施例2と同じ条件でCF4の分解反応を行った。その結果は表5に示したが、SrCO3の場合も多少分解率は低下するがフッ素化合物分解用反応剤として使用できる。
【0067】
(比較例1〜2)
反応剤の調製例、反応例等実施例同様の方法にて試験した。
反応剤はアルミナだけで表6に示す試験条件でCF4の分解反応を行った。その結果、被処理ガス通気後2時間で急激に分解率は低下した。
(比較例3〜4)
反応剤中のCaCO3をMnO2、Fe23に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応剤を調製し、700℃でCF4の分解反応を行った。結果は表6に示したが、いずれも初めから低分解率であった。
【0068】
【表4】
Figure 0003789277
【0069】
【表5】
Figure 0003789277
【0070】
【表6】
Figure 0003789277
【0071】
(実施例41)CF4が20sccm、CHF3が20sccm、アルゴンガスが400sccmからなるエッチングガスを用いてシリコン酸化膜をエッチングした。ここでsccmとは、1013hPa、0℃における1分間当たりの流量をミリリットルで表示した単位であり、1sccm=6×10 - /hと換算できる。このドライエッチング工程から排出されたガスの一部を窒素キャリアガスを用いて、実施例23と同じ反応剤が充填されている、図1に示す装置に導いて分解実験を行った。分解実験を開始して3時間後、分解装置出口ガスをサンプリングしてガスクロマトグラフで分析したところ、CF4及びCHF3の濃度はいずれも10volppm以下であり、CO濃度も10volppm以下であった。また、フッ素イオン濃度を水抽出イオンクロマト法で分析したところ、1volppm以下であった。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の反応剤を用いればフッ素化合物を比較的低温でかつ簡単な処方で効率的に分解することができ、分解したフッ素も無害物として固定できる。すなわち、本発明は簡易な分解装置で実施でき、処理操作も簡単で分解効率も高く、酸素を共存させれば一酸化炭素の生成をも抑制できる。しかも分解生成物はCaF2等の安定なアルカリ土類金属フッ化物となるため、後処理が容易である。また、反応剤の廉価性の点でも、これまでのものにはない効果を奏し、特に半導体デバイス製造工程で発生する使用済みフッ素化合物含有ガスの分解に多大な貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の一例を示した機器配置系統図である。
【符号の説明】
1 フッ素化合物ガス供給ライン
2 窒素ガス供給ライン
3 空気または酸素ガス供給ライン
4 ガス混合及びヘッダー
5 サンプリングポート
6 ガス導入管
7 温度センサー(測定管)
8 反応容器
9 余熱器
10 温度制御装置
11 電気加熱器
12 反応剤
13 通気性床
14 冷却管
15 サンプリングポート
16 ガス放出管

Claims (27)

  1. 銅、錫、クロム、モリブデン、タングステン及びバナジウムからなる群から選ばれる金属の酸化物の少なくとも一種、アルミナ及びアルカリ土類金属化合物を含有することを特徴とするフッ素化合物の分解用反応剤。
  2. 前記アルミナの比表面積が50m2/g以上である請求項1に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  3. 前記アルミナが、擬ベーマイトアルミナである請求項1または2に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  4. 前記アルミナが、擬ベーマイトアルミナを焼成したものであり、その焼成温度が400〜1000℃の範囲である請求項1または2に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  5. 前記アルカリ土類金属化合物が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムの炭酸塩である請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  6. 前記反応剤に含まれるアルミナとアルカリ土類金属化合物の粒径が、それぞれ100μm以下の粉末状である請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  7. 前記反応剤に含まれるアルミナとアルカリ土類金属化合物の含有量は質量比で、1:9〜1:1である請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  8. 前記金属の酸化物の含有量は、前記アルミナとアルカリ土類金属化合物の合計質量との比で、1:99〜5:95である請求項に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  9. 前記反応剤に含まれるアルカリ金属の含有量が、0.1質量%以下である請求項1〜のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  10. 前記反応剤は、400〜700℃で焼成された粒状品である請求項1〜のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  11. 前記反応剤が、粒径が0.5〜10mmの範囲の粒状品である請求項10に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  12. 前記反応剤に含まれる水分含有量が1質量%以下である請求項1〜11のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  13. 前記フッ素化合物がパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィン、フッ化硫黄、SiF4及びCOF2からなる化合物群より選ばれるフッ素化合物の少なくとも一種である請求項1〜12のいずれかに記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  14. 前記フッ素化合物が塩化水素及び/またはフッ化水素を含むものである請求項13に記載のフッ素化合物の分解用反応剤。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の反応剤とフッ素化合物とを200℃以上の温度で接触させることを特徴とするフッ素化合物の分解方法。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の反応剤と接触させる被処理ガス中のフッ素化合物の濃度が0.01〜10vol%の範囲である請求項15に記載のフッ素化合物の分解方法。
  17. 請求項1〜14のいずれかに記載の反応剤とフッ素化合物とを酸素ガスの存在下で500℃以上の温度で接触させることにより、一酸化炭素の生成を抑制することを特徴とするフッ素化合物の分解方法。
  18. 被処理ガス中の酸素ガス濃度が20vol%以下である請求項17に記載のフッ素化合物の分解方法。
  19. 請求項1〜14のいずれかに記載の反応剤とフッ素化合物とを接触させて生成する塩素原子、フッ素原子及び/または硫黄原子を、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物及び/またはアルカリ土類金属硫酸塩として固定する請求項15〜18のいずれかに記載のフッ素化合物の分解方法。
  20. エッチングガスまたはクリーニングガスとして、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィンおよびフッ化硫黄からなる化合物群より選ばれるフッ素化合物の少なくとも一種を用いるエッチング工程またはクリーニング工程と、それらの工程から排出されるフッ素化合物を含有するガスを請求項1〜14のいずれかに記載の反応剤を用いて分解する分解工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  21. 前記エッチング工程またはクリーニング工程から排出されるガスが、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、フッ化オレフィン、フッ化硫黄、SiF4及びCOF2からなる化合物群より選ばれる少なくとも一種のフッ素化合物を含有するガスである請求項20に記載の半導体デバイスの製造方法。
  22. 前記フッ素化合物を含有するガスが塩化水素及び/またはフッ化水素を含むものである請求項21に記載の半導体デバイスの製造方法。
  23. 前記分解工程における被処理ガス中のフッ素化合物の分解温度が200℃以上である請求項20〜22のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  24. 前記分解工程における被処理ガス中のフッ素化合物の濃度が0.01〜10vol%の範囲である請求項20〜23のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  25. 前記分解工程が、酸素ガスの存在下、500℃以上の温度で行うことにより一酸化炭素の生成を抑制する請求項20〜24のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  26. 前記分解工程における被処理ガス中の酸素ガス濃度が20vol%以下である請求項25に記載の半導体デバイスの製造方法。
  27. 前記エッチング工程またはクリーニング工程から排出されるガスを請求項1〜14のいずれかに記載の反応剤を用いて分解する分解工程で生成する、塩素原子、フッ素原子及び/または硫黄原子を、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物及び/またはアルカリ土類金属硫酸塩として固定する請求項20〜26のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
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