JP3730865B2 - Cvd室をパッシベーションする方法 - Google Patents
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Description
本発明は、チタン被覆を、特にプラズマ増速化学蒸着(PECVD)法により適用することにより半導体基体を処理することに関する。本発明は、特にそのような処理で用いられるCVD反応器の清浄化及び安定化に関し、そのような清浄化後のそのような反応器のパッシベーション(passivating)及び調整、及び半導体基体のTi−PECVD処理のために反応器を続いて使用する間反応器を安定な状態に維持することに関する。
(背景技術)
【0002】
化学蒸着(CVD)、特にプラズマ増速化学蒸着(PECVD)は、半導体製造でチタン(Ti)又はチタン含有膜を基体上に適用するのに益々使用されるようになってきている方法である。そのようなTi−PECVD法の一つは、少なくとも理論的には、半導体ウエーハ上に種々の形態、特に大きな縦横比を持つ形態の接点上にチタンを蒸着するのに利用することができる。本発明で到達する過程で接点レベル冶金を研究している時に、本出願人は、そのような方法による製造への応用は、処理の均一性、処理の反復可能性、及び処理の安定性の問題が含まれており、それらが基本的膜の性質及び蒸着特性と同様に重要であることを確認した。
【0003】
そのような問題の一つは、CVDを行なった反応器の室を清浄化する方法である。そのような反応器は、蓄積した反応物、反応生成物、及び反応副生成物を反応器表面から除去するように処理しなければならない。Ti−CVDのために反応器を使用している間、それらの表面上に集まった材料は、屡々剥離及び室中の汚染の原因になり、処理されるウエーハの表面を汚染する多数の粒子を与え、ウエーハ上の臨界的工程反応を妨害する結果になる。また、反応器表面上にこの材料が蓄積すると、工程パラメーターに長期間の変動を起こし、不安定又は不測の工程性能及び悪化した処理結果を与えることになることがある。更に、Ti−CVDに利用できる多くのCVD反応器には、ニッケル合金サセプタが配備されており、その上にウエーハを支持して処理する。珪素ウエーハは、サセプタの清浄化後、ニッケル合金サセプタに付着する大きな傾向を有する。
【0004】
Ti−PECVDのために用いられるCVD反応器中の表面状態が、例えば、蒸着中に蓄積した付着物を除去するために反応器を清浄化することにより、変化すると、或る室調整方式後だけ安定化する蒸着過程に変動が起きる。本出願人の経験では、そのような反応器状態の変化後、工程が安定化するまで、経過させなければならない或る長さの反応器作動時間、又は反応器中で処理しなければならない或る数のウエーハが存在することが観察されている。本出願人は、この効果は反応器表面の状態の変化によるものであり、一つには熱発散性、接着性、電気伝導性、或は処理されるウエーハ上の結果に直接影響を与える他の性質を変動させる表面上の膜付着によるものであると考えている。ウエーハを処理するために反応器中へ導入する前に反応器を清浄化した後、或は他のそのような状態の変化、特に製造環境中での変化の後に、反応器の初期調整に費やされる時間の長さを最小にすることが望ましい。
【0005】
蒸着室は、典型的には二つの方法のいずれかで清浄化される:1)その場での清浄化、これにより反応器表面は、装置を空気中へ開放することなく、好ましくは室のどの部分も冷却することなく、清浄化される;2)湿式清浄化、これは一般に反応器部品を冷却し、系を開放し、水又は他の化学薬品で反応器部品を拭くか又は擦り、それらから付着物を除去する。これらの方法の両方について、本出願人は工程を再び元に回復させなければならず、即ち、室を再調整し、清浄化処理が行われた後、基準性能を安定化しなければならないことを認めている。
【0006】
Ti−PECVD法は、プラズマ環境中で行われる還元反応でTiCl4及びH2を用い、主反応生成物として金属Tiを形成し、主反応副生成物としてHClを形成する。この還元反応過程中、TiClx(x<4)のような他の副生成物も形成されることがある。これらの生成物は、金属Tiと共に、反応器表面上に付着し、その程度は室の幾何学性及び反応室表面の温度分布に大きく関係している。例えば、直接TiCl4に曝された場合の高温ニッケル合金表面のような高温金属表面は、その上に金属塩化物を形成する傾向をもち、それは工程性能に有害な影響を与える。例えば、本出願の譲受け人のフェニックス(PHOENIX)(商標名)装置の場合、そのような望ましくない蒸着が起きる傾向を持つそのような反応器表面は、基体支持サセプタの表面、処理ガス分散用シャワーヘッドの表面、及びウエーハの平面及び下に近く位置する反応器壁上の限定された領域である。蒸着した材料の組成は、それが蒸着される表面の温度及び種々の反応物質、反応物、反応生成物、及びそのような表面での反応副生成物の濃度に関係している。
【0007】
例えば、Ti−PECVD法の連続的操作中、Ti含有膜が反応器の内部表面上に蓄積する。これらの膜の組成は、温度の高い表面上のTiに富むものから、反応器の低温表面上のClに富むものまで変化する。これら膜は本質的に不安定である。Tiに富む膜は、室中に存在する残留水及び酸素に曝されて時間と共に酸化する。この酸化は、従来法では極めて抑制できない過程であったので、望ましくないものと見做されていた。これらのTiに富む膜の酸化中、それらの物理的性質は電気伝導性から電気絶縁性へ変化し、被覆工程を実施する間、室内のプラズマ及び他の特性を不安定にするか、さもなければ変化させる結果を与えていた。一方、Clに富む膜は、比較的蒸気圧が高く、室中に調節できないTiClx(x<4)のバックグラウンドを与える結果になる。これらのTiClx物質は蒸着反応に関与し、不安定な工程特性をもたらす。
【0008】
チタン形成中に壁及び他の反応器表面上に付着する材料は、非常に吸湿性で潮解性であり、残留水蒸気及びO2が存在する場合にはそれらと反応し、TiO2系膜を形成する。そのようなTi膜のゲッター性はよく知られている。TiO2膜は化学的に安定で電気的非伝導性の性質を有する。内部部品上にチタンに富む被覆を有する反応器を、清浄にするため開放しなければならない場合、これらの反応が加速されて空気中に浮遊する反応副生成物及び熱を生じ、それらは抑制しなければならない危険なものになる。
【0009】
半導体ウエーハ上に蒸着されたチタン膜は、通常パッシベーション法が次に適用され、その方法により窒化チタンのような安定な物質の不動態層がチタン膜の表面上に蒸着される。Ti蒸着工程がCVDの一つである場合、TiN膜は、チタンとアンモニアとの反応により専用の反応器中で形成される。ウエーハをTi−CVDモジュールからTiN−CVDモジュールへ、連続的に処理するために移動させる時に通過する移動モジュールに接続された、Ti−CVD反応器及びTiN−CVD反応器を有する多段反応器装置中でTi膜とその上のTiN膜の形成が行われている。
【0010】
米国特許第5728629号明細書は、CVDによって基体上に薄膜を形成する方法を開示する。このCVDでは、パッシベーションガスを基体処理工程の間に導入して、基体の近辺の部材の上に形成される薄膜表面をパッシベーションする (passivate) 。パッシベーション (passivation) とは、不活性 (inactive) にすることを意味し、パッシベーションは、吸収性ガス又は酸化性ガスを用いて行われる。適切な吸収性ガスは、不活性ガスとNH 3 又はSiH 2 Cl 2 との混合物であり、適切な酸化性ガスは、不活性ガスとO 2 、NO又はNO 2 との混合物である。反応室にパッシベーションガスを導入するのと同時に、プラズマ放電を発生させても良い。
DE 3709066号明細書はCVD薄膜形成方法を開示する。この方法では、化学蒸着によって、反応室の不活性表面が金属窒化物膜でコーティングされる。この化学蒸着では、W 2 Nが堆積するようにアンモニアとWF 6 とを用いてもよい。この金属窒化物膜によって、不活性表面に更なる金属が堆積するのが防止される。
反応器を清浄化した後、反応器、特にチタンのPECVDを行うのに用いられる反応器を、一層効率的及び効果的に調整することが必要である。
【0011】
(発明の開示)
本発明の主たる目的は、Ti−PECVD装置で、安定な処理性能を与えることにある。
【0012】
本発明の特別な目的は、反応器を安定な状態に維持し、連続的操作、特に半導体製造操作中に、Ti−PECVD法の安定な性能を維持するTi−PECVD法及び装置を与えることである。
【0013】
本発明の特別な目的は、反応器状態に変化が起きた後、特に内部反応器表面を、例えば湿式クリーニング又はその場でのクリーニングにより清浄化することにより引き起こされた状態変化の後、清浄化操作中、反応器を開放した場合でも、或は閉じたままにしておいた場合でも、Ti−PECVD処理のためのPECVD反応器を再使用できるようにし、安定化することにある。
【0014】
本発明の更に別な目的は、反応器の再使用、反応器及び工程の回復、及び工程の安定化を促進する、その場でのPECVD反応器清浄化法を与えることにある。
【0015】
本発明の或る態様は、一つには、内部反応器表面の酸化又は還元/パッシベーションによる室の安定化が、ウエーハ表面に到達するのに充分な揮発性を持つTi含有物質の制御できない源を排除することになると言う決定に基づいている。
【0016】
本発明の特別な目的は、反応器を清浄化した後、特にそのような反応器をチタンのPECVDのために用いる場合、反応器を一層効率的及び効果的に調整することである。
【0017】
本発明の更に別な目的は、連続的Ti−CVD及びTiN−CVD法の効率を向上させ、それら方法のために必要な設備を縮小し、それら方法の性能を向上させることにある。
【0018】
本発明の原理に従い、Ti−PECVD反応器で、反応器状態の変化が起きた時でも、安定化したチタン含有膜が与えられる。そのような反応器状態の変化には、例えば、反応器部品上にTi含有膜付着物を形成する結果になるウエーハ上でのTi−PECVD工程実施のために反応器を使用することによりもたらされる変化と同様、例えば、反応器部品の表面からチタン含有付着物を除去する内部反応器部品清浄化によりもたらされる変化が含まれる。
【0019】
本発明の或る態様に従い、反応器部品上のTi含有膜の性質又は程度の変化に従い、Ti−PECVD反応器中でTi含有膜の制御された酸化又は還元/パッシベーションが行われる。本発明の或る態様では、室清浄化後、その室中で反応物、反応生成物、反応副生成物、又は関連する物質の制御された蒸着が与えられる。本発明の別の態様では、室の清浄化後、回復の早い段階で室中に一種類以上の酸化剤又は還元剤を制御して存在させる。本発明の更に別の態様では、反応器部品の表面上に形成された膜を、反応器中でのTi−PECVD法を実施した後、制御されたやり方で酸化又は還元するか、又はパッシベーションし、そのような方法を実施する間に部品上に付着した膜を安定した状態に維持する。この制御された酸化又は還元及びパッシベーションは、単一の基体上にTi−PECVD蒸着を行なった度び毎に行うか、又は一連の基体上に選択された数のTi−PECVD蒸着を少なくとも行なった後に行うのが好ましい。
【0020】
本発明の一つの好ましい態様では、反応器を大気中に開放して湿式クリーニングし、反応器部品の表面上に蓄積していたTi含有膜を除去する。次に反応器を閉じ、反応器内を再び真空にする。次に反応器の部品を、室内でアルゴンと水素ガスとの混合物中に形成したプラズマに暫く曝す。特にガス導入装置、好ましくはシャワーヘッドの形の装置を、暫く、例えば、1〜5分間、H2/Arプラズマに曝す。シャワーヘッド及び他の部品をプラズマに曝すことにより、部品表面から汚染物が除去される。
【0021】
反応器はTi−PECVD法の諸工程中作動させるが、反応器部品をTi含有膜で予め被覆するためには、室中にウエーハを入れずに行うのが好ましい。サセプタがニッケル合金のような金属から作られている場合、そのサセプタ表面上にそのような被覆を予め形成しておくと、珪素ウエーハがその高温サセプタに付着するのを防ぐ。Ti−PECVD反応器又は方法の場合、好ましくはシャワーヘッドは約425℃より高いのが好ましい温度へ予熱する。シャワーヘッド加熱の効果は、H2/Arプラズマ清浄化直後の反応器中で、この初期Ti−PECVD法を行なった時に蒸着されるTi含有膜の付着が改良されることである。
【0022】
反応器部品を予め被覆した後、TiCl4を反応器中に導入する前に、反応器中でH2/Arプラズマを形成することにより、反応器の早い工程再開を達成することができる。先ずH2/Arプラズマを形成する一つの利点は、高温金属表面がTiCl4ガスに直接曝されるのを防ぐことができることである。
【0023】
本発明の或る態様に従い、反応器部品上のTi含有膜の性質又は程度の変化後、膜を窒化又は他のやり方でパッシベーションするなどして、Ti含有膜の制御された酸化又は還元をTi−PECVD反応器中で行う。本発明の或る態様では、室の清浄化後、室中に反応物、反応生成物、反応副生成物、又は関連材料の制御された蒸着が与えられる。本発明の別の態様では、室清浄化後、回復の早い段階で室中に一種類以上の酸化剤又は還元剤を制御させて存在させる。本発明の更に別の態様では、反応器部品の表面上に形成された膜を、反応器中でTi−PECVD法を実施した後、制御されたやり方で酸化又は還元し、そのような方法を実施する間に部品上に付着した膜を安定化する。制御された酸化又は還元及びパッシベーションは、単一の基体上にTi−PECVD蒸着を行なった度び毎に行うか、又は一連の基体上に選択された数のTi−PECVD蒸着を行なった後に行うのが好ましい。
【0024】
本発明の別の好ましい態様として、反応器を大気中へ開放することなく、その場で清浄化する。そのような清浄化は、通常フッ素又は塩素含有ガスを室中に導入し、屡々それと共にプラズマを形成することにより行う。そのようなガスの例は、三フッ化窒素(NF3)、三フッ化塩素(ClF3)、又は塩素(Cl2)である。その場での清浄化法は、反応器部品の表面に蓄積していたTi含有膜及び他の汚染物を除去するために行う。そのようなその場での清浄化後、そのような清浄化用ガス及び反応生成物を全て室から除去する。清浄化は、反応器部品を、例えば、上で述べた湿式清浄化法に従って説明したように、アルゴン、水素及びアンモニアガスの混合物中で形成したプラズマに暫く曝すことを含んでいる。このプラズマ清浄化は、1〜10分間行うか、又は室からフッ素及び塩素含有物質を除去するのに必要なだけ行う。次に反応器室を少なくとも5回ポンプでパージする。
【0025】
上で述べた湿式清浄化工程後に行われるものとして、反応器を次にTi−PECVD法の諸工程中、室中にウエーハを入れずに操作し、反応器部品をTi含有膜で予め被覆するのが好ましい。また、反応器部品を予め被覆した後、TiCl4を反応器中に導入する前に、反応器中でH2/Arプラズマを形成することにより、反応器の早い工程再開を達成することができる。先ずH2/Arプラズマを形成する一つの利点は、高温金属表面がTiCl4ガスに直接曝されるのを防ぐことができることである。
【0026】
本発明の更に好ましい態様として、ウエーハへの個々の蒸着後、安定化工程を行うことにより、Ti−PECVD法及び反応器が、反応器の連続的操作及びその方法の実施中安定に維持される。Ti−PECVD法を連続的に操作する間、反応器部品上に蓄積したTi含有膜は、組成が変化し、反応器及び工程条件の一定した変化を与える結果になることがあるが、室中のウエーハに個々の蒸着をした後、選択された数の蒸着後か、又は好ましくは一つのウエーハ上にTi−PECVD法を実施した度び毎に、新しいウエーハを室中に入れて同様なTi−PECVD処理を行う前に、制御されたやり方で適切に膜を酸化又は還元し、膜をパッシベーションすることにより安定化される。
【0027】
安定化工程は、例えば、反応器表面上に新たに蒸着した膜との酸化反応を行わせるため、酸素(O2)又は水蒸気(H2O)のようなガスを制御された量で導入すること、又は還元反応を行わせるため水素(H2)、アンモニア(NH3)、シラン(SiH4)、メタン(CH4)、又はジボラン(B2H6)のようなガスを制御された量導入することを含んでいる。ガスは室中で流動させる。プラズマはそのガスと共に形成され、反応を促進する。特にNH3は安定化法に好ましく、室中へアルゴンと共に導入され、RFプラズマを励起し、サセプタ及びシャワーヘッドが加熱される。ウエーハの各Ti−PECVD処理後の安定化工程は、条件により10〜60秒の範囲にあるのが典型的である。
【0028】
本発明の好ましい態様として、各Ti蒸着後、反応器中でパッシベーション工程を行う。パッシベーション工程は、Ti膜を蒸着したウエーハを室から除去する前に行い、反応器部品上に蒸着したTi膜に対しパッシベーション工程を行うと同時に、ウエーハ上に蒸着したTi膜にTiパッシベーション工程が続いて行われるようにする。TiN膜の形成によるウエーハのパッシベーションが望まれる場合、Ti蒸着反応後、NH3をTi−PECVD反応器室中へ導入し、反応させて、ウエーハ及び反応器部品上に、好ましくはプラズマ増速法で、Ti膜上にTiN膜を形成させる。反応器シャワーヘッドの温度が少なくとも425℃になり、サセプタ温度が約630℃、ウエーハが約590℃、反応器壁が100℃〜200℃になった時に、NH3を導入しながら反応器中に水素・アルゴンプラズマを形成するのが好ましい。
【0029】
室パッシベーション処理のために別のパッシベーションガスを用いることもできる。そのようなガスがウエーハの処理と両立しない場合、ウエーハを室から取り出し、ウエーハを存在させずに室中でパッシベーションを行なってもよい。そのような場合、室中に蓄積した膜が僅かである場合、一連の幾つかのウエーハ上にTi蒸着を行なった後、間隔を開けて室のパッシベーションを行なってもよい。
【0030】
特に好ましい特定の工程のパラメーターは、下に記載する実施例及び特定の態様で詳細に記載する。
【0031】
室中の反応器部品上に蒸着した材料の安定化を制御されたやり方で行うことにより、反応器表面は非常に短時間で、他の方法で必要になるより遥かに短い時間で反応器中で調整された状態に到達し、Ti−PECVD法を実施する間の処理条件の変動が回避される。室中の残留水蒸気との反応により、安定化は放置しておくとゆっくり行われるが、工程中酸化又は還元剤及びパッシベーション剤を制御して使用することにより、膜が迅速に且つ反復可能なやり方で安定化する。特に、安定化TiClX系被覆を反応器表面上に形成するのに必要な時間は制御され、かなり短縮される。更に、反応器の連続的操作中、各蒸着後、蓄積膜を安定化すると、工程は数千のウエーハを処理する間安定化される。この方法は、頻繁なその場での清浄化法及びその場での清浄化からの回復に依存した方法よりも好ましい。
【0032】
特に、NF3を用いるような湿式清浄化又は化学的清浄化の後、例えば、Ti−CVD等の蒸着の開始で材料は室壁上に蒸着され、酸化又は還元/窒化されて完全に絶縁性で化学的に安定な膜になり、不安定な操作又は別法としての長い再開時間が必要になるのを回避することができる。典型的には、反応器清浄化後、5枚より少ないウエーハ、典型的には1枚のウエーハをCVD処理するのにかかる時間に匹敵する時間で安定化が行われ、従来であればウエーハの商業的製造処理を再び取り戻す前に約75枚の調整用ウエーハが必要であった。長い空白時間の後でも、例えば、装置を一晩停止していた後でも、再開時間は典型的にはウエーハ数0まで短縮される。
【0033】
また、個々のウエーハを処理した後、本発明の安定化工程を行わないと、反応器の連続的操作全体に亙って不安定性が存続する。商業的方法でウエーハ上に蒸着する間に反応器部品上に蒸着した被覆のそのようなパッシベーションは、工程及び反応器の安定化を促進する。ウエーハへの各蒸着が反応器部品上への付加的金属チタンの蒸着をもたらすTi−CVDの場合、反応器部品上のチタン上にパッシベーション膜を形成するのは、ウエーハに対するTi−CVDの連続した工程の夫々の間でNH3プラズマで約10〜60秒、典型的には30秒処理することにより行うことができる。これは、一定した蒸着速度と同様、抵抗率及び膜厚さの均一性のような一定した膜特性を維持する。
【0034】
上に記載した概念は他の無機金属CVD法、特にチタンの外にタンタルのような反応性界面材料を適用するのに用いられる方法に対しても有用である。
【0035】
本発明のこれら及び他の目的は、本発明の好ましい態様についての次の詳細な記載から容易に明らかになるであろう。
【0036】
(好ましい態様についての詳細な説明)
本発明の好ましい態様は、化学蒸着(CVD)、特に米国特許第5,370,739号明細書(特に参考のためここに入れてある)に記載されているようなCVD反応器で、プラズマ増速化学蒸着(PECVD)により半導体ウエーハを処理することを含む。本発明を適用するのに特に関係のある方法には、H2との反応によるTiCl4の還元により珪素ウエーハ上にチタン(Ti)を蒸着するための反応が含まれ、それは副生成物としてHClガスを生ずる。CVD反応器中でそのような反応を実施すると、反応器部品表面上にTiが蒸着する外、他のTiClx化合物(x<4)も蒸着する。これらの蒸着物は反応器部品表面上に蓄積し、周期的に除去しないと、剥離し、室中で処理されるウエーハを汚染する傾向がある。
【0037】
そのような反応器室の清浄化は周期的に行われ、蓄積した反応物、反応生成物、反応副生成物を反応器表面から除去する。反応器の清浄化は、装置を空気中に開放することなく、好ましくは室のどの部分でも冷却することなく、その場で行われるか、又は湿式清浄化により達成され、それは反応器部品を冷却し、装置を開放し、反応器部品を水又は他の薬品で拭くか又は擦り、それらから付着物を除去することにより行われる。清浄化は、付着物を除去することによりCVD反応器中の表面状態を変化する。この状態の変化は反応器中で行われる蒸着工程に影響を与え、清浄化直後では、その清浄化直前の時とは幾らか異なった蒸着が行われることになる。そのような工程条件の変化は、少なくとも膜が反応器部品上に蒸着して安定化されるまで、ウエーハに対して行われる被覆の一貫性及び品質に悪影響を与える。図1及び2に概略示した本発明の態様では、これらの影響は、更にウエーハ上に蒸着を行うために反応器を使用する前に除かれる。
【0038】
図1に描いた本発明の好ましい態様は、Ti−PECVD反応器のための湿式清浄化回復及び再開法である。湿式清浄化回復法10では、反応器を停止し、開けて慣用的湿式清浄化工程12にかける。湿式清浄化工程12の後、反応器を標準工程14にかけ、それにより反応器を閉じ、パージし、ポンプで真空にする。次に、水素とアルゴンガスの混合物を反応器に導入し、H2/Arプラズマが形成される工程16を行う。このプラズマは約1〜5分間、又は残留する汚染物がシャワーヘッド及び他の付近の部品から除去されるまで、またシャワーヘッド( シャワー噴出口 , showerhead)がプラズマにより少なくとも425℃まで加熱されるまで操作する。このプラズマ清浄化及び加熱工程16中、反応器の圧力は、アルゴンを約150〜450sccm(標準温度及び圧力で測定して、cm3/分)の速度で導入し、水素を750〜5000sccmで導入しながら266.64〜1333.22N/m 2 (約2〜10トール)に維持する。プラズマは、450kHzで約250〜750ワットのRF電力により励起される。典型的には、内部抵抗加熱器のような加熱装置を具えた反応器のサセプタも、ウエーハ支持表面を約590℃へ持って行く温度へ加熱され、そのためには典型的には約630℃まで抵抗加熱器を加熱する必要がある。典型的には加熱素子が配備されている反応器壁は、約100℃〜200℃の間に維持される。
【0039】
プラズマにより汚染物が除去され、部品が適当な温度に加熱された後、サセプタ上にウエーハを存在させずに反応器室中でTi−PECVD処理18を行う。この処理の実施により、サセプタの表面、シャワーヘッド、反応器壁、及び他の内部反応器部品の表面を、薄いTi含有膜で被覆する。Ti蒸着反応のためのTiCl4ガスを導入する前に、先ずAr/H2プラズマを開始することにより蒸着を行う。プラズマの開始により、ニッケル合金サセプタのような高温金属表面が存在している場合、その表面が有害な金属塩化物を形成するのを防ぐ。Ti蒸着工程は、TiCl4を約2.5〜7.5sccmの速度で導入し、水素を約750〜5000sccmの速度で導入し、アルゴンを約150〜450sccmの速度で導入することにより、反応器中の圧力を266.64〜1333.22N/m 2 (約2〜10トール)に維持しながら行われる。プラズマは、450kHzで約250〜750ワットのRF電力により励起される。反応器のサセプタは、ウエーハ支持表面を約590℃へ持って行く温度に維持し、その温度は典型的には約630℃まで抵抗加熱器を加熱することを必要とする。シャワーヘッドは少なくとも約425℃の温度に維持し、反応器壁は、約100℃〜200℃の間に維持する。サセプタがニッケルのような金属から作られていない場合、サセプタへの蒸着促進は不必要である。
【0040】
室を予め被覆するTi−PECVD被覆18の後、安定化又はパッシベーション工程20を、室部品上に付着していたTiに富む膜に対して行う。湿式清浄化及び再開法10を用いて、反応器清浄化は、酸化剤又は還元剤を制御して室中へ導入し、蒸着Ti膜の制御された反応により、安定化チタン膜を蒸着することにより達成される。工程20の安定化処理50は、下の図4についての説明に関連して詳細に記述する。一度び反応器が方法10により清浄化されたならば、ウエーハの連続的処理を室中で、好ましくは下の図3に関連して記述する方法により、行うことができる。
【0041】
図2は、本発明の別の好ましい態様に従うその場での清浄化及び再開法30を描いている。この方法30では、ウエーハを除き、反応器を密封した真空状態に保ち、慣用的その場での清浄化法32にかける。その場合、NF3、ClF3、又はCl2のような清浄化用ガスを、典型的にはプラズマと共に用い、反応器表面から付着した膜を除去する。その場での清浄化法32に従い、反応器を、約1〜10分間形成したNH3/H2/Arプラズマを発生する工程34にかけ、反応器から残留する全ての清浄化用ガス及び汚染物を除去する。次にポンプによる一連のパージングサイクル36、好ましくは少なくとも5回のサイクルにかけ、その場合反応器室をアルゴン又は窒素のような不活性ガスで666.61〜2666.44N/m 2 (約5〜20トール)に加圧し、次にポンプで133.32N/m 2 (1トール)より低く低下する。もし必要ならば、次に、上の湿式清浄化法10に関連して述べたプラズマ清浄化及び加熱工程16の場合のように、H2/Arプラズマを用いてシャワーヘッドを少なくとも425℃に加熱する。反応器中の圧力は、アルゴンを約150〜450sccmの速度で導入し、水素を750〜5000sccmで導入しながら266.64〜1333.22N/m 2 (約2〜10トール)に維持する。プラズマは、450kHzで約250〜750ワットのRF電力により励起する。反応器ののサセプタは、ウエーハ支持表面を約590℃へ持って行く温度に維持し、反応器壁は、約100℃〜200℃の間に維持し、シャワーヘッドは少なくとも約425℃に維持する。次に、上で述べたように、室中にウエーハを入れずに、反応器をTi−PECVD処理工程18にかけ、工程20の安定化処理50を、室部品上に付着していたTiに富む膜に対して行う。方法30に従って、反応器を清浄化した後、ウエーハの連続的処理を室中で、好ましくは下の図3に関連して記述するような方法により行うことができる。
【0042】
ウエーハのTi−PECVDのための反応器の連続的操作は、図3に描いた方法40に従って行うのが好ましい。連続的ウエーハ処理方法40では、Ti−PECVD法により処理する必要がある新規なウエーハを反応器室中へ装填する(工程41)。そのようなウエーハは、典型的には部分的に半導体装置が上に形成された珪素半導体ウエーハであり、通常大きな縦横比を持つ小さな孔の模様が貫通している上方絶縁層を有し、それらの孔は伝導性接点を露出し、それらをチタン層で被覆した後、タングステンのような材料の上方伝導性金属層を適用し、それと接点が電気的に接続される。次にTi−PECVD法42をウエーハに対して行う。
【0043】
Ti−PECVD法42は、先ず室中にH2/Arプラズマを開始し(工程43)、次にTiCl4を導入し(工程44)、そしてTi−PECVDによるチタン還元反応(工程45)を行うことにより実施するのが好ましい。Ti−PECVD工程45は、266.64〜1333.22N/m 2 (約2〜10トール)、約2.5〜7.5sccmのTiCl4、約750〜50000sccmの水素、約150〜450sccmのアルゴン、450kHzで約250〜750ワットのプラズマへのRF電力、約590℃のウエーハ温度、少なくとも425℃のシャワーヘッド温度、及び約100℃〜200℃の反応器壁温度の条件下で行うのが好ましい。Ti−PECVD工程45が完了した後、ウエーハ上のTi被覆のパッシベーション及び反応器部品表面上のTi付着物の安定化の両方を含む安定化工程46を反応器中で行う。好ましいパッシベーション又は安定化工程46は、ウエーハ及び反応器部品上のTi膜の上にTiN層を形成するためNH3プラズマを用いて実施されるものであるのが好ましいが、それは、下の図4に関連して記述する別の方法を含んでいてもよい。反応器部品上のTi膜を安定化するためにそのような工程で必要になるパッシベーション時間は、ウエーハ上にTiN膜を形成するのに必要なパッシベーション時間より短く、その結果ウエーハのTiN処理に適したTiN処理時間も室をパッシベーションするために用いることができることが判明している。下の図4に関連して記述するパッシベーション法に従って、パッシベーション工程46は進行する。パッシベーション工程46が完了した後、本発明のこの態様に従う全Ti−PECVD法が完了し、処理されたウエーハを室から取り出す(工程47)。もしこの時に室を清浄化する必要がなく、更にウエーハをTi−PECVDにより処理する必要があるならば、新しいウエーハを反応器室中へ装填して工程40を繰り返す。さもなければ、図1又は2の方法10又は30に従い、反応器の清浄化を行うことができる。この連続的ウエーハ被覆操作中、その場での清浄化が必要になるまでに、数千のウエーハを処理することができる。
【0044】
安定化法50は、工程20による清浄化後の空の室を安定化する方法、又は工程46に含まれているような、ウエーハへの蒸着後にウエーハをパッシベーションし、室の表面を安定化する方法の場合と実質的に同じである。そのような安定化法の従属工程は、図4に詳細に描かれており、それには室中にウエーハを入れて、又は入れずに、チタンを蒸着する毎に、安定化用ガス、H2ガス及びアルゴンを、プラズマを適用しながら、又は適用せずに導入する工程51を含んでいる。安定化用ガスは酸化性ガスであるか、又は還元性ガス、又はさもなければウエーハ又は室の部品上の膜をパッシベーションするガスにすることができる。工程51は、約10〜1000sccmの流量で室中に安定化用ガスを流し、約500〜5000sccmの流量でH2、及び約50〜500sccmの流量でアルゴンを流すことを含んでいる。工程50は、約250〜750ワットのRFで励起したプラズマを用いる任意的工程53を含んでいる。その工程は、含まれる反応物の反応に適した温度に室の部品の温度を維持する工程54も含んでいる。最後に、工程50は、Ti膜の安定化反応及びパッシベーションを起こすのに充分な時間、これらの条件下で室をアイドル(idle)させる55の工程を含んでいる。
【0045】
安定化用ガスの選択は、幾つかの可能なパッシベーション反応のいずれか一つの選択に依存し、それら反応は酸化反応か又は還元反応にすることができる。酸化反応は酸素(O2)又は水(H2O)のような酸化性物質を用いてもよく、次の酸化反応を含んでいてもよい:
TiClx+yO=TiClxOy
及び
TiClx+yH2O=TiOy+HCl。
【0046】
還元反応は、水素(H2)、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、シラン(SiH4)、メタン(CH4)、及びジボラン(B2H6)のような還元性物質を用いることができ、次の還元反応を含んでいてもよい:
TiClx+H2=Ti+HCl
Ti+N2=TiN
TiClx+NH3=TiN+HCl(高温)
TiClx+yNH3=(TiClx)(NH3)y(低温)
TiClx+SiH4=TiSi2+HCl
TiClx+CH4=TiC2+HCl
及び
TiClx+B2H6=TiB+HCl。
これらの反応では、アルゴンをキャリヤーガスとして用いてもよい。
【0047】
好ましい態様として、TiClx+NH3=TiN+HClの安定化反応を生ずる条件下で、NH3安定化用ガス( 安定化ガス , stabilization gas)を用いる。そのような反応に対する好ましい工程条件は次の通りである:
ガス流動従属工程51:
全圧力 266.64〜1333.22N/m 2 (2〜10トール)
アルゴン流量 150〜450sccm
窒素流量 0〜5000sccm
アンモニア流量 500〜5000sccm
プラズマ従属工程53:
プラズマ電力 250〜750ワット
プラズマ電力周波数 450kHz
温度維持従属工程54:
ウエーハ温度 590℃
サセプタ温度 630℃
シャワーヘッド温度 >425℃
反応室壁温度 100〜200℃
及び、安定化時間従属工程:
安定化工程時間、約10〜60秒(Ti−PECVD法条件に依存する)。
【0048】
他の安定化反応を用いた場合、安定化法条件は、選択された安定化反応によるウエーハ上のチタン膜のパッシベーションのために当業者によって決定することができるような条件になるであろう。しかし、室のための安定化は、処理されるウエーハの製造と両立できる反応であるのが好ましい。もしそうでないと、室の安定化は、ウエーハの安定化とは別の方法で、室中にウエーハを入れずに行われる。このことは、室に対する安定化法の連続的実施と、ウエーハに対する安定化法の実施とを含む。一般に、室の安定化と、ウエーハの安定化のために異なった安定化反応を使用することは、許容できない程、生産率に悪影響を与える。室のパッシベーションが、ウエーハへのパッシベーション法の実施に対し、同じ方法を用いた場合でも余りにも長くかかり過ぎる場合にもそのようになる。どのような理由にしろ、それらの方法がウエーハ又は室に対し連続的に実施されなければならない場合、ウエーハに蒸着する度び毎に室を安定化する必要はないが、2回、3回、又は他の蒸着回数の後、安定化する方法が最も実際的であり、そのために本発明の原理を用いることができる。
【0049】
上に記載した本発明の実施は、本出願の譲受け人による次の米国特許及び出願を参考にすることにより促進することができる:米国特許第5,665,640号、第5,667,243号及び第5,593,511号、及び米国特許出願Serial No.08/253,978(これらは、言及することによって本明細書に明確に組み入れる)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 湿式CVD室清浄化法で本発明の原理を用いた方法の工程図である。
【図2】 その場でのCVD室清浄化法で本発明の原理を用いた方法の、図1と同様な工程図である。
【図3】 基体の連続的CVD処理及びパッシベーションで本発明の原理を用いた方法の、図1及び2と同様な工程図である。
【図4】 図1〜3の方法の好ましい安定化工程を詳細に例示する工程図である。
Claims (28)
- CVD処理室中に支持された基体の上にチタンの層を化学蒸着するために該CVD処理室を操作する方法であって、前記処理室内のチタンの化学蒸着を行った後に、第二材料が前記処理室内の諸部品の上に堆積して被覆する間、前記処理室中へガスを導入し、前記処理室の諸部品の被覆された表面を、該ガスに曝す工程を含む、上記操作方法において、第二材料がTiCl x (x<4)であり、しかも、前記ガスがTiCl x (x<4)を安定化させる安定化ガスであり、それによって、前記処理室の諸部品上に不揮発性膜を形成して該処理室の安定性を維持することを特徴とする、上記操作方法。
- 安定化ガスが酸化性ガス又は還元性ガスである、請求項1記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入して、該処理室の諸部品のTiCl x 被覆された表面を該ガスに曝す工程は、該処理室内の少なくとも一つの基体上にチタンを堆積した後であって、該処理室内で処理するために該処理室内に他の一つの基体を導入する前に実施する、請求項1又は2に記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入して、該処理室の諸部品のTiCl x 被覆された表面を該ガスに曝す工程は、複数の基体の各々の上にチタンを連続的に堆積した後であって、該処理室内で処理するために該処理室内に複数の基体の次の基体を導入する前に実施する、請求項3記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入して、TiCl x 被覆された表面を安定化ガスに曝す工程は、該処理室から各々基体を取り除いて、同時に各々基体の上に堆積した材料をパッシベーションする前であって、該処理室の中に他の一つの基体を導入する前に実施する、請求項3又は4に記載の方法。
- 処理室内の各々基体を取り除く前に、それら基体をパッシベーションする工程を更に含む、請求項3又は4に記載の方法。
- 基体をパッシベーションする工程は、処理室の諸部品のTiCl x 被覆された表面を安定化ガスに曝すのと同時に、基体上のチタンを含有する膜を前記と同一の安定化ガスに曝すことによって実施する、請求項6記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入する工程が、NH3、H2、N2、O2、H2O、SiH4、B2H6及びCH4からなる群から選択されたガスを導入する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入する工程が、処理室中へアンモニアガスを導入し、次いで、CVD被覆された表面をそのアンモニアガスに曝して該表面上のチタンの上に窒化チタンを形成する工程を含む、請求項8記載の方法。
- 化学蒸着が、アルゴンガスと水素ガスとの混合物を真空圧レベルの処理室中へ導入し;該処理室内のそれらガスでプラズマを発生させ;該処理室の中にチタン含有反応性ガスを導入し;次いで、該反応性ガスを化学的に還元して、該処理室内にチタン含有膜を堆積させる;諸工程を含む、請求項8記載の方法。
- 化学蒸着が、アルゴンガスと水素ガスとの混合物を処理室中へ導入し;該処理室中にTiCl4ガスを導入し;次いで、このTiCl4ガスを前記水素ガスで化学的に還元して、チタンを堆積させる;諸工程を含む、請求項8記載の方法。
- TiCl4ガスを導入する工程が、このTiCl4ガスを水素ガスで化学的に還元して、チタンを堆積させる工程を含む、請求項11記載の方法。
- アルゴンガスと水素ガスとの混合物を処理室中へ導入する工程が、該混合物中にプラズマを生成する工程を含む、請求項11又は12に記載の方法。
- 処理室中へアンモニアガスを導入する工程は、約2〜10トル(266.64〜1333.22N/m2)の圧力で、約500〜5000sccmのアンモニア流量、約150〜450sccmのアルゴン流量、及び450kHzでの約250〜750ワットのプラズマ電力を用い、少なくとも10秒間の間実施する、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 安定化ガスを導入する工程は、処理室の諸部品の表面を清浄化した後であって、Ti−CVD処理のために該処理室の中に基体を導入する前に実施し、しかも、化学蒸着が、該処理室中にチタン含有反応性ガスを導入し;次いで、この反応性ガスを還元して、処理室の諸部品の上にチタン含有膜を堆積させる工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
- 処理室の諸部品の表面を清浄化した後であって、該処理室中にチタン含有反応性ガスを導入し、次いで、この反応性ガスを還元して、処理室反応器の諸部品の上にチタン含有膜を堆積させる前に、アルゴンガスと水素ガスとの混合物を真空圧レベルの該処理室の中に導入し;該処理室内のアルゴンガスと水素ガスとを用いて、反応器の諸部品の表面の近辺にプラズマを生成し;次いで、そのプラズマで部品の温度を上昇させる;諸工程を更に含む、請求項15記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入する工程は、約2〜10トル(266.64〜1333.22N/m2)の圧力で、約10〜5000sccmの安定化ガスの流量、約500〜5000sccmの水素流量、約50〜500sccmのアルゴン流量、及び約250〜750ワットのプラズマ電力を用い、少なくとも10秒間の間実施する、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入し、TiCl x 被覆された表面を該安定化ガスに曝す工程は、少なくとも425℃の温度に維持された該処理室内でガス導入用シャワーヘッドを用いて実施する、請求項7〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 処理室中へ安定化ガスを導入し、TiCl x 被覆された表面を該安定化ガスに曝す工程は、少なくとも100℃の温度に維持された該処理室内でチタン含有表面を用いて実施する、請求項7〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 反応器のCVD処理室の中で基体表面にチタン又はチタン含有膜を化学蒸着するのに用いる該処理室を清浄化する方法において、
前記処理室を清浄化して、該処理室を清浄化する前に該処理室中に存在していた処理条件に類似した状態にある、前に堆積した被覆性材料を、前記反応器の諸部品の表面から除去する工程;
前記の清浄化を行った後であって、Ti−CVD処理を行うために前記処理室の中に基体を導入する前に、真空圧レベルの処理室の中に不活性ガスと反応物ガスとの混合物を導入する工程;
前記処理室中のそれらガスを用いてプラズマを生成して、反応室の部品の温度をそのプラズマで上昇させる工程;
チタンを含有する反応性ガスを前記処理室中に導入して、該反応性ガスを化学的に反応させ、該処理室中の加熱済み諸部品の表面にTiCl x (x<4)の膜を堆積させる工程;及び
前記処理室の中に酸化性ガス又は還元性ガスを導入して、前記諸部品の表面上のTiCl x の膜にその酸化性ガス又は還元性ガスを接触させ、前記の堆積したTiCl x の膜を安定化させ、処理条件を、前に堆積した被覆性材料を前記反応器の諸部品の諸表面から取り除く前の、該処理室中に存在していた状態に類似した状態に回復させる工程;
を含む、上記清浄化方法。 - 清浄化工程が、反応器のCVD処理室の諸部品を開放して、湿式清浄化する工程を含む、請求項20記載の方法。
- 清浄化工程が、閉鎖され真空下にある、反応器のCVD処理室の諸部品をその場で清浄化する工程を含む、請求項20記載の方法。
- 清浄化工程が、処理室を清浄化して、反応器の諸部品の表面から、前に堆積したチタンを除去する工程を含み;混合物を導入する工程が、アルゴンガスと水素ガスとの混合物を真空圧レベルの前記処理室の中に導入する工程を含み;チタンを含有する反応性ガスを導入する工程が、TiCl4ガスを前記処理室の中に導入し、それを水素ガスで化学的に還元し、該処理室の諸部品の表面上にチタン膜を堆積させる工程を含み;更に、酸化性ガス及び還元性ガスを導入する工程が、前記処理室の中に酸化性又は還元性ガスを導入し、堆積しているチタン膜が安定化するのに十分長い時間、前記諸部品の表面上のチタン膜にその酸化性ガス又は還元性ガスを接触させる;請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
- プラズマ生成工程が、処理室内のシャワーヘッドの温度を、少なくとも425℃の温度まで上昇させる工程を含む、請求項23記載の方法。
- 処理室の中に酸化性ガス又は還元性ガスを導入し、堆積しているチタン膜が安定化するのに十分長い時間、諸部品の表面上のチタン膜にその酸化性ガス又は還元性ガスを接触させる工程の後、該処理室の中に基体を導入し、該処理室の中にTiCl4ガスを導入し、それを水素ガスで化学的に還元して該基体の表面にチタン膜を堆積させる工程を更に含む、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 基体を導入する工程の後、処理室の中に酸化性ガス又は還元性ガスを再び導入し、堆積しているチタン膜が安定化するのに十分長い時間、反応器の諸部品の表面上の膜にその酸化性ガス又は還元性ガスを接触させ;更に、前記処理室を更に清浄化する前に、該処理室の中にもう一つの基体を導入し、次いで、CVD処理を実施することによって、該基体を処理して該基体上に被覆性材料を堆積させる;諸工程を更に含む、請求項25記載の方法。
- 基体を導入する工程の後であって処理室から該基体を取り除く工程の前に、処理室の中に酸化性ガス又は還元性ガスを再び導入し、次いで、該基体の表面に堆積している膜が安定化するのに十分長い時間、該基体の表面上の膜にその酸化性ガス又は還元性ガスを接触させる工程を更に含む、請求項25記載の方法。
- 酸化性ガス又は還元性ガスを再び導入する工程が、処理室の中にアンモニアガスを導入し、次いで、基体上に窒化チタンを形成することによって該基体の表面に堆積している膜が安定化するのに十分長い時間、該基体の表面上の膜にそのアンモニアガスを接触させる工程を含む、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
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