JP3571476B2 - 画像形成装置および画像形成装置の位置ずれ検出装置および位置ずれ検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置および画像形成装置の位置ずれ検出装置および位置ずれ検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ねあわせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置は「デジタルのカラー複写装置」をはじめ「2色あるいは多色のプリンタ等」として知られている。
【0003】
このような画像形成装置で得られる「記録画像」は、複数のトナー画像を重ね合わせて得られるので、重ね合わせられる複数のトナー画像の相対的な位置関係が不正確であると、それらの合成画像である記録画像の像質が劣化する。
例えば、記録画像がマゼンタ・シアン・イエロー・黒の各色トナー画像を重ね合わせて得られるカラー画像である場合には、各色トナー画像の相対的な位置関係のずれは「色ずれ」となって現れ、記録画像としてのカラー画像の像質を著しく損なう。
【0004】
このため、このような画像形成装置では「互いに重ね合わせるべきトナー画像の位置ずれを検出する」ことが行なわれている。
位置ずれ検出の典型的なものは、例えば特開平7−261628号公報に記載されたように、各光書込装置ごとに位置合わせ用のマークを書き込んで潜像形成し、この潜像を現像して得られるトナー画像を転写ベルト上に転写し、転写されたトナー画像によるマークの「光学像」を光検出器上に結像させて検出するものであるが、マークを読み取るのに結像光学系を必要とするため、検出装置が高価になりやすい。また、結像光学系により転写ベルト表面と光検出器とが共役関係となるように、結像光学系と転写ベルトと光検出器との位置関係を調整するのが面倒である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の如き画像形成装置において、記録画像を構成する複数のトナー画像の位置ずれを、主・副走査方向とも簡易かつ精度良く検出できる位置ずれ検出方法の実現を課題とする。
この発明の別の課題は、上記位置ずれ検出方法を実施する位置ずれ検出装置の実現にある。
この発明の他の課題は、上記位置ずれ検出装置を有する画像形成装置の実現にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の画像形成装置における位置ずれ検出方法は「複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ね合わせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置において、複数のトナー画像の位置ずれを検出する方法」であり、以下の如き特徴を有する(請求項1)。
【0007】
即ち、副走査方向(光書込装置における副走査方向に平行的に対応する方向であり、転写ベルト上では「ベルト周面の走行方向」である)の位置ずれは以下の如くして検出する。
光書込装置ごとに、主走査方向に細長い「第1種パターン」を未定着のトナー画像として、定速回転する透明で共通の転写ベルトの表面に得る。転写ベルトが「共通」であるとは、光書込手段ごとに形成される第1種パターンが全て、上記転写ベルト上に形成されることを意味する。
「主走査方向」は、画像形成装置内において光書込装置における主走査方向に平行的に対応する方向であり、転写ベルト上では「ベルト周面の走行方向に直交する方向」である。
【0008】
上記第1種パターンを、定位置において副走査位置ずれ検出用の「第1光源」で転写ベルト表面側から照射し、転写ベルト裏面に密接もしくは極く近接して配された第1スリットを通った光を「第1受光素子」で受光する。
「第1スリット」は、主走査方向に長く、第1種パターンの幅と略等しい幅を有する。
第1受光素子からの、光書込装置ごとの第1種パターンの検出信号に基づき、光走査装置ごとの「副走査方向の位置ずれ量」を検出する。
【0009】
主走査方向の位置ずれは以下の如くして検出する。
光書込装置ごとに、第2種パターン列を上記転写ベルト上に、未定着のトナー画像として形成する。
「第2種パターン」は、副走査方向に長く、主走査方向の幅:Dが「画素」程度の矩形形状である。幅:Dが画素程度であるとは、Dの大きさが、感光体上に光書込用に結像する光スポットの主走査方向のスポット径の「数分の1」〜数倍程度であることをいう。光スポット系よりも小さい径の潜像を書き込むには、光スポットが一般にガウス型の強度分布を有することを利用し、発光強度を小さめに設定すればよい。
【0010】
「第2種パターン列」は、上記1連の第2種パターンを主走査方向へ所定の微少幅:d(≦D)ずつずらし、副走査方向に連ねて未定着のトナー画像として形成したものである。
これら1連の第2種パターンを「所定の位置」において主走査位置ずれ検出用の「第2光源」により転写ベルト表面側から照射し、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備された「第2スリット」を介して第2の受光素子で受光する。
「第2スリット」は、副走査方向の長さが第2種パターンの長さと同程度で、主走査方向には第2種パターンの幅:Dと略等しい幅の矩形形状を有する。
第2受光素子からの、光走査装置ごとの第2種パターン列の検出信号に基づき、光走査装置ごとの「主走査方向の位置ずれ量」を検出する。
【0011】
このように、この発明における位置ずれ検出方法は、主・副走査方向とも「パターンとスリットとの相関によるパターンマッチング」で行なわれるので、第1・第2種パターンの像を受光素子上に結像させる必要が無く、従って、従来技術(特開平7−261628号公報記載の技術)で必要とする「結像光学系」は不用である。
【0012】
上記第1種パターンは、各光書込み装置ごとに1個ずつ形成してもよいが、各光書込装置ごとに、第1種パターンを複数個、同一の主走査で形成してもよく、これら複数個の第1種パターンを、主走査方向へ1列直線状に配列された複数個の第1スリットと、複数の第1光源および複数の第1受光素子を用いて、請求項1記載の方法と同様の方法で検出することができる(請求項2)。
ここに「第1種パターンを複数個、同一の主走査で形成する」とは、主走査方向に並ぶ複数の第1種パターンが、同じ主走査で形成されること、換言すれば、第1種パターンを形成するとき、各主走査が複数の第1種パターン形成用の画像信号で書込みを行なうことをいう。従って、もし主走査ラインに曲がりが無く、主走査ラインが副走査方向に傾き成分を持っていなければ、複数の第1種パターンは主走査方向に1列直線状に配列されることになる。
【0013】
複数の第1種パターンとして、2個の第1種パターンを「主走査方向の両端部近傍」に形成し、これらを上記の如くして検出する(請求項3)と、ある光書込装置による2つの第1種パターンの検出時間にずれがあれば、当該光書込装置における主走査方向が「主走査方向に対して傾いている」ことが分かる。従って、この方法により、各光書込装置の主走査方向の傾き誤差(主走査方向との平行度誤差)を検出できる。
【0014】
また、3つの第1種パターンを、主走査方向の両端部近傍および中央部近傍に形成し、これらを上記の如く検出する(請求項4)と、ある光書込装置による3つの第2種パターン相互の検出時間にずれがあれば、当該光書込装置の主走査線に「傾き」や「曲がり」があることを検出できる。
【0015】
同様に、光書込装置ごとの1連の第2種パターンの列を、主走査方向に分離して2列以上形成し、各第2種パターン列に対応して配備された第2光源、第2スリット、第2受光素子により、各第2種パターン列を請求項1記載の方法と同様の方法で検出することが出来る(請求項5)。
【0016】
この場合において、光書込装置ごとの1連の第2種パターンの列を2列、主走査方向の両端部近傍に形成することができ(請求項6)、あるいはまた、光書込装置ごとの1連の第2種パターンの列を3列、主走査方向の両端部近傍と主走査方向の中央部近傍とに形成することができる(請求項7)。
画像形成装置における光書込装置が「光走査方式のもの」であると、各光走査装置ごとの結像光学系(fθレンズ等)の結像倍率に微妙な差があるのが普通である。このように結像倍率が不揃いであると、主走査方向の書込幅が光走査装置ごとに異なるが、上記のように複数の第2種パターン列を主走査方向に分離して形成することにより、このような結像倍率の誤差を検出することが可能になる。
【0017】
上記請求項1〜7の任意の1に記載の発明において、「第1スリットと実質的に合同のスリット形状を持つ第1補助スリット」を、各第1光源と転写ベルトとの間に、第1補助スリットと第1スリットとが互いに重なる(光源により照射される部分の転写ベルトの表面に直交する方向から見て、第1補助スリットと第1スリットが一致する)ようにして配備し、「第2スリットと実質的に合同のスリット形状を持つ第2補助スリット」を、各第2光源と転写ベルトとの間に、第2補助スリットと第2スリットとが互いに重なるようにして配備することができる(請求項8)。
【0018】
あるいはまた、上記第1及び第2補助スリットを設ける代わりに、第1および第2光源からの光束を「光源ごとに設けられたレンズ」によりそれぞれ、少なくとも第1、第2スリットの幅方向に平行光束として転写ベルト側に照射するようにできる(請求項9)。上記レンズとしては各スリットの幅方向に正のパワーを持つシリンダレンズを用いることができる。
【0019】
上記請求項1〜9の任意の1に記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、第1スリットを有する第1スリット部材、及び第2スリットを有する第2スリット部材を、位置ずれ検出を行なう間「転写ベルトに強制的に接触させる」ようにすることができる。
【0020】
この発明の画像形成装置における位置ずれ検出装置は「複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ね合わせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置において、複数のトナー画像の位置ずれを検出する装置」であり、パターン出力手段と、検出手段と、1以上の副走査位置ずれ手段と、1以上の主走査位置ずれ検出手段と、演算手段と、ベルトクリーニング手段とを有する(請求項11)。
【0021】
「パターン出力手段」は、1以上の第1種パターンおよび1以上の第2種パターン列を共通の転写ベルト上に得るための潜像パターンを、各光書込装置により形成させる手段であり、例えば、画像形成プロセスを制御するコンピュータ等の制御手段に「パターン出力データ」を位置ずれ検出プログラムの一部として記憶させたものとして実現できる。
【0022】
「副走査位置ずれ検出手段」は、第1種パターンを検出する手段であって、1以上が配備される。
「主走査位置ずれ検出手段」は、第2種パターン列における各第2種パターンを検出する手段であって、1以上が配備される。
「演算手段」は、副走査位置ずれ検出手段と主走査位置ずれ検出手段による検出結果に基づき位置ずれを演算する手段であり、上記コンピュータ等の制御手段として実現できる。
【0023】
「ベルトクリーニング手段」は、第1種パターンおよび第2種パターンを転写ベルト上から除去する手段である。第1種および第2種パターンは未定着のトナー画像であるから、クリーニング手段としては、従来から知られた電子複写機等における感光体クリーニングのための各種クリーニング手段を適宜利用できる。
【0024】
1以上配備される副走査位置ずれ検出手段の各々は、第1種パターンごとに対応して転写ベルト表面側において定位置に設けられる第1光源と、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、主走査方向に長く、第1種パターンの幅と略等しい幅を持つ副走査位置ずれ検出用の第1スリットを有する第1スリット部材と、第1スリットを透過した光を受光する第1受光素子とを有する。
【0025】
1以上配備される主走査位置ずれ検出手段の各々は、第2種パターン列ごとに対応して転写ベルト表面側において定位置に設けられる第2光源と、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、主走査方向の長さが第2種パターンの長さに略等しく、第2種パターンの幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第2スリットを有する第2スリット部材と、第2スリットを透過した光を受光する第2受光素子とを有する。
【0026】
第1・第2光源としては、LDやLED等の発光素子を用いることができる。しかし、転写ベルトに形成されるトナー画像が異なる色である場合には、LED等からの単色光では、第1種パターンや第2種パターンの検出精度が、これらパターンの色により左右される場合も有りうるので、このように位置ずれを検出する複数のトナー画像の色が異なるときには、第1光源・第2光源とも、白色ランプを用いるのが良い。
【0027】
請求項11記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、各副走査位置ずれ検出手段は「第1補助スリットを有する第1補助スリット部材」を有することができ、各主走査位置ずれ検出手段は「第2補助スリットを有する第2補助スリット部材」を有することができる(請求項12)。
【0028】
上記請求項11記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、各副走査位置ずれ検出手段は「第1光源からの光束を、少なくとも第1スリットの幅方向における平行光束として転写ベルト側に照射するレンズ」を有することができ、各主走査位置ずれ検出手段は「第2光源からの光束を、少なくとも第2スリットの幅方向における平行光束として転写ベルト側に照射するレンズ」を有することができる(請求項13)。
【0029】
また、上記請求項11,12,13記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、「第1スリットを有する第1スリット部材」および「第2スリットを有する第2スリット部材」を、位置ずれ検出を行なう間、転写ベルトに強制的に接触させる「押圧手段」を設けることができる(請求項14)。
【0030】
この発明の画像形成装置は「複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ね合わせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置」であって、上記請求項11または12または13または14記載の位置ずれ検出装置を有することを特徴とする(請求項15)。
【0031】
この画像形成装置における「転写ベルト」は、記録シートを保持して転写部を通過させつつ、トナー画像を記録シート上に転写させるための転写搬送ベルトであることが出来る(請求項16)。また転写ベルトとして、感光体上に形成されたトナー画像を記録シート上に受け渡すための「中間転写媒体」としての中間転写ベルトを用いることもできる。
【0032】
また、複数の光書込装置を、マゼンタ画像用の光書込装置と、シアン画像用の光書込装置と、イエロー画像用の光書込み装置と、黒画像用の光書込装置とし、これら各光書込装置による書込みが互いに異なる感光体に対して行なわれるようにすることができる(請求項17)。
【0033】
光書込装置は、例えば「LEDアレイとレンズアレイとの組合せ」として構成することもできるが、「光走査方式」の光書込装置を用いる場合、上記位置ずれ検出装置により検出された副走査位置ずれに応じて各光書込装置への画像信号印加のタイミングを調整し、位置ずれ検出装置により検出された主走査位置ずれに応じて各光書込装置における書き出し位置を調節することにより、各光走査装置により書き込まれる像の位置を、主・副走査方向において調整するようにできる(請求項18)。
【0034】
記録画像を定着されるべき「記録シート」としては、通常の転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のシートを用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図6は、この発明の画像形成装置の実施の1形態を要部のみ略示している。 符号10で示す「転写ベルト」は厚さ:100μm程度の「透明樹脂のフィルム」で無端状であり、図の如くプーリ11A,11Bに巻き掛けられ、プーリ11Aを矢印方向へ回転駆動することにより、反時計回りに回転する。
【0036】
転写ベルト10の、平面的に張り渡された上部周面の上には、複数の画像形成部20BK,20C,20M,20Yが図のように配備されている。これら4つの画像形成部は構造的には同一のものであり、各画像形成部の差異は現像装置において用いられるトナーの色のみであるので、画像形成部20BKを例に取ってその構成と動作とを説明する。
【0037】
転写ベルト10に接するように光導電性の感光体201が配備される。感光体201は円筒状で時計回りに回転可能である。画像形成を行うときには、感光体201は時計回りに等速回転しつつ帯電ローラ202による接触帯電により均一帯電される。勿論、接触帯電に換えて、コロナチャージャによる帯電を利用することもできる。
【0038】
均一帯電された感光体201に、光書込装置203による画像書込みが行われる。このとき光書込装置203には、制御装置19から黒トナーTBKにより現像されるべき黒画像情報が入力される。この光書込が行われると、感光体210には黒画像情報に従う静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置204により黒色のトナーTBKで反転現像されて「黒トナー画像」となる。
【0039】
記録シートSは、図の如く搬送されて転写ベルト10上に乗り、転写ベルト10の反時計回りの回転に従い図の左方へ搬送され、画像形成部20BKの転写部において、感光体201上の黒トナー画像を転写チャージャ21BKにより電気的に転写される。
【0040】
画像形成部20Cでは上記と同様にして「シアントナー画像」が形成され、画像形成部20Mでは「マゼンタトナー画像」、画像形成部20Yでは「イエロートナー画像」がそれぞれ「異なる感光体」に形成される(請求項17)。
これらシアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像は、それぞれ転写チャージャ21C,21M,21Yにより、同一の記録シートS上に転写される。かくして上記4色のトナー画像は同一の記録シートS上で互いに重なり合い、記録すべき「カラー画像」を構成する。カラー画像を形成された記録シートSは転写ベルト10から分離し、図示されない定着装置へ送られ、定着装置においてカラー画像を「記録画像」として定着されて装置外へ排出される。
【0041】
このように、図6の画像形成装置は「複数の光書込装置203等により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ねあわせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シートS上に定着する装置」である。また、転写ベルト10は「記録シートを保持して転写部を通過させつつ、トナー画像を転写させるための転写搬送ベルト」である(請求項16)。
【0042】
図6における制御装置19は、コンピュータ等による制御部と、画像信号の入出力と処理を行う画像処理部とを有し、前記の如く、光書込装置203等へ画像信号を入力させたりする他、画像形成部20BK等を始め、装置の各部の動作を制御する。
記録すべき画像に関する情報は「画像読取装置で読み取った画像情報や、フロッピディスク等から読み取った画像情報、コンピュータで発生させた画像情報や外部から入力される画像情報等」である。
【0043】
符号12で示す「位置検出部」は、この発明の位置ずれ検出装置により、各色トナー画像の位置ずれを検出する部分であり、除電部15は転写ベルト10の除電を行う部分であり、符号17で示すベルトクリーニング装置17は転写ベルトに付着したトナーを除去する装置であり「ベルトクリーニング手段」を構成する(請求項11)。
【0044】
図1を参照する。
図1(a)において符号123は「スリット部材」を示す。スリット部材123は、図示の如く、主走査方向に長い長方形形状で、長手方向の両端部近傍に、2つの第1スリットSL11,SL12と、2つの第2スリットSL21,Sl22を有している。符号PT1BK1,PT1BK2は「黒トナーによる2つの第1種パターン」、符号PT1C1,PT1C2は「シアントナーによる2つの第1種パターン」、PT1M1,PT1M2は「マゼンタトナーによる2つの第1種パターン」、PT1Y1,PT1Y2は「イエロートナーによる2つの第1種パターン」をそれぞれ示す。これらの第1種パターンは、それぞれの色のトナーにより、未定着のトナー画像として転写ベルト10上に形成される。
【0045】
即ち、図6における各画像形成部20BK,20C,20M,20Yの各光書込装置には、制御装置19から、これら各色トナーによる第1種パターンを書込むための「パターン情報」が入力され、各光書込装置は入力されるパターン情報に従い書込みを行い、形成される静電潜像は各現像装置により所定の色のトナーで現像され、得られるトナー画像は各転写チャージャ21BK,21C,21M,21Yにより転写ベルト10(定速回転している)上に直接転写される。
従って、図6に示す制御装置19は「1以上の第1種パターンを共通の転写ベルト上に得るための潜像パターンを、各光書込装置により形成させるパターン出力手段」を構成する。
【0046】
上記第1種パターンPT1BK1,PT1BK2,..等は基本的に同一パターンで「主走査方向に細長い矩形形状」である。これらの第1種パターンの「長さ」は、必要な検出精度を得るためには有る程度の長さを必要とするが、3〜5mm程度が好適であり、「幅」は副走査方向の画素幅の数分の1から数倍程度が好適である。例えば、記録密度が600dpiであれば、1画素の大きさ(光スポット径)は略42μmであるから、第1種パターンの好適な幅として、例えば80μm程度を挙げることができる。
スリット部材123に形成された第1スリットSL11,SL12は、主走査方向に長く、第1種パターンPT1BK1等の幅と略等しい幅をもち、副走査位置ずれ検出用である。
【0047】
図1(b)において、符号PT2BK1,PT2BK2は、黒トナーによる未定着の画像として転写ベルト10に形成された第2種パターンを示す。第2種パターンPT2BK1,PT2BK2は「副走査方向に長い矩形形状」で、このような第2種パターンが「主走査方向へ所定幅ずつずらされて副走査方向へ連なるように形成」され、このように複数の第2種パターンが副走査方向へ連なって第2種パターン列PTBK1,PTBK2を構成する。
図1(b)には「黒トナーによる第2種パターン列」を示したが、これと同様の第2種パターン列が、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーによってもそれぞれ形成される。
即ち、これら第2種パターン列に対応するパターンが、パターン出力手段である制御装置19(図6)から各光書込装置へ出力され、書込形成された静電潜像がそれぞれの色(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)のトナーで現像され、得られる各色トナー画像が転写ベルト10上に転写されて、それぞれ未定着の第2種パターン列となるのである。
【0048】
第2スリットSL21,SL22は、副走査方向の長さが第2種パターンの長さに略等しく、第2種パターンの幅と略等しい幅をもち、副走査位置ずれ検出用である。
【0049】
図1に示すスリット部材123は、「主走査方向に長く、第1種パターンPT1BK1等の幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第1スリットSL11,SL12を有する第1スリット部材」と、「副走査方向の長さが第2種パターンPT2BK1等の長さに略等しく、第2種パターンの幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第2スリットSL21,SL22を有する第2スリット部材」とを一体化したものである。
【0050】
図1(c)は、第1種パターンPT1BK1等を検出するための副走査位置ずれ検出手段を説明図的に示している。
「副走査位置ずれ検出手段」は、第1種パターンごとに対応して転写ベルト10の表面側において定位置に設けられる第1光源121と、転写ベルト10の裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、主走査方向に長く第1種パターンの幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第1スリットSL11を有する第1スリット部材123と、第1スリットSL11を透過した光を受光する第1受光素子125とを有する。第1光源121は「白色光源ランプ」である。
【0051】
第2種パターンの検出による「主走査位置ずれ検出手段」も、図1(c)と同様の構成であり、第1光源の代わりに第2光源が、第1受光素子の代わりに第2受光素子が用いられる。
図1(a),(b)に即して言えば、スリット部材123に形成された第1スリットSL11,SL12の各々に応じて第1光源と第1受光素子が配備され、第2スリットSL21,SL22の各々に応じて、第2光源と第2受光素子とがそれぞれ図1(c)の配備態様と同様に配備されるのである。
このように配備された各第1受光素子の出力および各第2受光素子の出力は、図6に示す制御装置19へ入力される。
【0052】
図1(c)において、符号127は「第1補助スリット部材と第2補助スリット部材とを一体化した補助スリット部材」を示す。補助スリット部材127は、図1(a)に示すスリット部材123と合同的な形状で、スリット部材123における第1スリットSL11,SL12、第2スリットSL21,SL22と合同的に重なり合う2つの第1補助スリットおよび2つの第2補助スリットを有している。補助スリット部材127は、転写ベルト10の表面に直交する方向(図1(c)の上下方向)から見た場合に、各スリットと対応する補助スリットが重なり合うように配備される。
【0053】
スリット部材123の方は転写ベルト10の裏面に極く近接するか、もしくは接触するように設けられるが、補助スリット部材127は、転写ベルト10の表面側に対して「1mm程度の間隙」をあけて配備される。このように、補助スリット部材を設けることにより、転写ベルト10の「走行に伴うベルト厚み方向への変動」を有効に抑えることができ、またベルト表面に対して斜め方向から第1種・第2種パターンを照射する光成分による検出のS/N比の低下を有効に緩和できる。
上記のように、図1に示す実施の形態は、2つの副走査位置ずれ検出手段と、2つの主走査位置ずれ検出手段とを有する。
先ず、副走査方向の位置ずれ検出を図2に即して説明する。
図2(a)に示す如く、各光書込装置ごとに、第1種パターンPT1BK1,PT1BK2、PT1C1,PT1C2、PT1M1,PT1M2、PT1Y1,PT1Y2を転写ベルト10に形成する。このとき「パターン出力手段」である制御装置19(図6)は「正規のタイミング」でパターン出力を行う。正規のタイミングは「副走査方向の位置ずれが無いとすれば、第1種パターンPT1BK1,PT1C1,PT1M1,PT1Y1が等間隔になるようなタイミング」である。
【0054】
このように形成された第1種パターンPT1BK1,PT1C1,PT1M1,PT1Y1をスリットSL11とパターンマッチングさせ、第1受光素子の出力をパルス信号化したものは図2(b)に示す如くになる。
4色の第1種パターン相互に「副走査方向の位置ずれ」が無ければ、図2(b−1)に示すように、第1種パターンPT1BK1が検出されてから、第1種パターンPT1C1,PT1M1,PT1Y1が検出されるまでの時間:tC,tM,tYの差:tM−tC,tY−tMは互いに等しくなる。
【0055】
しかるに、例えば、シアントナーによる第1種パターンに副走査方向の位置ずれがあると、第1受光素子から得られる検出パルスの状態は、例えば図2(b−2)の如くになり、第1種パターンPT1BK1が検出されてから、第1種パターンPT1C1が検出されるまでの時間:tC’が正規の時間:tCからずれるので、時間のずれ量:Δt(=tC’−tC)を演算することにより、シアントナーによるトナー画像の副走査方向の位置ずれ量を検出できる。上記「演算」は、図6に示す前記制御装置19により行う。従って制御装置19は「副走査位置ずれ検出手段による検出結果に基づき位置ずれ量を演算する演算手段」を構成する。
【0056】
このようにして、例えば、シアントナーによる第1種パターンにより副走査方向の位置ずれが検出されたら、実際の画像形成を行う時には「シアントナーのトナー画像となるべき静電潜像」の書込みのタイミングを正規のタイミングから、前記時間:Δtだけ早める(Δt>0のとき)か、あるいは遅らせる(Δt<0のとき)ことにより、他の色のトナー画像に対する、シアントナーによるトナー画像の副走査方向の相対的なずれを補正することができる。勿論、このような補正は図6の制御装置19により行う。
【0057】
上の説明では、第1種パターンPT1BK1,PT1C1,PT1M1,PT1Y1をスリットSL11とパターンマッチングさせて副走査方向の位置ずれ検出を行ったが、この位置ずれ検出と同時に、第1種パターンPT1BK2,PT1C2,PT1M2,PT1Y2をスリットSL12とパターンマッチングさせて副走査方向の位置ずれ検出を行うことができる。
【0058】
その結果、例えば、シアントナーによる第1種パターンPT1C1の検出パルスが図2(c)の(c−1)の如くで、第2種パターンPT1C2の検出パルスが図2(c)の(c−2)の如くになり、両者間に時間:ΔTだけのずれがあると、このずれ時間:ΔTにより、シアントナーによるトナー画像の、主走査方向の「傾き」を検出することができる。
即ち、図2(a)に示すように、第2スリットSL11,SL12の間の距離をL、転写ベルト10の走行速度をVとする。上記傾きの角をθとすると、各:θは演算「θ=tan ̄1(ΔT・V/L)」を行うことにより得ることができる。
【0059】
このようなトナー画像の傾きは、光走査装置と感光体との位置関係にねじれによるから、画像形成装置の出荷時に、上記の如くして各色トナーのトナー画像の傾きを上記の如く検出して、光走査装置と感光体の位置関係を調整することにより、上記トナー画像の傾きのない画像形成装置を提供できる。
【0060】
さらに、図2(d)に示すように、スリット部材123に、主走査方向の中央部に、第3の第1スリットSL13を形成し、これに対応して、各色のトナー毎に、第1種パターンPT13を形成し、これを、主走査方向両端の第1種パターンPT11,PT12とともに検出すれば、各トナー画像を形成する光走査装置における主走査線SLの曲がりを検出することができる。このような走査線の曲がりは光走査型の光書込装置において生じ易く、その原因は「光学系の光軸の傾きやずれ等」にあるので、画像形成装置の出荷時に上記走査線の曲がりを検出し、その結果に基づき光学系の再調整を行うことにより、実質的に走査線の曲がりの無い画像形成装置を実現できる。
【0061】
上記の如くして、各色のトナー画像の副走査方向の位置ずれを検出することができ、その結果に基づき位置ずれを補正できる(請求項18)。
【0062】
以下、主走査方向の位置ずれの検出を説明する。
図3(a)は、図1(b)における第2スリットSL21と第2種パターン列PTBK1との関係を説明図的に示している。
【0063】
黒トナーによる第2種パターンPT2BK1は「副走査方向に長く、主走査方向幅:Dが画素程度の矩形形状」であり、このような第2種パターンPT2BK1を複数個、主走査方向へ所定の微少幅:d(≦D)ずつずらして、副走査方向へ連接して転写ベルト10表面に未定着のトナー画像として形成したものが第2種パターン列PTBK1である。
【0064】
第2種パターン列PTBK1は黒トナーによる未定着トナー像であるが、同様の第2種パターン列が各色のトナー毎に形成される。また、必要に応じて、光書込装置ごとに複数の第2種パターン列が、主走査方向に分離して複数列形成されるのである。前述した図1(b)では、第2種パターン列PKBK1,PTBK2が主走査方向の両端部近傍に形成されている。
【0065】
第2種パターンPT2BK1等の長さ:lは、パターンマッチングの精度を十分に得られる範囲で、数mm程度、例えば3〜5mm程度が適当である。また、主走査方向の幅:Dは上述の如く「画素程度」であるが、前述の600dpiの画像密度であれば、20μm〜120μm程度が好適である。また微少幅:dを小さく設定するほど主走査方向の位置ずれを細かく検出できるが、実際には、各主走査ごとの光スポットの位置を副走査方向に厳密に揃えることはできず、上記位置には光スポット径の1/10程度のバラツキが生じるから、この点を考えると、微少幅:dとしては最小で20μm程度と考えられる。
【0066】
一方、スリット部材123に形成された第2スリットSL21は「副走査方向の長さ:ηが第2種パターンの長さ:lと同程度で、前記幅:Dと略等しい幅:ξをもつ矩形形状」で、第1種パターンとのパターンマッチングで位置ずれ検出を行う。
【0067】
また、微少幅:dを小さくすると、主走査方向のずれの検出に必要な検出幅をカバーするのに、第2種パターン列の長さが長くなるという問題もある。
【0068】
説明中の実施の形態では、第2種パターンは長さが3mm、幅:Dが40μmであり、微少幅:dも40μmに設定され、一つの第2種パターン列は第2種パターンを副走査方向に20個連ねた構成となっている。
【0069】
主走査方向の位置ずれ検出に先立ち、前述した副走査方向の位置ずれ検出を行い、検出結果に従い、各第2種パターン列を副走査方向には「ずれがない」ように形成する。勿論この時、転写ベルト10は定速:Vで回転させている。
【0070】
このようにすれば、第2種パターン列の形成開始から、形成された第2種パターン列の先頭部分が、位置ずれ検出部の第2スリットの部分に到達するのに必要な時間は、各第2種パターン列ごとに定まるから、この時間で制御して、第2種パターン列ごとに「第2種パターンと第2スリットとのパターンマッチング」を行う。即ち上記時間をカウントし、最初の第2種パターンが第2スリット部分に到達する時間から各第2種パターンが第2スリットと「長さ方向で重なる時刻」で第2受光素子の出力をサンプリングする。
【0071】
そうすると、サンプリングの結果は図3(b)に示す如きものになる。サンプリングされた階段状信号の「最小値を与える部分」で、第2種パターンと第2スリットの重なり(マッチング)は最大となる。
【0072】
そこで、主走査方向に「ずれが無い」場合に、第2種パターンと第2スリットとがマッチングする時間(第2種パターン列の、転写ベルトへの形成位置と第2スリットとの間の距離と転写ベルトの走行速度:Vとにより予め設定しておく)を図3(b)のように時間:T1とし、時間:T1と実際にマッチングされた時間:Tとの差:Δτを検出すると、第2種パターンの長さ:l、走行速度:V、上記Δτと微少幅:dとにより、第2種パターン列は主走査方向に「(V・Δτ/l)・d」だけ「正規の位置よりもずれている」ことが分かる。
【0073】
従って、このような主走査方向の位置ずれの検出を、各光書込装置における主走査方向に1端側で行えば、光書込装置ごとに対応するトナー画像の主走査方向の位置ずれを検出することができる。
【0074】
とくに、光走査型の光書込装置の場合には、上記位置ずれ検出を主走査における書き出し側で行えば、書き出し位置のずれを検出できるから、光走査の同期信号(光書き出し側に設けた受光素子で走査光束を検出して発生させる)の発生から、書き出し開始までの時間を調整することにより、上記位置ずれを簡単に補正することができる。
【0075】
光書込装置が光走査型である場合、偏向光ビームを感光体上に光スポットとして結像させる光学系は光書込装置ごとに別個のものになるが、これら光学系の結像倍率を互いに完全に同一に設定することは極めて難しく、このため、複数の光書込装置のそれぞれが、互いに僅かながら異なる結像倍率を持つことになる。
【0076】
この結像倍率の差は、光走査により書き込まれる主走査線の長さの変化となって現れる。そこで図3(c)に示すように、光書込装置ごとに2連の第2種パターン列PT2A,PT2Bを主走査方向の両端部に形成し、これらにより主走査方向の位置ずれΔA,ΔBを検出し(請求項5,6)、その結果に基づき「ΔA−ΔB」を図6の制御装置19で演算すると、演算結果が0であれば結像倍率は適正であり、演算結果が0でないときは、演算結果が「正」であるか「負」であるかに応じて、結像倍率が設定値より大きいか小さいかを検出できる。
【0077】
この場合において、光走査の書き出し位置が大きくずれていると、第2種パターン列PT2AもしくはPT2Bの一方によるずれ検出ができないことも有り得る。このような場合には結像倍率の誤差の検出ができない。この事態を避けるには、図3(c)に示すように、第3の第2種パターン列PT2Cを主走査方向の中央部近傍に形成し(請求項7)、これを第2スリットSL23とのパターンマッチングで主走査方向のずれを検出するようにすれば、第2種パターン列PT2A,PT2Bの一方で位置ずれを検出できないような場合にも、第2種パターン列PT2Cと、第2種パターン列PT2A,PT2Bの何れか一方とで結像倍率の誤差を検出できる。
【0078】
このような結像倍率の誤差があるときには、光走査による画素書込みのタイミングを与える画素書込み用のクロックの周期を調整することにより結像倍率の誤差に伴う主走査方向の書込み幅の誤差を補正できる。
【0079】
上記のようにして、副走査方向、主走査方向の位置ずれを検出したら、定着ベルト10上に形成された第1種・第2種パターンは、図6に示すように除電部15で除電され、クリーニング装置17により転写ベルト10上から除去される。
【0080】
なお、位置ずれ検出は「画像形成プロセスが行われる前に必ず行う」ようにしてもよいし、一定回数(例えば100回)の画像形成プロセスが行われるごとに1回の割合で行うようにしても良い。また、位置ずれ検出は「連続する画像形成プロセスのプロセス間」に行うようにしてもよい。
【0081】
上には、転写ベルト表面側に、第1補助スリットと第2補助スリットを有する補助スリット部材127(図1(c))を用いる場合(請求項8,12)を説明した。保持スリット部材127は、前述したように、転写ベルト10の表面側に対して1mm程度の間隙をあけて配備され、転写ベルト10の「走行に伴うベルト厚み方向への変動」を有効に抑え、ベルト表面に対して斜め方向から第1、第2種パタンを照射する光成分によるS/N比の低下を有効に軽減する。
同様の効果は、図4(a)に示すように、光源121からの光束を光源ごとに設けられたレンズ126により、少なくともスリットの幅方向(図4(a)において図面に直交する方向)に平行光束として転写ベルト10側に照射することによっても得ることができる(請求項9,13)。
【0082】
レンズ126は、図面に直交する方向(スリットの長手方向)にパワーを持たないシリンダレンズである。図1(c)において、符号121は第1光源、符号125は第1受光素子を示したが、図4においては符号121をもって第1光源または第2光源を示し、符号125を持って第1受光素子または第2受光素子を示す。また符号PTにより第1種または第2種パターンを示す。
【0083】
上記の如くすると、図4(b)に示すように、パターンPTを照射する照明光が、パターンPTの形成された転写ベルト部分に斜めに入射することに伴う、位置ずれの検出誤差を軽減できる。
【0084】
なお、図4において、符号1230で示すスリット部材は、平行平板ガラスの123Aの片面(転写ベルト10側の面)に金属膜123Bを形成し、この金属膜123Bに矩形形状のアパーチュアをスリットとして形成したものである。勿論スリット部材としては、金属板等の遮光板にスリットを穿設したものを用いることができる。この場合、金属板の厚さがスリットは場の数倍以上もあれば、上記補助スリット部材やレンズの使用を省略することもできる。
【0085】
また、転写ベルト10は、位置ずれ検出を行う間、第1スリットを有する第1スリット部材および第2スリットを有する第2スリット部材に接触していることが、検出制度の低下を防止する上で好ましい。このようにするには、位置ずれ検出を行なう間、転写ベルト10と第1および第2スリット部材とを強制的に接触させればよい(請求項10,14)。
【0086】
図5は、このようにする場合の実施の1形態を示している。
符号13で示す押圧用のプーリをアーム130により揺動自在に支持し、アーム131に緊縮性のバネ131の引張り力を作用させて、通常はプーリ13が転写ベルト10に接触しないようにしておき、位置ずれ検出を行うときにはソレノイド132によりアーム130を反時計方向へ回転させて、プーリ13により転写ベルト10をスリット部材1230に強制的に押圧し、転写ベルト10がスリット部材1230から浮き上がらないようにする。勿論、プーリは必要に応じて複数個を用い、各プーリは第1種・第2種パターンに触れない部分で転写ベルト10を押圧するようにする。
【0087】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な画像形成装置および画像形成装置における位置ずれ検出方法および装置を実現することができる。
この発明の位置ずれ検出方法及び装置によれば、複数の光書込装置による光書込みを通じて形成される複数のトナー画像の主走査方向および副走査方向の位置ずれを簡素に検出することができる。また、この発明の画像形成装置は、上記の位置ずれ検出装置を有するので、各トナー画像の位置ずれを制度良く検出して対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の位置ずれ検出方法を説明するための図である。
【図2】副走査方向の位置ずれ検出を説明するための図である。
【図3】主走査方向の位置ずれ検出を説明するための図である。
【図4】請求項9,13記載の発明の実施の1形態を示す図である。
【図5】請求項10,14記載の発明の実施の1形態を示す図である。
【図6】この発明の画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【符号の説明】
10 転写ベルト
123 スリット部材
PT1BK1 黒トナーによる第1種パターン
SL11 第1スリット
SL21 第2スリット
121 第1光源
125 第1受光素子
Claims (18)
- 複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ね合わせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置において、上記複数のトナー画像の位置ずれを検出する方法であって、
光書込装置ごとに、主走査方向に細長い第1種パターンを未定着のトナー画像として、定速回転する透明で共通の転写ベルトの表面に得、上記第1種パターンを、定位置において副走査位置ずれ検出用の第1光源で上記転写ベルト表面側から照射し、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、主走査方向に長く上記第1種パターンの幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第1スリットを介して第1受光素子で受光し、上記第1受光素子からの、光書込装置ごとの第1種パターンの検出信号に基づき、光走査装置ごとの副走査方向の位置ずれ量を検出し、
上記光書込装置ごとに、副走査方向に長く、主走査方向幅:Dが画素程度の矩形形状の一連の第2種パターンを、主走査方向へ所定の微少幅:d(≦D)ずつずらして、副走査方向へ連接して上記転写ベルト表面に未定着のトナー画像として形成し、これら1連の第2種パターンを所定の位置において主走査位置ずれ検出用の第2光源で上記転写ベルト表面側から照射し、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、副走査方向の長さが第2種パターンの長さと同程度で、上記幅:Dと略等しい幅をもつ矩形形状の主走査位置ずれ検出用の第2スリットを介して主走査位置ずれ検出用の第2受光素子で受光し、上記第2受光素子からの、光走査装置ごとの第2種パターン列の検出信号に基づき、光走査装置ごとの主走査方向の位置ずれ量を検出することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項1記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
光書込装置ごとに、第1種パターンを複数個、同一の主走査で形成し、
これら複数個の第1種パターンを、主走査方向へ1列直線状に配列された複数個の第1スリットと、複数の第1光源と複数の第1受光素子を用いて、請求項1記載の方法と同様の方法で検出することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項2記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、
2個の第1種パターンが、主走査方向の両端部近傍に形成されることを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項2記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、
3つの第1種パターンが、主走査方向の両端部近傍および中央部近傍に、同一直線上に並ぶように形成されることを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項1または2または3または4記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
光書込装置ごとの1連の第2種パターンの列を、主走査方向に分離して、2列以上形成し、
各第2種パターン列に対応して配備された第2光源、第2スリット、第2受光素子により、各第2種パターン列を請求項1記載の方法と同様の方法で検出することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項5記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
光書込装置ごとの1連の第2種パターンの列が2列、主走査方向の両端部近傍に形成されることを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項5記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
光書込装置ごとの1連の第2種パターンの列が3列、主走査方向の両端部近傍と主走査方向の中央部近傍に形成されることを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項1〜7の任意の1に記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
第1スリットと実質的に合同のスリット形状を持つ第1補助スリットを、各第1光源と転写ベルトとの間に、第1補助スリットと第1スリットとが互いに重なるようにして配備し、第2スリットと実質的に合同のスリット形状を持つ第2補助スリットを、各第2光源と転写ベルトとの間に、第2補助スリットとが第2スリットと互いに重なるようにして配備することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項1〜7の任意の1に記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
第1および第2光源からの光束を、光源ごとに設けられたレンズにより、それぞれ、少なくとも、第1、第2スリットの幅方向に平行光束として転写ベルト側に照射することを特徴する画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 請求項1〜9の任意の1に記載の画像形成装置における位置ずれ検出方法において、
第1スリットを有する第1スリット部材および第2スリットを有する第2スリット部材を、位置ずれ検出を行なう間、転写ベルトに強制的に接触させることを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出方法。 - 複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ね合わせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置において、上記複数のトナー画像の位置ずれを検出する装置であって、
1以上の前記第1種パターンおよび1以上の前記第2種パターン列を共通の転写ベルト上に得るための潜像パターンを、各光書込装置により形成させるパターン出力手段と、
上記第1種パターンを検出するための1以上の副走査位置ずれ検出手段と、
上記第2種パターン列における各第2種パターンを検出するための1以上の主走査位置ずれ検出手段と、
これら副走査位置ずれ検出手段と主走査位置ずれ検出手段による検出結果に基づき位置ずれ量を演算する演算手段と
上記第1種パターンおよび第2種パターンを転写ベルト上から除去するベルトクリーニング手段とを有し、
各副走査位置ずれ検出手段は、第1種パターンごとに対応して転写ベルト表面側において定位置に設けられる第1光源と、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、主走査方向に長く上記第1種パターンの幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第1スリットを有する第1スリット部材と、上記第1スリットを透過した光を受光する第1受光素子とを有し、
各主走査位置ずれ検出手段は、第2種パターン列ごとに対応して転写ベルト表面側において定位置に設けられる第2光源と、転写ベルト裏面側に密接もしくは極く近接して配備され、副走査方向の長さが第2種パターンの長さに略等しく、上記第2種パターンの幅と略等しい幅をもつ副走査位置ずれ検出用の第2スリットを有する第2スリット部材と、上記第2スリットを透過した光を受光する第2受光素子とを有することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出装置。 - 請求項11記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、
各副走査位置ずれ検出手段が、前記第1補助スリットを有する第1補助スリット部材を有し、
各主走査位置ずれ検出手段が、前記第2補助スリットを有する第2補助スリット部材を有することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出装置。 - 請求項11記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、
各副走査位置ずれ検出手段が、第1光源からの光束を、少なくとも第1スリットの幅方向に平行光束として転写ベルト側に照射するレンズを有し、
各主走査位置ずれ検出手段が、第2光源からの光束を、少なくとも第2スリットの幅方向に平行光束として転写ベルト側に照射するレンズを有することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出装置。 - 請求項11または12または13記載の画像形成装置における位置ずれ検出装置において、
第1スリットを有する第1スリット部材および第2スリットを有する第2スリット部材を、位置ずれ検出を行なう間、転写ベルトに強制的に接触させる押圧手段を有することを特徴とする画像形成装置における位置ずれ検出装置。 - 複数の光書込装置により複数の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られる複数のトナー画像を重ね合わせて記録画像を得、この記録画像を同一の記録シート上に定着する画像形成装置であって、
請求項11または12または13または14記載の位置ずれ検出装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15記載の画像形成装置において、
転写ベルトが、記録シートを保持して転写部を通過させつつ、トナー画像を上記記録シート上に転写させるための転写搬送ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15記載の画像形成装置において、
マゼンタ画像用の光書込装置と、シアン画像用の光書込装置と、イエロー画像用の光書込み装置と、黒画像用の光書込装置とを有し、各光書込装置による書込みは互いに異なる感光体に対して行なわれることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15または16または17記載の画像形成装置において、
各光書込装置は光走査方式のものであって、
位置ずれ検出装置により検出された副走査位置ずれに応じて、各光書込装置への画像信号印加のタイミングを調整し、
上記位置ずれ検出装置により検出された主走査位置ずれに応じて、各光書込装置における書き出し位置を調節することにより、
各光走査装置により書き込まれる像を主・副走査方向に調整することを特徴とする画像形成装置。
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