JP2003241130A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および画像形成装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】光走査装置において、液晶偏向素子のもつ光束
偏向原理により光走査の特性を良好に補正すると共に、
ゴースト光の光走査への影響を有効に防止する。 【解決手段】被走査面上に光スポットを形成して光走査
を行う光走査装置において、各光源から各光源に対応す
る被走査面に至る光路上に設けられ、被走査面上におけ
る光スポットの位置を副走査方向または主走査方向およ
び副走査方向に補正的に調整するための1以上の液晶偏
向素子手段18と、液晶偏向素子手段を制御する制御手
段と、液晶偏向素子手段18により副走査方向に発生
し、正規の光走査光束に対するゴースト光となる回折次
数の光束を、被走査面に対して遮断するゴースト光除去
手段600とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査装置および
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光源側からの光束を、回転多面鏡等の
「光偏向走査手段」により偏向させ、偏向される光束を
fθレンズ等の「走査結像光学系」により被走査面に向
けて集光させることにより被走査面上に光スポットを形
成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光走
査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機等
の画像形成装置に関連して広く知られている。
【0003】光走査装置を用いる画像形成装置では一般
に「光走査により画像の書込みを行う画像書込工程を含
む画像形成プロセス」が実行されるが、形成される画像
の良否は光走査の良否にかかっている。光走査の良否
は、光走査装置の「主走査方向や副走査方向の走査特
性」に依存する。
【0004】主走査方向の走査特性としては例えば、光
走査の等速性がある。例えば、光偏向走査手段として回
転多面鏡を用いる場合、光束の偏向は等角速度的に行わ
れるので、光走査の等速性を実現するために、走査結像
光学系として「fθ特性」を持つものを用いている。し
かしながら、走査結像光学系に要請される他の性能との
関係もあって、完全なfθ特性を実現することは容易で
ない。このため、現実の光走査においては、光走査が完
全に等速的に行われることは無く、走査特性としての等
速性は「理想の等速走査からのずれ」を伴っている。
【0005】副走査方向の走査特性には「走査線曲が
り」や「走査線の傾き」がある。走査線は「被走査面上
における光スポットの移動軌跡」で、直線であることが
理想で、光走査装置の設計も走査線が直線となるように
行われるが、実際には、加工誤差や組立誤差等が原因し
て走査線曲がりが発生するのが普通である。
【0006】また、走査結像光学系として「結像ミラ
ー」を用い、偏向光束の、結像ミラーへの入射方向と反
射方向との間に、副走査方向で角度を持たせる場合に
は、原理的に走査線の曲がりが発生するし、走査結像光
学系をレンズ系として構成する場合でも、被走査面を
「副走査方向に分離した複数の光スポットで光走査」す
るマルチビーム走査方式では走査線曲がりの発生が不可
避的である。
【0007】「走査線の傾き」は、走査線が副走査方向
に対して正しく直交しない現象で、走査線曲がりの1種
である。従って、以下の説明においては特に断らない限
り、「走査線の傾き」は走査線曲がりに含めて説明す
る。
【0008】光走査の等速性が完全でないと、形成され
た画像に主走査方向の歪みが生じ、走査線曲がりは、形
成された画像に副走査方向の歪みを生じさせる。画像が
所謂モノクロで、単一の光走査装置により書込み形成さ
れる場合は、走査線曲がりや等速性の不完全さ(理想の
等速走査からのずれ)がある程度抑えられていれば、形
成された画像に「目視で分かるほどの歪み」は生じない
が、それでも、このような画像の歪みは少ないに越した
ことは無い。
【0009】マゼンタ・シアン・イエローの3色、ある
いはこれに黒を加えた4色の画像を色成分画像として形
成し、これらの色成分画像を重ね合せることにより合成
的にカラー画像を形成することは、従来からカラー複写
装置等で行われている。
【0010】このようなカラー画像形成を行うのに、各
色成分画像を、異なる光走査装置で異なる感光体に形成
する所謂「タンデム型」と呼ばれる画像形成方式がある
が、このような画像形成方式の場合、光走査装置相互で
「走査線の曲がり具合や傾きが異なる」と、各光走査装
置ごとの走査線曲がりが一応補正されていたとしても、
形成されたカラー画像に「色ずれ」と呼ばれる画像異常
が現われて、カラー画像の画質を劣化させる。
【0011】また、色ずれ現象の現われ方として、カラ
ー画像における色合いが所望のものにならないという現
象がある。近来、走査特性の向上を目して、光走査装置
の結像光学系に、非球面に代表される特殊な面を採用す
ることが一般化しており、このような特殊な面を容易に
形成でき、なおかつコストも安価な「樹脂材料の結像光
学系」が多用されている。
【0012】樹脂材料の結像光学系は、温度や湿度の変
化の影響を受けて光学特性が変化しやすく、このような
光学特性の変化は「走査線の曲がり具合や等速性」をも
変化させる。そうすると、例えば、数十枚のカラー画像
の形成を連続して行う場合に、画像形成装置の連続運転
により機内温度が上昇し、結像光学系の光学特性が変化
して、各光走査装置の書込む走査線の曲がり具合や等速
性が次第に変化し、色ずれの現象により、初期に得られ
たカラー画像と、終期に得られたカラー画像とで色合い
が全く異なるものになることがある。
【0013】一方において、液晶の光学作用を利用して
光束を偏向する「液晶偏向素子」が知られている。液晶
偏向素子のもつ光束偏向原理を光走査装置に適用する
と、被走査面上における光スポットの位置を主走査方
向、副走査方向に調整することができ、この調整により
等速性や走査線曲がりを補正することが可能になる。
【0014】しかしながら、上記光束偏向原理による光
束偏向は、光束の偏向と同時に複数の回折光束を発生さ
せる場合があり、このような回折光束のうち、正規の光
走査光束以外のものは「ゴースト光」として光走査に悪
影響を及ぼす。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑み、光走査装置において、液晶偏向素子のもつ光
束偏向原理により光走査の特性を良好に補正すると共
に、上記ゴースト光の光走査への影響を有効に防止する
ことにより、良好な光走査を実現することを課題とす
る。
【0016】この発明はまた、上記光走査装置を用いる
ことにより、画像形成を良好に行うことができる新規な
画像形成装置の実現を課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査装置は
「1以上の光源からの光束を光偏向走査手段により偏向
させ、偏向された光束を1以上の走査結像光学系によ
り、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、被走査面
上に光スポットを形成して光走査を行う光走査装置」で
あって、1以上の液晶偏向素子手段と、制御手段と、ゴ
ースト光除去手段とを有する。
【0018】「液晶偏向素子手段」は、各光源から各光
源に対応する被走査面に至る光路上に設けられ、被走査
面上における光スポットの位置を「副走査方向」または
「主走査方向および副走査方向」に補正的に調整する。
被走査面が2以上ある場合、液晶偏向素子手段は被走査
面ごとに設けることができる。あるいは、被走査面の数
をNとしてN−1個の液晶偏向素子を設けることもでき
る。液晶偏向素子手段は、1以上の「液晶偏向素子」を
用いる。
【0019】「制御手段」は、1以上の液晶偏向素子手
段を制御する。液晶偏向素子手段の数が複数であれば、
制御手段は「全ての液晶偏向素子手段」を制御する。制
御手段は、CPUやマイクロコンピュータ等として構成
できる。液晶偏向手段はまた、光走査装置を用いる画像
形成装置において「画像形成システム全体を制御する制
御装置の機能の一部」として構成することもできる。
【0020】「ゴースト光除去手段」は、液晶偏向素子
手段により副走査方向に発生し、正規の光走査光束に対
するゴースト光となる回折次数の光束を、各液晶偏向素
子手段に対応する被走査面に対して遮断する。即ち、ゴ
ースト光除去手段は「副走査方向に発生するゴースト
光」を除去する手段である。液晶偏向素子手段により偏
向されて「正規の光走査光束」となるのは、回折の0次
光である場合もあるし、±1次光束や「他の次数の光
束」の何れかであることもある。ゴースト光除去手段
は、正規の光走査光束となる回折次数の光束以外の光束
をゴースト光として、被走査面に対して遮光するのであ
る。
【0021】若干説明を補足する。「光偏向走査手段」
は、光源側からの光束を光走査のために偏向させる手段
であり、ポリゴンミラーを回転させる回転多面鏡を始め
とし、ピラミダルミラーやホゾ型ミラー等の回転1面鏡
や、回転2面鏡あるいはガルバノミラー等、従来から知
られた各種のものを用いることができる。
【0022】「走査結像光学系」は、光偏向走査手段に
より偏向された光束を被走査面に向けて集光させ、被走
査面上に光スポットを形成するための光学系であり、f
θレンズ等の「レンズ系」として構成することも、fθ
ミラー等の「結像ミラー系」として構成することもでき
るし、「レンズ系とミラー系の複合系」として構成する
こともできる。
【0023】走査結像光学系は「樹脂製結像素子」を含
むことができる。この場合、樹脂製結像素子は走査結像
光学系の一部を構成しても良いし、走査結像光学系全体
が樹脂製結像素子で構成されていてもよい。勿論、単一
の樹脂製結像素子が「走査結像光学系自体」を構成する
こともできる。
【0024】走査結像光学系は、光スポットによる光走
査を等速化する「等速化機能」を有する。例えば、光偏
向走査手段による光束の偏向が等角速度的である場合
は、走査結像光学系として「光スポットによる走査を等
速化するためにfθ機能を有するもの」が用いられる。
この場合は「fθ特性」が「光走査の等速性」である。
【0025】「液晶偏向素子」は、光束を透過させてい
る状態において、電気的あるいは磁気的な信号で駆動す
ることにより、透過光束の向きを変化させることができ
る光学素子である。液晶偏向素子の作用により透過光束
の向きが変化する方向を「偏向方向」と呼ぶ。液晶偏向
素子については後述する。
【0026】液晶偏向素子手段は「副走査方向を偏向方
向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配
列してなる副走査液晶偏向素子列」として構成すること
ができる。液晶偏向素子手段としてこの副走査液晶偏向
素子列を用いることにより、走査線曲がり(前述の「走
査線の傾き」を含む。)を補正できる。
【0027】液晶偏向素子手段は「主走査方向を偏向方
向とする主走査液晶偏向素子を複数個、主走査方向に配
列した主走査液晶偏向素子列」を上記副走査液晶偏向素
子列とともに有することができる。この場合には、被走
査面上における光スポットの位置を副走査方向および主
走査方向に補正的に調整でき、走査線曲がりと等速性と
の補正が可能である。この場合、主走査液晶偏向素子列
を構成する主走査液晶偏向素子は、主走査方向に回折す
る回折光束が発生しないものを用いる。
【0028】なお、単一の副走査液晶偏向素子もしくは
「単一の主走査液晶偏向素子と単一の副走査液晶偏向素
子の組合せ」を液晶偏向素子手段として、光源と光偏向
走査手段との間に配置し、光スポットの像高ごとの位置
を補正的に調整するようにすることもできる。
【0029】「光スポット位置を補正的に調整する」と
は、被走査面上における光スポットの位置を、各像高ご
とに「理想の位置」に合致させあるいは近づけるように
調整することを意味し、そのための偏向量を「調整偏向
量」と呼ぶ。
【0030】上記請求項1記載の光走査装置における液
晶偏向素子手段は「光偏向走査手段と、この光偏向走査
手段による偏向光束で光走査される被走査面との間」に
配置することができる(請求項2)。
【0031】ゴースト光除去手段は、前述の如く、液晶
偏向素子手段により発生するゴースト光を被走査面に対
して遮断するものであるから、当然に、液晶偏向素子手
段よりも被走査面側に配置されねばならない。
【0032】請求項1または2記載の光走査装置におけ
るゴースト光除去手段は「光偏向走査手段と被走査面と
の間に配され、正規の光走査光束のみを通過させる主走
査方向に長いスリット開口部を有し、ゴースト光を上記
被走査面に対して遮断する」ものであることができる
(請求項3)。
【0033】この場合において、液晶偏向素子手段によ
り偏向される光束の全幅:b、ゴースト光除去手段にお
けるスリット開口部のスリット幅:Δ、液晶偏向素子手
段とスリット開口部との距離:L、液晶偏向素子手段に
より得られる正規の光走査光束とこの正規の光走査光束
に最も近いゴースト光との、主光線同士が副走査方向に
おいて成す角:θが、条件: L>(1/2)(b+Δ)/tanθ (1) を満足することが好ましい(請求項4)。
【0034】上において「液晶偏向素子手段により偏向
される光束の全幅:b」は、上記スリット開口部の位置
における副走査方向の光束幅(正確には、光束断面にお
ける光強度の1/e直径)である。
【0035】請求項3または4記載の光走査装置におい
ては、主走査方向に長いスリット開口部を有するゴース
ト光除去手段を「光偏向走査手段と被走査面との間の光
路上に配置される光学素子の何れかに一体化」すること
ができる(請求項5)。「スリット開口部」は、ガラス
板などの透明部材に、遮光フィルムを貼着して形成して
も良いし、遮光層を蒸着や印刷で形成しても良く、遮光
性の平板にスリット状開口部を穿設してもよい。また、
1対のナイフエッジを用いて構成しても良い。1対のナ
イフエッジを組合わせてスリット開口部を構成する場
合、各ナイフエッジを光軸方向に段違い(異なる場所)
に設置しても良い。ゴースト光除去手段の位置は、光走
査装置ユニット外(例えば感光体ユニットなど)に設け
ることもできる。
【0036】「光偏向走査手段と被走査面との間の光路
上に配置される光学素子」は、例えば、走査結像光学系
を構成するレンズやミラー、光路折曲げミラーや、光走
査装置のハウジングに設けられる防塵ガラス等である。
ゴースト光除去手段とこれら光学素子とを一体化する方
法としては、上記光学素子とゴースト光除去手段とを別
体とし、これらを接着や螺子止めといった固定手段を用
いて一体化してもよいし、上記光学素子の光学面にゴー
スト光除去手段を「印刷や貼着・蒸着によるパターン」
として形成し、一体化しても良い。
【0037】この発明の画像形成装置は「感光媒体に光
走査を行って、画像形成を行う画像形成装置」であっ
て、感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項
1〜5の任意の1に記載のものを用いることを特徴とす
る(請求項6)。
【0038】「感光媒体」としては種々のものが可能で
ある。例えば、感光媒体として「銀塩フィルム」を用い
ることができる。この場合、光走査による書込みで潜像
が形成されるが、この潜像は通常の銀塩写真プロセスに
よる処理で可視化することができる。このような画像形
成装置は「光製版装置」や、CTスキャン画像等を描画
する「光描画装置」として実施できる。
【0039】感光媒体としてはまた「光走査の際に光ス
ポットの熱エネルギにより発色する発色媒体」を用いる
こともでき、この場合には、光走査により直接に可視画
像を形成できる。
【0040】請求項6記載の画像形成装置はまた「光導
電性の感光体」を感光媒体として用いることができる。
光導電性の感光体としては、酸化亜鉛紙のようにシート
状のものを用いることもできるし、セレン感光体や有機
光半導体等「ドラム状あるいはベルト状で繰り返し使用
されるもの」を用いることができる。
【0041】光導電性の感光体を感光媒体として用いる
場合には、感光体の均一帯電と、光走査装置による光走
査により静電潜像が形成される。静電潜像は現像により
トナー画像として可視化される。トナー画像は、感光媒
体が酸化亜鉛紙のようにシート状のものである場合は感
光媒体上に直接的に定着され、感光媒体が繰り返し使用
可能なものである場合には、転写紙やOHPシート(オ
ーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等の
シート状記録媒体に転写・定着される。
【0042】光導電性の感光体からシート状記録媒体へ
のトナー画像の転写は、感光体からシート状記録媒体へ
直接的に転写(直接転写方式)しても良いし、感光体か
ら一旦中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写した後、
この中間転写媒体からシート状記録媒体へ転写(中間転
写方式)するようにしてもよい。このような画像形成装
置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機等とし
て実施できる。
【0043】光走査装置として複数の光源からの光束で
複数の被走査面を走査する方式のものを用いる画像形成
装置の場合、各光源からの光束により光走査すべき被走
査面の実体を成す「3もしくは4個の光導電性の感光
体」を互いに並列に配置した構成とし、周知の「タンデ
ム式のカラー画像形成装置」として実施できる。
【0044】この発明の画像形成装置はまた、1以上の
光スポットの走査位置を「走査位置検出手段」で検出
し、検出結果に応じ、対応する液晶偏向素子手段の各液
晶偏向素子における調整偏向量を決定する構成とするこ
とができる。この場合、「走査位置検出手段」は光走査
装置内に配設することもできるし、画像形成装置内にお
ける光走査装置とは異なる位置に配設することもでき
る。
【0045】ここで「液晶偏向素子」について簡単に説
明する。前述の如く、液晶偏向素子は、電気的な信号で
駆動されるものと、磁気的な信号で駆動されるものとが
知られているが、以下では、電気的な信号で駆動される
ものを例にとって説明する。
【0046】電気的な信号による駆動で光束を偏向させ
る液晶偏向素子は、大別すると、電気信号により「屈折
率を変化させる」ものと、電気信号により「回折作用を
起こさせる」ものとの2種に分けられる。
【0047】まず、屈折率の変化を利用する液晶偏向素
子につき説明すると、この種のものは、例えば、特開昭
63−240533号公報に記載されている。1例を示
すと図1の如くである。
【0048】図1(b)において、液晶1は「誘電異方
性が正のネマチック液晶」で、スペーサ3により所定間
隙に保たれた1対の透明配向膜2A、2B間に薄層状に
密封されている。符号1Aで示す液晶分子は「分子軸方
向に長い形状」である。配向膜2Aは、液晶分子1Aの
分子軸が配向膜表面に対して直交方向となるように配向
処理され、配向膜2Bは、液晶分子1Aの分子軸が配向
膜表面に対して平行方向となるように配向処理されてい
る。
【0049】配向膜2Aの外側にはZnO等による透明
な電気抵抗膜4が形成されている。透明な電気抵抗膜
4、配向膜2A、2Bおよび液晶1は、図1(b)に示
す如く1対の透明なガラス基板5A、5Bにより挟持さ
れている。ガラス基板5Bの配向膜2B側の面にはIT
O等による透明な電極膜6が一面に形成されている。
【0050】一方、ガラス基板5Aの配向膜2A側の面
には、図1(a)に示すようなパターンの電極7A、7
Bが形成され、これら電極7A、7Bは(b)に示す如
く、電気抵抗膜4に接している。
【0051】電極7A、7Bは、これらが「光束の透過
領域にかかる場合」にはITO等により透明電極として
形成されるが、電極7A、7Bが光束の透過領域にかか
らなければ(電極7A、7Bが光束を遮らなければ)金
属薄膜等により不透明な電極として形成することもでき
る。図1の例では、電極7A、7Bは透明電極として形
成されている。
【0052】図1(b)の状態において、電極膜6と電
極7Bを接地し、図1(a)に示す電極7A、7Bの端
子A、B間に電圧:Vを印加すると、電気抵抗膜4の電
位は、電極7Aの側から電極7Bの側へ直線的に低下す
る。このため、電気抵抗膜4と透明な電極膜6との間に
は「図1(b)の上方から下方へ向て直線的に減少する
電界(向きは図の左右方向を向いている)」が作用す
る。
【0053】この電界は液晶1に作用し、液晶分子1A
を「その分子軸が電界に平行になるよう」に回転させ
る。液晶分子1Aの回転角は「電界の強さに直線的に比
例」するので、上記電界が作用すると、電極7Aの側で
は液晶分子1Aの分子軸は電界の方向(図の左右方向)に
より近くなるが、電極7Bの側では電界が実質的に0で
あるので、液晶分子1Aの分子軸は殆ど電極膜6に平行
のままである。
【0054】液晶分子1Aの誘電率は、分子軸に平行な
方向において大きく、分子軸に直交する方向において小
さい。このため、屈折率は分子軸に平行な方向において
より大きくなる。上記電界の作用により、上述の如き
「液晶分子1Aの分子軸の向きの分布」が生じると、液
晶1における「屈折率」は、分子軸が電界に略平行とな
る電極7Aの側で高く、電極7Bの側では低くなり、図
1(c)に示すように電極7Aの側から電極7Bの側へ
直線的に減少する。
【0055】従って、このような屈折率分布が生じてい
る液晶偏向素子に、図1(b)の右側から光束を入射さ
せて液晶偏向素子を透過させると、透過光束は屈折率分
布の作用により、屈折率の高い側(図1(b)で上方)へ
偏向される。接地する電極を電極7Bから7Aに変え
て、端子A、B間に印加する電圧の向きを上記と逆にす
れば、図1の場合と逆に、電極7Bの側から電極7Aの
側へ向って減少する屈折率分布が得られ、透過光束を図
1の下方へ偏向させることができる。
【0056】以上が、屈折率変化を利用した液晶偏向素
子による光束偏向の原理である。偏向の程度である偏向
量、即ち「偏向角」は、液晶偏向素子に固有の値で飽和
し、飽和するとそれより大きな偏向角は生じない。液晶
偏向素子を駆動する電気信号としては「直流電圧」を用
いても良いが、液晶偏向素子の寿命の面から考えると、
電気信号は「パルス状または正弦波状に変調された信号
で、平均電圧が0V近傍であるもの」が好ましい。
【0057】偏向角を変化させるには、端子A、B間の
電位差:Vの増減によって行うこともできるが、上記パ
ルス信号を駆動信号とする場合は「パルスのデュ−ティ
比」を変えることによっても行うことができる。
【0058】図1に示すような液晶偏向素子の場合、電
極7Aと7Bとの間の間隔が、光束径に比して大きけれ
ば、回折光は発生しない。
【0059】図2は「電気信号により屈折率を変化させ
る方式の液晶偏向素子」の別例である。繁雑を避けるた
め、混同の虞がないと思われるものについては図1にお
けると同一の符号を用いた。この素子は図1の素子の変
形例であり、図1の素子との差異は、ガラス基板5Aの
側において、透明な電気抵抗膜を3つの部分4A、4
B、4Cに分割し、透明電極を図2(a)の如くにパタ
ーニングし、電気抵抗膜4Aに透明電極7A1と7B1
が対応し、電気抵抗膜4Bに透明電極7A2と7B2が
対応し、電気抵抗膜4Cに透明電極7A3と7B3が対
応するようにした点にある。
【0060】端子A、B間に駆動信号を印加すると、図
2(c)の如き屈折率分布が得られる。この場合、端子
A、Bに印加する電圧:Vに対する電界の変化率が大き
くなるので、図1の素子に比してより「大きな屈折率勾
配」が得られ、より大きな偏向角(偏向量)を得ること
ができる。
【0061】図2に示すタイプの液晶偏向素子の場合、
電気抵抗膜とこれに組合せられる対の電極(たとえば、
電気抵抗膜4Aと電極7A1、7A2)の組合せの数
(上の例では3)が大きくなるに従い、偏向角を大きく
できる反面、光束の透過領域における上記組合せの周期
構造の周期が小さくなり、回折光を生じるようになる。
【0062】図3は液晶偏向素子の別の例を示してい
る。この液晶偏向素子は「電気信号により回折作用を起
こさせるもの」である。この型の液晶偏向素子は、例え
ば特開平8−313941号公報に詳しく記載されてい
る。図3においても繁雑を避けるため、混同の虞がない
と思われるものについては、図1におけると同一の符号
を用いた。
【0063】図3(a)において、液晶1は例えば「液
晶分子1Aの分子軸方向の誘電率が、分子軸に直交する
方向の誘電率よりも小さい、誘電異方性が負のネマチッ
ク液晶」で、スペーサ3により所定間隙に保たれた1対
の透明配向膜2A、2Bの間に薄層状に密封されてい
る。
【0064】配向膜2A、2Bは、透明電極6Aを有す
るガラス基板5Aと、透明電極6Bを有するガラス基板
5Bとにより挟持されている。透明電極6A、6BはI
TO等で薄膜状に形成され、それぞれガラス基板5A、
5Bの面に所定の形状(例えば矩形形状)で一様に形成
されている。
【0065】配向膜2A、2Bは、液晶分子1Aの分子
軸方向が図面に直交する方向となるように、液晶1に対
する配向を行う。このような状況で、透明電極6A、6
B間に「直流もしくは300Hz程度以下の低周波の電
圧」を印加させると、液晶1内に、図の上下方向(前記
「配向方向」と直交する方向)を格子配列方向とする回
折格子パターンが形成される(特開平8−313941
号公報「0054」)。図3(b)は、このように形成
された回折格子パターンにおける屈折率分布である。
【0066】この状態で光束を液晶偏向素子に入射させ
ると、透過光は上記回折格子パターンにより(図3
(a)の上下方向に)回折光を生じる。上記低周波の電
圧の電圧値を変化させると、形成される回折格子パター
ンの格子ピッチが変化し、回折角が変化する(特開平8
−313941号公報「0057」)。
【0067】従って、例えば「回折の1次光」に着目す
れば、1次光の偏向角を調整することにより、光束を所
定方向(上に説明した場合では、図1(a)の上下方
向)に所望の偏向角で偏向させることができる。
【0068】また、図3の液晶偏向素子の透明電極6
A、6B間に印加する電圧を高周波電圧にすると、液晶
1に配向方向に直交する方向の回折格子パターンが現
れ、図3(a)の「図面に直交する方向の回折光」を得
ることができる。この場合は、液晶に印加する高周波電
圧の「包絡電圧」を増減させることにより、回折角を変
化させることができる(特開平8−313941号公報
「0060」)。
【0069】以上、従来から知られた「電気信号により
光束を偏向させるタイプの液晶偏向素子」につき簡単に
説明した。
【0070】この発明では、これら公知の液晶偏向素子
(電気信号により駆動するものに限らず、上には説明し
なかったが、磁気信号により駆動するものでもよい)を
用い、光束の偏向により光スポットの走査位置調整を行
う。
【0071】上に説明したように、図2の液晶偏向素子
では、電気抵抗膜と、これに組合せられる対の電極(た
とえば、電気抵抗膜4Aと電極7A1、7A2)の組合
せの数が大きくなるに従い、回折光を生じるようにな
る。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
る。図4は光走査装置の実施の1形態を示している。図
4(a)に示すように、光源装置(光源とカップリング
レンズとを含む)10から射出した光束は、平行光束
(弱い収束もしくは発散光束でも良い)で、被走査面上
で所望形状の光スポット径を得るための開口絞り(図示
されず)を通過し、線像結像光学系をなす(副走査方向
にのみ正のパワーを持つ)シリンドリカルレンズ12に
入射し、副走査方向にのみ集束され、光偏向走査手段の
ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に「主走査方向に
長い線像」として結像する。
【0073】ポリゴンミラー14の等速回転に伴い、偏
向反射面に反射された光束は等角速度的に偏向する偏向
光束となり、「走査結像光学系」としてのfθレンズ1
6を構成する2枚のレンズ161、162を順次透過
し、液晶偏向素子手段18を透過し、ゴースト光除去手
段600の「主走査方向に長いスリット開口部」を通過
して被走査面20に到達し、fθレンズ16の作用によ
り被走査面20上に光スポットとして集光し、被走査面
20を光走査する。
【0074】液晶偏向素子手段18は「主走査方向に長
い長尺形状」で、被走査面20上において光スポットの
位置調整を行わせるためのものである。光スポットの位
置調整は、副走査方向、または、主走査方向と副走査方
向に関して行われる。
【0075】符号22で示す「コントローラ」はマイク
ロコンピュータ等で構成され、液晶偏向素子手段18の
各液晶偏向素子における調整偏向量を設定し、このよう
に設定された調整偏向量を実現するように液晶偏向素子
手段18を制御駆動する。コントローラ22はまた、画
像形成装置全体を制御する「システムコントローラ」に
おける機能の一として設定することもできる。即ち、コ
ントローラ22は「液晶偏向素子手段を制御する制御手
段」である。
【0076】図4(b)は、図4(a)における「ポリ
ゴンミラー14の偏向反射面と被走査面20との間の光
学配置」を副走査方向(図面に直交する方向)からみた
状態を示している。液晶偏向素子手段18は、図4
(a)に示すように「走査結像光学系としてのfθレン
ズ16のレンズ162と被走査面20との間」に配設さ
れているが、液晶偏向素子手段の配設位置はこれに限ら
ない。
【0077】例えば、液晶偏向素子手段18に代えて、
液晶偏向素子手段18Aを、図4の(b)に示す如く、
ポリゴンミラー14の偏向反射面とfθレンズ16にお
けるレンズ161との間に配設することもできる。この
ように液晶偏向素子手段を光偏向走査手段の側に近接し
て配設するほど、液晶偏向素子手段の主走査方向の長さ
を短縮でき、コスト的には有利である。
【0078】しかしながら反面、以下の如き問題があ
る。図4(b)に示す液晶偏向素子手段18Aに入射す
る偏向光束は等角速度的に偏向している。ポリゴンミラ
ー14の偏向反射面による偏向の起点から、液晶偏向素
子手段18Aに至る距離をDとし、偏向光束の偏向角を
ξとすると、偏向角:ξのときに偏向光束(の主光線)
が液晶偏向素子手段18Aに入射する位置は、D・ta
nξである。
【0079】すると、偏向光束の微小偏向角:Δξに対
応する液晶偏向素子手段18Aの主走査方向の幅:ΔS
は「ΔS=D・Δξ/cosξ」となるから、偏向
角:ξが大きくなるほど、偏向光束が液晶偏向素子手段
18A上を移動する距離は大きくなる。
【0080】従って、仮に、液晶偏向素子手段18Aに
おける各液晶偏向素子の主走査方向のサイズを同一と
し、複数の液晶偏向素子を等ピッチで主走査方向に配列
したとすると、個々の液晶偏向素子に対応する「被走査
面上における主走査方向の領域(以下、各液晶偏向素子
の「担当補正領域」と呼ぶ)」は、偏向角の大きい位置
にある液晶偏向素子ほど大きくなる。このため、光スポ
ットの位置の調整は、偏向光束の偏向角が大きくなるほ
ど粗雑化する。
【0081】これを避けるためには、液晶偏向素子の主
走査方向のサイズを、偏向角:0から最大偏向角の側に
向って次第に小さく、液晶偏向素子の配列ピッチを、偏
向角:0から最大偏向角に向って次第に細かくすれば良
いが、偏向反射面の近傍では、偏向光束は主走査方向に
絞られていず、かなりの光束径(数mm程度)を有する
ので、上記サイズを然程小さくできない。このような理
由で、液晶偏向素子手段は、走査結像光学系よりも被走
査面側にあることが好ましい。
【0082】図4(a)、(b)に示す液晶偏向素子手
段18のように、fθレンズ16と被走査面20との間
に配設する場合は、偏向光束自体が細く絞り込まれてお
り、なお且つ、偏向光束の偏向が、fθレンズ16の作
用により等速化されているので、主走査方向に同じサイ
ズの液晶偏向素子を等ピッチで連続的に配列しても、光
スポット位置の良好な調整が可能で、液晶偏向素子の配
列ピッチを然程細かくする必要もない。液晶偏向素子手
段18を被走査面20に近づけるほど、この効果は顕著
になる。
【0083】図5を参照して、液晶偏向素子手段による
「光スポットの位置調整」を説明する。先に説明したよ
うに、液晶偏向素子は電気的もしくは磁気的な駆動信号
に応じて透過光束を偏向させる機能を持ち、その偏向方
向は任意に設定できる。
【0084】図5(a)において左右方向は主走査方向
である。符号Li(i=1〜10)は「電気信号で駆動
される液晶偏向素子」を示している。即ち、この例では
10個の液晶偏向素子L1〜L10が主走査方向に、互
いに密接して連続的に配列されている。また、この例に
おいて液晶偏向素子Liは互いに同サイズで等ピッチ配
列されている。説明の具体性のため、液晶偏向素子Li
は、図2に即して説明したタイプのものとする。
【0085】符号Di(i=1〜10)は液晶偏向素子
Liを駆動するドライバ回路を示している。これらドラ
イバ回路Diはコントローラ22により制御駆動され
る。
【0086】液晶偏向素子Liの偏向方向を副走査方向
に設定すれば、液晶偏向素子列180は、副走査方向を
偏向方向とする副走査液晶偏向素子を複数個、主走査方
向に配列してなる「副走査液晶偏向素子列」となる。
【0087】若干補足すると、個々の液晶偏向素子Li
は対応するドライバ回路Diにより個別独立に駆動され
るが、この例において、液晶とこれを挟持する配向膜、
さらに透明電極は互いに共通している。そして、図2に
示す駆動電圧を印加される電極とこれらを連結する透明
抵抗膜の部分が液晶偏向素子Li(i=1〜10)ごと
に独立している。
【0088】図5(b)は「走査位置検出手段」の1形
態を示している。走査位置検出手段による走査位置検出
に関しては後に述べる。図5(b)に示す走査位置検出
手段23は、液晶偏向素子Liと同数のエリアセンサP
1〜P10の受光面が主走査方向に配列している。
【0089】走査位置検出手段23は、各エリアセンサ
Piの受光面が「被走査面と光学的に等価な位置」を占
めるように配設され、偏向光束もしくは偏向光束の一部
を分離した検出光束で走査されるようになっている。
【0090】エリアセンサPiの受光面は、液晶偏向素
子列180における液晶偏向素子Liと対応し、設計上
の光スポットがエリアセンサPiの中心に結像すると
き、この光スポットを形成する偏向光束が「対応する液
晶偏向素子Liの中心」を通るように、液晶偏向素子列
180との位置関係を定められている。
【0091】エリアセンサPiは固定板23Sに固定的
に設けられている。固定板23Sは熱膨張率:1.0×
10−5/℃以下の材質、具体的には、ガラス(熱膨張
率0.5×10−5/℃)や、アルミナ等のセラミック
材質(熱膨張率:0.7×10−5/℃、炭化珪素(熱
膨張率:0.4×10−5/℃)等からなり、温度変動
による影響(エリアセンサPiの受光面位置の移動、相
対位置関係の変動により正確な検出が妨げられる)を実
質的になくしている。
【0092】また、エリアセンサPi相互間に発生する
電気ノイズの影響をなくすため、固定板23Sの材質は
上記の如き「非導電性材料」が好適である。図5(b)
における領域RYは被走査面における「有効書込幅に対
応する領域」である。
【0093】ここで、液晶偏向素子列180が「副走査
液晶偏向素子列」である場合を例に取り、図4の光走査
装置における「走査線曲がり」を補正する場合を説明す
る。
【0094】例えば、光走査による画像形成プロセスを
行うに先立ち、ポリゴンミラー14を回転させ、光源装
置1の光源を発光させる。
【0095】光源の発光は時間的に間欠的に行い、発光
ごとに上記偏向光束もしくは検出光束が、走査位置検出
手段23の各エリアセンサP1〜P10に順次に入射す
るようにする。走査位置検出手段23はエリアセンサP
i(i=1〜10)が検出する光スポットの「副走査方
向の位置」をコントローラ22に向けて出力する。
【0096】図5(c)において「10個の黒丸」が、
このように検出された副走査方向の位置を示している。
この図における破線は「理想上の走査線」で、主走査方
向に直線的である。
【0097】コントローラ22は、検出された10個の
「副走査方向の光スポット位置(走査位置)」に基づ
き、最小2乗法等により、走査線の形態を「多項式」と
して近似する。この多項式が「検出された走査線曲が
り」であり、これを図5(c)に実線で示す。
【0098】コントローラ22は次いで、このような走
査線曲がりを補正するため、副走査液晶偏向素子列の、
液晶偏向素子Liにおける「副走査方向の光束偏向の向
きと偏向角(調整偏向量)」を算出する。図5(c)の
領域Si(i=1〜10)は、副走査液晶偏向素子列に
おける液晶偏向素子Liが「偏向光束を偏向させるべき
領域(前記「担当補正領域」)」を示し、各領域Siに
おける上向き若しくは下向きの矢印は「偏向の向き」を
表している。
【0099】コントローラ22は、液晶偏向素子Liに
上記「偏向の向きと偏向量」を実現すべき信号を決定
し、ドライバ回路Di(i=1〜10)に印加する。こ
の例では、液晶偏向素子Liに印加する電圧の正負と接
地させる電極の選定により「偏向の向き」を制御し、こ
の電圧をパルス電圧として印加し、そのデュ−ティ比を
調整することにより「偏向角」を制御する。
【0100】このようにして、画像形成プロセスの開始
される以前に、副走査液晶偏向素子列の液晶偏向素子L
i(i=1〜10)における調整偏向量とを実現する。
勿論、検出された走査線曲がりが「補正を必要としない
程度に微小」である場合には、副走査液晶偏向素子列に
よる走査線曲がりの補正を行う必要は無い。
【0101】図5(d)は、副走査液晶偏向素子列によ
り補正された走査線の状態を示している。Yi(i=1
〜10)は、被走査面20の走査領域における「各液晶
偏向素子Liが補正を担当する部分(補正担当領域)」
を示している。
【0102】実線で示す走査線は若干「ギクシャク」し
ているように見えるが、これは図5(c)において走査
線曲がりを「極端に強調」して描いたことに起因する。
現実の走査線曲がりは最大の場合でも0.1〜0.2m
m程度であるので、例えば、1個の液晶偏向素子Liが
「30mmの走査領域」の補正を担当するものとして
も、実質的に直線状態の走査線を実現できる。
【0103】副走査液晶偏向素子列における液晶偏向素
子の数を更に増やし、液晶偏向素子Liの担当補正領域
を小さくすることにより走査線曲がりを「より精緻」に
補正できることは当然である。
【0104】特に、副走査液晶偏向素子列における副走
査液晶偏向素子Liの主走査方向の幅を十分に小さく
(例えば2〜5mm程度)することにより、隣接する副
走査液晶偏向素子間の偏向量変化を「実質的に連続的な
変化」と見なし得るようにでき、走査線を「実質的に連
続した直線」に補正することもできる。
【0105】走査線曲がりの形態の1つである「走査線
の傾き」も、上記と同様にして補正できることは容易に
理解されるであろう。
【0106】上の説明では、走査位置検出手段により光
スポットの走査位置を検出して「補正すべき走査線曲が
り」を特定し、これに合わせて液晶偏向素子Liの調整
偏向量を設定している。このようにすると、走査線曲が
りが経時的に変化したり、fθレンズ16を樹脂レンズ
として構成した場合に環境変化で走査線曲がりが変化し
ても、走査位置検出を随時行うことにより、補正すべき
走査線曲がりに応じて、常に適正な補正を行うことが可
能である。
【0107】上には液晶偏向素子列180を「副走査液
晶偏向素子列」として、走査線曲がり・走査線の傾きの
補正を行う場合を説明した。
【0108】図5(a)における液晶偏向素子Liの偏
向方向を主走査方向に設定すれば、液晶偏向素子列18
0は、主走査方向を偏向方向とする主走査液晶偏向素子
を複数個、主走査方向に配列した「主走査液晶偏向素子
列」となる。
【0109】このような主走査液晶偏向素子列を、上記
の副走査液晶偏向素子列と共に用いれば、走査線曲がり
と共にfθ特性等の等速性を補正することが可能であ
る。ただし、主走査液晶偏向素子列を構成する主走査液
晶偏向素子としては、図1に即して説明したタイプで
「回折光を発生させない」ものを用いる。
【0110】主走査液晶偏向素子列により等速性の補正
を行う場合は、走査位置検出手段22のエリアセンサP
iが検出する光スポットの「主走査方向の位置」を求
め、これを用いてコントローラ22により光走査の「等
速性(理想の等速走査からのずれ)」を上記走査線曲が
りの場合と同様にして求め、求められた等速性を補正す
るために液晶偏向素子Liにおける主走査方向の調整偏
向量を設定し、偏向光束の主走査方向への偏向量を補正
することにより、等速性の補正を実行できる。
【0111】主走査液晶偏向素子列における液晶偏向素
子の数を増やし、液晶偏向素子Liの担当補正領域を小
さくする程、等速性の「より精緻な補正」が可能で、主
走査液晶偏向素子列における主走査液晶偏向素子Liの
主走査方向の幅を十分に小さく(例えば2〜5mm程
度)することにより、隣接する主走査液晶偏向素子間の
偏向量変化を「実質的に連続的な変化」と見なし得るよ
うにでき、このようにすれば、光走査を実質的に等速で
行うことができる。
【0112】上の説明では、走査位置検出手段により光
スポットの走査位置を検出して「補正すべき等速性」を
特定し、これに合わせて液晶偏向素子Liの偏向量を設
定している。このようにすると、等速性が経時的に変化
したり、fθレンズ16を樹脂レンズとして構成した場
合に、環境変化で等速性が変化しても、走査位置検出を
随時行うことにより、補正すべき走査線曲がりに応じ
て、常に適正な補正を行うことが可能である。
【0113】走査線曲がりと等速性とを補正する場合
は、例えば、図6(b)に示すように、主走査液晶偏向
素子列181と副走査液晶偏向素子列182とを、結像
光束の透過方向へ重ねて一体化したものを「液晶偏向素
子手段」として用い、主走査液晶偏向素子列181によ
り等速性の補正を行い、副走査液晶偏向素子列182に
より走査線曲がりを補正することができる。なお、図6
(b)において、図面に直交する方向が主走査方向であ
る。
【0114】図6(b)のように、主走査液晶偏向素子
列181と副走査液晶偏向素子列182とを重ねて一体
化する代わりに、これらを互いに分離して配設しても良
い。
【0115】このように、液晶偏向素子手段として、主
走査液晶偏向素子列181と、副走査液晶偏向素子列1
82とを用いる場合、主走査液晶偏向素子列を構成する
液晶偏向素子としては、上記のように、図1に即して説
明したタイプの「回折光を生じさせない」ものを用いる
必要がある。
【0116】一方、副走査液晶偏向素子列を構成する液
晶偏向素子としては上に図2のタイプを例示したように
「回折光を生じるもの」を用いることができる。このタ
イプは偏向角が大きいので、走査線曲がりの補正を行う
のに適している。
【0117】ここで、走査位置検出手段による走査位置
の検出を説明する。上に説明した例では、走査位置検出
手段23はエリアセンサPiの受光面が被走査面と光学
的に等価な位置を占めるように配設され、偏向光束もし
くは偏向光束の一部を分離した検出光束で走査される
が、この場合の具体例を図7(a)、(b)に示す。
【0118】図7(a)で、図面に直交する方向が主走
査方向、上下方向が副走査方向である。因みに、図4に
示す光走査装置における走査位置検出は、図7(a)に
示す如き方式で行われ、液晶偏向素子手段18は、主走
査方向に偏向される結像光束の光路上において「副走査
方向に対して若干傾け」て配設されている。
【0119】このため、結像光束はその一部が液晶偏向
素子手段18の入射側面で反射されて検出光束LSとな
り、上記入射側の面を反射面として被走査面20と等価
な面に配置された走査位置検出手段23の受光面位置に
光スポットを形成し、走査位置を検出される。
【0120】図7(b)でも、図面に直交する方向が主
走査方向、上下方向が副走査方向である。主走査方向に
偏向され、液晶偏向素子手段18を透過した結像光束
は、結像光束光路上において「副走査方向に対して傾
け」て配設された反射面部材19により反射され、反射
面部材19の反射面に関して被走査面20と等価な面に
配置された走査位置検出手段23の受光面位置に光スポ
ットを形成し、走査位置を検出される。
【0121】反射面部材19は、これを透明ガラスで構
成して常時図示の位置に設置し、結像光束の一部を反射
により走査位置検出手段23側へ分離するようにしても
良いし、結像光束の光路に出入可能とし、走査位置検出
を行うときにのみ図示の位置に設置するようにしてもよ
い。
【0122】図7(a)、(b)に示したのは、偏向光
束による光スポットを直接検出して、走査位置の検出を
行う場合であるが、走査位置検出は、必ずしも光スポッ
トの検出により行う必要はない。走査位置検出の別例
を、図7(c)、(d)に示す。
【0123】図7(c)において、符号25は「被走査
面の実体」をなす光導電性の感光体を示している。走査
位置は感光体25の感光面に対する光スポット位置であ
るから、画像形成プロセスにより走査線1ライン分を感
光体25に書込み、得られる静電潜像を可視化して線状
のトナー画像LTIを得ると、このトナー画像LTIは
走査線を可視化したものとなっている。
【0124】トナー画像LTIをランプ26で照射し、
結像系27によりイメージセンサ28上に結像させて読
取り、その結果に基づき走査線曲がりを検出できる。こ
の場合、ランプ26、結像系27、イメージセンサ28
が「走査位置検出手段」を構成する。
【0125】図7(d)において、符号29は、中間転
写媒体としての中間転写ベルトを示している。図7
(c)の場合と同様にして感光体25上に形成した線状
のトナー画像LTIを、転写手段30により中間転写ベ
ルト29上に転写し、転写されたトナー画像LTIをラ
ンプ26で照射し、結像系27によりイメージセンサ2
8上に結像させて読取り、その結果に基づき走査線曲が
りを検出する。この場合も、ランプ26、結像系27、
イメージセンサ28が「走査位置検出手段」を構成す
る。
【0126】図7(c)、(d)の場合とも、線状のト
ナー画像LTIは、検出後、図示されないクリーニング
手段により感光体25、中間転写ベルト29から除去さ
れる。
【0127】等速性の検出のために、主走査方向の走査
位置検出を行うには、「副走査方向に適宜の長さとなる
直線状の画像」を互いに平行となるようにして主走査方
向に必要な本数だけ書込み、これを可視化する。
【0128】各「副走査方向の直線」の間隔は、等間隔
を理想とするように形成する。これら直線を可視化した
ものを、感光体上もしくは中間転写ベルト上で検出し、
各直線間の間隔を調べることにより等速性を知ることが
できる。
【0129】以上は、走査位置検出手段により走査位置
を検出する場合であるが、走査位置検出手段を持たない
場合には以下の如くにすれば良い。即ち、この場合に
は、上記の如くして形成したトナー画像を転写紙上に転
写・定着し、転写紙上に得られた画像に基づき走査線曲
がり(走査線の傾きを含む)、等速性を測定し、その結
果に基づき、液晶偏向素子手段の各液晶偏向素子におけ
る偏向量を決定する。
【0130】図7(a)の例では、液晶偏向素子手段1
8を副走査方向に対して傾けることにより、結像光束の
一部を走査位置検出手段23の方向へ向けて反射させて
いるが、図6(a)に示すように、例えば、主走査液晶
素子列において、液晶を封入するためのスペーサ3A、
3Bの大きさを異ならせることにより、ガラス基板5a
(透明電極や透明抵抗膜、配向膜が形成されている)と
ガラス基板5b(透明電極や配向膜が形成されている)
とに角度を持たせ、ガラス基板5aの傾きにより「走査
位置検出手段側へ反射される反射光束」を得るようにし
てもよい。
【0131】以上、図4に示す光走査装置を例にとっ
て、液晶偏向素子手段による走査線曲がり・等速性の補
正を説明した。
【0132】勿論、光学系が環境変動の影響を受けない
場合や、環境変動の影響を自動的に補正するように構成
されている場合には、予め測定により走査線曲がりや等
速性を測定し、そのデータによる補正用データをコント
ローラに記憶させておいて、上記の如き補正を行えば良
い。
【0133】ここで図4にもどり、ゴースト光除去手段
600によるゴースト光の除去を、図8を参照して説明
する。説明の簡単のために、液晶偏向素子手段は上述の
「副走査液晶偏向素子列」であり、個々の副走査液晶偏
向素子の偏向量を調整して、上述の如く走査線曲がりを
補正するものとする。図8(a)において、液晶偏向素
子手段18は、図2に即して説明したタイプの「副走査
方向を偏向方向とする液晶偏向素子」を主走査方向へ配
列したもので回折光を発生する。
【0134】図8(a)は、このような液晶偏向素子手
段18に結像光束(偏向光束)が入射した場合に発生す
る回折の0次光、±1次光、±2次光を示している。0
次光は「正規の光走査光束」として用いられる光束であ
り、±1次光、±2次光は被走査面に対するゴースト光
となる。
【0135】そこで、このようなゴースト光をゴースト
光除去手段600により除去する。ゴースト光除去手段
600は「主走査方向(図8(a)で図面に直交する方
向)に長いスリット開口部」を有し、スリット開口部以
外は「遮光性」である。このスリット光除去手段600
により、ゴースト光となる±1次光、±2次光を被走査
面(図の右方)に対して遮断し、正規の光走査光束であ
る0次光のみを、スリット開口部を介して被走査面側へ
通過させる。このようにして被走査面に対してゴースト
光となる光が除去される。
【0136】図8(b)は、液晶偏向素子手段18Bに
結像光束が入射したときに発生する回折の0次光と±1
次光と±2次光とを示している。液晶偏向素子手段18
Bは、図3に示した回折を利用して偏向を行う液晶偏向
素子を主走査方向(図面に直交する方向)へ配列したも
のである。この場合には、0次光は回折の影響を受け
ず、偏向もされないので、偏向角の変化する+1次光を
「正規の光走査光束」として用い、この正規の光走査光
束以外の「被走査面に対してゴースト光となる0次光、
−1次光、±2次光をゴースト光除去手段600(図8
(a)に示すものと同様のもの)により被走査面に対し
て遮断する。従って、正規の光走査光束である+1次光
のみがゴースト光除去手段600のスリット開口部を通
過して被走査面に向う。
【0137】図8(c)は、図8(a)の場合におい
て、正規の光走査光束である0次光と、ゴースト光であ
る+1次光とを示している。これらの光束は、ゴースト
光除去手段600のスリット開口部の位置において、副
走査方向(図の上下方向)に光束幅:bを有している。
また、0次光と+1次光のそれぞれの主光線が副走査方
向に成す角を図の如くθとし、液晶偏向素子手段とゴー
スト光除去手段600との距離を図の如くLとし、ゴー
スト光除去手段600におけるスリット開口部の副走査
方向の幅をΔとする。
【0138】このとき、ゴースト光除去手段600によ
りゴースト光(+1次光)が完全に遮断される条件は
「L・tanθ>(b+Δ)/2」であるから、ゴース
ト光除去手段600を液晶偏向素子手段から離すべき距
離:Lは前記(1)式、即ち、「L>(1/2)(b+Δ)/t
anθ」を満足すればよいことになる。容易に理解され
るように、図8(b)に示す液晶偏向素子手段18Bを
用いる場合も同じ条件になる。
【0139】図4(a)に示すゴースト光除去手段60
0は、独立した専用の部材で、長尺の遮光板にスリット
開口部を穿設したものであるが、このようにせずに、光
走査装置のハウジングに設けられた防塵ガラスや光路折
返しミラー等に「スリット開口部を有する遮光層を印刷
等により形成したもの」をもって、ゴースト光除去手段
としても良いことは前述の通りである。
【0140】図9は光走査装置の実施の別形態を示して
いる。繁雑を避けるため、混同の虞がないと思われるも
のについては図4におけると同一の符号を用いた。この
実施の形態においては、液晶偏向素子手段として、図4
(b)に即して説明した液晶偏向素子手段18Aを、ポ
リゴンミラー14とfθレンズ16との間に配設してい
る。ゴースト光除去手段600Aは、fθレンズ16を
構成する一方のレンズ162の射出側に印刷形成された
「スリット開口部を有する遮光層」として形成されてい
る。勿論、液晶偏向素子手段18Aとゴースト光除去手
段600Aとは、前記(1)式を満足するように設けら
れる。
【0141】図10(a)は、光走査装置の実施の別形
態を説明図的に示している。この光走査装置は、光源か
ら複数光束が放射され、被走査面が2以上の光スポット
で光走査されるマルチビーム方式の光走査装置である。
このように光走査装置はマルチビーム走査方式のものと
して構成することもできる。
【0142】光源装置40は半導体レーザによる発光源
401、402と、カップリングレンズ403、404
とを有している。発光源401、402から放射された
各光束は、それぞれカップリングレンズ403、404
によりカップリングされ、平行光束(あるいは弱い発散
性もしくは弱い収束性の光束)となり、シリンドリカル
レンズ42により副走査方向に集束され、ポリゴンミラ
ー44の偏向反射面近傍に、互いに副走査方向に分離し
た「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0143】ポリゴンミラー44が等速回転すると、各
光束は等角速度的に偏向する偏向光束となって液晶偏向
素子手段48を透過し、fθレンズ46を構成するレン
ズ461、462を順次透過し、光路折曲げミラー47
により光路を折曲げられ、被走査面の実体を成す光導電
性の感光体50(矢印方向に等速回転する)の感光面上
に、副走査方向に互いに分離した光スポットを形成し、
感光体50を2走査線同時に光走査する。
【0144】偏向光束の一方は、光走査領域へ向う途上
で光センサ49により検出され、光センサ49の出力に
基づき各光スポットの光走査開始の同期が取られる。
【0145】図10(c)に示すように、発光源40
1、402からの各光束FL1、FL2は、副走査方向
(図面に直交する方向)から見て、ポリゴンミラーの偏
向反射面441の部分で「主走査方向に交叉する」よう
に設定されている。
【0146】このようにすると、被走査面50上で(主
走査方向に)同一位置に結像する光束はレンズ461、
462の同一部分を通るため、各光束FL1、FL2に
関する等速性が同一のものとなる。また、各光束FL
1、FL2がレンズ461、462において「光軸に関
して副走査方向において同じ側」を通るようにすること
により、被走査面50上における各走査線の走査線曲が
りは「実質的に同じ」になる。
【0147】従って、液晶偏向素子手段48により、主
・副走査方向の偏向量を調整することにより、走査線曲
がり・等速性を2光束同時に補正し、光束FL1、FL
2によるマルチビーム走査を良好に行うことができる。
【0148】発光源401、402からの光束FL1、
FL2が、図10(b)に示すように「偏向反射面44
1の部分で主走査方向に交叉しない」と、被走査面50
上で同一位置に結像する光束がレンズ461、462の
同一部分を通らないため、等速性や走査線曲がりが、光
束FL1とFL2で同一にならず、従って、単一の液晶
偏向素子手段48によっては、各光束について等速性や
走査線曲がりを補正することはできない。
【0149】この実施の形態において、液晶偏向素子手
段48はポリゴンミラー44とレンズ461との間に配
備されるので、前述したところに従い、ある程度、偏向
反射面から離れた位置に配置することにより、偏向角の
大きい部分における液晶偏向素子の配列ピッチが余り小
さくならないようにする。
【0150】この実施の形態において、ゴースト光除去
手段600Bは、光路折曲げミラー47の反射面に「主
走査方向に長いスリット開口部(反射面)を持つ遮光層
(光吸収層)」として印刷により形成されている。液晶
偏向素子手段48とゴースト光除去手段600Bとは、
前記(1)式を満足するように設けられる。
【0151】図11は画像形成装置の実施の1形態を示
している。この画像形成装置はモノクロームのレーザプ
リンタであり、感光媒体が光導電性の感光体で、光走査
により形成される静電潜像を可視化して得られるトナー
画像を、シート状の記録媒体に転写・定着する。
【0152】レーザプリンタ100は、感光媒体111
として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有し
ている。感光体111の周囲には、帯電手段としての帯
電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、
クリーニング装置115が配備されている。帯電手段と
しては帯電ローラ112に代えて「コロナチャージャや
帯電ブラシ」を用いることもでき、転写ローラ114に
代えて「コロナ放電式の転写手段」を用いることもでき
る。
【0153】レーザビームLBにより光走査を行う光走
査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置
113との間で「光書込による露光」を行うようになっ
ている。さらに、符号116は定着装置、符号118は
カセット、符号119はレジストローラ対、符号120
は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ロ
ーラ対、符号123はトレイ、符号Pは「シート状の記
録媒体」としての転写紙を示している。
【0154】画像形成プロセスが実行されるとき、光導
電性の感光体111が時計回りに等速回転され、その表
面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置
117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて
静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネ
ガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜
像は現像装置113により反転現像され、感光体111
上にトナー画像が形成される。
【0155】シート状記録媒体である転写紙Pを収納し
たカセット118は、画像形成装置100本体に脱着可
能で図のごとく装着された状態において、収納された転
写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ120により給紙さ
れ、給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストロー
ラ対119に捉えられる。
【0156】レジストローラ対119は、感光体111
上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを
合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた
転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせら
れ転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写
される。
【0157】トナー画像を転写された転写紙Pは定着装
置116へ送られ、定着装置116においてトナー画像
を定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122
によりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写
された後の像担持体111の表面は、クリーニング装置
115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が
除去される。
【0158】光走査装置117は、図4や図9あるいは
図10に即して説明したものであり、液晶偏向素子手
段、ゴースト光除去手段を有し、被走査面(感光体11
1)上における光スポットの位置を副走査方向、また
は、主走査方向と副走査方向に調整しつつ、光走査によ
る画像書込みを行う。
【0159】このようにして走査線曲がりや走査線の傾
き、あるいはこれらと等速性が有効に補正される。ま
た、液晶偏向素子手段での回折により生じるゴースト光
が良好に除去される。従って、極めて良好な画像書込み
が実現され、歪みのない良好なモノクローム画像を形成
することができる。
【0160】図12は、画像形成装置の実施の別形態を
示している。この画像形成装置は、光導電性の感光体を
感光媒体とし、カラー画像を形成するためのものであ
る。形成されるべきカラー画像は、イエロー、マゼン
タ、シアン、黒の4色の成分画像を形成し、これら成分
画像を同一のシート状記録媒体上で重ね合せることによ
り得られる。
【0161】符号151、152はポリゴンミラーを示
す。これらポリゴンミラー151、152は同一形状の
もので共通の軸に固定的に設けられ、一体として回転す
るようになっており、図示されない駆動手段と共に「光
偏向走査手段」を構成する。
【0162】図示されていないが「4つの光源装置」が
設けられている。4つの光源装置のうち2つからの光束
はポリゴンミラー151に入射し、他の2つからの光束
はポリゴンミラー152に入射する。各光源装置からポ
リゴンミラー151、152に至る光路上の光学配置
は、図4の光走査装置のものと同様である。
【0163】ポリゴンミラー152により偏向される偏
向光束LSY、LSKはそれぞれ、イエロー成分画像、
黒成分画像を書込むための光束である。偏向光束LSY
はイエロー色成分の画像情報で強度変調され、走査結像
光学系としてのfθレンズを構成するレンズLNY1、
LNY2(保持体PTYに保持されている)を透過し、
光路折曲げミラーMY1、MY2、MY3により順次反
射され、光導電性の感光体150Yの感光面(被走査面
の実体を成す)に導光され、上記感光面を光走査する。
【0164】感光体150Yは円筒状で、矢印方向へ回
転しつつ帯電器CYにより均一帯電された状態で、偏向
光束LSYの光スポットで光走査され、イエロー成分画
像を書込まれてイエロー潜像を形成される。
【0165】偏向光束LSKは黒色成分の画像情報で強
度変調され、fθレンズを構成するレンズLNK1、L
NK2(保持体PTKに保持されている)を透過し、光
路折曲げミラーMK1、MK2、MK3により順次反射
され、光導電性の感光体150Kの感光面に導光され、
上記感光面を光走査する。
【0166】感光体150Kは円筒状で、矢印方向へ回
転しつつ帯電器CKにより均一帯電された状態で、偏向
光束LSKの光スポットで光走査され、黒成分画像を書
き込まれて黒潜像を形成される。
【0167】ポリゴンミラー151により偏向される偏
向光束LSM、LSCはそれぞれ、マゼンタ成分画像、
シアン成分画像を書込むための光束である。偏向光束L
SMはマゼンタ色成分の画像情報で強度変調され、fθ
レンズを構成するレンズLNM1、LNM2(保持体P
TMに保持されている)を透過し、光路折曲げミラーM
M1、MM2、MM3により順次反射され、光導電性の
感光体150Mの感光面に導光され、上記感光面を光走
査する。
【0168】感光体150Mは円筒状で、矢印方向へ回
転しつつ帯電器CMにより均一帯電された状態で、偏向
光束LSMの光スポットで光走査され、マゼンタ成分画
像を書き込まれてマゼンタ潜像を形成される。
【0169】偏向光束LSCはシアン色成分の画像情報
で強度変調され、fθレンズを構成するレンズLNC
1、LNC2(保持体PTCに保持されている)を透過
し、光路折曲げミラーMC1、MC2、MC3により順
次反射され光導電性の感光体150Cの感光面に導光さ
れ、上記感光面を光走査する。
【0170】感光体150Cは円筒状で、矢印方向へ回
転しつつ帯電器CCにより均一帯電された状態で、偏向
光束LSCの光スポットで光走査され、シアン成分画像
を書き込まれてシアン潜像を形成される。
【0171】各感光体の光走査は、説明中の例では「シ
ングルビーム走査方式」で行うが、各光源装置として図
10に示す如きのも用いて「マルチビーム走査方式」で
行ってもよい。また、各感光体を帯電する帯電器として
コロナ放電式のものを例示したが、帯電ローラや帯電ブ
ラシ等の接触式のものを用いても良い。
【0172】感光体150Y、150M、150C、1
50Kに形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒の
各潜像は、それぞれ対応する現像装置153Y、153
M、153C、153Kにより、対応する色のトナー
(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒
トナー)により現像されて可視化される。
【0173】このようにして、感光体150Yにはイエ
ロートナー画像、感光体150Mにはマゼンタトナー画
像、感光体150Cにはシアントナー画像、感光体15
0Kには黒トナー画像がそれぞれ形成される。これら各
色トナー画像は、以下のようにしてシート状の記録媒体
である転写紙P上に転写される。
【0174】感光体150Y、150M、150C、1
50Kに、図の下方から接するように無端状の搬送ベル
ト154がプーリ155、156に掛け回されて設けら
れており、搬送ベルト154の内周面側において、転写
器157Y、157M、157C、157K(コロナ放
電式のものを例示したが、転写ローラ等の接触式のもの
を用いることもできる)が、ベルト面を介して対応する
感光体150Y〜150Kに対向するように設けられて
いる。
【0175】シート状記録媒体としての転写紙Pは積載
収納されているカセット158内から給紙され、送り込
みローラ159により搬送ベルト154上に乗せ掛けら
れ、帯電器160による帯電を受けて搬送ベルト154
の外周面に静電吸着されて保持される。搬送ベルト15
4は反時計回りに回転し、転写紙Pを周面に保持して搬
送する。
【0176】転写紙Pは上記の如く搬送されつつ、先
ず、感光体150Y上のイエロートナー画像を転写器1
57Yにより転写され、続いて、感光体150M、15
0C、150K上の、マゼンタ、シアン、黒の各色トナ
ー画像を順次、転写器157M、157C、157Kに
より転写される。各色トナー画像の転写は、これらトナ
ー画像が互いに位置合わせされて重なり合うように行わ
れる。
【0177】このようにして転写紙P上にカラー画像が
形成される。カラー画像を形成された転写紙Pは、除電
器161により除電され、自身の腰の強さにより搬送ベ
ルト154から剥離し、定着装置162によりカラー画
像を定着され、排出ローラ163により、画像形成装置
の天板を兼ねたトレイ164上に排出される。
【0178】トナー画像を転写された後の各感光体は、
対応するクリーナ165Y、165M、165C、16
5Kにより残留トナーや紙粉等を除去される。また、搬
送ベルト154は除電器166により除電され、クリー
ナ167によりクリーニングされる。
【0179】以上が画像形成プロセスのあらましであ
る。図12に示した実施の形態における各色トナー画像
の転写紙への転写方式に代えて周知の「中間転写ベルト
に各色トナー画像を転写してカラー画像とし、このカラ
ー画像を転写紙に転写する転写方式」を行うようにして
もよい。
【0180】前述の如く、このカラー画像形成装置にお
いて、走査結像光学系はfθレンズであり各偏向光束ご
とに1組ずつ、全部で4組が設けられ、各組は2枚のレ
ンズで構成されている。これら4組のfθレンズは「互
いに光学的に等価」で、各光源装置から対応する感光体
に至る光路長も互いに等しく設定されている。これらは
光学ハウジング175内に設けられている。
【0181】レンズLNY1、LNM1、LNC1、L
NK1は同一の樹脂材料で構成され、レンズLNY2、
LNM2、LNC2、LNK2も同一の樹脂材料で構成
されている。これらレンズの材料樹脂としては、低吸水
性や高透明性、成形性に優れたポリカーボネートやポリ
カーボネートを主成分とする合成樹脂が好適である。樹
脂材料で構成すると非球面の形成も容易であるし、材料
費も安いため、カラー画像形成装置の低コスト化上有利
である。
【0182】反面、樹脂レンズは温・湿度変化の影響で
光学特性が変化するので、走査線曲がり・走査線の傾き
や等速性も環境変化に応じて変動する。そこで、液晶偏
向素子手段(主走査液晶偏向素子列および副走査液晶偏
向素子列)170Y、170M、170C、170K
を、各感光体150Y、150M、150C、150K
を光走査する偏向光束の光路上に図の如く設け、先に説
明した如くして、各感光体上における光スポットの位置
を主走査方向および副走査方向に調整することにより走
査線曲がり・等速性を補正する。
【0183】液晶偏向素子手段170Y〜170Kの個
々において発生するゴースト光を除去するゴースト光除
去手段600Y、600M、600C、600Kは、光
学ハウジング175の底部の「各光走査光束を射出する
窓部を塞ぎハウジング内部を防塵する防塵ガラス」に、
主走査方向に長いスロット開口部を持つ遮光層として印
刷により形成されて構成されている。液晶偏向素子手段
170Y〜170Kとゴースト光除去手段600Y〜6
00Kとは、前記(1)式を満足するように設けられ
る。
【0184】図12に示すようなタンデム式のカラー画
像形成装置では、各感光体上に形成される画像における
走査線曲がりや走査線の傾きが、感光体相互で互いに異
なると「色ずれ」の問題が顕著に現れるので、上記のよ
うにして走査線曲がりや走査線の傾きを各光束ごとに補
正して、これらが実質的に同じになるようにすることに
より「色ずれ」の問題を有効に軽減若しくは防止すること
ができる。
【0185】なお、図12に図示していないが、各偏向
光束LSY〜LSKが対応感光体上に形成する光スポッ
トの走査位置はそれぞれ、図5(b)に即して説明した
走査位置検出手段23(各被走査面と光学的に等価な位
置に配置される)と同様のものにより検出され、偏向光
束の一部を走査位置検出手段に導くため、液晶偏向素子
手段170Y〜170Kは(図では明らかでないが)、
図7(a)で説明したように各偏向光束の光路上で副走
査方向に対して若干傾けて配置され、検出光束を各走査
位置検出手段に向けて反射する。
【0186】上記のように、全ての走査結像光学系を樹
脂レンズで構成するのではなく、そのうちの1組、例え
ばレンズLNK1、LNK2の組を「走査位置基準とな
る光学系」として、温度変動による影響をなくすため熱
膨張率の小さいガラス(熱膨張率:0.5×10−5
℃))で構成し、偏向光束LSY、LSM、LSCの光
路内に設けた液晶偏向素子手段170Y、170M、1
70Cにより、偏向光束LSY、LSM、LSCによる
光走査における走査線曲がりや走査線の傾き、等速性
を、レンズLNK1、LNK2により結像される偏向光
束LSKの走査線曲がりや走査線の傾き、等速性に合わ
せるように補正を行っても良い。
【0187】この場合、レンズLNK1、LNK2によ
るfθレンズは、他のfθレンズと光学特性を等価に
し、他のfθレンズの光路内に液晶偏向素子列装置を用
いることによる光路長の差を補正するために、液晶偏向
素子列手段170Kに代えて、これと光学的厚さ(物理
的な厚さに屈折率を掛けたもの)が等価な透明平行平板
を用いる。また、ゴースト光除去手段600Kに代えて
「通常の防塵ガラス」を用いる。
【0188】このようにすると、液晶偏向素子列手段を
全ての偏向光束の光路上に搭載する必要が無く、また高
価なガラスレンズは基準となる走査結像光学系のみに使
用され、他の走査結像光学系は安価なプラスチックレン
ズを使用できるので、全体として安価なカラー画像形成
装置を実現でき、色ずれの少ない高品質のカラー画像を
得ることが可能になる。
【0189】上に、図4(図9、図10)に示した光走
査装置は、1以上の光源10(10、40)からの光束
を光偏向走査手段14(14、44)により偏向させ、
偏向された光束を1以上の走査結像光学系16(16、
46)により、光源に応じた被走査面20(20、5
0)に向けて集光させ、被走査面上に光スポットを形成
して光走査を行う光走査装置において、各光源から各光
源に対応する被走査面に至る光路上に設けられ、被走査
面上における光スポットの位置を副走査方向または主走
査方向および副走査方向に補正的に調整するための1以
上の液晶偏向素子手段18(18A、48)と、この1
以上の液晶偏向素子手段を制御する制御手段22(図1
0に図示されず)と、液晶偏向素子手段により副走査方
向に発生し、正規の光走査光束に対するゴースト光とな
る回折次数の光束を、各液晶偏向素子手段に対応する被
走査面に対して遮断するゴースト光除去手段600(6
00A、600B)とを有する(請求項1)。
【0190】図12に示した画像形成装置における光走
査装置部分は、1以上の光源からの光束を光偏向走査手
段151、152により偏向させ、偏向された光束を1
以上の走査結像光学系LNY1、LNT2〜LNK1、
LNK2により、光源に応じた被走査面150Y〜15
0Kに向けて集光させ、被走査面上に光スポットを形成
して光走査を行う光走査装置において、各光源から各光
源に対応する被走査面に至る光路上に設けられ、被走査
面上における光スポットの位置を副走査方向または主走
査方向および副走査方向に補正的に調整するための1以
上の液晶偏向素子手段170Y〜170Kと、この1以
上の液晶偏向素子手段を制御する制御手段(図示され
ず)と、液晶偏向素子手段により副走査方向に発生し、
正規の光走査光束に対するゴースト光となる回折次数の
光束を、各液晶偏向素子手段に対応する被走査面に対し
て遮断するゴースト光除去手段600Y〜600Kとを
有する(請求項1)。
【0191】また、上記各光走査装置において、液晶偏
向素子手段18、18A、48、170Y〜170K
は、光偏向走査手段と、この光偏向走査手段により偏向
走査される被走査面との間に配置され(請求項2)、ゴ
ースト光除去手段600、600A、600B、600
Y〜600Kは光偏向走査手段と被走査面との間に配さ
れ、正規の光走査光束のみを通過させる「主走査方向に
長いスリット開口部」を有し、ゴースト光を被走査面に
対して遮断する(請求項3)。
【0192】上記ゴースト光除去手段600、600
A、600B、600Y〜600Kは、液晶偏向素子手
段18、18A、48、170Y〜170Kにより偏向
される光ビームの全幅:b、ゴースト光除去手段におけ
るスリット開口部のスリット幅:Δ、液晶偏向素子手段
とスリット開口部との距離:L、液晶偏向素子手段によ
り得られる正規の光走査光束とこの正規の光走査光束に
最も近いゴースト光との、主光線同士が成す角:θが、
条件: L>(1/2)(b+Δ)/tanθ を満足するように形成され、配置されている(請求項
4)。
【0193】また、主走査方向に長いスリット開口部を
有するゴースト光除去手段600A、600B、600
Y〜600Kは、光偏向走査手段と被走査面との間の光
路上に配置される光学素子の何れかに一体化されている
(請求項5)。
【0194】また、図11、図12に示す画像形成装置
は、感光媒体111、150Y〜150Kに光走査を行
って、画像形成を行う画像形成装置において、感光媒体
に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜5の任意
の1に記載のものを用いうるものである(請求項6)。
【0195】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な光走査装置と画像形成装置とを実現できる。こ
の発明の光走査装置は液晶偏向素子手段を用いることに
より、走査線曲がり、あるいは走査線曲がりと等速性と
を補正できるとともに、液晶偏向素子手段で回折により
副走査方向に発生するゴースト光をゴースト光除去手段
により有効に除去できるので、ゴースト光の影響を除去
した良好な光走査を実現できる。
【0196】従って、この発明の画像形成装置は、かか
る光走査装置を用いることにより良好な画像形成を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶偏向素子の1例を説明するための図であ
る。
【図2】液晶偏向素子の別の例を説明するための図であ
る。
【図3】液晶偏向素子の他の例を説明するための図であ
る。
【図4】光走査装置の実施の1形態を説明するための図
である。
【図5】液晶偏向素子手段による走査線曲がりの補正を
説明するための図である。
【図6】液晶偏向素子手段の2例を説明するための図で
ある。
【図7】走査位置検出手段による走査位置検出を説明す
るための図である。
【図8】液晶偏向素子手段により発生するゴースト光
と、ゴースト光除去手段とを説明するための図である。
【図9】光走査装置の実施の別形態を説明するための図
である。
【図10】光走査装置の実施の他の形態を説明するため
の図である。
【図11】画像形成装置の実施の1形態を説明するため
の図である。
【図12】画像形成装置の実施の別形態を説明するため
の図である。
【符号の説明】
18 液晶偏向素子手段 600 ゴースト光除去手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/139 H04N 1/036 Z H04N 1/036 B41J 3/00 D 1/113 H04N 1/04 104A (72)発明者 鈴木 光夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 天田 琢 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 宮武 直樹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 伊藤 悟 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C362 BA85 BB28 BB46 DA27 2H045 CA00 CA33 CA63 CB24 CB63 2H088 EA45 HA24 JA04 MA20 5C051 AA02 CA07 DB22 DB24 DB30 DC04 DC07 DE29 5C072 AA03 DA02 DA14 HA02 HA09 HA11 HA13 HB15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1以上の光源からの光束を光偏向走査手段
    により偏向させ、偏向された光束を1以上の走査結像光
    学系により、光源に応じた被走査面に向けて集光させ、
    上記被走査面上に光スポットを形成して光走査を行う光
    走査装置において、 各光源から各光源に対応する被走査面に至る光路上に設
    けられ、上記被走査面上における光スポットの位置を副
    走査方向、または、主走査方向と副走査方向とに、補正
    的に調整するための1以上の液晶偏向素子手段と、 この1以上の液晶偏向素子手段を制御する制御手段と、 上記液晶偏向素子手段により副走査方向に発生し、正規
    の光走査光束に対するゴースト光となる回折次数の光束
    を、各液晶偏向素子手段に対応する被走査面に対して遮
    断するゴースト光除去手段とを有することを特徴とする
    光走査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査装置において、 液晶偏向素子手段が光偏向走査手段と被走査面との間に
    配置されたことを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の光走査装置におい
    て、 ゴースト光除去手段が光偏向走査手段と被走査面との間
    に配され、正規の光走査光束のみを通過させる主走査方
    向に長いスリット開口部を有し、ゴースト光を上記被走
    査面に対して遮断することを特徴とする光走査装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光走査装置において、 液晶偏向素子手段により偏向される光束の全幅:b、ゴ
    ースト光除去手段におけるスリット開口部のスリット
    幅:Δ、上記液晶偏向素子手段と上記スリット開口部と
    の距離:L、上記液晶偏向素子手段により得られる正規
    の光走査光束とこの正規の光走査光束に最も近いゴース
    ト光との、主光線同士が副走査方向において成す角:θ
    が、条件: L>(1/2)(b+Δ)/tanθ を満足することを特徴とする光走査装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の光走査装置におい
    て、 主走査方向に長いスリット開口部を有するゴースト光除
    去手段が、光偏向走査手段と被走査面との間の光路上に
    配置される光学素子の何れかに一体化されたことを特徴
    とする光走査装置。
  6. 【請求項6】感光媒体に光走査を行って、画像形成を行
    う画像形成装置において、 感光媒体に光走査を行う光走査装置として、請求項1〜
    5の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする画
    像形成装置。
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