JP3452894B2 - 乾燥もずくの製造方法 - Google Patents

乾燥もずくの製造方法

Info

Publication number
JP3452894B2
JP3452894B2 JP2000371041A JP2000371041A JP3452894B2 JP 3452894 B2 JP3452894 B2 JP 3452894B2 JP 2000371041 A JP2000371041 A JP 2000371041A JP 2000371041 A JP2000371041 A JP 2000371041A JP 3452894 B2 JP3452894 B2 JP 3452894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mozuku
dried
alcohol
ethanol
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000371041A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002171943A (ja
Inventor
義英 川本
英昭 安野
昇 小田
Original Assignee
株式会社スペース商事
オリエンタルバイオ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社スペース商事, オリエンタルバイオ株式会社 filed Critical 株式会社スペース商事
Priority to JP2000371041A priority Critical patent/JP3452894B2/ja
Publication of JP2002171943A publication Critical patent/JP2002171943A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3452894B2 publication Critical patent/JP3452894B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Edible Seaweed (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、もずくの新規な乾
燥方法に関する。本発明の乾燥方法を用いて製造される
乾燥もずくは、水で戻して食品として用いることができ
る。また、本発明の方法により得られた乾燥もずくは、
各種の食品材料として用いることができ、さらに医薬
品、健康食品等に添加される有用な成分(例えば、フコ
イダン)を得るための原料として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】褐藻類の1つであるもずくは、有用な成
分として多糖体であるアルギン酸やフコイダンを含んで
いる。これらの多糖体は、好ましい食感を与え、生理的
にも重要であるが、保水性が高く、もずくの乾燥を非常
に困難にしている。そのため、沖縄やトンガ王国等のも
ずくの商業的規模生産地から遠隔の大規模消費地へは、
嵩高く、重量の大きい生もずくのまま運送されている。
生もずくは、低温保存する場合でさえも品質劣化や腐敗
の問題を生じうる。よってもずくは、生産地から消費地
へ冷凍状態で輸送され、保存も冷凍である。
【0003】乾燥もずくまたはもずくの乾燥方法がいく
つか開発されてきている。例えば、特開平6−141823
は、イシモズクを水でもみ洗いし、これを乾燥用簾に移
し、これを再び水槽に浮かべて均整し、これをラックに
取り上げて水切りし、これをラックに載置したまま乾燥
機に収容して所定時間乾燥し、乾燥後これを適当大きさ
のシート状にカットして仕上げて成ることを特徴とする
乾燥もずくを開示する。また、特開平7−16082は、生も
ずくを海水濃度と同程度の濃度を有する食塩水によって
洗浄した後、平板状の台部に化学繊維製の簀状網部を張
着し、前記洗浄生もずくを網部上に載せて、篦等で約1
〜3mm程度の厚さにならすか、あるいは回転式ローラー
を介して前記と同程度の厚さにならし、網部上のならし
たままのもずくを天日、通風または火力の何れかの乾燥
工程によって乾燥せしめ、乾燥後網部より剥離せしめて
形成したことを特徴とする、乾燥もずくの製造方法を開
示する。しかしながらこれらの技術は、もずくの保水性
を低減または消失させようとするものではなく、乾燥に
は依然、長時間・厳しい条件を課すものと思われる。も
ずくは乾燥工程中での品質劣化が激しいことが知られて
おり、したがって、従来の乾燥もずくを新鮮なもずくと
同様に利用することは不可能であると考えられる。
【0004】特開平11−276121は、原料もずくに増粘剤
または凝固剤を混合してドラムドライ法により脱水乾燥
させた後、粉砕する工程を有することを特徴とするもず
く粉末の製造方法、あるいは原料もずくをアルコール脱
水して乾燥させた後、粉砕する工程を有することを特徴
とするもずく粉末の製造方法を開示する。しかしなが
ら、この方法はもずくの粉末化に関するものであり、新
鮮もずくの脱水方法として用いうるものかどうか明らか
ではない。また、アルコール脱水する際のアルコールの
最終濃度及びpHについては検討されていない。また、こ
の方法により得られるのはもずく粉末であり、水で戻し
たときに新鮮もずくと同様の品質を有するものとはいえ
ない。
【0005】さらに、特開平11−169137号(特許第3053
794号)は、アルコール濃度10%〜54%(v/v)の含水
エタノールを洗浄剤として用いて食用海藻を処理するこ
とによる、低塩・低臭の海藻の製造方法を提供する。し
かしながら、この方法は、海藻の栄養素を劣化させるこ
となく海藻に含まれている塩分や海藻特有の磯臭さを低
下させるための方法であって、海藻を乾燥するための方
法ではない。また、もずくを脱水するという観点から
は、処理アルコール濃度を検討していない。さらに、褐
藻類の特徴的色調である褐〜緑色を維持させるための手
法については言及していない。
【0006】他方、もずくの乾燥物を得るためには、熱
水処理でもずく藻体とアルギン酸やフコイダンを分別
し、各々を乾燥させた後、混合する方法も存在する。し
かしながら、この方法では非常に高コストになるばかり
ではなく、色調、風味や食感も新鮮もずくとは全く異な
るものとなる。したがって、もずくスープなどの一部の
特殊用途に利用されているにすぎない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらのことから、高
品質を保持した状態でもずくを乾燥することができ、輸
送や保存コストの低減に役立つ技術開発が求められてい
た。
【0008】
【発明を解決するための手段】発明者らは、従来より高
粘性を有する多糖体の研究に従事しており、もずく由来
のアルギン酸やフコイダンも研究対象の1つとしてき
た。発明者らがもずくに含まれている多糖体を詳細に検
討したところ、藻体外表面は主にアルギン酸で覆われて
おり、特定の溶媒で多糖体を凝集させれば顕著に保水性
や粘性が消失することが見出された。発明者らは、ま
た、フコイダンは、80%程度のエタノールにも可溶であ
るが、アルギン酸がリッチである場合には40〜50%エタ
ノールでもアルギン酸と共沈するとの知見に基づき、あ
るエタノール濃度範囲でもずくを処理すれば、アルギン
酸やフコイダンの保水性を消失できると考えた。そして
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(a)低級アルコールを含む溶媒を用いて、もずくを脱
水処理する工程;および(b)脱水処理したもずくを乾
燥する工程を含む、乾燥もずくの製造方法を提供する。
【0009】本発明の製造方法の出発原料として用いる
ことのできるもずくは、褐藻植物(Pharophyta)の、な
がまつも科(Chordariaceae)、にせもずく科(Acrohtr
icaeae)またはもずく科(Spermatochnaceae)に属する
藻、例えばもずく(Nemacystus decipiens OKAM)を
含む。また、天然もずく、養殖もずくのいずれでもよ
く、収穫直後の新鮮もずく、収穫後特別な処理を行って
いない生もずくの他、冷蔵もずく、冷凍もずく、塩蔵も
ずく等の処理・加工等されたもずくでもよい。
【0010】本発明で用いることのできる低級アルコー
ルは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、およ
びtert−ブチルアルコール、並びにこれらの混合物を含
む。安全性、コスト等の観点から、エタノールが好まし
い。
【0011】本発明で用いられる溶媒のアルコール濃度
は適宜決定することができる。上限値は、もずく中の有
用な成分(例えば、フコイダン)の溶出の有無、もずく
の水分含量、コスト、および/または意図するもずくの
脱水率などに応じて決定してもよい。下限値は、もずく
中の好ましくない成分(例えば、ヒ素)の溶出の有無、
および/または意図するもずくの脱水率などに応じて決
定してもよい。好ましくは最終アルコール濃度が約10〜
95%、更に好ましくは約40〜80%、最も好ましくは、約
45〜60%である。本明細書において、もずく処理に関し
て「最終アルコール(またはエタノール)濃度」(単に
「アルコール濃度」ということもある)というときは、
特別の場合を除き、式:最終アルコール濃度(%)=
(アルコール容積)/(アルコール容積+水容積)×10
0により得られる容積に基づいた濃度(v/v)をいう。
【0012】また、処理するもずくとアルコールを含む
溶媒との比も適宜決定することができる。コスト、処理
のための時間、アルコール濃度、もずくの水分含量、意
図するもずくの脱水率、および/またはもずく中の有用
な成分(例えば、フコイダン)の溶出の有無などに応じ
て決定してもよい。もずく1(重量)に対して、好まし
くは約0.1〜10,000倍、更に好ましくは約0.5〜1,00
0倍、最も好ましくは、約1〜100倍量(容積)の溶媒を
加える。
【0013】上記工程(a)においては、新鮮もずくの
特徴的色調である褐〜緑色を維持させる観点から、溶媒
にアルカリを添加するとよい。本明細書でいう「アルカ
リ」は、溶媒pHを塩基性側に変動させうるものであり、
水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを含むアルカリ
金属水酸化物、並びに水酸化マグネシウムおよび水酸化
カルシウムを含むアルカリ土金属の水酸化物を包含す
る。アルカリ濃度は、適宜設定することができる。好ま
しくは、溶媒における最終濃度が約0.01〜1000mM、よ
り好ましくは約0.1〜100mM、最も好ましくは、約1〜50
mMである。または、溶媒のpHを弱アルカリ付近とする量
であり、例えばpHを約7.1〜9.0、好ましくは約7.1〜
8.5、より好ましくは約7.5〜8.0とする量である。
【0014】工程(a)においては、撹拌、振とう、お
よび浸漬・搬出の繰り返し、並びにこれらの組合せ等の
操作を適宜行うことができる。工程(a)のための時間
も適宜設定することができる。
【0015】工程(a)は、主としてアルコールの有す
る脱水作用及びもずくの保水力を消失させる作用に基づ
いて、もずくを脱水処理する工程である。本工程の処理
を経たもずくの脱水率は、アルコール濃度および/また
は処理時間等を変動させることにより目的の値とするこ
とができる。続く工程(b)において簡易に乾燥を行う
ためには、工程(a)処理後のもずくの脱水率は、好ま
しくは約20%以上(例えば約20%〜99.9%)、より好
ましくは約40%以上(例えば約40%〜99.9%)、さら
に好ましくは約60%以上(例えば約60%〜99.9%)で
ある。本明細書でいう脱水率(%)は、式:脱水率
(%)=[(未処理もずく重量)−(処理もずく重
量)]/(未処理もずく重量)×100により得られた値
をいう。ここでいう未処理もずくとは、工程(a)に供
する前のもずくであり、処理もずくとは工程(a)を経
た直後、すなわち工程(b)の乾燥工程等を経ていない
もずくをいう。重量測定は、当業者が通常行う方法によ
る。軽く水切りすることが適切な場合もある。
【0016】工程(a)は、また、アルギン酸やフコイ
ダン等の有用成分を消失することなく、原料もずくから
のNaClの除去を可能とする工程でもある。したがって、
工程(a)は、脱塩のための工程を不要にしうる。
【0017】工程(a)は、さらに、アルギン酸やフコ
イダン等の有用成分を消失することなく、原料もずくか
らの、食品または医薬品としては一般的に好ましくない
と考えられる種々の成分の除去をも可能とする工程でも
ある。このような成分としては、例えば、有害性重金属
(Pb、Bi、Cu、Cd、Sb、Sn、またはHg等)、およびヒ素
(As)がある。このAsは、褐藻類で問題視されることが
あるが、本工程はその全部または一部を除去しうる。
【0018】工程(b)は、工程(a)により処理したも
ずくを乾燥させて、乾燥もずくを得るための工程であ
る。本工程でいう「乾燥」は、水分含量を低下させるよ
うな処理(例えば、水切り)を広く含む。本工程の乾燥
には、従来技術を用いることができる。例えば、遠心、
圧搾、吸収体との接触またはメッシュ上に維持すること
等による水分除去、天日乾燥、温風乾燥、冷風乾燥、お
よび減圧乾燥、並びにこれらの組合せを用いることがで
きる。水戻しの際、生もずくと同様の食感を再現し、製
造コストを低減させる観点からは、約40〜50℃の温風乾
燥が好ましい。
【0019】本発明の方法によれば、工程(a)を経る
ことにより、工程(b)の脱水に要する時間を通常より
短くすることができる。また、乾燥の際の温度等の条件
を穏やかなものとすることができる。このことは、時
間、労力、費用、設備削減等の点で好ましいばかりでな
く、新鮮もずくの色調、風味、食感を維持する点でも好
ましい。本発明の方法により得られた乾燥もずくは、水
で戻したときに、新鮮もずくに近い色調、風味、食感を
呈しうるものである。
【0020】本発明の方法により得られた乾燥もずく
は、NaCl含量が低い。このような乾燥もずくは、食用、
食品材料、および有用な成分を得るための原料として非
常に有用である。したがって、本発明は、NaCl含量が低
い乾燥もずくをも提供する。本発明の乾燥もずくは、脱
塩操作を用いなくてよい程度にNaCl含量が低く、NaCl含
量としては、好ましくは約1.0%以下であり、より好ま
しくは、約0.5%以下であり、更に好ましくは、約0.2
%以下である。
【0021】本発明の方法により得られた乾燥もずくは
また、As含量が低いか、またはAsを実質的に含まない。
このような乾燥もずくは、食用、食品材料、および有用
な成分を得るための原料として非常に有用である。した
がって、本発明は、As含量が低いか、またはAsを実質的
に含まない乾燥もずくをも提供する。本発明の乾燥もず
くにおいては、原料もずくに比較して、Asが約1/100以
上除去されており、より好ましくは約1/10以上、さら
に好ましくは約1/3〜1/2除去されている。または、本
発明の乾燥もずくは、As含量が約60ppm以下であり、よ
り好ましくは、約50ppm以下であり、更に好ましくは、
約40ppm以下であり、最も好ましくはAsを実質的に含ま
ない。本明細書でAsを実質的に含まないというときは、
安全性等の観点からはAs含量を無視し得る程度にAs含量
が低い場合、および/または定法によっては検出できな
い程度にAs含量が低い場合をいう。工程(a)の処理溶
媒に溶出した、またはもずく中のAs量は、定法(例え
ば、原子吸光光度法、グトツァイト法)により測定する
ことができる。測定に供する試料の前処理(乾式灰化、
湿式灰化、溶媒抽出等)にも定法を用いることができ
る。
【0022】工程(a)によるもずく処理は、意図する
脱水率までの脱水、NaClの除去および/またはAsの除去
が行えるまで、数回繰り返し行ってもよい。また、工程
(a)は、主たる目的が原料もずくからの脱水である場
合のみならず、主たる目的がもずく中のNaClの除去、ま
たは好ましくない種々の成分の除去である場合にも用い
うる。これらの態様もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0023】
【実施例】実施例にて本発明を詳細に説明する。実施例1 <処理エタノール濃度の検討>もずくから多糖体が溶出
しないが、その保水性を消失できるような最適エタノー
ル濃度を検討した。
【0024】生もずく(NANO社製、トンガ王国。以下、
実施例ではすべて同じ生もずくを用いた。)各1Kgに、
最終濃度がそれぞれ30%、35%、40%、45%、50%、55
%、60%になるように99.5%エタノールと水とを加
え、室温下で10分間攪拌処理した。処理したもずくの重
量を測定し、脱水率(%)=[(未処理もずく重量
(g))−(処理もずく重量(g))]/(未処理もずく
重量(g))×100を求めた。また、もずく処理後のエタ
ノール中の多糖体の有無を、セルロースアセテート膜電
気泳動法(H. Ohishi et al: Glycosaminoglycans of t
he Hemodialysis-Associated Carpal Synovial Amyloid
and of Amyloid-Rich Tissues and Fiberilsof Heart,
Liber, and Spleen: Clinical Chemistry, Vol.36, N
o.1, 88-91(1990) )により確認した。結果を表1に示
す。
【0025】
【表1】 低エタノール濃度では、もずくを処理したエタノール中
に多糖体が検出されたが、最終エタノール濃度40%以上
から、検出されなくなった。しかし、最終エタノール濃
度40%においては、脱水率は55%であった。さらにエタ
ノール濃度を上昇させると、45%以上からの脱水率はほ
とんど変わらず83〜85%と安定した状態となった。これ
らのことから、脱水処理用エタノール最終濃度は、45%
以上に設定するのが好ましいと考えられた。
【0026】実施例2 <乾燥もずくの製造> (1)エタノール処理乾燥法 生もずく8500gに、最終濃度が45%になるように99.5%
エタノール10440mlと水とを加え、室温下で10分間攪拌
した。これを遠心脱水機(H120B型、国産遠心社製)で
脱水して可能な限り含水エタノールを除いた。メッシュ
トレーに広げ、減圧しながら40〜50℃の温風下に、約2
時間曝して乾燥した。950gの乾燥もずくが得られた。
【0027】(2)アルカリ−エタノール処理乾燥法 生もずく8500gに、エタノールと水酸化ナトリウムと
を、それぞれの最終濃度が順に45%と5mMになるように
加え、室温下で10分間攪拌した(pH7.5)。これを実施
例2(1)と同様に脱水機で処理し、可能な限り含水エタ
ノールを除いた。メッシュトレーに広げ、減圧しながら
40〜50℃の温風下に約2時間曝して乾燥した。960gの乾
燥もずくが得られた。
【0028】<評価>得られた乾燥藻体、およびもずく
を処理したエタノール(以下、「溶出液」という。)中
の、固形分、灰分、Na、As、多糖体を測定した(ヒ素お
よび多糖体は溶出液でのみ)。固形分および灰分は定法
に準じて測定した。ナトリウムおよびヒ素は湿式灰化し
た後、前者を偏光原子吸光法で、後者をヒ素検出簡易キ
ット(メルコクァントヒ素イオン検出テスト、メルク社
製)で測定した。多糖体はセルロースアセテート膜電気
泳動法で測定した。また、乾燥もずくを水で戻し、簡単
に1回水洗いをした後、6名のパネラーにより色調および
食感を評価した。悪い(1点)、やや悪い(2点)、どち
らともいえない(3点)、やや良い(4点)、良い(5
点)で評価した。乾燥もずく原料と同じもずく(ポジテ
ィブコントロール)の評価ポイントを5点とした。パネ
ラー6名の平均値を算出した。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】 エタノール処理法、およびアルカリ−エタノール処理法
とも、溶出液中に多糖体は検出されなかった。エタノー
ル処理を1回しか行わなかったにも関わらず、双方と
も、藻体のNaClがほとんど除去されていた。またAsも、
その約1/3〜1/2が除去されていた。乾燥もずくを水で
戻した後のパネラーによる評価では、エタノール法とエ
タノール−アルカリ法とも、対照に比較して著しく異な
るものではなかったが、色調、食感の点で、後者におい
てより好ましい結果が得られた。
【0030】実施例3 実施例2で得られた乾燥もずくをそれぞれビニール袋に
入れ、遮光下、10℃以下、室温(25℃)または40℃で2
ヶ月間放置し、保存安定性(一般細菌、微・酵母、色調
および食感)を評価した。一般細菌と微・酵母は食品衛
生検査指針(厚生省環境衛生局監修、食品衛生検査指針
II食品別、日本食品衛生協会発行(1978))に基づき、培
養法で測定した。色調と食感は実施例2に示した方法で
評価した。
【0031】10℃以下、または室温(25℃)で保存した
乾燥もずくは、保存前のものと全く変化を認められなか
った。40℃保存のものについての結果を表3に示す。
【0032】
【表3】 40℃保存のものについても、一般細菌、微・酵母につい
て変化は見られなかった。パネラーによる評価では、エ
タノール法とエタノール−アルカリ法とも、対照に比較
して著しく異なるものではなかったが、色調、食感の点
で、後者においてより好ましい結果が得られた。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によれば、新鮮もずくから
簡便に、新鮮もずくと比較して遜色のない、高品質の乾
燥もずくを製造することができる。したがって、原料も
ずくの輸送や保存コストの低減を図ることができる。本
発明の方法はまた、もずく藻体のNaClを除去する効果も
有する。このことは、脱塩工程を不要とし、得られた乾
燥もずくが目的の食品に直接利用できるという利便性を
生む。本発明の方法はまた、もずく藻体から、褐藻類で
問題視されているAsを除去する効果も有する。本発明の
方法は、安全性のより高いもずくを安価に提供すること
ができる。
【0034】もずくは一般的な調理目的の利用以外に、
フコイダンの原料として注目されているが、本発明の乾
燥もずくは、食用、食品材料としてのみならず、フコイ
ダン原料としても有用であり、安価で安全性のより高い
フコイダンの製造を可能にする。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−276121(JP,A) 特開 平11−169137(JP,A) 特開 昭54−64660(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/337

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程を含む、乾燥もずくの製造方
    法: (a)もずくを、メタノール、エタノール、n−プロピル
    アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
    コール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
    ル、およびtert−ブチルアルコール、並びにこれらの混
    合物からなる群から選択される低級アルコールを含み、
    最終アルコール濃度が40〜80%である溶媒を用いて脱水
    処理する工程、ただし溶媒にアルカリが添加され、pH
    7.1〜9.0である;および (b)脱水処理したもずくを乾燥する工程。
  2. 【請求項2】 低級アルコールがエタノールであり、最
    終エタノール濃度が41〜80%である、請求項1に記載さ
    れた方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)により脱水率20%以上にまでも
    ずくを脱水処理する、請求項1又は2に記載された方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)により脱水率60%以上にまでも
    ずくを脱水処理する、請求項1〜3のいずれか1項に記載
    された方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載された方
    法で得られうる、原料もずくに比較して、ヒ素(As)の
    1/3以上が除去されている乾燥もずく。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載された方
    法で得られうる、ヒ素(As)含量が60ppm以下である乾
    燥もずく。
JP2000371041A 2000-12-06 2000-12-06 乾燥もずくの製造方法 Expired - Lifetime JP3452894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000371041A JP3452894B2 (ja) 2000-12-06 2000-12-06 乾燥もずくの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000371041A JP3452894B2 (ja) 2000-12-06 2000-12-06 乾燥もずくの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002171943A JP2002171943A (ja) 2002-06-18
JP3452894B2 true JP3452894B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=18840824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000371041A Expired - Lifetime JP3452894B2 (ja) 2000-12-06 2000-12-06 乾燥もずくの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3452894B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005145989A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Hamashoku:Kk 乾燥モズクの粉末より、フコイダンを抽出する濃縮液の製造方法
WO2006093175A1 (ja) * 2005-03-01 2006-09-08 Ube Industries, Ltd. フコイダンの製造方法並びにフコイダン及びフコイダン含有組成物
JP4381332B2 (ja) * 2005-03-15 2009-12-09 理研食品株式会社 乾燥モズクの製造方法
JP2010214278A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Hamashoku:Kk 乾燥モズクを使用した除湿剤や乾燥剤。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002171943A (ja) 2002-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002220402A (ja) フコイダン含有抽出物の簡易な製造方法
CN109259197A (zh) 一种木本食用淀粉的制备方法
JP3452894B2 (ja) 乾燥もずくの製造方法
US4664916A (en) Method for the preparation of a food having desalinating activity
US3985903A (en) Process for treatment of fish meat to produce raw material for production of powdered fish meat retaining fresh meat activity
CN107259293A (zh) 一种从沙蚕中制备天然抗氧化剂的方法
KR101462366B1 (ko) 저염 멸치의 제조방법
CN105211277A (zh) 一种叶类蔬菜保鲜剂
KR101801304B1 (ko) 복원비율이 우수한 기계건조 채썬 다시마의 가공방법
JP3506593B2 (ja) 調味料の製造方法
US2834694A (en) Fructose polymers and method of preparation
KR0157478B1 (ko) 해조류를 이용한 과일잼의 제조방법
CN113142435A (zh) 一种香梨柠檬复合型饮料及其制备方法
CN115301209B (zh) 一种高效降氟剂及其制备与应用
CN112679450A (zh) 一种从墨角藻中综合提取岩藻黄质和海藻多糖的方法
JP2510902B2 (ja) 鉄高濃度含有酵母の製造法
KR101931766B1 (ko) 기능성 흑마늘 소금의 제조방법
JP2012016325A (ja) 米タンパク質組成物の製造方法及び食品
JP2002105092A (ja) 液状の酵母活性化物質、固形状の酵母活性化物質及びそれらの製造方法並びに発酵品の製造方法
KR101217926B1 (ko) 조미용 소금 조성물
JP6961216B2 (ja) ゲル化物質、ゾル化物質ならびにそれらの製造方法
JPS62232364A (ja) 静菌剤の製造法
JP3149410B2 (ja) 乾燥青紫蘇の製造方法
US2126445A (en) Preparation of food products from fish scrap
JP3102686B1 (ja) 梅の種の炭素化物及び除湿剤,脱臭剤ならびにその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3452894

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term