JP3064993U - 自動収納棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の長材を分類整理した状態で出し入れ容
易に収納し得るようにした占有床面積の小さな自動収納
棚を提供する。 【解決手段】 収納装置（１１）と出し入れ装置（１
３）とよりなり、該収納装置は垂直方向に複数の被収納
物支持棚（１５）を備え、各被収納物支持棚は出し入れ
装置に対向する側を開口し、該出し入れ装置は車輪（１
９）を介してレール（２１）上を走行することにより収
納装置に対し接離自在となし、該出し入れ装置は被収納
物（１）を支持するためのフォーク（２３）を昇降自在
且つ出没自在に備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は自動収納棚に関するものであり、更に詳しくは、種々のロール、種々の 製品、鋼材、パイプ等の被収納物の収納作業と取り出し作業とを自動化した自動 収納棚に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

被収納物を出し入れ自在に収納するようにした手段としては下記のものが知られ ている。

【０００３】 （イ）立体倉庫に対し被収納物をスタッカークレーンにより出し入れするように してなる手段

【０００４】 （ロ）固定棚に対し被収納物をフォークリフト車により出し入れするようにして なる手段

【０００５】 （ハ）脚立状の傾斜棚に対し被収納物を天井クレーンにより出し入れするように してなる手段

【０００６】 （ニ）床上に被収納物を積み上げるようになし、被収納物の積み上げと取り出し とを天井クレーンにより行なうようにしてなる手段

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、上記手段（イ）〜手段（ニ）にはそれぞれ次のような問題がある。

【０００８】 ［手段（イ）］ スタッカークレーンは高価であるため、大規模な倉庫でなければ採算が合わない 。また、スタッカークレーンはコンテナに収納された荷物には適するが、コンテ ナに収納されない被収納物には不向きである。

【０００９】 ［手段（ロ）］ フォークリフト車は旋回するものであるため、固定棚に対し被収納物をフォー クリフト車により出し入れするためには、固定棚の周辺およびフォークリフト車 の通路に広い空間を必要とする。また、被収納物をフォークリフト車に積載する 際に、被収納物の重心をフォークリフト車におけるフォークの位置に正しく合わ せないと、走行中にフォークリフト車から被収納物が落下するおそれがある。

【００１０】 ［手段（ハ）］ 傾斜棚における最上段に載置された被収納物は天井クレーンにより容易に吊り 上げることができるが、下段に載置された被収納物を天井クレーンにより吊り上 げることは困難である。傾斜棚の傾斜を緩くすれば下段に載置された被収納物を 天井クレーンにより吊り上げる作業は容易になるが、この場合には傾斜棚が占め る床面積が増大するという問題が生ずる。

【００１１】 ［手段（ニ）］ 床上に積み上げられた被収納物のうちの下層の被収納物を取り出す際には、天井 クレーンにより上層の被収納物を一旦取り除いた後、所望の被収納物を吊り出し 、しかる後に取り除いた被収納物を再び元の位置に積み上げるという作業が必要 である。これは面倒且つ非能率的な作業である。また、被収納物を積み上げる場 所は年月の経過と共に次第に乱雑になりがちである。

【００１２】 本考案は上記従来の手段（イ）〜手段（ニ）における上述の問題を解消しようと してなされたものである。即ち、本考案は、種々の被収納物を分類整理した状態 で出し入れ容易に収納し得るようにした占有床面積の小さな自動収納棚を提供し ようとしてなされたものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本考案は下記の自動収納棚を提供するものである。

【００１４】 （１）収納装置と出し入れ装置とよりなり、 該収納装置は垂直方向に複数の被収納物支持棚を備え、各被収納物支持棚は出 し入れ装置に対向する側を開口し、 該出し入れ装置は車輪を介してレール上を走行することにより収納装置に対し接 離自在となし、該出し入れ装置は被収納物を支持するためのフォークを昇降自在 且つ出没自在に備え、更に、該出し入れ装置は該車輪を回転させるための第一の 駆動手段と該フォークを昇降させるための第二の駆動手段と該フォークを出没さ せるための第三の駆動手段とを備えていることを特徴とする自動収納棚（請求項 １）。

【００１５】 （２）前記フォークは水平方向に回動することにより出没するようになす（請求 項２）。

【００１６】 （３）前記収納装置の基部には前記出し入れ装置方向に開口した開口部を形成し 、該開口部には前記レールにおける収納装置側の端部を収容すると共に出し入れ 装置が収納装置に接近したときに該出し入れ装置における車輪を備えた基部が該 開口部に入り込むようになす（請求項３）。

【００１７】 （４）前記出し入れ装置における車輪の上方には補助輪を取り付け、前記収納装 置には該補助輪に対応する受け板を備えさせる（請求項４）。

【００１８】

【作用】

［請求項１の自動収納棚］ 収納装置の各被収納物支持棚には被収納物を寸法、形状、材質等に応じて適宜分 類した状態で収納する。各被収納物支持棚には被収納物を直接載置してもよいが 、被収納物を適宜パレット等の容器に収納した状態で各被収納物支持棚に載置す ることが望ましい。被収納物支持棚は垂直方向に配設されているため、収納装置 が占める床面積は小さい。

【００１９】 被収納物支持棚に対する被収納物の出し入れは、出し入れ装置に対向する開口側 より出し入れ装置により行われる。

【００２０】 出し入れ装置は第一の駆動手段を作動させて車輪を回転させることによりレール 上を走行し、収納装置に接近し或いは該収納装置から離れる。出し入れ装置のフ ォークは第二の駆動手段により昇降する（上下方向に動く）。該フォークは第三 の駆動手段により出没する（出し入れ装置から突出し或いは該装置内に引っ込む ）。

【００２１】 収納装置に対する被収納物の出し入れは、出し入れ装置の収納装置に対する接離 及び出し入れ装置におけるフォークの昇降と出没により行われる。

【００２２】 例えば、収納装置に収納されている所望の被収納物（斜線を施した符号１ｂに示 す被収納物）を取り出す場合について図５〜図９に従って説明する。まず、予め 一対の床置台（符号３参照）をレール両側傍の床上に配設する。出し入れ装置を レール上にて走行させることにより収納装置に接近させた状態で停止させ（図５ 参照）、フォークを所望の被収納物が載置されている被収納物支持棚の直下まで 上昇させると共に該フォークを該被収納物支持棚の下方に突出させる（図６参照 ）。この状態でフォークを更に上昇させて所望の被収納物をフォーク上に乗せる （図７参照）。続いて、出し入れ装置を収納装置から離れる方向に走行させて前 記床置台の近傍にて停止させ、フォークを下降させてフォーク上の被収納物を該 床置台上に載置する（図８参照）。しかる後にフォークを出し入れ装置内に没入 させると共に該フォークを定位置に上昇させる。更に、出し入れ装置を収納装置 の方向に走行させ、床置台上の被収納物を例えばクレーンにより吊り上げる（図 ９参照）。なお、床置台上に載置された被収納物を収納装置に収納する際には、 上記の手順を逆に行なえばよい。

【００２３】 ［請求項２の自動収納棚］ 請求項２の自動収納棚における出し入れ装置のフォークは所定の水平方向に回動 することにより被収納物支持棚の下方に突出し、反対の水平方向に回動すること により出し入れ装置内に没入する。

【００２４】 ［請求項３の自動収納棚］ 請求項３の自動収納棚においては、出し入れ装置が収納装置に接近したときに該 出し入れ装置における車輪を備えた基部が収納装置基部の開口部に入り込むよう にしたため、自動収納棚の非使用時には該出し入れ装置を収納装置にコンパクト に嵌め込み、自動収納棚が占める床面積を小さくすることができる。

【００２５】 ［請求項４の自動収納棚］ 請求項４の自動収納棚においては、出し入れ装置を収納装置に接近させたときに は出し入れ装置の補助輪が収納装置の受け板により支えられるため、出し入れ装 置が収納装置により案内され、支持された状態となり、特に大型の自動収納棚の 場合には出し入れ装置が安定する。

【００２６】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態を添付図面に従って説明する。 本考案の自動収納棚は収納装置１１と出し入れ装置１３とよりなるものである。

【００２７】 収納装置１１は垂直方向に複数の被収納物支持棚１５を備え、各被収納物支持棚 １５は出し入れ装置１３に対向する側（図１、図２における左側）を開口してい る。図１においては、被収納物支持棚１５にパレット１７が載置されている。パ レット１７は被収納物１（１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ）を収納するための容器であ る。

【００２８】 出し入れ装置１３は車輪１９を介して一対のレール２１上を走行することにより 収納装置１１に対し接離自在となす。

【００２９】 出し入れ装置１３は被収納物１を支持するためのフォーク２３を昇降自在且つ 出没自在に備えている。更に、出し入れ装置１３は車輪１９を回転させるための 第一の駆動手段２５とフォーク２３を昇降させるための第二の駆動手段２７とフ ォーク２３を出没させるための第三の駆動手段２９とを備えている。

【００３０】 車輪１９を回転させるための第一の駆動手段２５は、一例として図４に示すよう に、車輪１９の車軸３１を歯車３３、３５を介して走行用モータ３７に連結して なるものである。

【００３１】 フォーク２３を昇降させるための第二の駆動手段２７は、一例として、フォーク ２３を支持する支持枠３９の上方と下方とにスプロケット４１、４３を配設し、 該スプロケット４１、４３間にチェーン４５を巻き掛け、該チェーン４５にフォ ーク２３の支持枠３９を取り付け、一方のスプロケット４１を歯車４７、４９を 介してフォーク昇降用モータ５１に連結してなるものである。図３、図４に示す 事例においては、左右一対の駆動手段２７が配設されているが、これら各駆動手 段２７を同調軸５３を介して相互に連結することにより各駆動手段２７を同調さ せている。符号５５に示すものは同調軸５３の両端に取り付けられた歯車であり 、各歯車５５は各駆動手段２７における歯車４７に噛合している。なお、図３、 図４に示す事例においては、下方のスプロケット４３は前記車輪１９の車軸３１ に回転自在に支持されている。

【００３２】 図示の事例においては、一対のフォーク２３がそれぞれ水平方向に回動すること により出没するように配設されている。これらのフォーク２３を出没させるため の第三の駆動手段２９は、一例として図３、図４に示すように、各フォーク２３ の垂直軸６１を支持枠３９内に回転自在に支持させ、各垂直軸６１を傘歯車６３ 、６５を介してフォーク回動用モータ６７に連結してなるものである。

【００３３】 前記収納装置１１の基部１１ａには出し入れ装置１３方向に開口した開口部１２ を形成し、該開口部１２には前記レール２１における収納装置１１側の端部２１ ａを収容すると共に出し入れ装置１３が収納装置１１に接近したときに該出し入 れ装置１３における車輪１９を備えた基部１３ａが該開口部１２に入り込むよう になすことが望ましい。

【００３４】 出し入れ装置１３における車輪１９の上方には補助輪７１を取り付け、収納装 置１１には該補助輪７１に対応する受け板７３を備えさせることが望ましい。図 ２参照。補助輪７１は受け板７３の上に乗るようにしてもよいが、上下一対の補 助輪７１ａ、７１ｂにより受け板７３を挟持するようにしてもよい。

【００３５】

【考案の効果】

［請求項１の自動収納棚］ 請求項１の自動収納棚は、車輪を介してレール上を走行する出し入れ装置を該レ ールに沿って収納装置に接離させると共にフォークを昇降、出没させることによ り収納装置に対する被収納物の出し入れを行なうようにしたため、自動収納棚全 体が占める床面積は小さい。 出し入れ装置は第一の駆動手段によりレール上を走行し、該出し入れ装置のフォ ークは第二の駆動手段により昇降し、第三の駆動手段により出没するようにした ため、出し入れ装置による収納装置に対する被収納物の出し入れ作業は極めて容 易である。

【００３６】 ［請求項２の自動収納棚］ 請求項２の自動収納棚における出し入れ装置のフォークは所定の水平方向に回動 することにより被収納物支持棚の下方に突出し、反対の水平方向に回動すること により出し入れ装置内に没入する。従って、フォークを出没させるための第三の 駆動手段は簡単なものでよい。

【００３７】 ［請求項３の自動収納棚］ 請求項３の自動収納棚においては、出し入れ装置が収納装置に接近したときに該 出し入れ装置における車輪を備えた基部が収納装置基部の開口部に入り込むよう にしたため、自動収納棚の非使用時には該出し入れ装置を収納装置にコンパクト に嵌め込み、自動収納棚が占める床面積を小さくすることができる。

【００３８】 ［請求項４の自動収納棚］ 請求項４の自動収納棚においては、出し入れ装置を収納装置に接近させたときに は出し入れ装置の補助輪が収納装置の受け板により支えられるため、出し入れ装 置が収納装置により案内され、支持された状態となり、特に大型の自動収納棚の 場合には出し入れ装置が安定する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動収納棚を概略的に示す斜視図
である。

【図２】同上自動収納棚の側面図である。

【図３】第二の駆動手段と第三の駆動手段とを示す斜視
図である。

【図４】第一の駆動手段と第二の駆動手段と第三の駆動
手段とを示す正面図である。

【図５】同上自動収納棚の使用状態を概略的に示す側面
図である。

【図６】同上自動収納棚の使用状態を概略的に示す別の
側面図である。

【図７】同上自動収納棚の使用状態を概略的に示す更に
別の側面図である。

【図８】同上自動収納棚の使用状態を概略的に示す更に
別の側面図である。

【図９】同上自動収納棚の使用状態を概略的に示す更に
別の側面図である。

【符号の説明】

１ 被収納物 １ａ 被収納物 １ｂ 被収納物 １ｃ 被収納物 １ｄ 被収納物 ３ 床置台 １１ 収納装置 １１ａ 基部 １２ 開口部 １３ 出し入れ装置 １３ａ 基部 １５ 被収納物支持棚 １７ パレット １９ 車輪 ２１ レール ２１ａ 端部 ２３ フォーク ２５ 第一の駆動手段 ２７ 第二の駆動手段 ２９ 第三の駆動手段 ３１ 車軸 ３３ 歯車 ３５ 歯車 ３７ 走行用モータ ３９ 支持枠 ４１ スプロケット ４３ スプロケット ４５ チェーン ４７ 歯車 ４９ 歯車 ５１ フォーク昇降用モータ ５３ 同調軸 ５５ 歯車 ６１ 垂直軸 ６３ 傘歯車 ６５ 傘歯車 ６７ フォーク回動用モータ ７１ 補助輪 ７１ａ 補助輪 ７１ｂ 補助輪 ７３ 受け板

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納装置と出し入れ装置とよりなり、 該収納装置は垂直方向に複数の被収納物支持棚を備え、
   各被収納物支持棚は出し入れ装置に対向する側を開口
   し、 該出し入れ装置は車輪を介してレール上を走行すること
   により収納装置に対し接離自在となし、該出し入れ装置
   は被収納物を支持するためのフォークを昇降自在且つ出
   没自在に備え、更に、該出し入れ装置は該車輪を回転さ
   せるための第一の駆動手段と該フォークを昇降させるた
   めの第二の駆動手段と該フォークを出没させるための第
   三の駆動手段とを備えていることを特徴とする自動収納
   棚。
2. 【請求項２】 前記フォークは水平方向に回動すること
   により出没するようにしたことを特徴とする請求項１の
   自動収納棚。
3. 【請求項３】 前記収納装置の基部には前記出し入れ装
   置方向に開口した開口部を形成し、該開口部には前記レ
   ールにおける収納装置側の端部を収容すると共に出し入
   れ装置が収納装置に接近したときに該出し入れ装置にお
   ける車輪を備えた基部が該開口部に入り込むようにした
   ことを特徴とする請求項１又は２の自動収納棚。
4. 【請求項４】 前記出し入れ装置における車輪の上方に
   は補助輪を取り付け、前記収納装置には該補助輪に対応
   する受け板を備えさせたことを特徴とする請求項１〜３
   のいずれかの自動収納棚。