JPH083367Y2 - 立体自動倉庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は底面の形状が平坦な底面平坦状荷物と底面の
形状が湾曲した底面湾曲状荷物とを収納保管できるよう
にして収納効率を向上させた立体自動倉庫に関するもの
である。

［従来の技術］ 立体自動倉庫においては、多段高層棚の間を走行する
とともに、昇降荷台に設けた滑り出しフォークにより荷
物の水平方向の移動を可能にしたスタッカークレーンを
使用して、前記多段高層棚の収納区画に荷物を出し入れ
している。

従来、立体自動倉庫では、該立体自動倉庫に収納保管
すべき荷物の形状、及び寸法を規格化し、その規格に適
合するように多段高層棚、スタッカークレーンを設計し
ている。

すなわち、ある立体自動倉庫では、底面が平坦な形状
の荷物（荷物をパレットに載置した場合等も含む）だけ
を収納保管するようにし、ある別の立体自動倉庫では、
底面が湾曲した形状の荷物（円柱状、円筒状等の形状を
有する荷物）だけを収納保管するようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが近年、立体自動倉庫の収納効率をより高める
ために、同一の多段高層棚、あるいは対向する多段高層
棚に、底面の形状が異なる２種類の荷物を収納保管でき
るようにしたいという要望があるが、前述したように従
来の立体自動倉庫では、底面の形状が異なる２種類の荷
物を収納保管することはできない。

本考案は上述の問題点を解決するもので、底面の形状
が平坦な底面平坦状荷物と底面の形状が湾曲した底面湾
曲状荷物とを収納保管することができる立体自動倉庫を
提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案の立体自動倉庫にお
いては、底面平坦状荷物を下方両側から支持する平坦支
持具を備えた平坦荷物収納区画及び底面湾曲状荷物を下
方両側から支持する湾曲支持具を備えた湾曲荷物収納区
画をそれぞれ有し且つ対向するように立設された多段高
層棚と、該多段高層棚の間に多段高層棚に沿って横行し
得るように配設され且つ昇降荷台を有するスタッカーク
レーンと、該スタッカークレーンの昇降荷台に多段高層
棚の平坦荷物収納区画に対して前進後退し得るように取
り付けられた左右一対の第１の滑り出しフォークと、該
第１の滑り出しフォークを作動させる駆動装置と、前記
スタッカークレーンの昇降荷台に第１の滑り出しフォー
クの間に位置し且つ多段高層棚の湾曲荷物収納区画に対
して前進後退し得るように取り付けられた第２の滑り出
しフォークと、該第２の滑り出しフォークを作動させる
駆動装置とを備え、第１の滑り出しフォークを底面平坦
状荷物を下方から支持し得る形状に形成し、第２の滑り
出しフォークを底面湾曲状荷物を下方から支持し得る形
状に形成している。

［作用］ 本考案の立体自動倉庫では、底面平坦状荷物を多段高
層棚に収納するときには、その荷物を第１の滑り出しフ
ォーク上に、また、底面湾曲状荷物を多段高層棚に収納
するときには、その荷物を第２の滑り出しフォーク上に
載置した後、スタッカークレーンを作動させて底面平坦
状荷物、あるいは底面湾曲状荷物を、平坦荷物収納区
画、あるいは湾曲荷物収納区画に対峙させ、荷物を支持
している第１、あるいは第２の滑り出しフォークを収納
区画内に前進させて荷物を収納区画内に挿入するととも
に、昇降荷台を下降させて荷物を収納区画に支持させ
る。

また、多段高層棚に収納してある荷物を搬出するとき
には、スタッカークレーンを作動させて搬出すべき荷物
の下面よりも第１、第２の滑り出しフォークの上面が下
側に位置するようにし、次いで、搬出すべき荷物の底面
の形状にあわせて第１、あるいは第２の滑り出しフォー
クを収納区画内に前進させるとともに、昇降荷台を上昇
させて前進させた滑り出しフォーク上に荷物を支持し、
更に荷物を支持している滑り出しフォークを後退させて
荷物を収納区画から取り出し、更にスタッカークレーン
を作動させて前記荷物を所定の位置まで搬送する。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図において、１は立体自動倉庫の建屋
内に対向した多段高層棚であり、各多段高層棚は、垂直
方向に延びる前後一組の支柱36,37の左右側面に、水平
方向に延びる平坦支持具38の前後端部を上下方向に等間
隔に固着するとともに、前後支柱36,37を左右方向に等
間隔で立設した構成を有し、上下左右方向に、支柱36,3
7、平坦支持具38により区分された平坦荷物収納区画2a
及び後述する湾曲荷物収納区画2bを多数形成している。

平坦支持具38は、上面が略平坦な棒状材で、平坦荷物
収納区画2aにおいては、左右の平坦支持具38の上面で、
底面平坦状荷物40aを下方より支持して該荷物40aを収納
保管するようになっている（第３図も参照）。

また、対向する左右平坦支持具38の一部の先端には、
該左右平坦支持具38に対して平行に延びる円柱形状、あ
るいは円筒形状等を有する底面湾曲状荷物40bに下方よ
り外接可能な支持面41を有する左右湾曲支持具39が固着
され、該左右湾曲支持具39の支持面41で底面湾曲状荷物
40bを下方より支持して該荷物40bを収納保管する湾曲荷
物収納区画2bが形成されている（第４図も参照）。

なお、第１図及び第２図において、対向する多段高層
棚１の双方に、平坦荷物収納区画2aと湾曲荷物収納区画
2bを混在させているが、一方の多段高層棚１のみに収納
区画2a,2bを混在させたり、また、一方の多段高層棚１
に収納区画2aを、他方の多段高層棚１に収納区画2bを設
けるようにしてもよい。

立体自動倉庫内の床面３には、前記多段高層棚１の前
面に沿って下部レール４が敷設され、また、下部レール
４の直上には、上部レール５が下部レール４に対して並
行になるように、左右の多段高層棚１の最上部結合材６
に取付けられていて、これら下部レール４と上部レール
５とは、以下説明するスタッカークレーン７の走行路を
構成している。

スタッカークレーン７は第１図に示すように、下部レ
ール４に並行な下部サドル８と、下部サドル８の両端近
傍から鉛直に立設した２本のコラム９と、コラム９の上
端に上部レール５と並行に取付けた上部サドル10とによ
って上下方向に長い四角形に形成した本体フレームを備
えている。

下部サドル８には下部従動輪11と下部駆動輪12とが回
転自在に取付けてあって、下部レール４上を回転移動す
るようになっており、前記下部駆動輪12は、モータ及び
減速機を備えた下部駆動装置13によって回転駆動される
ようになっている。

また、上部サドル10には、上部従動輪14と上部駆動輪
15とが上部レール５を両側から挾んで回転するように取
付けてあって、上部駆動輪15はモータ及び減速機を備え
た上部駆動装置16によって回転駆動するようになってい
る。

前記下部駆動装置13及び上部駆動装置16は、コラム９
に取付けてある制御盤17により同時に制御され、下部駆
動輪12及び上部駆動輪15を同時に回転駆動または停止し
て、スタッカークレーン７を下部レール４及び上部レー
ル５に沿って走行させたり、停止させたりする。なお上
部駆動輪15及び上部駆動装置16は取付けずに、下部駆動
輪12及び下部駆動装置13のみによってスタッカークレー
ン７を走行、停止させてもよい。

２本のコラム９の間には昇降荷台18が昇降自在に設け
てあって、巻上装置19で巻取り巻戻しされる巻上用チェ
ーン20により吊下げられている。

第３図及び第４図に示すように、昇降荷台18には、多
段高層棚１に向って水平移動可能な左右一対の第１の滑
り出しフォーク21aが設けられ、更に左右第１の滑り出
しフォーク21aの間には、同様に多段高層棚１に向って
水平移動可能な第２の滑り出しフォーク21bが設けられ
ている。

並列する第１の滑り出しフォーク21aの外側間寸法W₁
は、平坦荷物収納区画2aの左右平坦支持具38の先端間寸
法W₂よりも小さくなっている。

第１、第２の滑り出しフォーク21a,21bは、第５図に
示すように、昇降荷台18の上面に固着した固定フォーク
22と、多段高層棚１に向って水平移動できるように前記
固定フォーク22に外嵌した中間フォーク23と、同様に多
段高層棚１に向って水平移動できるように前記中間フォ
ーク23に外嵌した先端フォーク24a,24bとを有してい
る。

第１の滑り出しフォーク21aの先端フォーク24aは第３
図に示すように、上面が水平に形成されていて、下面が
平坦な形状の荷物40aを左右先端フォーク24aにより支持
できるようになっている。

第２の滑り出しフォーク21bの先端フォーク24bはその
上面に、第４図に示すように、該先端フォーク24bの移
動方向に延びる円柱状、もしくは円筒状の荷物40bの外
周面に外接可能な凹面42が形成されていて、前記荷物40
bを凹面42によって転動させないように支持できるよう
になっている。

また、先端フォーク24bの上面は、先端フォーク24aの
上面よりも低く形成されている。

第５図に示すように、前記固定フォーク22、及び中間
フォーク23内部の一端Ａ側にはスプロケット25,27が、
また、他端Ｂ側にはスプロケット26,28が、前記スタッ
カークレーン７の移動方向に延びる軸を中心に回動自在
に支持され、更に前記スプロケット25にはスプロケット
29が同軸に固着されている。

中間フォーク23の一端Ａ側には、中間フォーク駆動用
チェーン30の一端が係止されており、該中間フォーク駆
動用チェーン30は前記スプロケット26に巻き掛けられた
うえ、他端が中間フォーク23の他端Ｂ側に係止されてい
る。

また、先端フォーク24a,24bの一端Ａ側には、先端フ
ォーク駆動用チェーン31の一端が係止されており、該先
端フォーク駆動用チェーン31は前記スプロケット28に巻
き掛けられたうえ、他端が前記固定フォーク22の一端Ａ
側に係止されている。

一方、先端フォーク24a,24bの他端Ｂ側には、先端フ
ォーク駆動用チェーン32の一端が係止されており、該先
端フォーク駆動用チェーン32は、前記スプロケット27に
巻き掛けられたうえ、他端が前記固定フォーク22の他端
Ｂ側に係止されている。

更に、前記昇降荷台18には、スプロケット33を有する
滑り出しフォーク駆動装置34a,34bが内装され、前記ス
プロケット33,29には駆動用チェーン35が巻き掛けられ
ている。

上記滑り出しフォーク21a,21bは、スプロケット33が
矢印Ｃ方向へ回動するように滑り出しフォーク駆動装置
34aあるいは34bを駆動させると、固定フォーク22、中間
フォーク23に対して、中間フォーク23、先端フォーク24
aあるいは24bが一端Ａ側へ水平移動し、またスプロケッ
ト33が矢印Ｄ方向へ回動するように滑り出しフォーク駆
動装置34aあるいは34bを駆動させると、固定フォーク2
2、中間フォーク23に対して、中間フォーク23、先端フ
ォーク24aあるいは24bが他端Ｂ側へ水平移動する。

上述した立体自動倉庫において、底面平坦状荷物40
a、あるいは底面湾曲状荷物40bを収納するときには、ス
タッカークレーン７を多段高層棚１間より引き出した状
態にしておくとともに、昇降荷台18を下降させておき、
先端フォーク24aあるいは24b上に荷物40aあるいは40bを
載置する。

このとき、先端フォーク24a,24b、及び中間フォーク2
3を、昇降荷台18から突出していない状態にしておく。

たとえば、今、底面平坦状荷物40aを多段高層棚１に
収納するとして、先端フォーク24a上に荷物40aを載置し
たならば、スタッカークレーン７を上下部レール5,4に
沿って走行させるとともに昇降荷台18を上昇させ、荷物
40aを空いている平坦荷物収納区画2aに対峙させる。

このとき、荷物40aの下面を平坦支持具38の上面より
も上側に位置させておく。

次いで、滑り出しフォーク駆動装置34aを駆動して先
端フォーク24aを平坦荷物収納区画2a内に前進させ、荷
物40aを平坦支持具38の上方に位置させるとともに昇降
荷台18を下降させ、荷物40aを平坦支持具38に支持させ
ることにより平坦荷物収納区画2a内に保管する。

荷物40aを平坦荷物収納区画2a内に保管したならば、
滑り出しフォーク駆動装置34aを駆動して先端フォーク2
4aを平坦荷物収納区画2aより後退させておく。

また、底面湾曲状荷物40bを多段高層棚１に収納する
場合には、先端フォーク24b上に荷物40bを載置し、底面
平坦状荷物40aを平坦荷物収納区画2aに収納したときと
同様な手順で荷物40bが空いている湾曲荷物収納区画2b
に対峙するようにスタッカークレーン７を移動させ、滑
り出しフォーク駆動装置34bを駆動して先端フォーク24b
を湾曲荷物収納区画2b内に前進させ、荷物40bを湾曲支
持具39の上方に位置させるとともに昇降荷台18を下降さ
せ、荷物40bを湾曲支持具39に支持させることにより湾
曲荷物収納区画2b内に保管する。

平坦荷物収納区画2a、あるいは湾曲荷物収納区画2b内
に保管してある底面平坦状荷物40a、あるいは底面湾曲
状荷物40bを立体自動倉庫外へ搬出するときには、荷物4
0a,40bを収納区画2a,2bに収納したときと逆の手順でス
タッカークレーン７、及び第１、第２の滑り出しフォー
ク21a,21bを作動させる。

すなわち、スタッカークレーン７を操作して、先端フ
ォーク24a,24bの上面を荷物40a,40bの底面よりも下側に
位置させておき、次いで滑り出しフォーク駆動装置34a
あるいは34bを駆動して、先端フォーク24a,24bを収納区
画2a,2b内に前進させ、先端フォーク24a,24bを荷物40a,
40bの下方に位置させるとともに昇降荷台18を上昇さ
せ、荷物40a,40bを先端フォーク24a,24bに支持させる。

更に、滑り出し駆動装置34a,34bを駆動して先端フォ
ーク24a,24bを収納区画2a,2bより後退させて荷物40a,40
bを昇降荷台18上に位置させ、スタッカークレーン７を
多段高層棚１間より引き出すとともに前記昇降荷台18を
下降させて荷物40a,40bを所定の位置に搬送する。

なお、本考案の立体自動倉庫は、上述の実施例にのみ
限定されるものではなく、第１、第２の滑り出しフォー
クの駆動源、及びチェーンの巻き掛け方、先端フォーク
の形状、収納区画の配置を適宜変更することなど本考案
の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得る
ことは勿論である。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の立体自動倉庫によれば、
下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

（１）対向する多段高層棚に、底面平坦状荷物を下方両
側から支持する平坦支持具を備えた平坦荷物収納区画及
び底面湾曲状荷物を下方両側から支持する湾曲支持具を
備えた湾曲荷物収納区画をそれぞれ設けているので、底
面平坦状荷物と底面湾曲状荷物とを効率よく保管するこ
とができ、立体自動倉庫の収納効率が向上する。

（２）スタッカークレーンの昇降荷台に、底面平坦状荷
物を支持可能な左右一対の第１の滑り出しフォークと、
底面湾曲状荷物を支持可能な第２の滑り出しフォークと
を設け、これら第１の滑り出しフォークと第２の滑り出
しフォークとを別箇の駆動装置によって作動させるよう
にしているので、底面平坦状荷物と底面湾曲状荷物との
双方を１基のスタッカークレーンによって多段高層棚に
安定した状態で搬出入することができ、また、立体自動
倉庫の建設費が大幅に上昇することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図は第１図の
II−II矢視図、第３図、第４図は第１、第２の滑り出し
フォークに対する荷物、及び収納区画の関係を示す詳細
図、第５図は第１、第２の滑り出しフォークの駆動機構
を示す図である。 図中、１は多段高層棚、2aは平坦荷物収納区画、2bは湾
曲荷物収納区画、７はスタッカークレーン、18は昇降荷
台、21aは第１の滑り出しフォーク、21bは第２の滑り出
しフォーク、34a,34bはフォーク駆動装置、38は平坦支
持具、39は湾曲支持具、40aは底面平坦状荷物、40bは底
面湾曲状荷物を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底面平坦状荷物を下方両側から支持する平
   坦支持具を備えた平坦荷物収納区画及び底面湾曲状荷物
   を下方両側から支持する湾曲支持具を備えた湾曲荷物収
   納区画をそれぞれ有し且つ対向するように立設された多
   段高層棚と、該多段高層棚の間に多段高層棚に沿って横
   行し得るように配設され且つ昇降荷台を有するスタッカ
   ークレーンと、該スタッカークレーンの昇降荷台に多段
   高層棚の平坦荷物収納区画に対して前進後退し得るよう
   に取り付けられた左右一対の第１の滑り出しフォーク
   と、該第１の滑り出しフォークを作動させる駆動装置
   と、前記スタッカークレーンの昇降荷台に第１の滑り出
   しフォークの間に位置し且つ多段高層棚の湾曲荷物収納
   区画に対して前進後退し得るように取り付けられた第２
   の滑り出しフォークと、該第２の滑り出しフォークを作
   動させる駆動装置とを備え、第１の滑り出しフォークを
   底面平坦状荷物を下方から支持し得る形状に形成し、第
   ２の滑り出しフォークを底面湾曲状荷物を下方から支持
   し得る形状に形成したことを特徴とする立体自動倉庫。