JP3045046B2 - 非放射性誘電体線路装置 - Google Patents
非放射性誘電体線路装置Info
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Description
線路を用いた装置に関し、より特定的には、ミリ波帯や
マイクロ波帯に用いられる集積回路に好適なものに関す
る。
RDガイド)の3つのタイプの構成を示す断面図であ
る。(A)はいわゆるノーマルタイプであり、略平行に
配設される導電体101と102の間に誘電体ストリッ
プ100を備える。(B)はいわゆるグルーブドタイプ
であり、導電体101と102にそれぞれ溝を形成し
て、その溝に誘電体ストリップ100をはめ合わせてい
る。(C)のタイプは、いわゆるウイングドタイプであ
り、それぞれツバ(ウイング)を有する誘電体ストリッ
プ103,104の平面部に導電体101,102を形
成し、誘電体ストリップ部分を対向させている。
の間隔yを電磁波の伝搬波長の半波長以下にして、曲が
り部分や不連続部分における放射波を抑制して、伝送損
失を低減させている。
用いた従来の装置の例を示す。同図において105は、
電極106,107などを形成し、ビームリードダイオ
ード108をマウントした回路基板である。このような
電極を形成し、電子部品を実装した回路基板を誘電体ス
トリップ100の端面に配置することによって、この例
ではビームリードダイオード108が誘電体ストリップ
100を伝搬してきた電磁波と結合することになる。
に適用した例を示す。同図において109は回路基板1
05に形成されたストリップライン、110はブロック
内に組み込まれたガンダイオードであり、その電極をス
トリップライン109に接続している。回路基板105
は誘電体ストリップ100の端面に平行(誘電体ストリ
ップの長手方向に対し垂直な方向)に配置していて、誘
電体ストリップ100を伝搬する電磁波とストリップラ
イン109とを電磁界で結合させている。
放射性誘電体線路を用いた装置では、誘電体ストリップ
と回路基板上の導電体線路などとの結合をとるために、
誘電体ストリップの端部に回路基板を配置して、誘電体
ストリップの長手方向に垂直な方向に回路基板を配置し
ている。ところが、このような構造では、回路基板を装
置内に固定しにくく、傾きやすいため実装性に欠ける。
また、2枚の導電体の間に回路基板を設ける構造となる
ため、細長い短冊状の回路基板しか用いることができ
ず、形成可能な導電体線路などのパターンが限られてし
まう。そのため少ない部品点数で比較的回路規模の大き
な集積回路を構成することができなかった。
置し、回路基板と共に集積回路を構成する際、回路基板
単体では調整を行うことができず、非放射性誘電体線路
に組み付けた状態で特性の測定を行い、調整時には回路
基板を取り外し、調整後に再び組み立てて特性測定を行
う、といった作業を繰り返さなければならず、調整作業
が煩雑で非効率的であった。
対する回路基板の実装性を高め、回路基板上に形成する
導電体膜のパターンの自由度を高め、小型で集積度を容
易に高められるようにした非放射性誘電体線路装置を提
供することにある。
特性測定および調整を可能とした回路基板の特性測定用
治具を提供することにある。
体線路装置は、非放射性誘電体線路に対する回路基板の
実装性を高め、回路基板上に形成する導電体膜のパター
ンの自由度を高め、小型で集積度を容易に高められるよ
うにするため、請求項1に記載したとおり、導電体膜パ
ターンを設けた回路基板を、または導電体膜パターンと
ともに回路素子を設けた回路基板を、前記2つの導電体
の間で且つ、該導電体に略平行に配設するとともに、前
記回路基板に設けられた導電体膜パターンまたは回路素
子を前記誘電体ストリップに近接または侵入させて、前
記導電体膜パターンまたは前記回路素子と前記非放射性
誘電体線路とを結合させる。この構成により、回路基板
上の導電体膜パターンまたは回路素子が誘電体ストリッ
プを伝搬する電磁波と結合し、非放射性誘電体線路と共
に回路基板を組み込んだ集積回路としての非放射性誘電
体線路装置が得られる。ここで回路基板は2つの導電体
の間にその導電体に略平行に配設されているため、例え
ば2つの導電体を平行配置する際、その間に挟み込むよ
うに、または導電体に沿って配置することになるため、
回路基板の実装性に優れる。また、回路基板は2つの導
電体に沿って配置されるため、大面積の回路基板を用い
て、多くの導電体膜パターンまたは導電体膜パターンと
共に回路素子を設けることができ、集積度の高い装置が
容易に得られる。
は、発振器として用いられるようにするため、請求項2
に記載のとおり、回路基板に発振素子および、該発振素
子の発振信号を伝送する導電体線路を設け、該導電体線
路を誘電体ストリップに近接または侵入させて、発振信
号を非放射性誘電体線路に伝送させる。この構成によ
り、発振素子の発振信号が非放射性誘電体線路に伝送さ
れ、非放射性誘電体線路と共に発振器を組み込んだ集積
回路としての非放射性誘電体線路装置が得られる。
は、減衰器または終端器として用いられるようにするた
め、請求項3に記載したとおり、回路基板に抵抗体膜を
形成するとともに、該抵抗体膜を誘電体ストリップに近
接または侵入させて、非放射性誘電体線路を伝搬する電
磁波を減衰させる。この構成により、抵抗膜に対し平行
に電界成分を持つモードすなわちLSMモードの電磁波
のエネルギーが抵抗体膜でジュール熱に変換されるた
め、非放射性誘電体線路を伝搬する電磁波が減衰され、
非放射性誘電体線路と共に減衰器または終端器を組み込
んだ集積回路としての非放射性誘電体線路装置が得られ
る。
は、方向性結合器として用いられるようにするため、請
求項4に記載したとおり、誘電体ストリップを2つ並設
して2つの非放射性誘電体線路を構成し、回路基板に1
/4管内波長の間隔で複数の導電体膜パターンを配設
し、この複数の導電体膜パターンを前記2つの誘電体ス
トリップの間に配置するとともに、該複数の導電体膜パ
ターンを前記2つの誘電体ストリップに近接または侵入
させて、前記2つの非放射性誘電体線路を結合させる。
この構成によれば、2つの導電体の間に2つの誘電体ス
トリップが併設されることによって、2つの非放射性誘
電体線路が構成され、複数の導電体膜パターンを介して
2つの非放射性誘電体線路が結合する。例えば図14に
おいて2つの誘電体ストリップに対し3つのストリップ
ラインa,b,cが設けられている場合、(1) から入射
した波は一部(2) の方へ出ていくが、一部は3つのスト
リップラインa,b,cを通って右の誘電体ストリップ
へ漏れ出る。その際、(4) へ出る波は、いずれのストリ
ップラインを通過する波も同じ位相だけずれているの
で、同位相で合成される。しかし、(3) へ出る波につい
ては、手前のストリップライン(例えばストリップライ
ンa)を通過した波に比べて、後ろのストリップライン
(例えばストリップラインb)を通過した波がλg/4
+λg/4=λg/2に相当する位相(180度)だけ
遅れているので、その合成波は打ち消されて、(3) 方向
へは波が現れない。これによって方向性結合器として作
用する。
放射性誘電体線路装置の構成を図1および図2に示す。
図1に示した装置の分解斜視図である。両図において1
3,14は導電体板であり、この両導電体板の対向する
面にそれぞれ溝を形成していて、断面矩形状の誘電体ス
トリップ10,11をその溝に設けている。12は例え
ばフッ素樹脂系の回路基板であり、その上面に図2に示
すようにストリップライン15(正確にはこの導電体線
路と導電体板13,14とによってストリップラインを
構成する)およびアース導体16を形成している。この
ストリップラインは導電体線路17とアース導体16と
から構成されるコプレーナガイドへ変換し、また誘電体
である回路基板とアース導体16および2つの導電体板
13,14とによって図中18で示す部分で平面誘電体
線路へ変換している。この平面誘電体線路に関しては、
特願平7−69867号で出願しており、本願発明には
この技術を適用することもできる。このように各種導電
体膜を形成した回路基板12を2つの導電体板13,1
4との間で、且つ誘電体ストリップ10,11の間に挟
み込む形態で配設することによって、誘電体ストリップ
10,11、回路基板12および導電体板13,14と
によって1つの非放射性誘電体線路を構成する。後述す
るように、2枚の導電体板13,14の間隔、回路基板
12の厚さ寸法および誘電体ストリップ10,11と回
路基板12の誘電率を定めて、LSM01モードの電磁波
を利用するように構成する。図5の(A)はこの場合の
LSMモードの電磁界分布を示している。但し、上下の
導電体板は省略している。同図において実線は電気力
線、破線は磁力線である。回路基板の誘電率および誘電
体ストリップの誘電率によって電磁界分布は変化する
が、基本的にLSMモードは磁界が誘電体ストリップと
空気の境界面に平行なモードであるため、図2に示した
ストリップライン15とその電磁界とが結合する。
射性誘電体線路装置の構成を図3および図4に示す。
図3に示した装置の分解斜視図である。両図において1
3,14は導電体板であり、この両導電体板の対向する
面にそれぞれ溝を形成していて、断面矩形状の誘電体ス
トリップ10をその溝に嵌め合わせるように設けてい
る。回路基板12は導電体板13,14の間で、且つ両
導電体板に平行に配設している。例えば導電体板13に
突出部を設けて、回路基板12をその突出部にネジ止め
することなどによって所定位置に所定の姿勢で固定して
いる。図5の(B)はこの場合のLSMモードの電磁界
分布を示している。但し、この場合も上下の導電体板は
省略している。同図において実線は電気力線、破線は磁
力線である。このように回路基板12を2つの誘電体ス
トリップ間に挟み込ませなくても、LSM01モードの磁
界は導電体板13,14間において誘電体ストリップ1
0と空気との境界面より外部へ漏れているため、その磁
界とストリップライン15とが磁界結合する。
いる非放射性誘電体線路装置の構成を図6に示す。同図
(B)は出力端側から見た正面図、(A)は上部の導電
体板を取り除いた状態での上面図である。同図において
13,14はそれぞれ下部ハウジング,上部ハウジング
を構成する導電体板であり、その間に誘電体ストリップ
10を所定位置に取り付けている。これにより、誘電体
ストリップ10と導電体板13,14の内面とによって
非放射性誘電体線路を構成している。また回路基板12
を導電体板13にネジ止め固定している。この回路基板
12にはストリップライン15およびRFチョーク用導
電体パターン20を設けている。導電体板13にはガン
ダイオード19をネジ止め固定していて、その端子をス
トリップライン15およびRFチョーク用導電体パター
ン20の一端へワイヤーボンディングしている。また、
導電体板13にはバイアス用端子21を取り付けてい
て、その内部と基板上のRFチョーク用導電体パターン
20の端部間をリード接続している。この構成で、ガン
ダイオード19にDCバイアスを印加することによっ
て、ガンダイオード19が発振し、その発振信号がスト
リップライン15を介して伝搬され、ストリップライン
15と上記誘電体線路とが結合して、非放射性誘電体線
路を伝搬していくことになる。
いる他の非放射性誘電体線路装置の構成を図7に示す。
第3の実施例とは異なり、ここでは回路基板12を2つ
の誘電体ストリップ10,11の間に挟み込んでいる。
回路基板12にはストリップライン15を設けていて、
ブロック内に設けたガンダイオード19の端子とストリ
ップライン15とを接続している。ストリップライン1
5は2つの誘電体ストリップ10,11の対向面の内部
にまで侵入していて、誘電体ストリップ10,11、回
路基板12および導電体板13,14とから非放射性誘
電体線路を構成し、ガンダイオード19の発振信号をス
トリップライン15を介して上記線路に伝搬させる。
振器として用いる非放射性誘電体線路装置の構成を図8
に示す。同図において(B)は変調信号の出力端側から
見た正面図、(A)は上部の導電体板を取り除いた状態
での上面図である。同図において、上下のハウジングと
してそれぞれ作用する導電体板13,14の所定位置に
誘電体ストリップ10,11を設けている。回路基板1
2は導電体板13にネジ止め固定している。また、この
導電体板13にはバラクタダイオード用DC端子28と
ガンダイオード用DC端子27を設けている。回路基板
12にはストリップライン15、RFチョーク用導電体
パターン20および電極23,24を設けている。ま
た、導電体板13にはガンダイオード19をネジ止め固
定していて、その端子を回路基板表面においてストリッ
プライン15に接続している。また、ストリップライン
15とRFチョーク用導電体パターン20との間にバラ
クタダイオード29を接続している。さらに回路基板上
の電極23,24とバイアス用DC端子27,変調用端
子28間をそれぞれリードで接続している。この構成に
よって、変調用端子28とバイアス用端子27間に変調
信号を入力し、バイアス用端子27とアース間に直流高
電圧を印加することによって、ガンダイオードが発振
し、バラクタダイオードの静電容量に応じてその発振周
波数が変化する。
して非放射性誘電体線路へ伝搬する。
いる非放射性誘電体線路装置の構成を図9に示す。同図
は回路基板12に設けたパターンを示すために表した分
解斜視図である。回路基板12には誘電体ストリップ1
0,11間に挟まれる位置に抵抗体膜30を図に示すよ
うにテーパ形状に形成している。この回路基板12を誘
電体ストリップ10,11および導電体板13,14で
挟み込むように配置することによって、非放射性誘電体
線路が構成されるが、その線路を伝搬する電磁波は抵抗
体膜30と結合し、電磁波のエネルギーが抵抗体膜30
で消費され、入射端方向への反射をなくす。
用いる他の非放射性誘電体線路装置の構成を示す分解斜
視図である。図9に示した例とは異なり、抵抗体膜を誘
電体ストリップ10,11の対向面よりはみ出した領域
にまで形成している。これにより、誘電体ストリップの
近傍に分布する電磁波とも結合し、より効果的に電磁波
を減衰させることができる。
誘電体線路装置の構成を示す図であり、(A)は上部の
誘電体ストリップ11と共に導電体板14を分離した状
態での分解斜視図、(B)は下部の導電体板13から回
路基板12を取り外した状態での部分分解斜視図であ
る。このように、誘電体ストリップ10側に抵抗体膜3
0を形成し、その抵抗体膜の形成部を避けるように回路
基板12に開口部31を形成する。これにより抵抗体膜
30の膜厚が厚くても、回路基板12の表面を略平坦に
することができ、回路基板12上に上部のストリップラ
イン11を密着した状態で配置できるようになる。この
抵抗体膜30は抵抗体ペーストを誘電体ストリップへ印
刷するか、テープ状の抵抗体シートを誘電体ストリップ
へ貼付することによって形成する。
いる非放射性誘電体線路装置の構成を図12に示す。
(B)は電磁波の入射端側から見た正面図、(A)は上
部のハウジングを構成する導電体板14を取り除いた状
態での上面図である。同図において回路基板12には抵
抗体膜30を図に示すようなテーパ形状に形成してい
る。これにより、誘電体ストリップ10と導電体板1
3,14とによって非放射性誘電体線路が構成され、そ
の線路を伝搬する電磁波と抵抗体膜30とが結合して、
電磁波のエネルギーが徐々に抵抗体膜30で消費され
る。これによりこの装置が減衰器として作用する。
として作用する非放射性誘電体線路装置の構成を図13
および図14に示す。図13は装置の分解斜視図であ
り、上下の導電体板13,14にそれぞれ2つの誘電体
ストリップ10a,10b,11a,11bを設け、そ
の間に回路基板12を挟み込んで組み立てる。回路基板
12にはストリップライン15を1/4管内波長の間隔
で設けている。この回路基板12を上下の導電体板1
3,14との間に挟み込んだ状態で、誘電体ストリップ
10a,10b,11a,11b、回路基板12および
導電体板13,14とによって2本の非放射性誘電体線
路が構成され、ストリップライン15はその2つの誘電
体線路をまたぐ形で配置されることになる。
リップラインとの関係を示す図である。このように、2
つの誘電体ストリップに対し1/4管内波長の間隔で2
つ以上のストリップラインa,b,cが設けられている
場合、(1) から入射した波は殆ど(2) の方へ出ていく
が、一部は3つのストリップラインa,b,cを通って
右の誘電体ストリップへ漏れ出る。その際、(4) へ出る
波は、いずれのストリップラインを通過する波も同じ位
相だけずれているので、同位相で合成される。しかし、
(3) へ出る波については、手前のストリップライン(例
えばストリップラインa)を通過した波に比べて、後ろ
のストリップライン(例えばストリップラインb)を通
過した波がλg/4+λg/4=λg/2に相当する位
相(180度)遅れているので、その合成波は打ち消さ
れて、(3) 方向へは波が現れない。
る。
ーダフロントエンド部として作用する非放射性誘電体線
路装置の構成を図15および図16に示す。
導電体板の内面を示す図、(B)は下部ハウジングとし
ての導電体板に回路基板を載置した状態における平面図
である。同図において、上下のハウジングとしてそれぞ
れ作用する導電体板13,14の所定位置には互いに対
向する鏡対称のパターンで誘電体ストリップ10a,1
0b,10c,10d,10e,11a,11b,11
c,11d,11eを設けている。回路基板12はこの
導電体板13,14間に挟み込まれる。回路基板12に
は発振器、終端器およびミキサとしてそれぞれ作用させ
るための各種導電体膜パターンおよび抵抗体膜パターン
を形成している。このうち発振器部分の構成は図8に示
したものと同様である。また、終端器部分の構成は図9
または図10に示したものと同様である。回路基板12
のミキサ部分にはRFチョーク用導電体パターン20、
RF整合用導電体パターン25およびストリップライン
15などの各種パターンを形成していて、RF整合用導
電体パターン25にはショットキーバリアダイオード2
6をマウントしている。このRF整合用導電体パターン
25を挟むようにして2つの誘電体ストリップ10a,
11aを配置する。
a,11a、回路基板12および導電体板13,14と
により1つの非放射性誘電体線路が構成され、その線路
を伝搬するRF+LOの電磁界と上記RF整合用導電体
パターン25とが結合し、ショットキーバリアダイオー
ド26に高周波電流が流れ、そのダイオードの非線形性
により中間周波信号が発生し、これがRFチョーク用導
電体パターン20を通してIF出力端子22へ取り出さ
れる。尚、RF信号およびLO信号はRFチョーク用導
電体パターン20でカットされ、IF出力端子へは出力
されない。導電体板13,14にはその内側にフェライ
トディスク32を、その外側には磁石(図示せず)をそ
れぞれ設けていて、誘電体ストリップ10d,10c,
10e,11d,11c,11e、フェライトディスク
32および磁石がサーキュレータを構成する。このサー
キュレータと誘電体ストリップ10e,11eおよび抵
抗体膜30からなる終端器とによって、アイソレータを
構成する。すなわち、発振器からの伝送波は誘電体スト
リップ10c,11c方向へ伝送されるが、その反射波
は終端器30で消費され発振器へは殆ど戻らない。誘電
体ストリップ10b,11bと10c,11c間および
誘電体ストリップ10b,11bと10a,11a間は
カプラとして作用する。これにより、RF+LOの伝送
波が上記ミキサに入力されることになる。誘電体ストリ
ップ10c,11cの端部は送信アンテナ(図示せず)
へ、また誘電体ストリップ10a,11aの端部は受信
アンテナ(図示せず)へそれぞれ接続されている。これ
らのアンテナとしては、誘電体ストリップをロッド状に
加工したものや、漏れ波NRDガイドアンテナなどが用
いられる。
である。このように三角波で発振器の発振周波数を変調
すれば、ミキサからはアンテナから反射物体までの距離
と相対速度情報を含んだビート周波数信号がIF信号と
して出力されることになり、そのIF信号を処理するこ
とによって、物体までの距離と相対速度が求まる。
ド部に用いる回路基板の特性測定用治具の構成を図17
および図18に示す。
導電体板の内面を示す図、(B)は下部ハウジングとし
ての導電体板の平面図である。導電体板13,14の所
定位置には互いに対向する鏡対称のパターンで誘電体ス
トリップ10a,10c,11a,11cを設けてい
る。図15に示したものと異なり、ここではカプラを構
成するための誘電体ストリップ10b,11bやサーキ
ュレータを構成するための誘電体ストリップ10e,1
1eを設けていない。上記回路基板12はこの導電体板
13,14間に挟み込まれる。図18はその状態での等
価回路図である。
1cの端部に非放射性誘電体線路−導波管変換器を介し
て測定器を接続する。これによって、発振器単独での特
性を測定することができる。また、誘電体ストリップ1
0a,11aの端部に非放射性誘電体線路−導波管変換
器を介して試験用信号発生器を接続し、回路基板のIF
出力信号を測定することによって、ミキサ単独での特性
を測定することができる。
路基板の端部にまでストリップラインを形成したが、例
えば図19に示すように、下部の導電体板を貫通して同
軸ケーブルでIF回路およびアースへ接続するようにし
てもい。また、図20の(A)に示すように、回路基板
にアース接続用パターンを形成しておき、この部分を同
図(B)に示すように上部導電体板14に設けた突出部
14′に接触させることによって、アース接続を行うよ
うにしてもよい。
(C)に示すように、誘電体ストリップに対してストリ
ップラインをその近傍に位置させるか、ストリップライ
ンの一部を誘電体ストリップの内部にまで侵入させる例
を示したが、その他に、(B)に示すように、誘電体ス
トリップの端部とストリップラインの端部とを一致させ
るようにしてもよい。また、(D)に示すように、誘電
体ストリップに対してストリップラインを左右対称に配
置することによって、結合させるようにしてもよい。
ストリップの間に回路基板を挟み込む形で配置した例を
示したが、例えば図22の(A)に示すように、誘電体
ストリップの側部に回路基板12の端部を挿入するよう
にしてもよい。また、上記各実施例では、上下の導電体
板と略同じ程度の比較的大きな回路基板を用いた例を示
したが、例えば同図(B)に示すように、誘電体ストリ
ップに対してその一部にのみ回路基板12を近接または
挿入するようにしてもよい。また、上記各実施例では、
2つの導電体板間の略中間位置に回路基板12を配置す
る例を示したが、同図(C)に示すように、必要に応じ
て導電体板からの距離を変えてもよい。
分離した誘電体ストリップの間に略密着する形で回路基
板12を配置したが、例えば同図(D)に示すように、
回路基板12は一方または両方の誘電体ストリップから
離れていてもよい。
ドを用いた非放射性誘電体線路装置について示したが、
本願発明はLSE01モードを用いる非放射性誘電体線路
にも同様に適用できる。図23〜図25を基に以下にそ
の例について説明する。
分布を示している。但し、上下の導電体板は省略してい
る。(B)はストリップラインの電磁界分布を示してい
る。
力線である。回路基板の誘電率および誘電体ストリップ
の誘電率によって電磁界分布は変化するが、基本的にL
SEモードは磁界が誘電体ストリップの端面に平行なモ
ードであるため、誘電体ストリップとその伝送方向に延
びるストリップライン15との電磁界が結合する。
インとの位置関係を示す。ストリップラインは誘電体ス
トリップの端部に近接または誘電体ストリップの内部に
侵入するように配置することによって、誘電体ストリッ
プとその上下にある導電体からなる非放射性誘電体線路
とストリップラインとはLSE01モードで結合する。
体線路装置の構成を示す。同図(A)は上部の導電体板
を取り除いた状態での上面図、(B)は断面図である。
同図において13,14はそれぞれ下部ハウジング,上
部ハウジングを構成する導電体板であり、それぞれの所
定位置に誘電体ストリップ10,11を取り付けてい
る。これにより、誘電体ストリップ10,11と導電体
板13,14の内面とによって非放射性誘電体線路を構
成している。回路基板12は導電体板13に固定してい
て、この回路基板12にはストリップライン15および
RFチョーク用導電体パターン20を設けている。導電
体板13にはガンダイオード19をネジ止め固定してい
て、その端子をストリップライン15およびRFチョー
ク用導電体パターン20の一端へワイヤーボンディング
している。また、導電体板13にはバイアス用端子21
を取り付けていて、その内部と基板上のRFチョーク用
導電体パターン20の端部間をリード接続している。こ
の構成で、ガンダイオード19にDCバイアスを印加す
ることによって、ガンダイオード19が発振し、その発
振信号がストリップライン15を介して伝搬され、スト
リップライン15と上記誘電体線路とが結合して、非放
射性誘電体線路を伝搬していくことになる。
たグルーブドタイプの非放射性誘電体線路を構成した
が、同図の(A)に示したノーマルタイプや(C)のウ
イングタイプであっても同様に適用できる。
について、回路の伝搬周波数を60GHzとしたとき
の、その各部の寸法および材質を変えた場合の解析結果
を以降に述べる。
体線路のうち誘電体ストリップのない部分(以下カット
オフ部と言う。)に回路基板を挿入した時の全体厚を
y、基板厚をt、基板の比誘電率をεrとした時のカッ
トオフ周波数を求める。
率の基板を用いて、その基板厚tを変えた時の、カット
オフ部厚yとカットオフ周波数との関係を示す。図31
は回路基板の比誘電率εrを2.5としたものであり、
例えば基板厚tが0.4mmの時、例えばカットオフ部
のカットオフ周波数を66.7GHzとして設計したと
きカットオフ部厚yは1.7mmとなる。図32は回路
基板の比誘電率εrを3.5としたときの例であり、例
えば基板厚tが0.2mmの時カットオフ周波数が6
6.7GHzとなるカットオフ部厚yは1.75mmと
なる。また、図33は回路基板のεrを10とした時の
例であり、基板厚tが0.1mmの時、カットオフ周波
数が66.7GHzとなるカットオフ部厚yは1.45
mmとなる。
イプの非放射性誘電体線路に比較して、そのカットオフ
部にある誘電率を有する回路基板を挿入すると、上下の
導電体に平行な偏波面を持つ電磁波のカットオフ周波数
は低下する。そのため、所定のカットオフ周波数66.
7GHzを得るために、カットオフ部の上下の導電体の
間隔を狭める必要がある。図31〜図33の結果から求
めた、カットオフ部のカットオフ周波数が66.7GH
zとなるカットオフ部厚yおよびグルーブドの深さgを
次の表に示す。
5−y)/2で求めている。
パラメータで伝送線路の分散曲線および伝送損失を求め
た。
2.04、 tanδは1.5×10-4、回路基板の tanδ
は0.01〜0.0001である。
放射性誘電体線路とグルーブドタイプの非放射性誘電体
線路との分散曲線を比較すると、グルーブの深さgが大
きくなるにつれて、最低次モードがLSE01モードから
LSM01モードに変化していることがわかる。ここで、
g=0.15と0.30mmの間でLSM01モードとL
SE01モードが重なるため、グルーブの深さgがこの範
囲となる設計を避ける必要がある。また、g=0.45
mmでは、他と比較してLSM01モードとLSE01モー
ドとの差が広がっていることから、グルーブの深さgを
定めることによってLSM01モードの単一モードでの伝
送が可能となる。
2.5,3.5などの低誘電率の回路基板を挿入して
も、分散曲線の大きな変化がなく、伝送特性への影響は
小さいことがわかる。但し、基板を挿入しないモデル図
36と挿入したモデル図38などを比較すると、基板を
挿入することにより、カットオフ周波数が下がる。しか
し上述したように、y寸法を設定することによってこの
カットオフ周波数の低下分を補正すればよい。
r=2.5〜3.5)、基板厚t=0.1〜0.3m
m、回路基板の誘電正接tanδ=2×10-3(フッ素
樹脂系の基板に相当する)を用いた時、伝送損失が20
dB/m以下の実用可能な伝送線路を形成することが可
能であることがわかる。
によれば、回路基板は2つの導電体の間にその導電体に
略平行に配設されているため、例えば2つの導電体を平
行配置する際、回路基板をその間に挟み込むように、ま
たは導電体に沿って配置することになるため、回路基板
の実装性に優れる。また、回路基板は2つの導電体に沿
って配置されるため、大面積の回路基板を用いて、多く
の導電体膜パターンまたは導電体膜パターンと共に回路
素子を設けることができ、非放射性誘電体線路と共に回
路基板を組み込んだ集積度の高い集積回路としての非放
射性誘電体線路装置が得られる。
よれば、2つの導電体の間で且つ導電体に平行に回路基
板を配設した状態で、発振素子の発振信号が非放射性誘
電体線路に伝送されるため、回路基板の実装性に優れ、
精度および安定性の高い発振器として作用する非放射性
誘電体線路装置が得られる。
よれば、2つの導電体の間で且つ導電体に平行に回路基
板を配設した状態で、回路基板に形成した抵抗体膜に対
し平行に電界成分を持つLSMモードの電磁波のエネル
ギーが抵抗体膜で消費されるため、回路基板の実装性に
優れ、精度および安定性の高い減衰器または終端器とし
て作用する非放射性誘電体線路装置が得られる。
よれば、2つの導電体の間で且つ導電体に平行に回路基
板を配設した状態で、2つの非放射性誘電体線路が構成
され、回路基板に形成した複数の導電体膜パターンを介
して2つの非放射性誘電体線路が結合することによっ
て、方向性結合器として作用する非放射性誘電体線路装
置が容易に得られる。
の斜視図である。
の斜視図である。
上の導電体膜パターンとの関係を示す部分斜視図であ
る。
射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
て用いる非放射性誘電体線路装置の構成を示す図であ
る。
射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
放射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
放射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
放射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
用いる非放射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
ストリップラインとの関係を示す図である。
ロントエンド部の構成を示す図である。
ンド部の等価回路を示す図である。
ンド部に用いる回路基板の特性測定用治具の構成を示す
図である。
用いた回路の等価回路を示す図である。
す図である。
す図である。
位置関係を示す図である。
配置例を示す図である。
ップラインの電磁界分布との関係を示す図である。
位置関係を示す図である。
いる非放射性誘電体線路装置の構成を示す図である。
である。
を有する非放射性誘電体線路装置の構成を示す一部破断
斜視図である。
線路装置の構成を示す図である。
とカットオフ周波数との関係を求める際の計算モデルを
示す図である。
損失を求める際の計算モデルを示す図である。
板の厚み寸法を変化させたときのカットオフ部厚に対す
るカットオフ周波数の関係を示す図である。
板の厚み寸法を変化させたときのカットオフ部厚に対す
るカットオフ周波数の関係を示す図である。
板の厚み寸法を変化させたときのカットオフ部厚に対す
るカットオフ周波数の関係を示す図である。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
界分布を示す図である。
電界分布を示す図である。
基板を挿入した非放射性誘電体線路の電界分布を示す図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 平行配置された2つの導電体の間に誘電
体ストリップを配設して成る非放射性誘電体線路を有す
る集積回路であって、 導電体膜パターンを設けた回路基板を、または導電体膜
パターンとともに回路素子を設けた回路基板を、前記2
つの導電体の間で且つ、該導電体に略平行に配設すると
ともに、前記回路基板に設けられた導電体膜パターンま
たは回路素子を前記誘電体ストリップに近接または侵入
させて、前記導電体膜パターンまたは前記回路素子と前
記非放射性誘電体線路とを結合させたことを特徴とする
非放射性誘電体線路装置。 - 【請求項2】 前記回路素子を発振素子とし、前記導電
体膜パターンを前記発振素子および、該発振素子の発振
信号を伝送する導電体線路とし、該導電体線路を前記非
放射性誘電体線路に結合させて、前記発振信号を前記非
放射性誘電体線路に伝送させる請求項1に記載の非放射
性誘電体線路装置。 - 【請求項3】 前記回路基板にさらに抵抗体膜を形成す
るとともに、該抵抗体膜を前記誘電体ストリップに近接
または侵入させて、前記非放射性誘電体線路を伝搬する
電磁波を減衰させる請求項1に記載の非放射性誘電体線
路装置。 - 【請求項4】 前記誘電体ストリップを2つ並設して2
つの非放射性誘電体線路を構成し、前記回路基板に1/
4管内波長の間隔で複数の導電体膜パターンを配設し、
この複数の導電体膜パターンを前記2つの誘電体ストリ
ップの間に配置するとともに、該複数の導電体膜パター
ンを前記2つの誘電体ストリップに近接または侵入させ
て、前記2つの非放射性誘電体線路を結合させた請求項
1に記載の非放射性誘電体線路装置。
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