JP3702881B2 - 誘電体線路減衰器、終端器および無線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ミリ波帯などで用いられる誘電体線路減衰器、誘電体線路終端器、およびそれらを用いた無線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非放射性誘電体線路(以下「NRDガイド」という。)を用いたミリ波集積回路が、電子情報通信学会論文誌C-1 Vol.J73-C-I No.3 p.87〜94 1990.3 に示されている。
【0003】
NRDガイドは、2つの平行な導体平面の間に誘電体ストリップを配置して、誘電体ストリップ部分を電磁波の伝搬域とし、その両側部の導体平面で挟まれる空間を電磁波の遮断域としたものである。このようなNRDガイドにおいて終端器としては、上記文献に示されているように、電磁波を吸収する抵抗膜を誘電体ストリップ部分に設けるようにしていた。
【0004】
図7はその終端器部分の構成を示す斜視図である。ただし図7においては上下の導体板は省略している。図7に示す誘電体ストリップは上下の導体板で挟まれて電磁波の伝搬域を構成するが、上下二分割した誘電体ストリップの間に抵抗シートと誘電体シートを挟み込んでいる。図に示すように抵抗シートの一部と誘電体シートとはテーパー状に形成していて、この部分で誘電体線路のインピーダンス変換を行うとともに、誘電体線路を伝搬するLSM01モードのエネルギーを抵抗シートで消費させて、電磁波を吸収するようにしている。従って図におけるA方向から伝搬する電磁波は、この終端器部分で抵抗終端され、逆方向へは殆ど反射しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示したような従来の誘電体線路終端器においては、テーパー形状の抵抗シートでインピーダンス変換を行う構造であるため、十分な低反射特性を得るためには長いテーパー長が必要となる。そのため、終端器の全長が長くなるという問題があった。このような誘電体線路終端器は、例えばサーキュレータの所定ポートに設けて全体としてアイソレータを構成したり、カップラの所定ポートに設けて全体として方向性結合器を構成したりするが、終端器の全長が長くなることにより、アイソレータや方向性結合器を用いた誘電体線路モジュール全体が大型化することになる。なお、例えば全長の長い終端器が所定位置に配置されるように、誘電体線路にベンドを設けることも小型化の上では有効であるが、ベンド部においてLSMモードとLSEモードとの間でのモード変換が生じて損失が増大するという問題が生じる。
【0006】
また、誘電体線路途中の誘電体ストリップ部分に抵抗膜を設ければ、誘電体線路減衰器を構成することができるが、抵抗膜部分での反射を十分に抑制するためには、その抵抗膜パターンを上記誘電体線路終端器の場合と同様に、長いテーパー状にする必要がある。そのため、誘電体線路減衰器についても上述と同様の問題が生じる。
【0007】
この発明の目的は、誘電体線路の電磁波伝搬方向の長さを短縮化して、全体に小型化を図った誘電体線路減衰器、終端器およびそれらを用いた無線装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の誘電体線路減衰器は、略平行な2つの導体平面と、該導体平面の間に挟まれる誘電体ストリップとを備えた誘電体線路において、前記誘電体線路の線路インピーダンスを、複数箇所の不連続部で変化させるとともに、該不連続部での信号の反射波を抑圧する反射波抑圧手段と、前記反射波抑圧手段の少なくとも一部を構成するものであって、前記導体平面に略平行な面での前記誘電体ストリップの分割面に沿って設けられた、前記誘電体線路を伝搬する信号を減衰させる抵抗膜とを含んで成る。そして、前記不連続部を、3箇所以上設けるとともに、前記不連続部の各々の間隔を、抑圧すべき反射波の異なった波長の略1/4波長の奇数倍とし、前記複数箇所の不連続部を、前記誘電体ストリップの延びる方向に沿って断続するパターンとして形成されている複数の前記抵抗体膜で形成する。
【0009】
このように、断続するパターンからなる抵抗膜で誘電体線路を伝搬する信号を減衰させるとともに、この断続するパターンからなる抵抗膜による線路インピーダンスの不連続部で生じる信号の反射波を合成することにより抑圧する。
【0010】
また、この発明の誘電体線路減衰器は、前記不連続部の間隔を、抑圧すべき反射波の波長の略1/4波長の奇数倍の関係とする。これにより、その抑圧すべき反射波を効率よく打ち消して、良好な低反射特性を得る。
【0011】
また、この発明の誘電体線路減衰器は、前記不連続部を3か所以上設けるとともに、所定の不連続部における反射波同士で、波長の異なる複数の反射波を抑圧する。これにより比較的広帯域に亘って反射波を抑圧可能とする。
【0012】
さらに、この発明の誘電体線路減衰器は、前記抵抗膜パターンを形成する基板の誘電率を前記誘電体ストリップの誘電率より高くする。このことにより基板上の波長短縮効果を大きくして、抵抗膜パターンの占有面積を相対的に小さくし、全体に小型化を図る。
【0013】
また、この発明の誘電体線路終端器は、上記構成の誘電体線路減衰器を誘電体ストリップの端部付近に設けて構成する。
【0014】
さらに、この発明の無線装置は、上記の誘電体線路減衰器または終端器を設けて構成する。たとえば、ミリ波送受信信号を伝搬するアイソレータやカップラ部分に誘電体線路終端器を構成して、ミリ波レーダモジュールを構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る誘電体線路終端器の構成を図1〜図3を参照して説明する。図1は誘電体線路終端器の主要部の分解斜視図である。ここで1,2はそれぞれ導体板、3はこの上下の導体板1,2の間に配置する誘電体ストリップである。また、4は表面に抵抗膜パターン5a,5bを形成した基板であり、この基板4も導体板1,2の間に配置する。
【0016】
誘電体ストリップ3には、図に示すように段差を形成していて、その部分で上部の誘電体ストリップ3′との間に基板4を挟み込むようにしている。
【0017】
図1において誘電体ストリップ3,3′には、たとえば高周波特性に優れたフッ素系樹脂を用いる。基板4には、たとえば厚さ0.1〜0.3mm程度のポリエステル系樹脂のシートを用い、抵抗膜には、たとえばNi−Cr等の比較的抵抗率の高い金属やITO(酸化インジウムスズ)等の半導体をスパッタリング等によって薄膜形成する。この抵抗膜の面抵抗値は数百Ω□程度とする。
【0018】
図2の(A)は図1に示した基板4部分の上面図、(B)は図1に示した各部を組み立てた状態での誘電体ストリップの長手方向に対して垂直な面での断面図である。導体板1,2には、それぞれ一定深さの溝を形成していて、これらの溝に誘電体ストリップ3,3′を嵌め込んでいる。また下部の導体板1には、基板4を装着する凹部を形成していて、この部分で基板4を導体板1,2の間および誘電体ストリップ3,3′の間に保持している。
【0019】
図2の(A)に示すように、基板4上の抵抗膜パターン5aは、誘電体ストリップ3の長手方向に所定長だけ連続するパターンとして形成している。抵抗膜パターン5bは抵抗膜パターン5aから所定距離離れた位置に、誘電体ストリップ3に対して垂直方向に延びるパターンとして形成している。この抵抗膜パターン5bと5aとによってこの発明に係る反射波抑圧手段を構成している。
【0020】
このように、抵抗膜パターンを形成した基板4を誘電体ストリップの間に挟み込んだ構造により、抵抗膜パターンの存在する箇所と存在しない箇所とで誘電体線路の線路インピーダンスが変化し、図に示すように、誘電体線路を伝搬する電磁波が抵抗膜パターン5aと5bのそれぞれの境界位置で反射する。これらの反射波w1,w2は互いに合成されることになるが、抑圧すべき反射波の誘電体線路上での1波長を以下λgで表せば、抵抗膜パターン5aと5bとの間隔を略λg/4としている。これにより、抵抗膜パターン5aの端部で反射した反射波w1と抵抗膜パターン5bで反射した反射波w1,w2とはほぼ逆位相で合成されることになり、これらは相殺される。なお、実際には抵抗膜パターン5bには幅があるので、それに応じてλg近傍の波長を有する反射波が効果的に抑圧されることになる。一方、抵抗膜パターン5a部分では、誘電体線路を伝搬するLSM01モードの電磁波が抵抗膜中で電力消費されることにより、電磁波が吸収される。
【0021】
図3は従来の誘電体線路終端器に対比して示す、上記誘電体線路終端器の反射特性を示す図である。ここで、Aは、図7に示したようなテーパー形状の抵抗膜パターンによる従来のインピーダンス変換部を形成した誘電体線路終端器の反射損失の周波数特性であり、Bは、上記インピーダンス不連続部によるインピーダンス変換部を形成した誘電体線路終端器の反射損失の周波数特性である。
【0022】
このように本願発明によれば、所定の周波数帯域における反射特性は、テーパー形状の抵抗膜によるものより良好な低反射特性が得られることがわかる。しかも、この反射損失の低くなる周波数は、図2の(A)に示したように、2つの抵抗膜パターンの間隔により生じるものであるため、この間隔を定めることによって、任意の周波数帯で良好な反射特性が得られる。
【0023】
以上に示した例では、基板4の基材として誘電体ストリップに対し高誘電率の材料を用いたことにより、図2に示した抵抗膜5a−5bの物理長を短くすることができ、誘電体線路終端器部分の小型化を図ることができる。
【0024】
なお、抵抗膜の幅が誘電体ストリップの幅より大きければ、基板4上に対する抵抗膜パターンの形成位置精度および上下の導体板間における基板4の位置精度が比較的低くても、反射損失等の電気的特性に与える影響を低減することができる。
【0025】
また、基板4の固定方法としては、上下の導体板1,2の間に挟み込む以外に、誘電体ストリップ3,3′に対して、または上下の導体板1,2に対して接着するようにしてもよい。
【0026】
また、上記基板4の基材は、誘電体ストリップ3と同一材料であってもよい。この場合、上下に分割された誘電体ストリップに抵抗膜を直接形成したものと等価となる。
【0027】
また、図1に示した例では、終端器の末端を誘電体線路の短絡端とした例を示したが、抵抗膜パターン5aによる電磁波の吸収するに要するに充分な長さがあれば、誘電体線路の端部を開放端としてもよい。
【0028】
さらに、この第1の実施形態では、反射波抑圧手段を抵抗膜のパターンによって構成したが、誘電体線路を伝搬する信号を減衰させる抵抗膜の存在によって生じる線路インピーダンスの不連続部での反射波を抑圧するための線路インピーダンスの不連続部を導体膜によって構成してもよい。すなわち、図1・図2において、抵抗膜パターン5bを導体膜で形成してもよい。
【0029】
次に、上記抵抗膜パターンの他のいくつかの例を第2の実施形態として図4を参照して説明する。図4の(A)〜(E)は、上部の導体板および上部の誘電体ストリップを取り除いた状態での基板部分の平面図である。(A)に示す例では、誘電体ストリップ3の長手方向およびそれに垂直な方向にそれぞれ広がる抵抗膜パターン5aと、誘電体ストリップ3に対して垂直方向の幅が5aとは異なる抵抗膜パターン5bを形成している。このように、誘電体ストリップに対して垂直方向の幅が変化する箇所が線路インピーダンスの不連続部となる。上記不連続部の間隔は略λg/4とする。この構造により、2か所で反射する反射波は逆相関係で合成され、反射波は抑圧される。抵抗膜パターン5a部分では、誘電体線路を伝搬するLSM01モードの電磁波が抵抗膜中で電力消費されることにより電磁波が吸収される。
【0030】
図4の(B)に示す例では、抵抗膜パターン5a,5b以外にさらに抵抗膜パターン5cを形成している。ここで抵抗膜パターン5aの端部と抵抗膜パターン5bの中央部との間隔を略λg2/4とし、抵抗膜パターン5b,5cの中央部間の間隔を略λg1/4としている。このλg1,λg2は、抑圧すべき反射波の異なった2つの波長である。このような構造により、2つの波長λg1,λg2について効果的な反射波の抑圧を行うことができる。しかも実際には抵抗膜パターン5b,5cには誘電体線路を伝搬する電磁波の進行方向に幅を持っているので、反射損失が抑圧される周波数も幅を持ったものとなる。
【0031】
図4の(C)に示す例では、誘電体ストリップに対して垂直方向の幅の異なる箇所を図4の(A)に示した場合よりさらに1つ増して、抵抗膜パターン5a,5b,5cを形成している。ここで抵抗膜パターン5bの電磁波伝搬方向の長さを略λg2/4、抵抗膜パターン5cの電磁波伝搬方向の長さを略λg1/4としている。この構造により、2つの波長λg1,λg2の近傍について反射波が効果的に抑圧される。
【0032】
図4の(D)に示す例では、誘電体ストリップの長手方向に対して垂直に延びる抵抗膜パターン5bを形成するとともに、抵抗膜パターン5aの端部を、誘電体ストリップの長手方向に対して傾斜させている。ここで抵抗膜パターン5aの端部と抵抗膜パターン5bの中央部との間隔を略λg1/4〜λg2/4としている。このλg1,λg2は、抑圧すべき反射波の異なった2つの波長である。
このような構造により、波長λg1〜λg2について効果的な反射波の抑圧を行うことができる。しかも実際には抵抗膜パターン5bには誘電体線路を伝搬する電磁波の進行方向に幅を持っているので、反射損失が抑圧される周波数も更に幅を持ったものとなる。その結果、所定の周波数範囲に亘って連続的な低反射損失特性が得られる。
【0033】
図4の(E)に示す例では、抵抗膜パターン5aの端部を、誘電体ストリップの長手方向に対して傾斜させるとともに、誘電体ストリップの長手方向に対して傾斜方向に延びる抵抗膜パターン5bを形成している。この構造により、抵抗膜パターン5aの端部における反射点および抵抗膜パターン5bの2つの反射点との間隔が幅をもった連続的な領域となる。その結果、所定の周波数範囲に亘って連続的な低反射損失特性が得られる。
【0034】
次に、第3の実施形態に係る誘電体線路減衰器の2つの構成を図5を参照して説明する。図5の(A),(B)はそれぞれ上部の導体板および上部の誘電体ストリップ部分を取り除いた状態での平面図である。図5の(A)に示す例では、基板4の上面に5a,5b,5cで示す抵抗膜パターンを形成している。ここで抵抗膜パターン5aは誘電体ストリップ3の長手方向およびそれに垂直な方向にそれぞれ広がり、誘電体線路の伝搬モードであるLSM01モードの電磁波と結合して、減衰させる。抵抗膜パターン5aと5bとの間隔および5aと5cとの間隔はそれぞれ略λg/4としている。これにより抵抗膜パターン5aの一方の端部における反射波と抵抗膜パターン5b部分での反射波とが相殺され、同様に、抵抗膜パターン5aの他方の端部における反射波と抵抗膜パターン5c部分での反射波とが相殺される。したがって、ポート#Aからポート#B方向へ電磁波が伝搬する際、または逆にポート#Bからポート#A方向へ電磁波が伝搬する際に、逆方向への反射波が抑圧されるとともに電磁波が所定量だけ減衰する。
【0035】
図5の(B)に示す例では、基板4の上面に5a,5b,5cで示す抵抗膜パターンを形成している。ここで抵抗膜パターン5aは誘電体ストリップ3の長手方向およびそれに垂直な方向にそれぞれ広がり、誘電体線路の伝搬モードであるLSM01モードの電磁波と結合して、減衰させる。抵抗膜パターン5bと5cは、誘電体ストリップに対して垂直方向の幅を5aとは異ならせて、誘電体ストリップ3の方向に略λg/4だけ延びるパターンとして形成している。これにより抵抗膜パターン5aの一方の端部における反射波と抵抗膜パターン5bの端部での反射波とが相殺され、同様に、抵抗膜パターン5aの他方の端部における反射波と抵抗膜パターン5cの端部での反射波とが相殺される。したがって、ポート#Aからポート#B方向へ電磁波が伝搬する際、または逆にポート#Bからポート#A方向へ電磁波が伝搬する際に、逆方向への反射波が抑圧されるとともに電磁波を所定量だけ減衰する。
【0036】
なお、第1および第2の実施形態では、何れも誘電体線路終端器の例を示したが、抵抗膜パターンを5を形成した基板4を、この第3の実施形態で示した例と同様に、誘電体線路の途中の所定箇所(入出力ポート間)に設けることによって、その入出力ポート間で、誘電体線路を伝搬する電磁波を所定量だけ減衰させる誘電体線路減衰器として構成することができる。これにより、誘電体線路減衰器についても、図4の(B),(C)に示したように、線路インピーダンスの不連続部を複数箇所に設けて低反射損失特性が得られる周波数範囲に幅をもたせることができる。また図4の(D),(E)に示したように抵抗膜パターンの端部を誘電体ストリップの長手方向に対し傾斜させることによって低反射損失特性が得られる周波数範囲に幅をもたせることができる。
【0037】
次に、第4の実施形態に係る無線装置の構成を図6を参照して説明する。図6はミリ波レーダモジュールのブロック図である。ここでVCOはガンダイオード発振器とバラクタダイオードなどの可変リアクタンス素子による電圧制御発振器であり、変調信号に応じたミリ波信号を発振する。サーキュレータAと終端器AはVCOの出力信号をカップラ方向へ伝送すると共に、VCO方向へ戻る反射波を終端器Aで吸収する。このサーキュレータAと終端器Aとによってアイソレータを構成する。カップラはサーキュレータAからの信号を送信信号TxとしてサーキュレータB方向へ伝搬させると共に、その一部をローカル信号Loとして取り出す。終端器BはサーキュレータBからカップラ方向へ戻る反射波を吸収する。このカップラーと終端器Bとにより方向性結合器を構成する。サーキュレータBは送信信号Txをアンテナへ伝搬させ、アンテナからの受信信号Rxをミキサーへ伝搬させる。ミキサーはこの受信信号Rxと上記ローカル信号Loとをミキシングして、そのビート信号を中間周波信号IFとして出力する。図6に示した終端器A,終端器Bとして、第1または第2の実施形態で示した誘電体線路終端器を用いる。
【0038】
なお、各実施形態では、上下の導体板に、誘電体ストリップを嵌め込む溝を形成したタイプの誘電体線路に適用した例を示したが、伝搬域と非伝搬域とで導体平面間の間隔を等しくしたタイプの誘電体線路においても同様に適用できる。
【0039】
更に、各実施形態では誘電体ストリップの一部に段差を設けて、その部分に基板を配置し、段差部分を埋める誘電体ストリップとその段差との間に基板を挟み込むようにした構造を示したが、誘電体ストリップの長手方向に全長にわたって誘電体ストリップを上下二分割し、その間に、抵抗膜パターンを形成した基板を配置するようにしてもよい。
【0040】
なお、以上に示した各実施形態では、反射波抑圧手段を抵抗膜のパターンによって、または抵抗膜と導体膜のパターンによって構成したが、誘電体線路を伝搬する信号を減衰させる抵抗膜の存在によって生じる線路インピーダンスの不連続部での反射波を抑圧するための線路インピーダンスの不連続部は、基板上の抵抗膜または導体膜のパターンによらずに形成してもよい。例えば、不連続部とすべき箇所で誘電体ストリップの断面形状を変化させたり、誘電体ストリップの誘電率を変化させたり、誘電体ストリップの長手方向に間隙を形成するといった構造を採ることもできる。また、上記抵抗膜を形成した基板の比誘電率を誘電体ストリップの比誘電率と異ならせて、基板の端部を誘電体線路の線路インピーダンスの不連続部として利用してもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、誘電体線路を伝搬する信号を減衰させる抵抗膜の存在によって生じる線路インピーダンスの不連続部での反射波が、反射波抑圧手段により抑圧されるため、誘電体線路の信号伝搬方向の短い距離で、その信号が低反射で減衰される。さらに、抵抗膜パターンによって誘電体線路を伝搬する信号の減衰と、反射波の抑制を同時に行えるので、全体の構造が複雑化せず、製造が容易となる。また、抑圧すべき反射波が効率よく打ち消されて、所定の波長に対して良好な低反射特性が得られる。また、比較的広帯域に亘って反射波を抑圧することができる。
【0044】
請求項2に記載の発明によれば、基板上の波長短縮効果が大きくなって、抵抗膜パターンの占有面積を相対的に小さくでき、全体に小型化が図れる。
【0045】
請求項3に記載の発明によれば、信号の伝搬方向の距離を短縮化して、全体に小型の誘電体線路終端器を構成することができる。
【0046】
請求項4に記載の発明によれば、例えばミリ波レーダーモジュール等の誘電体線路を伝送線路とした無線装置を容易に小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体線路終端器の構成を示す分解斜視図
【図2】同誘電体線路終端器の主用部の平面図および断面図
【図3】同誘電体線路終端器の反射損失の周波数特性を示す図
【図4】第2の実施形態に係る誘電体線路終端器の主要部の平面図
【図5】第3の実施形態に係る誘電体線路減衰器の主要部の平面図
【図6】第4の実施形態に係るミリ波レーダモジュールのブロック図
【図7】従来の誘電体線路終端器の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1,2−導体板
3,3´−誘電体ストリップ
4−基板
5−抵抗膜パターン
Claims (4)
- 略平行な2つの導体平面と、該導体平面の間に挟まれる誘電体ストリップとを備えた誘電体線路において、
前記誘電体線路の線路インピーダンスを、複数箇所の不連続部で変化させるとともに、該不連続部での信号の反射波を抑圧する反射波抑圧手段と、
前記反射波抑圧手段の少なくとも一部を構成するものであって、前記導体平面に略平行な面での前記誘電体ストリップの分割面に沿って設けられた、前記誘電体線路を伝搬する信号を減衰させる抵抗膜とを含み、
前記複数箇所の不連続部は、前記誘電体ストリップの延びる方向に沿って断続するパターンとして形成されている複数の前記抵抗膜であり、
前記不連続部を、3箇所以上設けるとともに、前記不連続部の各々の間隔を、抑圧すべき反射波の異なった波長の略1/4波長の奇数倍とし、前記複数の抵抗膜の各々により発生する反射波同士を合成することによって、前記不連続部での反射波を抑圧したことを特徴とする誘電体線路減衰器。 - 前記抵抗膜パターンを形成する基板の誘電率を前記誘電体ストリップの誘電率より高くしたことを特徴とする請求項1に記載の誘電体線路減衰器。
- 請求項1または2のうちいずれかに記載の誘電体線路減衰器を前記誘電体ストリップの端部付近に設けてなる誘電体線路終端器。
- 請求項1または2のうちいずれかに記載の誘電体線路減衰器または請求項3に記載の誘電体線路終端器を設けた無線装置。
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