JP2825475B2 - エチレン系共重合体ワックス酸化物からなる分散剤 - Google Patents

エチレン系共重合体ワックス酸化物からなる分散剤

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JP2825475B2
JP2825475B2 JP9026801A JP2680197A JP2825475B2 JP 2825475 B2 JP2825475 B2 JP 2825475B2 JP 9026801 A JP9026801 A JP 9026801A JP 2680197 A JP2680197 A JP 2680197A JP 2825475 B2 JP2825475 B2 JP 2825475B2
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ethylene
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dispersant
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン系共重合
体ワックス酸化物からなる分散剤に関する。より詳細に
は、高分子材料、例えば天然又は合成樹脂類などに配合
され、該高分子材料中に実質的に溶解せずに分散せしめ
られる顔料乃至充填剤等の均質分散を助成するエチレン
系共重合体ワックス酸化物分散剤に関する。
【0002】
【従来技術】高分子材料に、顔料乃至充填剤もしくは類
似物の如き高分子材料に溶解せずに分散せしめられる添
加剤(以下、顔料等と総称することがある)を配合する
際に、顔料等を該材料中に均一に配合する目的で分散剤
が利用されることがある。例えば、合成樹脂類を顔料で
着色する際、不都合な着色ムラを生じないように顔料を
合成樹脂類中に均一に分散せしめる必要がある。このよ
うな目的で、例えば、予め顔料と分散剤とのマスターバ
ッチを作っておき、合成樹脂類に配合する手段が知られ
ている。
【0003】このような際に利用される分散剤として、
各種のワックス類が市販され利用されている。このよう
な市販ワックスとしては、合成品も知られており、例え
ば高圧法ポリエチレンの熱分解で得られたワックスや高
圧でエチレンをラジカル重合して得た高圧法重合ポリエ
チレンワックス、更には、エチレン又はエチレンとプロ
ピレン、1ーブテンなどのαーオレフィンとをチーグラ
ー型触媒を用いて低圧重合することにより得られたワッ
クスのようなエチレン系ワックス又はその酸化物が多用
されている。
【0004】これらのワックスの中では、例えば特開昭
57ー3805号公報に開示されているエチレン系共重
合ワックス類及びその酸化物が、顔料等の分散能では熱
分解型ポリエチレンワックスに匹敵する性能を有し、且
つ熱安定性にも優れたものとして知られている。しか
し、該エチレン系共重合ワックス類及びその酸化物は軟
化点が熱分解型ポリエチレンワックスに比べて高く、例
えばロール、ミキサーなどの手段で顔料と混練する際、
溶解しにくいため作業性に劣り、同時に比較的多くのエ
ネルギーが必要となるという改善すべき問題点が残され
ていた。
【0005】そこで、本発明者等は、これらの問題点を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、エチレン、プロ
ピレン及び炭素数が4乃至10のαーオレフィンに由来
する繰り返し単位を有する特定のエチレン共重合体系ワ
ックスが有効であるとの知見を得、特願昭62ー290
48号として特許出願した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特願昭62ー29
0485号に記載されたエチレン系共重合体ワックスは
(以下、単にワックスということがある)、軟化点が低
いために混練時の作業性に優れ、少ないエネルギーで混
合分散を達成できる点で分散剤として意義のあるもので
ある。
【0007】ところが、本発明者等は、該発明を追試す
る過程で、前記ワックスを、酸価が0.1ないし50に
なるように酸化したもの(以下、単に「ワックス酸化
物」ということがある)が、前記ワックスよりも、更に
優れた分散性能を示すという知見を得、本発明に至った
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エチレ
ンに由来する繰り返し単位(a)84乃至98モル%、
プロピレンに由来する繰り返し単位(b)1乃至10モ
ル%、及び炭素数4乃至10のαーオレフィンに由来す
る繰り返し単位(c)1乃至10モル%((a)、
(b)及び(c)の合計は100モル%)からなり、
(A)極限粘度が0.06乃至0.45dl/gの範
囲、(B)1000炭素原子当りの二重結合が0.7個
以下、(C)重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上
のメチレン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、
(D)密度が0.86乃至0.94g/cm3、及び
(E)軟化点が122℃以下の特性を有するエチレン系
共重合体ワックスを、酸価が0.1乃至50の範囲にな
るように酸化して得られたエチレン系共重合体ワックス
酸化物を有効成分として含有することを特徴とする顔料
用もしくは充填剤用分散剤が提供される。
【0009】本発明の分散剤の有効成分であるワックス
酸化物は、前記の如く、エチレン、プロピレン及び炭素
数が4乃至10のαーオレフィンに由来する繰り返し単
位を有するエチレン系共重合体ワックスの酸化物であ
り、該ワックスが前記(A)乃至(E)の特性を有し、
且つ酸化物の酸価が上記した範囲のものであることが顕
著な特徴であって、これらの特性がそれぞれ上記の範囲
にあることにより、顔料分散性、耐熱性、作業性に優
れ、混練時のエネルギーの節約に貢献し、特に、酸化物
の酸価が0.1ないし50、好ましくは0.5ないし2
0の範囲にあることにより、顔料の分散性が一層顕著な
ものとなる。
【0010】
【発明の好適態様】本発明の分散剤の有効成分であるワ
ックス酸化物は、下記の特徴を有するワックスを、酸価
が0.1ないし50、好ましくは0.5ないし20の範
囲に酸化したものであり、例えば、溶融状態にあるワッ
クスを、約120乃至200℃、好ましくは約140乃
至170℃で酸素含有ガスと接触させ、酸化する等の方
法で製造することが出来る。
【0011】酸化前のワックスは、本出願人の出願に係
る特願昭62ー290485号に明記されているよう
に、エチレンに由来する繰り返し単位(a)84乃至9
8モル%の範囲、プロピレンに由来する繰り返し単位
(b)1乃至10モル%の範囲、及び炭素数4乃至10
のαーオレフィンに由来する繰り返し単位(c)1乃至
10モル%の範囲((a)、(b)及び(c)の合計は
100モル%)からなるものであるが、(a)88乃至
96モル%、(b)3乃至7モル%、(c)2乃至7モ
ル%の各範囲((a)、(b)及び(c)の合計は10
0モル%)にあることが好ましい。
【0012】該(a)が上記範囲を離れて多すぎると顔
料分散性が悪くなり、又少なすぎるとブロッキングを発
生するようになり、作業性が悪くなる。又該(b)が上
記範囲よりも多くなると同じくブロッキングを発生する
ようになり、逆に少なくなると軟化点が高くなり、作業
性が低下するようになる。又、該(c)が上記範囲より
も多くなるとブロッキングが発生し、逆に少なくなる
と、顔料分散性に劣るようになる。なを、(a)、
(b)、及び(c)の含有量は赤外線吸収スペクトルに
よって決定することが出来る。該ワックスは、更に次の
特性を有するものであることが顕著な特徴である。
【0013】即ち、(A)135℃のデカリン中で測定
される極限粘度が0.06乃至0.45dl/g、好ま
しくは0.1乃至0.4dl/gの範囲にあることによ
り顔料分散性が優れたものとなる。又、(B)1000
炭素原子当りの二重結合が0.7個以下、好ましくは
0.5個以下であることが必要である。二重結合が上記
上限を越えたワックスは耐熱性が劣るものとなる。10
00炭素原子当りの二重結合は、圧縮成型機により成形
した試料フィルム(膜厚50乃至100μm)のIRス
ペクトルにより末端ビニル(910cm-1)、トランス
ビニル(965cm-1)、ビニリデン(880cm-1
の吸収強度と膜厚からそれぞれに求められた吸光度から
それぞれの検量線により1000炭素原子当りの二重結
合量とし、その合計量として求められる。さらに、
(C)重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上である
メチレン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、好まし
くは約50以下であることが必要である。
【0014】例えば20〜56程度である。該平均メチ
レン連鎖数が、上記上限を超えて大きいワックスは多数
のポリエチレンブロックを有することを意味し、この場
合は顔料分散性に劣ったものとなる。
【0015】尚、平均メチレン連鎖数は、メチレン連鎖
数が7以上であるメチレン連鎖の数を13C核磁気共鳴ス
ペクトル図から算出する。すなわち、下記構造のエチレ
ン共重合ワックスにおいては、 (RはC1 以上の分岐) α炭素のシグナルの面積Sαとδ炭素のシグナルの面積
Sδから、メチレン連鎖数が7以上であるメチレン連鎖
の平均メチレン連鎖数は、 (Sδ/Sα)×2+6 なる式により求められる。また、(D)ASTM D−
1505に準拠した密度勾配管法によって測定される密
度は、0.86ないし0.94g/cm3 、好ましくは
約0.89ないし約0.93g/cm3 の範囲にあるこ
とが必要であり、この上限を超えて高すぎる場合には、
顔料分散性が劣ったものとなるし、下限を超えて低すぎ
る場合は、ブロッキングを起こし、作業性の低下を招く
ことになる。(E)軟化点は、JIS K 2207の
方法で測定されるものであり、122℃以下、好ましく
は120℃以下であることが必要である。軟化点が前記
上限を超えて高すぎるワックスは、顔料混練時の作業性
に劣り、多大のエネルギーを消費することになる。
【0016】前記ワックスにおいて、エチレン、プロピ
レンと共重合せしめる炭素数4ないし10のα−オレフ
ィンの例としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、6−メチル−
1−ヘプテンなどを例示することができる。とくに、炭
素数5乃至10のα−オレフィン、中でも分岐を有する
α−オレフィンであることが好ましい。
【0017】ワックスの製法 本発明の分散剤におけるワックス酸化物の基本化合物と
してのワックスは、例えば(a)マグネシウム化合物で
活性化された高活性チタン触媒成分、(b)ハロゲン/
A1(原子比)が1乃至2、好ましくは1.05乃至
1.4の有機アルミニウム化合物とから形成される触媒
の存在下、エチレン、プロピレンおよび炭素数4乃至1
0のα−オレフィンを、水素の共存下、100℃以上の
温度で共重合することによって得ることができる。
【0018】高活性チタン触媒成分(a)は、マグネシ
ウム化合物の使用により高活性化されたチタン触媒成分
であって、予め使用に先立ってマグネシウム化合物とチ
タン化合物を作用させておくか、又は重合系でマグネシ
ウム化合物とチタン化合物を接触させて高活性化を達成
することができる。
【0019】該触媒成分(a)は、マグネシウム化合物
に担持されたチタン触媒成分であってもよく、またマグ
ネシウム化合物とチタン化合物を、例えばアルコールの
如き可溶化剤の使用によって炭化水素等に溶解せしめた
ものであってもよい。触媒成分(a)中のチタンは、通
常4価および/又は3価である。固体状の触媒成分
(a)は、通常好ましくはチタン含有量が約0.2乃至
約18重量%、一層好ましくは約0.3乃至約15重量
%であり、又は、ハロゲン/チタン(モル比)が好まし
く約4乃至約300、一層好ましくは約5乃至約200
である。更に、その比表面積は好ましくは約10m2
g以上、さらに好ましくは約20乃至約100m2
g、一層好ましくは約40乃至約900m2 /gであ
る。
【0020】このような固体状の高活性チタン触媒成分
(a)に関しては広く知られており、基本的には、マグ
ネシウム化合物とチタン化合物を反応させて比表面積の
大きい反応物を得るか又は比表面積の大きいマグネシウ
ム化合物にチタン化合物を反応させる方法が多用され
る。例えば、マグネシウム化合物とチタン化合物の共粉
砕法、比表面積が充分に大きくされたマグネシウム化合
物とチタン化合物の熱反応、含酸素マグネシウム化合物
とチタン化合物の熱反応、電子供与体で処理されたマグ
ネシウム化合物を予め有機アルミニウム化合物やハロゲ
ン含有ケイ素化合物で処理し、あるいは処理せずに、チ
タン化合物と反応させる方法などを代表例として挙げる
ことができる。
【0021】固体状の高活性チタン触媒成分(a)の製
造に使用されるマグネシウム化合物としては、種々のも
のがある。例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、沃化マグネシウム、弗化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムヒドロキシ
ハライド、アルコキシマグネシウム、アルコキシマグネ
シウムハライド、アリロキシマグネシウム、アリロキシ
マグネシウムハライド、アルキルマグネシウムハライ
ド、あるいはこれらの混合物などを例示することができ
る。これらは如何なる製法で作られたものであってもよ
い。マグネシウム化合物はまた他の金属や電子供与体な
どを含有してもよい。
【0022】固体状の高活性チタン触媒成分(a)の製
造に使用されるチタン化合物としては、Ti(OR)
4-mm(Rは炭化水素基、たとえばC2 〜C6 のアルキ
ル基、C6 〜C12のアリール基、Xはハロゲン、0≦m
≦4)で示される4価のチタン化合物が例示できる。こ
のようなチタン化合物の例としてはTiCl4 、TiB
4 、Ti(OC2 5 )Cl3 、Ti(OC2 5
2 Cl2 、Ti(OC65 3 Cl、Ti(OC2
5 4 、Ti(OC4 9 4 などを挙げることができ
る。更に、四ハロゲン化チタンを、アルミニウム、チタ
ン、水素、有機アルミニウム化合物などの還元剤で還元
して得られる各種三ハロゲン化チタン、例えば三塩化チ
タンを例示できる。これらチタン化合物は2種以上複数
種を併用して利用することができる。
【0023】このような固体状高活性チタン触媒成分
(a)を得る代表的な方法は、例えば特公昭46−34
092、特公昭46−34094、特公昭46−340
98、特公昭47−41676、特公昭47−4626
9、特公昭50−32270、特公昭53−1796な
どの公報に記載されており、これらはいずれも本発明で
利用できる。また可溶型の高活性チタン触媒成分の1例
は、特開昭55−78004号に示されている。
【0024】チタン触媒成分(a)と共に用いられる有
機アルミニウム化合物は、ハロゲン/A1(原子比)が
1乃至2、好ましくは1.05乃至1.4の範囲となる
もので、これらは平均組成がこの範囲となれば2種以上
の混合物でもよく、あるいはトリアルキルアルミニウム
やトリハロゲン化アルミニウムなどを、併用の際の一成
分として用いてもよい。このような有機アルミニウム化
合物としては、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ドのようなジアルキルアルミニウムハライド、エチルア
ルミニウムセスキクロリド、プロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド、オクチルアルミニウム
セスキクロリドのようなアルキルアルミニウムセスキク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミ
ニウムジクロリドのようなアルキルアルミニウムジクロ
リド、あるいはこれらの混合物、あるいはこれらとトリ
アルキルアルミニウムおよび/又はトリハロゲン化アル
ミニウムとの混合物などを代表例としてあげることがで
きる。このような有機アルミニウム化合物の代りにトリ
アルキルアルミニウムのようなものを用いても好適なワ
ックスは得られない。さらに、該ワックスは、上記
(a)、(b)の触媒成分の他に、エーテルを共存させ
た触媒系によっても好適に得ることができる。
【0025】該エーテルとしては、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジ
n−ブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテル、ジイ
ソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシル
エーテル、ジオクチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アニソールのような炭素数2
ないし20のエーテルが好適に使用される。エーテルの
使用量は、エーテル/ハロゲン含有有機アルミニウム化
合物(モル比)が約0.05乃至約1、とくに約0.1
乃至約0.8の範囲となるようにするのがよい。
【0026】共重合反応は水素の共存下に、100℃以
上、好適には約120乃至約230℃の温度で生成する
ワックスが反応媒体に溶解する条件で行われる。そして
好ましくは、均一相を呈する条件下で共重合が行われ
る。反応媒体として炭化水素を用いるのが好ましく、例
えばヘキサン、ヘブタン、オクタン、デカン、灯油、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが利
用できる。
【0027】目的とするエチレン系共重合ワックスのエ
チレン含有量、極限粘度あるいは重合温度、触媒供給量
などによっても適宜に変更できるが、エチレンに対する
プロピレンの供給比率(モル比)は約0.02乃至約
0.30、同様に炭素数4乃至10のα−オレフィンの
供給比率(モル比)は、約0.02乃至0.30、また
水素は重合器中のガス相の水素/エチレン(モル比)で
約0.1乃至約10となるようにするのが好ましい。共
重合反応は連続方式で行うのが有利である。共重合反応
により得られたワックス中の触媒は、濾過や洗浄などの
公知の手段で除去することができる。
【0028】ワックス酸化物の製法 本発明のエチレン系共重合体ワックス酸化物は、前記の
方法で得られたワックスを、酸価が0.1乃至50、好
ましくは、0.5乃至20の範囲になるように酸化する
ものである。ワックス酸化物の製法としては、例えば溶
融状態にある前記ワックス、または水に分散させた状態
の前記ワックスを、約120ないし200℃、好ましく
は、約140ないし170℃で酸素含有ガスと接触させ
ることにより行うことができる。
【0029】顔料用もしくは充填剤用分散剤 本発明の分散剤の有効成分である上記エチレン系共重合
体ワックス酸化物は、比較的低温度で溶融しやすく、作
業性、省エネルギー性に優れ、且つそれ自体顔料等の良
好な分散を助成する特性を有する。
【0030】本発明の分散剤は、通常、該ワックス酸化
物100重量部に対し、例えば、顔料等を約20ないし
約40重量部程度の割合で混合し、該ワックス酸化物の
融点以上の温度で混練して冷却固化し、次いで適当な粒
度、例えば約20乃至約200メッシュ程度に粉砕する
ことによりカラーベースを調製し、次いで着色すべき高
分子化合物で予め溶融希釈した後、あるいは直接必要な
着色度になるような量を高分子化合物に添加する等の方
法で使用される。
【0031】使用される顔料等としては有機又は無機の
ものであってもよく、その代表例としては、最新顔料便
覧(誠文堂新光社 昭和52年1月10日発行)216
〜221ページに記載されたものを挙げることができ
る。
【0032】本発明の分散剤は、顔料と同様に、高分子
化合物中に分散させる他の添加剤、たとえば充填剤の分
散にも同様に利用できる。これらの顔料ないし充填剤の
一例としては、酸化チタン、酸化鉄、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、シリ
カ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリ
ン、アスベスト、ガラス繊維、ハイドロタルサイト、酸
化亜鉛などの無機材料、アゾ系、イソインドリノン系、
アントロン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系、ペ
リレン系、ペリノン系、キノフタロン系などの有機顔料
などを例示できる。又、着色すべき高分子化合物として
種々のものを選び得るが、特にポリオレフィン系樹脂、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等に好適に使用で
き、それらのなかでも、中・低密度ポリエチレンに最も
好適に適用出来る。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。なお参考例中の粘度平均分子量Mvは、極限粘度
(η)から次式ににより算出した。 Mv=2.51×104 ×〔η〕1.235 参考例(ワックスの製造例) 攪拌機付50リットルガラスライニング反応機に、窒素
シール下、脱水ヘキサン10リットル、無水塩化マグネ
シウム(平均粒径150μ)10kgを仕込み攪拌しな
がら室温下、エタノール5kgを1時間で滴下終了し、
その後3時間攪拌を続けた。次に攪拌を止めて静置し、
上澄のヘキサン層を除去した後、四塩化チタン20kg
を仕込んでスラリー化し、110℃で2時間攪拌しなが
ら反応させたあと、静置し、上澄を除去後、冷四塩化チ
タンで1度リンスし、四塩化チタンをヘキサンで置換し
た。こうして得られた固体触媒はその1gあたりチタン
を42mg含有していた。200リットルの攪拌機付の
加圧連続装置に脱水ヘキサン100リットル/hr、上
記固体触媒2.8mM/hr、エチルアルミニウムセス
キクロライド40mM/hr、を連続供給した。更に加
えてエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン
及び水素を連続供給し、140℃の重合温度で全圧32
kg/cm 2 、ヘキサン平均滞留時間1時間で連続重合
し、反応器より抜き出した。ポリマー液からヘキサンを
連続的にフラッシュさせて得られるワックス状物の分子
量を、反応器内の水素/エチレンモル比で、密度を4−
メチル−1−ペンテン/エチレン及びプロピレン/エチ
レン供給比で調整することにより、粘度平均分子量57
00〔〔η〕0.301dl/g〕、密度0.917、
プロピレン含有量3.8モル%、4−メチル−1−ペン
テン含有量2.0モル%、のエチレンプロピレン・4−
メチル−1−ペンテン共重合ワックスを15kg/hr
の割合で得た。このものの軟化点は119℃、13C−N
MRから求められる平均メチレン連鎖長は38であっ
た。また赤外吸収スペクトルにより求めた二重結合の数
は、1000炭素原子当り0.1個であった。
【0034】実施例1 上記参考例の方法によって得られたワックス50kgを
100リットルの攪拌機付反応釜中で溶融させ、反応温
度を160℃に保ちつつ、空気を11m3 /hrの割合
で反応釜底部より吹き込みながら2.5時間攪拌した。
得られた酸化ワックスの酸価は2.9であった。上記ワ
ックス酸化物(粒度約60メッシュ)50gと顔料(フ
タロシアニンブルー)50gを配合し、3本ロール上で
混練した。この時、第3ロールを離し、第1ロールと第
2ロール間で110℃で混練し配合物が粉末状から、溶
融流動状態となるまでの時間を測定し、これを作業性の
指標とした(回転数100rpm、回転比1:2)。こ
の時間が短いほど、少エネルギーで混練が可能となる。
この配合物では上記時間は63秒であった。続けて、第
3ロールも使用して混練を行ない、顔料とワックス酸化
物(分散剤)のコンパウンドを得た。このもの1gと高
圧ポリ法エチレン38gとを、ブラベンダーブラストグ
ラフで混練後、100μの厚みで24mm×34mmの
大きさのブレス・シートを作成して顔料の粗大粒子の大
きさ(10μ以上のもの)とその数を測定し、顔料の分
散1(10μ以上のものが100個以上)、2(10μ
以上のものが30個から100個)、3(10μ以上の
ものが5個から30個)、4(10μ以上のものが5個
以下)の4段階に分けて判定した。顔料分散評点2以下
は不良であり、実用上問題が多く数字の高い方が分散度
が良い。このワックス酸化物の分散度は4であった。
【0035】実施例2 参考例の方法によって得られたワックスを、実施例1に
記載の方法で9時間酸化して、酸価が17.8のワック
ス酸化物(分散剤)を得た。このもののロール上での溶
融時間は46秒であり、顔料の分散度は4であった。
【0036】実施例3 参考例の方法によって得られたワックスを実施例1に記
載の方法で1時間酸化して、酸価が0.9のワックス酸
化物分散剤を得た。このもののロール上での溶融時間は
68秒であり、顔料の分散度は4であった。
【0037】比較例1 前記参考例の方法によって得られたワックスを、実施例
1記載の方法によって、酸価が0.05のワックス酸化
物を得た。このものの分散度は3乃至4であった。
【0038】比較例2 参考例において、重合原料として、エチレン、プロピレ
ン、4−メチル−1−ペンテン及び水素を供給する代わ
りにエチレン、4−メチル−1−ペンテン及び水素を供
給するほかは、参考例と同様な方法を用い、原料供給比
を調節することにより粘度平均分子量5800、密度
0.913、4−メチル−1−ペンテン含有量5.7モ
ル%のエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合ワッ
クスを得た。このものの軟化点は128℃、平均メチレ
ン連鎖長は43、1000炭素原子あたりの二重結合の
数は、0.2個であった。
【0039】こうして得られたワックスを、実施例1と
同様の方法で、酸価が3.0のワックス酸化物を得た。
このもののロール上での溶融時間は72秒であり、分散
度は4であった。
【0040】実施例4 参考例において、重合時のプロピレン/エチレン供給比
を参考例より増やすことにより、粘度平均分子量600
0〔〔η〕0.314dl/g〕、密度0.897、プ
ロピレン含有量9.2モル%、4−メチル−1−ペンテ
ン含有量2.3モル%のエチレン−プロピレン・4−メ
チル−1−ペンテン共重合ワックスを得た。このものの
軟化点は111.5℃、平均メチレン連鎖長は31、二
重結合の数は、1000炭素原子当り0.1個であっ
た。こうしてえられたワックスを、実施例1と同様の方
法で、酸価が3.0のワックス酸化物を得た。このワッ
クス酸化物のロール上での溶融時間は48秒であり、顔
料の分散度は4であった。
【0041】実施例5 参考例において、重合時のプロピレン/エチレン供給比
を参考例より減じ、4−メチル−1−ペンテン/エチレ
ン供給比を参考例より増し、水素/エチレン供給比を減
ずることで、粘度平均分子量7500〔〔η〕0.37
6dl/g〕、密度0.901、プロピレン含有量20
モル%、4−メチル−1−ペンテン含有量7.1モル%
のエチレン・プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共
重合体ワックスを得た。このものの軟化点は119.5
℃、平均メチレン連鎖長は32、二重結合の数は100
0炭素原子に当り0.2個であった。こうして得られた
ワックスを、実施例1と同様の方法で酸価が3.1のワ
ックス酸化物を得た。このワックス酸化物のロール上で
の溶融時間は60秒であり、顔料の分散度は4であっ
た。
【0042】実施例6 参考例において、水素/エチレンの供給比を増やすこと
により、粘度平均分子量2200〔〔η〕0.139d
l/g〕、密度0.915、4−メチル−1−ペンテン
含有量4.0モル%、プロピレン含有量2.0モル%の
エチレン・プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重
合ワックスを得た。このものの軟化点は113.5℃、
平均メチレン連鎖長は37、二重結合の数は1000炭
素当り0.3個であった。こうして得られたワックス
を、実施例1と同様の方法で、酸価が2.7のワックス
酸化物を得た。このワックス酸化物のロール上での溶融
時間は52秒であり、顔料の分散度は4であった。
【0043】実施例7 参考例において、原料として、4−メチル−1−ペンテ
ンの代わりに1−オクテンを用いるほかは、参考例と同
様の方法で、原料供給比を調節することで粘度平均分子
量5500〔〔η〕0.293dl/g〕、密度0.9
02、1−オクテン含有量5.8モル%、プロピレン含
有量2.5モル%のエチレン・プロピレン・1−オクテ
ン共重合ワックスを得た。このものの軟化点は120.
5℃、平均メチレン連鎖長は38、二重結合は1000
炭素原子当り、0.2個であった。こうして得られたワ
ックスを、実施例1と同様の方法で、酸価が3.0のワ
ックス酸化物を得た。このワックス酸化物のロール上で
の溶融時間は67秒であり、顔料の分散度は4であっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明のエチレン系共重合体ワックス酸
化物からなる分散剤は、上記特定のエチレン系共重合体
ワックスをその酸価が特定範囲の値となるように酸化し
て得られたものであるため、天然又は合成樹脂などの高
分子材料に使用される顔料、充填剤などと共に添加、配
合されて、該顔料乃至充填剤等の均質分散性を顕著に改
善する効果を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−41787(JP,A) 特開 昭57−3805(JP,A) 特開 平2−6506(JP,A) 特開 平3−143907(JP,A) 特開 平1−132608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 17/00 C08L 23/30 C09C 3/10 C08F 8/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンに由来する繰り返し単位(a)
    84乃至98モル%、プロピレンに由来する繰り返し単
    位(b)1乃至10モル%、及び炭素数4乃至10のα
    ーオレフィンに由来する繰り返し単位(c)1乃至10
    モル%((a)、(b)及び(c)の合計は100モル
    %)からなり、 (A)極限粘度が0.06乃至0.45dl/gの範
    囲、 (B)1000炭素原子当りの二重結合が0.7個以
    下、 (C)重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上のメチ
    レン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、 (D)密度が0.86乃至0.94g/cm3、及び (E)軟化点が122℃以下 の特性を有するエチレン系共重合体ワックスを、酸価が
    0.1乃至50の範囲になるように酸化して得られたエ
    チレン系共重合体ワックス酸化物を有効成分として含有
    することを特徴とする顔料用もしくは充填剤用分散剤。
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