JP2681096B2 - エチレン系共重合体ワックス酸化物の製造方法 - Google Patents

エチレン系共重合体ワックス酸化物の製造方法

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康史 山田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エチレン系共重合体ワックス酸化物の製造
方法に関する。
より詳細には、天然、合成樹脂類などの高分子材料中
に配合、分散させて用いられる例えば顔料、充填剤等の
均質分散化を助成する分散剤として優れた適性を有する
エチレン系共重合体ワックス酸化物の製造方法に関す
る。
(従来の技術及びその問題点) 高分子材料に、顔料ないし充填剤もしくは類似物の如
き高分子材料に実質的に溶解せずに分散せしめられる添
加剤(以下、顔料と総称することがある)を配合する際
に、顔料を該材料中に均一に配合する目的で分散剤が利
用されることがある。例えば、合成樹脂類を顔料で着色
する際、不都合な着色ムラを生じないように顔料を合成
樹脂類中に均一に分散せしめる必要がある。このような
目的で、たとえば、予め顔料と分散剤とのマスターバッ
チを作っておき、合成樹脂類に配合する手段が知られて
いる。
このような際に利用される分散剤として、各種のワッ
クス類が市販され利用されている。このような市販ワッ
クスとしては、合成品も知られており、例えば高圧法の
ポリエチレンの熱分解で得たワックスや高圧でエチレン
をラジカル重合して得た高圧法重合ポリエチレンワック
ス、更には、エチレン又はエチレンとプロピレン、1−
ブテンなどのα−オレフインとをチーグラー型触媒を用
いて低圧重合することにより得たワックスのようなエチ
レン系ワックスまたはその酸化物が多用されている。
これらのワックスの中では、例えば特開昭57−3805号
公報に開示されているエチレン系共重合ワックス類およ
びその酸化物が、顔料の分散能では熱分解型ポリエチレ
ンワックスに匹敵する性能を有し、かつ熱安定性にも優
れたものとして知られている。しかし、該エチレン系共
重合ワックス類およびその酸化物は軟化点が熱分解型ポ
リエチレンワックスに比べて高く、例えばロール、ミキ
サーなどの手段で顔料と混練する際、溶解しにくいため
作業性に劣り、同時に比較的多くのエネルギーが必要と
なるという改善すべき問題点が残されていた。
そこで、本発明者らは、これらの問題点を解決するた
めに鋭意研究を重ねた結果、エチレン、プロピレンおよ
び炭素数が4ないし10のα−オレフインに由来する繰返
し単位を有する特定のエチレン共重合体系ワックスが有
効であるとの知見を得、特願昭62−290485号として特許
出願した。
(問題点を解決するための手段) 前記特願昭62−290485号に記載されたエチレン系共重
合体ワックスは(以下、単にワックスということがあ
る)、軟化点が低いために混練時の作業性にすぐれ、少
ないエネルギーで混合分散を達成できる点で意義のある
ものである。ところが、本発明者らは、該発明を追試す
る過程で、前記ワックスを、酸価が0.1ないし50になる
ように酸化したもの(以下、単に「ワックス酸化物」と
いうことがある)が、前記ワックスよりも、さらにすぐ
れた分散性能を示すという知見を得、本発明に至ったも
のである。
すなわち、本発明によれば、エチレンに由来する繰り
返し単位(a)84乃至98モル%、プロピレンに由来する
繰り返し単位(b)1乃至10モル%、及び炭素数4乃至
10のα−オレフィンに由来する繰り返し単位(c)1乃
至10モル% ((a)、(b)及び(c)の合計は100モル%) からなり、 (A)極限粘度が0.06乃至0.45dl/gの範囲、 (B)1000炭素原子当りの二重結合が0.7個以下、 (C)重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上のメチ
レン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、 (D)密度が0.86乃至0.94g/cm3、及び (E)軟化点が122℃以下 の特性を有するエチレン系共重合体ワックスを、溶融状
態で120乃至200℃の温度で酸素含有ガスと接触させ、そ
の酸価が0.1乃至50の範囲になるように酸化することを
特徴とするエチレン系共重合体ワックス酸化物の製造法
が提供される。
(作用) 本発明は、上記特定エチレン系共重合体ワックスを、
溶融状態で120乃至200℃の温度で酸素含有ガスと接触さ
せ、その酸価が0.1乃至50の範囲となるように酸化する
ことを特徴とするエチレン系共重合体ワックス酸化物の
製造法の発明であるが、本発明の方法で得られたこのワ
ックス酸化物は、エチレン、プロピレンおよび炭素数が
4ないし10のα−オレフィンに由来する繰り返し単位を
有するエチレン系共重合体ワックスの酸化物であり、該
ワックスが前記(A)ないし(E)の特性を有し、且つ
酸化物の酸価が上記した範囲のものであることが顕著な
特徴であって、これらの特性がそれぞれ上記の範囲にあ
ることにより、顔料分散性、耐熱性、作業性に優れ、混
練時のエネルギーの節約に貢献し、特に、酸化物の酸価
が0.1ないし50、好ましくは0.5ないし20の範囲にあるこ
とにより、顔料の分散性が一層顕著なものとなる。
(好適態様の説明) 本発明の方法は、下記の特徴を有するワックスを、溶
融状態で、120ないし200℃、好ましくは140ないし170℃
で酸素含有ガスと接触させ、酸価が0.1ないし50、好ま
しくは0.5ないし20の範囲となるように酸化するもので
ある。
酸化前のワックスは、本出願人の出願に係る特願昭62
−290485号に明記されているように、エチレンに由来す
る繰返し単位(a)84ないし98モル%の範囲、プロピレ
ンに由来する繰返し単位(b)1ないし10モル%の範
囲、および炭素数4ないし10のα−オレフインに由来す
る繰返し単位(c)1ないし10モル%の範囲((a)、
(b)および(c)の合計は100モル%)からなるもの
であるが、(a)88ないし96モル%、(b)3ないし7
モル%、(c)2ないし7モル%の各範囲((a)、
(b)および(c)の合計は100モル%)にあることが
好ましい。
該(a)が上記範囲を離れて多すぎると顔料分散性が
悪くなり、また少なすぎるとブロッキングを発生するよ
うになり、作業性が悪くなる。また該(b)が上記範囲
よりも多くなると同じくブロッキングを発生するように
なり、逆に少なくなると軟化点が高くなり、作業性が低
下するようになる。また、該(c)が上記範囲よりも多
くなるとブロッキングが発生し、逆に少なくなると、顔
料分散性能に劣るようになる。なお、(a)、(b)お
よび(c)の含有量は赤外線吸収スペクトルによって決
定することができる。
該ワックスは、さらに次の特性を有するものであるこ
とが顕著な特徴である。すなわち、(A)135℃のデカ
リン中で測定される極限粘度が0.06ないし0.45dl/g、好
ましくは0.1ないし0.4dl/gの範囲にあることにより顔料
分散性がすぐれたものとなり、(B)1000炭素原子当り
の二重結合が0.7個以下、好ましくは0.5個以下であるこ
とが必要である。二重結合が上記上限を超えたワックス
は耐熱性が劣るものとなる。1000炭素原子当りの二重結
合は、圧縮成型機により成形した試料フイルム(膜厚50
〜100μm)のIRスペクトルにより末端ビニル(910c
m-1)、トランスビニル(965cm-1)、ビニリデン(880c
m-1)の吸収強度と膜厚からそれぞれに求められた吸光
度からそれぞれの検量線により1000炭素原子あたりの二
重結合量とし、その合計量として求められる。
さらに、(C)重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7
以上であるメチレン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以
下、好ましくは約50以下であることが必要である。例え
ば20〜56程度である。該平均メチレン連鎖数が、上記上
限を超えて大きいワックスは多数のポリエチレンブロッ
クを有することを意味し、この場合は顔料分散性に劣っ
たものとなる。
尚、平均メチレン連鎖数は、メチレン連鎖数が7以上
であるメチレン連鎖の数を13C核磁気共鳴スペクトル図
から算出する。すなわち、下記構造のエチレン共重合ワ
ックスにおいては、 (RはC1以上の分岐) α炭素シグナルの面積Sαとδ炭素のシグナルの面積S
δから、メチレン連鎖数が7以上であるメチレン連鎖の
平均メチレン連鎖数は、 なる式により求められる。
また、(D)ASTM D−1505に準拠した密度勾配管法に
よって測定される密度は、0.86ないし0.94g/cm3、好ま
しくは約0.89ないし約0.93g/cm3の範囲にあることが必
要であり、この上限を超えて高すぎる場合には、顔料分
散性が劣ったものとなるし、下限を超えて低すぎる場合
は、ブロッキングを起こし、作業性の低下を招くことに
なる。
(E)軟化点は、JIS K 2207の方法で測定されるもの
であり、122℃以下、好ましくは120℃以下であることが
必要である。軟化点が前記上限を超えて高すぎるワック
スは、顔料混練時の作業性に劣り、多大のエネルギーを
消費することになる。
前記ワックスにおいて、エチレン、プロピレンと共重
合せしめる炭素数4ないし10のα−オレフインの例とし
ては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
5−メチル−1−ヘキセン、6−メチル−1−ヘプテン
などを例示することができる。とくに、炭素数5ないし
10のα−オレフイン、中でも分岐を有するα−オレフイ
ンであることが好ましい。
ワックスの製法 本発明におけるワックス酸化物の基本化合物としての
ワックスは、例えば(a)マグネシウム化合物で活性化
された高活性チタン触媒成分、(b)ハロゲン/Al(原
子比)が1ないし2、好ましくは1.05ないし1.4の有機
アルミニウム化合物とから形成される触媒の存在下、エ
チレン、プロピレンおよび炭素数4ないし10のα−オレ
フインを、水素の共存下、100℃以上の温度で共重合す
ることによって得ることができる。
高活性チタン触媒成分(a)は、マグネシウム化合物
の使用により高活性化されたチタン触媒成分であって、
予め使用に先立ってマグネシウム化合物とチタン化合物
を作用させておくか、又は重合系でマグネシウム化合物
とチタン化合物を接触させて高活性化を達成することが
できる。
該触媒成分(a)は、マグネシウム化合物に担持され
たチタン触媒成分であってもよく、またマグネシウム化
合物とチタン化合物を、例えばアルコールの如き可溶化
剤の使用によって炭化水素等に溶解せしめたものであっ
てもよい。触媒成分(a)中のチタンは、通常4価およ
び/又は3価である。固体状の触媒成分(a)は、通常
好ましくはチタン含有量が約0.2ないし約18重量%、一
層好ましくは約0.3ないし約15重量%であり、又、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が好ましくは約4ないし約30
0、一層好ましくは約5ないし約200である。更に、その
比表面積は好ましくは約10m2/g以上、さらに好ましくは
約20ないし約100m2/g、一層好ましくは約40ないし約900
m2/gである。
このような固体状の高活性チタン触媒成分(a)に関
しては広く知られており、基本的には、マグネシウム化
合物とチタン化合物を反応させて比表面積の大きい反応
物を得るか又は比表面積の大きいマグネシウム化合物に
チタン化合物を反応させる方法が多用される。例えば、
マグネシウム化合物とチタン化合物の共粉砕法、比表面
積が充分に大きくされたマグネシウム化合物とチタン化
合物の熱反応、含酸素マグネシウム化合物とチタン化合
物の熱反応、電子供与体で処理されたマグネシウム化合
物を予め有機アルミニウム化合物やハロゲン含有ケイ素
化合物で処理し、あるいは処理せずに、チタン化合物と
反応させる方法などを代表例として挙げることができ
る。
固体状の高活性チタン触媒成分(a)の製造に使用さ
れるマグネシウム化合物としては、種々のものがある。
例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マ
グネシウム、弗化マグネシウム、水酸化マグネシウム、
酸化マグネシウム、マグネシウムヒドロキシハライド、
アルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハラ
イド、アリロキシマグネシウム、アリロキシマグネシウ
ムハライド、アルキルマグネシウムハライド、あるいは
これらの混合物などを例示することができる。これらは
如何なる製法で作られたものであってもよい。マグネシ
ウム化合物はまた他の金属や電子供与体などを含有して
もよい。
固体状の高活性チタン触媒成分(a)の製造に使用さ
れるチタン化合物としては、Ti(OR)mXm(Rは炭
化水素基、たとえばC2〜C6のアルキル基、C6〜C12のア
リール基、Xはハロゲン、0≦≦4)で示される4価
のチタン化合物が例示できる。このようなチタン化合物
の例としてはTiCl4、TiBr4、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(OC2H
52Cl2、Ti(OC6H53Cl、Ti(OC2H5、Ti(OC
4H9などを挙げることができる。更に、四ハロゲン
化チタンを、アルミニウム、チタン、水素、有機アルミ
ニウム化合物などの還元剤で還元して得られる各種三ハ
ロゲン化チタン、例えば三塩化チタンを例示できる。こ
れらチタン化合物は2種以上複数種を併用して利用する
ことができる。
このような固体状高活性チタン触媒成分(a)を得る
代表的な方法は、例えば特公昭46−34092、特公昭46−3
4094、特公昭46−34098、特公昭47−41676、特公昭47−
46269、特公昭50−32270、特公昭53−1796などに記載さ
れており、これらはいずれも本発明で利用できる。
また可溶性の高活性チタン触媒成分の1例は、特開昭
55−78004号に示されている。
チタン触媒成分(a)と共に用いられる有機アルミニ
ウム化合物は、ハロゲン/Al(原子比)が1ないし2、
好ましくは1.05ないし1.4の範囲となるもので、これら
は平均組成がこの範囲となれば2種以上の混合物でもよ
く、あるいはトリアルキルアルミニウムやトリハロゲン
化アルミニウムなどを、併用の際の一成分として用いて
もよい。このような有機アルミニウム化合物としては、
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムブロミドのようなジア
ルキルアルミニウムハライド、エチルアルミニウムセス
キクロリド、プロピルアルミニウムセスキクロリド、ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウム
セスキブロミド、オクチルアルミニウムセスキクロリド
のようなアルキルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリ
ドのようなアルキルアルミニウムジクロリド、あるいは
これらの混合物、あるいはこれらとトリアルキルアルミ
ニウムおよび/又はトリハロゲン化アルミニウムとの混
合物などを代表例としてあげることができる。このよう
な有機アルミニウム化合物の代りにトリアルキルアルミ
ニウムのようなものを用いても好適なワックスは得られ
ない。
さらに、該ワックスは、上記(a)、(b)の触媒成
分の他に、エーテルを共存させた触媒系によっても好適
に得ることができる。
該エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジn−ブチル
エーテル、エチルn−ブチルエーテル、ジイソブチルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、
ジオクチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、アニソールのような炭素数2ないし20のエ
ーテルが好適に使用される。エーテルの使用量は、エー
テル/ハロゲン含有有機アルミニウム化合物(モル比)
が約0.05ないし約1、とくに約0.1ないし約0.8の範囲と
なるようにするのがよい。
共重合反応は水素の共存下に、100℃以上、好適には
約120ないし約230℃の温度で生成するワックスが反応媒
体に溶解する条件で行われる。そして好ましくは均一相
を呈する条件下で共重合が行われる。反応媒体として炭
化水素を用いるのが好ましく、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、灯油、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが利用できる。目的とする
エチレン系共重合ワックスのエチレン含有量、極限粘度
あるいは重合温度、触媒供給量などによっても適宜に変
更できるが、エチレンに対するプロピレンの供給比率
(モル比)は約0.02ないし約0.30、同様に炭素数4ない
し10のα−オレフインの供給比率(モル比)は、約0.02
ないし0.30、また水素は重合器中のガス相の水素/エチ
レン(モル比)で約0.1ないし約10となるようにするの
が好ましい。共重合反応は連続方式で行うのが有利であ
る。共重合反応により得られたワックス中の触媒は、
過や洗浄などの公知の手段で除去することができる。
ワックス酸化物の製法 本発明においては、前記の方法で得られたワックス
を、溶融状態でその酸価が0.1ないし50、好ましくは0.5
ないし20の範囲になるように酸化することによりエチレ
ン系共重合体ワックス酸化物を製造する。
より具体的には、溶融状態にある前記ワックスを120
ないし200℃、好ましくは140ないし170℃で酸素含有ガ
スと接触させ、被酸化物の酸価が上記所定の値となるま
で酸化する。
顔料用もしくは充填剤用分散剤 本発明の方法で製造されたエチレン系共重合体ワック
ス酸化物は、比較的低温度で溶融しやすいため、作業
性、省エネルギー性に優れ、かつ顔料分散剤としても優
れた性能を示す。分散剤としての利用に際しては、ワッ
クス酸化物100重量部に対し、たとえば、顔料等を約20
ないし約40重量部程度の割合で混合し、該ワックス酸化
物の融点以上の温度で混練して冷却固化し、次いで適当
な粒度、例えば約20ないし約200メッシュ程度に粉砕す
ることによりカラーベースを作ることができる。次いで
着色すべき高分子化合物で予め溶融希釈した後、あるい
は直接必要な着色度になるような量を高分子化合物に添
加して、成形加工を行えばよい。使用される顔料として
は有機又は無機のものであってもよく、その代表例とし
ては、最新顔料便覧(誠文堂新光社 昭和52年1月10日
発行)216〜221ページに記載されたものを挙げることが
できる。本発明のワックス酸化物は、顔料と同様に、高
分子化合物に分散させる他の添加剤、たとえば充填剤の
分散にも同様に利用できる。これらの顔料ないし充填剤
の一例としては、酸化チタン、酸化鉄、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、シ
リカ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリ
ン、アスベスト、ガラス繊維、ハイドロタルサイト、酸
化亜鉛などの無機材料、アゾ系、イソインドリノン系、
アントロン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系、ペ
リレン系、ペリノン系、キノフタロン系などの有機顔料
などを例示できる。また着色すべき高分子化合物として
種々のものを選び得るが、とくにポリオレフイン系樹
脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−
ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどが例示さ
れ、それらのなかでも、中・低密度ポリエチレンに適用
するのが好ましい。
本発明のエチレン系共重合体ワックス酸化物は、それ
自体を、あるいはさらに無水マレイン酸と反応させた
後、滑剤、ホットメルト樹脂、インキ、塗料などの用途
にも使用することができる。
(実施例) 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
なお参考例中の粘度平均分子量Mvは、極限粘度〔η〕
から次式により算出した。
Mv=2.51×104×〔η〕1.235 参考例 (ワックスの製造例) 撹拌機付50ガススライニング反応機に、窒素シール
下、脱水ヘキサン10、無水塩化マグネシウム(平均粒
径150μ)10Kgを仕込み撹拌しながら室温下、エタノー
ル5Kgを1時間で滴下終了し、その後3時間撹拌を続け
た。次に撹拌を止めて静置し、上澄のヘキサン層を除去
した後、四塩化チタン20Kgを仕込んでスラリー化し、11
0℃で2時間撹拌しながら反応させたあと、静置し、上
澄を除去後、冷四塩化チタンで1度リンスし、四塩化チ
タンをヘキサンで置換した。こうして得られた固体触媒
はその1gあたりチタンを42mg含有していた。
200の撹拌機付の加圧連続装置に脱水ヘキサン100
/hr、上記固体触媒2.8mM/hr、エチルアルミニウムセス
キクロライド40mM/hr、を連続供給した。更に加えてエ
チレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン及び水
素を連続供給し、140℃の重合温度で全圧32Kg/cm2、ヘ
キサン平均滞留時間1時間で連続重合し、反応器より抜
き出した。ポリマー液からヘキサンを連続的にフラッシ
ュさせて得られるワックス状物の分子量を、反応器内の
水素/エチレンモル比で、密度を4−メチル−1−ペン
テン/エチレン及びプロピレン/エチレン供給比で調整
することにより、粘度平均分子量5700〔〔η〕0.301dl/
g〕、密度0,917、プロピレン含有量3.8モル%、4−メ
チル−1−ペンテン含有量2.0モル%、のエチレンプロ
ピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合ワックスを15
Kg/hrの割合で得た。このものの軟化点は119℃、13C−N
MRから求められる平均メチレン連鎖長は38であった。ま
た赤外吸収スペクトルにより求めた二重結合の数は、10
00炭素原子当り0.1個であった。
実施例 1 上記参考例の方法によって得られたワックス50Kgを10
0の撹拌機付反応釜中で溶融させ、反応温度を160℃に
保ちつつ、空気を11m3/hrの割合で反応釜底部より吹き
込みながら2.5時間撹拌した。得られた酸化ワックスの
酸価は2.9であった。
上記ワックス酸化物(粒度約60メッシュ)50gと顔料
(フタロシアニンブルー)50gを配合し、3本ロール上
で混練した。この時、第3ロールを離し、第1ロールと
第2ロール間で110℃で混練し配合物が粉末状から、溶
融流動状態となるなでの時間を測定し、これを作業性の
指標とした(回転数100rpm、回転比1:2)。この時間が
短かいほど、少エネルギーで混練が可能となる。この配
合物では上記時間は63秒であった。続けて、第3ロール
も使用して混練を行ない、顔料とワックス酸化物のコン
パウンドを得た。
このもの1gと高圧法ポリエチレン38gとを、ブラベン
ダーブラストグラフで混練後、100μの厚みで24mm×34m
mの大きさのプレス・シートを作成して顔料の粗大粒子
の大きさ(10μ以上のもの)とその数を測定し、顔料の
分散1(10μ以上のものが100個以上)、2(10μ以上
のものが30個から100個)、3(10μ以上のものが5個
から30個)、4(10μ以上のものが5個以下)の4段階
に分けて判定した。顔料分散評点2以下は不良であり、
実用上問題が多く数字の高い方が分散度が良い。このワ
ックス酸化物の分散度は4であった。
実施例 2 参考例の方法によって得られたワックスを、実施例1
に記載の方法で9時間酸化して、酸価が17.8のワックス
酸化物を得た。このもののロール上での溶融時間は46秒
であり、顔料の分散度は4であった。
実施例 3 参考例の方法によって得られたワックスを実施例1に
記載の方法で1時間酸化して、酸価が0.9のワックス酸
化物を得た。このもののロール上での溶融時間は68秒で
あり、顔料の分散度は4であった。
比較例 1 前記参考例の方法によって得られたワックスを、実施
例1記載の方法によって、酸価が0.05のワックス酸化物
を得た。このものの分散度は3ないし4であった。
比較例 2 参考例において、重合原料として、エチレン、プロピ
レン、4−メチル−1−ペンテン及び水素を供給する代
わりにエチレン、4−メチル−1−ペンテン及び水素を
供給するほかは、参考例と同様な方法を用い、原料供給
比を調節することにより粘度平均分子量5800、密度0.91
3、4−メチル−1−ペンテン含有量5.7モル%のエチレ
ン・4−メチル−1−ペンテン共重合ワックスを得た。
このものの軟化点は128℃、平均メチレン連鎖長は43、1
000炭素原子あたりの二重結合の数は、0.2個であった。
こうして得られたワックスを、実施例1と同様の方法
で、酸価が3.0のワックス酸化物を得た。このもののロ
ール上での溶融時間は72秒であり、分散度は4であっ
た。
実施例 4 参考例において、重合時のプロピレン/エチレン供給
比を参考例より増すことにより、粘度平均分子量6000
〔〔η〕0.314dl/g〕、密度0.897、プロピレン含有量9.
2モル%、4−メチル−1−ペンテン含有量2.3モル%の
エチレン−プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重
合ワックスを得た。
このものの軟化は111.5℃、平均メチレン連鎖長は3
1、二重結合の数は、1000炭素原子当り0.1個であった。
こうしてえられたワックスを、実施例1と同様の方法
で、酸価が3.0のワックス酸化物を得た。このワックス
酸化物のロール上での溶融時間は48秒であり、顔料の分
散度は4であった。
実施例 5 参考例において、重合時のプロピレン/エチレン供給
比を参考例より減じ、4−メチル−1−ペンテン/エチ
レン供給比を参考例より増し、水素/エチレン供給比を
減ずることで、粘度平均分子量7500〔〔η〕0.376dl/
g〕、密度0.901、プロピレン含有量20モル%、4−メチ
ル−1−ペンテン含有量7.1モル%のエチレン・プロピ
レン・4−メチル−1−ペンテン共重合体ワックスを得
た。このものの軟化点は119.5℃、平均メチレン連鎖長
は32、二重結合の数は1000炭素原子当り0.2個であっ
た。
こうして得られたワックスを、実施例1と同様の方法
で酸価が3.1のワックス酸化物を得た。このワックス酸
化物のロール上での溶融時間は60秒であり、顔料の分散
度は4であった。
実施例 6 参考例において、水素/エチレンの供給比を増すこと
により、粘度平均分子量2200〔〔η〕0.139dl/g〕、密
度0.915、4−メチル−1−ペンテン含有量4.0モル%、
プロピレン含有量2.0モル%のエチレン・プロピレン・
4−メチル−1−ペンテン共重合ワックスを得た。
このものの軟化点は113.5℃、平均メチレン連鎖長は3
7、二重結合の数は1000炭素当り0.3個であった。
こうして得られたワックスを、実施例1と同様の方法
で、酸価が2.7のワックス酸化物を得た。このワックス
酸化物のロール上での溶融時間は52秒であり、顔料の分
散度は4であった。
実施例 7 参考例において、原料として、4−メチル−1−ペン
テンの代わりに1−オクテンを用いるほかは、参考例と
同様の方法で、原料供給比を調節することで粘度平均分
子量5500〔〔η〕0.293dl/g〕、密度0.902、1−オクテ
ン含有量5.8モル%、プロピレン含有量2.5モル%のエチ
レン・プロピレン・1−オクテン共重合ワックスを得
た。
このものの軟化点は120.5℃、平均メチレン連鎖長は3
8、二重結合は1000炭素原子当り、0.2個であった。
こうして得られたワックスを、実施例1と同様の方法
で、酸価3.0のワックス酸化物を得た。このワックス酸
化物のロール上の溶融時間は67秒であり、顔料の分散度
は4であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンに由来する繰り返し単位(a)84
    乃至98モル%、プロピレンに由来する繰り返し単位
    (b)1乃至10モル%、及び炭素数4乃至10のα−オレ
    フィンに由来する繰り返し単位(c)1乃至10モル% ((a)、(b)及び(c)の合計は100モル%) からなり、 (A)極限粘度が0.06乃至0.45dl/gの範囲、 (B)1000炭素原子当りの二重結合が0.7個以下、 (C)重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上のメチ
    レン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、 (D)密度が0.86乃至0.94g/cm3、及び (E)軟化点が122℃以下 の特性を有するエチレン系共重合体ワックスを、溶融状
    態で120乃至200℃の温度で酸素含有ガスと接触させ、そ
    の酸価が0.1乃至50の範囲になるように酸化することを
    特徴とするエチレン系共重合体ワックス酸化物の製造
    法。
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