JP2557424B2 - エチレン系共重合体ワックスの製造方法 - Google Patents

エチレン系共重合体ワックスの製造方法

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JP2557424B2 JP62290485A JP29048587A JP2557424B2 JP 2557424 B2 JP2557424 B2 JP 2557424B2 JP 62290485 A JP62290485 A JP 62290485A JP 29048587 A JP29048587 A JP 29048587A JP 2557424 B2 JP2557424 B2 JP 2557424B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高分子材料、例えば天然もしくは合成樹脂
類などに顔料ないし充てん剤もしくは類似物の如き該高
分子材料に実質的に溶解せずに分散せしめられるものの
分散剤として、優れた適性を示すことのできるエチレン
系共重合体ワツクスの製造方法に関する。
[従来の技術] 高分子材料に、顔料乃至充填剤もしくは類似物の如き
高分子材料に実質的に溶解せずに分散せしめられる添加
剤(以下、顔料と総称することがある)を配合する際
に、顔料を該材料中に均一に配合する目的で分散剤が利
用されることが屡々である。例えば、合成樹脂類を顔料
で着色する際、不都合な着色ムラを生じないように顔料
を合成樹脂類中に分散せしめる必要がある。このような
目的で、たとえば、予め顔料と分散剤とのマスターバツ
チを作っておき、合成樹脂類に配合する手段が知られて
いる。
このような際に利用される分散剤として、各種のワッ
クス類が市販され利用されている。このような市販ワッ
クスとしては合成品も知られており、例えば高圧法ポリ
エチレンの熱分解で得たワックスや高圧でエチレンをラ
ジカル重合して得た高圧法重合ポリエチレンワツクス、
更には、エチレン又はエチレンとプロピレン、1−ブテ
ンなどのα−オレフインとをチーグラー型触媒を用いて
低圧重合することにより得たワックスのようなエチレン
系ワックスが多用されている。
[発明が解決しようとする問題点] これらのワックスの中では、例えば特開昭57−3805号
公報に開示されているエチレン系共重合ワックス類が、
顔料の分散能では熱分解型ポリエチレンワツクスに匹敵
する性能を有し、かつ熱安定性にも優れたものとして知
られている。しかし、該エチレン系共重合ワックス類は
軟化点が熱分解型ポリエチレンワックスに比べ高く、例
えばロール、ミキサーなどの手段で顔料と混練する際、
溶解しにくいため作業性に劣り、同時に比較的多くのエ
ネルギーが必要となるという改善すべき問題点が残され
ていた。
[問題点を解決するための手段] 前記の問題を解決するため、鋭意検討した結果、本発
明者等は、高活性チタン触媒を用いて、エチレン、プロ
ピレンおよび炭素数4ないし10のα−オレフインに由来
する繰返し単位を有する特定のエチレン系共重合体ワッ
クスの製造方法を見い出し本発明を完成することができ
た。
すなわち、本発明は、(a)マグネシウム化合物で活
性化された高活性チタン触媒成分、(b)ハロゲン/Al
(原子比)が1ないし2、好ましくは1.05ないし1.4の
有機アルミニウム化合物とから形成される触媒の存在
下、エチレン、プロピレンおよび分枝を有する炭素数5
ないし10のα−オレフインを、水素の共存下、100℃以
上の温度で共重合することによる、 エチレンに由来する繰返し単位(a)84ないし98モル%
の範囲、プロピレンに由来する繰返し単位(b)ないし
10モル%の範囲および炭素4ないし10のα−オレフイン
に由来する繰返し単位(c)1ないし10モル%の範囲
((a)、(b)および(c)の合計は100モル%)か
らなり、 (A) 極限粘度が0.06ないし0.45dl/gの範囲、 (B) 1000炭素原子当りの二重結合が0.7個以下、 (C) 重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上であ
るメチレン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、 (D) 密度が0.86ないし0.94g/cm3、そして (E) 軟化点が122℃以下 の特性を有するエチレン系重合体ワツクスの製造方法に
関する。
なお、特開昭56−30412、同59−164206、同59−21090
5の各号公報にはエチレンとα−オレフインの共重合体
ワックスが一般的に示されているが、本発明のような特
定組成、特性性状を併有する共重合体ワツクスについて
は開示されていない。
[本発明のエチレン系共重合体ワックス] 本発明のエチレン系共重合体ワツクスの製造方法によ
れば、エチレン、プロピレンおよび分枝を有する炭素数
5ないし10のα−オレフインに由来する繰返し単位
(a)、(b)および(c)が前記の範囲にあり、中で
も(a)88ないし96モル%、(b)3ないし7モル%、
(c)2ないし7モル%の各範囲((a)、(b)およ
び(c)の合計は100モル%)にあるエチレン系共重合
体ワツクスが提供される。
該(a)が上記範囲を離れて多すぎると顔料分散性が
悪くなり、また少なすぎるとブロツキングを発生するよ
うになり、作業性が悪くなる。また該(b)が上記範囲
よりも多くなると同じくブロツキングを発生するように
なり、逆に少なくなると軟化点が高くなり、作業性が低
下するようになる。また該(c)が上記範囲より多くな
るとブロツキングが発生し逆に少なくなると、顔料分散
性能に劣るようになる。なお、(a)、(b)および
(c)の含有量は赤外線吸収スペクトルによつて決定す
ることができる。
で提供されるエチレン系共重合体ワックスは、(A)
極限粘度が0.06ないし0.45dl/g、好ましくは0.1ないし
0.4dl/gの範囲である。極限粘度が上記範囲を離れて小
さすぎても大きすぎても顔料分散性が悪化する。なお、
本発明において、極限粘度は135℃のデカリン中で測定
される値である。
で提供されるエチレン系共重合体ワックスは、(B)
1000炭素原子当りの二重結合が0.7個以下、好ましくは
0.5個以下である。二重結合が上記上限をこえて大きす
ぎるワックスは耐熱性が悪化するようになる。
なお、本発明において、1000炭素原子当りの二重結合
は、以下のようにして決定される。圧縮成型機により成
形した試料フイルム(膜厚50〜100μm)のIRスペクト
ルより末端ビニル(910cm-1)、トランスビニル(965cm
-1)、ビニリデン(880cm-1)の吸収強度と膜厚からそ
れぞれに求められた吸光度からそれぞれの検量線により
1000炭素原子あたりの二重結合量とし、その合計量とし
て求められる。
で提供されるエチレン共重合体ワックスは、(C)重
合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上であるメチレン
連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、好ましくは約50以
下である。例えば20〜56程度である。該平均メチレン連
鎖数が、上記上限を超えて大きいワックスは多数のポリ
エチレンブロツクを有することを意味し、顔料分散性に
劣る。
尚、本発明において、平均メチレン連鎖数は、メチレ
ン連鎖数が7以上であるメチレン連鎖の数を13C核磁気
共鳴スペクトル図から算出する。すなわち、下記構造の
エチレン共重合ワックスにおいては、 α炭素のシグナルの面積Sαとδ炭素のシグナルの面積
δから、メチレン連鎖数が7以上であるメチレン連鎖
の平均メチレン連鎖数は、 なる式により求められる。
で提供されるエチレン系共重合体ワックスは、(D)
密度が0.86〜0.94g/cm3、好ましくは約0.89〜約0.93g/c
m3である。密度が上記上限を超えて高すぎるワックスは
顔料分散性が劣り、また、上記上限を超えて低すぎるワ
ックスは、ブロツキングの欠陥があり作業性が悪く不適
当である。
尚、本発明において、密度はASTM D−1505に準拠した
密度勾配管法により測定した。
本発明のエチレン系共重合体ワックスは、(E)軟化
点(JIS K2207の方法で測定)が122℃以下、好ましくは
120℃以下である。該上限を超えて高すぎる軟化点をも
つワックスは、顔料を溶融混練する際の作業性に劣り、
その際に多くのエネルギーを要するようになる。
本発明において、エチレン、プロピレンと共重合せし
めるα−オレフインは分枝を有する炭素数5ないし10の
α−オレフインであり、その例としては、3−メチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル
−1−ヘキセン、6−メチル−1−ヘプテンなどを例示
することができる。
[製法] 本発明に於ては(a)マグネシウム化合物で活性化さ
れた高活性チタン触媒成分、(b)ハロゲン/Al(原子
比)が1ないし2、好ましくは1.05ないし1.4の有機ア
ルミニウム化合物とから形成される触媒の存在下、エチ
レン、プロピレンおよび分枝を有する炭素数5ないし10
のα−オレフインを、水素の共存下、100℃以上の温度
で共重合することによってエチレン系共重合体ワツクス
を得ることができる。
高活性チタン触媒成分(a)は、マグネシウム化合物
の使用により高活性化されたチタン触媒成分であつて、
予め使用に先立ってマグネシウム化合物とチタン化合物
を作用させておくか、又は重合系でマグネシウム化合物
とチタン化合物を接触させて高活性化を達成することが
できる。
該触媒成分(a)は、マグネシウム化合物に担持され
たチタン触媒成分であつてもよく、またマグネシウム化
合物とチタン化合物を、例えばアルコールの如き可溶化
剤の使用によつて炭化水素等に溶解せしめたものであつ
てもよい。触媒成分(a)中のチタンは、通常4価およ
び/又は3価である。固体状の触媒成分(a)は、通常
好ましくはチタン含有量が約0.2ないし約18重量%、一
層好ましくは約0.3ないし約15重量%であり、又、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が好ましくは約4ないし約30
0、一層好ましくは約5ないし約200である。更に、その
比表面積は好ましくは約10m2/g以上、さらに好ましくは
約20ないし約1000m2/g、一層好ましくは約40ないし約90
0m2/gである。
このような固体状の高活性チタン触媒成分(a)に関
しては広く知られており、基本的には、マグネシウム化
合物とチタン化合物を反応させて比表面積の大きい反応
物を得るか又は比表面積の大きいマグネシウム化合物に
チタン化合物を反応させる方法が多用される。例えば、
マグネシウム化合物とチタン化合物の共粉砕法、比表面
積が充分に大きくされたマグネシウム化合物とチタン化
合物の熱反応、含酸素マグネシウム化合物とチタン化合
物の熱反応、電子供与体で処理されたうマグネシウム化
合物を予め有機アルミニウム化合物やハロゲン含有ケイ
素化合物で処理し、あるいは処理せずに、チタン化合物
と反応させる方法などを代表例として挙げることができ
る。
固体状の高活性チタン触媒成分(a)の製造に使用さ
れるマグネシウム化合物としては、種々のものがある。
例えば塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグ
ネシウム、弗化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸
化マグネシウム、マグネシウムヒドロキシハライド、ア
ルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライ
ド、アリロキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム
ハライド、アルキルマグネシウムハライド、あるいはこ
れらの混合物などを例示することができる。これらは如
何なる製法で作られたものであつてもよい。マグネシウ
ム化合物はまた他の金属や電子供与体などを含有しても
よい。
固体状の高活性チタン触媒成分(a)の製造に作用さ
れるチタン化合物としては、Ti(OR)4-mXm(Rは炭化
水素基、たとえばC2〜C5アルキル基、C6〜C12のアリー
ル基、Xはハロゲン、0≦m≦4)で示される4価のチ
タン化合物が例示できる。このようなチタン化合物の例
としてはTiCl4、TiBr4、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(OC2H52
Cl2、Ti(OC6H53Cl、Ti(OC2H5、Ti(OC4H9
などを挙げることができる。更に、四ハロゲン化チタン
を、アルミニウム、チタン、水素、有機アルミニウム化
合物などの還元剤で還元して得られる各種三ハロゲン化
チタン、例えば三塩化チタンを例示できる。これらチタ
ン化合物は2種以上複数種併用して利用することができ
る。
このような固体状高活性チタン触媒成分(a)を得る
代表的な方法は、例えば特公昭46−34092、特公昭46−3
4094、特公昭46−34098、特公昭47−41676、特公昭47−
46269、特公昭50−32270、特公昭53−1796などに記載さ
れており、本発明で利用できる。
また可溶型の高活性チタン触媒成分の1例は、特願昭
53−151998号に示されている。
チタン触媒成分(a)と共に用いられる有機アルミニ
ウム化合物は、ハロゲン/Al(原子比)が1ないし2、
好ましくは1.05ないし1.4の範囲となるもので、これら
は平均組成がこの範囲となれば2種以上の混合物でもよ
く、あるいはトリアルキルアルミニウムやトリハロゲン
化アルミニウムなどを、併用の際の一成分として用いて
もよい。このような有機アルミニウム化合物としては、
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムブロミドのようなジア
ルキルアルミニウムハライド、エチルアルミニウムセス
キクロリド、プロピルアルミニウムセスキクロリド、ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウム
セスキブロミド、オクチルアルミニウムセスキクロリド
のようなアルキルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリ
ドのようなアルキルアルミニウムジクロリド、あるいは
これらの混合物、あるいはこれらとトリアルキルアルミ
ニウムおよび/又はトリハロゲン化アルミニウムとの混
合物などを代表例としてあげることができる。このよう
な有機アルミニウム化合物の代りにトリアルキルアルミ
ニウムのようなものを用いても本発明のワックスは得ら
れない。
さらに、本発明のエチレン共重合体ワックスは、上記
(a)、(b)の触媒成分の他に、エーテルを共存させ
た触媒系によつても好適に得ることができる。
該エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジn−ブチル
エーテル、エチルn−ブチルエーテル、ジイソブチルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、
ジオクチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、アニソールのような炭素数2ないし20のエ
ーテルが好適に使用される。エーテルの使用量は、エー
テル/ハロゲン含有有機アルミニウム化合物(モル比)
が約0.05ないし約1、とくに約0.1ないし約0.8の範囲と
なるようにするのがよい。
共重合反応は水素の共存下に、100℃以上、好適には
約120ないし約230℃の温度で生成するワックスが反応媒
体に溶解する条件で行われる。そして好ましくは均一相
を呈する条件下で共重合が行われる。反応媒体として炭
化水素を用いるのが好ましく、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、灯油、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが利用できる。目的とする
エチレン系共重合ワックスのエチレン含有量、極限粘度
あるいは重合温度、触媒供給量などによつても適宜に変
更できるが、エチレンに対するプロピレンの供給比率
(モル比)は約0.02ないし約0.30、同様に炭素数4ない
し10のα−オレフインの供給比率(モル比)は、約0.02
ないし約0.30、また水素は重合器中のガス相の水素/エ
チレン(モル比)で約0.1ないし約10程度となるように
するのが好ましい。共重合反応は連続方式で行うのが有
利である。共重合反応により得られたワックス中の触媒
は、過や洗浄などの公知の手段で除去することができ
る。
本発明の特性(A)〜(E)を有するエチレン系共重
合体ワックスを好ましくは酸価0.1ないし20、とくに好
ましくは約0.3ないし約10となるように酸化して得た酸
化ワックスもまた顔料分散剤として優れている。酸化ワ
ックスの製造手段としては、例えば、溶融状態にある本
発明のエチレン系共重合体ワックス又は水に分散させた
該共重合体ワックスを約120ないし200℃、ことに約140
ないし約170℃で酸素含有ガスと接触させることによ
り、好適に行うことができる。
[顔料用もしくは充てん剤用分散剤] で提供されるエチレン系共重合体ワックスおよび/も
しくはその酸化物は、比較的低温度で溶融しやすいた
め、作業性、省エネルギー性に優れ、かつ顔料分散剤と
しても優れた性能を示す。分散剤としての利用に際して
は、本発明のエチレン系共重合体ワックスおよび/もし
くはその酸化物100重量部に対し、たとえば、顔料等を
約20ないし約40重量部程度の割合で混合し、該ワツクス
および/もしくはその酸化物の融点以上の温度で混練し
て冷却固化し、次いで適当な粒度、例えば約20ないし約
200メツシユ程度に粉砕することによりカラーベースを
作ることができる。次いで着色すべき高分子化合物で予
め溶融希釈した後、あるいは直接必要な着色度になるよ
うな量を高分子化合物に添加して、成形加工を行えばよ
い。使用される顔料としては有機又は無機のものであつ
てもよく、その代表例としては最新顔料便覧(誠文堂新
光社 昭和52年1月10日発行)216〜221ページに記載さ
れたものを挙げることができる。本発明のワツクス及び
その酸化物は顔料と同様に、高分子化合物中に分散させ
る他の添加剤たとえば充填剤の分散にも同様に利用でき
る。これらの顔料乃至充填剤の一例としては、酸化チタ
ン、酸化物、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タ
ルク、カーボンブラツク、シリカ、炭酸マグネシウム、
水酸化アルミニウム、カオリン、アスベスト、ガラス繊
維、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛などの無機材料、ア
ゾ系、イソインドリノン系、アントロン系、フタロシア
ニン系、ジオキサジン系、ペリレン系、ペリノン系、キ
ノフタロン系などの有機顔料などを例示できる。また着
色すべき高分子化合物として種々のものを選び得るが、
とくにポリオレフイン系樹脂、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−
1−ペンテンなど、中でも中・低密度ポリエチレンに適
用するのが好ましい。
本発明のエチレン系共重合体ワツクス又はその酸化物
は、それ自体あるいはさらに無水マレイン酸と反応させ
た後、滑剤、ホツトメルト樹脂、インキ、塗料などの用
途にも使用することができる。
次に実施例により説明する。
なお実施例中の粘度平均分子量vは、極限粘度
[η]から次式により算出した。
v=2.51×104×[η]1.235 実施例1 撹拌機付50ガラスライニング反応機に、窒素シール
下、脱水ヘキサン10、無水塩化マグネシウム(平均粒
径150μ)10kgを仕込み撹拌しながら室温下、エタノー
ル5kgを1時間で滴下終了し、その後3時間撹拌を続け
た。次に撹拌を止めて静置し、上澄のヘキサン層を除去
した後、四塩化チタン20kgを仕込んでリスラリー化し、
110℃で2時間撹拌しながら反応させたあと、静置し、
上澄を除去後、冷四塩化チタンで1度リンスし、四塩化
チタンをヘキサンで置換した。こうして得られた固体触
媒はその1gあたりチタンを42mg含有していた。
200の撹拌機付の加圧連続装置に脱水ヘキサン100
/hr、上記固体触媒2.8mM/hr、エチルアルミニウムセス
キクロライド40mM/hr、を連続供給した。更に加えてエ
チレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン及び水
素を連続供給し、140℃の重合温度で全圧32kg/cm2、ヘ
キサン平均滞留時間1時間で連続重合し、反応器より抜
出した。ポリマー液からヘキサンを連続的にフラツシユ
させて得られるワツクス状物の分子量を、反応器内の水
素/エチレンモル比で、密度を4−メチル−1−ペンテ
ン/エチレン及びプロピレン/エチレン供給比で調整す
ることにより、粘度平均分子量5700、密度0.917、プロ
ピレン含有量3.8モル%、4−メチル−1−ペンテン含
有量2.0モル%、のエチレンプロピレン・4−メチル−
1−ペンテン共重合ワツクスを15kg/hrの割合で得た。
このものの軟化点は119℃、13C−NMRから求められる平
均メチレン連鎖長は38であつた。また赤外吸収スペクト
ルにより求めた二重結合の数は、1000炭素原子当り0.1
個であつた。
上記ワツクス(粘度約60メツシユ)50gと顔料(フタ
ロシアニンブルー)50gを配合し、3本ロール上で混練
した。この時、第3ロールを離し、第1ロールと第2ロ
ール間で110℃で混練し配合物が粉末状から、溶融流動
状態となるまでの時間を測定し、これを作業性の指標と
した(回転数100rpm、回転比1:2)。この時間が短いほ
ど、少エネルギーで混練が可能となる。この配合物では
上記時間は68秒であつた。続けて、第3ロールも使用し
て混練を行ない、顔料とワツクスのコンパウンドを得
た。
このもの1gと高圧法ポリエチレン38gとを、ブラベン
ダーブラストグラフで混練後、100μの厚みで24mm×34m
mの大きさのプレス・シートを作成して顔料の粗大粒子
の大きさ(10μ以上のもの)とその数を測定し、顔料の
分散1(10μ以上のものが100個以上)、2(10μ以上
のものが30個から100個)、3(10μ以上のものが5個
から30個)、4(10μ以上のものが5個以下)の4段階
に分け判定した。顔料分散評点2以下は不良であり、実
用上問題が多く数字の高い方が分散度が良い。このワツ
クスの分散度は3〜4であつた。
実施例2 実施例1において重合時のプロピレン/エチレン供給
比を実施例1より増すことにより、粘度平均分子量600
0、密度0.897、プロピレン含有量9.2モル%、4−メチ
ル−1−ペンテン含有量2.3モル%のエチレン−プロピ
レン・4−メチル−1−ペンテン共重合ワツクスを得
た。
このものの軟化点は111.5℃、平均メチレン連鎖長は3
1、2重結合の数は、1000炭素原子当り0.1個であつた。
また、ロール上での溶融時間は51秒であり、顔料分散性
能は、評点3〜4であつた。
実施例3 実施例1において、重合時のプロピレン/エチレン供
給比を実施例1より減じ、4−メチル−1−ペンテン/
エチレン供給比を実施例1より増し、水素/エチレン供
給比を減ずることで、粘度平均分子量7500、密度0.90
1、プロピレン含有量20モル%、4−メチル−1−ペン
テン含有量7.1モル%のエチレン・プロピレン・4−メ
チル−1−ペンテン共重合体ワツクスを得た。このもの
の軟化点は119.5℃、平均メチレン連鎖長は32、2重結
合の数は1000炭素原子当り0.2個であつた。また、ロー
ル上での溶融時間は75秒であり、顔料分散性能は評点4
であつた。
実施例4 実施例1において、水素/エチレンの供給比を増すこ
とにより、粘度平均分子量2200、密度0.915、4−メチ
ル−1−ペンテン含有量4.0モル%、プロピレン含有量
2.0モル%のエチレン・プロピレン・4−メチル−1−
ペンテン共重合ワツクスを得た。
このものの軟化点は113.5℃、平均メチレン連鎖長は3
7、2重結合の数は1000炭素当り0.3個であつた。
また、ロール上での溶融時間は54秒であり、顔料分散
性能は評点3〜4であつた。
実施例5 実施例1において原料として、4−メチル−1−ペン
テンの代わりに1−オクテンを用いるほかは、実施例1
と同様の方法で、原料供給比を調節することで粘度平均
分子量5500、密度0.902、1−オクテン含有量5.8モル
%、プロピレン含有量2.5モル%のエチレン・プロピレ
ン・1−オクテン共重合ワツクスを得た。
このものの軟化点は120.5℃、平均メチレン連鎖長は3
8、2重結合の数は1000炭素原子当り、0.2個であつた。
また、ロール上での溶融時間は79秒であり、顔料分散
性能は評点3〜4であつた。
比較例1 実施例1において、重合原料としてエチレン、プロピ
レン、4−メチル−1−ペンテン及び水素を供給する代
わりにエチレン、4−メチル−1−ペンテン及び水素を
供給するほかは実施例1と同様な方法を用い、原料供給
比を調節することにより粘度平均分子量5800、密度0.91
3、4−メチル−1−ペンテン含有量5.7モル%のエチレ
ン・4−メチル−1−ペンテン共重合ワツクスを得た。
このものの軟化点は128℃、平均メチレン連鎖長は、4
3、1000炭素原子あたりの2重結合の数は、0.2個であつ
た。
また、ロール上での溶融時間は、106秒で分散性能は
評点4であつた。
比較例2 比較例1において、4−メチル−1−ペンテン/エチ
レン供給比を増すことにより、粘度平均分子量5700、密
度0.890、4−メチル−1−ペンテン含有量14.2モル%
のエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合ワツクス
を得た。このものの軟化点は121℃であつた。
またロール上での溶融時間は85秒で分散性能は評点4
であつた。しかし、このワツクスは、ベタつきが激しく
粉末化した後、ブロツキングが容易に起こった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)マグネシウム化合物で活性化された
    高活性チタン触媒成分、(b)ハロゲン/Al(原子比)
    が1ないし2の有機アルミニウム化合物とから形成され
    る触媒の存在下、エチレン、プロピレンおよび分枝を有
    する炭素数5ないし10のα−オレフインを、水素の共存
    下、100℃以上の温度で共重合することによる、 エチレンに由来する繰返し単位(a)84ないし98モル%
    の範囲、プロピレンに由来する繰返し単位(b)1ない
    し10モル%の範囲および分枝を有する炭素数5ないし10
    のα−オレフインに由来する繰返し単位(c)1ないし
    10モル%の範囲((a)、(b)および(c)の合計は
    100モル%)からなり、 (A) 極限粘度が0.06ないし0.45dl/gの範囲、 (B) 1000炭素原子当りの二重結合が0.7個以下、 (C) 重合体鎖におけるメチレン連鎖数が7以上であ
    るメチレン連鎖の平均メチレン連鎖数が56以下、 (D) 密度が0.86ないし0.94g/cm3、そして (E) 軟化点が122℃以下 の特性を有するエチレン系共重合体ワツクスの製造方
    法。
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