JP2525626Y2 - スタンディング袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、台所洗剤、シャンプ、リンス、ベビー洗剤
等の液状の詰替え物品を収納密封する容器として適用さ
れるスタンディング袋に関するものである。

（従来の技術） スタンディング袋は、素材とする合成樹脂材の使用量
が少なく比較的安価であると共に、環境問題対策にも有
効であり、また詰替え物品の陳列、搬送、携帯にも便利
であることから、最近急速に普及している。

そこで、まず、スタンディング袋の製法の一例につい
て、第８図（Ａ），（Ｂ）を参照して説明する。

（ａ）第８図（Ａ）に示すように、合成樹脂製（例え
ば、内層をポリエチレン、外層をポリエステルとした二
重層よりなる）の長方形シートの前壁２と後壁３とを接
合して、その一端部を互いに外法に折曲する。

（ｂ）該折曲面2a,3aに同材質よりなるシートの底壁４
を接合し、中央部に楕円部分を残して折曲面2a,3aと底
壁４の周囲部面とを融着して（斜線図示）、前壁下方シ
ール部５及び後壁下方シール部６を形成する（図面は倒
立状態を示す）。

（ｃ）第８図（Ｂ）に示すように、折曲面2a,3aを起立
し（底壁４はその長手方向中心線より折返えされる）、
前壁２と後壁３の各左側縁部と各右側縁部とを接合融着
して、左側縁シール部７と右側縁シール部８を形成す
る。

この際、左側縁シール部７と右側縁シール部８の下方
においては、前記底壁４を接合融着した前壁下方シール
部５と後壁下方シール部６の各両端部をも融着して二重
シールとなるので、硬質部が形成される。

以上のようにして、前壁２及び後壁３の上端を開放し
たスタンディング袋１が作られる。

そして、第９図〜第12図は、収納物品９を入れ、前壁
２と後壁３の各上端縁部を接合融着し、上方シール部10
を形成したスタンディング袋１を示すものであるが、第
９図、第10図にみられるように、スタンディング袋１は
前壁下方シール部５、後壁下方シール部６、左側縁シー
ル部７及び右側縁シール部８の硬質部の形成によりスタ
ンディングが可能となり、また第11図、第12図にみられ
るように、底壁４の左右端部は、左側縁シール部７及び
右側縁シール部８に向ってほぼ三角状の上向き傾斜面4a
が形成されている。

（考案が解決しようとする課題） 上記のスタンディング袋１により収納物品９を別容器
へ移し替えるには、第９図に示すように、スタンディン
グ袋１の右上隅部に印された切取線11に沿って鋏等で隅
部を切除して注ぎ口を作り、該注ぎ口より別容器に移し
ていた。

しかし、スタンディング袋１は柔軟で、収納物品９の
流動によって注ぎ口の形状が安定しないうえ、別容器の
口が小さい場合が多いことからコボレ易く、移し替え作
業の円滑性を欠き、使い勝手が悪いという問題があっ
た。

そこで、スタンディング袋１を上記のように詰替え容
器としてではなく、一次容器として使用するために、第
13図に示すように、前壁２と後壁３の上方シール部10
に、キャップ（図示せず）の着脱可能な口栓12（例え
ば、硬質合成樹脂よりなる）を介在した口栓付きスタン
ディング袋1Aがみられる。

しかし、この口栓付きスタンディング袋1Aは、口栓12
から収納物品９を取出すのに、スタンディング袋1Aが柔
軟で持ちにくく、コボレの心配もあり使い勝手が悪いと
いう問題があった。

本考案は上記事情に鑑み、詰替え用容器としてのスタ
ンディング袋および一次容器としてのスタンディング袋
に、使用済みのポンプ付きハード容器のポンプを接続
し、使い勝手のよい一次容器として適用可能なスタンデ
ィング袋を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記の目的を達成するために、スタンディ
ング袋の上方シール部に、ポンプのシリンダー部が嵌合
密着する逆截頭円錐孔を非シール部として介在したこ
と、またスタンディング袋の上方シール部に、ポンプの
シリンダー部を取付けたハード容器のキャップか取付け
られる口栓を介在したことにある。

（作用） スタンディング袋の上方シール部の約上半分を切り取
り、上方シール部に介在されている非シール部を逆截頭
円錐孔に拡張し、該円錐孔に使用済みのポンプ付きハー
ド容器のポンプのシリンダー部を嵌合密着させることに
より、ポンプ付き一次容器のスタンディング袋として機
能する。

また、スタンディング袋の上方シール部に介在した口
栓に、使用済みのポンプ付きハード容器におけるポンプ
が取付けられているキャップを締着することにより、ポ
ンプ付き一次容器のスタンディング袋として機能する。

（実施例） まず、通常のポンプ付きハード容器を第１図により説
明すると、13は台所洗剤、シャンプ、リンス等を収納し
たハード容器、14はハード容器13の口頸部に着脱可能
（例えば、螺合、嵌合等）なキャップであり、15は収納
物品を取出すポンプにして、該ポンプ15は、ノズル部16
aを有する操作部16、ピストンロッド部17、キャップ14
の裏面に取付けられた逆截頭円錐状のシリンダー部18お
よび吸引チューブ部19とから構成されている。

次に、本考案のスタンディング袋の実施例を図面を参
照して説明する。

なお、従来例と同一部品には同一符号を付す。

第２図、第３図はスタンディング袋の第１実施例を示
すもので、１はスタンディング袋、２は前壁、３は後
壁、４は両端部にほぼ三角状の上向き傾斜面4aを有する
底壁、５は前壁下方シール部、６は後壁下方シール部、
７は左側縁シール部、８は右側縁シール部、９は収納物
品を示す。

而して、前壁２と後壁３との上方シール部10には、該
シール部10の下縁中央部より上方に向い前記ポンプ15の
シリンダー部18が嵌合しうる逆台形の非シール部10aが
形成されており、そして該逆台形の巾広底辺の少々下方
位置に相当して上方シール部10には切取り線20が印刷さ
れている。

したがって、切取り線20に沿い上方シール部10の一部
を切取り、非シール部10部を拡張した際には、第４図に
示すように逆截頭円錐孔21が形成される。よって、第５
図に示すように、この逆截頭円錐孔21に前記ポンプ15の
シリンダー部18を挿入して嵌合密着させることにより、
一次容器として適用可能なポンプ付きのスタンディング
袋１が形成される。

なお、シリンダー部18の外周にローレットを刻設した
り、あるいはゴム片等捲回貼着することにより、円錐孔
21とシリンダー部18との嵌合密着度を向上することがで
きる。

第６図はスタンディング袋の第２実施例を示し、前記
第13図に示した口栓付きスタンディング袋1Aのように、
前壁２と後壁３との上方シール部10に口栓22を介在した
ものである。

而して、口栓22は、スタンディング袋1Aの上方シール
部10の中央部において一体に封止された基台部22bと、
該基台部22bと一体形成され、上方シール部10の上端縁
より突出し、前記ハード容器13のキャップ14が着脱可能
（実施例では螺合を示すが、嵌合でもよい）な口栓部22
aとから構成されている。

よって、第７図に示すように、口栓部22aへの本来の
キャップを外し、口栓部22aと基台部22bの内腔にポンプ
15の吸引チューブ19、シリンダー部18を挿入して、キャ
ップ14を口栓部22aに螺合締着することにより、一次容
器として適用可能なポンプ付きのスタンディング袋1Aが
形成されている。

（考案の効果） 本考案は、スタンディング袋の上方シール部に、ポン
プ付きハード容器のポンプの取付部を設けたので、 （ａ）従来のスタンディング袋のように、収納物品の他
の容器への移し替えあるいは口栓からの直接の取出しを
必要とせず、コボレの心配もなく清潔に使用することが
できる。

（ｂ）ポンプ付きハード容器におけるポンプを取付けた
硬質のキャップを把持して収納物品の取出操作ができ、
柔軟なスタンディング袋であっても使い勝手がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はポンプ付きハード容器の一部断面説明図、 第２図は本考案に係るスタンディング袋の第１実施例の
正面図、、 第３図は同縦断面図、 第４図は同斜視図、 第５図はポンプ付きスタンディング袋の一例を示す一部
断面図、 第６図はスタンディング袋の第２実施例の正面図、 第７図はポンプ付きスタンディング袋の他例を示す一部
断面図、 第８図（Ａ），（Ｂ）は従来のスタンディング袋の製法
の一例を示す説明図、 第９図は同正面図、 第10図は同側面図、 第11図は同縦断面図、 第12図は同底面図、 第13図は従来の他のスタンディング袋の正面図である。 1,1A……スタンディング袋、２……前壁、３……後壁、
10……上方シール部、10a……非シール部、14……キャ
ップ、15……ポンプ、18……シリンダー部、20……切取
り線、21……逆截頭円錐孔、22……口栓、22a……口栓
部、22b……基第部。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スタンディング袋の上方シール部に、ポン
   プのシリンダー部が嵌合密着する逆截頭円錐孔を非シー
   ル部として介在したスタンディング袋。
2. 【請求項２】スタンディング袋の上方シール部に、ポン
   プのシリンダー部を取付けたハード容器のキャップか取
   付けられる口栓を介在したスタンディング袋。