JP3722385B2 - 詰め替え容易な包装袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャンプー、ボディシャンプー、リンス、液体洗剤、化粧用クリーム等の粘稠又はペースト状の液状物を注出口付き容器に入れて使用する場合、使用後に、注出口付き容器を廃棄することなく再使用し、補充用の詰め替え包装袋から注出口付き容器に、内容物の詰め替えを容易にするために、補充用詰め替え包装袋及び注出口付き容器を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シャンプー、ボディシャンプー、リンス、液体洗剤、化粧用クリーム等の粘稠又はペースト状の液状物を注出口付き容器に入れて使用する場合、内容物がなくなると、殆どの場合、容器はそのまま廃棄されているのが現状である。
【0003】
また、上記使い捨て容器による廃棄物公害や経済的デメリットを解消するために、一部に、注出口付き容器を再使用し、その補充用として、袋入りの別売り製品が供給されている。
前記別売り製品は、スタンディングパウチ(底ガセットの自立袋)やピロー包装されたものが殆どで、詰め替え時は包装袋の一部を挟みで切り取るか、又は包装袋に設けられたVノッチ等を利用して開封し、空になった容器に移し替えることが行われていた。
しかし、注出口付き容器は、一般的に、容器の口径が小さいため、包装袋から容器への移し替えは煩雑で、詰め替え時に、内容物を容器の外にこぼしたり、又、内容物が粘稠なため、内容物を包装袋から十分に流出させることができず、包装袋に内容物が残り過ぎる等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
使い捨て容器による廃棄物公害は大きな社会問題であり、包装・容器に携わる者にとっては、包装・容器はできるだけ余分な部分をなくし必要最小限の形態とし、使用後のゴミを如何にして減らすかが大きな課題となっている。
そのために、包装・容器のリサイクルや再利用により上記問題を解決しようとする試みがなされている。
また、従来の詰め替え用包装袋の場合、詰め替え時に、内容物を容器の外にこぼしたり、又、内容物が粘稠なため、内容物を絞り出すのに手が汚れたり、袋に内容物が残る等の問題があった。
【0005】
本発明は、以上の問題点を解消するために、前記液体注出容器は内容物が消費された後も、廃棄せずに繰り返し使用し、詰め替え用の袋に入った内容物を最初の容器に補充して使用するものである。
また、詰め替え用包装袋に軟包材からなる袋を使用することにより、使用後の容積を極端に少なくし、ゴミの減少化を図るものである。
更に、本発明は、詰め替え用包装袋の下部に、ヒートシール部の他に弱接着部を設けたので、詰め替え時には、弱接着部を残してヒートシール部を除去後に、液体注出容器の中蓋に設けた切り込みを利用して、包装袋の内容物を絞り出すことにより、詰め替え用包装袋の弱接着部が破れ、粘稠な内容物でも簡単に押し出すことができ、包装袋に内容物を残すことなく容易に容器に移し替えることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、種々検討した結果、詰め替え用包装袋を以下のようにした。
包装袋が、柔軟な素材から構成され、上部シール部に手の指が入る程度の穴を有し、下部シール部の上部に弱接着部を形成し、該弱接着部のサイドシール部の中間に易開封部を設けて、詰め替え容易な包装袋とした。
また、前記包装袋が、ガセット袋、四方シール袋、又は合掌貼り三方シール袋であり、且つ弱接着部の接着強度が200〜900g/15mm幅である詰め替え容易な包装袋とした。
【0007】
更に、詰め替え時には、前記詰め替え用包装袋のVノッチを利用して、弱接着部の少なくとも一部を残して下部シール部を除去した後、液体注出容器の中蓋に設けた詰め替え用包装袋を扱くための切り込みに、前記包装袋の上部シール部を挟み込み、包装袋の上部に設けられた把手用穴を利用して包装袋を引き上げることにより、中蓋の切り込みで包装袋が扱かれて、弱接着部が破壊して、容器に内容物を容易に絞り出すことができる。
また、該切り込みの間隙を包装袋の厚さに合わせて適性の間隔にすることにより、包装袋の内容物は切り込みによってよくきれいに絞り出されて、包装袋には殆ど残留物はなくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の詰め替え容易な包装袋を用いて、液体注出容器に詰め替えるときの説明図である。
図2は本発明の詰め替え容易な包装袋及び詰め替えるための液体注出容器の斜視図である。
図3は液体注出容器及びこれを構成する中蓋、容器及び注出器の斜視図である。図4は液体注出容器の中蓋の形状を示した図で、(a)図は表側の平面図であり、(b)図は裏側の平面図である。
【0009】
図5は本発明の詰め替え容易な包装袋の形状を示した図であり、(a)図は表側から見た斜視図であり、(b)図は裏側から見た斜視図である。
図5の(c)図は表側の平面図であり、(d)図は裏側の平面図であり、(e)図は(d)図のX−Xにおける断面図である。
図6及び図7は詰め替え容易な包装袋を作製するときの説明図である。
図8は詰め替え容易な包装袋を用いて、液体注出容器に移し替えるときの説明図であり、図9は実施例2により詰め替え容易な包装袋を作製するときの説明図である。
【0010】
本発明の詰め替え容易な包装袋は、図2に示すように、液体注出容器1の詰め替え用の包装袋2として使用される。
そして、本発明の詰め替え用包装袋2は、図1に示すように、液体注出容器1の中蓋10に設けられた切り込みを利用して、この切り込みに包装袋2の上部を挟み込み、包装袋2を上に引き上げて包装袋2を扱くことにより、包装袋2に形成した弱接着部25を破壊して内容物5を容器4に絞り出すものである。
【0011】
前記液体注出容器1は、図3に示すように、中蓋10、容器4及び注出器3から構成される。
尚、注出器3は従来のものと同じ構造のものを使用した。
液体注出容器1の容器4は、図3(b)に示すように、開口部は広口にして、容器4の中に詰め替え用包装袋を入れ易いようにした。
また、容器4の開口部の外側には、ネジ山7が形成されており、容器4と注出器3は、注出器3に設けたネジ蓋6によってネジ締めされて一体化し、内容物の漏れを防止している。
更に、容器4の開口部の内側には、図3(a)に示すような中蓋10が嵌合されて、図3(d)に示すような液体注出器1を構成している。
【0012】
そして、中蓋10には、図3(a)に示すように、基部16の中央に筒状の起立部15を設け、基部16の下部には容器4に嵌合するためのスカート部17が形成されている。
更に、基部の周縁には詰め替え用包装袋を挟み込み、且つその包装袋を扱くための切り込み11が設けられている。
その切り込み11の両側には、図4(a)に示すように、外側肉厚部12及び内側肉厚部13が形成されている。
また、図4(b)に示すように、中蓋10の裏側にはスカート部17と、詰め替え用包装袋を挿入したとき、包装袋の位置決めを行うためのストッパー18が設けられている。
【0013】
中蓋10は、その裏側にスカート部17が設けられており、容器4の広口開口部に嵌合するようになっている。
また、表側は基部16の中央に筒状の起立部15が形成されており、該起立部15の穴14には、図3(c)に示した注出器3の吸い上げ管9が挿入されるようになっている。
そして、容器4にシャンプー等の内容物を入れ、中蓋を嵌合した後、中蓋10の起立部15の穴14に、注出器3の吸い上げ管9を挿入し、更に、注出器3のネジ蓋6と容器4をネジ締めすることによって、注出器3と容器4を一体化して、図3(d)に示すように、液体注出器1を構成する。
【0014】
ユーザーにて前記液体注出容器1の内容物が消費されてなくなり、空になった容器4に内容物を補充するとき、本発明の詰め替え用包装袋2が使用される。
本発明の詰め替え用包装袋2を用いて、空になった容器に内容物を移しかえるには、図1に示すように、内容物の入った包装袋2の弱接着部を残して下部ヒートシール部を切り取って、包装袋2の上部ヒートシール部を中蓋10の切り込み11に挟み込み、容器4の中に入れて、中蓋10を容器4に嵌合する。
次に、中蓋10を手で押さえて、包装袋2の上部に形成した把手用穴26に指を入れて上部に引き上げて包装袋2を切り込み11の間隙によって扱くことにより、包装袋2の下部に形成した弱接着部25が破れ、内容物5が粘稠な場合でも簡単に容器4内に押し出すことができ、外にもれることなく容器に移し替えられる。
【0015】
中蓋10の切り込みの形状は、図4に示すように、円弧のものが一般的であるが、円弧に限らず、直線状、又は曲線状でも使用可能である。
また、中蓋10の切り込み11の幅は、詰め替え用包装袋を挟み込むのに十分な間隙が必要であるが、包装袋の形状、材質、厚さ、大きさ等によって、切り込みへの挿入の難易度が異なるので、包装袋の形状、材質、厚さ、大きさ等に合わせて選定すべきである。
切り込み11の幅は、通常は1〜5mm程度が好ましい。
切り込み11の幅が1mm以下では包装袋2を切り込み11に挟み込み内容物を絞り出すのに困難であり、作業性が悪くなると共に、包装袋の厚さを薄くする必要があり、液体用包装袋としては強度的に問題が生じる。
また、切り込み11の幅が5mm以上では、作業性は良くなるが、内容物が十分絞りきれなくなり、包装袋に残る内容物の量が多くなり、本来の目的を達成することができなくなる。
【0016】
詰め替え用包装袋は、図2に示すように、一般に、陳列効果等の点で、ガセット袋が多く使用される。又、ガセット袋は比較的小さい包材幅でも、多くの内容量が得られるため、本発明の目的に適合した包装形態である。
しかし、前記ガセット袋の他に、四方シール袋や合掌貼りの三方シール袋、又はインフレーション法により作製した筒状フィルムを上下にシールした袋も使用できる。
【0017】
本発明の詰め替え用ガセット袋は、図5に示すような形状をしている。
図5の(a)図は表側から見た斜視図であり、(b)図は裏側から見た斜視図である。図5の(c)図は表側の平面図であり、(d)図は裏側の平面図であり、(e)図は(d)図のX−Xにおける断面図である。
図5(c)、(d)に示すように、ガセット袋の下部には弱接着部25、下部ヒートシール部23及びVノッチ27が設けられている。
更に、ガセット袋の上部には、上部シール部24と把手用穴26が設けられている。
【0018】
本発明の詰め替え用包装袋は以下のように作製される。
先ず、内容物に適した包材を用いて、内面同士がヒートシールできるラミネートフィルムを作製し、そのラミネートフィルムの内面に、包装袋としたとき弱シール部となる部分、即ち弱接着剤塗布部25aに、図6(a)に示すように、弱接着剤を塗布しておく。
弱接着剤は、通常、図6(a)に示すように、弱接着部となる部分全体に塗布するが、図6(b)に示すように、弱接着剤を印刷により塗布し、フィルムの内面同士がヒートシールできるための部分的ヒートシール部23aを残しておく場合がある。
このように、弱接着部の中にヒートシール部分23aを形成することにより、弱接着部の接着強度を調整することが可能となる。
【0019】
次に、図6(a)に示すように、前記ラミネートフィルムの内面同士を合掌貼りにてヒートシールして背貼り部22を形成し、その後、図6(c)に示すように、両サイドを折り込みんで折り込み部28を形成すると共に、弱接着部25及び下部ヒートシール部23を形成してガセット袋とする。
更に、図7(a)に示すように、Vノッチ27を形成すると共に、把手用穴26を形成して詰め替え用包装袋2を作製する。
把手用穴は、包装袋に内容物を充填し、上部ヒートシール部を形成した後に、打ち抜きにより設ける場合もある。
【0020】
弱接着部25のシール強度は、JIS−Z−1707に準拠して測定した場合、200〜900g/15mm幅の範囲で使用可能であるが、好ましくは300〜500g/15mm幅である。
シール強度が200g/15mm幅より小さいと内容物の充填作業中、又は流通段階で弱接着部が破れて、本来の目的を達成できなくなる。
また、900g/15mm幅より大きいと製造時や流通時の破損はなくなるが、詰め替え作業中に破れ難く、詰め替え作業が困難となる。
前記弱接着強度を得るための弱接着剤としては、公知のものが使用できる。
また、弱接着剤の塗布量は0.1〜5.0g/m2 が好適である。
【0021】
詰め替え用包装袋の包材として、一軸延伸したフィルムを用いてラミネートフィルムを作製し、横方向に引裂易い包材を選定すれば、Vノッチを設けることなく、手で容易に引き裂くことも可能である。
上記詰め替え用包装袋2にシャンプー、洗剤等の内容物を充填し、その後直ちに上部をヒートシールして、図7(b)に示すような詰め替え用ガセット袋製品を作製する。
【0022】
次に、前記詰め替え用包装袋を用いて、液体注出容器に詰め替えを行う場合について説明する。
先ず、図8(a)に示すように、内容物の入った包装袋2からVノッチ27を利用して下部ヒートシール部23を切り取る。この場合、図8(b)に示すように、弱接着部25が残っているので、内容物が包装袋2から漏れることはない。
この下部ヒートシール部23を切り取った包装袋2を、図1に示すように、容器4の中に入れて、包装袋2の上部ヒートシール部24を図3(a)に示した中蓋10の切り込み11に挟み込むと同時に、スカート部17を利用して容器4に嵌合する。
次に、中蓋10を手で押さえて、包装袋2の上部ヒートシール部24に設けられた把手穴26に指を入れて上に引き上げると、内容物の入った包装袋2が切り込み11の間隙によって扱かれるので、内容物の圧力によって、図8(c)に示すように、弱シール部25の下端が破れて内容物5が容器4内に絞り出される。
【0023】
更に、包装袋2を上に引き上げると、図8(d)に示すように、弱シール部25が大きく破れて、内容物5が容器内に流出し、包装袋2の下端を中蓋10の切り込み11の位置まで引き上げると、切り込み11によって包装袋2が扱かれて、内容物5は容器4内に絞り出され、包装袋2には殆ど残留しなくなる。
内容物が絞り出され、残留物が殆どなくなった包装袋2は、丸めると容積が極端に小さくなるので、ゴミの減量化を図ることができ、包装廃棄物問題の解決に役立つ。
【0024】
包装袋の材質としては、扱き用中蓋の切り込みに挿入し易く、且つ内容物を絞り出すために切り込みの間隙を手で引き上げるときに、滑り易いことが必要である。
そのため、柔軟性があり、包装袋の表面は中蓋との滑り性のよい材質が要求される。
上記適性を有する包材は各種あるが、一例を挙げると次のような積層フィルムが好適である。
(表面)ON/LLDPE(内面、以下同様とする)、ON/一軸延伸PE/LLDPE、PET/ON/EVA、ON/EVA、ON/LDPE等
上記記号は下記の樹脂を示すものとする。
・ON:二軸延伸ナイロン
・LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
・PE:ポリエチレン
・PET:ポリエチレンテレフタレート
・EVA:エチレンー酢酸ビニル共重合体
・LDPE:低密度ポリエチレン
【0025】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、図面を参照にして本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
詰め替え用包装袋を以下のようにして作製した。
先ず、ドライラミネーション法によりON25μm/LLDPE40μmのラミネートフィルム(以下単に基材とする)を作製し、このラミネートフィルムを横300mm、縦210mmの大きさにカッティングし、LLDPE面の弱シール部となる部分に弱接着剤(ザ・インクテック(株)製「EOPニス」)を塗布し、乾燥後の弱接着剤層の厚さを2μmとした。
次に、該基材のLLDPE面を内側にして合掌貼りにてヒートシールして筒状にし、図6(a)に示すような筒状物を得た。
【0026】
図6(c)に示すように、前記筒状物の両サイドを20mm幅で折り込み折り込み部28を形成した後、下部の弱接着剤塗布部25aをシールして弱接着部25を形成してガセット袋を作製した。
弱シール部25の形状は図6(c)に示すような形状とし、基材の下端より10mm上の位置でシールし、弱接着部25の最小幅を15mm、最大幅を35mmとした。
また、弱接着部の強度をJIS−Z−1707に準拠して測定したとき、その強度は400g/15mm幅であった。
更に弱シール部の下部をヒートシールして、10mm幅の下部ヒートシール部23を形成した。ヒートシール部の強度は同様にして測定した場合、3.2kg/15mm幅であった。
【0027】
また、図7(a)に示すように、ガセット袋の下部ヒートシール部23の上端より5mm上の位置の弱接着部25に、下部シール部23を除去するためのVノッチ27を形成した。
更に、図7(a)に示すように、ガセット袋上端より10mm下の位置で、横方向のほぼ中央に、横30mm×縦15mmの把手用穴26を設けた。
【0028】
前記ガセット袋に液体シャンプーを500ml充填し、図7(b)に示すように、ガセット袋の上部を35mm幅でヒートシールして、上部ヒートシール部24を形成して詰め替え用包装袋2とした。
上部ヒートシール部の強度は前述のJIS−Z−1707に準拠して測定した結果、3.2kg/15mm幅であった。
また、前記把手用穴26を利用して、詰め替え用包装袋を棒又はフックに引っかけて店頭に陳列したが、強度的な問題はなかった。
【0029】
また、図3に示すように、液体注出容器を構成する中蓋10、容器4及び注出器3を、ポリプロピレン(以下PPとする)の射出成形により作製した。
容器4は内容物が500ml入るように、口径70mm、底部内径64mm、高さ150mmの大きさとした。そして、容器上部の外側にはネジ山7を形成して注出器3のネジ蓋6とネジ締めにより密閉できるようにした。
また、注出器3は公知技術を利用して各部品を作製し、これらの部品を組み合わせて注出器3を構成した。
【0030】
次に、中蓋10は容器4に嵌合するように、PPの射出成形により以下の寸法のものを作製した。
形状は図3(a)及び図4に示すような形状にし、厚さ2mmの基部16の外径を85mmとし、その中央に高さ20mm、厚さ2mmの筒状の起立部15を形成し、その起立部15は外径24mm、穴径20mmとした。
【0031】
また、図4(a)に示すように、中蓋10には、円周に沿って幅1.5mm、長さ85mmの円弧状の切り込み11を形成し、該切り込み11の表面の両側には厚さ2mmの外側肉厚部12及び内側肉厚部13を形成した。
更に、中蓋10の裏側には、図4(b)に示すように、円周に沿って厚さ2mm、高さ12mmのスカート部17と厚さ2mm、高さ12mm、長さ20mmのストッパー18を形成した。スカート部17の一部は、図4(b)に示すように、切り込み11の入口の近辺は切れており、その切れている部分の間隔を35mmとした。
【0032】
上記液体シャンプーの入った詰め替え用包装袋を用いて、前記液体注出容器に移し替えた結果、手を汚すことなく、又、内容物をこぼすことなく、容易に移し替えることができ、且つ包装袋の残留量も非常に少なかった。
即ち、図8(a)に示すように、液体シャンプーの入った包装袋2のVノッチ27を利用して、横に引き裂き下部シール部23を取り除き、図8(b)に示すような状態とする。
【0033】
次に、下部シール部23を取り除いた包装袋2を、図1に示すように、包装袋2の上部シール部24を中蓋10の切込み11に挟み込んで、液体注出容器1の空になった容器4に入れると同時に、中蓋10をスカート部17を利用して容器4に嵌合する。
包装袋2の把手用穴26に指を入れ、もう一方の手で中蓋10を押さえて、上方に引き上げると、包装袋2の内容物5は下方に押し出され、その圧力によって、図8(c)に示すように、弱シール部25の一部が破れて内容物5が容器4内に絞り出される。
更に、包装袋2を上方に引き上げると、図8(d)に示すように、弱シール部は大きく破れて、内容物5が容器4内に押し出される。
更に、包装袋2を上方に引き上げて、包装袋2の下端が中蓋の切込み11の位置まで引き上げると、内容物は切込み11の間隙によって扱かれて、容器4内に絞り出され、包装袋2には内容物は殆どなくなり、移し替え作業は完了した。
【0034】
(実施例2)
詰め替え包装袋として、実施例1と同じラミネートフィルムを用いて、以下のようにしてピロータイプの合掌貼り包装袋を作製した。
先ず、ラミネートフィルム(基材)を横240mm、縦250mmの大きさにカッティングし、LLDPE面の弱シール部となる部分に実施例1と同様に弱接着剤層を形成し、LLDPE面を内側にして合掌貼りにてヒートシールして筒状にし、図9(a)に示すような筒状物を得た。
【0035】
次に、図9(b)に示すように、下部の弱接着剤を塗布した部分をシールして弱接着部25を形成した後、弱接着部の下部をヒートシールして、10mm幅の下部ヒートシール部23を形成して合掌貼り包装袋を作製した。
弱接着部25の形状は図9(b)に示すような形状とし、基材の下端より10mm上の位置でシールし、弱接着部25の最小幅を15mm、最大幅を35mmとした。
更に、図9(c)に示すように、この合掌貼り包装袋に、実施例1と同様に、Vノッチ27及び把手用穴26を設けた。
上記合掌貼り包装袋の弱接着部及びヒートシール部の強度を、実施例1と同様に測定した結果、弱接着部の強度は、400g/15mm幅であり、ヒートシール部の強度は3.0kg/15mm幅であった。
【0036】
上記合掌貼り包装袋に、液体シャンプーを500ml充填し、図9(d)に示すように、包装袋2の上部を35mm幅でヒートシールして、上部シール部24を形成して詰め替え用包装袋2とした。
上部ヒートシール部24の強度は、3.0kg/15mm幅であった。
また、前記把手用穴26を利用して、詰め替え用包装袋2を棒又はフックに引っかけて店頭に陳列したが、強度的な問題はなかった。
【0037】
上記液体シャンプーの入った合掌貼り包装袋を、実施例1と同様に作製した液体注出容器に移し替えた結果、内容物がこぼれることなく、且つ包装袋に内容物の残りも少なく、容易に移し替えることができた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の詰め替え容易な包装袋は、液体注出容器の詰め替え用の包装袋として使用される。
そして、本発明の詰め替え用包装袋は、液体注出容器の中蓋に設けられた切り込みを利用して包装袋を扱くことにより、包装袋に形成した弱接着部を破壊して内容物を容器に絞り出して、空になった容器に内容物を補充するものである。
そのため、シャンプーや濃厚液体洗剤等のような粘稠な内容物でも、詰め替え時に、手で内容物を絞り出す必要がなくなるので、内容物を外にもらすことなく、又、包装袋に内容物を殆ど残すことなく、容易に容器に移し替えられる。
【0039】
また、本発明の詰め替え容易な包装袋には、弱接着部の外側に通常のヒートシール部を設けているので、製造時や流通時にシール部が破損して内容物が漏れるトラブルは防止される。
詰め替え時は、このヒートシール部をVノッチを利用して除去し、弱接着部だけを残して、包装袋を中蓋の切込みにセットし、包装袋の上部に設けた把手用穴を利用して包装袋を引き上げるので、大きな力を必要とせず、又手を汚すことなく、簡単に内容物を絞り出すことができる。
そして、液体注出容器の容器は繰り返し使用でき、廃棄される包装袋は軟包材から構成されるので、容積は極端に小さくなり、ゴミの減少化を図ることができる。
従って、大きな社会問題となっている使い捨て容器による廃棄物公害の問題解決に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の詰め替え容易な包装袋を用いて、液体注出容器に内容物を詰め替えるときの説明図である。
【図2】本発明の詰め替え容易な包装袋及びこれを用いて詰め替えをする液体注出容器斜視図である。
【図3】液体注出容器及びこれを構成する中蓋、容器及び注出器の斜視図である。
【図4】液体注出容器の中蓋の形状を示した図で、
(a) 表側の平面図である。
(b) 裏側の平面図である。
【図5】詰め替え容易な包装袋(ガセット袋)の形状を示した図で、
(a) ガセット袋を表側から見た斜視図である。
(b) ガセット袋を裏側から見た斜視図である。
(c) ガセット袋の表側の平面図である。
(d) ガセット袋の裏側の平面図である。
(e) (d)図のXーXにおける断面図である。
【図6】詰め替え容易な包装袋を作製するときの説明図で、
(a) 基材に弱接着剤を塗布後、合掌貼りにヒートシールした図である。
(b) 弱接着部にヒートシール部を部分的に残して弱接着剤を塗布した図である。
(c) 合掌貼り袋の両サイドを折り込み、下部に弱接着部及びヒートシール部を形成してガセット袋にした図である。
【図7】(a) ガセット袋にVノッチと把手用穴を設けた図である。
(b) ガセット袋に内容物を入れて上部をヒートシールした図である。
【図8】詰め替え容易な包装袋を用いて、容器に移し替えるときの説明図で、
(a) 内容物の入ったガセット袋の裏側の平面図である。
(b) ガセット袋の下部のヒートシール部を取り除いた図である。
(c) 袋の弱シール部が少し破れて内容物が絞り出される図である。
(d) 袋の弱シール部が大きく破れて内容物が流出している図である。
【図9】実施例2により詰め替え容易な包装袋を作製するときの説明図で、
(a) 基材に弱接着剤を塗布後、合掌貼りにヒートシールした図である。
(b) 弱シール部及びヒートシール部を形成して包装袋にした図である。
(c) 前記包装袋にVノッチと把手用穴を設けた図である。
(d) 包装袋に内容物を入れて上部をヒートシールした図である。
【符号の説明】
1 液体注出容器
2 包装袋(詰め替え用)
3 注出器
4 容器
5 内容物
6 ネジ蓋
7 ネジ山
8 押し下げヘッド
9 吸い上げ管
10 中蓋
11 切り込み
12 外側肉厚部
13 内側肉厚部
14 穴
15 起立部
16 基部
17 スカート部
18 ストッパー
21 基材(ラミネートフィルム)
22 背貼り部(背貼りヒートシール部)
23 下部ヒートシール部
23a 部分的ヒートシール部
24 上部ヒートシール部
25 弱接着部
25a 弱接着剤塗布部
26 把手用穴
27 Vノッチ
28 折り込み部
Claims (2)
- 液体抽出容器用の詰め替え包装袋であって、該包装袋が、柔軟な素材から構成され、上部シール部に手の指が入る程度の穴を有し、下部シール部の上部に弱接着部を形成し、該弱接着部のサイドシール部の中間に易開封部を設けた包装袋であり、この包装袋内には詰め替え用内容物が密封されている詰め替え用内容物入り包装袋と、中蓋、容器及び注出器よりなり、中蓋には円弧状の切り込みが形成された液体注出容器とからなる、詰め替え用内容物入り包装袋と液体注出容器の組み合わせ体。
- 前記包装袋が、ガセット袋、四方シール袋、又は合掌貼り三方シール袋でありて、且つ弱接着部の接着強度が200〜900g/15mm幅であることを特徴とする請求項1に記載の詰め替え用内容物入り包装袋と液体注出容器の組み合わせ体。
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