効果的に癌患者を治療するためのc−met拮抗剤の使用が、提供される。本出願は、また、任意でc−met拮抗剤で疾患を診断し疾患を治療するためのより良い方法を提供する。c−met拮抗剤は、効果的に癌を治療するために任意でVEGF拮抗剤と併用される。
特に、任意でVEGF拮抗剤を加えた抗c−met拮抗剤の治療が、臨床的に有意義な利益をもたらす患者集団を特定するために、肝細胞成長因子(交換可能で「HGF」と呼ばれる)バイオマーカーが、用いられる。特に、本発明は、再発性グリオブラストーマの被験者で、抗VEGF抗体(ベバシズマブ)と組み合わせた抗c−met抗体MetMAb(オナルツズマブ)の無作為化第II相臨床試験のデータを提供する。ベバシズマブを加えたMetMAb治療が、無増悪生存期間及び全生存率によって評価される臨床的に有意義な利益をもたらす患者集団を特定するために、HGFバイオマーカーを用いた。臨床試験では、MetMAb及びベバシズマブによる治療が、高レベルのHGFバイオマーカーを発現した再発性グリオブラストーマの患者に臨床的に有意義な利益をもたらした。この結果は、無増悪生存期間(PFS)及び全生存率(OS)によって評価される有効性は、特にベバシズマブ治療だけのPFS及びOSデータと比べて、明白であることを示した。この差は、統計学的に有意であり、ベバシズマブにMetMabを加えると、高レベルのHGFバイオマーカーを発現した再発性グリオブラストーマの患者の無増悪生存期間が延長し、全生存率が向上した。臨床試験データは、また、ベバシズマブと組み合わせたMetMAbによる治療が、ベバシズマブだけで治療した患者の増悪リスク及び死亡リスクと比較して、低レベルのHGFバイオマーカーを発現した再発性グリオブラストーマの患者の増悪リスク及び死亡リスクを増大させたことを示した。この結果は、低レベルのHGFバイオマーカーを発現したグリオブラストーマの患者では、ベバシズマブ治療だけのPFS及びOSデータと比べて、MetMAb及びベバシズマブで治療した患者で、PFS及びOSによって評価される有効性は、劣ることを示した。この差は、統計学的に有意であった。
1つの態様では、患者の癌が、多量のHGFバイオマーカーを有するのがわかった場合、患者に有効量のc−met拮抗剤を投与することを含む癌の患者を治療する方法が、提供される。
いくつかの実施形態では、患者の癌が、c−metを過剰発現する。いくつかの実施形態では、患者の癌が、c−met増幅を提示する。いくつかの実施形態では、患者の癌が、c−met増幅を提示しない。
いくつかの実施形態では、患者の癌が、c−met及びHGFをともに発現する。いくつかの実施形態では、細胞から分泌されるHGFが、それがオートクライン的に分泌された細胞の表面上のc−metを結合する。いくつかの実施形態では、患者の癌が、c−met及びHGFをともに発現し、オートクライン的にシグナルを出す。いくつかの実施形態では、患者の癌のHGF発現が、IHCもしくはISH、または当技術分野で知られる他の方法を用いて測定される。
いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤が、拮抗剤抗c−met抗体である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、(a)配列GYTFTSYWLH(配列番号:1)を含むHVR1;(b)配列GMIDPSNSDTRFNPNFKD(配列番号:2)を含むHVR2;(c)配列ATYRSYVTPLDY(配列番号:3)を含むHVR3−HC;(d)配列KSSQSLLYTSSQKNYLA(配列番号:4)を含むHVR1−LC;(e)配列WASTRES(配列番号:5)を含むHVR2−LC;及び(f)配列QQYYAYPWT(配列番号:6)を含むHVR3−LCを含む。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、オナルツズマブエピトープを結合する。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、オナルツズマブである。いくつかの実施形態では、有効量の抗c−met抗体が、3週間ごとに15mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量の抗c−met抗体が、2週間ごとに10mg/kgである。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤が、1つ以上のクリゾチニブ、チバンチニブ、カボザンチニブ、MGCD−265、フィクラツズマブ、ヒト化TAK−701、リロツムマブ、フォレチニブ、h224G11、DN−30、MK−2461、E7050、MK−8033、PF−4217903、AMG208、JNJ−38877605、EMD1204831、INC−280、LY−2801653、SGX−126、RP1040、LY2801653、BAY−853474、及び/またはLA480である。
いくつかの実施形態では、治療が、有効量のc−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤の組み合わせによるものである。いくつかの実施形態では、VEGF拮抗剤が、抗VEGF抗体である。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、A4.6.1エピトープを結合する。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、ベバシズマブである。いくつかの 実施形態では、抗VEGF抗体が、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGYTFT NYGMNWVRQA PGKGLEWVGW INTYTGEPTY AADFKRRFTF SLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCAKYP HYYGSSHWYF DVWGQGTLVT VSS(配列番号:14)のアミノ酸配列を有し、VLは、DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCSASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIYF TSSLHSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ YSTVPWTFGQ GTKVEIKR(配列番号:15)のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、有効量の前記抗VEGF抗体が、静脈内に2週間ごとに10mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量の前記抗VEGF抗体、前記有効量の前記抗VEGF抗体が、静脈内に3週間ごとに15mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量の抗VEGF抗体が、最初に静脈内に90分間以上投与され、続いて、60分間以上注入され、その後、30分間注入される。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、第1のサイクルで、2番目に前記患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体の次の投与が、c−met拮抗剤の前または後である。いくつかの実施形態では、VEGF拮抗剤が、前記c−met拮抗剤と同時に投与される。
いくつかの実施形態では、患者が、50歳未満である。いくつかの実施形態では、患者が、50歳以上である。いくつかの実施形態では、患者のカルノフスキーパフォーマンスステータスが、70%〜80%である。いくつかの実施形態では、患者のカルノフスキーパフォーマンスステータスが、90%〜100%である。
いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーを有しない患者と比較して、患者のPFS及び/またはOSが大きい。いくつかの実施形態では、VEGF拮抗剤だけで治療される患者と比較して、患者のPFS及び/またはOSが大きい。
いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカーがHGFのmRNAであり、HGFバイオマーカーmRNAの発現が、in situハイブリダイゼーション(ISH)を用いて患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、2+及び/または3+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、2+及び3+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の約12以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の約15以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の約20以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の約25以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の約30以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の約35以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の1%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の2%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の3%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の4%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の5%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の10%以上である。
いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカーの発現が、核酸の発現であり、増幅に基づくアッセイ、RNA−seq、マイクロアレイ解析、SAGE、MassARRAY技術、またはFISHを用いて患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイ(例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)、及び逆転写定量的PCR(rt−qPCR))である。
いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカーが、HGFのmRNAであり、HGFバイオマーカーmRNA発現が、増幅に基づくアッセイ、RNA−seq、マイクロアレイ解析、SAGE、MassARRAY技術、またはFISHを用いて、患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、PCRに基づくアッセイ(例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)及び逆転写定量的PCR(rt−qPCR))である。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイが、rt−qPCRである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位50%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位40%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位35%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位30%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位25%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位20%のHGF発現レベルである。
いくつかの実施形態では、試料が、患者の癌の試料である。患者の癌の試料が、癌細胞、リンパ球、白血球、ストローマ、血管、結合組織、基底層、及び癌と関連する他の細胞型を含んでよい。いくつかの実施形態では、試料が、癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、腎細胞癌、胃癌、肝細胞癌または肉腫である。いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマである。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のあるグリオブラストーマである。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、良性ストローマ細胞が、1つ以上の反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び内皮細胞である。いくつかの実施形態では、癌が、中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある中皮腫である。いくつかの実施形態では、試料が、中皮腫細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌が、胃癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある胃癌である。いくつかの実施形態では、癌が、胃癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、良性ストローマ細胞が、1つ以上の繊維芽細胞、マクロファージ、及び内皮細胞である。いくつかの実施形態では、癌が、腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、試料が、腎細胞癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌が、肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、試料が、肝細胞癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌が、肉腫(例えば、骨肉腫)である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肉腫(例えば、治療歴のある骨肉腫)である。いくつかの実施形態では、試料が、肉腫細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料が、患者の腫瘍の試料である。腫瘍試料が、癌細胞、リンパ球、白血球、ストローマ、血管、結合組織、基底層、及び腫瘍と関連する他の細胞型を含んでよい。
いくつかの実施形態では、試料が、c−met拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料が、VEGF拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料が、癌薬剤による治療前に得られる。
いくつかの実施形態では、試料が、ホルマリン固定及びパラフィン包埋試料である。いくつかの実施形態では、ISHが、ハイブリダイゼーションに基づくシグナル増幅を用いて検出される。
いくつかの実施形態では、RNAが、試料から分離される。いくつかの実施形態では、RNAが、ホルマリン固定及びパラフィン包埋試料から分離される。いくつかの実施形態では、分離されたRNAが、精製される。いくつかの実施形態では、精製されたRNAが、増幅に基づくアッセイのためにRNAソースとして用いられる。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、PCRに基づくアッセイである。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイが、rt−qPCRである。
いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、腎細胞癌、胃癌、肝細胞癌または肉腫である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のあるグリオブラストーマである。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある胃癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肉腫である。
1つの態様では、患者の癌が、少量のHGFバイオマーカーを有するのがわかった場合、患者に治療有効量のc−met拮抗剤以外の薬剤を投与することを含む癌の患者を治療する方法が、提供される。
1つの態様では、本発明は、患者の癌が、多量のHGFバイオマーカーを有するかを決定するステップを含むc−met拮抗剤による治療に反応しやすい癌患者を特定する方法を提供し、HGFバイオマーカーの発現は、患者が、c−met拮抗剤による治療に反応しやすいことを示す。
いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカーがHGFのmRNAであり、HGFバイオマーカーmRNAの発現が、in situハイブリダイゼーション(ISH)を用いて患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、2+及び/または3+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、2+及び3+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中に約12以上のHGFのISHシグナル陽性細胞が存在することである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中に約15以上のHGFのISHシグナル陽性細胞が存在することである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中に約20以上のHGFのISHシグナル陽性細胞が存在することである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中に約25以上のHGFのISHシグナル陽性細胞が存在することである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中に約30以上のHGFのISHシグナル陽性細胞が存在することである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中に約35以上のHGFのISHシグナル陽性細胞が存在することである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の1%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の2%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の3%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の4%以上である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中のHGFのISHシグナル陽性細胞の5%以上のである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、試料中の10%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の10%以上である。
いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカーの発現が、核酸の発現であり、増幅に基づくアッセイ、RNA−seq、マイクロアレイ解析、SAGE、MassARRAY技術、またはFISHを用いて患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイ(例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)、及び逆転写定量的PCR(rt−qPCR))である。
いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカーが、HGFのmRNAであり、HGFバイオマーカーmRNA発現が、増幅に基づくアッセイ、RNA−seq、マイクロアレイ解析、SAGE、MassARRAY技術、またはFISHを用いて、患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイ(例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)、及び逆転写定量的PCR(rt−qPCR))である。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位50%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位40%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位35%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位30%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位25%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、参照患者集団の上位20%のHGF発現レベルである。
1つの態様では、本発明は、患者の癌が、少量のHGFバイオマーカーを有するかを決定するステップを含むc−met拮抗剤による治療に反応しにくい癌患者を特定する方法を提供し、HGFバイオマーカーの発現は、患者が、c−met拮抗剤による治療に反応しにくいことを示す。いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカー核酸の発現が、in situハイブリダイゼーション(ISH)を用いて患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、2+未満のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、1+未満のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、0または1+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、0のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFバイオマーカーが、10以下の細胞中にHGFのISH陽性シグナルが存在することである。いくつかの実施形態では、低HGFバイオマーカーが、5以下の細胞中にHGFのISH陽性シグナルが存在することである。いくつかの実施形態では、低HGFバイオマーカーが、細胞なしでHGFのISH陽性シグナルが存在することである。
1つの態様では、本発明は、患者の癌が、少量のHGFバイオマーカーを有するかを決定するステップを含むc−met拮抗剤による治療に反応しにくい癌患者を特定する方法を提供し、HGFバイオマーカーの発現は、患者が、c−met拮抗剤による治療に反応しにくいことを示す。いくつかの実施形態では、HGFバイオマーカー核酸の発現が、増幅に基づくアッセイ、RNA−seq、マイクロアレイ解析、SAGE、MassARRAY技術、またはFISHを用いて患者からの試料中で測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイ(例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)、及び逆転写定量的PCR(rt−qPCR))である。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、参照患者集団の下位50%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、参照患者集団の下位60%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、参照患者集団の下位65%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、参照患者集団の下位70%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、参照患者集団の下位75%のHGF発現レベルである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、参照患者集団の下位80%のHGF発現レベルである。
いくつかの実施形態では、患者が、ヒト患者である。患者は、癌患者、すなわち、1つの以上の癌の症状を患っている、または1つの以上の癌の症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のある癌患者としてよい。患者は、グリオブラストーマ患者、すなわち、1つの以上のグリオブラストーマの症状を患っている、または1つの以上のグリオブラストーマの症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のあるグリオブラストーマ患者としてよい。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、テモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、放射線と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、もう1つの薬剤と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマが、セカンドラインのグリオブラストーマである。患者は、中皮腫患者、すなわち、1つの以上の中皮腫の症状を患っている、または1つの以上の中皮腫の症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のある中皮腫患者としてよい。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、放射線と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の薬剤と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、中皮腫が、セカンドラインの中皮腫である。患者は、胃癌患者、すなわち、1つの以上の胃癌の症状を患っている、または1つの以上の胃癌の症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のある胃癌患者としてよい。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の薬剤と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、胃癌が、セカンドラインの胃癌である。患者は、腎細胞癌患者、すなわち、1つの以上の腎細胞癌の症状を患っている、または1つの以上の腎細胞癌の症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のある腎細胞癌患者としてよい。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の薬剤と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、腎細胞癌が、セカンドラインの腎細胞癌である。患者は、肝細胞癌患者、すなわち、1つの以上の肝細胞癌の症状を患っている、または1つの以上の肝細胞癌の症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のある肝細胞癌患者としてよい。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の「薬剤と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、肝細胞癌が、セカンドラインの肝細胞癌である。
いくつかの実施形態では、試料が、癌患者から得た細胞または液体のコレクションである。組織または細胞試料のソースは、新鮮、凍結及び/または保存臓器または組織試料または生検または吸引からの固体組織;血液または血液成分;体液、例えば、脳脊髄液、羊水、腹膜液、または組織間液;被験者の妊娠または発現時の細胞としてよい。組織試料は、天然の組織と自然に混在していない化合物、例えば、防腐剤、抗血液凝固剤、緩衝剤、固定剤、栄養素、抗生物質などを含有してよい。本明細書の腫瘍試料の例としては、腫瘍生検、微細針吸引、気管支肺胞洗浄、胸膜液、痰、尿、摘出標本、循環腫瘍細胞、血清、血しょう、循環血しょう蛋白質、腹水、腫瘍に由来するまたは腫瘍類似特性を示している初代細胞培養または細胞株、ならびに保存腫瘍試料、例えば、ホルマリン−固定、パラフィン−包埋腫瘍試料または凍結腫瘍試料が挙げられるが、これらに限定されない。腫瘍試料が、癌細胞、リンパ球、白血球、ストローマ、血管、結合組織、基底層、及び腫瘍と関連する他の細胞型を含んでよい。一実施形態では、試料が、グリオブラストーマ腫瘍試料(例えば、良性ストローマ、例えば、反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び/または内皮細胞を含むグリオブラストーマ腫瘍試料)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、マクロ解剖されたグリオブラストーマ腫瘍試料(例えば、形態学的に正常な脳組織は、腫瘍試料から除去される)を含む。いくつかの実施形態では、マクロ解剖されたグリオブラストーマ腫瘍試料が、良性ストローマ(例えば、反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び/または内皮細胞)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ生検の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ癌摘出の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、患者のグリオブラストーマが再発した後に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、患者のグリオブラストーマが再発する前に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、中皮腫腫瘍試料(例えば、良性ストローマを含む中皮腫腫瘍試料)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、マクロ解剖された中皮腫腫瘍試料(例えば、形態学的に正常な中皮組織が、腫瘍試料から除去される)を含む。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された中皮腫腫瘍試料が、良性ストローマを含む。いくつかの実施形態では、試料が、中皮腫生検の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、中皮腫癌摘出の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、患者の中皮腫が再発した後に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、患者の中皮腫が再発する前に得られた。一実施形態では、試料が、胃癌腫瘍試料(例えば、良性ストローマ、例えば、繊維芽細胞、マクロファージ及び/または内皮細胞を含む胃癌腫瘍試料)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、マクロ解剖された胃癌腫瘍試料(例えば、形態学的に正常な胃組織が、腫瘍試料から除去される)を含む。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された胃癌腫瘍試料が、良性ストローマ(例えば、繊維芽細胞、マクロファージ及び/または内皮細胞)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、胃癌生検の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、胃癌摘出の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、患者の胃癌が再発した後に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、患者の胃癌が再発する前に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、腎細胞癌腫瘍試料(例えば、良性ストローマを含む腎細胞癌腫瘍試料)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、マクロ解剖された腎細胞癌腫瘍試料(例えば、形態学的に正常な腎組織が、腫瘍試料から除去される)を含む。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された腎細胞癌腫瘍試料が、良性ストローマを含む。いくつかの実施形態では、試料が、腎細胞癌生検の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、腎細胞癌癌摘出の試料であるいくつかの実施形態では、試料が、患者の腎細胞癌が再発した後に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、患者の腎細胞癌が再発する前に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、肝細胞癌腫瘍試料(例えば、良性ストローマを含む肝細胞癌腫瘍試料)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、マクロ解剖された肝細胞癌腫瘍試料(例えば、形態学的に正常な肝臓組織が、腫瘍試料から除去される)を含む。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された肝細胞癌腫瘍試料が、良性ストローマを含む。いくつかの実施形態では、試料が、肝細胞癌生検の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、肝細胞癌癌摘出の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、患者の肝細胞癌が再発した後に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、患者の肝細胞癌が再発する前に得られた。
いくつかの実施形態では、試料が、患者の癌の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、患者のグリオブラストーマの試料である。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマが、以前に治療されている。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、良性ストローマ細胞が、1つ以上の反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び内皮細胞である。いくつかの実施形態では、試料が、患者の中皮腫の試料である。いくつかの実施形態では、中皮腫が、以前に治療されている。いくつかの実施形態では、試料が、中皮腫細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料が、患者の胃癌の試料である。いくつかの実施形態では、胃癌が、以前に治療されている。いくつかの実施形態では、試料が、胃癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、良性ストローマ細胞が、1つ以上の繊維芽細胞、マクロファージ、及び内皮細胞である。いくつかの実施形態では、癌が、腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、腎細胞癌の治療歴である。いくつかの実施形態では、試料が、腎細胞癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌が、肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、肝細胞癌の治療歴である。いくつかの実施形態では、試料が、肝細胞癌細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌が、肉腫(例えば、骨肉腫)である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肉腫(例えば、治療歴のある骨肉腫)である。いくつかの実施形態では、試料が、肉腫細胞及び良性ストローマ細胞を含む。
いくつかの実施形態では、グリオブラストーマの治療歴がある患者が、以前にグリオブラストーマの癌治療を受けている。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、テモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の薬剤と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマが、セカンドラインのグリオブラストーマである。
いくつかの実施形態では、中皮腫の治療歴がある患者が、以前に中皮腫の癌治療を受けている。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、もう別の薬剤と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、中皮腫が、セカンドラインの中皮腫である。
いくつかの実施形態では、胃癌の治療歴がある患者が、以前に胃癌の癌治療を受けている。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、化学療法と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、もう1つの化学療法と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、胃癌が、セカンドラインの発胃癌である。
いくつかの実施形態では、腎細胞癌の治療歴がある患者が、以前に腎細胞癌の癌治療を受けている。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の薬剤組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、腎細胞癌が、セカンドラインの腎細胞癌である。
いくつかの実施形態では、肝細胞癌の治療歴がある患者が、以前に肝細胞癌の癌治療を受けている。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、放射線照射と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、別の薬剤と組み合わせて化学療法による治療歴がある。いくつかの実施形態では、肝細胞癌が、セカンドラインの肝細胞癌である。
いくつかの実施形態では、試料が、c−met拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料が、VEGF拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料が、c−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料が、癌薬剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料が、ホルマリン固定及びパラフィン包埋試料である。いくつかの実施形態では、ISHが、ハイブリダイゼーションに基づくシグナル増幅を用いて検出される。いくつかの実施形態では、RNAが、試料から分離される。いくつかの実施形態では、RNAが、ホルマリン固定及びパラフィン包埋試料から分離される。いくつかの実施形態では、分離されたRNAが、精製される。いくつかの実施形態では、精製されたRNAが、増幅に基づくアッセイのためにRNAソースとして用いられる。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイが、PCRに基づくアッセイである。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイが、rt−qPCRである。
いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、腎細胞癌、胃癌、肝細胞癌または肉腫である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のあるグリオブラストーマである。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある胃癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のある肉腫である。
いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤が、拮抗剤抗c−met抗体である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、(a)配列GYTFTSYWLH(配列番号:1)を含むHVR1;(b)配列GMIDPSNSDTRFNPNFKD(配列番号:2)を含むHVR2;(c)配列ATYRSYVTPLDY(配列番号:3)を含むHVR3−HC;(d)配列KSSQSLLYTSSQKNYLA(配列番号:4)を含むHVR1−LC;(e)配列WASTRES(配列番号:5)を含むHVR2−LC;及び(f)配列QQYYAYPWT(配列番号:6)を含むHVR3−LCを含む。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、オナルツズマブエピトープを結合する。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、オナルツズマブである。いくつかの実施形態では、有効量の抗c−met抗体が、3週間ごとに15mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量の抗c−met抗体が、2週間ごとに10mg/kgである。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤が、1つ以上のクリゾチニブ、チバンチニブ、カボザンチニブ、MGCD−265、フィクラツズマブ、ヒト化TAK−701、リロツムマブ、フォレチニブ、h224G11、DN−30、MK−2461、E7050、MK−8033、PF−4217903、AMG208、JNJ−38877605、EMD1204831、INC−280、LY−2801653、SGX−126、RP1040、LY2801653、BAY−853474、及び/またはLA480である。
いくつかの実施形態では、VEGF拮抗剤が、抗VEGF抗体である。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、A4.6.1エピトープを結合する。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、ベバシズマブである。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHが、EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGYTFT NYGMNWVRQA PGKGLEWVGW INTYTGEPTY AADFKRRFTF SLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCAKYP HYYGSSHWYF DVWGQGTLVT VSS(配列番号:14)のアミノ酸配列を有し、VLが、DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCSASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIYF TSSLHSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ YSTVPWTFGQ GTKVEIKR(配列番号:15)のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、有効量の前記抗VEGF抗体が、静脈内に2週間ごとに10mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量の前記抗VEGF抗体、前記有効量の前記抗VEGF抗体が、静脈内に3週間ごとに15mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量の前記抗VEGF抗体が、最初に静脈内に90分間以上投与され、続いて、60分間以上注入され、その後、30分間注入される。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、第1のサイクルで、2番目に前記患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗VEGF抗体が、前記c−met拮抗剤の前または後に、患者に投与される。いくつかの実施形態では、VEGF拮抗剤が、前記c−met拮抗剤と同時に投与される。
いくつかの実施形態では、患者が、50歳未満である。いくつかの実施形態では、患者が、50歳以上である。いくつかの実施形態では、患者のカルノフスキーパフォーマンスステータスが、70%〜80%である。いくつかの実施形態では、患者のカルノフスキーパフォーマンスステータスが、90%〜100%である。
いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーを有しない患者と比較して、患者のPFS及び/またはOSが大きい。いくつかの実施形態では、VEGF拮抗剤だけで治療される患者と比較して、患者のPFS及び/またはOSが大きい。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすいグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすいグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい肉腫(例えば、治療歴のある肉腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい肉腫(例えば、治療歴のある肉腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、ISHにより測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすいグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすいグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい腎細胞癌(例えば、腎細胞癌の治療歴)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、(a)抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい肉腫(例えば、治療歴のある肉腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい肉腫(例えば、治療歴のある肉腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法が、(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカーを測定すること(HGFバイオマーカーがHGF核酸(例えば、mRNA)であり、PCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)により測定される);及び(ii)試料が高HGFバイオマーカーを有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者のために推奨することを含む。いくつかの実施形態では、治療が、さらに第2の癌薬剤を含む。いくつかの実施形態では、方法が、さらに(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、患者の癌が高いレベルのHGFバイオマーカーを有するかどうかを測定するステップを含むHGFバイオマーカー発現を測定する方法が提供され、HGFバイオマーカー発現は、mRNA発現であり、患者からの試料中でISHを用いて測定され、高HGFバイオマーカー発現は、ISHスコアが2+以上であり、高HGFバイオマーカー発現は、患者が、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)と組み合わせて抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)で治療される場合、患者がOS及び/またはPFSを延長しやすいことを示す。
1つの態様では、患者の癌が高いレベルのHGFバイオマーカーを有するかどうかを測定するステップを含むHGFバイオマーカー発現を測定する方法が提供され、HGFバイオマーカー発現は、mRNA発現であり、患者からの試料中でISHを用いて測定され、高HGFバイオマーカー発現は、ISHスコアが2+以上であり、高HGFバイオマーカー発現は、患者が、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)で治療される場合、患者がOS及び/またはPFSを延長しやすいことを示す。いくつかの実施形態では、患者が、任意で第2の癌薬剤と組み合わせて、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)で治療される。
1つの態様では、患者の癌が高いレベルのHGFバイオマーカーを有するかどうかを測定するステップを含むHGFバイオマーカー発現を測定する方法が提供され、HGFバイオマーカー発現は、mRNA発現であり、患者からの試料中でPCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)を用いて測定され、高HGFバイオマーカー発現は、参照患者集団の上位25%のHGF発現レベルであり、高HGFバイオマーカー発現は、患者が、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)と組み合わせて抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)で治療される場合、患者がOS及び/またはPFSを延長しやすいことを示す。
1つの態様では、患者の癌が高いレベルのHGFバイオマーカーを有するかどうかを測定するステップを含むHGFバイオマーカー発現を測定する方法が提供され、HGFバイオマーカー発現は、mRNA発現であり、患者からの試料中でPCRに基づくアッセイ(例えば、rt−qPCR)を用いて測定され、高HGFバイオマーカー発現は、参照患者集団の上位25%のHGF発現レベルであり、高HGFバイオマーカー発現は、患者が、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)で治療される場合、患者がOS及び/またはPFSを延長しやすいことを示す。いくつかの実施形態では、患者が、任意で第2の癌薬剤と組み合わせて、抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)で治療される。
いくつかの実施形態では、治療を推奨することが、治療で好適に治療されるまたは好適に治療されない患者を特定するために患者の試料中のc−metのレベルまたは存在に関連する情報または作成したデータを用いることを指す。いくつかの実施形態では、治療が、c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含んでよい。いくつかの実施形態では、治療が、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含んでよい。いくつかの実施形態では、治療が、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)と組み合わせて抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含んでよい。情報またはデータは、任意のフォーム、書面、口述または電子のものとしてよい。いくつかの実施形態では、情報または作製データの使用が、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせが、コンピューティングデバイス、アナライザーユニットまたはこれらの組み合わせによって実施される。さらにいくつかの実施形態では、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせが、個人(例えば、研究室または医療専門職)によって実施される。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、HGFのレベルの参照レベルとの比較を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、試料中にHGFが存在する、または存在しない指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、HGFのISHシグナル強度が、特定のレベル(例えば、0、1+、2+、3+)で存在する指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、HGFのISHシグナル強度細胞(例えば、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞、中皮腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞、胃癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞、肝細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞、腎細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞、または肉腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞)の特定のパーセンテージで存在する指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、HGFのmRNA発現レベルが、特定の癌の患者を含む一定数の患者を含む患者の参照集団から得た腫瘍中のHGFのmRNA発現レベルと比べて特定のパーセンタイルにある指標を含む(例えば、上位50%、上位40%、上位35%、上位30%、上位25%、上位20%、下位50%、下位60%、下位65%、下位70%、下位75%、下位80%)。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、患者が、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で好適に治療される、または好適に治療されない指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、患者が、第2の癌薬剤と組み合わせて、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で好適に治療される、または好適に治療されない指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、患者が、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)と組み合わせて、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で好適に治療される、または好適に治療されない指標を含む。
1つの態様では、ターゲットオーディエンスに、HGFバイオマーカーの発現に基づいて癌患者を治療するためにc−met抗体の使用をプロモーションすることを含むc−met抗体を広告する方法が提供される。いくつかの実施形態では、プロモーションが、抗c−met抗体の市販製剤に同封する添付文書によるものである。いくつかの実施形態では、プロモーションが、第2の薬剤の市販製剤に同封する添付文書によるものである。いくつかの実施形態では、第2の薬剤が、化学療法薬である。いくつかの実施形態では、第2の薬剤が、VEGF拮抗剤である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、オナルツズマブであり、VEGF拮抗剤が、ベバシズマブである。いくつかの実施形態では、患者は、癌試料が高いレベルでバイオマーカーを発現する場合、c−met拮抗剤による治療に選択される。いくつかの実施形態では、プロモーションが、VEGF拮抗剤と組み合わせて抗c−met抗体による治療を受けるための指示書を提供する添付文書によるものである。いくつかの実施形態では、プロモーションに続いて、第2の薬剤を用いて、または第2の薬剤を用いずに、抗c−met抗体により患者を治療する。
いくつかの実施形態では、プロモーションが、適応症、例えば、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)、中皮腫(例えば、再発性中皮腫)、胃癌(例えば、再発性胃癌)、腎細胞癌(例えば、再発性腎細胞癌)、肝細胞癌(例えば、再発性肝細胞癌)、または肉腫(例えば、再発性肉腫)治療のために、治療薬剤(単数及び複数)、例えば、抗c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)及び/またはVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)のプロモーションを含み、かかるプロモーションは、被験者の集団で統計学的に有意な治療有効性及び許容可能な安全性と関係することが示されるように食品医薬品局(FDA)によって承認される。
1つの態様では、癌患者からの試料中の、HGFバイオマーカーの発現を測定するために1つの以上の試薬を含む診断キットが提供され、多量のHGFバイオマーカーの検出は、患者が有効量のc−met拮抗剤で治療される場合、生存期間(例えば、PFS及び/またはOS)の延長を意味する。いくつかの実施形態では、癌が、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌が、治療歴のあるグリオブラストーマ、中皮腫、腎細胞癌、胃癌、肝細胞癌、または肉腫(例えば、骨肉腫)である。いくつかの実施形態では、多量のHGFバイオマーカーの検出は、患者がc−met拮抗剤及び第2の癌薬剤の有効量の組み合わせで治療される場合、生存期間(例えば、PFS及び/またはOS)の延長を意味する。いくつかの実施形態では、多量のHGFバイオマーカーの検出は、患者がc−met拮抗剤及び標準治療の抗腫瘍薬剤の有効量の組み合わせで治療される場合、生存期間(例えば、PFS及び/またはOS)の延長を意味する。いくつかの実施形態では、多量のHGFバイオマーカーの検出は、患者がc−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤.の有効量の組み合わせで治療される場合、生存期間(例えば、PFS及び/またはOS)の延長を意味する。いくつかの実施形態では、キットが、さらに、多量のHGFバイオマーカーが測定される場合、治療歴のある癌患者を治療するためにc−met拮抗剤を選択するキットを使用するための指示書を含む。
1つの態様では、パッケージで、癌薬剤を含む医薬組成物と、医薬組成物がHGFバイオマーカーの発現に基づいて癌患者を治療するためのものであることを示す添付文書を組み合わせることを含む本明細書に提供される診断キットのいずれかを作製する方法が、提供される。
本発明の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法が、さらにバイオマーカーについて患者の癌の試料を試験することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーが、c−metバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、高c−metバイオマーカーが、本明細書に提供される方法のいずれかを用いて測定される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーが、HGFバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、高HGFバイオマーカーが、本明細書に提供される方法のいずれかを用いて測定される。
I.定義
「抗血管新生薬剤」または「血管新生阻害剤」は、直接に、または間接に血管新生、脈管形成、または好ましくない血管透過性を阻害する、小分子量物質、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、分離タンパク質、遺伝子組み換えタンパク質、抗体、またはこれらのコンジュゲートもしくは融合蛋白質を指す。抗血管新生薬剤は、血管新生因子またはその受容体の血管新生作用を結合し、ブロックする薬剤を含むと理解しなければならない。例えば、抗血管新生薬剤が、血管新生薬剤に対する抗体または他の拮抗剤である明細書全体で定義されるとおり、または当技術分野で知られるとおり、例えば、VEGF−AまたはVEGF−A受容体(例えば、KDR受容体またはFlt−1受容体)に対する抗体、VEGF−trap、抗PDGFR阻害剤、例えば、Gleevec(商標)(イマチニブメシル酸塩)であるが、これらに限定されない。抗血管新生薬剤は、また、天然血管新生阻害剤、例えば、アンジオスタチン、エンドスタチンなどを含む。例えば、Klagsbrun and D’Amore,Annu.Rev.Physiol.,53:217−39(1991);Streit and Detmar、Oncogene、22:3172−3179(2003)(例えば、悪性黒色腫の抗血管新生治療を記載している表3);Ferrara&Alitalo,Nature Medicine 5:1359−1364(1999);Tonini et al.,Oncogene,22:6549−6556(2003)(例えば、知られる抗血管新生因子を記載している表2);及びSato.Int.J.Clin.Oncol.,8:200−206(2003)(例えば、表1に臨床試験に用いられる抗血管新生薬剤を記載している)を参照。
用語「ベバシズマブ」は、Presta et al.(1997)Cancer Res.57:4593−4599に従って生成された遺伝子組み換えヒト化抗VEGF単クローン性抗体を指し、また、「rhuMAb VEGF」または「AVASTIN(登録商標)」.として知られ、ヒトVEGFのその受容体への結合をブロックするマウス抗ヒトVEGF単クローン性抗体A.4.6.1に由来する変異ヒトIgGlフレームワーク領域及び抗原−結合相補性−決定領域を含む。ベバシズマブのアミノ酸配列のおよそ93%が、ほとんどのフレームワーク領域を含み、ヒトIgGlに由来し、配列の約7%がマウス抗体A4.6.1に由来する。ベバシズマブは、ハイブリドーマATCC HB10709によって生成された単クローン性抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合する。
「エピトープA4.6.1」は、抗VEGF抗体ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))(MullerY et al.,Structure15 September 1998,6:1153−1167を参照)によって認識されるエピトープを指す。本発明の特定の実施形態では、抗VEGF抗体が、ハイブリドーマATCCHB10709によって生成された単クローン性抗VEGF抗体A4.6.1;Presta et al.(1997)Cancer Res.57:4593−4599に従って生成された遺伝子組み換えヒト化抗VEGF単クローン性抗体と同じエピトープに結合する単クローン性抗体を含むが、これらに限定されない。
用語「静脈内注入」は、およそ5分間以上にわたって、好ましくはおよそ30〜90分間、動物またはヒト被験者の静脈に薬剤が導入されることを指すが、本発明に従って、静脈内注入が、その代わりに10時間未満で実施される。
本明細書では、「維持」用量は、治療期間中または治療期間後に被験者に投与される1つの以上の用量の治療薬剤を指す。通常、維持用量は、治療間隔を空けて、例えば、およそ毎週、およそ2週間ごとに、およそ3週間ごとに、またはおよそ4週間ごとに投与される。「維持治療」は、疾患再発または増悪の可能性を低下させるために与えられる治療計画を意味する。維持治療は、被験者の寿命までの期間の延長を含む任意の期間で提供することができる。維持治療は、初期治療後に、または初期治療もしくは追加治療とともに提供することができる。維持治療に用いられる用量は、変化させることができる、他の型の治療に用いられる用量に比べて用量の低下を含むことができる。また、本明細書の「維持」を参照。
本明細書では、「患者」は、ヒト患者である。患者は、「癌患者」、すなわち、1つの以上の癌の症状を患っている、または1つの以上の癌の症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のある癌患者としてよい。患者は、「グリオブラストーマ患者」、すなわち、1つの以上のグリオブラストーマの症状を患っている、または1つの以上のグリオブラストーマの症状を患うリスクがある患者としてよい。さらに、患者は、治療歴のあるグリオブラストーマ患者としてよい。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、テモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、放射線と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、もう1つの薬剤と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマが、セカンドラインのグリオブラストーマである。
用語「c−met」または「Met」は、本明細書に用いる場合、特に指示がない限り、任意の天然または変異型(天然または合成のいずれかの)c−metポリペプチドを指す。用語「野生型c−met」は、一般に、自然c−metタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。用語「野生型c−met配列」は、一般に、自然c−met中にみられるアミノ酸配列を指す。
用語「肝細胞成長因子」または「HGF」は、本明細書に用いる場合、特に指示がない限り、任意の天然または変異型(天然または合成のいずれかの)HGFポリペプチドを指す。用語「野生型HGF」は、一般に、自然HGFタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。用語「野生型HGF配列」は、一般に、自然HGF中にみられるアミノ酸配列を指す。
用語「抗c−met抗体」及び「c−metに結合する抗体」は、抗体が、c−metを標的とする場合、診断薬剤及び/または治療薬剤として有用であるように十分な親和性でc−metを結合することができる抗体を指す。1つの実施形態では、類似性のない非c−metタンパク質への抗c−met抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定したc−metへの抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、c−metに結合する抗体の解離定数(Kd)が、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M未満、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)である。特定の実施形態では、抗c−met抗体が、異なる種に由来するc−metに保存されているc−metのエピトープに結合する。
用語「抗HGF抗体」及び「HGFに結合する抗体」は、抗体が、HGFを標的とする場合、診断薬剤及び/または治療薬剤として有用であるように十分な親和性でHGFを結合することができる抗体を指す。1つの実施形態では、類似性のない非HGFタンパク質への抗HGF抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定したHGFへの抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、HGFに結合する抗体の解離定数(Kd)が、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M未満、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)である。特定の実施形態では、抗HGF抗体が、異なる種に由来するHGFに保存されているHGFのエピトープに結合する。
「c−met活性化」は、c−met受容体の活性化、またはリン酸化を指す。一般に、c−met活性化の結果、シグナル伝達(例えば、c−metまたは基質ポリペプチド中のチロシン残基をリン酸化するc−met受容体の細胞内キナーゼドメインによって生じる)が生じる。c−met活性化は、対象のc−met受容体へのc−metリガンド(HGF)結合によって媒介されてよい。c−metへのHGF結合は、c−metのキナーゼドメインを活性化し、これにより、c−met中のチロシン残基のリン酸化及び/または追加の基質ポリペプチド(単数及び複数)中のチロシン残基のリン酸化が生じてよい。
被験者の「集団」は、例えば、臨床試験、または腫瘍医によってみられ、続いて特定の適応、例えば、グリオブラストーマ治療のFDA承認となる場合の癌の被験者のグループを指す。
本発明の方法では、患者に「指示する」という用語は、任意の手段によって、好ましくは、書面で、例えば、添付文書または他の書面のプロモーション資料の形態で、適切な治療、薬物療法、治療、治療計画などの指示を提供することを意味する。
本発明の方法では、用語「プロモーションする」は、書面、例えば、添付文書の形態を含む任意の手段によって、特定の薬剤、薬剤、または治療法の組み合わせを提供する、広告する、販売する、または記載することを意味する。本明細書では、プロモーションすることは、適応症、例えば、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)治療のために、治療薬剤(単数及び複数)、例えば、抗c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)及び/またはVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)のプロモーションを指し、かかるプロモーションは、被験者の集団で統計学的に有意な治療有効性及び許容可能な安全性と関係することが示されるように食品医薬品局(FDA)によって承認される。
用語「マーケティング」は、本明細書で製品(例えば、薬剤)のプロモーション、販売または流通を示すために用いられる。マーケティングは、特に製品を製品化するためのパッケージング、広告、及び事業活動を含む。
本明細書の目的では、グリオブラストーマの治療歴がある患者が、以前にグリオブラストーマの癌治療を受けている。いくつかの実施形態では、患者が、ファーストラインの先行化学療法だけで治療されている。いくつかの実施形態では、患者が、テモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、放射線と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、患者が、もう1つの薬剤と組み合わせてテモゾロミドによる治療歴がある。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマが、セカンドラインのグリオブラストーマである。
「癌薬剤」は、癌を治療するのに効果的な薬剤である。癌薬剤の例としては、以下に記載した化学療法薬及び化学療法計画;抗c−met抗体、例えば、オナルツズマブを含むc−met拮抗剤;及び、抗VEGF抗体、例えば、ベバシズマブを含むVEGF拮抗剤が挙げられる。
用語「バイオマーカー」または「マーカー」は、本明細書に用いる場合、一般に、遺伝子、mRNA、タンパク質、炭水化物構造、または糖脂質を含む分子を指す。これらの発現は、組織もしくは細胞中、または組織もしくは細胞上にみられ、または分泌されており、公知の方法(または本明細書に開示した方法)によって検出することができ、予測される、あるいは治療計画への細胞、組織、または患者の反応性を予測する(または予測を補助する)ために用いることができる。本明細書では特に対象のバイオマーカーは、HGFである。
本明細書に用いる場合、「陰性c−met染色強度」または「陰性染色強度」は、TOV−112D、H522、H1155、LXFL529及び/またはH23のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、陰性c−met染色強度が、対照細胞株TOV−112Dのc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、陰性c−met染色強度が、対照細胞株H522のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、陰性c−met染色強度が、対照細胞株H1155のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、陰性c−met染色強度が、対照細胞株LXFL529のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、陰性c−met染色強度が、対照細胞株H23のc−met染色強度を意味する。c−met IHCの方法が、当技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、c−met染色強度が、ホルマリン−固定パラフィン包埋細胞対照細胞ペレット(例えば、組織マイクロアレイ中で調製される)のc−met抗体(例えば、SP44)染色を用いて測定される。
本明細書に用いる場合、「弱c−met染色強度」または「弱染色強度」は、対照細胞株H1703、HEK−293、及び/またはH460のc−met IHC染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、弱c−met染色強度が、対照細胞株H1703のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、弱c−met染色強度が、対照細胞株HEK−293のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、弱c−met染色強度が、対照細胞株H460のc−met染色強度を意味する。c−met IHCの方法が、当技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、c−met染色強度が、ホルマリン−固定パラフィン包埋細胞対照細胞ペレット(例えば、組織マイクロアレイ中で調製される)のc−met抗体(例えば、SP44)染色を用いて測定される。
本明細書に用いる場合、「中等度c−met染色強度」または「中等度染色強度」は、対照細胞株A549及び/またはSKMES1のc−met IHC染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、中等度c−met染色強度が、対照細胞株A549のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、中等度c−met染色強度が、対照細胞株SKMES1のc−met染色強度を意味する。c−met IHCの方法が、当技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、c−met染色強度が、ホルマリン−固定パラフィン包埋細胞対照細胞ペレット(例えば、組織マイクロアレイ中で調製される)のc−met抗体(例えば、SP44)染色を用いて測定される。
本明細書に用いる場合、「強c−met染色強度」または「強染色強度」は、対照細胞株EBC−1及び/またはH441のc−met IHC染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、強c−met染色強度が、対照細胞株EBC−1のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、強c−met染色強度が、対照細胞株H441のc−met染色強度を意味する。c−met IHCの方法が、当技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、c−met染色強度が、ホルマリン−固定パラフィン包埋細胞対照細胞ペレット(例えば、組織マイクロアレイ中で調製される)のc−met抗体(例えば、SP44)染色を用いて測定される。
「患者試料」は、癌患者から得た細胞または液体のコレクションを意味する。組織または細胞試料のソースは、新鮮、凍結及び/または保存臓器または組織試料または生検または吸引からの固体組織;血液または血液成分;体液、例えば、脳脊髄液、羊水、腹膜液、または組織間液;被験者の妊娠または発現時の細胞としてよい。組織試料は、天然の組織と自然に混在していない化合物、例えば、防腐剤、抗血液凝固剤、緩衝剤、固定剤、栄養素、抗生物質などを含有してよい。本明細書の腫瘍試料の例としては、腫瘍生検、微細針吸引、気管支肺胞洗浄、胸膜液、痰、尿、摘出標本、循環腫瘍細胞、血清、血しょう、循環血しょう蛋白質、腹水、腫瘍に由来するまたは腫瘍類似特性を示している初代細胞培養または細胞株、ならびに保存腫瘍試料、例えば、ホルマリン−固定、パラフィン−包埋腫瘍試料または凍結腫瘍試料が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ腫瘍試料(例えば、良性ストローマ、例えば、反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び/または内皮細胞を含むグリオブラストーマ腫瘍試料)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、マクロ解剖されたグリオブラストーマ腫瘍試料(例えば、形態学的に正常な脳組織は、腫瘍試料から除去される)を含む。いくつかの実施形態では、マクロ解剖されたグリオブラストーマ腫瘍試料が、良性ストローマ(例えば、反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び/または内皮細胞)を含む。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ生検の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、グリオブラストーマ癌摘出の試料である。いくつかの実施形態では、試料が、患者のグリオブラストーマが再発した後に得られた。いくつかの実施形態では、試料が、患者のグリオブラストーマが再発する前に得られた。
患者の「有効反応」または薬剤による治療への患者の「反応性」及び類似表現は、癌薬剤の投与で癌(例えば、グリオブラストーマ)のリスクがある、または、癌(例えば、グリオブラストーマ)を患っている患者に与えられる臨床的または治療的利益を指す。かかる利益は、以下のうち1つ以上を含む:生存期間の延長(例えば、全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長);奏効(完全奏効または部分奏効を含む)という結果;またはグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者が経験した臨床的に関係のある疾患に関連する症状の悪化までの期間の延長を含む癌の徴候または症状などの改善。いくつかの実施形態では、症状が、発作、神経認知機能(これらに限定されないが、人、時間及び/または場所の見当識を含む)、読み、書き、及び理解のうち1つの以上(任意の組み合わせ)である。1つの実施形態では、バイオマーカー(単数及び複数)(例えば、ISH及び/またはqPCRを用いて測定される、例えば、HGFのmRNA発現)が、c−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤で治療される場合、VEGF拮抗剤だけで治療される患者と比較して、生存期間が延長(例えば、全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長)すると予測される患者を特定するために用いられる。バイオマーカー(単数及び複数)の発現率は、本明細書では、(例えば、HGFのmRNAISH及び/またはrtPCR解析によって測定されるとおり)効果的に予測される、またはかかる有効反応などの高感度で予測される。
「生存期間の延長」は、治療を実施しない患者と比較して、及び/または1つの以上の承認抗腫瘍薬剤で治療されるが、本発明に従った治療を受けていない患者と比較して、本発明に従って治療した患者の全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長を意味する。特定の例では、「生存期間の延長」が、ベバシズマブだけで治療した患者と比較して、本発明の組み合わせ治療(例えば、c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)及びVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)の組み合わせによる治療)を受けている癌患者の無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)の延長を意味する。もう1つの特定の例では、「生存期間の延長」が、ベバシズマブだけで治療した患者(例えば、癌患者の集団)と比較して、本発明の組み合わせ治療(例えば、オナルツズマブ及びベバシズマブの組み合わせによる治療)を受けている癌患者(例えば、癌患者の集団)の無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)の延長を意味する。
「生存期間」は、患者の余命を指し、全生存期間ならびに無増悪生存期間を含む。本発明の基礎になる試験では、生存分析に用いられる事象は、死亡であり、死因を問わなかった。
「全生存率」は、診断または治療時からの一定期間である患者の余命を指し、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、1年、2年、3年などである。生存期間は、カプラン−マイヤー法によって推定することができる。
「無増悪生存期間」は、癌が進行しない、または癌が悪化しない患者の余命を指す。いくつかの実施形態では、患者の余命が、癌が進行しないで、または癌が悪化しないで1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月以上である。本発明の1つの態様では、グリオブラストーマのPFSは、神経腫瘍学(RANO)評価基準の反応評価によって評価することができる。Wen et al.J Clin Oncol 2010;28:1963−72。いくつかの実施形態では、PFSが、RESISTクライテリアを用いて評価される。
「生存期間の延長」は、治療を実施しない患者(すなわち、薬剤で治療されない患者と比較して)と比較して、または指定したレベルでバイオマーカーを発現しない患者と比較して、及び/または承認抗腫瘍薬剤で治療した患者と比較して治療した患者の全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長を意味する。いくつかの実施形態では、全生存期間及び/または無増悪生存期間が、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月以上延長する。
「奏効」は、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含む測定可能な奏効を指す。
「完全奏効」または「CR」は、治療による癌の全徴候の消失を意図する。これは、必ずしも癌の治癒を意味しない。
「部分奏効」または「PR」は、治療による1つの以上の腫瘍または病変の大きさの減少、または身体中の癌の程度の低下を指す。
「全奏効率」または「奏効率」は、最少時間で癌の大きさ(または血液癌の量)の減少を経験する人のパーセンテージを意味する。
ハザード比(HR)は、事象の比率の統計的定義である。本発明の目的では、ハザード比が、特定の時点で実験群の事象の確率を対照群の事象の確率で割ったものを表すと定義される。無増悪生存期間分析の「ハザード比」は、2つの無増悪生存期間曲線間の差のサマリーであり、追跡期間にわたって対照と比べて、治療による死亡リスクが低下していることを示している。
用語「VEGF」または「VEGF−A」は、自然アレリック及びこれらのプロセス形態とともに、例えば、Leung et al.Science,246:1306(1989)、及びHouck et al.Mol.Endocrin.,5:1806(1991)に記載されているとおり、165−アミノ酸ヒト血管内皮細胞成長因子及び関連121−、145−、189−、及び206−アミノ酸ヒト血管内皮細胞成長因子を指すために用いられる。VEGF−Aは、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−F、及びPlGFを含む遺伝子ファミリーの一部である。VEGF−Aは、主に2つの高親和性受容体チロシンキナーゼ、VEGFR−1(Flt−1)及びVEGFR−2(Flk−1/KDR)に結合し、後者は、VEGF−Aの血管内皮細胞有糸***の主なトランスミッターである。さらに、ニューロピリン−1が、ヘパリン−結合VEGF−Aイソ型の受容体と認識され、血管発生に何らかの役割を演じている可能性がある。用語「VEGF」または「VEGF−A」は、また、非ヒト種、例えば、マウス、ラット、または霊長動物に由来するVEGFを指す。特定の種に由来するVEGFは、用語、例えば、ヒトVEGFのhVEGF、またはマウスVEGFのmVEGFによって示されることもある。通常、VEGFは、ヒトVEGFを指す。用語「VEGF」は、また、165−アミノ酸ヒト血管内皮細胞成長因子のアミノ酸8〜109または1〜109を含むポリペプチドの短縮形態またはフラグメントを指すために用いられる。VEGFのいずれのかかる形態の参照は、本出願では、例えば、「VEGF(8−109)、」「VEGF(1−109)」または「VEGF165」と同じものと認識してよい。「短縮」天然VEGFのアミノ酸位置は、天然VEGF配列中に示されるとおり、ナンバリングされる。例えば、短縮天然VEGFのアミノ酸位置17(メチオニン)が、また、天然VEGFの位置17(メチオニン)である。短縮天然VEGFは、天然VEGFと同等のKDR及びFlt−1受容体への結合親和性を有する。
「抗VEGF抗体」は、十分な親和性及び特異性でVEGFに結合する抗体である。選択される抗体は、通常、VEGFへの結合親和性を有し、例えば、当該抗体は、100nM〜1pMのKd値でhVEGFを結合する可能性がある。抗体親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えば、PCT Application Publication No.WO2005/012359に記載されているものなどのBIAcoreアッセイ);酵素標識免疫定量法(ELISA);及び競合アッセイ(例えば、RIA’s)によって.測定してよい。特定の実施形態では、本発明の抗VEGF抗体は、VEGF活性が関係する疾患または状態を標的とし、妨げるのに、治療薬剤として用いることができる。また、抗体は、例えば、治療薬としてのその有効性を評価するために他の生物活性アッセイを受けさせてよい。かかるアッセイは、当技術分野で知られており、標的抗原及び抗体の所期の使用に依存する。例としては、HUVEC抑制アッセイ;腫瘍細胞成長抑制アッセイ(例えば、WO89/06692に記載したとおり);抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体媒介細胞障害(CDC)アッセイ(米国特許第5,500,362号);及びアゴニスト活性または造血アッセイ(WO95/27062を参照)が挙げられる。抗VEGF抗体は、通常、他のVEGF相同体、例えば、VEGF−BまたはVEGF−Cに結合せず、また、他の成長因子、例えば、PlGF、PDGFまたはbFGFにも結合しない。
「VEGF拮抗剤」は、1つ以上のVEGF受容体へのその結合を含むVEGF活性を中和する、ブロックする、抑制する、阻害する、低下させるまたは妨げることができる分子を指す。VEGF拮抗剤としては、特異的にVEGFに結合し、これにより、1つ以上の受容体、抗VEGF受容体抗体及びVEGF受容体拮抗剤、例えば、VEGFチロシンキナーゼの小分子阻害剤へのその結合を封鎖する抗VEGF抗体及びこれらの抗原−結合フラグメント、受容体分子及び誘導体が挙げられる。
「キメラVEGF受容体タンパク質」は、少なくとも2つの異なるタンパク質(このうち少なくとも1つがVEGF受容体タンパク質である)に由来するアミノ酸配列を有するVEGF受容体分子である。特定の実施形態では、キメラVEGF受容体タンパク質が、VEGFに結合し、VEGFの生物活性を抑制することができる。
用語「遺伝子増幅」は、遺伝子または遺伝子フラグメントの複数のコピーが特定の細胞または細胞株中に形成されるプロセスを指す。
用語「発現のレベル」または「発現レベル」は、一般に交換可能で用いられ、一般に、生体試料中のポリヌクレオチド、mRNA、またはアミノ酸生成物またはタンパク質の量を指す。「発現」は、一般に、遺伝子コード情報が、細胞中に存在し、細胞中で作用する構造に変換されるプロセスを指す。それゆえに、本発明に従った遺伝子の「発現」が、ポリヌクレオチドへの転写、タンパク質への翻訳、または、さらにタンパク質の翻訳後修飾を指してよい。転写されたポリヌクレオチド、翻訳されたタンパク質、または翻訳後修飾されたタンパク質のフラグメントは、また、これらが、別のスプライシングによって生成された転写物、または分解転写物に由来する、またはタンパク質の翻訳後プロセッシング、例えば、タンパク質分解によるものであるかにかかわらず、発現したものと考えなければならない。いくつかの実施形態では、「発現のレベル」が、例えば、ISH及び/またはrtPCRによって評価されるとおり、HGFのmRNAの存在または欠如または量または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現している細胞のパーセンテージ)を指す。
語句「の発現に基づく」は、本明細書に用いられる場合、本明細書の1つ以上のバイオマーカーの発現レベルまたは発現の存在もしくは欠如(例えば、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び関連良性ストローマ中のHGFのISHシグナルの存在または欠如または発生率(例えば、提示細胞のパーセンテージ))が、治療決定を知らせるために用いられる情報と、添付文書、またはマーケティング/プロモーションガイダンスなどに提供される情報を意味する。
語句「実質的なバイオマーカー発現を有しない」または「実質的にバイオマーカー発現がない」は、バイオマーカーに関して、本明細書に用いる場合、バイオマーカーがバックグラウンドレベル(いくつかの実施形態では、統計学的に有意であるバックグラウンドレベル以上である)以上である発現レベルを示さないことを意味する。語句「バイオマーカー発現がほとんどない」は、バイオマーカーに関して、本明細書に用いる場合、バイオマーカーが生物学的に有意義な量の発現を提示しないことを意味する。当技術分野で理解されているとおり、発現の量は、バイオマーカー試料及び参照カウンターパート間での比較を行うことができる限り、定量的にまたは定性的に測定してよい。発現は、例えば、本明細書に記載したもの(例えば、ISH)を含む当技術分野で知られる任意のアッセイまたは技術に従って、測定または検出することができる。
癌(例えば、グリオブラストーマ)患者への臨床的利益の増大と関連しているバイオマーカーの「量」または「レベル」は、生体試料中の検出可能レベルを指し、バイオマーカーのレベルが、患者の臨床的利益の増大と関連している。これらは、当業者に知られる方法によって測定することができ、また、本発明によって開示することができる。治療への反応を測定するために、評価されるバイオマーカーの発現レベルまたは量を用いることができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルまたは量が、(例えば、患者の癌試料、例えば、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含むグリオブラストーマ試料の)ISHを用いて測定される。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAが、臨床的利益の増大と関連している。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAが、ISHを用いて測定される。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAのHGFのISHシグナル強度が、少なくとも+2である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAのHGFのISHシグナル強度が、少なくとも+3である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAのHGFのISHシグナル強度が、+2または+3である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAが、PCR(例えば、rtPCR)を用いて測定される。
癌(例えば、NSCLC)患者への臨床的利益の低下と関連しているバイオマーカーの「量」または「レベル」は、生体試料中の検出可能バイオマーカーの欠如または低検出可能レベルを指し、バイオマーカーのレベルが、患者への臨床的利益の低下と関連している。これらは、当業者に知られる方法によって測定することができ、また、本発明によって開示することができる。治療への反応を測定するために、評価されるバイオマーカーの発現レベルまたは量を用いることができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの量またはレベルが、(例えば、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む患者の癌試料の)ISHを用いて測定される。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAが、臨床的利益の低下と関連している。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAが、ISHを用いて測定される。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAのHGFのISHシグナル強度が、0である。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAのHGFのISHシグナル強度が、+1である。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAのHGFのISHシグナル強度が、0または+1である。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAが、PCR(例えば、rtPCR)を用いて測定される。
「HGFのmRNA発現を提示する」癌または生体試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。「HGFのmRNA発現を提示する」グリオブラストーマ試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマ試料が、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。
「c−met増幅を提示する」癌または生体試料は、診断試験で、c−met遺伝子を増幅したものである。いくつかの実施形態では、c−met遺伝子の増幅が、c−met遺伝子の5以上のコピー以上の(細胞の集団の)平均、またはc−met遺伝子の8以上のコピー以上、例えば、c−met遺伝子の10以上、15以上または20以上のコピーの平均である。
「c−met増幅を提示しない」癌または生体試料は、診断試験で、c−met遺伝子を増幅しなかったものである。
用語「変異」は、本明細書に用いる場合、野生型タンパク質または核酸と比較して、それぞれ特定のタンパク質または核酸(例えば、DNA、RNA)のアミノ酸または核酸配列との差を意味する。変異タンパク質または核酸は、遺伝子の1つの対立遺伝子(ヘテロ接合)または両対立遺伝子(ホモ接合)から発現する、またはこれらにみられる可能性がある。本発明では、変異が、一般に体細胞変異である。変異が、配列再構成、例えば、挿入、欠失、及び点変異(一塩基多型/アミノ酸多型を含む)を含む。
用語「プライマー」は、核酸にハイブリダイズすることができ、一般に、遊離3’−OH基をもたらすことによって相補的核酸の重合を可能にする一本鎖ポリヌクレオチドを指す。
用語「配列」または「マイクロアレイ」は、基質上のハイブリダイズ可能な配列要素の規則配列、好ましくはポリヌクレオチドプローブ(例えば、オリゴヌクレオチド)を指す。基質は、固体基質、例えば、ガラススライド、または半固体基質、例えば、ニトロセルロース膜とすることができる。
用語「増幅」は、参照核酸配列またはその補体の1つ以上のコピーを生成するプロセスを指す。増幅は、リニア増幅または指数的増幅(例えば、PCR)としてよい。「コピー」は、テンプレート配列と比較した完全配列相補性または同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、ヌクレオチド類似体、例えば、デオキシイノシン、意図的配列変化(例えば、ハイブリダイズ可能であるが、テンプレートと完全に相補的でない配列を含むプライマーを介して導入される配列変化)、及び/または増幅中に生じる配列エラーを含むことができる。
用語「ハウスキーピングバイオマーカー」は、通常、全細胞型中に相似的に存在するバイオマーカーまたはバイオマーカーの群(例えば、ポリヌクレオチド及び/またはポリペプチド)を指す。いくつかの実施形態では、ハウスキーピングバイオマーカーが、「ハウスキーピング遺伝子」である。「ハウスキーピング遺伝子」は、本明細書では、その活性が細胞機能の維持に不可欠であり、通常全細胞型中に相似的に存在するタンパク質をコードする遺伝子または遺伝子の群を指す。
「増幅」は、本明細書に用いる場合、一般に、所望の配列の複数のコピーを生成するプロセスを指す。「複数のコピー」は、少なくとも2つのコピーを意味する。「コピー」は、テンプレート配列との完全配列相補性または同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、ヌクレオチド類似体、例えば、デオキシイノシン、意図的配列変化(例えば、ハイブリダイズ可能であるが、テンプレートと相補的でない配列を含むプライマーを介して導入される配列変化)、及び/または増幅中に生じる配列エラーを含むことができる。
用語「マルチプレックス−PCR」は、単一反応中の2つ以上のDNA配列を増幅する目的のために1つ以上のプライマーセットを用いて、単一ソース(例えば、個体)から得た核酸(例えば、DNAまたはRNA)上で生じる単一PCR反応を指す。
「ISH」または「in situハイブリダイゼーション」は、組織または細胞(in situ)の一部またはセクション中の特定のDNAまたはRNA配列を局在化させるために相補的DNAまたはRNA鎖(例えば、プライマーまたはプローブ)を用いるハイブリダイゼーションの1つの型を指す。いくつかの実施形態では、相補的DNA鎖が、組織または細胞(in situ)の一部またはセクション中の特定のRNA配列を局在化させるために用いられる。いくつかの実施形態では、ISHが、さらにハイブリダイゼーションに基づく増幅を含む。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に測定可能であり、一般に、プローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存した経験的計算である。一般に、適切なアニーリングにはプローブが長いほど高い温度が必要であり、プローブが短いほど低い温度が必要である。相補ストランドがその融解温度以下の環境に存在する場合、ハイブリダイゼーションは、一般に、変性DNAまたはRNAの再アニーリングする能力に依存する。プローブ及びハイブリダイズ可能配列間の所望の相同性の程度が高いほど、高い相対温度を用いることができる。その結果、相対温度が高い方が、反応条件のストリンジェンシィが増す傾向があり、温度が低いと、ストリンジェンシーが減るということになる。さらにハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの詳細及び説明には、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience Publishers,(1995)を参照。
組織試料の「セクション」は、組織試料の単一部分または単一片、例えば、組織試料からの切断した組織または細胞の薄片を意味する。組織試料の複数のセクションは、採取及び分析してよいと理解される。いくつかの実施形態では、組織試料の同じセクションは、形態学的及び分子レベルの両者で分析してよい。いくつかの実施形態では、組織試料の同じセクションは、ポリペプチド及びポリヌクレオチドの両者に関して分析してよい。
「関連性を示す」または「関連性を示すこと」は、任意の方法で、第1の分析またはプロトコールの性能及び/または結果と第2の分析またはプロトコールの性能及び/または結果を比較することを意味する。例えば、第2のプロトコールを実施するのに、第1の分析またはプロトコールの結果を使用してよい、及び/または、第2の分析またはプロトコールを実施しなければならないかどうかを決定するために、第1の分析またはプロトコールの結果を使用してよい。ポリヌクレオチド分析またはプロトコールの実施形態に関しては、特定の治療計画を実施しなければならないかどうかを決定するために、ポリヌクレオチド発現分析またはプロトコールの結果を使用してよい。
用語「実質的に同じ」は、本明細書に用いる場合、2つの数値間の十分に高い類似性の程度を示し、そのため、当業者であれば、2つの値間の差は、前記の値(例えば、Kd値または発現)によって測定される生物学的特性の文脈内で生物学的及び/または統計的有意性がほとんどない、またはないと考える。前記2つの値間の差は、参照/コンパレータ値の関数として、例えば、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/または約10%未満である。
用語「実質的に異なる」は、本明細書に用いる場合、2つの数値間の十分に高い差の程度を示し、そのため、当業者であれば、2つの値間の差は、前記の値(例えば、Kd値)によって測定される生物学的特性の文脈内で統計的に有意であると考える。前記2つの値間の差は、参照/コンパレータ分子の値の関数として、例えば、約10%以下、約20%以下、約30%以下、約40%以下、及び/または約50%以下である。
単語「標識」は、本明細書に用いられる場合、検出可能化合物または組成物を指す。標識は、通常、直接または間接に、試薬、例えば、ポリヌクレオチドプローブまたは抗体に結合または融合され、標識が結合または融合される試薬の検出を容易にする。標識そのものは、検出可能なもの(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)としてよい、または、酵素標識の場合では、検出可能生成物中に生じる基質化合物または組成物の化学変化に触媒作用を及ぼしてよい。
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」の技術は、本明細書に用いる場合、一般に、核酸、RNA及び/またはDNAの微量の特定の一片が増幅される方法を指す。一般に、対象または対象以外の領域の末端からの配列情報を利用できるようにする必要があり、そのため、オリゴヌクレオチドプライマーを設計することができる;このプライマーは、増幅されるテンプレートの逆鎖と配列が同一または類似している。2つのプライマーの5′末端ヌクレオチドは、増幅される材料の末端と一致してよい。特定のRNA配列、トータルゲノムDNAからの特定のDNA配列、及びトータル細胞RNA、バクテリオファージまたはプラスミド配列などから転写されたcDNAを増幅するためにPCRを用いることができる。一般に、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263(1987);Erlich、ed.,PCR Technology(Stockton Press、NY、1989)を参照。本明細書に用いる場合、PCRは、核酸試験試料を増幅する核酸ポリメラーゼ反応法の1つの例であるが、唯一のものではないと考えられ、プライマーとして公知の核酸(DNAまたはRNA)を使用すること及び核酸の特定の一片を増幅もしくは生成する、または特定の核酸に相補的である核酸の特定の一片を増幅もしくは生成するために核酸ポリメラーゼを使用することを含む。
「治療」は、治療的処置及び予防的または予防手段の両者を指す。治療が必要な人は、良性腫瘍、前がん状態の腫瘍、または非転移性腫瘍を既に有する人ならびに癌の発症または再発を予防しなければならない人を含む。
用語「治療有効量」は、哺乳動物の疾患または障害を治療または予防するための治療薬剤(薬剤)の量を指す。癌(例えば、グリオブラストーマ、例えば、グリオブラストーマの治療歴)、の場合では治療有効量の治療薬剤により、癌細胞の数を減少させる;原発腫瘍の大きさを減少させる;周辺器官への癌細胞浸潤を阻害する(すなわち、ある程度遅らせる及び好ましくは止める);腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度遅らせる及び好ましくは止める);腫瘍成長をある程度阻害する;及び/または障害に関係した1つ以上の症状をある程度軽減することができる。薬剤は、ある程度、癌細胞の成長を阻止する、及び/または存在する癌細胞を死滅させることができ、細胞増殖抑制性及び/または細胞障害性としてよい。癌治療では、in vivoでの有効性が、例えば、生存期間、疾患憎悪までの時間(TTP)、奏効率(RR)、奏効期間、及び/または生活の質及び/またはTDDを評価することによって測定することができる。
用語「癌」及び「癌性」は、通常、細胞成長が制御されないことを特徴とする哺乳動物の生理学的状態を指す、または表す。この定義には、良性及び悪性癌が含まれる。「早期癌」または「早期腫瘍」は、侵入性または転移性でない癌またはステージ0、I、またはIIの癌と分類される癌を意味する。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽腫(髄芽腫及び網膜芽腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫及び滑膜細胞肉腫を含む、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ、及び島細胞癌を含む)、中皮腫、神経鞘腫(内耳神経鞘腫を含む)、メニンジオーマ、腺癌、黒色腫、及び白血病またはリンパ系悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。さらに癌の例としては、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ、セカンドラインのグリオブラストーマ)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、癌が、肺癌(例えば、NSCLC)、腎細胞癌、胃癌、黒色腫、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、大腸癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、癌、膀胱癌、肝細胞癌、前立腺癌である。
用語「同時に」は、2つ以上の治療薬剤の投与を指すために本明細書に用いられ、少なくとも一部の投与は、時間が重複する。それゆえに、同時投与が、1つ以上の他の薬剤(単数及び複数)の投与の中止後に1つ以上の薬剤(単数及び複数)の投与が継続する場合の投与計画を含む。
用語「ポリヌクレオチド」は、単数または複数に用いられる場合、一般にポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指し、非修飾RNAまたはDNAまたは修飾RNAまたはDNAとしてよい。したがって、例えば、ポリヌクレオチドが、本明細書に定義されるとおり、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖領域を含むDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、及び一本鎖及び二本鎖領域を含むRNA、一本鎖または、さらに通常、二本鎖としてよい、または一本鎖及び二本鎖領域を含んでよいDNA及びRNAを含むハイブリッド分子を含むが、これらに限定されない。また、用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書に用いる場合、RNAもしくはDNA、またはRNA及びDNAの両者を含む三本鎖領域を指す。かかる領域中のストランドは、同じ分子または異なる分子に由来してよい。領域は、1つ以上の分子のすべてを含んでよいが、さらに通常分子のいくつかの領域だけを含んでよい。三本鎖領域の分子の1つがオリゴヌクレオチドであることが多い。用語「ポリヌクレオチド」は、特にcDNAを含む。この用語が、1つ以上の修飾塩基を含有するDNA(cDNAを含む)及びRNAを含む。したがって、安定性または他の理由のために修飾された主鎖を有するDNAまたはRNAは、その用語が本明細書で意図される場合、「ポリヌクレオチド」である。さらに、特異塩基、例えば、イノシン、または修飾塩基、例えば、トリチウム標識塩基を含むDNAまたはRNAが、本明細書に定義されるとおり用語「ポリヌクレオチド」に含まれる。一般に、用語「ポリヌクレオチド」は、非修飾ポリヌクレオチドの化学的、酵素的及び/または代謝的に修飾された全形態、ならびに、単純細胞及び複雑細胞を含むウイルス及び細胞の特徴的なDNA及びRNAの化学的形態を包含する。
用語「オリゴヌクレオチド」は、これらに限定されないが、一本鎖デオキシリボヌクレオチド、一本鎖または二本鎖リボヌクレオチド、RNA:DNAハイブリッド及び二本鎖DNAを含む比較的短いポリヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチド、例えば、一本鎖DNAプローブオリゴヌクレオチドは、化学的方法によって、例えば、市販されている自動オリゴヌクレオチド合成機を用いて合成されることが多い。しかし、オリゴヌクレオチドは、in vitro遺伝子組み換えDNAを媒介した技術ならびに細胞及び有機体中のDNAの発現を含むさまざまな他の方法によって生成することができる。
指定抗体の「生物学的特性」を有する抗体は、同じ抗原に結合する他の抗体とそれを識別する抗体の1つ以上の生物学的特性を有するものである。
参照抗体としての「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイで参照抗体のその抗原への結合を50%以上ブロックする抗体を指し、逆に言えば、参照抗体が、競合アッセイで抗体のその抗原への結合を50%以上ブロックする。例示的競合アッセイが、本明細書に提供されている。
語句「診断を提供する」は、本明細書に用いる場合、患者のグリオブラストーマを診断するために患者の試料中のHGFのレベルまたは存在(例えば、HGFのmRNAのレベルまたは存在または発生率(例えば、発現している細胞のパーセンテージ))に関連する情報または作成したデータを用いることを指す。情報またはデータは、任意のフォーム、書面、口述または電子のものとしてよい。いくつかの実施形態では、情報または作製データの使用が、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、提供、またはこれらの組み合わせが、コンピューティングデバイス、アナライザーユニットまたはこれらの組み合わせによって実施される。さらにいくつかの実施形態では、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせが、個人(例えば、研究室または医療専門職)によって実施される。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、HGFのレベル(例えば、ISHまたはPCRを用いて測定される、例えば、HGFのmRNAのレベル)の参照レベルとの比較を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、HGFのISHシグナルの発生率(例えば、グリオブラストーマ腫瘍試料中の細胞の陽性HGFのISHシグナルの発生率)を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、試料中にHGF(例えば、HGFのmRNA)が存在する、または存在しない指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、患者がグリオブラストーマ(いくつかの実施形態では、HGF−陽性グリオブラストーマ)で診断される指標を含む。
語句「治療を推奨すること」は、本明細書に用いる場合、治療で好適に治療されるまたは好適に治療されない患者を特定するために患者の試料中のc−metのレベルまたは存在に関連する情報または作成したデータを用いることを指す。いくつかの実施形態では、治療が、c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含んでよい。いくつかの実施形態では、治療が、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含んでよい。いくつかの実施形態では、治療が、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)と組み合わせて抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)を含んでよい。情報またはデータは、任意のフォーム、書面、口述または電子のものとしてよい。いくつかの実施形態では、情報または作製データの使用が、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせが、コンピューティングデバイス、アナライザーユニットまたはこれらの組み合わせによって実施される。さらにいくつかの実施形態では、伝達、提示、報告、保存、送信、転送、供給、伝送、配信、提供、またはこれらの組み合わせが、個人(例えば、研究室または医療専門職)によって実施される。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、HGFのレベルの参照レベルとの比較を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータが、試料中にHGFが存在する、または存在しない指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、HGFのISHシグナル強度が、特定のレベル(例えば、0、+1+、+2+、+3+)で存在する指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、HGFのISHシグナル強度が、細胞(例えば、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞)の特定のパーセンテージで存在する指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、患者が、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で好適に治療される、または好適に治療されない指標を含む。いくつかの実施形態では、情報またはデータは、患者が、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)と組み合わせて、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で好適に治療される、または好適に治療されない指標を含む。
「ターゲットオーディエンス」は、マーケティングまたは広告によって、特に特定の使用、治療、または適応のために、特定の薬剤をプロモーションする、またはプロモーションしようとする人または施設の群であり、例えば、個体患者、患者集団、新聞読者、医学文献、及び雑誌、テレビまたはインターネット閲覧者、ラジオまたはインターネット聴取者、医師、薬品会社などである。
用語「添付文書」は、適応、使用法、用量、投与、禁忌についての情報、包装された製品に組み合わされる他の治療製品及び/またはかかる治療製品の使用に関わる注意事項などを含有し、治療製品の商業包装に慣例的に含まれる指示書を指すために用いられる。
用語「抗体」は、本明細書では、最も広い意味で用いられ、所望の抗原−結合活性を示す限り、これらに限定されないが、単クローン性抗体、多クロ−ン性抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメントを含むさまざまな抗体構造を包含する。
「抗体フラグメント」は、インタクト抗体が結合する抗原を結合するインタクト抗体の一部を含むインタクト抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;二重特異性抗体;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);及び抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられるこれらに限定されない。
用語「キメラ」抗体は、重鎖及び/または軽鎖の一部が特定のソースまたは種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りが異なるソースまたは種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖が有する定常ドメインまたは不変領域の型を指す。抗体の主要な5つのクラス、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのうちいくつかは、さらにサブクラス(イソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。
用語「Fc領域」は、本明細書では、不変領域の少なくとも一部を含有する免疫グロブリン重鎖のC−末端領域を定義するために用いられる。この用語は、天然配列Fc領域及び変異型Fc領域を含む。1つの実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域が、Cys226、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端へ伸びる。しかし、Fc領域のC−末端リシン(Lys447)が、存在してよい、または存在しなくてよい。本明細書に特に指示がない限り、Fc領域または不変領域中のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed.Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、1991に記載のとおり、EUインデックスとも称されるEUナンバリング体系に従う。
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。それゆえに、HVR及びFR配列は、一般に、VH(またはVL)中の以下の配列:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4に現れる。
用語「完全長抗体」、「インタクト抗体」及び「全抗体」は、本明細書に交換可能で用いられ、天然抗体の構造と実質的にほぼ同じ構造を有する抗体、または本明細書に定義されるとおりのFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指す。
「ヒト抗体」は、ヒトまたはヒト細胞によって生成される抗体またはヒト抗体レパートリーまたは他のヒト抗体をコードする配列を用いる非ヒトソースに由来する抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。特に非ヒト抗原−結合残基を含むヒト化抗体は、ヒト抗体のこの定義から除外される。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンまたはフレームワーク配列のセクション中に最も一般的に生じるアミノ酸残基を示すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列のセクションは、可変ドメイン配列のサブグループに由来する。一般に、配列のサブグループは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition,NIH Publication91−3242,Bethesda MD(1991),vols.1−3に記載のとおりのサブグループである。1つの実施形態では、VLのサブグループが、前記のKabat et al.に記載のとおり、サブグループカッパIである。1つの実施形態では、VHのサブグループが、前記のKabat et al.に記載のとおり、サブグループIIIである。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVRに由来するアミノ酸残基及びヒトFRに由来するアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の実施形態では、ヒト化抗体が、少なくとも1つ可変ドメイン、及び通常2つの可変ドメインのすべてを実質的に含み、HVR(例えば、CDR)のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト抗体の可変ドメインに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト抗体の可変ドメインに対応する。ヒト化抗体が、任意で、ヒト抗体に由来する抗体不変領域の少なくとも一部を含んでよい。抗体の「ヒト化形態」、例えば、非ヒト抗体は、ヒト化された抗体を指す。
用語「超可変領域」または「HVR」は、本明細書に用いる場合、配列(「相補性決定領域」または「CDR」)中で超可変である、及び/または構造的に定義されるループ(「超可変ループ」)を形成する、及び/または抗原−接触残基(「抗原接触」)を含有する抗体可変ドメインの各領域を指す。一般に、抗体は、6つのHVR:VH中の3つ(H1、H2、H3)、及びVL中の3つ(L1、L2、L3)を含む。例示的HVRは、本明細書では、(a)アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(H3)に生じる超可変ループ(ChothiaandLesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987));(b)アミノ酸残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、89〜97(L3)、31〜35b(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3)に生じるCDR(Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed.Public HealthService、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991));(c)アミノ酸残基27c〜36(L1)、46〜55(L2)、89〜96(L3)、30〜35b(H1)、47〜58(H2)、及び93〜101(H3)に生じる抗原接触(MacCallum et al.J.Mol.Biol.262:732−745(1996));及び(d)、HVRアミノ酸残基46〜56(L2)、47〜56(L2)、48〜56(L2)、49〜56(L2)、26〜35(H1)、26〜35b(H1)、49〜65(H2)、93〜102(H3)、及び94〜102(H3)を含む(a)、(b)、及び/または(c)の組み合わせを含む。1つの実施形態では、HVR残基が、明細書の他の箇所で特定したものを含む。特に指示がないかぎり、本明細書では、前記のKabat et al.に従って可変ドメイン中のHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)に番号を付与する。
用語「細胞毒性薬剤」は、本明細書に用いる場合、細胞機能を抑制または妨害する、及び/または細胞死または細胞破壊を引き起こす物質を指す。細胞毒性薬剤としては、これらに限定されないが、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体);化学療法薬または薬剤(例えば、メトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルピシンまたは他のインターカレート剤);成長阻害剤;これらの酵素及びフラグメント、例えば、核酸分解酵素;抗生物質;毒素、例えば、細菌、真菌、植物または動物由来の小分子毒素または酵素活性毒素(これらのフラグメント及び/または変異型を含む);及び以下に記載したさまざまな抗腫瘍薬剤または抗癌薬剤が挙げられる。
「エフェクター機能」は、抗体イソタイプで変化する抗体のFc領域に帰因する生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞障害(CDC);Fc受容体結合;抗体−依存性細胞−媒介細胞障害(ADCC);食作用;細胞表面受容体のダウンレギュレーション(例えば、B細胞受容体);及びB細胞活性が挙げられる。
「イムノコンジュゲート」は、これらに限定されないが細胞毒性薬剤を含む1つ以上の異種分子(単数及び複数)に結合する抗体である。
用語「単クローン性抗体」は、本明細書に用いる場合、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を指す。すなわち、当該集団を含む個々の抗体は、例えば、自然に生じる変異または単クローン性抗体調製物の生成中に生じる変異を含有し、生じる可能性がある変異型(かかる変異型は一般に少量で存在する)抗体を除いて、同じものである、及び/または同じエピトープを結合する。通常、異なる決定因子(エピトープ)に向けられた異なる抗体を含む多クロ−ン性抗体調製とは対照的に、単クローン性抗体調製物の各単クローン性抗体は、抗原の単一決定因子に向けられる。したがって、修飾語「単クローン性」は、抗体の実質的に均質な集団から得られているとおりの抗体の特性を示し、任意の特定の方法による抗体の生成を必要とするとは解釈されない。例えば、本発明に従って用いられる単クローン性抗体は、これらに限定されないが、ハイブリドーマ法、遺伝子組み換えDNA法、ファージ提示法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべてまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むさまざまな技術によって生成してよく、単クローン性抗体を生成するためのかかる方法及び他の例示的方法が本明細書に記載されている。
「裸抗体」は、異種部分(例えば、細胞毒性部分)または放射性同位元素標識に結合されない抗体を指す。裸抗体は、医薬製剤中に存在してよい。
「天然抗体」は、構造を変化させる自然免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合している2つの同一軽鎖及び2つの同一重鎖からなる約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各重鎖が、N−末端からC−末端まで、可変領域(VH)を有し、これは、また、可変重ドメインまたは重鎖可変ドメインと称され、3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)に続く。同様に、各軽鎖が、N−末端からC−末端まで、可変領域(VL)を有し、これは、また、可変軽ドメインまたは軽鎖可変ドメインと称され、定常軽(CL)ドメインに続く。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づくカッパ(κ)及びラムダ(λ)と称される2つの型の1つに対応付けしてよい。
本明細書の目的では、「オナルツズマブ」及び「MetMAb」は、交換可能で用いられ、それぞれ配列番号:8及び7の可変軽アミノ酸配列及び可変重アミノ酸配列、ならびに配列番号:13のFc配列を含む抗体を指す。いくつかの実施形態では、これが、配列番号:12の軽鎖アミノ酸配列、及び配列番号:11の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号:13のFc配列を含む。抗体は、任意で大腸菌細胞によって生成される。用語「オナルツズマブ」及び「MetMAb」は、本明細書では、米国一般名(USAN)または国際一般名(INN):オナルツズマブである薬剤のバイオシミラーバージョンに及ぶ。
「オナルツズマブエピトープ」は、抗c−met抗体オナルツズマブによって認識されるエピトープを指す(Merchant、M. et al、PNAS(2013)110(32):E2987−E2996を参照)。
用語「医薬製剤」は、薬剤の生物活性が効果的となるような形態中にあり、製剤が投与される被験者に対して容認できないほど毒性がある追加成分を含有しない無菌調製物を指す。
「無菌」製剤は、無菌である、または生微生物すべて及びその胞子を含まない。
「キット」は、少なくとも1つ試薬、例えば、癌(例えば、グリオブラストーマ)の治療のための薬剤、または本発明のバイオマーカー遺伝子またはタンパク質を特異的に検出する試薬(例えば、抗体)を含む任意の製品(例えば、パッケージまたは容器)である。製品は、好ましくは、本発明の方法を実施するためのユニットとしてプロモーション、流通、または販売される。
「製剤的に許容可能なキャリア」は、被験者に対して毒性がなく、有効成分以外の医薬製剤中の成分を指す。製剤的に許容可能なキャリアとしては、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
参照ポリペプチド配列に関しての「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列同一性の一部として保存的置換を考慮せず、必要であれば、最大パーセント配列同一性を実現するために、配列をアラインし、ギャップを導入した後の参照リペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージと定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、当技術分野の技術内にあるさまざまな方法で、例えば、公に入手可能なコンピューターソフトウエア、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウエアを用いて実現することができる。当業者であれば、比較される配列の完全長を越える最大アラインメントを実現するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列をアラインするための好適なパラメーターを決定することができる。しかし、本明細書の目的では、%アミノ酸配列同一性値が、配列比較コンピュータープログラムALIGN−2を用いて生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータープログラムは、Genentech、Inc.によって作製され、ソースコードは、U.S.Copyright Office、WashingtonD.C.,20559にユーザードキュメンテーションとともにファイルされ、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech、Inc.,South San Francisco、Californiaから公に入手可能であり、またはソースコードからコンパイルしてよい。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIXV4.0Dを含むUNIXオペレーティングシステムで使用するためにコンパイルしなければならない。全配列比較パラメーターは、ALIGN−2プログラムによって設定され、変化しない。
ALIGN−2がアミノ酸配列比較に用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Bとの、所与のアミノ酸配列Bによる、または所与のアミノ酸配列Bに対する所与のアミノ酸配列A(代わりに所与のアミノ酸配列Bとの、所与のアミノ酸配列Bによる、または所与のアミノ酸配列Bに対する特定の%アミノ酸配列同一性を有する、または含む所与のアミノ酸配列Aとして表現することができる)の%アミノ酸配列同一性は、以下のとおり、計算される。フラクションX/Yの100倍Xは、プログラムのアラインメントA及びBで配列アラインメントプログラムALIGN−2によって同一性マッチとスコアされたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bのアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さは、アミノ酸配列Bの長さと等しくなく、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性と等しくないと理解される。特に記載しない限り、本明細書に用いられる全%アミノ酸配列同一性値は、直前の段落に記載されるとおり、ALIGN−2コンピュータープログラムを用いて得られる。
「化学療法薬」は、癌の治療に有用な化学的化合物である。化学療法薬の例としては、アルキル化剤、例えば、テモゾロミド、アルキル化剤ダカルバジンのイミダゾテトラジン誘導体が挙げられる。さらに、化学療法薬の例としては、例えば、パクリタキセルまたはトポテカンまたはペグ化リポソームドキソルビシン(PLD)が挙げられる。化学療法薬の他の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン;ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビセレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;スポンギスタチン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンオメガI1(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed.Engl.,33:183−186(1994)を参照);ジネマイシンAを含むジネマイシン、;ビスフォスフォネート、例えば、クロドロネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルチノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗物質、例えば、メトトレキセート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充物、例えば、フォリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デホファミン;デメコルチン;ジアジコン;エルフォミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;メイタンシノイド、例えば、メイタンシンおよびアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene、Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、ABRAXANE(登録商標)パクリタキセルのクレモフォア非含有アルブミン組み換えナノパーティクル製剤(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg、Ill.)、及びTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、例えば、シスプラチンオキサリプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロナート;イリノテカン(Camptosar、CPT−11)(5−FU及びロイコボリンとイリノテカンの治療計画を含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);細胞増殖を低下させるラパチニブ(Tykerb(登録商標))及び前記のいずれかの製剤的に許容可能な塩、酸または誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態では、化学療法薬が、テモゾロミド;プロカルバジン;ロムスチン;ビンクリスチン(PCV)、カルムスチン、カルムスチン注入ウェハー、シスプラチン;及び前記のいずれかの製剤的に許容可能な塩、酸または誘導体である。
II.癌薬剤
1つの態様では、c−met拮抗剤を投与することを含む癌の治療方法が、提供される。いくつかの実施形態では、癌の治療方法は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせてc−met拮抗剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、癌の治療方法は、c−met拮抗剤とVEGF拮抗剤との組み合わせを投与することを含む。1つの態様では、本明細書に開示した1つまたは複数のバイオマーカーの発現に基づいて癌薬剤により治療することができる患者を選択する方法が提供される。癌薬剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
− 抗c−met抗体を含むc−met拮抗剤。
− 抗VEGF抗体を含むVEGF拮抗剤。
− 化学療法薬及び化学治療計画。
− 癌、例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、肝細胞癌、腎細胞癌、及び肉腫を治療するために、開発、または承認される、他の薬剤またはこれらの組み合わせ。
c−Met拮抗剤
1つの実施形態では、薬剤は、ヒトc−metに結合する抗体を含むがこれらに限定されない抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、肝細胞成長因子(HGF)に結合するc−metを阻害する(例えば、ブロックする)。いくつかの実施形態では、抗体は、c−metに結合する。いくつかの実施形態では、抗体は、HGFに結合する。1つの実施形態では、関連性のない非c−metタンパク質へ抗c−met抗体が結合する程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定したc−metへの抗体の結合の約10%未満である。1つの実施形態では、関連性のない非c−metタンパク質へ抗HGF抗体が結合する程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定したHGFへの抗体の結合の約10%未満である。本明細書の抗体は、キメラ、ヒト化またはヒト抗体を含む単クローン性抗体を含む。1つの実施形態では、抗体は、抗体フラグメント、例えば、Fv、Fab、Fab’、ワンアーム抗体、scFv、二重特異性抗体、またはF(ab’)2フラグメントである。別の実施形態では、抗体は、完全長抗体、例えば、本明細書に定義されるようなインタクトIgG1抗体または他の抗体クラスまたはイソタイプである。1つの実施形態では、抗体は一価である。別の実施形態では、抗体は、Fc領域を含むワンアーム抗体(すなわち、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインが単一抗原結合アームを形成する)であり、Fc領域は、第1のFcポリペプチド及び第2のFcポリペプチドを含み、第1のFcポリペプチド及び第2のFcポリペプチドは、複合体中に存在し、該抗原結合アームを含むFab分子と比較して該抗体フラグメントの安定性を増大させるFc領域を形成する。ワンアーム抗体は、一価であってよい。
1つの実施形態では、抗c−met抗体は、オナルツズマブである。別の実施形態では、抗c−met抗体は、1つまたは複数の(a)配列GYTFTSYWLH(配列番号1)を含むHVR1、(b)配列GMIDPSNSDTRFNPNFKD(配列番号2)を含むHVR2、及び/または(c)配列ATYRSYVTPLDY(配列番号3)を含むHVR3−HCを含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、1つまたは複数の(a)配列KSSQSLLYTSSQKNYLA(配列番号4)を含むHVR1−LC、配列WASTRES(配列番号5)を含むVR2−LC、及び/または(c)配列QQYYAYPWT(配列番号6)を含むHVR3−LCを含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体は、(a)配列GYTFTSYWLH(配列番号1)を含むHVR1、(b)配列GMIDPSNSDTRFNPNFKD(配列番号2)を含むHVR2、及び(c)配列ATYRSYVTPLDY(配列番号3)を含むHVR3−HCを含む重鎖可変ドメインと、(a)配列KSSQSLLYTSSQKNYLA(配列番号4)を含むHVR1−LC、配列WASTRES(配列番号5)を含むHVR2−LC、及び(c)配列QQYYAYPWT(配列番号6)を含むHVR3−LCと、を含む軽鎖可変ドメインを含む。
上記実施形態のいずれかでは、例えば、抗c−met抗体をヒト化することができる。1つの実施形態では、抗c−met抗体は、上記実施形態のいずれかの通り、HVRを含み、さらに受容体ヒトフレームワーク、例えば、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークを含む。
別の態様では、抗c−met抗体は、配列番号7のアミノ酸配列との配列同一性が、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。特定の実施形態では、同一性が少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗c−met抗体はヒトc−metに結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号7中で置換、変化、挿入かつ/または決失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVRの外の領域(すなわち、FR)で生じる。任意で、抗c−met抗体は、配列番号7中にVH配列を含み、この配列は、配列の翻訳後修飾を含む。
別の態様では、配列番号8のアミノ酸配列との配列同一性が少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗c−met抗体が提供される。特定の実施形態では、同一性が少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるVL配列が、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗c−met抗体は、c−metに結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号8中で置換、挿入及び/または決失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失が、HVRの外の領域(すなわち、FR)で生じる。任意で、抗c−met抗体は、配列番号8中にVL配列を含み、この配列は、配列の翻訳後修飾を含む。
さらに別の実施形態では、抗c−met抗体は、配列番号8のアミノ酸配列との配列同一性が少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるVL領域と、配列番号7のアミノ酸配列との配列同一性が少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるVH領域と、を含む。さらに別の実施形態では、抗c−met抗体は、アミノ酸配列(配列番号1)を含むHVR−L1、アミノ酸配列(配列番号2)を含むHVR−L2、アミノ酸配列(配列番号3)を含むHVR−L3、アミノ酸配列(配列番号4)を含むHVR−H1、アミノ酸配列(配列番号5)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列(配列番号6)を含むHVR−H3を含む。
別の態様では、抗c−met抗体は、以上に提供した実施形態のいずれかの通りのVH、及び以上に提供した実施形態のいずれかの通りのVLを含む。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体は一価であり、さらにFcポリペプチドを含む。
別の態様では、c−met拮抗剤は、オナルツズマブエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤(例えば、抗c−met抗体)は、アミノ酸残基の位置が、配列番号16の位置に基づく(または従う)、1)A319〜A347、2)S360〜V427、3)L439〜T457、または4)R461〜L480のアミノ酸残基の少なくとも1つを含む結合部位でヒトc−metに結合する。いくつかの実施形態では、結合部位は、c−metのA327、Q328、R331、Q332、I333、G334、A335、S336、L337、N338、D339、K368、Y369、R426、I446、G448、D449、またはR469からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基(アミノ酸残基の位置は、配列番号16の位置に基づく)を含む。いくつかの実施形態では、結合部位は、A319〜A347の少なくとも1つのアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、結合部位は、アミノ酸残基A327、Q328、R331、Q332、I333、G334、A335、S336、L337、N338、またはD339のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、結合部位は、アミノ酸残基Q328、R331、L337、及びN338のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、この段落の実施形態のいずれか1つに従って、結合部位はさらに、1)S360〜V427、2)L439〜T457、または3)R461〜L480の少なくとも1つのアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、この段落の実施形態のいずれか1つに従って、結合部位は、K368、Y369、R426、I446、G448、D449、及びR469からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、上記実施形態のいずれか1つに従って、結合部位は、アミノ酸残基Q328、R331、L337、及びN338を含む。いくつかの実施形態では、結合部位はさらに、アミノ酸残基R331、Q332、I333、G334、A335、S336、D339、K368、Y369、R426、I446、G448、D449、及びR469を含む。
さらなる態様では、本発明は、本明細書に提供した抗c−met抗体と同じエピトープに結合する抗体を提供する。例えば、特定の実施形態では、配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列を含む抗c−met抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。
別の態様では、本発明は、オナルツズマブと同じ生物学的特性を有する抗c−met抗体を提供する。
本発明のさらなる態様では、本明細書の実施形態のいずれかによる抗c−met抗体は、一価、キメラ、ヒト化またはヒト抗体を含む単クローン性抗体とすることができる。1つの実施形態では、抗c−met抗体は、抗体フラグメント、例えば、ワンアーム、Fv、Fab、Fab’、scFv、二重特異性抗体、またはF(ab’)2フラグメントである。別の実施形態では、抗体は、完全長抗体、例えば、本明細書に定義される通り、インタクトIgG1もしくはIgG4抗体、または他の抗体クラスもしくはイソタイプである。別の実施形態によると、抗体は二重特異性抗体である。1つの実施形態では、二重特異性抗体は、HVRを含むか、または上記VH及びVL領域を含む。
いくつかの実施形態では、抗c−met抗体は一価であり、(a)配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYWLHWVRQAPGKGLEWVGMIDPSNSDTRFNPNFKDRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCATYRSYVTPLDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)、CH1配列、及び第1のFcポリペプチドを有する重鎖可変ドメインを含む第1のポリペプチドと、(b)配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLYTSSQKNYLAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYAYPWTFGQGTKVEIKR(配列番号8)、及びCL1配列を有する軽鎖可変ドメインを含む第2のポリペプチドと、(c)第2のFcポリペプチドを含む第3のポリペプチドと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドは、Fc配列CPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号9)を含み、第2のポリペプチドは、Fc配列CPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号10)を含む。
別の実施形態では、抗c−met抗体は一価であり、(a)配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYWLHWVRQAPGKGLEWVGMIDPSNSDTRFNPNFKDRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCATYRSYVTPLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)を含む、重鎖を含む第1のポリペプチドと、(b)配列DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLYTSSQKNYLAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYAYPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)を含む、軽鎖を含む第2のポリペプチドと、配列DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号13)を含む、Fc配列を含む第3のポリペプチドと、を含む。
多重特異性抗体及び/またはワンアーム抗体及び/またはイムノアドヘシンを生成する方法としてのノブインツーホール(knobs into holes)の使用が、当技術分野でよく知られている。米国特許第5,731,168号、国際公開公報第WO2009089004号、及び米国特許公開第20090182127号を参照。また、Marvin and Zhu,Acta Pharmacologica Sincia(2005)26(6):649−658及びKontermann(2005)Acta Pharmacol.Sin.,26:1−9を参照。1つの実施形態では、抗体は、WO2005/063816に記載される通りの「ノブ」及び「ホール」を構成するFc変異を含む。例えば、ホール変異は、Fcポリペプチド中の1つまたは複数のT366A、L368A及び/またはY407Vとすることができ、キャビティ変異は、Fcポリペプチド中のT366Wとすることができる。
本発明の方法に使用するのに好適な他の抗c−met抗体は、本明細書に記載され、当技術分野で知られている。例えば、WO05/016382に開示された抗c−met抗体(抗体13.3.2、9.1.2、8.70.2、8.90.3を含むがこれらに限定されない)、ジェノバのCBAにICLC番号PD03001で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって生成される抗c−met抗体、またはHGF受容体のβ鎖の細胞外ドメイン上のエピトープを認識する抗c−met抗体(該エピトープは、単クローン性抗体によって認識されるものと同じである)、WO2007/126799に開示された抗c−met抗体(04536、05087、05088、05091、05092、04687、05097、05098、05100、05101、04541、05093、05094、04537、05102、05105、04696、04682を含むがこれらに限定されない)、WO2009/007427に開示された抗c−met抗体(CNCM(パスツール研究所、パリ、フランス)に番号I−3731で2007年3月14日に寄託された抗体、2007年3月14日に番号I−3732で寄託された抗体、2007年7月6日に番号I−3786で寄託された抗体、2007年3月14日に番号I−3724で寄託された抗体を含むがこれらに限定されない)、20110129481に開示された抗c−met抗体、US20110104176に開示された抗c−met抗体、WO2009/134776に開示された抗c−met抗体、WO2010/059654に開示された抗c−met抗体、WO2011020925に開示された抗c−met抗体(CNCM(パスツール研究所、パリ、フランス)で2008年3月12日に番号I−3949で寄託されたハイブリドーマ及び2010年1月14日に番号I−4273で寄託されたハイブリドーマから分泌される抗体を含むがこれらに限定されない)。
いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は、抗肝細胞成長因子(HGF)抗体であり、これには、ヒト化抗HGF抗体TAK701、リロツムマブ、フィクラツズマブ、及び/またはWO2007/143090に記載されたヒト化抗体2B8が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗HGF抗体はUS7718174B2に記載された抗HGF抗体である。
いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は、c−met小分子阻害剤である。いくつかの実施形態では、c−met小分子阻害剤は、選択的c−met小分子阻害剤である。
1つの実施形態では、c−met拮抗剤は、c−met細胞外ドメインを結合する。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は、c−metキナーゼドメインを結合する。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は、HGFと結合するc−metを競合する。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は、c−metに結合するHGFを競合する。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は、HGFを結合する。
特定の実施形態では、c−met拮抗剤が、SGX−523、クリゾチニブ、JNJ−38877605(CAS番号943540−75−8)、BMS−698769、PHA−665752(Pfizer)、SU5416、INC−280(Incyte、SU11274(Sugen、[(3Z)−N−(3−クロロフェニル)−3−({3、5−ジメチル−4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−1H−ピロ−ル−2−イル}メチレン)−N−メチル−2−オキソインドリン−5−スルホンアミド、CAS番号658084−23−2])、フォレチニブ、MGCD−265(MethylGene(MGCD−265は、c−met、VEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、Ron及びTie−2受容体を標的にする)、CAS番号875337−44−3)、チバンチニブ(ARQ197)、LY−2801653(Lilly)、LY2875358(Lilly)、MP−470、リロツムマブ(AMG102、抗HGF単クローン性抗体)、抗体223C4またはヒト化抗体223C4(WO2009/007427)、ヒト化L2G7(ヒト化TAK701、ヒト化抗HGF単クローン性抗体)、EMD1214063(Merck Sorono)、EMD1204831(Merck Serono)、NK4、カボザンチニブ(カボザンチニブは、met及びVEGFR2の二重阻害剤である)、MP−470(SuperGenは、c−KIT、MET、PDGFR、Flt3、及びAXLの阻害剤である)、Comp−1、フィクラツズマブ(AV−299、抗HGF単クローン性抗体)、E7050(Cas番号1196681−49−8、E7050は、c−met及びVEGFR2の二重阻害剤である(Esai)、MK−2461(Merck、N−((2R)−1、4−ジオキサン−2−イルメチル)−N−メチル−N’−[3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−オキソ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル]スルファミド、CAS番号917879−39−1)、MK8066(Merck)、PF4217903(Pfizer)、AMG208(Amgen)、SGX−126、RP1040、LY2801653、AMG458、EMD637830、BAY−853474、DP−3590のいずれか1つである。特定の実施形態では、c−met拮抗剤は、クリゾチニブ、チバンチニブ、カボザンチニブ、MGCD−265、フィクラツズマブ、ヒト化TAK−701、リロツムマブ、フォレチニブ、h224G11、DN−30、MK−2461、E7050、MK−8033、PF−4217903、AMG208、JNJ−38877605、EMD1204831、INC−280、LY−2801653、SGX−126、RP1040、LY2801653、BAY−853474、及び/またはLA480のうちの1つまたは複数である。特定の実施形態では、c−met拮抗剤は、クリゾチニブ、チバンチニブ、カボザンチニブ、MGCD−265、フィクラツズマブ、ヒト化TAK−701、リロツムマブ、及び/またはフォレチニブのうちの1つまたは複数である。
抗VEGF抗体及び拮抗剤
VEGF抗体の生成に用いられるVEGF抗原は、例えば、VEGF165分子及び所望のエピトープを含有するVEGFの他のイソ型またはこれらのフラグメントであってよい。1つの実施形態では、所望のエピトープは、ベバシズマブによって認識されるものであり、これは、ハイブリドーマATCCHB10709によって生成される単クローン性抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープ(本明細書に定義される「エピトープA.4.6.1」として知られる)に結合する。本発明の抗VEGF抗体を生成するのに有用な他の形態のVEGFが、当業者に明らかとなるであろう。
ヒトVEGFは、ハイブリダイゼーションプローブとしてウシVEGF cDNAを用いた、ヒト細胞から調製されたcDNAライブラリーの第1のスクリーニングによって得た。Leung et al.(1989)Science,246:1306。これにより同定される1つのcDNAは、ウシVEGFに対して95%超の相同性を有する165−アミノ酸タンパク質をコードする。この165−アミノ酸タンパク質は通常、ヒトVEGF(hVEGF)またはVEGF165と称される。ヒトVEGFの有糸***活性は、哺乳動物宿主細胞中でヒトVEGF cDNAを発現することによって確認された。ヒトVEGF cDNAでトランスフェクトされた細胞によって条件付けた培地は毛細管内皮細胞の増殖を促進したが、対照細胞は促進しなかった。上記Leung et al.(1989)Science。さらに遺伝子組み換えDNA技術によってVEGFをクローン化するかつ発現するための試みが行われた(例えば、Ferrara,Laboratory Investigation72:615−618(1995)、及びそこで引用された参照を参照)。
VEGFは、別のRNAスプライシングから生じる複数のホモ二量体形態(1モノマー当たり121、145、165、189、及び206個のアミノ酸)として様々な組織中に発現する。VEGF121は、ヘパリンを結合しない可溶性マイトジェンであり、VEGFの形態が長くなるほど、ヘパリンを結合する親和性も次第に高くなる。VEGFのヘパリン−結合形態は、VEGFの拡散性形態(単数及び複数)を放出するようにプラスミンによってカルボキシ末端で切断することができる。プラスミン切断後に同定されるカルボキシ末端ペプチドのアミノ酸配列は、Arg110−Ala111である。アミノ末端「コア」タンパク質、ホモ二量体として単離されるVEGF(1〜110)は、インタクトVEGF165ホモ二量体と比較して、同様の親和性で、中和単クローン性抗体(例えば、4.6.1及び3.2E3.1.1と称される抗体)と可溶性形態のVEGF受容体とを結合する。
また、近年、胎盤成長因子(PIGF)、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D及びVEGF−Eを含む、VEGFに構造的に関連するいくつかの分子が確認されている。上記のFerrara and Davis−Smyth(1987)Endocr.Rev.,;Ogawa et al.J.Biological Chem.273:31273−31281(1998);Meyer et al.EMBO J.,18:363−374(1999)。受容体チロシンキナーゼ、Flt−4(VEGFR−3)は、VEGF−C及びVEGF−Dの受容体として確認されている。Joukov et al.EMBO.J.15:1751(1996);Lee et al.PNAS USA 93:1988−1992(1996);Achen et al.(1998)PNAS USA 95:548−553。VEGF−Cは、リンパ管血管形成の調節に関与していることが示されている。Jeltsch et al.Science 276:1423−1425(1997)。
2つのVEGF受容体、Flt−1(VEGFR−1とも称される)及びKDR(VEGFR−2とも称される)が確認されている。Shibuya et al.(1990)Oncogene 8:519−527;de Vries et al.(1992)Science 255:989−991;Terman et al.(1992)Biochem.Biophys.Res.Commun.187:1579−1586。Neuropilin−1は、ヘパリン−結合VEGFイソ型を結合することができる選択的VEGF受容体であることが示されている(Soker et al.(1998)Cell 92:735−45)。
本発明の方法に有用な抗VEGF抗体は、十分な親和性及び特異性でVEGFに結合する任意の抗体、またはこれらの抗原結合フラグメントを含み、VEGFの生物活性を低下させるか、または抑制することができる。抗VEGF抗体は通常、他のVEGF相同体、例えば、VEGF−BまたはVEGF−Cに結合せず、また、他の成長因子、例えば、PlGF、PDGFまたはbFGFにも結合しない。
本発明の特定の実施形態では、抗VEGF抗体は、ハイブリドーマATCC HB 10709によって生成された単クローン性抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合する単クローン性抗体と、Presta et al.(1997)Cancer Res.57:4593−4599に従って生成された遺伝子組み換えヒト化抗VEGF単クローン性抗体と、を含むが、これらに限定されない。1つの実施形態では、抗VEGF抗体は「ベバシズマブ(BV)」であり、また、「rhuMAbVEGF」または「AVASTIN(登録商標)」として知られる。これは、ヒトVEGFがその受容体へ結合するのをブロックするマウス抗hVEGF単クローン性抗体A4.6.1に由来する変異IgG1フレームワーク領域及び抗原結合相補性−決定領域を含む。ベバシズマブのアミノ酸配列のおよそ93%はフレームワーク領域の大部分を含み、ヒトIgG1に由来し、配列の約7%はマウス抗体A4.6.1に由来する。
ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))は、FDAによって認可された最初の抗血管形成治療薬であり、グリオブラストーマ(静脈内5−FUに基づく化学治療と組み合わせたファーストライン及びセカンドラインの治療)、進行非扁平、グリオブラストーマ(グリオブラストーマ)(カルボプラチン及びパクリタキセルと組み合わせた切除不能、局所進行、再発性またはグリオブラストーマのファーストラインの治療)及び転移性HER2−陰性乳癌(パクリタキセルと組み合わせた転移性HER2−陰性乳癌治療歴がない)の治療が承認されている。
ベバシズマブ及び他のヒト化抗VEGF抗体はさらに、2005年2月26日に発行された、米国特許第6,884,879号に記載されている。さらに、抗体として、G6またはB20シリーズ抗体(例えば、G6−31、B20−4.1)が挙げられ、これらは、国際公開公報第WO2005/012359号、同第WO2005/044853号、及び米国特許出願60/991、302に記載されており、これらの特許出願の内容は、参照によって本明細書に明確に組み入れられる。さらに、米国特許第7,060,269号、同第6,582,959号、同第6,703,020号、同第6,054,297号、WO98/45332、WO96/30046、WO94/10202、EP0666868B1、米国特許出願公開第2006009360号、同第20050186208号、同第20030206899号、同第20030190317号、同第20030203409号、及び同第20050112126号、ならびにPopkov et al.,Journal of Immunological Methods288:149−164(2004)の抗体を参照。他の抗体としては、残基F17、M18、D19、Y21、Y25、Q89、I191、K101、E103、及びC104を含む、または、代わりに、残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、I83及びQ89を含むヒトVEGFで機能エピトープに結合する抗体が挙げられる。
本発明の1つの実施形態では、抗VEGF抗体は、以下のアミノ酸配列:DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCSASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIYF TSSLHSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ YSTVPWTFGQ GTKVEIKR(配列番号15)を含む軽鎖可変領域及び以下のアミノ酸配列:EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGYTFT NYGMNWVRQA PGKGLEWVGW INTYTGEPTY AADFKRRFTF SLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCAKYP HYYGSSHWYF DVWGQGTLVT VSS(配列番号14)を含む重鎖可変領域を有する。
本発明に従った「G6シリーズ抗体」は、国際公開公報第WO2005/012359号(全開示が参照により本明細書に明確に組み込まれている)の図7、24〜26、及び34〜35のいずれか1つに従って、一連のG6抗体またはG6由来抗体の配列に由来する抗VEGF抗体である。また、国際公開公報第WO2005/044853号(全開示が参照により本明細書に明確に組み込まれている)を参照。1つの実施形態では、G6シリーズ抗体が、残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、I83及びQ89を含むヒトVEGF上の機能エピトープに結合する。
本発明に従った「B20シリーズ抗体」は、国際公開公報第WO2005/012359号(全開示が参照により本明細書に明確に組み込まれている)の図27〜29のいずれか1つに従って、B20抗体またはB20由来抗体の配列に由来する抗VEGF抗体である。また、国際公開公報第WO2005/044853号及び米国特許出願60/991,302(これらの特許出願の内容が参照によって本明細書に明確に組み込まれている)を参照。1つの実施形態では、B20シリーズ抗体は、残基F17、M18、D19、Y21、Y25、Q89、I91、K101、E103、及びC104を含むヒトVEGF上の機能エピトープに結合する。
本発明に従った「機能エピトープ」は、エネルギー的に抗体の結合に寄与する抗原のアミノ酸残基を指す。抗原のエネルギー的に寄与する残基のいずれか1つの変異(例えば、アラニンまたはホモログ変異による野生型VEGFの変異)は、抗体の相対親和比(IC50突然変異体VEGF/IC50野生型VEGF)が5を超えるように、抗体の結合を切断する(WO2005/012359の実施例2を参照)。1つの実施形態では、相対親和比は、溶液結合ファージ提示ELISAによって測定される。簡潔にいうと、4℃で一晩Fab形態の抗体で96ウェルMaxisorp免疫反応板(NUNC)をコーティングし、PBS中で2μg/mlの濃度で試験して、2時間、室温でPBS、0.5%のBSA、及び0.05%のTween20(PBT)でブロックする。最初に、Fabコーティングプレート上で、15分間、室温で、PBT中のファージ提示hVEGFアラニン点突然変異体(残基8〜109形態)または野生型hVEGF(8〜109)の段階希釈液をインキュベートし、PBS、0.05%のTween20(PBST)でプレートを洗浄する。結合ファージは、PBT中の1:5000に希釈した抗M13単クローン性抗体ホースラディッシュペルオキシダーゼ(Amersham Pharmacia)コンジュゲートで検出され、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB,Kirkegaard&Perry Labs,Gaithersburg,Md.)基質でおよそ5分間発現され、1.0MH3PO4でクエンチし、分光光学的に450nmで読み取る。IC50値(IC50、ala/IC50、重量)の比は、結合親和性(相対結合親和性)の低下の倍数を示す。
VEGF受容体分子
最もよく特性付けられた2つのVEGF受容体は、VEGFR1(Flt−1としても知られる)及びVEGFR2(マウス同族体のKDR及びFLK−1としても知られる)である。各VEGFファミリーメンバーの各受容体の特異性は変化するが、VEGF−Aは、Flt−1及びKDRの両方に結合する。Flt−I及びKDRはいずれも、受容体チロシンキナーゼ(RTK)のファミリーに属する。RTKは、様々な生物学的活性を有する膜透過受容体の大きなファミリーを含む。少なくとも19(19)の別々のRTKサブファミリーが確認されている。受容体チロシンキナーゼ(RTK)ファミリーは、様々な細胞型の成長及び分化にとって重要である受容体を含む(Yarden and Ullrich(1988)Ann.Rev.Biochem.57:433−478;Ullrich and Schlessinger(1990)Cell 61:243−254)。RTKの固有の機能は、配位子結合で活性化され、その結果、受容体及び複数の細胞基質がリン酸化して、次いで様々な細胞反応が生じる(Ullrich & Schlessinger(1990)Cell 61:203−212)。したがって、受容体チロシンキナーゼにより媒介されるシグナル伝達は、特定の成長因子(配位子)との細胞外相互作用によって開始され、通常はそれに次いで、受容体二量体化、固有のタンパク質チロシンキナーゼ活性の刺激及び受容体トランスリン酸化が生じる。これにより、結合部位は、細胞内シグナル伝達分子のために生成され、適切な細胞反応(例えば、細胞***、分化、代謝作用、細胞外微環境の変化)を促進する細胞質シグナリング分子のスペクトルを有する複合体が形成される。Schlessinger and Ullrich(1992)Neuron 9:1−20を参照。構造的に、Flt−1及びKDRの両方は、細胞外ドメイン中の7つの免疫グロブリン様ドメイン、単一膜透過領域、及びキナーゼ挿入ドメインによって分断されているコンセンサスチロシンキナーゼ配列を有する。Matthews et al.(1991)PNAS USA 88:9026−9030;Terman et al.(1991)Oncogene 6:1677−1683。細胞外ドメインは、VEGFの結合に関与しており、細胞内ドメインは、シグナル伝達に関与している。
特異的にVEGFに結合するVEGF受容体分子、またはこれらのフラグメントは、VEGFタンパク質に結合し、VEGFタンパク質を捕捉し、これにより、そのシグナリングを阻止するために本発明の方法に用いることができる。特定の実施形態では、VEGF受容体分子、またはこれらのVEGF結合フラグメントは、可溶性形態、例えば、sFlt−1である。可溶性形態の受容体は、VEGFに結合することによってVEGFタンパク質の生物活性に阻害作用を及ぼし、これにより、それが、標的細胞の表面に存在するその自然受容体へ結合することを阻止する。また、VEGF受容体融合タンパク質が含まれ、その例が以下に記載される。
キメラVEGF受容体タンパク質は、少なくとも2つの異なるタンパク質(そのうちの少なくとも1つが、VEGF受容体タンパク質(例えば、flt−1またはKDR受容体)であり、VEGFに結合し、VEGFの生物活性を抑制することができる)に由来するアミノ酸配列を有する受容体分子である。特定の実施形態では、本発明のキメラVEGF受容体タンパク質は、2つの異なるVEGF受容体分子のみに由来するアミノ酸配列からなる。しかし、flt−1及び/またはKDR受容体の細胞外配位子結合領域からの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ全てのIg様ドメインを含むアミノ酸配列は、他の関連性のないタンパク質、例えば、免疫グロブリン配列からのアミノ酸配列に結合することができる。Ig様ドメインが結合する他のアミノ酸配列は、当業者に直ちに明らかになる。キメラVEGF受容体タンパク質の例としては、例えば、可溶性Flt−1/Fc、KDR/Fc、またはFLt−1/KDR/Fc(VEGF Trapとしても知られる)が挙げられる。(例えば、国際出願公開公報第WO97/44453号を参照)。
本発明の可溶性VEGF受容体タンパク質またはキメラVEGF受容体タンパク質は、膜透過ドメインを介して細胞の表面に固定されないVEGF受容体タンパク質を含む。こうして、キメラ受容体タンパク質を含む可溶性形態のVEGF受容体は、VEGFに結合してVEGFを不活性化することができるが、膜透過ドメインを含まず、したがって、概して、分子が発現する細胞の細胞膜と関連付けられない。
1つの実施形態では、抗体(単数及び複数)、例えば、本明細書の方法に用いられる抗体(単数及び複数)は、以下のセクション1〜6に記載の通り、特徴のいずれかを単独で、または組み合わせて組み入れてよい。
1.抗体フラグメント
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、抗体フラグメントである。抗体フラグメントとしては、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、及びscFvフラグメント、ワンアーム抗体、及び以下に記載した他のフラグメントが挙げられるがこれらに限定されない。特定の抗体フラグメントの検討では、Hudson et al.Nat.Med.9:129−134(2003)を参照されたい。scFvフラグメントの検討では、例えば、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer−Verlag,New York),pp.269−315(1994)、また、WO 93/16185、及び米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号を参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、in vivo半減期が増大しているFab及びF(ab’)2フラグメントの考察では、米国特許第5,869,046号を参照されたい。
二重特異性抗体は、二価または二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体フラグメントである。例えば、EP 404,097;WO 1993/01161;Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003);及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)を参照。三量体及び四量体はまた、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部もしくは一部または軽鎖可変ドメインの全部もしくは一部を含む抗体フラグメントである。特定の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体(Domantis,Inc.,Waltham、MA;例えば、米国特許第6,248,516 B1号を参照)である。
ワンアーム抗体(すなわち、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインが、単一抗原結合アームを形成する)が、例えば、WO2005/063816;Martens et al,Clin Cancer Res(2006),12:6144に開示されている。拮抗的機能を必要とする病的状態の治療では、抗体の二価性により、好ましくないアゴニスト作用が生じる場合、ワンアーム抗体(すなわち、単一抗原結合アームを含む抗体)の一価特性により、抗体が標的分子に結合する時に拮抗的機能が生じるようになる、かつ/またはそれが確実に生じる。さらに、Fc領域を含むワンアーム抗体は、同様の/実質的に同一の抗原結合特性を有するFab形態と比較して薬物動態学的特質に優れ(例えば、半減期が向上する、かつ/またはin vivoでのクリアランス率が低下する)、したがって、従来の一価Fab抗体を使用する際の主な欠点を克服することを特徴とする。ワンアーム抗体を作製する技術としては、「ノブ−イン−ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照)が挙げられるが、これに限定されない。オナルツズマブが、ワンアーム抗体の例である。
抗体フラグメントは、本明細書に記載した通り、インタクト抗体の蛋白分解及び遺伝子組み換え宿主細胞(例えば、大腸菌またはファージ)による生成を含むがそれらに限定されない様々な技術によって生成することができる。
2.キメラ及びヒト化抗体
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))に記載されている。1つの例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、または非ヒト霊長動物、例えば、サルに由来する可変領域)及びヒト不変領域を含む。さらに1つの例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが、親抗体のクラスまたはサブクラスから変化している「クラス変換」抗体である。キメラ抗体は、これらの抗原結合フラグメントを含む。
特定の実施形態では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。通常、非ヒト抗体はヒト化されてヒトに対する免疫原性を低下させるが、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持する。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはこれらの一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはこれらの一部)がヒト抗体配列に由来する1つまたは複数の可変ドメインを含む。ヒト化抗体はまた、任意で、ヒト不変領域の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体のいくつかのFR残基は、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換され、例えば、抗体特異性または親和性を回復させるか、または改善する。
ヒト化抗体及びその作製方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)で検討されており、さらに例えば、Riechmann et al.,Nature332:323−329(1988);Queen et al.,Proc.Nat’lAcad.Sci.USA86:10029−10033(1989);米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、及び同第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods36:25−34(2005)(SDR(a−CDR)グラフティングについて記載している);Padlan,Mol.Immunol.28:489−498(1991)(「表面再建」について記載している);Dall’Acqua et al.,Methods36:43−60(2005)(「FRシャッフリング」について記載している)、及びOsbourn et al.,Methods36:61−68(2005)及びKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252−260(2000)(FRシャッフリングへの「誘導セクション(guided selection)」アプローチについて記載している)に記載されている。
ヒト化に用いてよいヒトフレームワーク領域としては、「最良適合」法(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照)を用いて選択されるフレームワーク領域、軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992)及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照)、ヒト成熟(体細胞性変異)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)を参照,)、及びスクリーニングFRライブラリーに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678−10684(1997)及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611−22618(1996)を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
3.ヒト抗体
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で知られる様々な技術を用いて生成することができる。ヒト抗体は、一般に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368−74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450−459(2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに反応してヒト可変領域でインタクトヒト抗体またはインタクト抗体を生成するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することによって、調製してよい。かかる動物は、通常、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換する、または染色体外に存在する、またはランダムに動物の染色体に統合されるヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含有する。かかるトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、通常不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得る方法の再検討では、Lonberg、Nat.Biotech.23:1117−1125(2005)を参照されたい。また、例えば、XENOMOUSETM技術について記載している米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号、HuMab(登録商標)技術について記載している米国特許第5,770,429号、K−M MOUSE(登録商標)技術について記載している米国特許第7,041,870号、及びVelociMouse(登録商標)技術について記載している米国特許出願公開第US2007/0061900号)を参照。かかる動物によって生成されるインタクト抗体からのヒト可変領域は、例えば、異なるヒト不変領域と結合することによってさらに修飾してよい。
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することができる。ヒト単クローン性抗体の生成のためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が、記載されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(MarcelDekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照)。ヒトB−細胞ハイブリドーマ技術によって生成されるヒト抗体はまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557−3562(2006)に記載されている。さらなる方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からの単クローン性ヒトIgM抗体の生成について記載している)及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265−268(2006)(ヒト−ヒトハイブリドーマについて記載している)に記載されたものが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(Trioma技術)はまた、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927−937(2005)及び Vollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185−91(2005)に記載されている。
ヒト抗体はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成してよい。かかる可変ドメイン配列は、その後、所望のヒト定常ドメインと結合してよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択する技術は以下に記載されている。
4.ライブラリー由来抗体
本発明の抗体は、所望の活性または複数の活性を有する抗体の組み合せライブラリーをスクリーニングすることによって単離してよい。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成して、所望の結合特性を有する抗体のかかるライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が、当技術分野で知られている。かかる方法は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1−37(O’Brien et al.,ed.,Human press,Totowa,NJ,2001)で検討されており、さらに、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−554;Clackson et al.,Nature 352:624−628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1992)、Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161−175(Lo、ed.,Human press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299−310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467−12472(2004)、及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)に記載されている。
特定のファージディスプレイ方法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別々にクローンされ、ファージライブラリーでランダムに組み換えられ、その後、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433−455(1994)に記載された通り、抗原結合ファージをスクリーニングすることができる。ファージは通常、単鎖Fv(scFv)フラグメント、またはFabフラグメントとして抗体フラグメントを提示する。免疫化ソースからのライブラリーは、ハイブリドーマを構成する必要がなく、免疫原に高親和性抗体をもたらす。代わりに、ナイーブレパートリーを(例えば、ヒトから)クローン化して、広範囲の非自己に抗体の単一ソースをもたらすことができ、また、Griffiths et al.,EMBO J,12:725−734(1993)によって記載された通り、免疫処置なしで自己抗原をもたらすことができる。最終的に、ナイーブライブラリーはまた、幹細胞からの非再配列V−遺伝子セグメントをクローン化することによって、かつランダム配列を含有するPCRプライマーを用いて合成的に作製して、Hoogenboom and Winter,J.MolBiol.,227:381−388(1992)によって記載された通り、高可変CDR3領域をコードし、in vitroで再配列することができる。ヒト抗体ファージライブラリーについて記載している特許公開としては、例えば、米国特許第5,750,373号、及び米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が挙げられる。
ヒト抗体ライブラリーから単離される抗体または抗体フラグメントは、本明細書のヒト抗体またはヒト抗体フラグメントと考えられる。
5.多重特異性抗体
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位の結合特異性を有する単クローン性抗体である。特定の実施形態では、結合特異性の一方は、c−metの結合特異性であり、他方は、他の任意の抗原の結合特異性である。特定の実施形態では、二重特異性抗体は、c−metの2つの異なるエピトープに結合してよい。二重特異性抗体はまた、c−metを発現する細胞に対して細胞毒性薬剤を局在化させるために用いてよい。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体フラグメントとして調製することができる。
多重特異性抗体を作製する技術としては、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の遺伝子組み換え共発現(Milstein and Cuello,Nature305:537(1983)、WO93/08829、及びTraunecker et al.,EMBOJ.10:3655(1991)を参照)、及び「ノブ−イン−ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。多重特異性抗体はまた、抗体Fc−ヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果を操作すること(WO2009/089004A1)、2つ以上の抗体またはフラグメントを架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照)、ロイシンジッパーを用いて二重特異性抗体を生成すること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)を参照)、二重特異性抗体フラグメントを作製するための「二重特異性抗体」技術を用いること(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)を参照)、かつ単鎖Fv(sFv)ニ量体を使用すること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照)、かつ、例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載された通り、三重特異性抗体を調製することによって作製してよい。
また、「オクトパス抗体」を含む3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体もまた、本明細書に含まれる(例えば、US2006/0025576A1を参照)。
本明細書の抗体またはフラグメントはまた、c−met及び別の異なる抗原、例えば、EGFR(例えば、US2008/0069820を参照)に結合する抗原結合部位を含む「二重作用FAb」すなわち「DAF」を含む。
6.抗体変異体
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体のアミノ酸配列変異体が、検討されている。例えば、抗体の結合親和性及び/または他の生物学的特性を改善することが好ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列に好適な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって調製してよい。かかる修飾としては、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基の欠失及び/または残基への挿入及び/または残基の置換が挙げられる。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせを作製して最終構成に達することができるが、但し、最終構成が所望の特性、例えば、抗原結合を有することを条件とする。
特定の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換型突然変異誘発の対象の部位としては、HVR及びFRが挙げられる。対象の抗体にアミノ酸置換を導入してよく、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下、またはADCCまたはCDCの改善のために生成物をスクリーニングしてよい。
置換型変異体の1つの型は、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基の置換に関与する。一般に、さらに試験するために選択された得られた変異体(単数及び複数)は、親抗体と相対的な特定の生物学的特性の修飾(例えば、改善)(例えば、親和性の増大、免疫原性の低下)を有する、かつ/または親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持している。例示的置換型変異体は、例えば、ファージディスプレイに基づく親和性成熟技術、例えば、本明細書に記載したものを用いて、好都合に生成することができる親和性成熟抗体である。簡潔にいうと、1つまたは複数のHVR残基が変異して、変異体抗体は、ファージ上に提示され、特定の生物活性(例えば、結合親和性)がスクリーニングされる。
アミノ酸配列挿入は、長さが1つの残基から100以上の残基を含有するポリペプチドに及ぶアミノ末端融合及び/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例としては、N−末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入型変異体としては、抗体のN−末端またはC−末端の、酵素(例えば、ADEPT用)または抗体の血清半減期を増大させるポリペプチドへの融合が挙げられる。
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増大または低下させるように変化する。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1つまたは複数のグリコシル化部位が生成または除去されるようにアミノ酸配列を変化させることによって好都合に実施してよい。
抗体がFc領域を含む場合、それに結合される糖を変化させてよい。哺乳動物細胞によって生成される天然抗体は一般に、Fc領域のCH2ドメインのAsn297へのN−結合によって通常結合する分枝二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al. TIBTECH 15:26−32(1997)を参照。オリゴ糖は、様々な糖、例えば、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「幹」中のGlcNAcに結合するフコースを含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の抗体中のオリゴ糖の修飾は、特定の特性が改善された抗体変異体を生成するように行ってよい。
1つの実施形態では、Fc領域に(直接的にまたは間接的に)結合するするフコースを欠く糖構造を有する抗体変異体が提供される。例えば、かかる抗体中のフコースの量は、1%〜80%、1%〜65%、5%〜65%または20%〜40%であってよい。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に記載された通り、MALDI−TOF質量分析法によって測定された、Asn297に結合する全糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド及び高マンノース構造)の合計と比較して、Asn297で糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって、測定される。Asn297は、Fc領域中の位置297周辺に位置するアスパラギン残基を指す(Fc領域残基のEUナンバリング)。しかし、Asn297は、また、抗体中のわずかな配列変異により、位置297の±3アミノ酸上流または下流周辺、すなわち、位置294と300との間位置してよい。かかるフコシル化変異体のADCC機能は改善されている。例えば、米国特許公開第US2003/0157108号(Presta,L.)、US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照。「非フコシル化」または「フコース欠損」抗体変異体に関連した公開の例としては、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239−1249(2004)、Yamane−Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。非フコシル化抗体を生成することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化におけるLec13CHO細胞欠損(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533−545(1986)、米国特許出願第US2003/0157108A1号,Presta,L、及びWO2004/056312A1,Adams et al.,特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、例えば、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane−Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda、Y. et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680−688(2006)、及びWO2003/085107を参照)が挙げられる。
さらに、例えば、抗体のFc領域に結合する二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分される二分オリゴ糖を有する抗体変異体が提供される。かかる抗体変異体は、フコシル化を低下させ、かつ/またはADCC機能を改善させてしてよい。かかる抗体変異体の例は、例えば、WO2003/011878(Jean−Mairet et al.)、米国特許第6,602,684号(Umana et al.)、及びUS2005/0123546(Umana et al.)に記載されている。また、Fc領域に結合するオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体変異体が提供される。かかる抗体変異体は、CDC機能を改善してよい。かかる抗体変異体は、例えば、WO1997/30087(Patel et al.)、WO1998/58964(Raju,S.)、及びWO1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体のFc領域に1つまたは複数のアミノ酸修飾を導入し、これにより、Fc領域変異体を生成してよい。Fc領域変異体は、1つまたは複数のアミノ酸位置でのアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域)を含んでよい。
特定の実施形態では、本発明は、いくつかのエフェクター機能を有するが、エフェクター機能の全てを有するわけではない抗体変異体について検討し、これによって、抗体変異体は、in vivoでの抗体の半減期が重要であるが、特定のエフェクター機能(例えば、補体及びADCC)は、不要または有害である適用に対する好ましい候補となる。
エフェクター機能が低下した抗体は、1つまたは複数のFc領域残基238、265、269、270、297、327及び329が置換されているものを含む(米国特許第6,737,056号)。かかるFc変異体は、2つ以上のアミノ酸位置265、269、270、297及び327で置換されているFc変異体を含み、これは、残基265及び297がアラニンに置換されるいわゆる「DANA」Fc変異体(米国特許第7,332,581号)を含む
FcRへの結合が改善または低下した特定の抗体変異体が記載されている(例えば、米国特許第6,737,056号、WO2004/056312、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)を参照)。
特定の実施形態では、抗体変異体は、ADCCを改善する1つまたは複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/または334(残基のEUナンバリング)での置換を有するFc領域を含む。
いくつかの実施形態では、Fc領域で変化が行われ、その結果、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178−4184(2000)に記載された通り、C1q結合及び/または補体依存性細胞障害(CDC)が変化(すなわち、改善または低下)する。
半減期が増大し、新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善した抗体は、母親のIgGの胎児への輸送を担い(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))、US2005/0014934A1(Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を改善する1つまたは複数の置換をその中に有するFc領域を含む。かかるFc変異体としては、1つまたは複数のFc領域残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434で置換されているもの、例えば、Fc領域残基434の置換が挙げられる(米国特許第7、371、826号)。
また、Duncan&Winter,Nature322:738−40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、及びFc領域変異体の他の例に関するWO94/29351も参照されたい。
特定の実施形態では、抗体の1つまたは複数の残基がシステイン残基で置換される、システイン操作抗体、例えば、「thioMAbs」を生成することが好ましい場合がある。特定の実施形態では、置換残基は、抗体の到達可能部位で生じる。システインでこれらの残基を置換することによって、反応性チオール基はこれにより、抗体の到達可能部位に位置する。さらに本明細書に記載した通り、反応性チオール基を用いて、抗体を他の部分、例えば、薬剤部分またはリンカー−薬剤部分に結合させ、イムノコンジュゲートを生成してよい。特定の実施形態では、以下の残基のうち1つまたは複数をシステインで置換してよい:軽鎖のV205(Kabatナンバリング)、重鎖のA118(EUナンバリング)、及び重鎖Fc領域のS400(EUナンバリング)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載される通りに、生成してよい。
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、当技術分野で知られている容易に入手可能な追加の非タンパク質部分を含有するようにさらに修飾してよい。抗体の誘導体化に好適な部分は、水溶性ポリマーを含むがこれらに限定されない。水溶性ポリマーの非限定例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マイレン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマー)、及びデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリルプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中のその安定性のため、製造での利点がある可能性がある。ポリマーは任意の分子量のものでよく、分枝または非分枝であってよい。抗体に結合するポリマーの数は変化させてよく、1つまたは複数のポリマーが結合する場合、それらは、同じまたは異なる分子であってよい。一般に、誘導体化に用いられるポリマーの数及び/または型は、改善される抗体の特定の特性、または機能、抗体誘導体が規定された条件下での治療に用いられるかどうか等を含むが、これらに限定されない考察に基づいて決定することができる。
別の実施形態では、放射線への暴露によって選択的に加熱してよい抗体及び非タンパク質部分のコンジュゲートが提供される。1つの実施形態では、非タンパク質部分はカーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA102:11600−11605(2005))。放射線は、任意の波長のものであってよい。放射線として、通常の細胞を害さないが、抗体−非タンパク質部分に近位にある細胞が死滅する温度まで非タンパク質部分を加熱する波長が挙げられるが、これに限定されない。
1つの実施形態では、薬剤は、1つまたは複数の細胞毒性薬剤、例えば、化学療法薬もしくは薬剤、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、もしくは動物由来の酵素的活性毒素、またはこれらのフラグメント)、または放射性同位体に結合する抗体(例えば、c−met抗体)を含むイムノコンジュゲートである。
1つの実施形態では、イムノコンジュゲートは、抗体が、マイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、同第5,416,064号、及び欧州特許EP0425235B1を参照)、オーリスタチン、例えば、モノメチルオーリスタチン薬剤部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)(米国特許第5,635,483号及び同第5,780,588号、ならびに同第7,498,298号を参照)、ドラスタチン、カリケアミシンまたはこれらの誘導体(米国特許第5,712,374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,285号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,001号、及び同第5,877,296号、Hinman et al.,Cancer Res.53:3336−3342(1993)、ならびにLode et al.,Cancer Res.58:2925−2928(1998)を参照)、アントラサイクリン、例えば、ダウノマイシンまたはドキソルビシン(Kratz et al.,CurrentMed.Chem.13:477−523(2006)、Jeffrey et al.,Bioorganic&Med.Chem.Letters16:358−362(2006)、Torgov et al.,Bioconj.Chem.16:717−721(2005)、Nagy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA97:829−834(2000)、Dubowchik et al.,Bioorg.&Med.Chem.Letters12:1529−1532(2002)、King et al.,J.Med.Chem.45:4336−4343(2002)、及び米国特許第6,630,579号を参照)、メトトレキセート;ビンデシン、タキサン、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセル、トリコテセン、ならびにCC1065を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の薬剤に結合する、抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)である。
別の実施形態では、イムノコンジュゲートは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、(緑膿菌からの)菌体外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、シナアブラギリタンパク質、ジアンチンタンパク質、洋種ヤマゴボウタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、ツルレイシ阻害剤、クルシン、クロチン、サポアオナリアオフィシナリス阻害剤、ゲロニン、マイトジェリン、レストリクトシン、フェノマイシン、ネオマイシン(enomycin)、及びトリコテセンを含むが、これらに限定されない酵素的活性毒素またはこれらのフラグメントに結合する本明細書に記載の抗体を含む。
別の実施形態では、イムノコンジュゲートは、放射性原子に結合して放射性コンジュゲートを形成する本明細書に記載の抗体を含む。放射性コンジュゲートの生成のための様々な放射性同位体が入手可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体が挙げられる。放射性コンジュゲートは、検出に用いられる場合、シンチグラフィー検査のための放射性原子、例えば、tc99mもしくはI123、または核磁気共鳴(NMR)イメージング(磁気共鳴イメージング、mriとしても知られる)のためのスピンラベル、例えば、この場合も、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガトリニウム、マンガンもしくは鉄を含んでよい。
抗体及び細胞毒性薬剤のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質結合薬剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジプイミド酸HCl)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トルエン2,6−ジイソシアネート)、及びビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)を用いて作製してよい。例えば、リシン免役毒素は、Vitetta et al.,Science238:1098(1987)に記載された通りに調製することができる。炭素−14−標識1−イソチオシアネートベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への結合のための例示的キレート薬剤である。WO94/11026を参照。リンカーは、細胞中の細胞毒性薬剤の放出を促進する「開裂可能リンカー」としてよい。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、光分解性リンカー、ジメチルリンカー、またはジスルフィド含有リンカー(Chari et al.,Cancer Res.52:127−131(1992)、米国特許第5,208,020)を用いてよい。
イムノコンジュゲートまたはADCは、本明細書では、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、及びスルホ−SMPB、及びSVSB(スクシンイミジル−(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)(例えば、Pierce Biotechnology,Inc.,Rockford、IL.,U.S.Aから市販されている)を含むがこれらに限定されない架橋試薬で調製されたコンジュゲートを明確に検討する。
結合アッセイ及び他のアッセイ
1つの態様では、抗体の抗原結合活性は、例えば、公知の方法、例えば、ELISA、ウェスタンブロット等によって試験される。
別の態様では、ヒトc−metへの結合のために、アミノ酸配列の配列番号1を含むHVR−L1、アミノ酸配の列配列番号2を含むHVR−L2、アミノ酸配列の配列番号3を含むHVR−L3、アミノ酸配列の配列番号4を含むHVR−H1、アミノ酸配列の配列番号5を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列の配列番号6を含むHVR−H3、ならびに/または配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列を含む抗c−met抗体を含む、抗c−met抗体と競合する抗体を特定するために、競合アッセイを用いてよい。いくつかの実施形態では、ヒトc−metへの結合のためにオナルツズマブと競合する抗体を特定するために、競合アッセイを用いてよい。
拮抗剤(例えば、抗体)が結合するエピトープをマッピングするための例示的方法が、当技術分野でよく知られている。例えば、Merchant,M. et al,PNAS(2013)110(32)、E2987−E2996、及びMorris(1996)“Epitope Mapping Protocols”in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana press,Totowa,NJ)を参照。例えば、結合部位(単数及び複数)上のアミノ酸残基(単数及び複数)が変化している場合、薬剤の、ヒトc−metまたはこれらのフラグメントに結合する能力及びc−metまたはこれらのフラグメントの変化した形態に結合する能力の両方をスクリーニングすることができる。c−met拮抗剤は、変化形態のc−metへのその結合が、ヒトc−metまたはこれらのフラグメントと比較して低下している(例えば、有意に低下)場合、ヒトc−metまたはこれらのフラグメントに結合するように決定される。変化形態のc−metまたはこれらのフラグメントの結合アッセイは、例えば、ハイスループットスクリーニングに関連する対のスクリーニングとして、ヒトc−metまたはこれらのフラグメントの結合アッセイと同時に実施することができる。代わりに、変化形態のc−metの結合アッセイは、薬剤が既にヒトc−metまたはこれらのフラグメントに結合しているのを特定/確認した後に、実施することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、a)c−met拮抗剤(例えば、c−met抗体)のヒトc−metまたはこれらのフラグメントへの結合と、b)c−met拮抗剤の、Q328、R331、L337、及びN338の少なくとも1つのアミノ酸残基(例えば、少なくとも2つ、3つ、または4つのアミノ酸残基を含む)の変化を含む変化形態のc−metまたはこれらのフラグメントへの結合とを比較することを含み、変化した形態に対してヒトc−metまたはこれらのフラグメントへのより大きな結合親和性を示すc−met拮抗剤が、変化形態に変化しているかかるアミノ酸残基を含むヒトc−met上の結合部位に選択的に結合するc−met拮抗剤として選択される。
III.診断方法
1つの態様では、本発明は、例えば、c−met拮抗剤による治療に反応しやすい癌患者を特定するための診断方法を提供する。いくつかの実施形態では、c−met拮抗剤は抗c−met抗体である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体はオナルツズマブである。
c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすいグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療により反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療に反応しやすい肝細胞癌患者(例えば、腎細胞癌の治療歴)を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
1つの態様では、本発明は、例えば、c−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)による治療に反応しやすい癌患者を特定するための診断方法を提供する。
(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすいグリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療に反応しやすい肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者を特定する方法が提供され、当該方法は、(i)該患者からの試料中でHGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ)を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療にさらに反応しやすい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む癌の患者を診断することと、を含む癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む癌を有する患者を診断することと、を含む癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含むグリオブラストーマを有する患者を診断することと、を含むグリオブラストーマ診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含むグリオブラストーマを有する患者を診断することと、を含むグリオブラストーマ診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む中皮腫を有する患者を診断することと、を含む中皮腫診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む中皮腫を有する患者を診断することと、を含む中皮腫診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む胃癌を有する患者を診断することと、を含む胃癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法がさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む胃癌を有する患者を診断することと、を含む胃癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む腎細胞癌を有する患者を診断することと、を含む腎細胞癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む腎細胞癌を有する患者を診断することと、を含む腎細胞癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む肝細胞癌を有する患者を診断することと、を含む肝細胞癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択すること、またはc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、高HGFバイオマーカーを含む肝細胞癌を有する患者を診断することと、を含む肝細胞癌診断を提供する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を選択すること、または(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む治療を患者に推奨することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)(a)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及び(b)抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤(任意でc−met拮抗剤及とVEGF拮抗剤とを組み合わせて)による治療を推奨することと、を含む患者に治療を推奨する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本治療は、VEGF拮抗剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤(任意でc−met拮抗剤とVEGF拮抗剤とを組み合わせて)による治療を推奨することと、を含むグリオブラストーマ患者に治療を推奨する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本治療は、VEGF拮抗剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤(任意でc−met拮抗剤とVEGF拮抗剤とを組み合わせて)による治療を推奨することと、を含む中皮腫患者に治療を推奨する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせた−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本治療は、VEGF拮抗剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤(任意でc−met拮抗剤とVEGF拮抗剤とを組み合わせて)による治療を推奨することと、を含む胃癌患者に治療を推奨する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本治療は、VEGF拮抗剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤(任意でc−met拮抗剤とVEGF拮抗剤とを組み合わせて)による治療を推奨することと、を含む腎細胞癌患者に治療を推奨する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本治療は、VEGF拮抗剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。
(i)患者からの試料中でHGFバイオマーカー(例えば、HGFのレベルまたは存在または欠如または発生率(例えば、HGFのmRNAを発現する細胞のパーセンテージ))を測定することと、(ii)該試料が高HGFバイオマーカー発現を有する場合、c−met拮抗剤(任意でc−met拮抗剤とVEGF拮抗剤とを組み合わせて)による治療を推奨することと、を含む肝細胞癌患者に治療を推奨する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iii)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療を選択することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(iv)c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む治療で患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本治療は、任意で第2の癌薬剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本治療は、VEGF拮抗剤と組み合わせたc−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、in vitro法である。
本明細書に提供される本発明のいずれかのいくつかの実施形態では、試料は、c−met拮抗剤による治療前に得られる。本明細書に提供される本発明のいずれかのいくつかの実施形態では、試料は、VEGF拮抗剤による治療前に得られる。本明細書に提供される本発明のいずれかのいくつかの実施形態では、試料は、c−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料は、癌薬剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料は、癌の転移後に得られる。いくつかの実施形態では、試料は、ホルマリン固定及びパラフィン包埋(FFPE)ものである。いくつかの実施形態では、(例えば、ISHまたはPCRを用いて)第1の試料の、HGF発現について試験される。いくつかの実施形態では、試料は、生検(例えば、コア生検)、摘出標本(例えば、外科的切除からの標本)、または微細針吸引のものである。
患者からの試料の、1つまたは複数の本明細書のバイオマーカーの発現について試験される。組織または細胞試料のソースは、新鮮な凍結かつ/もしくは保存された臓器もしくは組織試料または生検または吸引(微細針吸引を含むが、これに限定されない)からの固体組織、血液または任意の血液成分、体液、例えば、脳脊髄液、羊水、腹膜液、気管支洗浄、胸膜腔内液、痰、または組織間液、被験者の妊娠または発育期間中の細胞としてよい。組織試料は、本来は組織に全く混在していない化合物、例えば、防腐剤、抗血液凝固剤、緩衝剤、固定剤、栄養剤、抗生物質等を含有してよい。本明細書の腫瘍試料の例としては、腫瘍生検、腫瘍細胞、血清、血しょう、循環血しょうタンパク質、腹水、腫瘍に由来するまたは腫瘍様特性を示している初代細胞培養または細胞株、気管支洗浄、胸膜腔内液、痰、脳脊髄液、尿、及び保存腫瘍試料、例えば、ホルマリン固定、パラフィン包埋腫瘍試料腫瘍試料(ホルマリン固定パラフィン包埋微細針吸引試料を含むがこれに限定されない)または凍結腫瘍試料が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、患者試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料(例えば、グリオブラストーマ腫瘍試料、中皮腫腫瘍試料、または胃癌腫瘍試料)である。1つの実施形態では、患者試料は、生検(例えば、針生検)である。1つの実施形態では、患者試料は、微細針吸引からのホルマリン固定パラフィン包埋試料である。1つの実施形態では、試料は、コア生検(例えば、グリオブラストーマコア生検、中皮腫コア生検、胃癌コア生検、または腎細胞癌コア生検)からのFFPE腫瘍試料である。1つの実施形態では、患者試料は、外科的切除試料である。試料は、癌薬剤(例えば、抗c−met拮抗剤)による患者の治療の前または間に得ることができる。試料は、癌薬剤による患者の前治療の前または間に得ることができる。試料は、原発腫瘍または転移性腫瘍から得ることができる。試料は、最初に癌と診断された時に、または、例えば、腫瘍が転移した後に得ることができる。腫瘍試料は、癌細胞、リンパ球、白血球、ストローマ、血管、結合組織、基底層、及び腫瘍と関連する他の任意の細胞型を含んでよい。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、肺、リンパ節、胃、肝臓、脳、または腎臓のものである。いくつかの実施形態では、腫瘍をマクロ解剖して、例えば、グリオブラストーマ腫瘍試料から形態学的に正常な脳組織を除去する。いくつかの実施形態では、マクロ解剖されたグリオブラストーマ腫瘍試料は、良性ストローマ細胞(例えば、反応性アストロサイト、グリア細胞、ペリサイト及び/または内皮細胞)を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍をマクロ解剖して、例えば、中皮腫腫瘍試料から形態学的に正常な中皮組織を除去する。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された中皮腫腫瘍試料は、良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍をマクロ解剖して、例えば、胃癌腫瘍試料から形態学的に正常な胃組織を除去する。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された胃癌腫瘍試料は、良性ストローマ細胞(例えば、繊維芽細胞、マクロファージ、及び/または内皮細胞)を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍をマクロ解剖して、例えば、腎細胞癌腫瘍試料から形態学的に正常な腎組織を除去する。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された腎細胞癌腫瘍試料は、良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍をマクロ解剖して、例えば、肝細胞癌腫瘍試料から形態学的に正常な肝組織を除去する。いくつかの実施形態では、マクロ解剖された肝細胞癌腫瘍試料は、良性ストローマ細胞を含む。
HGFのmRNA発現を提示する癌または生体試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。HGFのmRNA発現を提示するグリオブラストーマ試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、グリオブラストーマ試料は、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。HGFのmRNA発現を提示する中皮腫試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、中皮腫試料は、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。HGFのmRNA発現を提示する胃癌試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、胃癌試料は、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。HGFのmRNA発現を提示する腎細胞癌試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、腎細胞癌試料は、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。HGFのmRNA発現を提示する肝細胞癌試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、肝細胞癌試料は、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。HGFのmRNA発現を提示する肉腫試料は、診断試験で、HGFのmRNAを発現する(過剰発現を含む)ものである。いくつかの実施形態では、肉腫試料は、腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。
c−met増幅を提示する癌または生体試料は、診断試験で、c−met遺伝子を増幅したものである。いくつかの実施形態では、c−met遺伝子の増幅は、(細胞の集団の)平均4個以上のc−met遺伝子のコピー、5個以上のc−met遺伝子のコピー、または平均8個以上のc−met遺伝子のコピー、またはそれ以上、例えば、10個以上、12個以上、15個以上、もしくは20個以上のc−met遺伝子のコピーである。
mRNA、タンパク質、または遺伝子増幅の発現を測定するための様々な方法としては、遺伝子発現プロファイリング、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素定量的PCR(rt−qPCR)、RNA−Seq、FISH、CISH、マイクロアレイ分析、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、MassARRAY、プロテオミクス、免疫組織化学(IHC)、ノーザン及びサザンブロット分析、in situハイブリダイゼーション(例えば、単一またはマルチプレックス核酸in situハイブリダイゼーション技術、例えば、Advanced Cell DiagnosticのRNAscope技術)、RNAseロテクションアッセイ、及びマイクロアレイ(例えば、Illumina BeadArray(商標)技術、遺伝子発現の検出用ビーズアレイ(BADGE))が挙げられるが、これらに限定されない。バイオマーカーはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイ、例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、及び逆転写酵素定量的PCR(rt−qPCR)によって測定してよい。他の増幅に基づく方法としては、例えば、転写媒介増幅(TMA)、ストランド置換増幅(SDA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、及びシグナル増幅法、例えば、bDNAが挙げられる。核酸バイオマーカーは、また、例えば、NanoString nCounter、及び高カバー率遺伝子発現解析法(high coverage expression profiling)(HiCEP)によって測定してよい。増幅された核酸配列の分析は、様々な技術、例えば、マイクロチップ、蛍光偏光アッセイ、シークエンシング、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析法を用いて実施することができる。いくつかの実施形態では、増幅された核酸は、シークエンシングによって分析される。いくつかの実施形態では、核酸発現は、測定される、かつ/または定量化される。いくつかの実施形態では、タンパク質発現は、測定される、かつ/または定量化される。
さらに詳細にバイオマーカー発現を測定するための様々な例示的方法について記載する。
PCRアッセイは、当技術分野で知られており、PCRアッセイとして、リアルタイムPCR(RT−PCR)アッセイ、例えば、逆転写酵素定量的PCR(rt−qPCR)を含む定量的PCRアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。定量的PCRアッセイを実施するためのプラットフォームとしては、Fluidigm(例えば、BioMark(商標)HDシステム)、Roche Molecular System(例えば、cobas4800システム)が挙げられる。
1つの実施形態では、HGF核酸(例えば、HGFのmRNA)は、(a)少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写によって試料からcDNAを生成することと、(b)cDNAを増幅することと、(c)増幅されたcDNAの存在を検出することと、を含む方法を用いて検出される。また、かかる方法は、試料中のmRNAのレベルを測定することができる1つまたは複数のステップ(例えば、遺伝子、例えば、アクチンファミリーメンバー等のハウスキーピング遺伝子の比較対照mRNA配列のレベルを同時にまたは別々に検討することによって)を含むことができる。任意で、増幅されたcDNAの配列を測定することができる。
いくつかの実施形態では、HGF核酸(例えば、HGFのmRNA)は、(a)患者の癌試料(例えば、FFPE固定患者の癌試料)から抽出した核酸(例えば、mRNA)上でPCRを実施することと、(b)試料中の核酸の発現を測定することと、を含む方法を用いて検出される。
核酸レベルでは、バイオマーカーは、電気泳動、ノーザン及びサザンブロット分析、in situハイブリダイゼーション(例えば、単一またはマルチプレックス核酸in situハイブリダイゼーション)、RNAseプロテクションアッセイ、ならびにマイクロアレイ(例えば、Illumina BeadArray(商標)技術、遺伝子発現の検出用ビーズアレイ(BADGE))によって測定してよい。バイオマーカーはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイ、例えば、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)、及び逆転写酵素定量的PCR(rt−qPCR)によって測定してよい。他の増幅に基づく方法としては、例えば、転写媒介増幅(TMA)、ストランド置換増幅(SDA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、及びシグナル増幅法、例えば、bDNAが挙げられる。核酸バイオマーカーはまた、シークエンシングに基づく技術、例えば、例えば、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、RNA−Seq、及びハイスループットシークエンシング技術(例えば、大規模並列シークエンシング(massively parallel sequencing))、及びSequenom MassARRAY(登録商標)技術によって測定してよい。核酸バイオマーカーはまた、例えば、NanoString nCounter、及び高カバー率遺伝子発現解析法(HiCEP)によって測定してよい。
上記技術のうち、感度が高く適応性のある定量的方法は、rt−qPCRであり、これは、異なる試料集団内の、正常組織及び腫瘍組織中で、薬剤治療ありで、または薬剤治療なしで、mRNAレベルを比較するために、遺伝子発現のパターンを特徴付けるために、密に関係したmRNAの違いを区別するために、かつRNA構造を分析するために用いることができる。
第1のステップは、標的試料からのmRNAの単離である。出発材料は通常、ヒト腫瘍または腫瘍細胞株、及び対応する正常組織または細胞株からそれぞれ単離された全RNAである。したがって、RNAは、***、肺、結腸、前立腺、脳、肝臓、腎臓、脾臓、胃、胆嚢、脾臓、胸腺、精巣、卵巣、子宮等を含む様々な原発腫瘍、対応する正常組織、または腫瘍細胞株から単離することができる。mRNAのソースが原発腫瘍である場合、mRNAは、例えば、凍結または保管パラフィン包埋及び固定(例えば、ホルマリン固定)組織試料から抽出することができる。mRNA抽出の一般的な方法は、当技術分野でよく知られており、Ausubel et al.,Current Protocols of Molecular Biology,John Wiley and Sons(1997)を含む分子生物学の標準的な教科書に開示されている。パラフィン包埋組織からのRNA抽出の方法は、例えば、Rupp and Locker,Lab Invest.56:A67(1987)、及びDe Andres et al.,Bio Techniques18:42044(1995)に開示されている。特に、商業製造業者、例えば、Qiagenからの精製キット、緩衝液セット及びプロテアーゼを用いて、製造者の指示書に従ってRNA単離を実施することができる。例えば、培養中の細胞からの全RNAは、Qiagen RNeasyミニカラムを用いて単離することができる。他の市販されているRNA単離キットとしては、MASTERPURE(登録商標)完全DNA及びRNA精製キット(EPICENTRE(登録商標),Madison,Wis.)、ならびにパラフィンブロックRNA単離キット(Ambion,Inc.)が挙げられる。組織試料からの全RNAは、RNA Stat−60(TelTest)を用いて単離することができる。腫瘍から調製したRNAは、例えば、塩化セシウム密度勾配遠心分離によって単離することができる。
RNAが、PCRのテンプレートとして役割を果たすことができない場合、PCRによる遺伝子発現プロファイリングの第1のステップは、RNAテンプレートのcDNAへの逆転写であり、次いで、PCR反応中のその指数増幅である。2つの最もよく用いられる逆転写酵素は、トリ(avilo)骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素(AMY−RT)及びモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV−RT)である。逆転写ステップは通常、環境及び発現プロファイリングの目的に応じて、特異的プライマー、ランダム六量体、またはオリゴ−dTプライマーを用いて刺激される。例えば、抽出されたRNAは、GENEAMP(商標)RNA PCRキット(Perkin Elmer,Calif.,USA)を用いて、製造者の指示書に従って逆転写することができる。誘導cDNAはその後、後続のPCR反応のテンプレートとして用いることができる。PCRステップは、様々な熱安定性DNA依存性DNAポリメラーゼを使用することができるが、通常、5’−3’ヌクレアーゼ活性を有するが、3’−5’プルーフリーディングエンドヌクレアーゼ活性を欠くTaq DNAポリメラーゼを用いる。したがって、TAQMAN(登録商標)PCRは通常、TaqまたはTthポリメラーゼの5’−ヌクレアーゼ活性を利用して、その標的アンプリコンに結合したハイブリダイゼーションプローブを加水分解するが、同等の5’ヌクレアーゼ活性を有する任意の酵素を用いることができる。2つのオリゴヌクレオチドプライマーが、PCR反応に特有のアンプリコンを生成するために用いられる。第3のオリゴヌクレオチド、またはプローブが、2つのPCRプライマーの間に位置するヌクレオチド配列を検出するために設計される。プローブは、Taq DNAポリメラーゼ酵素により非延伸性であり、レポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素で標識される。2つの色素が、プローブ上にあるため密接して位置する場合、レポーター色素からの任意のレーザー誘起発光は、クエンチング色素によってクエンチされる。増幅反応中に、Taq DNAポリメラーゼ酵素は、テンプレート依存的にプローブを切断する。結果として生じるプローブフラグメントが溶液中で解離し、放出されたレポーター色素からのシグナルには、第2の蛍光団のクエンチング作用がない。レポーター色素の1つの分子が、新しい各合成分子のために遊離し、クエンチされないレポーター色素の検出により、データの定量的解釈の根拠が提供される。
TAQMAN(登録商標)PCRは、市販されている装置、例えば、ABIPRISM7700(登録商標)配列検出システム(登録商標)(Perkin−Elmer−Applied Biosystems,FosterCity,Calif.,USA)、またはLightcycler(Roche Molecular Biochemicals,Mannheim,Germany)を用いて実施することができる。1つの実施形態では、5’ヌクレアーゼ法が、リアルタイム定量的PCRデバイス、例えば、ABIPRISM7700(登録商標)配列検出システムで実施される。当該システムは、サーモサイクラー、レーザー、電荷結合デバイス(CCD)、カメラ、及びコンピュータからなる。当該システムは、サーモサイクラー上で、96ウェルフォーマット中の試料を増幅させる。増幅中、レーザー−誘起蛍光シグナルが、全96ウェルに光ファイバーケーブルを介してリアルタイムで収集され、CCDで検出される。当該システムは、装置を起動するための、かつデータを分析するためのソフトウエアを含む。
5’−ヌクレアーゼアッセイデータは、最初にCt、または閾値サイクルとして表される。蛍光値は、全てのサイクル中に記録され、増幅反応でそのポイントに増幅された生成物の量を示す。蛍光シグナルが統計学的に有意なものとして最初に記録される時のポイントが、閾値サイクル(Ct)である。
エラー及び試料ごとの変化の作用を最小化するために、PCRは通常、異なる組織の中で一定のレベルで表される内部標準を用いて実施され、実験的治療による影響を受けない。遺伝子発現のパターンを標準化するために最も高い頻度で用いられるRNAは、ハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)及びβ−アクチンのmRNAである。
PCR技術のより最新の変化形態は、両末端修飾蛍光プローブ(すなわち、TAQMAN(登録商標)プローブ)によってPCR生成物蓄積を測定する定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)である。定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応の技術は、PCR生成物の量がPCR反応の各ステップで測定されるPCRの形態を指す。この技術は、Cronin et al.,Am.J.Pathol.164(1):35−42(2004)、及びMa et al.,CancerCell5:607−616(2004)を含む様々な文献に記載されている。各標的配列の内部競争種が標準化に用いられる場合、リアルタイムPCRは、定量競合的PCR、及び試料内に含有させた標準化遺伝子またはPCRのためのハウスキーピング遺伝子を用いる定量的比較PCRの両方と適合する。さらに詳細について、例えば、Held et al.,GenomeResearch6:986−994(1996)を参照。「逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(rt−qPCR)」の技術は、増幅される核酸が、最初にcDNAに逆転写され、PCR生成物の量が、PCR反応の各ステップで測定されるRNAであるPCRの形態である。
RNAソースとして固定パラフィン包埋組織を用いるプロファイリング遺伝子発現の代表的なプロトコールのステップは、mRNA単離、精製、プライマー伸長、及び増幅を含むが、公開されている様々な学術論文(例えば:Godfrey et al.,J.Malec.Diagnostics2:84−91(2000)、Specht et al.,Am.J.Pathol.158:419−29(2001))に示されている。簡潔にいうと、代表的なプロセスは、パラフィン包埋腫瘍組織試料の約10ミクログラムの厚さのセクションを切断することから開始される。その後、RNAを抽出し、タンパク質及びDNAを除去する。RNA濃度の分析後に、必要に応じて、RNA修復及び/または増幅ステップを含んでよく、遺伝子特異的プロモーターを用いてRNAを逆転写し、続いて、PCRを行う。
本発明の1つの態様に従って、PCRプライマー及びプローブは、増幅される遺伝子中に存在するイントロン配列に基づいて設計される。この実施形態では、プライマー/プローブ設計の第1のステップは、遺伝子内のイントロン配列の設計である。これは、公的に入手可能なソフトウエア、例えば、Kent,W.,Genome Res.12(4):656−64(2002)によって開発されたDNA BLATソフトウエア、またはBLASTソフトウエア(その変更形態を含む)によって行うことができる。後続のステップでは、PCRプライマー及びプローブ設計の十分に確立された方法が続く。
それゆえに、1つの実施形態では、HGFバイオマーカーは、(a)標的核酸を含む、または含む疑いのある試料を提供することと、(b)該試料からmRNAを単離することと、(c)該試料からmRNAを精製することと、(d)RNAのcDNAへの逆転写を実施することと、(e)該標的核酸cDNAにハイブリダイズすることができる2つのPCRプローブの少なくとも1つのセットを提供することと、(f)2つのPCRプローブ間の該標的核酸にハイブリダイズように設計された第3のプローブ(第3のプローブは、Taq−DNAポリメラーゼにより非延伸性であり、レポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素で標識される)を提供することと、(g)PCRを用いて該標的核酸のcDNAを増幅することと、(h)クエンチされないレポーター色素の量を検出することによって該試料中の該標的核酸の量を定量化することと、(i)内部標準の発現レベルと該試料中の該標的核酸の量とを比較することと、を含む方法を用いて測定してよい。
1つの実施形態では、HGFバイオマーカーは、(a)HGF核酸を含むまたは含む疑いのある試料(当該試料は、パラフィン包埋、ホルマリン固定組織試料(例えば、パラフィン包埋、ホルマリン固定グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫組織試料)を含む)を提供することと、(b)該試料からHGFのmRNAを単離することと、(c)該試料からHGFのmRNAを精製することと、(d)RNAのcDNAへの逆転写を実施することと、(e)HGFのcDNAにハイブリダイズすることができる2つのPCRプローブの少なくとも1つのセットを提供することと、(f)2つのPCRプローブ間の該標的核酸にハイブリダイズように設計された第3のプローブ(第3のプローブは、Taq−DNAポリメラーゼにより非延伸性であり、レポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素で標識される)を提供することと、(g)PCRを用いてHGFのcDNAを増幅することと、(h)クエンチされないレポーター色素の量を検出することによって該試料中のHGF核酸の量を定量化することと、(i)HGFのCt値及び内部標準の平均Ct値の差に基づいて1つまたは複数の内部標準の発現レベル(例えば、GAPDH、β−アクチン、AL−1377271、及び/またはVPS−33Bの発現レベル)と該試料中のHGF核酸の量とを比較することと、を含む方法を用いて測定してよい。
いくつかの実施形態では、多量のHGFバイオマーカー(高HGFバイオマーカー)は、高HGFのmRNA(例えば、試料中、例えば、患者の癌、例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の腫瘍セクション中)である。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA発現は、増幅に基づくアッセイを用いて測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイは、PCRに基づくアッセイである。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイは、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(rt−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)または逆転写定量的PCR(rt−PCR)である。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA発現は、rt−qPCRを用いて測定される。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA発現は、Fluidigm遺伝子発現分析を用いて測定される。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む代表的な数の患者を含む患者の参照集団から得られた腫瘍試料中のHGFのmRNAレベルを測定することによって確立された基準と比較した相対的な発現レベルに基づいて測定される。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者とは、10人以上の患者である。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者とは、25人以上の患者である。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者とは、50人以上の患者である。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者とは、100人以上の患者である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数のグリオブラストーマ患者(例えば、再発性グリオブラストーマ)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の中皮腫患者(例えば、再発性中皮腫)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団が、代表的な数の胃癌患者(例えば、再発性胃癌)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の腎細胞癌患者(例えば、再発性腎細胞癌)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の肝細胞癌患者(例えば、再発性肝細胞癌)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の肉腫患者(例えば、再発性肉腫)を含む。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の高HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の50%のHGFのmRNA発現レベルを超えるHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の高HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の60%のHGFのmRNA発現レベルを超えるHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の高HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の65%のHGFのmRNA発現レベルを超えるHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の高HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の70%のHGFのmRNA発現レベルを超えるHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の高HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の75%のHGFのmRNA発現レベルを超えるHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の高HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の80%のHGFのmRNA発現レベルを超えるHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、中皮腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、胃癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、腎細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、肝細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、肉腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。
いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、増幅に基づくアッセイを用いて測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイは、PCRに基づくアッセイである。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイは、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(rt−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)、または逆転写定量的PCR(rt−PCR)である。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイは、rt−qPCRである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、Fluidigm遺伝子発現分析を用いて測定される。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、参照遺伝子からのmRNAのCtと比較して、HGFのmRNAのCtを測定することによって測定される。いくつかの実施形態では、参照遺伝子は、複数の細胞株にわたって、新鮮凍結組織試料中、及びホルマリン固定パラフィン包埋組織試料中で、同一レベルで安定して発現される遺伝子である。いくつかの実施形態では、いくつかの参照遺伝子のCtが測定されて、平均Ctが、HGFのmRNAのCtと比較される。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGF発現のデルタCtを測定することによって測定され、デルタCtは、HGFの平均Ctから標的遺伝子の平均Ctを減算したものに等しい。
いくつかの実施形態では、少量のHGFバイオマーカー(低HGFバイオマーカー)は、低HGFのmRNAバイオマーカー(例えば、試料中、例えば、患者の癌、例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の腫瘍セクション中)である。いくつかの実施形態では、低mRNA発現は、増幅に基づくアッセイを用いて測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイは、PCRに基づくアッセイである。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイは、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(rt−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)または逆転写定量的PCR(rt−PCR)である。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA発現は、rt−qPCRを用いて測定される。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA発現は、Fluidigm遺伝子発現分析を用いて測定される。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む代表的な数の患者を含む患者の参照集団から得られた腫瘍試料中のHGFのmRNAレベルを測定することによって確立された基準と比較した相対的な発現レベルに基づいて測定される。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者は、10人以上の患者である。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者は、25人以上の患者である。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者は、50人以上の患者である。いくつかの実施形態では、代表的な数の患者は、100人以上の患者である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数のグリオブラストーマ患者(例えば、再発性グリオブラストーマ)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の中皮腫患者(例えば、再発性中皮腫)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の胃癌患者(例えば、再発性胃癌)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の腎細胞癌患者(例えば、再発性腎細胞癌)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の肝細胞癌患者(例えば、再発性肝細胞癌)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の患者の参照集団は、代表的な数の肉腫患者(例えば、再発性肉腫)を含む。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の低HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の50%のHGFのmRNA発現レベル未満のHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の低HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の60%のHGFのmRNA発現レベル未満のHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の低HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の65%のHGFのmRNA発現レベル未満のHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の低HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の70%のHGFのmRNA発現レベル未満のHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の低HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の75%のHGFのmRNA発現レベル未満のHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍試料の低HGFのmRNA発現レベルは、特定の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)の患者を含む参照患者集団から得られた腫瘍試料の80%のHGFのmRNA発現レベル未満のHGFのmRNA発現レベルである。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、中皮腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、胃癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、腎細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、肝細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、肉腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞を含む。
いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、増幅に基づくアッセイを用いて測定される。いくつかの実施形態では、増幅に基づくアッセイは、PCRに基づくアッセイである。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイは、定量的PCR、リアルタイムPCR、定量的リアルタイムPCR(rt−PCR)、逆転写酵素PCR(rt−PCR)または逆転写定量的PCR(rt−PCR)である。いくつかの実施形態では、PCRに基づくアッセイは、rt−qPCRである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、Fluidigm遺伝子発現分析を用いて測定される。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、参照遺伝子からのmRNAのCtと比較して、HGFのmRNAのCtを測定することによって測定される。いくつかの実施形態では、参照遺伝子は、複数の細胞株にわたって、新鮮凍結組織試料中、及び/またはホルマリン固定パラフィン包埋組織試料中で、同一レベルで安定して発現される遺伝子である。いくつかの実施形態では、いくつかの参照遺伝子のCtを測定して、平均Ctと、HGFのmRNAのCtとを比較する。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、HGF発現のデルタCtを測定することによって測定され、デルタCtは、HGFの平均Ctから標的遺伝子の平均Ctを減算したものに等しい。
ISHは、組織(in situ)の一部またはセクション中の特異的DNAまたはRNA配列を局在化させるために相補的DNAまたはRNA鎖(すなわち、プローブ)を用いるハイブリダイゼーションの型を指す。プライマー及びプローブ型としては、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、一本鎖相補的RNA(sscRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、ミクロRNA(miRNA)、及び合成オリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プローブは、例えば、蛍光標識(例えば、FISH、すなわち蛍光in situハイブリダイゼーション)で標識される。いくつかの実施形態では、プローブは、例えば、色素標識(例えば、CISH、すなわち色素in situハイブリダイゼーション)標識される。いくつかの実施形態では、ISHは、(例えば、DNAプライマーを用いて実施され、その後、ISHシグナルは、ハイブリダイゼーションに基づくシグナル増幅、例えば、増幅プローブ及び標識プローブを用いて増幅される。ハイブリダイゼーションに基づくシグナル増幅の例としては、ISHシグナルを増幅するための分枝DNA分子の使用が挙げられる。ハイブリダイゼーションに基づくシグナル増幅を利用する例示的プラットフォームとしては、QuantiGene(登録商標)(Affymetrix)、RNAScope(登録商標)(Advanced Cell Technology)が挙げられる。ISHは、シングルプレックス(単一標的)またはマルチプレックス(複数の標的)で実施してよい。例えば、QuantiGeneアッセイでは、プローブセットを使用して、標的mRNAにハイブリダイズさせる。通常のプローブセットは、最大20以上のオリゴヌクレオチドプローブ対を用いる。視覚化用のシグナルを生成するために、プローブセットのハイブリダイゼーション後、プリアンプ、アンプ、及び標識プローブが追加される。プリアンププローブは標的特異的プローブに結合し、その後、アンププローブはプリアンププローブに結合し、続いて、標識プローブがアンププローブに結合する。例えば、RNAscope(登録商標)アッセイ技術(Advanced Cell Technology)では、2つ以上のキャプチャープローブが、標的mRNA上に接触してハイブリダイズする。キャプチャープローブは、例えば、標的RNA、スペーサー配列、及び15ベーステールに相補的な18〜25ベース領域を含有してよい。それぞれが異なる型のテール配列を有し、標的領域(約50bp用)に接触してハイブリダイズする一対の標的プローブが用いられる。プローブ上の2つの「テール」配列は、プリアンププローブのための28ベースハイブリダイゼーション部位を形成する。このプリアンププローブは、アンププローブのための多くの(例えば、20)結合部位を含有する。同様に、このアンププローブは、標識プローブのための多くの(例えば、20)結合部位を含有する。プリアンプ、アンプ、及び標識プローブは、逐次的に各キャプチャープローブ対にハイブリダイズされ、その結果、標的RNAの1kb当たり8,000個もの多くの標識分子が蓄積する。標識プローブは、蛍光団または色素酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)に結合することができ、それによって、それぞれ、標準明視野または落射蛍光顕微鏡で、ハイブリダイゼーションシグナルを見ることが可能になる。それゆえに、1つの実施形態では、(a)該標的核酸を含むまたは含む疑いのある試料を提供することと、(b)該標的核酸にハイブリダイズすることができる2つ以上のキャプチャープローブの少なくとも1つのセットを提供することと、(c)(i)標識プローブにハイブリダイズすることができるアンプ、(ii)アンプにハイブリダイズすることができ、かつ2つ以上のキャプチャープローブの該セットにハイブリダイズすることができるプリアンプ、(iii)標識プローブを提供することと、(d)2つ以上のキャプチャープローブの該セットを該標的核酸にハイブリダイズすることと、(e)2つ以上のキャプチャープローブの該セットにプリアンプ、アンプ、及び標識プローブをキャプチャーし、これにより、該標的核酸に標識プローブをキャプチャーすることと、(f)キャプチャーされた標識プローブと関連している標識の存在、欠如、または量を検出することと、を含む方法を用いてHGFバイオマーカーを測定してよい。
いくつかの実施形態では、多量のHGFバイオマーカー(高HGFバイオマーカー)は、高HGFのmRNAバイオマーカー(例えば、試料中、例えば、患者の癌、例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の腫瘍セクション中)である。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA発現は、ISHを用いて測定される。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の1%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の2%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の3%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の4%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の5%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の6%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の7%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の8%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の9%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の10%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の12%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、15%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、20%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の25%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の30%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の35%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の40%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の50%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の55%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の60%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の65%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の70%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、試料中の75%以上のHGFのISHシグナル陽性細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、中皮腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、胃癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、腎細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、肝細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、肉腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。
いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約10以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である(例えば、試料中、例えば、患者の癌、例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の腫瘍セクション中)。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約11以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは約12以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約13以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約14以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約15以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約16以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約20以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約25以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約30以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約35以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約40以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約45以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約50以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約55以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約60以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約70以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、約75以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは約80以上のHGFのISHシグナル陽性細胞の存在である。いくつかの実施形態では、細胞は、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、中皮腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、胃癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、腎細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、肝細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、肉腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。
いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、2+超のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、3+超のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーが、2+または3+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、1+超のISHスコアである。
いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、多くの細胞中のHGFのISH陽性シグナルの存在である(例えば、低倍率対物レンズを備えた光学顕微鏡を用いて観察される)。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、高頻度細胞中のHGFのISH陽性シグナルの存在である(例えば、中倍率または高倍率対物レンズを備えた光学顕微鏡を用いて観察される)。
いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、低倍率対物レンズ(例えば、10倍対物レンズ)を備えた光学顕微鏡で試料を見て容易に観察されるHGFのISH陽性シグナルの存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、中倍率対物レンズ(例えば、20倍対物レンズ)または高倍率対物レンズ(例えば、40倍対物レンズ)を備えた光学顕微鏡で試料を見て観察されるHGFのISH陽性シグナルの存在である。
いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む2超の病巣の存在である(例えば、試料中、例えば、患者の癌、例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の腫瘍セクション中)。本明細書に用いる場合、「病巣(foci)」(または「focus」)は、HGFのmRNA ISHシグナル陰性細胞によって包囲された1つまたは複数のHGFのISHシグナル陽性細胞(単数及び複数)を指す。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む3超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む4超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む5超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む6超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む7超の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む8超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む9超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む10超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む11超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む12超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む13超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む14超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む15超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む16超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む17超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む18超の病巣の存在である。いくつかの実施形態では、高HGFのmRNAバイオマーカーは、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む19超の病巣の存在である(例えば、HGFのISHシグナル陽性細胞を含む20、25、30、35、40、45、50超の病巣)。いくつかの実施形態では、細胞は、グリオブラストーマ腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、中皮腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、胃癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、腎細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、肝細胞癌腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、肉腫腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞である。
いくつかの実施形態では、低倍率(例えば、おおよそ10倍に相等する対物レンズ)の光学顕微鏡を用いてスライドを見ると、病巣を見ることができる。いくつかの実施形態では、中倍率(例えば、おおよそ20倍に相等する対物レンズ)の光学顕微鏡を用いてスライドを見ると、病巣を見ることができる。いくつかの実施形態では、高倍率(例えば、おおよそ40倍に相等する対物レンズ)の光学顕微鏡を用いてスライドスライドを見ると、巣を見ることができる。
いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、2+未満のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、1+未満のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、0または1+のISHスコアである。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーが、0のISHスコアである。
いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、例えば、患者の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)のセクション内の例えば、10以下、例えば、9、8、7、6以下の少数の細胞(例えば、中倍率または高倍率対物レンズを備えた光学顕微鏡を用いて観察される)中のHGFのISH陽性シグナルの存在である。いくつかの実施形態では、低HGFのmRNAバイオマーカーは、細胞中にHGFのISH陽性シグナル(例えば、中倍率または高倍率対物レンズを備えた顕微鏡を用いて観察される)が存在しないことである。
いくつかの実施形態では、HGFのmRNAISH陽性シグナルは、陽性対照、例えば、HGFを発現して分泌することが知られているKP4膵腫瘍細胞(Riken BioResource Center、オーダー番号RCB1005)上で実施されたHGFのISHと比較される。いくつかの実施形態では、HGFのmRNA ISH陽性シグナルは、陰性対照、例えば、DapB ISHプローブでプローブしたKP4細胞と比較される。
いくつかの実施形態では、IHC(さらに以下に記載される)及びISHアッセイフォーマットは、疾患状態の特定の形態学的指標の選択的染色、または生物学的マーカーの検出によってハイライトするための顕微鏡検査に好適な固体支持体、例えば、ガラススライドまたは他の平面支持体上に載置した組織セクション上で実施される一連の治療ステップを含む。
いくつかの実施形態では、ISHまたはIHC(さらに以下に記載される)アッセイフォーマット中の標的の検出を実施する前に、予備検出手順が実施される。これは、例えば、以下のステップを含んでよい:組織を切り、トリミングすること、固定、脱水、パラフィン浸漬、薄セクションを切ること、ガラススライド上に載置すること、熱処理、脱パラフィン化、再水化、抗原賦活化、ブロッキングステップ、一次抗体を適用すること、洗浄すること、二次抗体−酵素コンジュゲート適用し、洗浄すること。
組織標本を固定かつ包埋する多くの方法、例えば、アルコール固定及びホルマリン−固定パラフィン包埋(FFPE)が知られている。固定化及び包埋化組織標本を固定かつ包埋する方法が、以下にIHCに関してさらに記載されている。
いくつかの実施形態では、標的の大半の反応性を増大させるための標本の予備処理によって標的抗原を賦活化またはアンマスキングする。抗原賦活化(抗原アンマスキング)の広範囲にわたる検討が、Shi et al. 1997,J Histochem Cytochem、45(3):327に見出すことができる。抗原賦活化は、特異的検出試薬と標的との相互作用の有効性を、最大限に発揮させる様々な方法を含む。最も一般的な技術は、好適な緩衝液中のタンパク質分解酵素(例えばプロテイナーゼ、プロナーゼ、ペプシン、パパイン、トリプシンまたはノイラミニダーゼ)、またはマイクロ波照射を用いて、通常、EDTA、EGTA、Tris−HCl、シトレート、尿素、グリチン−HClまたはホウ酸を含有する好適にpHが安定している緩衝液を、水浴器、蒸し器、通常のオーブン、高圧滅菌器、または圧力なべ内で加熱して行う熱誘導エピトープ賦活化(HIER)による酵素消化である。抗原賦活化緩衝液は水性であってよいが、沸点が水の沸点を越える溶媒を含む他の溶媒を含有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、試薬のインキュベーション前または間の真空及び超音波の適用、またはセクションの凍結及び解凍を含む様々な物理的方法によってシグナル対雑音比を増大させてよい。検出方法の1つのステップとして、内因性ビオチン結合部位または内因性酵素活性(例えばホスファターゼ、カタラーゼ、またはペルオキシダーゼ)を除去してよく例えば、過酸化物による処理によって内因性ビオチン及びペルオキシダーゼ活性を除去してよい。レバミゾールによる処理によって内因性ホスファターゼ活性を除去してよい。加熱によって内因性ホスファターゼ及びエステラーゼを破壊してよい。ウマ血清アルブミン(HSA)、カゼイン、ウシ血清アルブミン(BSA)、及び卵アルブミンのような不活性タンパク質、ウシ胎児血清もしくは他の血清、または洗浄剤(例えば、Tween20、TritonX−100、Saponin、Brij、またはPluronics)による非特異的結合部位のブロッキングを用いてよい。また、組織または細胞中で、特異的な試薬の非標識及び標的非特異的変種を用いて非特異的結合部位をブロッキングしてよい。
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションが、プローブの融点Tm未満の約15〜約25℃の温度で実施される。ハイブリダイゼーションは、プローブに加えて成分(例えば、有機溶媒、イオン溶液)を含有するハイブリダイゼーション緩衝液を用いることによって実施される。非結合プローブ及び一部のみ結合しているプローブを除去するためにハイブリダイゼーション後に洗浄を実施してよい。例えば、Tm未満の約10〜約15摂氏度の温度で、かつ/または塩濃度が低い溶液を用いることによって、洗浄を実施してよい。
いくつかの実施形態では、本方法の手順(a)に従って、免疫特異的試薬による重要なインキュベーション後に、スライド上に組織セクションを載置させてよい。その後、スライドに載せた組織セクション上で検出のプロセスの残りが実施される。いくつかの実施形態では、また、フリーフローティング技術を用いて、試料を調製してよく、標的分子を検出してよい。この方法では、好適な容器、例えば、マイクロ遠心チューブ中で懸濁または浮遊している様々な試薬及び洗浄緩衝液に組織セクションを接触させる。
RNA−Seqは、全トランスクリプトームショットガンシークエンシング(WTSS)とも称され、試料のRNA内容についての情報を得るためにcDNAの配列を決定するためのハイスループットシークエンシング技術の使用を指す。RNA配列について記載している文献としては、Wang et al. “RNA−Seq: a revolutionary tool for transcriptomics” Nature Reviews Genetics 10 (1): 57−63 (January 2009)、Ryan et al. BioTechniques 45 (1): 81−94 (2008)、及びMaher et al. “Transcriptome sequencing to detect gene fusions in cancer”.Nature 458 (7234): 97−101 (January 2009)が挙げられる。
また、マイクロアレイ技術を用いて、識別的遺伝子発現を同定または確認することができる。したがって、マイクロアレイ技術を用いて、新鮮またはパラフィン包埋腫瘍組織中で、グリオブラストーマ関連遺伝子、中皮腫関連遺伝子、胃癌関連遺伝子、腎細胞癌関連遺伝子、肝細胞癌関連遺伝子、または肉腫関連遺伝子の発現プロファイルを測定することができる。この方法では、マイクロチップ基板上に対象のポリヌクレオチド配列(cDNA及びオリゴヌクレオチドを含む)を載置するか、または整列させる。その後、対象の細胞または組織からの特異的DNAプローブにより、整列させた配列をハイブリダイズする。PCR法と同様に、mRNAのソースは通常、ヒト腫瘍または腫瘍細胞株、及び対応する正常組織または細胞株から単離した全RNAである。したがって、様々な原発腫瘍または腫瘍細胞株からRNAを単離することができる。mRNAのソースが原発腫瘍である場合、mRNAは、例えば、日常的に調製され、日々の臨床診療で保存される凍結または保管パラフィン包埋及び固定(例えば、ホルマリン固定)組織試料から抽出することができる。
マイクロアレイ技術の特定の実施形態では、cDNAクローンのPCR増幅インサートが、高密度アレイ中の基板に適用される。好ましくは、少なくとも10,000のヌクレオチド配列を基板に適用する。10、000の配列のマイクロチップ上に固定したマイクロアレイ遺伝子はそれぞれ、ストリンジェント条件下でのハイブリダイゼーションに好適である。対象の組織から抽出したRNAの逆転写による蛍光ヌクレオチドの組み入れによって、蛍光標識DNAプローブを生成してよい。チップに適用した標識DNAプローブは、アレイ上のDNAの各スポットと特異的にハイブリダイズする。非特異的結合プローブを除去するためにストリンジェントに洗浄した後、共焦点レーザー顕微鏡によって、または別の検出方法、例えば、CCDカメラによってチップをスキャンする。整列した各配列のハイブリダイゼーションの定量化によって、対応するmRNA存在量の評価が可能となる。二色蛍光によって、RNAの2つのソースから生成した、別々に標識されたDNAプローブを2つ1組でアレイとハイブリダイズさせる。したがって、各特定の遺伝子に対応する2つのソースからの転写物の相対的な存在量が、同時に測定される。ハイブリダイゼーションの規模を縮小することによって、非常に多くの遺伝子の発現パターンの簡便で迅速な評価が可能となる。かかる方法は、1細胞当たりわずかなコピーで発現する希な転写物を検出する、かつ発現レベルの少なくともおよそ2倍の差を再現可能に検出するのに必要な感度を有することが示されている(Schena et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(2):106−149(1996))。マイクロアレイ分析は、製造者のプロトコールに従って、市販されている装置によって、例えば、Affymetrix GENCHIP(商標)技術、またはIncyteのマイクロアレイ技術を用いることによって実施することができる。
遺伝子発現の大規模分析のためのマイクロアレイ法の開発により、様々な腫瘍型で癌分類及び予後予測の分子マーカーを系統的に調査することができる。
遺伝子発現の連続分析(SAGE)は、各転写物に個々のハイブリダイゼーションプローブを提供する必要がない、多数の遺伝子転写物の同時定量的分析を可能にする方法である。最初に、タグが各転写物内の固有の位置から得られるという条件で、転写物を一意的に同定するのに十分な情報を含有する短い配列タグ(約10〜14bp)が生成される。その後、多くの転写物は互いに結合して長い連続分子を形成し、これらの分子の配列が決定されて、複数タグの同一性が同時に明らかとなる場合がある。転写物の任意の集団の発現パターンは、個々のタグの存在量を測定し、かつ各タグに対応する遺伝子を同定することによって定量的に評価することができる。さらに詳細について、例えば、Velculescu et al.,Science270:484−487(1995)、及びVelculescu et al.,Cell88:243−51(1997)を参照のこと。
MassARRAY(Sequenom,SanDiego,Calif)技術は、検出のために質量分析法(MS)を用いる遺伝子発現分析の自動ハイスループット方法である。この方法に従って、RNAの単離、逆転写、及びPCR増幅の後に、cDNAのプライマーを伸長させる。cDNA由来プライマー伸長生成物を精製し、MALTI−TOF MS試料の調製に必要な成分が予め充填されたチップアレイ上に分配する。得られた質量スペクトルのピーク面積を分析することによって、反応物中に存在する様々なcDNAを定量化する。
一般に、遺伝子発現プロファイリングの方法は、2つの大きなグループ、すなわちポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション分析に基づく方法及びポリヌクレオチドのシークエンシングに基づく方法に分けることができる。試料中のmRNA発現の定量化の技術分野で知られている最も一般に用いられる方法としては、ノーザンブロッティング及びin situハイブリダイゼーション(Parker&Barnes,Methods in Molecular Biology106:247−283(1999))、RNAseプロテクションアッセイ(Hod、Biotechniques13:852−854(1992))、及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Weis et al.,Trends in Genetics8:263−264(1992))が挙げられる。代わりに、DNA二本鎖、RNA二本鎖、及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖またはDNA−タンパク質二本鎖を含む特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いてよい。シークエンシングに基づく遺伝子発現分析の代表的な方法としては、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、及び大規模平行シグネチャーシークエンシング(MPSS)による遺伝子発現分析によるが挙げられる。
患者試料(例えば、血しょう、血清、尿、脳脊髄、痰、***物、呼気凝縮液、腫瘍、他の組織)からHGFタンパク質をアッセイしてよい。HGFタンパク質をアッセイする方法は、当技術分野で知られており、ELISA、質量分析法、表面プラズモン共鳴、ウェスタンブロット、IHC、及び他のよく知られている方法を含む。例えば、Mai et al,Molec Cancer Ther(2013)13(2):540−52を参照。HGFを検出するキットが市販されている。
組織セクションの免疫組織化学的(IHC)染色は、試料中のタンパク質の存在を評価するまたは検出するのに信頼できる方法であることが示されている。免疫組織化学技術では、一般に色素または蛍光方法によってin situで細胞抗原をプローブして視覚化するために抗体を利用する。したがって、いくつかの実施形態では、抗体または抗血清を使用して発現を検出し、また、いくつかの実施形態では、多クロ−ン性抗血清、いくつかの実施形態では、各マーカーに特異的な単クローン性抗体を使用して発現を検出する。以下でさらに詳細に考察する通り、抗体は、例えば、放射性標識、蛍光標識、ハプテン標識、例えば、ビオチン、または酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)による抗体自体の直接標識化によって検出することができる。代わりに、非標識一次抗体が、抗血清、多クロ−ン性抗血清、または一次抗体に特異的な単クローン性抗体を含む標識二次抗体とともに用いられる。免疫組織化学プロトコール及びキットもまた、当技術分野でよく知られており、市販されている。
いくつかの実施形態では、IHCアッセイは、抗体の標的抗原への結合を直接測定する直接アッセイである。この直接アッセイは、さらなる抗体相互作用なしで視覚化することができる標識試薬、例えば、蛍光タグまたは酵素標識一次抗体を用いる。いくつかの実施形態では、IHCアッセイは、間接アッセイである。通常の間接アッセイでは、非結合型一次抗体が抗原に結合し、その後、標識二次抗体が一次抗体に結合する。二次抗体が酵素標識に結合する場合、色素または蛍光性基質が添加され、抗原の視覚化がもたらされる。いくつかの二次抗体が一次抗体上で異なるエピトープと反応することができるため、シグナル増幅が生じる。
免疫組織化学に用いられる一次及び/または二次抗体は通常、検出可能部分で標識される。一般に以下のカテゴリーに分類することができる多くの標識が利用可能である。
(a)放射性同位体、例えば、35S、14C、125I、3H、及び131I。抗体は、例えば、Current Protocols in Immunology,Volumes1 and 2,Coligen et al.,Ed.Wiley−Interscience,New York,N.Y.,Pubs.(1991)に記載された技術を用いて、放射性同位体で標識することができ、放射活性はシンチレーション測定を用いて測定することができる。
(b)金コロイド粒子。
(c)蛍光標識としては、希土キレート(ユウロピウムキレート)、テキサスレッド、ローダミン、フルオレセイン、ダンシル、リサミン、ウンベリフェロン、フィコエリトリン、フィコシアニン、または市販されている蛍光団、例えば、SPECTRUM ORANGE(登録商標)及びSPECTRUM GREEN(登録商標)、ならびに/または上記のもののいずれか1つまたは複数の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。蛍光標識は、例えば、該のCurrent Protocols in Immunologyに開示された技術を用いて抗体に結合することができる。蛍光計を用いて蛍光を定量化することができる。
(d)様々な酵素−基質標識が利用可能であり、米国特許第4,275,149号では、これらのいくつかが検討されている。酵素は、一般に様々な技術を用いて測定することができる色素基質の化学的変化を触媒する。例えば、酵素は、分光光学的に測定することができる基質の色の変化を触媒することができる。代わりに、酵素は、基質の蛍光または化学発光を変化させることができる。蛍光の変化を定量化する技術は以上に記載されている。化学発光基質は、化学的反応によって電子的に励起し、その後、(例えば、化学発光計を用いて)測定することができる光を発することができるか、または蛍光受容体にエネルギーを与える。酵素標識の例としては、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号))、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカリドオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(例えば、ウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼ等が挙げられる。酵素を抗体に結合する技術は、O’Sullivan et alに記載されている。酵素イムノアッセイに使用される酵素−抗体コンジュゲートの調製方法、Methods in Enzym.(ed J.Langone&H.Van Vunakis),Academic press,New York,73:147−166(1981)に記載されている。
酵素−基質の組み合わせの例としては、例えば、以下が挙げられる。
(i)基質として水素ペルオキシダーゼを有するホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)であって、水素ペルオキシダーゼが、色素前駆体[例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)または3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジンハイドロクロライド(TMB)]を酸化させる。また、HRP標識抗体を視覚化するために3、3−ジアミノベンジジン(DAB)も用いることができるホースラディッシュペルオキシダーゼ。
(ii)色素基質としてパラ−ニトロフェニルホスフェートを有するアルカリホスファターゼ(AP)。
(iii)色素基質(例えば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ)または蛍光性基質(例えば、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼ)を有するβ−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)。
多くの他の酵素−基質の組み合わせが、当業者に利用可能である。これらの一般的な検討については、米国特許第4,275,149号及び同第4,318,980号を参照のこと。
標識が、抗体と間接的に結合することもある。当業者であれば、これを実現するための様々な技術を認識している。例えば、抗体をビオチンと結合させることができ、上述の4つの広範なカデゴリーの標識のいずれかを、アビジンと結合させることができるか、またはその逆も同じである。ビオチンは、選択的にアビジンに結合し、したがって、このように間接的に抗体と標識とを結合させることができる。代わりに、標識と抗体とが間接的に結合することを実現するために、抗体と小ハプテンとを結合させ、上述の異なる型の標識のうちの1つと、抗ハプテン抗体とを結合させる。したがって、標識と抗体とが間接的に結合することを実現することができる。
以上に考察した試料調製手順の他に、IHCの前、間、または後に、さらに組織セクションの処理が必要とされる場合がある。例えば、エピトープ賦活化方法、例えば、シトレート緩衝液中の組織試料の加熱を実施してよい[例えば、Leong et al.Appl.Immunohistochem.4(3):201(1996)を参照]。
任意のブロッキングステップののちに、一次抗体が、組織試料中の標的タンパク質抗原に結合するように、十分な時間、好適な条件下で、一次抗体に組織セクションを暴露させる。これを実現するための好適な条件は、日常的実験によって決定することができる。
試料が抗体に結合する程度は、以上に考察した検出可能標識のいずれか1つを用いることによって測定される。好ましくは、標識は、色素基質、例えば、3,3′−ジアミノベンジジン色素体の化学的変化を標識する酵素標識(例えば、HRPO)である。好ましくは、酵素標識は、一次抗体に特異的に結合する抗体に結合する(例えば、一次抗体がウサギ多クロ−ン性抗体であり、二次抗体がヤギ抗ウサギ抗体である)。
こうして調製された標本を載置してカバーガラスで覆ってよい。その後、例えば、顕微鏡を用いてスライド評価を決定する。
IHCの前または後に、形態学的染色とIHCとを組み合わせてよい。脱パラフィン後に、評価のために形態学的染色でスライドに載置させたセクションを染色してよい。用いられる形態学的染色は、組織セクションの正確な形態学的評価を提供する。それぞれが異なる細胞成分を明確に染色する1つまたは複数の染料でセクションを染色してよい。1つの実施形態では、ヘマトキシリンが、スライドの細胞核を染色するために使用される。ヘマトキシリンは広範に利用可能である。好適なヘマトキシリンの例は、ヘマトキシリンII(Ventana)である。より淡い青色の核が所望される場合、ヘマトキシリン染色の後にブルーイング試薬を用いてよい。当業者であれば、所与の組織に合わせて、スライドが色素中に留まる時間の長さを増やす、または減らすことによって、染色を最適化することができることを理解するであろう。
スライド準備及びIHCプロセッシングの自動システムが市販されている。Ventana(登録商標)BenchMark XTシステムは、かかる自動システムの例である。また、Dako(登録商標)Autostainer Plus、及びLeica BondIIIは、かかる自動システムの例である。
染色後に、顕微鏡法の標準技術によって組織セクションを分析してよい。一般に、病理学者等が、異常もしくは正常細胞または特定の細胞型の存在について組織を評価し、対象の細胞型の遺伝子座を提供する。したがって、例えば、病理学者等が、スライドを検討し、正常細胞(例えば、正常肺細胞)及び異常細胞(例えば、異常または腫瘍性肺細胞)を確認する。対象の細胞の遺伝子座を定義する任意の手段を用いてよい(例えば、X−Y軸上の配位)。
いくつかの実施形態では、IHCは、抗HGF抗体を用いて実施される。
いくつかの実施形態では、c−metバイオマーカーは、例えば、IHCを用いて検討される。IHCに使用するのに好適な抗c−met抗体は、当技術分野でよく知られており、SP−44(Ventana)、DL−21(Upstate)、D1C2(Cell Signaling Technologies)、ab27492(Abcam)、PA1−37483(Pierce Antibodies)、Met4(American Type Culture Collectionで付与されたハイブリドーマ細胞株受入番号PTA−7680によって生成された単クローン性抗体、例えば、米国特許第6,548、640号を参照)が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体はSP44である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体が、DL−21である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体はD1C2である。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体はMet4である。当業者は、例えば、IHCプロトコール及び本明細書に開示した実施例を用いて、c−met抗体と比較することによって、追加の好適な抗c−met抗体を同定し、特徴付けることができることを理解する。
様々な染色強度(例えば、c−met抗体SP44で染色した場合)の対照細胞株(例えば、ペレット、例えば、ホルマリン固定及びパラフィン包埋に遠心分離され、組織マイクロアレイとして調製され、例えば、SP44で染色される)を、IHC分析の対照として利用してよい。例えば、H441(強いc−met染色強度)、EBC1(強いc−met染色強度)、A549(中等度のc−met染色強度)、SKMES1(中等度のc−met染色強度)、H1703(弱いc−met染色強度)、HEK−293(弱いc−met染色強度)、H460(弱いc−met染色強度)、及びTOV−112D(陰性のc−met染色強度)、LXFL529(陰性c−met染色強度)、H522(陰性c−met染色強度)、H23(陰性c−met染色強度)、またはH1155(陰性c−met染色強度)。当業者は、本出願の教示、及び当技術分野でよく知られている、本明細書に開示されている方法を用いて、陰性の、弱い、中等度の、及び高いc−met染色強度の他の対照細胞ペレットを容易に同定することができることを理解している。それゆえに、いくつかの実施形態では、強いc−met染色強度とは、H441及び/またはEBC1のc−met染色強度を有する対照細胞のc−met染色強度である。いくつかの実施形態では、中等度のc−met染色強度とは、A549及び/またはSKMES1のc−met染色強度を有する対照細胞のc−met染色強度である。いくつかの実施形態では、弱いc−met染色強度とは、HEK−293及び/またはH460のc−met染色強度を有する対照細胞のc−met染色強度である。いくつかの実施形態では、陰性c−met染色強度とは、LXFL529、H522、H23、及び/またはH1155のc−met染色強度を有する対照細胞のc−met染色強度である。IHC分析(例えば、癌試料のc−met IHCをスコアリングしながら分析すること)のための様々な染色強度の対照細胞ペレットの使用が、当技術分野でよく知られている。c−met免疫組織化学プロトコール及びスコアリングスキームが本明細書に例示されている。いくつかの実施形態では、c−met IHCは、以下のスキームを用いて分析される。
いくつかの実施形態では、c−met IHCは、以下のスキームを用いて分析される。
いくつかの実施形態では、c−metIHCは、表Xまたは表Bに従って分析され、癌は、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、c−metは表Bに従って分析され、癌はグリオブラストーマである。いくつかの実施形態では、c−metは表Bに従って分析され、癌は中皮腫である。いくつかの実施形態では、c−metは表Bに従って分析され、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、c−metは表Bに従って分析され、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、c−metは表Bに従って分析され、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、c−metは表Bに従って分析され、癌は肉腫である。
いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の1%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の1%超がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の5%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の10%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の15%以上がc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の20%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の25%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の30%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の35%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の40%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の45%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の50%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の55%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の60%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の65%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の70%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の75%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の80%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の85%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の90%以上が、c−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の95%以上がc−metタンパク質を発現する(例えば、任意の強度でc−metタンパク質を発現する)場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は細胞質である。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性かつ細胞質である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌はグリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)である。いくつかの実施形態では、癌は中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肉腫である。
いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の1%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の1%超が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍が、c−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の5%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の10%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の15%以上がc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の20%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の25%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の30%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の35%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の40%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の45%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の50%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の55%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の60%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の65%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の70%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の75%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の80%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の85%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の90%以上が中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の95%以上が、中等度及び/または強い染色強度でc−metタンパク質を発現する場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は細胞質である。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性かつ細胞質である。いくつかの実施形態では、癌はグリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)である。いくつかの実施形態では、癌は中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肉腫である。
いくつかの実施形態では、腫瘍の最大染色強度が1である場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、腫瘍の最大染色強度が2である場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、腫瘍の最大染色強度が3である場合、患者の腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は細胞質である。いくつかの実施形態では、c−met−発現は膜性かつ細胞質である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌はグリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)である。いくつかの実施形態では、癌は中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肉腫である。いくつかの実施形態では、c−metポリペプチドまたはHGFはIHCを用いて測定される。いくつかの実施形態では、c−metポリペプチドはIHCを用いて測定され、患者試料は、ホルマリン固定及びパラフィン包埋である。いくつかの実施形態では、c−metポリペプチドは、c−metポリペプチドに結合する(いくつかの実施形態では、特異的に結合する)薬剤と試料とを接触させること、これにより、薬剤とc−metバイオマーカーとの間に複合体を形成することによって測定され、その結果、試料中の腫瘍細胞の50%以上が中等度または高いc−met染色強度を有する場合、腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の50%以上が高いc−met染色強度を有する場合、腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の50%以上が中等度のc−met染色強度を有する場合、腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、試料中の腫瘍細胞の50%以上が、低い、中等度の、または高いc−met染色強度である場合、腫瘍はc−met陽性である。いくつかの実施形態では、c−metを結合する薬剤は抗c−met抗体SP44である。いくつかの実施形態では、c−metを結合する薬剤は抗c−met抗体D1C1である。いくつかの実施形態では、c−metを結合する薬剤は抗c−met抗体Met4である。いくつかの実施形態では、c−metを結合する薬剤は抗c−met抗体DL21である。いくつかの実施形態では、c−met強度は、試料中のc−met染色と参照レベルとを比較することによって決定される。いくつかの実施形態では、参照レベルは、対照細胞ペレットのc−met染色(例えば、対照細胞株A549、SKMES1、EBC−1、H441、またはA549、SKMES1、EBC−1、H441のいずれか1つと同等の強度を有する細胞もしくは細胞株)である。いくつかの実施形態では、中等度のc−met染色強度は、対照細胞株A549のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、中等度のc−met染色強度は、対照細胞株SKMES1のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、強いc−met染色強度は、対照細胞株EBC−1のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、強いc−met染色強度は、対照細胞株H441のc−met染色強度を意味する。いくつかの実施形態では、患者試料(単数及び複数)は、c−met拮抗剤及び/またはVEGF拮抗剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料は、癌の転移後に得られる。いくつかの実施形態では、試料は、癌薬剤による治療前に得られる。いくつかの実施形態では、試料は、生検、摘出標本、または微細針吸引の試料である。いくつかの実施形態では、試料は、ホルマリン固定及びパラフィン包埋試料である。いくつかの実施形態では、対照細胞ペレットは、ホルマリン固定及びパラフィン包埋である。いくつかの実施形態では、対照細胞ペレットは、組織マイクロアレイとして調製される。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は細胞質である。いくつかの実施形態では、c−met発現は、膜性かつ細胞質である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)である。いくつかの実施形態では、癌は中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肉腫である。いくつかの実施形態では、c−met IHCが、H−スコアを用いて(例えば、c−met陽性として)スコアされる。いくつかの実施形態では、HGF IHCが、H−スコアを用いて(例えば、HGF陽性として)スコアされる。H−スコアを計算する方法が、当技術分野に開示されている。簡潔にいうと、(例えば、本明細書に記載の細胞株対照を用いて)弱い、中等度の、及び強い強度の染色を示している腫瘍細胞の割合を、所与のグリオブラストーマ試料中の腫瘍細胞の総数のパーセンテージとして計算または推定してもよい。複合Hスコアは、式:(弱い強度の腫瘍細胞染色%x1)+(中等度の強度の腫瘍細胞染色%x2)+(強い強度の腫瘍細胞染色%x3)に基づいて計算される。この式に従って、所与の腫瘍を「0」(染色を示す腫瘍細胞なし)〜「300」(強い染色を示す腫瘍細胞が100%)の値と関連付けることができる。本明細書の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、高いc−metまたはHGF発現は、約160以上(約161、162、163、164、165、166、167、168、169、またはそれ以上)、160以上、約160〜約230、約160〜230、約160(約161、162、163、164、165、166、167、168、169、またはそれ以上のいずれか〜約220、221、223、224、225、226、227、228、229、230、またはそれ以上のいずれか)、230以上、(約220、221、223、224、225、226、227、228、229、230、またはそれ以上のいずれか)、約170以上、または170またはそれ以上(例えば、約171、172、173、175、175、176、177、178、179、180以上のいずれか)のH−スコアに対応する。1つの実施形態では、H−スコアは約180以上である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約10超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約25超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約50超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約75超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約100超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約125超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約150超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約175超である。いくつかの実施形態では、Hスコアは約200超である。いくつかの実施形態では、c−met発現は膜性である。いくつかの実施形態では、c−met発現は細胞質である。いくつかの実施形態では、c−met発現は、膜性かつ細胞質である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ、中皮腫、肝細胞癌、腎細胞癌、胃癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、胆嚢癌、または膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)である。いくつかの実施形態では、癌は中皮腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は肉腫である。
いくつかの実施形態では、分析(例えば、IHC分析)はさらに、分析前または分析後に形態学的染色を含む。1つの実施形態では、ヘマトキシリンが、スライドの細胞核を染色するために使用される。ヘマトキシリンは、広範に利用可能である。好適なヘマトキシリンの例は、ヘマトキシリンII(Ventana)である。より薄い青色の核が所望される場合、ヘマトキシリン染色の後にブルーイング試薬を用いてよい。
IV.治療方法
効果的に癌患者を治療するためのc−met拮抗剤の使用が提供される。効果的に癌患者を治療するためのc−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤の使用が提供される。特に、HGFバイオマーカーは、オナルツズマブ、オナルツズマブと第2の癌薬剤、オナルツズマブと化学療法薬、またはオナルツズマブとVEGF拮抗剤による治療が、臨床的に有意義な利益をもたらす患者集団を特定するために用いられる。
癌薬剤は、他の癌薬剤と組み合わせて用いることができる。例えば、c−met抗体は、追加のc−met拮抗剤と同時に投与してよい。かかる上記組み合わせ治療は、投与の組み合わせ(2つ以上の治療薬剤が、同じまたは別々の製剤中に含まれる)、及び別々の投与(この場合、第1の薬剤の投与は、第2の薬剤の投与の前、同時に、かつ/または後に行うことができる)を包含する。癌療法(cancer medicaments)の例としては、外科手術、放射線治療(放射線療法)、生物学的療法、免疫療法、化学療法(例えば、テモゾロミド)、またはこれらの治療の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。また、抗VEGF拮抗剤及び/またはc−met拮抗剤と組み合わせて、細胞毒性薬剤、抗血管新生、及び抗増殖薬剤を用いることができる。
検討される化学療法薬の例示的及び非限定リストが、「定義」の下で本明細書中に提供されるか、本明細書中に記載される。1つの実施形態では、化学療法薬はテモゾロミドである。別の実施形態では、化学療法薬は、放射線療法に付随して投与される。
非経口、肺内、及び鼻腔内、ならびに局所治療で所望される場合は腫瘍内投与を含む任意の好適な手段によって、本明細書の薬剤(単数及び複数)を投与することができる。非経口的注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が挙げられる。投与は、短期または長期であるかに部分的に応じて、任意の好適な経路によるもの、例えば、注入(静脈内または皮下注入によるもの等)であってよい。様々な時期にわたる単一または複数の投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含むがこれらに限定されない様々な投与計画が、本明細書で検討されている。
疾患の予防または治療では、(単独で、または1もしくは複数の他の追加の治療薬剤と組み合わせて用いられる時の)本発明の抗体の好適な用量は、治療される疾患のタイプ、抗体の型、疾患の重症度及び過程、抗体が予防または治療目的のために投与されるかどうか、以前の治療、患者の病歴及び抗体への反応、ならびに担当医師の裁量によって決定するする。抗体は、1回の治療または一連の治療にわたって好適に患者に投与される。数日間またはそれより長期にわたって繰り返し投与する場合、通常、状態に応じて、疾患症状の所望の抑制が生じるまで、治療を持続させる。しかし、他の用量レジメンが有用となる場合がある。この治療の進捗は、従来の技術及びアッセイによって容易にモニターされる。
疾患の型及び重症度に応じて、被験者への投与の最初の候補用量が、例えば、1回または複数回別々に投与するか、または連続注入するかどうかにより、抗c−met抗体約1ug/kg〜100mg/kg(例えば、0.1〜20mg/kg)となる。1つの実施形態では、望ましい用量には、例えば、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、及び15mg/kgが含まれる。数日間またはそれより長期にわたる繰り返し投与またはサイクルでは、状態に応じて、上記方法または当技術分野で知られている方法によって測定される癌が治療されるまで、治療が持続される。しかし、他の用量レジメンが有用である場合がある。1つの例では、抗c−met抗体は、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、または15mg/kgを含むがこれらに限定されない約6mg/kg〜約15mg/kgの用量範囲で、1週間ごとに、2週間ごとに、または3週間ごとに1回、投与される。本発明の治療の進捗は、従来の技術及びアッセイによって容易にモニターされる。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、グリオブラストーマの化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。さらに、好適な用量についての情報は、以下の実施例に提供される。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、中皮腫の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、胃癌の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、腎細胞癌の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、肝細胞癌の化学治療計画と組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与計画は、肉腫の化学治療計画と組み合わせて用いられる。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体の有効量は、15mg/kgであり、例えば、3週間ごとに静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、抗c−met抗体の有効量は、10mg/kgであり、例えば、2週間ごとに静脈内に投与される。
疾患の型及び重症度に応じて、被験者への投与の最初の候補用量は、例えば、1回または複数回にわたって別々に投与するか、または連続注入するかどうかにより、抗VEGF抗体約1ug/kg〜100mg/kg(例えば、0.1〜20mg/kg)となる。1つの実施形態では、好ましい用量には、例えば、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、及び15mg/kgが含まれる。数日間またはそれより長期にわたる繰り返し投与またはサイクルでは、状態に応じて、上記の方法または当技術分野で知られている方法によって測定される癌が治療されるまで、治療が持続される。しかし、他の用量計画が有用となる場合がある。1つの例では、抗VEGF抗体は、6mg/kg、8mg/kg、10mg/kgまたは15mg/kgを含むがこれらに限定されない約6mg/kg〜約15mg/kgの用量範囲で、1週間ごとに、2週間ごとに、または3週間ごとに1回投与される。本発明の治療の進捗は、従来の技術及びアッセイによって容易にモニターされる。他の実施形態では、かかる投与レジメンが、グリオブラストーマの化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。さらに、好適な用量についての情報は、以下の実施例に提供される。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、中皮腫の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、胃癌の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施レジメンでは、かかる投与レジメンは、腎細胞癌の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与レジメンは、肝細胞癌の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。他の実施形態では、かかる投与レジメンが、肉腫の化学治療レジメンと組み合わせて用いられる。いくつかの実施形態では、該抗VEGF抗体の有効量は10mg/kgであり、2週間ごとに静脈内に投与され、例えば、最初に静脈内に90分間以上投与され、続いて60分間以上注入され、その後30分間注入される。いくつかの実施形態では、該抗VEGF抗体の有効量は15mg/kgであり、3週間ごとに静脈内に投与され、例えば、最初に静脈内に90分間以上投与され、続いて60分間以上注入され、その後30分間注入される。上記方法では、抗VEGF抗体は、第1のサイクルで該患者に2番目に投与され、続いて、該抗VEGF抗体が、該化学治療の前または後に投与される。別の実施形態では、抗VEGF抗体は、該化学治療及び放射線療法が行われるのと同時に投与される。いくつかの実施形態では、患者へのステロイドの投与が中断される。
いくつかの実施形態では、オナルツズマブの有効量は15mg/kgであり、3週間ごとに静脈内に投与され、ベバシズマブの有効量は15mg/kgであり、3週間ごとに静脈内に投与される。
方法及び使用のいずれかのいくつかの他の態様では、治療は、さらに、追加の癌薬剤の投与を含む。例示的癌薬剤としては、腫瘍成長に関与している他の因子の拮抗剤、例えば、EGFR、ErbB3、ErbB4、またはTNFが挙げられる。また、1つまたは複数のサイトカインを被験者に投与することが有益である場合もある。1つの実施形態では、VEGF抗体は、成長阻害薬剤ともに投与される。例えば、最初に成長阻害薬剤を投与し、続いてVEGF抗体を投与してよい。しかし、同時に投与すること、または最初にVEGF抗体を投与することもまた、検討される。成長阻害薬剤の好適な用量は、現在用いられている用量であり、成長阻害薬剤及び抗VEGF抗体の作用の組み合わせ(相乗作用)のために減少させてもよい。
本明細書の製剤はまた、治療される特定の適応症に必要な複数の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含有してよい。例えば、1つの製剤中で、EGFR、VEGF(例えば、VEGF上の異なるエピトープまたは同じエピトープを結合する抗体)、VEGFR、またはErbB2(例えば、Herceptin(登録商標))に結合する抗体をさらに提供することが好ましい場合がある。代わりに、または追加で、組成物は、化学療法薬、または細胞毒性薬剤を含んでよい。かかる分子は、組み合わせで、所期の目的に効果的な量で好適に存在する。
方法及び使用のいずれかの特定の態様では、本発明の抗体との組み合わせ癌治療に有用な他の治療薬剤は、他の抗血管新生薬剤を含む。多くの抗血管新生薬剤は、確認されており当技術分野で知られており、Carmeliet and Jain(2000)に記載されたものを含む。1つの実施形態では、抗VEGF抗体は、別のVEGF拮抗剤またはVEGF受容体拮抗剤、例えば、VEGF変異体、可溶性VEGF受容体フラグメント、VEGFまたはVEGFRをブロックすることができるアプタマー、中和抗VEGFR抗体、VEGFRチロシンキナーゼの低分子量阻害剤、及びこれらの任意の組み合わせと組み合わせて用いられる。代わりに、または追加で、被験者に2つ以上の抗VEGF抗体を同時に投与してよい。
当業者によって理解される通り、化学療法薬または他の抗癌薬剤の好適な用量は一般に、例えば、化学療法薬が、単独で、または他の化学治療と組み合わせて投与される場合、臨床的治療で既に用いられている用量と同程度の量である。治療される状態に応じて用量に変化が生じる可能性がある。治療薬を投与する医師は、個々の被験者にとって好適な用量を決定することができる。
いくつかの実施形態では、治療により、癌薬剤を投与すると、癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)のリスクがある、または癌を罹患している患者に臨床的または治療利益がもたらされる。かかる利益には、生存期間の延長(例えば、全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長)、客観的奏効(完全奏効または部分奏効を含む)をもたらすこと、または、グリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状の悪化までの期間の延長、中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状の悪化までの期間の延長、胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状の悪化までの期間の延長、腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状の悪化までの期間の延長、肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状の悪化までの期間の延長、または肉腫(例えば、治療歴のある肉腫)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状の悪化までの期間の延長を含む、癌等の徴候または症状の改善のうちのいずれか1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、症状は、発作、神経認知機能(人、時間、及び/または場所の見当識を含むがこれらに限定されない)、読み、書き、及び理解のうち1つまたは複数(任意の組み合わせ)である。いくつかの実施形態では、症状は、胸壁痛、胸水、息切れ、疲労、貧血、喘鳴、嗄声、咳、痰中血、腹痛、腹水、腹部腫瘤、腸機能の問題、体重減少、血餅、播種性血管内凝固症候群、黄だん、低血糖レベル、及び肺塞栓症のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。いくつかの実施形態では、症状は、消化障害、胸焼け、疲労、腹部膨満、腹痛、悪心、嘔吐、下痢、便秘、体重減少、出血、貧血、及び嚥下障害のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせ)である。いくつかの実施形態では、症状は、血尿(または尿中血)、側腹痛、腹または側腹中の腫瘤、体重減少、食欲不振、発熱、高血圧、疲労感、寝汗、貧血、赤血球増多、精索静脈瘤、高血圧症、及び高カルシウム血症のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。いくつかの実施形態では、症状は、黄色皮膚、腹部の体液による膨満、血液凝固異常による単純性紫斑、食欲不振、意図的でない体重減少、腹痛、嘔気、嘔吐、及び疲労感のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。1つの実施形態では、バイオマーカー(単数及び複数)(例えば、ISH及び/またはrt−qPCRを用いて測定される、例えば、HGFのmRNA発現、)は、c−met拮抗剤で治療される場合、生存期間が延長(例えば、全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長)することが予測される患者を特定するために用いられる。いくつかの実施形態では、バイオマーカー(単数及び複数)(例えば、ISH及び/またはrt−qPCRを用いて測定される、例えば、HGFのmRNA発現)は、c−met拮抗剤及びVEGF拮抗剤で治療される場合、VEGF拮抗剤だけで治療される患者と比較して、生存期間が延長(例えば、全生存期間及び/または無増悪生存期間の延長)することが予測される患者を特定するために用いられる。本明細書中の(例えば、HGFのmRNA ISH及び/またはrt−qPCR解析によって測定される)バイオマーカー(単数及び複数)の発現率によって、かかる有効反応が効果的に予測されるか、または高感度で予測される。
いくつかの実施形態では、生存期間の延長は、治療をされていない患者と比較して、かつ/または1つまたは複数の承認抗腫瘍薬剤で治療されるが、本発明に従った治療を受けていない患者と比較して、本発明に従って治療した患者の全生存期間及び/または無増悪生存期間が延長することを意味する。特定の例では、生存期間の延長は、治療を受けていない患者と比較して、かつ/または1つまたは複数の承認抗腫瘍薬剤で治療されるが、c−met拮抗剤による治療を受けていない患者と比較して本発明の治療(例えば、c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)による治療)を受けている癌患者の無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)が延長することを意味する。別の特定の例では、生存期間の延長は、治療を受けていない患者(例えば、癌患者の集団)と比較して、かつ/または1つ以上の承認抗腫瘍薬剤で治療されるが、c−met拮抗剤による治療を受けていない患者(例えば、癌患者の集団)と比較して、本発明の治療(例えば、c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)による治療)を受けている癌患者(例えば、癌患者の集団)の無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)が延長することを意味する。別の特定の例では、生存期間の延長は、ベバシズマブのみで治療した患者と比較して、本発明の組み合わせ治療(例えばc−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)とVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)との組み合わせによる治療)を受けている癌患者の無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)が延長することを意味する。別の特定の例では、生存期間の延長は、ベバシズマブのみで治療した患者(例えば、癌患者の集団)と比較して、本発明の組み合わせ治療(例えばオナルツズマブとベバシズマブとの組み合わせによる治療)を受けている癌患者(例えば、癌患者の集団)の無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)が延長することを意味する。
いくつかの実施形態では、治療により、グリオブラストーマ(例えば、治療歴のあるグリオブラストーマ)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状が悪化するまでの期間の延長を含む癌等の徴候または症状の改善がもたらされる。いくつかの実施形態では、症状は、発作、神経認知機能(人、時間及び/または場所の見当識を含むがこれらに限定されない)、読み、書き、及び理解のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせ)である。いくつかの実施形態では、かかる癌徴候または症状の増大を予防するための方法が提供される。
いくつかの実施形態では、治療により、中皮腫(例えば、治療歴のある中皮腫)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状が悪化するまでの期間の延長を含む癌等の徴候または症状が改善する。いくつかの実施形態では、症状は、胸壁痛、胸水、息切れ、疲労、貧血、喘鳴、嗄声、咳、痰中血、腹痛、腹水、腹部腫瘤、腸機能の問題、体重減少、血餅、播種性血管内凝固症候群、黄だん、低血糖レベル、及び肺塞栓症のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。いくつかの実施形態では、かかる癌徴候または症状の増大を予防するための方法が提供される。
いくつかの実施形態では、治療により、胃癌(例えば、治療歴のある胃癌)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状が悪化するまでの期間の延長を含む癌等の徴候または症状の改善がもたらされる。いくつかの実施形態では、症状は、消化障害、胸焼け、疲労、腹部膨満、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、便秘、体重減少、出血、貧血、及び嚥下障害のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。いくつかの実施形態では、かかる癌徴候または症状の増大を予防するための方法が提供される。
いくつかの実施形態では、治療により、肝細胞癌(例えば、治療歴のある肝細胞癌)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状が悪化するまでの期間の延長を含む、癌等の徴候または症状の改善がもたらされる。いくつかの実施形態では、症状は、黄色皮膚、腹部の体液による膨満、血液凝固異常による単純性紫斑、食欲不振、意図的でない体重減少、腹痛、嘔気、嘔吐、及び疲労感のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。いくつかの実施形態では、かかる癌徴候または症状の増大を予防するための方法が提供される。
いくつかの実施形態では、治療により、腎細胞癌(例えば、治療歴のある腎細胞癌)患者が経験した臨床的に関係のある疾患関連症状が悪化するまでの期間の延長を含む癌等の徴候または症状の改善がもたらされる。いくつかの実施形態では、症状は、血尿(または尿中血)、側腹痛、腹または側腹中の腫瘤、体重減少、食欲不振、発熱、高血圧、疲労感、寝汗、貧血、赤血球増多、精索静脈瘤、高血圧症、及び高カルシウム血症のうちのいずれか1つまたは複数(任意の組み合わせで)である。いくつかの実施形態では、かかる癌徴候または症状の増大を予防するための方法が提供される。
いくつかの実施形態では、患者はグリオブラストーマ患者である。いくつかの実施形態では、患者は、c−met拮抗剤による前治療を受けていなかった。いくつかの実施形態では、患者は、脳内薬剤による前治療を受けていなかった。いくつかの実施形態では、タンパク質尿の尿試験紙検査を用いてアッセイした通り、患者には、24時間内に1.0g超のタンパク質の尿タンパク質尿がなかった。いくつかの実施形態では、患者は、コントロールが不十分な高血圧症(例えば、降圧薬の服用時に、収縮期血圧が150mmHg超及び/または拡張期血圧が100mmHg超)でなかった。いくつかの実施形態では、患者には、高血圧発症または高血圧脳症の前病歴がなかった。いくつかの実施形態では、患者には、心筋梗塞(例えば、12ヶ月以内)または不安定狭心症(例えば、6ヶ月以内)の前病歴がなかった。いくつかの実施形態では、患者には、脳卒中または一過性脳虚血発作(例えば、6ヶ月以内)の病歴がなかった。いくつかの実施形態では、患者には、有意な血管疾患(例えば、外科的修復が必要な大動脈瘤、または最近の末梢動脈脳血栓症(例えば、6ヶ月以内))がなかった。いくつかの実施形態では、患者には、腹フィステルまたは胃腸穿孔(例えば、6ヶ月以内)の病歴がなかった。いくつかの実施形態では、患者には、出血性素因または凝固障害の証拠がなかった(例えば、治療的抗凝固の欠如)。いくつかの実施形態では、患者には、脳膿瘍(例えば、6ヶ月以内)の病歴がなかった。
いくつかの実施形態では、患者は、テモゾロミドによる前治療を受けていた。いくつかの実施形態では、患者は、先行ラインの化学療法(例えば、先行ラインのテモゾロミド、例えば、併用または補助テモゾロミド)のみを受けていた。いくつかの実施形態では、患者のカーノフスキー活動状態は、70%以上であった。
別の態様では、本明細書に開示した方法のいずれかを用いて治療歴のあるグリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の治療と関連している患者の有害事象を評価する方法が提供され、当該治療は、c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)によるものであり、当該方法は、患者の1つまたは複数の有害事象をモニターするステップを含む。いくつかの実施形態では、患者の、1つまたは複数の有害事象の数及び/または重症度がモニターされる。例示的有害事象は本明細書に開示され、末梢性浮腫を含むがこれに限定されない。
別の態様では、本明細書に開示した方法のいずれかを用いて治療歴のあるグリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の治療と関連している患者の有害事象を評価する方法が提供され、当該治療は、c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)及び化学治療によるものであり、当該方法は、患者の1つまたは複数の有害事象をモニターするステップを含む。いくつかの実施形態では、患者の、1つまたは複数の有害事象の数及び/または重症度がモニターされる。例示的有害事象は、本明細書に開示され、末梢性浮腫を含むがこれに限定されない。
別の態様では、本明細書に開示した方法のいずれかを用いて治療歴のあるグリオブラストーマまたは腎細胞癌の治療と関連している患者の有害事象を評価する方法が提供され、当該治療は、c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)及びVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)によるものであり、当該方法は、患者の1つまたは複数の有害事象をモニターするステップを含む。いくつかの実施形態では、患者の、1つまたは複数の有害事象の数及び/または重症度がモニターされる。例示的有害事象は、本明細書に開示され、末梢性浮腫を含むがこれに限定されない。
本明細書に記載の製剤または治療方法のいずれかは、薬剤として抗体の代わりにまたは抗体に加えて、抗体のイムノコンジュゲートを用いて実施可能であることが理解される。
V.製品
本発明の別の実施形態では、癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)を治療するのに使用される製品が提供される。いくつかの実施形態では、癌は、治療歴のある癌(例えば、治療歴のある(例えば、セカンドラインの)グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)である。製品は、容器、及び容器上にまたは容器に付随するラベルまたは添付文書を含む。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ等が挙げられる。容器は、様々な材料、例えば、ガラスまたはプラスチックで形成してよい。容器は、活性薬剤として癌薬剤を含む組成物を保持または含有し、無菌アクセスポートを有してよい(例えば、容器は、静脈内溶液バッグ、または皮下注入針によって貫通可能なストッパーを有するバイアルであってもよい)。
製品はさらに、製剤的に許容可能な希釈緩衝液、例えば、注入用滅菌精製水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、及びブドウ糖溶液を含む第2の容器を含んでよい。製品はさらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的観点及び使用者の観点から好ましい他の材料を含んでよい。
本発明の製品はまた、例えば、組成物が本明細書に開示した通り、バイオマーカー(単数及び複数)の発現に基づいて癌を治療するのに用いられることを示す情報を、添付文書の形態で含む。添付文書またはラベルは、任意の形態、例えば、紙、または電子媒体、例えば、電磁的記録媒体(例えば、フロッピーディスク)またはCD−ROMとしてよい。ラベルまたは添付文書は、また、キットまたは製品中の医薬組成物及び剤形に関する他の情報を含んでよい。
本発明は、また、パッケージで、c−met拮抗剤(例えば、抗c−met抗体、例えば、オナルツズマブ)を含む医薬組成物と、医薬組成物が本明細書に開示した通り、HGFバイオマーカーの発現に基づいて癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)患者を治療するためのものであることを示す添付文書とを組み合わせることを含む、製品の作製方法に関する。いくつかの実施形態では、癌は、治療歴のある癌(例えば、セカンドラインのグリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)である。
本発明はまた、パッケージで、VEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)を含む医薬組成物と、医薬組成物が本明細書に開示した通り、HGFバイオマーカーの発現に基づいて癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)患者を治療するためのものであることを示す添付文書とを組み合わせることを含む、製品の作製方法に関する。いくつかの実施形態では、癌は、治療歴のある癌(例えば、セカンドラインのグリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)である。
製品はさらに、製剤的に許容可能な希釈緩衝液、例えば、注入用滅菌精製水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、及び/またはブドウ糖溶液を含む追加の容器を含んでよい。製品はさらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的観点及び使用者の観点から好ましい他の材料を含んでよい。
VI.診断キット
本発明はまた、本明細書で特定したバイオマーカー(単数及び複数)のうちのいずれか1つまたは複数を検出するのに有用な診断キットに関する。それゆえに、癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫患者)患者からの試料中の1つまたは複数のHGFバイオマーカーの発現を測定するための1つまたは複数の試薬を含む診断キットが提供される。任意で、キットはさらに、(例えば、ISH、またはPCRによって)患者の癌が多量のHGFバイオマーカーを有すると判定された場合、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫患者を治療するために癌薬剤(例えば、c−met拮抗剤、例えば、抗c−met抗体、例えば、オナルツズマブ)を選択するキットを使用するための指示書を含む。いくつかの実施形態では、癌患者は、治療歴のある癌患者(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の治療歴のある患者)である。任意で、キットはさらに、(例えば、ISH、またはPCRによって)患者の癌が多量のHGFバイオマーカーを有すると判定された場合、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫の治療歴がある患者を治療するために癌薬剤(例えば、c−met拮抗剤、例えば、抗c−met抗体、例えば、オナルツズマブ)を選択するキットを使用するための指示書を含む。別の実施形態では、キットはさらに、患者の癌(例えば、グリオブラストーマ、中皮腫、胃癌、腎細胞癌、肝細胞癌、または肉腫)が多量のHGFバイオマーカーを有すると測定された場合、c−met拮抗剤抗体(例えば、オナルツズマブ)及びVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)による治療を選択するキットを使用するための指示書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、HGFのmRNAに相補的であるプライマー及び/またはプローブ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)を含む。
VII.広告方法
本明細書中の本発明はまた、対象顧客に、本明細書に開示した通りにHGFバイオマーカーの発現に基づいて癌患者を治療するために癌薬剤(例えば、抗c−met抗体、任意で抗VEGF抗体と組み合わせる)の使用を奨励することを含む、癌薬剤を広告する方法に関する。
広告は、一般にスポンサーが特定されてメッセージが制御される非パーソナルメディアによる有償通信である。本明細書の目的のための広告は、宣伝、公報、プロダクトプレイスメント、後援、引受、及び販売促進を含む。また、この用語には、本明細書の本発明を購入、支持、または承認するよう説得し、通知し、奨励し、動機付けし、さもなければ好ましいパターンへの行動を変えるように、大衆にアピールするために設計された印刷通信メディアのいずれかに現れる情報告示の後援も含まれる。
本明細書の診断方法の広告及び奨励は、任意の手段によって実施してよい。これらのメッセージを配信するために用いられる広告媒体の例としては、放送媒体に現れるメッセージであるコマーシャルを含むテレビ、ラジオ、映画、雑誌、新聞、インターネット、及び掲示板が挙げられる。また、広告としては、食品雑貨店のカートの台座上の広告、空港通路の壁の広告、及びバスの側面の広告、または電話保留メッセージで聞かれる広告もしくは店舗内アナウンス設備が挙げられ、または任意の場所に視覚もしくは聴覚通信を設置することができる。
奨励または広告手段のさらに特定の例としては、テレビ、ラジオ、映画、インターネット、例えば、ウェブキャスト及びウェビナー、同時使用者に到達することを意図した対話型コンピュータネットワーク、固定または電子掲示板及び他の公共サイン、ポスター、従来の文献もしくは電子文献、例えば、雑誌及び新聞、他のメディア発信源、プレゼンテーション、または、例えば、Eメール、電話、インスタントメッセージ、郵便、クーリエ、マスもしくは運送業者メール、実際の訪問等による個人の接触が挙げられる。
用いられる広告の型は、多くの要素、例えば、到達する対象顧客の性質、例えば、病院、保険会社、診療所、医師、看護師、及び患者、ならびに費用の考慮、ならびに薬剤及び診断の広告を統制する該当する管轄区域の法律及び規則に依存する。広告は、サービス相互作用及び/または他のデータ、例えば、使用者人口統計及び地理的場所によって定義される使用者の特性決定に基づいて個別化またはカスタマイズしてよい。
いくつかの実施形態では、奨励は、適応症、例えば、グリオブラストーマ(例えば、再発性グリオブラストーマ)、中皮腫(例えば、再発性中皮腫)、胃癌(例えば、再発性胃癌)、腎細胞癌(例えば、再発性腎細胞癌)、肝細胞癌(例えば、再発性肝細胞癌)、または肉腫(例えば、再発性肉腫)治療のための、治療薬剤(単数及び複数)、例えば、抗c−met拮抗剤(例えば、オナルツズマブ)及び/またはVEGF拮抗剤(例えば、ベバシズマブ)の奨励を指し、かかる奨励は、被験者の集団で統計学的に有意な治療有効性及び許容可能な安全性と関係することが示されているものとして、食品医薬品局(FDA)によって承認されている。
配列
配列番号:16
MKAPAVLAPGILVLLFTLVQRSNGECKEALAKSEMNVNMKYQLPNFTAETPIQNVILHEHHIFLGATNYIYVLNEEDLQKVAEYKTGPVLEHPDCFPCQDCSSKANLSGGVWKDNINMALVVDTYYDDQLISCGSVNRGTCQRHVFPHNHTADIQSEVHCIFSPQIEEPSQCPDCVVSALGAKVLSSVKDRFINFFVGNTINSSYFPDHPLHSISVRRLKETKDGFMFLTDQSYIDVLPEFRDSYPIKYVHAFESNNFIYFLTVQRETLDAQTFHTRIIRFCSINSGLHSYMEMPLECILTEKRKKRSTKKEVFNILQAAYVSKPGAQLARQIGASLNDDILFGVFAQSKPDSAEPMDRSAMCAFPIKYVNDFFNKIVNKNNVRCLQHFYGPNHEHCFNRTLLRNSSGCEARRDEYRTEFTTALQRVDLFMGQFSEVLLTSISTFIKGDLTIANLGTSEGRFMQVVVSRSGPSTPHVNFLLDSHPVSPEVIVEHTLNQNGYTLVITGKキットKIPLNGLGCRHFQSCSQCLSAPPFVQCGWCHDKCVRSEECLSGTWTQQICLPAIYKVFPNSAPLEGGTRLTICGWDFGFRRNNKFDLKKTRVLLGNESCTLTLSESTMNTLKCTVGPAMNKHFNMSIIISNGHGTTQYSTFSYVDPVITSISPKYGPMAGGTLLTLTGNYLNSGNSRHISIGGKTCTLKSVSNSILECYTPAQTISTEFAVKLKIDLANRETSIFSYREDPIVYEIHPTKSFISGGSTITGVGKNLNSVSVPRMVINVHEAGRNFTVACQHRSNSEIICCTTPSLQQLNLQLPLKTKAFFMLDGILSKYFDLIYVHNPVFKPFEKPVMISMGNENVLEIKGNDIDPEAVKGEVLKVGNKSCENIHLHSEAVLCTVPNDLLKLNSELNIEWKQAISSTVLGKVIVQPDQNFTGLIAGVVSISTALLLLLGFFLWLKKRKQIKDLGSELVRYDARVHTPHLDRLVSARSVSPTTEMVSNESVDYRATFPEDQFPNSSQNGSCRQVQYPLTDMSPILTSGDSDISSPLLQNTVHIDLSALNPELVQAVQHVVIGPSSLIVHFNEVIGRGHFGCVYHGTLLDNDGKKIHCAVKSLNRITDIGEVSQFLTEGIIMKDFSHPNVLSLLGICLRSEGSPLVVLPYMKHGDLRNFIRNETHNPTVKDLIGFGLQVAKGMKYLASKKFVHRDLAARNCMLDEKFTVKVADFGLARDMYDKEYYSVHNKTGAKLPVKWMALESLQTQKFTTKSDVWSFGVLLWELMTRGAPPYPDVNTFDITVYLLQGRRLLQPEYCPDPLYEVMLKCWHPKAEMRPSFSELVSRISAIFSTFIGEHYVHVNATYVNVKCVAPYPSLLSSEDNADDEVDTRPASFWETS
実施例1:グリオブラストーマ試料中のHGFのmRNA発現のIn−Situハイブリダイゼーション分析
試料:再発性グリオブラストーマの患者で、オナルツズマブとベバシズマブ対ベバシズマブとプラセボによる治療の予備作業及び安全性を評価するために設計された盲検、第2相、無作為化、多施設試験(さらに以下に記載した)により、治療前患者のグリオブラストーマ試料を分析した。試験に登録された全患者の、代表的なグリオブラストーマのホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍標本の提出が必要であった。
In−Situハイブリダイゼーション(ISH):対象の標的RNAにハイブリダイズされ、続いて、ハイブリダイゼーションに基づくシグナル増幅を行った1セットの標的DNAプローブを用いて、ISHアッセイを実施した。標的プローブは、対としてハイブリダイズし、各対がプリアンプの結合部位を生成するように設計されたオリゴヌクレオチドであった。プリアンプを、標的プローブ対に好ましくハイブリダイズするが、個々の標的プローブにハイブリダイズしない温度で、標的プローブにハイブリダイズさせた。これにより、不対の標的プローブが非特定のRNAに非特異的にハイブリダイズした場合、シグナル増幅が生じなかったことが確認された。その後、プリアンプにアンプをハイブリダイズさせた。最後に、色素分子に結合される標識プローブをアンプにハイブリダイズさせた。
製造者の指示と比較して前治療ステップを変更したことを除いて、製造者の指示(RNAScope2.0マニュアルアッセイ)に従ってアッセイを実施した。例えば、シグナルを最適化するために、前治療ステップの変更は重要であった。
プロトコール:
1. 60℃で、60分間、スライドを燃焼した。
2. 脱パラフィン/再水化:3倍のXylene(EMD Millipore Chemicals;カタログ番号XX0060−4)で5分間、続いて、2倍の100%試薬アルコール(Thermo Scientific;カタログ番号9111)で2分間、スライドを処理した。
全試薬を保存している温度(4℃)を室温にした。プローブを、使用前におよそ10分間40℃に事前に加熱した。
3. スライドを風乾させ、組織の周囲に疎水性バリアを延伸した。
4. スポイトによって各スライドに前治療(PT)1溶液(内因性ペルオキシダーゼ、Advanced Cell Diagnostics、カタログ番号310020)を添加し、標本に蓋をし、その後、10分間、室温で試料をインキュベートし、その後、2分間、スライドをH2O2Xに移した。
5. 1.5リットルの前治療(PT)2溶液(Advanced Cell Diagnostics;カタログ番号320043、溶液を10倍の保存溶液にし、使用前にdH2O中で1倍に希釈した)を調製し、PTモジュールに移し、その後、PT2溶液を含有するPTモジュールにスライドを入れ、この中で、20分間、92℃で煮沸し、その後、スライドPTモジュール(Lab Vision(商標)PTモジュール,Thermo Scientific,部番A80400112)に置き、92℃で20分間保持し、その後、H2Oにスライドを移して、2分間スライドの冷却を2度繰り返した。
6. スポイトによって各スライドに前治療(PT)3(Advanced Cell Diagnostics;カタログ番号310020)を添加し、標本に蓋をし、40℃で、20分間スライドを置き、その後、リン酸緩衝生理食塩水に2分間移すのを2度繰り返した。
7. 5分間、室温で、PBSpH7.4(Genentech Media Prep)中の4%パラホルムアルデヒドにスライドを固定し、その後、PBS中での1〜5分間の洗浄を2度繰り返して、パラホルムアルデヒドをすすぎ落とした。
8. 製造者の指示(RNAScope2.0マニュアルアッセイプロトコールを参照)に従ってプローブハイブリダイゼーションを実施した。2時間、40℃で、プローブ(HGFプローブまたは対照プローブ)をハイブリダイズし、その後、それぞれ2分間、洗浄緩衝液(RNAscope 50X FFPE洗浄緩衝液;Advanced Cell Diagnosticsカタログ番号310091;dH2O中で1倍に希釈した)中で、2度洗浄した。
8. 増幅ステップ1:30分間40℃でスライドをインキュベートし、その後、それぞれ2分間洗浄緩衝液中で2度洗浄した。
9. 増幅ステップ2:15分間40℃でスライドをインキュベートし、その後、それぞれ2分間洗浄緩衝液中で2度洗浄した。
10. 増幅ステップ3:30分間40℃でスライドをインキュベートし、その後、それぞれ2分間、洗浄緩衝液中で2度洗浄した。
11. 増幅ステップ4:15分間40℃でスライドをインキュベートし、その後、それぞれ2分間、洗浄緩衝液中で2度洗浄した。
12. 増幅ステップ5:30分間室温でスライドをインキュベートし、その後、それぞれ2分間、洗浄緩衝液中で2度洗浄した。
13. 増幅ステップ6:15分間室温でスライドをインキュベートし、その後、それぞれ2分間、洗浄緩衝液中で2度洗浄した。
14. 検出:DAB A及びDAB B(両方ともRNAscope(登録商標)2.0検出キット−茶色のもの;Advanced Cell Diagnostics;オーダー番号310033)を1:1で混合し、スライドに添加し、その後、10分間、室温で、スライドをインキュベートし、その後、dH2O中ですすいだ。
15. 対比染色:スライドに、水中で1:1に希釈したGillのヘマトキシリン(Gillのヘマトキシリン#2;Polysciences,Inc.;オーダー番号24243−500)を2分間添加し、その後、スライドをdH2O中ですすいだ。アンモニウム水(水酸化アンモニウム;Sigma Aldrich;221228−25ML−A−dH2O中で0.01%に希釈した)中にスライドを5度浸漬させ、その後、dH2O中で、スライドを5度浸漬させた。
16. 脱水:2分間、1倍の70%試薬アルコール(70%試薬アルコール;American MasterTech Scientific,Inc.;#ALREA70GAL)中にスライドを浸漬させ、その後、それぞれ2分間、2倍の100%試薬アルコール中にスライドを浸漬させ、その後、5分間、1倍のXylene中にスライドを浸漬させた。
17. Permount封入剤(Tissue Tek(登録商標)Glas(商標)封入剤;Sakura;オーダー番号6419)中で、スライドをカバーガラスで覆った。dH2O浸潰湿潤紙、HybEZ(商標)浸潰湿潤紙;ACD;オーダー番号310015)とともに用いられる、湿度調節トレイ(HybEZ(商標)湿度調節トレイ;Advanced Cell Diagnostics;オーダー番号310012)中で、ステップ6〜11を実施し、HybEZ(商標)オーブン(Advanced Cell Diagnostics;オーダー番号241000ACD)中でインキュベートした。
HGFのISHに用いたプローブは、HGFプローブ、Hs−HGFプローブ(Advanced Cell Diagnostics;オーダー番号310761)、陽性対照プローブHs−UBCプローブ(ユビキチンC)(Advanced Cell Diagnostics;オーダー番号310041)、及び陰性対照プローブDapBプローブ(ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ)(Advanced Cell Diagnostics;オーダー番号310043)であった
HGFのmRNAのISHによるグリオブラストーマ試料のスコアリング:細胞の核及び/または細胞質中で、点状茶色ドットを提示した陽性HGFのISHシグナルを提示している試料。腫瘍細胞及び良性ストローマ細胞(例えば、反応性星状細胞、グリア細胞、周細胞、及び内皮細胞)中で陽性HGFのISHシグナルが観察され、形態学的に正常な脳組織中で(例えば、正常脳の広範な部分が腫瘍から離れたセクションに存在していた場合)陽性HGFのISHシグナルは観察されなかった。試料の大多数(全てでなくとも)で、HGFのISHシグナルが局所的に確認され、そのため、腫瘍及び/または良性ストローマ中の陽性HGFのISHシグナルは、セクションのいくつかの部分で観察され、セクションの他の部分では観察されなかった。実際には、セクションが、いくつかの部位で陽性HGFのISHシグナルを有し、他の部位中ではHGFのISHシグナルを欠くことは、異常なことではなかった(いくつかの部位では、HGFのISHシグナルを欠くことがあった)。それゆえに、腫瘍及び良性ストローマ細胞中の陽性ISHシグナルの存在または欠如及び発生率に対して、セクション全体にスコアを付与したが、腫瘍から離れたセクションに存在する形態学的に正常な脳組織にスコアを付与しなかった。いくつかの場合では、正常脳組織は、スコアリング分析を行った組織部位中に含まれる領域内に存在している場合がある(例えば、正常脳組織が腫瘍エリア内に含有されていた場合)。
また、対照として、陽性(UBC)及び陰性(DapB)対照プローブで、同じ腫瘍からのセクションをハイブリダイズした。UBC陽性対照ISH陽性シグナルがない場合は、分析から除外した。
ISHアッセイは、極めて低レベルの非特異的(またはバックグラウンド)シグナルを有し、このシグナルは低レベル及び発生率の陽性HGFのISHシグナルの検出を促進した。実験ごとにHGF発現及びバックグラウンド染色の陽性及び陰性対照を含むことによってアッセイのバックグラウンドシグナルのレベルを評価した。KP4細胞株は、HGFを発現して分泌することが知られている。FFPE固定KP4細胞ペレットのセクションともにスライドを準備し、HGFプローブ(陽性対照)及びDapBプローブ(陰性対照)を用いて分析した。DapBは、哺乳動物細胞中で発現しない細菌遺伝子であり、したがって、陽性DapB ISHシグナルが、KP4細胞中で観察されないことが予測される。
光学顕微鏡の10倍対物レンズを用いてセクション全体をスキャニングし、その後、以下に記載した通り、20倍または40倍対物レンズを用いてセクション全体をスキャニングすることによって、スコアリングを実施した。陽性HGFのISHシグナルが見られる細胞の発生率に従って、以下に記載した通り、0〜3+の尺度で、試料にスコアを付与した。シグナルが、希な細胞、所々の細胞、または多くの細胞中に存在したかどうかを決定するために、以下のアプローチを行った。10倍対物レンズを用いて腫瘍セクション全体をスキャニングした(上述の通り、試料中の腫瘍及び隣接良性ストローマに焦点を合わせ、腫瘍から離れた形態学的に正常な脳組織の広範な部分を除外する)。10倍対物レンズを用いて陽性HGFのISHシグナルが容易に観察された場合、多くの細胞中にHGFのISHシグナルを示すものとして試料を特徴付け、HGFのISH3+のスコアを付与した。図8は、低倍率で確認した、3+HGFのISHシグナルを提示したグリオブラストーマセクションの顕微鏡写真を示す。図9は、高倍率で確認した、同じセクションの顕微鏡写真を示す。
10倍対物レンズを用いて陽性HGFのISHシグナルが容易に観察されなかった場合、20倍及び/または40倍対物レンズを用いて腫瘍セクション全体をスキャニングした。20または40倍で確認されたように、複数の細胞中に陽性HGFのISHシグナルが観察された場合、(通常、スライドのいくつかの部位中にあり、時には、陽性シグナルを有する部位の位置を特定する前にセクションのいくつかの部位をスキャニングしなければならないこともあった)、試料を、所々の細胞中にHGFのISHシグナルを有するものとして特徴付け、HGFのISH2+のスコアを付与した。陽性HGFのISHシグナルを有する極めて少ない細胞(通常、全セクション中に約10以下)が観察された場合、例えば、通常、陽性HGFのISHシグナルを観察する前に、スライドの複数の部位を探す必要があるため、試料を、希な細胞中にHGFのISHシグナルを示すものと特徴付け、HGFのISH1+のスコアを付与した。図10は、1+HGFのISHシグナルを提示したグリオブラストーマセクションの例示的顕微鏡写真を示す。低倍率((おおよそ10倍対物レンズに等しい)を用いてセクションを観察したが、HGFのISHシグナル陽性細胞を特定することは困難であった。図11は、高倍率(おおよそ40倍対物レンズに等しい)で確認された同じグリオブラストーマセクションの例示的顕微鏡写真を示す。弱いHGFのISHシグナルが、部位全体に分散した細胞中で観察される。矢印は、例示的HGFのISHシグナル陽性細胞を指し示している。図12は、中等度の倍率(おおよそ20倍対物レンズに等しい)で観察された、3+HGFのISHシグナルを提示したグリオブラストーマセクションの例示的顕微鏡写真を示す。HGFのISH陽性シグナルが、腫瘍の侵入エッジの複数の細胞で観察された。
セクション中にHGFのISHシグナルが観察されなかった場合、試料にHGFのISH0のスコアを付与した。
128の試料を評価した。4つの試料に評価するのに不適格な組織があった。不適格RNA特質(染色は、陽性対照UBC遺伝子ISH陰性であった)に基づいて8つの試料を除外した。27の試料が、HGF陰性(23%)であり、49の試料が、1+HGF(42%)であり、34試料が2+HGF(29%)であり、6の試料が、3+HGF(5%)であった。34%にHGF診断陽性(HGFのISH2+及び3+)のスコアを付与した。22の試料は、細胞学的基準(細胞/核異型性)に基づいて明らかに悪性であった腫瘍細胞中で陽性HGFのISHシグナルを示した。
実施例2:胃癌及び中皮腫試料中のHGFのmRNA発現のIn−Situハイブリダイゼーション分析
グリオブラストーマ試料に対して、上述の通り、ホルマリン固定パラフィン包埋胃癌試料でHGFのRNAのISH分析を行い、胃癌試料で発見されたストローマ細胞が繊維芽細胞、マクロファージ、内皮細胞を含むことを除いて、グリオブラストーマ試料に対して、上述の通り、試料に実質的にスコアを付与した。いくつかの場合では、腫瘍試料は、癌細胞、リンパ球、白血球、ストローマ、血管、結合組織、基底層、及び腫瘍と関連する他の細胞型を含んでよい。図13は、ストローマ細胞中に局所(矢印)高発現(3+)を有する胃癌のHGFの代表的なin situハイブリダイゼーションを示す。プローブハイブリダイゼーションは、青色ヘマトキシリン対比染色に対して茶色色素体によって示される。バー=100um。
グリオブラストーマ試料に対して、上述の通り、ホルマリン固定パラフィン包埋中皮腫試料でHGFのRNAのISH分析を行い、グリオブラストーマ試料について上述の通り、試料に実質的にスコアを付与した。図14は、ストローマ細胞中に局所高発現(3+)を有する中皮腫癌のHGFのRNAの代表的なin situハイブリダイゼーションを示す。プローブハイブリダイゼーションは、青色ヘマトキシリン対比染色に対して赤色色素体によって示される。図15は、HGF発現中に腫瘍内不均質性である中皮腫癌中のHGF RNAの代表的なin situハイブリダイゼーションを示す。プローブハイブリダイゼーションは、青色ヘマトキシリン対比染色に対する赤色色素体によって示される。図16は、自己分泌HGF発現を提示する中皮腫癌中のHGFのRNAの代表的なin situハイブリダイゼーションを示す。プローブハイブリダイゼーションは、青色ヘマトキシリン対比染色に対する赤色色素体によって示される。
実施例3:再発性グリオブラストーマの患者で、ベバシズマブと組み合わせてオナルツズマブの有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設第2相試験
これは、最初の再発時に、グリオブラストーマの患者で、プラセボ+ベバシズマブと比較してオナルツズマブ+ベバシズマブの有効性及び安全性を評価するための無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設第2相試験であった。
背景:新たに診断されたグリオブラストーマの標準治療は、外科的減量術であり、続いて放射線療法及びテモゾロミド(TMZ)であり、さらにTMZ維持である。かかる治療と関連している生存利益にもかかわらず、ほぼ全ての患者が、以下の初期治療に再び戻る。再発性グリオブラストーマの患者の無増悪生存期間(PFS)中央値は約4ヶ月であり、OS中央値は10ヶ月未満である。能動的介入と支持ケアとを直接比較する無作為化試験がないため、再発性グリオブラストーマの患者の最適処置は依然として明らかでない。再介入による利益の最も重要な予後因子は、前治療性能ステータス及び患者の年齢である。能動的介入としては、神経学的機能を改善または維持し、無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)を延長することを目的とする反復手術、再放射線照射、または全身治療が挙げられる。最初の試験のセカンドライン治療としてのTMZによる化学治療では、生存期間の延長を示した。しかし、TMZは現在、ファーストライン治療の成分として一般に用いられており、したがって、再発性グリオブラストーマに利用可能な確立された化学治療計画がない。
試験設計:患者を2つの治療アーム:プラセボ+ベバシズマブ(アームA)またはオナルツズマブ+ベバシズマブ(アームB)のうちの1つにランダムに(1:1で)割り当てた。カーノフスキー活動状態(70%〜80%対90%〜100%)及び年齢(50歳未満対50歳以上)に基づいて患者を層化した。これは、これらの特性が、Coxの比例ハザードモデルを用いて動的治療を受ける再発性グリオブラストーマ患者の予後因子として認識されたためである。グリオブラストーマ診断を代表するパラフィン包埋腫瘍試料の有効性が、試験の無作為化に必須である。再手術による組織が好ましかったが、最初の手術による組織は試験登録には十分であった。疾患憎悪、許容できない毒性、患者または医師による中止の決定、または死亡まで試験治療を継続した。プラセボ+ベバシズマブ(アームA)からオナルツズマブ治療への乗換えは、許可しなかった。治療中止の場合、患者の生存を6週間ごとに追跡した。図1は、試験設計の概略図を示す。
プラセボ+ベバシズマブ及びオナルツズマブ+ベバシズマブの安全性及び耐容性プロファイルを特徴付けるために、全試験期間を通じて、患者の有害事象(全グレード)、重篤な有害事象、薬剤中断または中止が必要な任意の有害事象、臨床検査値の変化、及び身体的検査所見をモニターした。
有効性の結果測定:この試験の有効性の結果測定は、以下の通りであった。
この試験の第1の有効性の結果測定は、以下の通りであった。
・無作為化日から疾患憎悪を最初に記録した日または死亡を記録した日(最初にどちらが起きても)までの期間として定義される無増悪生存期間(PFS)。RANO基準を用いて、治験担当者の評価に基づいて疾患憎悪を決定する。グリオブラストーマは通常、疾患不活動性の持続を示さないため(低グレードグリオーマとは対照的に)、腫瘍憎悪のない期間は、通常、臨床的に重要である。
この試験の第2の有効性の結果測定は、以下の通りであった。
・無作為化から死因を問わない死亡までの期間として定義される全生存期間(OS)。
・無作為化の9ヶ月後に生存している患者のパーセンテージとして定義される全生存期間−9(OS−9)。
・無作為化の6ヶ月後に生存しており、かつ憎悪がない患者のパーセンテージとして定義される無増悪生存期間−6(PFS−6)。
・RANO基準を用いて決定した通り、客観的奏効があると治験担当者によって判断されている各治療アームに登録された患者のパーセンテージとして定義される全奏効率(ORR)。
・試験中、客観的奏効の発生を最初に記録した時から疾患憎悪(RANO基準を用いて治験担当者が決定する)まで、または死因を問わない死亡までの期間として定義される奏効期間(DOR)。
この試験の安全性の結果測定は、以下の通りであった。
・NCI CTCAEバージョン4.0に従った、重篤な有害事象(SAE)を含む有害事象の頻度、性質、及び重症度
・試験薬剤の投与中及び投与後の臨床検査結果の変化
・オナルツズマブに対するATAの頻度及び血清レベル
この試験のPKの結果測定は、以下の通りであった。
・サイクル1、2、3、及び4の第1日の最初の注入前、ならびに試験薬剤中止訪問(SDDV)時の血清中のオナルツズマブ及びベバシズマブの最少濃度(C最小)
・サイクル1、2、3、及び4の第1日の最後の注入30分後の血清中のオナルツズマブ及びベバシズマブの最大濃度(C最大)
この試験の診査の結果測定は、以下の通りであった。
・副腎皮質ホルモン使用
・バイオマーカーの変化、及びPFS、ORR、及びOSとバイオマーカーとの相関
・MMSEを用いて決定される神経認知機能
・MDASI−BTを用いて決定される患者が報告したグリオブラストーマの転帰及び治療関連症状重症度及び妨害
材料及び方法
患者:患者が併用または補助化学放射線療法後の最初の再発時にグリオブラストーマを有していた場合、その患者は、潜在的にこの試験に適格であった。この試験の患者は、以下の試験登録の基準に適合していた。
疾患特性は、以下を含む。
・併用または補助化学放射線療法後の最初の再発時に組織学的に確認されたグリオブラストーマ
・RANO基準によって定義された、最初の腫瘍憎悪または再成長のイメージングによる確認
・テモゾロミド(TMZ)による前治療。
・ファーストラインのみの先行化学治療。治験薬剤とTMZとの組み合わせを含む併用及び補助TMZに基づく化学治療が、化学治療のラインの1つと考えられる。
・以前にベバシズマブまたは他のVEGF−またはVEGF受容体標的薬剤による治療なし
・以前にHGFまたはMet経路を標的とする実験的治療への暴露なし
・ガンマナイフによる前治療または他の局所高用量放射線療法が許可されるが、再発が、照射した部位外の新たな病変でなければ、患者は後に、再発について組織学的に文書化しなければならない。
・以前にカルムスチンウェハー付きプロリフェプロスパン(prolifeprospan)20による治療なし
・以前に脳内薬剤なし
・前治療の毒性作用からの回復
・脳のベースラインMRIで最近の出血の証拠なし
・原疾患(例えば、切迫ヘルニア)のための緊急緩和的介入の必要なし
・グリオブラストーマを代表するホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織の有効性
患者特性は、以下を含む。
・治験担当者によって判断される、同意文書を提供し、試験プロトコールに従う意志及び能力
・年齢が18歳以上
・カーノフスキー活動状態が70%以上
・無作為化前5日以内の副腎皮質ホルモンの用量の安定または減少
・以下を含む特定の基準のいずれか1つに適合する患者を試験登録から除外した
・IVガドリニウムによる脳MRIスキャンを受けることができない患者
・登録前7日以内の好中球絶対数(ANC)<1.5×109/L;血小板数<100×109/L;またはヘモグロビン(Hb)<9.0g/dL(注:Hb≧9g/dLを達成するための輸血または他の介入の使用が許容されている)
・総ビリルビン≧1.5×ULN(ジルベール病と診断された患者を除く)
AST(SGOT)、ALT(SGPT)、またはアルカリホスファターゼ(ALP)≧2.5×ULN
・血清クレアチニン>1.5×ULNまたはクレアチニンクリアランス計算値(CrCl)<60mL/分(Cockcroft及びGault)
・タンパク質尿の尿試験紙検査≧2+;≧2+タンパク質尿を有する患者は、24時間尿採取を受けなければならず、24時間で≦1.0gのタンパク質を示さなければならない
・国際標準率(INR)、プロトロンビン時間(PT)、または活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、以下の通りである
患者の血液凝固を抑止する治療意図がない場合:INR>1.5またはPT>1.5×ULNまたはaPTT>1.5×ULN、
または患者の血液凝固を抑止する治療意図がある場合:INRまたはPT及びaPTTが(施設の医療標準に従って)治療限度以内でないか、または患者が、無作為化前の少なくとも2週間、安定用量の抗血液凝固剤を服用している。(注:ASCOガイドラインに従って、低分子量ヘパリン[LMWH]を、好ましいアプローチとしなければならない。)
・コントロール不十分な高血圧症(降圧薬服用の間、収縮期血圧>150mmHg及び/または拡張期血圧>100mmHgと定義される)
・空腹時血清グルコースレベル>200mg/dLによって証明される通り、コントロールされていない糖尿病
・高血圧発症または高血圧脳症の前病歴
・ニューヨーク心臓協会(NYHA)グレードII以上のうっ血性心不全
・無作為化前の心筋梗塞(12ヶ月以内)または不安定狭心症(6ヶ月以内)の病歴
・無作為化前の6ヶ月以内の脳卒中または一過性脳虚血発作の病歴
・無作為化前の6ヶ月以内の重大な血管疾患(例えば、外科的修復が必要な大動脈瘤または最近の末梢動脈脳血栓症)
・出血性素因または凝固障害(治療の抗凝固がない場合)の証拠
・無作為化前の6ヶ月以内の腹フィステルまたは胃腸穿孔の病歴
・無作為化前の6ヶ月以内の脳膿瘍の病歴
・無作為化前の28日以内の主要な手術療法、切開生検、または重大な外傷
・試験期間中に主要な手術療法が必要となる予想
・治癒していない重篤な損傷、活動性潰瘍、または治療を受けていない骨折
・過去3年間に別の悪性腫瘍の病歴があり、無病期間<3年であり、in situ癌または基底または扁平細胞皮膚癌の前病歴がある患者は適格である。
・無作為化前の2週間以内の入院またはIV抗生物質が必要な任意の活動性感染の証拠
・オナルツズマブまたはベバシズマブの任意の賦形剤に対する公知の過敏症
・チャイニーズハムスター卵巣細胞生成物または他の遺伝子組み換えヒトまたはヒト化抗体に対する過敏性
試験治療
オナルツズマブ/オナルツズマブプラセボ。オナルツズマブは、600mgのオナルツズマブを含有する単一使用15ccバイアル中の無菌液体として提供される。オナルツズマブ薬剤生成物は、pH5.4で、10mMヒスチジンアセテート、120mMスクロース、0.4mg/mLポリソルベート20中の60mg/mLオナルツズマブとして製剤化された。オナルツズマブプラセボは、250ccの0.9%正常生理食塩水溶液(NSS)IVバッグからなり、試験実施施設によって提供される。一旦オナルツズマブを希釈すると、溶液を、8時間以内に投与しなければならない。
ベバシズマブ。ベバシズマブは、防腐剤が含まれていない単一使用バイアルでの静脈内注入のために、透明〜わずかに乳濁、無色〜薄茶色の無菌液体として供給された。これは、20mL(400mg、25mg/mL)ガラスバイアル中に16mL充填して供給された。製剤は、リン酸ナトリウム、トレハロース、ポリソルベート20、及び注入用無菌水(SWFI)、USPを含有した。
用量、投与
オナルツズマブ/ベバシズマブ/プラセボの用量は、割り当てた治療アームによって決定した。この試験では、最初にオナルツズマブ/オナルツズマブプラセボを投与し、続いてベバシズマブを投与した。推奨観察期間60分後に、オナルツズマブ/オナルツズマブプラセボ注入が終了した後に、ベバシズマブを投与した。
アームAの患者は、全試験期間を通じてオナルツズマブプラセボを服用した。アームBの患者は、全試験期間を通じて3週間ごとに15mg/kgオナルツズマブを服用した。オナルツズマブ/オナルツズマブプラセボの用量は、スクリーニング時の患者の体重に基づいた。全試験期間を通じてこの用量を投与し、体重に応じて変化させない。0.9%NSSで、液体オナルツズマブを希釈し、総容量250mLとした。一旦NSSにオナルツズマブを希釈すると、溶液は、8時間以内に用いることが推奨された。オナルツズマブの希釈にブドウ糖を用いてはならない。残りの溶液を捨てることが推奨された。静脈内注入としてオナルツズマブ/オナルツズマブプラセボを投与した。60分(±10分)にわたって、最初の用量を注入した。注入に関連した症状を経験する患者では、オナルツズマブ/オナルツズマブプラセボ注入を遅らせてもよい、または中断してよい。オナルツズマブ/オナルツズマブプラセボ投与後の少なくとも60分間、患者の発熱、悪寒、または他の注入に関連した症状を観察した。その後、患者が前の注入に耐えた場合には、30(±10)分にわたって、オナルツズマブ/オナルツズマブプラセボの用量を投与した。
アームA及びアームBの患者は、全試験期間を通じて3週間ごとに(オナルツズマブ注入後に)15mg/kgベバシズマブを服用した。ベバシズマブの用量は、スクリーニング時の患者の体重に基づき、患者の体重が、10%超変化しない限り、全試験期間を通じて同じままである。0.9%塩化ナトリウム注入液、USP中にベバシズマブを希釈し、総容量100mLとした。90±15分にわたって、最初の用量を送達した。注入に関連したいかなる有害事象(発熱及び/または悪寒)なしで第1の注入を耐えた場合、60±10分にわたって、第2の注入を送達した。好適に60分間の注入に耐えた場合、30±10分にわたって、次の全注入を送達した。
統計的分析。PFSの治療比較は、0.05レベルの有意性(両側)の層化ログランク検定に基づいた。層別因子は、カーノフスキー活動状態(70%〜80%対90%〜100%)及び年齢(50未満対50歳以上)であった。カプラン−マイヤー法を用いて各治療アームのPFS中央値を推定した。カプラン−マイヤー曲線を構成してオナルツズマブ+ベバシズマブとプラセボ+ベバシズマブとの間の差の視覚的説明を提供した。95%信頼区間(CI)を含む層化Coxモデルを使用して、ハザード比(HR)として、治療効果の推定値を表した。OSは、無作為化から死因を問わない死亡までの期間として定義した。生存していると最後にわかった日で、分析時に死亡したという報告がない患者のデータを打ち切った。ベースライン後データが利用できない場合、無作為化の日でOSを打ち切った。分析方法は、PFSのものと同じであった。OS−9は、9ヶ月時点で生存している患者のパーセンテージとして定義した。カプラン−マイヤー法を用いて、OS−9を推定し、グリーンウッドの式を用いて標準エラー及び対応する95%CIを推定した。グリーンウッドの式から推定した標準エラーを用いるz−検定によって、アームAのOS−9とアームBとの間のOS−9間の差に関する95%CI及びp値を測定する。PFS−6は、6ヶ月(24週間)時点で生存しており、かつ憎悪がない患者のパーセンテージとして定義される。分析方法は、OS−9のものと同じである。客観的奏効は、CRまたはPRとして定義した。ベースライン後疾患評価がない患者は、不応答者と考えられる。ORRの分析集団は、ベースライン時に測定可能な疾患を有する全無作為化患者である。各治療アームに対して、Blyth−Still−Casella法を用いてORR及びその95%CIの推定値を計算する。2つのアーム間のORRの差のCIは、二項分布の正規近似を用いて決定する。DORは、試験中、CRまたはPRを経験した患者の初期奏効から疾患憎悪または死亡までの時間として定義する。分析時に進行または死亡していなかった患者は、最終疾患評価日で打ち切る。DORを、カプラン−マイヤー法を用いて推定する。記述された目的のみのために非層化ログランク検定を使用して治療アーム間の比較を行った。
診査分析は、以下を含む。
ミニメンタルステート検査(MMSE)。治療アーム及び時点ごとに、MMSEを用いた神経認知機能のベースラインからの変化を要約する。
副腎皮質ホルモン。治療アーム及び時点ごとに、ベースラインの副腎皮質ホルモンの使用及びベースラインからのデキサメタゾン等価用量の変化を要約する。
バイオマーカー。有効性及び/または有害事象を含む試験薬剤反応とこれらのマーカーとの相関を理解するために、診査バイオマーカー分析を実施した。
患者報告転帰(PRO)。疾患関連及び治療関連症状重症度及び症状妨害のPROは、MDアンダーソン症状評価尺度−脳腫瘍質問表(MDASI−BT)を用いて評価する。全患者に対して、MDASI−BT症状重症度及び症状妨害サブスケールを平均値(及び95%CI)ごとに要約し、時点ごとにプロットする。ベースライン(サイクル1の第1日目、投与前)からの平均値(及び95%CI)の変化及び各時点の絶対スコアを報告する。スコアリングは、MDASI及びMDASI−BT検証文書に基づくものである(Cleeland et al.,Cancer(2000)89:1634−46、Armstrong et al.,Neurooncol(2006)80:27−35)。2つの一次治療アーム(オナルツズマブ+ベバシズマブ及びベバシズマブ+プラセボ)間でベースライン(サイクル1の第1日目)からの平均値(及び95%CI)の変化を比較する。
結果。129名の患者を無作為に2つのアームに割り付けた。生存期間中央値追跡期間は、9.9ヶ月(Pbo+Bev)、9.8ヶ月(Ona+Bev)であった。この分析の臨床データカットオフ日は、2013年11月7日であった。
再発性グリオブラストーマ患者では、c−met拮抗剤オナルツズマブとVEGF拮抗剤ベバシズマブとを組み合わせた治療が、以下を示した。
(i)対照アームと比較してHGFのISH2+/3+のPFS及びOSの方が明らかに長い、かつ
(ii)対照アームと比較してHGFのISH0/1+のPFS及びOSの方が明らかに短い
図2は、HGFのISHステータスに従った全生存期間のサブグループ分析を示す。高HGFのISH(2+/3+)の患者では、プラセボ+ベバシズマブで治療した場合、全生存期間中央値が6.6ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブで治療した場合、全生存期間中央値が10.9ヶ月であった(HR=0.39(95%CI0.16、0.96))。低HGFのISH(0/1+)の患者では、プラセボ+ベバシズマブで治療した場合、全生存期間中央値が12.6ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブで治療した場合、全生存期間中央値が8.6ヶ月であった(HR=2.37(95%CI1.21、4.66))。
図3は、HGFのISHが低い(0/1+)患者及びHGFのISHが高い(2+/3+)患者の全生存期間のカプラン−マイヤー分析を示す。
図4は、HGFのISHステータスに従った無増悪生存期間のサブグループ分析を示す。高HGFのISH(2+/3+)の患者では、プラセボ+ベバシズマブで治療した場合、無増悪生存期間中央値が2.8ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブで治療した場合、無増悪生存期間中央値(median overall survival)が8.3ヶ月であった(HR=0.32(95%CI0.15、0.6))。低HGFのISH(0/1+)の患者では、プラセボ+ベバシズマブで治療した場合、無増悪生存期間中央値が4.1ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブで治療した場合、無増悪生存期間中央値が2.9ヶ月であった(HR=1.63(95%CI0.99、2.68))。
図5は、HGFのISHが低い(0/1+)患者及びHGFのISHが高い(2+/3+)患者の無増悪生存期間のカプラン−マイヤー分析を示す。
図6は、ベバシズマブ+プラセボに無作為に割り分けられた全患者(実線)対ベバシズマブ+オナルツズマブに無作為に割り分けられた全患者(破線)の全生存期間の分析を示す。
図7は、ベバシズマブ+プラセボに無作為割り付けられた全患者(実線)対ベバシズマブ+オナルツズマブに無作為に割り分けられた患者(破線)対の無増悪生存期間の分析を示す。
明確に理解するために、図及び実施例により、上記発明について詳細に説明したが、説明及び実施例が本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
実施例3a:PCRを用いて、再発性グリオブラストーマの患者で、ベバシズマブと組み合わせてオナルツズマブの有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設第2相試験の分析
上記最初の再発時に、グリオブラストーマの患者で、プラセボ+ベバシズマブと比較してオナルツズマブ+ベバシズマブの有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設第2相試験を、PCRを用いて評価した。この分析では、Fluidigm遺伝子発現分析を用いてHGFのmRNA発現レベルを評価した。
プロトコール:
パラフィン包埋、ホルマリン固定グリオブラストーマ腫瘍組織試料の10ミクログラム厚のセクションを切断した。その後、RNAを抽出し、タンパク質及びDNAを除去した。2μlの全RNAをcDNAに逆転写し、Superscript III/Platinum Taq(Invitrogen)及びPre−amplificationreaction mix(Invitrogen)を用いて単一反応で前増幅した。HGFの発現を検出するために選択したプライマー/プローブセットには、元のTaqmanアッセイ濃度(Applied Biosystems)の0.05倍で、最終希釈の前増幅反応(追加の95のプローブプライマー対を含む)を含ませた。サーモサイクリング条件は、以下の通りであった:15分間50℃の1サイクル、2分間70℃の1サイクル、その後、15秒95℃、及び4分間、60℃の14サイクル。
前増幅したcDNAを1.94倍希釈し、その後、BioMark BMK−M−96.96プラットフォーム(Fluidigm)上でTaqman Universal PCR MasterMix(Applied Biosystems)を用いて、製造者の指示書に従って増幅させた。3検体で全試料をアッセイした。発現パネル中に、複数の細胞株でその発現安定性を事前に評価した2つのカスタム設計参照遺伝子、新鮮凍結組織試料、及びFFPE組織試料、AL−1377271及びVPS−33Bを含ませた。各試料では2つの参照遺伝子のCt値の平均を計算し、以下のデルタCt(dCt)法を用いてHGFの発現レベルを測定した:平均Ct(標的遺伝子)−平均Ct(参照遺伝子)。
結果。129名の患者を無作為に2つのアームに割り分けた。生存期間中央値追跡期間は、9.9ヶ月(Pbo+Bev)、9.8ヶ月(Ona+Bev)であった。この分析の臨床データカットオフ日は、2013年11月7日であった。
再発性グリオブラストーマ患者では、c−met拮抗剤オナルツズマブとVEGF拮抗剤ベバシズマブとの組み合わせの治療が、以下を示した。
(i)対照アームと比較して上位25%のHGF−PCR発現の患者のPFS及びOS方が明らかに長い、かつ
(i)対照アームと比較して下位75%のHGF−PCR発現の患者のPFS及びOS方が明らかに短い。
図17は、HGF−PCR発現に従った全生存期間のサブグループ分析を示す。高HGF−PCR(上位25%)の患者では、プラセボ+ベバシズマブアームで全生存期間中央値が7.3ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブアームで全生存期間中央値に到達しなかった(HR=0.29(95%CI0.08,1.06))。低HGF−PCR(下位75%)の患者では、プラセボ+ベバシズマブアームで全生存期間中央値に到達せず、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブアームで、全生存期間中央値が8.6ヶ月であった(HR=1.86(95%CI1.03、3.36))。
図18は、低HGF−PCR(下位75%)患者及び高HGF−PCR(上位25%)患者の全生存期間のカプラン−マイヤー分析を示す。
図19は、HGF−PCR発現に従った無増悪生存期間のサブグループ分析を示す。高HGF−PCR(上位25%)患者では、プラセボ+ベバシズマブアームで無増悪生存期間中央値が2.8ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブ群で無増悪生存期間中央値が6.1ヶ月であった(HR=0.37(95%CI0.16、0.86))。低HGF−PCR(下位75%)患者では、プラセボ+ベバシズマブアームで無増悪生存期間中央値が4.1ヶ月であり、一方、オナルツズマブ+ベバシズマブ群で無増悪生存期間中央値が2.9ヶ月であった(HR=1.39(95%CI0.87、2.20))。
図20は、低HGF−PCR(下位75%)患者及び高HGF−PCR(上位25%)患者の無増悪生存期間のカプラン−マイヤー分析を示す。
図21は、ベバシズマブ+プラセボアームの患者と比較してベバシズマブ+オナルツズマブアームのHGF−PCRが高い(上位25%)患者の全奏効率(ORR)を示す。
図22は、ベバシズマブ+プラセボアームのHGF−PCRが低い(下位75%)患者及びHGF−PCRが高い(上位25%)患者の無増悪生存期間及び全生存期間の予後作用を示す。