JP2015124268A - 蓄熱材組成物及び蓄熱装置 - Google Patents
蓄熱材組成物及び蓄熱装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015124268A JP2015124268A JP2013268818A JP2013268818A JP2015124268A JP 2015124268 A JP2015124268 A JP 2015124268A JP 2013268818 A JP2013268818 A JP 2013268818A JP 2013268818 A JP2013268818 A JP 2013268818A JP 2015124268 A JP2015124268 A JP 2015124268A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat storage
- storage material
- material composition
- contained
- molecules
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【解決手段】本発明は、水和物塩を主成分とする蓄熱材組成物であって、前記蓄熱材組成物には、以下の式で定義できる水とのHansenの溶解度パラメータの相違dwが14.0以上30.0以下である溶媒を、前記蓄熱材組成物の過冷却安定剤として含むことを特徴とする蓄熱材組成物を用いる。
dw2=(dD−15.5)2+(dP−16)2+(dH−42.4)2
前記水和物塩は酢酸ナトリウム3水和物を主成分とすることを特徴とする。さらに、酢酸とのHansenの溶解度パラメータの相違daが2.8以上16.0以下である溶媒を前記蓄熱材組成物の過冷却安定剤として含むことが好ましい。
【選択図】なし
Description
(1)水和物塩を主成分とする蓄熱材組成物であって、以下の式で定義できる水とのHansenの溶解度パラメータの相違dwが14.0以上30.0以下である溶媒を前記蓄熱材組成物の過冷却安定剤として含むことを特徴とする蓄熱材組成物。
dw2=(dD−15.5)2+(dP−16)2+(dH−42.4)2
(2)前記水和物塩が酢酸ナトリウム3水和物であることを特徴とする(1)に記載の蓄熱材組成物。
(3)以下の式で定義できる酢酸とのHansenの溶解度パラメータの相違daが2.8以上16.0以下である溶媒を前記蓄熱材組成物の過冷却安定剤として含むことを特徴とする(2)に記載の蓄熱材組成物。
da2=(dD−14.5)2+(dP−8.0)2+(dHh−13.5)2
(4)前記蓄熱材組成物に含まれる水の含有量が、水和塩の化学量論組成での水の量に対して、±10%以下の範囲であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の蓄熱材組成物。
(5)前記蓄熱材組成物に含まれる前記過冷却安定剤の分子数が、前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数に対して、5%以上33.3%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の蓄熱材組成物。
(6)前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数が、水和物塩の化学量論組成の水の分子数より多い場合、前記蓄熱材組成物に含まれる前記過冷却安定剤の分子数の下限値が、前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数から、前記蓄熱材組成物に含まれる水和物塩の化学量論組成の水の分子数を除いた数の1/6以上であることを特徴とする(5)に記載の蓄熱材組成物。
(7)前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数が、水和物塩の化学量論組成の水の分子数より少ない場合、前記蓄熱材組成物に含まれる前記過冷却安定剤の分子数の下限値が、前記蓄熱材組成物に含まれる水和物塩の分子数から、前記蓄熱材組成物に含まれる水がすべて化学量論組成で水和物塩を形成した際の水和物塩の分子数を除いた数の1/2以上であることを特徴とする(5)に記載の蓄熱材組成物。
(8)前記過冷却安定剤が、1価のアルコール、グリコール、3価以上の多価アルコール又はそれらの混合物であって、5℃及び1気圧で液体であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の蓄熱材組成物。
(9)前記過冷却安定剤が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2メチル−1プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコール、メチルプロパンジオール、1−3ブタンジオール、フルフリルアルコール、アリルアルコールのいずれかまたはそれらの混合物であることを特徴とする(1)に記載の蓄熱材組成物。
(10)容器内に(1)〜(9)のいずれかに記載の蓄熱材組成物を有することを特徴とする蓄熱装置。
dw2=(dD−15.5)2+(dP−16)2+(dH−42.4)2
上記条件を満たす溶媒は、水の分極を抑える効果があるため、過冷却状態の蓄熱材組成物が結晶化する際に、水分子がナトリウムイオンの周囲への凝集を抑制でき、過冷却状態を安定に維持できる。
蓄熱材組成物は、上記を主成分とするが、熱伝導性向上のために金属粉や無機粉末を混合する場合や、粘性や融点の調整のために全体の1%以下のアルコール、エステル、酸性溶剤、糖類、増粘剤を含む場合もある。
da2=(dD−14.5)2+(dP−8.0)2+(dHh−13.5)2
酢酸ナトリウム3水和物の形成では、ナトリウムイオン1個に対して周囲を水分子が3個配置する必要があるため、余剰の水分子の1/3の数に対して足りないナトリウムイオンに相当する数の1/2である1/6以上の過冷却安定剤が必要である。
酢酸ナトリウム3水和物を溶解させた液体に、化学量論組成での水の量に対して5%の水を添加し、さらに表1に記載の添加剤を蓄熱材組成物中の水の分子数に対して10%となるように加えて蓄熱材組成物を作製した。
その後、それぞれの蓄熱材組成物を60℃以上に加熱し、均一な液体になったことを確認した後、冷却を開始した。−20℃まで冷却したのち、1日間静置し、結晶化したかどうかで、過冷却の安定効果を確認し、過冷却の安定が確認できた場合は○、結晶化した場合は×を表1に記載した。
過冷却状態の安定化効果を確認できた実施例1〜15に対して、0℃で発核動作を行い蓄熱材組成物の発熱を確認した後、再度60℃以上に加熱して完全に液体になり室温で過冷却液体が再現できるか、溶け残りがあるか確認を行い、再現性を評価し、再現性が確認できた場合は○、溶け残りがあった場合は×を表1に記載した。過冷却安定効果が認められず、再現性評価未実施の場合は“−”を表1に記載した。
daが16を超える尿素を用いた実施例1では、−20℃まで冷却したのち、1日間静置しても結晶化が発生せず過冷却状態の安定化効果を確認でき、0℃での発核動作で発熱を確認できたが、再度60℃以上に1時間加熱保持しても容器下部の無水物に相当する白色の析出物が消失せず、放熱・発熱として利用できる蓄熱材料の量が少なくなり、均質な過冷却液体の再現性に難があった。
Claims (10)
- 水和物塩を主成分とする蓄熱材組成物であって、
以下の式で定義できる水とのHansenの溶解度パラメータの相違dwが14.0以上30.0以下である溶媒を前記蓄熱材組成物の過冷却安定剤として含むことを特徴とする蓄熱材組成物。
dw2=(dD−15.5)2+(dP−16)2+(dH−42.4)2 - 前記水和物塩が酢酸ナトリウム3水和物であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成物。
- 以下の式で定義できる酢酸とのHansenの溶解度パラメータの相違daが2.8以上16.0以下である溶媒を前記蓄熱材組成物の過冷却安定剤として含むことを特徴とする請求項2に記載の蓄熱材組成物。
da2=(dD−14.5)2+(dP−8.0)2+(dHh−13.5)2 - 前記蓄熱材組成物に含まれる水の含有量が、水和塩の化学量論組成での水の量に対して、±10%以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
- 前記蓄熱材組成物に含まれる前記過冷却安定剤の分子数が、
前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数に対して、5%以上33.3%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。 - 前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数が、水和物塩の化学量論組成の水の分子数より多い場合、
前記蓄熱材組成物に含まれる前記過冷却安定剤の分子数の下限値が、
前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数から、前記蓄熱材組成物に含まれる水和物塩の化学量論組成の水の分子数を除いた数の1/6以上であることを特徴とする請求項5に記載の蓄熱材組成物。 - 前記蓄熱材組成物に含まれる水の分子数が、水和物塩の化学量論組成の水の分子数より少ない場合、
前記蓄熱材組成物に含まれる前記過冷却安定剤の分子数の下限値が、
前記蓄熱材組成物に含まれる水和物塩の分子数から、前記蓄熱材組成物に含まれる水がすべて化学量論組成で水和物塩を形成した際の水和物塩の分子数を除いた数の1/2以上であることを特徴とする請求項5に記載の蓄熱材組成物。 - 前記過冷却安定剤が、1価のアルコール、グリコール、3価以上の多価アルコール又はそれらの混合物であって、5℃及び1気圧で液体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
- 前記過冷却安定剤が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2メチル−1プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコール、メチルプロパンジオール、1−3ブタンジオール、フルフリルアルコール、アリルアルコールのいずれかまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成物。
- 容器内に請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物を有することを特徴とする蓄熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013268818A JP2015124268A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | 蓄熱材組成物及び蓄熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013268818A JP2015124268A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | 蓄熱材組成物及び蓄熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015124268A true JP2015124268A (ja) | 2015-07-06 |
Family
ID=53535225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013268818A Pending JP2015124268A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | 蓄熱材組成物及び蓄熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015124268A (ja) |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59137790A (ja) * | 1982-09-15 | 1984-08-07 | バツクスター・インターナシヨナル・インコーポレーテツド | 潜熱貯蔵供給方法および装置 |
JP2001031956A (ja) * | 1999-07-16 | 2001-02-06 | Yamaguchi Michiko | 潜熱蓄熱材組成物 |
JP2004516876A (ja) * | 2001-03-30 | 2004-06-10 | カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ | 再使用可能な熱パック |
JP2006300492A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | 熱輸送システム |
JP2010001346A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Hitachi Chem Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物及び硬化物 |
JP2010513598A (ja) * | 2006-12-14 | 2010-04-30 | ザ・ボーイング・カンパニー | ゲル状接着剤剥離組成物および使用方法 |
JP2012042165A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Toyota Motor Corp | 潜熱蓄熱体 |
JP2012201810A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Toyota Motor Corp | 蓄熱材組成物 |
JP2013028792A (ja) * | 2011-06-22 | 2013-02-07 | Denso Corp | 熱輸送流体及び熱輸送装置 |
JP2013222951A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-28 | Ngk Insulators Ltd | セラミック素子の製造方法 |
JP2013231383A (ja) * | 2012-04-27 | 2013-11-14 | Kitagawa Ind Co Ltd | 熱供給機構 |
-
2013
- 2013-12-26 JP JP2013268818A patent/JP2015124268A/ja active Pending
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59137790A (ja) * | 1982-09-15 | 1984-08-07 | バツクスター・インターナシヨナル・インコーポレーテツド | 潜熱貯蔵供給方法および装置 |
JP2001031956A (ja) * | 1999-07-16 | 2001-02-06 | Yamaguchi Michiko | 潜熱蓄熱材組成物 |
JP2004516876A (ja) * | 2001-03-30 | 2004-06-10 | カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ | 再使用可能な熱パック |
JP2006300492A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | 熱輸送システム |
JP2010513598A (ja) * | 2006-12-14 | 2010-04-30 | ザ・ボーイング・カンパニー | ゲル状接着剤剥離組成物および使用方法 |
JP2010001346A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Hitachi Chem Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物及び硬化物 |
JP2012042165A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Toyota Motor Corp | 潜熱蓄熱体 |
JP2012201810A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Toyota Motor Corp | 蓄熱材組成物 |
JP2013028792A (ja) * | 2011-06-22 | 2013-02-07 | Denso Corp | 熱輸送流体及び熱輸送装置 |
JP2013222951A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-28 | Ngk Insulators Ltd | セラミック素子の製造方法 |
JP2013231383A (ja) * | 2012-04-27 | 2013-11-14 | Kitagawa Ind Co Ltd | 熱供給機構 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6598076B2 (ja) | 潜熱蓄冷材 | |
EP2853576A1 (en) | Heat storage material composition and method for using heat storage material composition | |
WO2015076095A1 (ja) | 蓄熱材及びそれを備えた冷蔵庫 | |
JP2013223715A5 (ja) | ||
JP2015124268A (ja) | 蓄熱材組成物及び蓄熱装置 | |
JP6389891B2 (ja) | 臭化ストロンチウム相変化物質 | |
JP2008162899A (ja) | 生体関連化合物からなるイオン液体 | |
JP6440357B2 (ja) | 蓄熱材及び蓄熱装置 | |
JP6745287B2 (ja) | 蓄熱材、これを用いた蓄熱パック、恒温容器および輸送用容器 | |
ES2759993T3 (es) | Acumulador de energía para central de generación a base de un material de cambio de fase | |
JP2015067651A (ja) | 保冷具 | |
JPWO2006092857A1 (ja) | 燃料電池用冷却液組成物 | |
JPWO2007099798A1 (ja) | 蓄熱材組成物 | |
JP7419140B2 (ja) | 無機系潜熱蓄熱材組成物 | |
JP5573193B2 (ja) | 蓄熱材組成物 | |
JP4895007B2 (ja) | 蓄熱剤の調製方法 | |
CN102779645B (zh) | 一种铝电解电容器工作电解液及制备方法 | |
JP4589148B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2018012807A (ja) | 熱媒体及びダブルハイドレートの形成方法 | |
JP4529258B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液および電解コンデンサ | |
JP5573122B2 (ja) | 蓄熱剤 | |
JP3963775B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2000348981A (ja) | アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JP2008059990A (ja) | 燃料電池用冷却液組成物 | |
JP2016056333A (ja) | 保冷具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161013 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170919 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20171120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180403 |