JP2013028792A - 熱輸送流体及び熱輸送装置 - Google Patents

熱輸送流体及び熱輸送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013028792A
JP2013028792A JP2012130023A JP2012130023A JP2013028792A JP 2013028792 A JP2013028792 A JP 2013028792A JP 2012130023 A JP2012130023 A JP 2012130023A JP 2012130023 A JP2012130023 A JP 2012130023A JP 2013028792 A JP2013028792 A JP 2013028792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heat transport
transport fluid
circulation circuit
fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012130023A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Inagaki
孝治 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012130023A priority Critical patent/JP2013028792A/ja
Publication of JP2013028792A publication Critical patent/JP2013028792A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】流体中に分散させる分散物質を伝熱的に良好な分散状態にして熱伝達の向上を図る熱輸送流体及び熱輸送装置を提供する。
【解決手段】熱輸送流体1は、水または有機物からなる溶媒2と、溶媒2中に分散される複数の微小粒子3と、を含んで構成されている。微小粒子3はシート形状の物質である。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶媒に分散される特定の分散物質を有する熱輸送流体及びこの流体を用いた熱輸送装置に関する。
従来、例えば熱交換器内に充填される熱輸送流体について、熱伝導効率の向上を図るために、高い熱伝導率を有するカーボンナノチューブを水やエチレングリコール等のベース液体中に安定的に分散させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の技術は、ベース液体中に、カーボンナノチューブと、セルロース誘導体またはそのナトリウム塩を添加して熱輸送流体を構成することにより、セルロース誘導体を分散剤として用いて、ベース液体中にカーボンナノチューブを安定して分散させることができ、大幅な動粘度の増加を伴うことなく熱伝導率を向上させることができるものである。
また特許文献2に記載の技術は、ベース液体中に、カーボンナノチューブと、GPC測定による平均分子量が6000〜30000であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を添加して熱輸送流体を構成することにより、当該平均分子量が6000〜30000であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を分散剤として用いてベース液体中にカーボンナノチューブを安定して分散させることができ、大幅な動粘度の増加を伴うことなく熱伝導率を向上させることができるものである。
その他、カーボンナノチューブを安定的に分散させて熱輸送流体の熱伝導率を向上させる従来技術として、特許文献3及び特許文献4が知られている。
特開2007−31520号公報 特開2008−189901号公報 特開2006−291002号公報 特開2008−201834号公報
上記各特許文献に記載の熱輸送流体に限らず、ベース液体中に分散されているカーボンナノチューブは、ロッド状、ワイヤ状の形状を呈する。カーボンナノチューブのような形状の分散物質が分散する熱輸送流体を熱交換器等の流路に流通させた場合、分散物質の長軸が熱輸送流体の流れ方向に沿うような姿勢で配向され易くなる。つまり、分散物質は、その軸線と熱輸送流体の速度ベクトルとが同じ方向を向くような姿勢でベース液体に分散する。流体中の多くの分散物質がこのような姿勢で分散すると、熱輸送流体の流れ方向に対して直交する方向には、カーボンナノチューブが有する熱伝導性能が十分に作用せず、当該直交方向の伝熱効果が十分に得られないという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、流体中に分散させる分散物質を伝熱的に良好な分散状態にして熱伝達の向上を図る熱輸送流体及び熱輸送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の熱輸送流体に係る発明は、水または有機物からなる溶媒と、溶媒中に分散される複数の微小粒子と、を含んで構成され、微小粒子はシート形状であることを特徴とする。
この発明によれば、微小粒子がシート形状をなすため、多数の微小粒子は、熱輸送流体中で流動する際に、溶媒からの作用力を受け易く、様々な姿勢をとり、さらにその姿勢が常に変化するようになる。このため、多数の微小粒子は、熱輸送流体の伝熱性能が向上するために必要な伝熱方向に熱伝導しやすい姿勢で流動するので、熱輸送流体の熱伝達率を向上することができる。また、多数の微小粒子は、溶媒からの作用力を受けることによって、回転したり揺らいだりすることにより、周囲の溶媒を揺さぶったり、かき回したりする。このような多数の微小粒子による攪拌効果により、熱輸送流体の流れに乱れが生じるため、熱輸送流体の熱伝達率を向上することができる。したがって、流体中に分散させる分散物質を伝熱的に良好な分散状態にして熱伝達の向上を図る熱輸送流体を提供できる。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載する微小粒子はグラファイト微粒子であることが好ましい。この発明によれば、熱輸送流体に分散するグラファイト微粒子は複数層のシート状体であることから、高い剛直性を有する。この高い剛直性によって、熱輸送流体が流動する際に、高い溶媒攪拌能力を発揮する。さらにグラファイト微粒子の高い熱伝導率に伴う熱輸送流体の熱伝導率向上効果と合わせ、熱輸送流体は高い熱伝達性能を発揮することができる。
請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載するグラファイト微粒子は、表層酸化されていることが好ましい。この発明によれば、グラファイト微粒子の表面に酸化層が形成されるため、グラファイト微粒子は溶媒に対して高い分散性を発揮し、熱伝達性能が向上する熱輸送流体を提供できる。
請求項4に記載の発明のように、請求項1に記載する微小粒子はグラフェンまたは酸化グラフェンであることが好ましい。この発明によれば、主に炭素−炭素結合の六員環等を多数有して形成されるグラフェンまたは酸化グラフェンにより微小粒子を構成することによって、非常に薄いシート形状を作製することができる。このような微小粒子によれば、シート形状の粒子が流体中で大きく揺らぐため、あらゆる方向に優れた伝熱性能を発揮できる分散状態を構築することができる。したがって、分散物質を流体中で伝熱的に良好な分散状態にできるので、確実な熱伝達の向上が図れる。
請求項5に記載の発明のように、請求項1に記載する微小粒子は金属酸化物であることが好ましい。
請求項6に記載の発明のように、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載する溶媒は、1価アルコール類もしくは多価アルコール類、またはこれらの混合物であることが好ましい。
請求項7に記載の発明のように、請求項6に記載する1価アルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールもしくは2−メチル−2−プロパノール、またはこれらの混合物であることが好ましい。
請求項8に記載の発明のように、請求項6に記載する多価アルコール類は、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン、またはこれらの混合物であることが好ましい。
これによれば、メタノールは融点が−97℃、沸点が64.7℃であり、エタノールは融点が−114.3℃、沸点が78.4℃であり、1−プロパノールは融点が−126.5℃、沸点が97.15℃であり、2−プロパノールは融点が−89.5℃、沸点が82.4℃であり、1−ブタノールは融点が−90℃、沸点が117℃であり、2−ブタノールは融点が−114.7℃、沸点が99℃であり、2−メチル−2−プロパノールは融点が25.69℃、沸点が82.4℃であるため、これらの各物質の特性を活用することにより、用途に応じた熱輸送が期待できる熱輸送流体を提供することができる。
請求項9は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置に係る発明であって、熱輸送流体が循環する循環回路と、熱輸送流体を循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、半導体装置に含まれる半導体素子から発生する熱を循環する熱輸送流体で吸熱して半導体素子を冷却する冷却用熱交換器と、冷却用熱交換器で回収した熱を外部に放出する放熱装置と、を備えることを特徴とする。
この熱輸送装置によれば、上述したように、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達が向上する熱輸送流体を用いて、半導体素子から発生する熱を熱輸送流体に吸収して放出することにより、半導体素子を効率的に冷却して、所望の機能を発揮させ、寿命の向上を実現できる。
請求項10は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置に係る発明であって、熱輸送流体が循環する循環回路と、熱輸送流体を循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、エンジンを流通する流体と当該循環する熱輸送流体との間で熱交換を行ってエンジンを冷却する冷却用熱交換器と、冷却用熱交換器で回収した熱を外部に放出する放熱装置と、を備えることを特徴とする。
この熱輸送装置によれば、上述したように、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達が向上する熱輸送流体を用いて、エンジンから発生する熱を熱輸送流体に吸収して放出することにより、エンジンを効率的に冷却して所望の機能の発揮、燃費向上、寿命向上等を実現できる。
請求項11は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置に係る発明であって、熱輸送流体が循環する循環回路と、熱輸送流体を循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、循環回路を循環する熱輸送流体に対して熱を与える発熱体と、空調対象となるエリアへ送風する空気と当該循環する熱輸送流体との間で熱交換を行って空気を暖める熱交換器と、を備えることを特徴とする。
この熱輸送装置によれば、上述したように、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達が向上する熱輸送流体を用いて、発熱体の熱を熱輸送流体に吸収して空調対象エリアへの送風空気に対して放出することにより、効率的に加熱された暖房風を提供することができる。
請求項12は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置に係る発明であって、熱輸送流体が循環する循環回路と、熱輸送流体を循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、循環回路を循環する熱輸送流体が流通可能に設けられる暖機対象機器と、循環回路を循環する熱輸送流体に対して熱を与える発熱体と、を備え、暖機対象機器を暖機する必要がある場合は、発熱体から受熱した熱輸送流体を前記暖機対象機器に流通させることを特徴とする。
この熱輸送装置によれば、上述したように、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達が向上する熱輸送流体を用いて、暖機運転が必要なときに発熱体から発生する熱を熱輸送流体に吸収して暖機対象機器に供給することにより、暖機対象機器を効率的に暖めて、迅速に所望の機能を発揮し得る状態にすることができる。
従来の熱輸送流体におけるカーボンナノチューブの配向を説明する説明図である。 本発明を適用する第1実施形態に係る熱輸送流体において、微小粒子の流動状態を説明する説明図である。 第1実施形態の熱輸送流体の熱伝達率について、水と比較した場合の向上度合いを示したグラフである。 本発明の熱輸送流体を用いて半導体素子を冷却する素子冷却装置の構成を示す模式図である。 本発明の熱輸送流体を用いてエンジンを冷却するエンジン冷却装置の構成を示す模式図である。 本発明の熱輸送流体を用いて、車室内への送風空気を暖める空調装置の構成を示す模式図である。 本発明の熱輸送流体を用いてエンジンを暖機する暖機装置の構成を示す模式図である。 本発明を適用する第2実施形態の熱輸送流体の熱伝導率について、水とエチレングリコールの混合溶媒の熱伝導率と比較した結果を示したグラフである。 第2実施形態の熱輸送流体の熱伝達率について、水とエチレングリコールの混合溶媒の熱伝達率に対する向上度合いを示したグラフである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る熱輸送流体及び熱輸送装置の第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。本実施形態に係る熱輸送流体1は、熱源からの熱を外部に伝達、輸送し、機器の冷却や加熱に用いられる。
図1は、従来の熱輸送流体101におけるカーボンナノチューブ103の配向を説明する説明図である。従来の熱輸送流体101は、少なくとも、溶媒102と、複数のカーボンナノチューブ103と、を含んでいる。さらに、複数のカーボンナノチューブ103は、溶媒102中に分散して存在している。従来の熱輸送流体101に含まれるカーボンナノチューブ103は、溶媒102中において、熱輸送流体101に流れ方向に対してその長軸が向くように配向され易い。つまり、ロッド状やワイヤ状を呈するカーボンナノチューブ103は、例えば、熱輸送流体101が流れる管内流路の内壁面に沿う流れ方向にその長手方向を向ける姿勢で存在し、溶媒102に分散する。これは、各カーボンナノチューブ103が、流路における熱輸送流体の流れにしたがって、管内流れの速度ベクトルに軸線を向け流動抵抗を小さくするような姿勢となって溶媒102中に分散するからである。
熱輸送流体101が流れる流路の内壁面のうち、発熱源側に位置して発熱源のからの熱が熱伝導する高温内壁面104と高温内壁面104に対向する位置にある低温内壁面105とが存在する場合、通常、熱輸送流体101を伝熱媒体として高温内壁面104から低温内壁面105へ熱移動する。しかしながら、従来の熱輸送流体101の場合は、上記するようなカーボンナノチューブ103の配向状態によって、流れ方向に対して直交方向にカーボンナノチューブ103の長軸が向かずカーボンナノチューブ103が伝熱媒体として機能しにくいため、高温内壁面104から低温内壁面105へ熱が伝わりにくい。そこで、第1実施形態の熱輸送流体1は、特徴的な微小粒子3を有することにより、微小粒子3が伝熱媒体として機能するとともに、溶媒2を攪拌する効果も得られるため、高温内壁面104から低温内壁面105への伝熱性を向上させることができる。
本実施形態の熱輸送流体1に用いられる溶媒2は、例えば水等の単一の成分からなるとともに、溶媒2よりも高い熱伝導率を有する微小粒子3を含有している。溶媒2は、例えば水または有機物(例えば、1価アルコール類、多価アルコール類等)である。溶媒2は、微小粒子3を分散させ、微小粒子3を運搬する流体とすることができる。この流体は、液体、あるいは気体によって提供されうる。流体は、単一もしくは複数の成分から構成されうる。例えば、流体として水、液状の高分子を用いることができる。さらに、流体として、混合物を用いることができる。混合物には、例えば、水、エチレングリコール、1価アルコール類、及び多価アルコール類の少なくとも2つの混合物、またはこの混合物と他の機能成分との混合物を用いることができる。
溶媒に用いられる1価アルコール類は、ヒドロキシ基(−OH)が1個のアルコールであり、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールもしくは2−メチル−2−プロパノール、またはこれらの混合物である。メタノールは、CHOHで表され、融点−98℃、沸点65℃の特性を有し、エタノールは、CHCHOHで表され、融点−117℃、沸点79℃の特性を有する。
1−プロパノール、2−プロパノールは、炭素数3個の1価アルコールである。1−プロパノールは、CHCHCHOHで表され、融点−127℃、沸点97℃の特性を有する。2−プロパノールは、イソプロパノールとも呼ばれ、CHCH(OH)CHで表され、融点−90℃、沸点83℃の特性を有する。
1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノールは、炭素数4個の1価アルコールである。1−ブタノールは、CHCHCHOHで表され、融点−117℃、沸点90℃の特性を有する。2−ブタノールは、2級アルコールであって、sec−ブタノールとも呼ばれ、CHCH(OH)CHCHで表され、融点−115℃、沸点100℃の特性を有する。2−メチル−2−プロパノールは、3級アルコールであって、tert−ブタノールとも呼ばれ、(CH)COHで表され、融点25℃、沸点83℃の特性を有し、他のブタノール異性体に比べて酸化されにくい性質を有する。
溶媒に用いられる多価アルコール類は、ヒドロキシ基(−OH)が2個以上のアルコールであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン、またはこれらの混合物である。エチレングリコールは、2価アルコールであり、CH(OH)CHOHで表され、融点−13℃、沸点198℃の特性を有し、ラジエータの不凍液の主成分に用いられる。プロピレングリコールは、2価アルコールであり、CHCH(OH)CHOHで表され、融点−59℃、沸点188.2℃の特性を有し、不凍液に用いることができる。グリセリンは、3価アルコールであり、CH(OH)CH(OH)CHOHで表され、融点18℃、沸点290℃の特性を有し、不凍液に用いることができる。
以上の各アルコールは、熱輸送流体1の使用条件に応じ、適合する融点、沸点等の特性を有するものが、溶媒2として用いられる。
複数の微小粒子3のそれぞれは、ナノメートルまたはマイクロメートルオーダーサイズの粒子であり、熱輸送流体1の溶媒2中に分散する。微小粒子3として、例えば、平均粒径が1nm〜10μmの範囲をなす粒子を用いするようにしてもよい。微小粒子3には、例えば金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)等の金属からなる粒子、グラフェンまたは酸化グラフェンからなる粒子、二酸化マンガン(MnO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物からなる粒子を用いることができる。また、微小粒子3は、2種類以上の物質から構成されてもよい。
また、熱輸送流体1には、微小粒子3に吸着する官能基を有するコーティング剤を含むようにしてもよい。微小粒子3の表面にコーティング剤が配列されることにより、コーティング剤の間や表面に溶媒分子が取り込まれて微小粒子3の周囲に溶媒分子が集合するようになり、微小粒子3を熱輸送流体1中に安定的に分散させることができる。
熱輸送流体1に用いられる微小粒子3は、厚みが薄く、厚み方向に平行な断面に比べて広い表面積を有する扁平なシート形状の物質である。このシート形状としては、種々様々な形状のものを採用することができ、例えば、微小粒子3は、厚み方向に平行な断面の外形が矩形状、楕円状、多角形状等である扁平体を呈する。また、シート形状は、扁平な平板状に限らず、表面に凹凸が形成されている形状であってもよい。このようなシート形状を有する微小粒子3の好ましい一例として、グラフェンまたは酸化グラフェンを用いている。
図2は、熱輸送流体1において微小粒子3の流動状態を説明する説明図である。図2に模式的に図示するように、このような特徴的形状の微小粒子3を溶媒2に分散させることにより、管内流れの流速分布に伴う多方向からの力を受けて、シート形状の微小粒子3が熱輸送流体1中で回転したり、揺らいだりしながら流動する。このような微小粒子3の流動によって、微小粒子3自体が伝熱性能向上のために必要な伝熱方向(図2において白抜き矢印で示す方向)に熱伝導しやすい姿勢で流動することができ、溶媒2の活発な流動を促進することができる。したがって、本実施形態の熱輸送流体1は、従来の熱輸送流体に含まれるカーボンナノチューブの代わりに、不規則、ランダムな姿勢をとる状態で溶媒2中に分散するようになる。
換言すれば、各微小粒子3は、その外形が扁平なシート形状であるため、例えば管内を流れるときに、熱輸送流体1中で細かくあるいは大きく方向を変えて動いたり、任意の方向に大きく移動したりするようになる。このように多数の微小粒子3が流動することにより、従来の熱輸送流体よりも溶媒2を揺さぶったり、かき回したりするため、溶媒2を攪拌する効果とともに、微小粒子3の不規則、ランダムな配向状態をもたらすと考えられる。また、このように溶媒2を攪拌する効果と微小粒子3自体の活発な流動とによって、熱輸送流体1中の熱伝達方向が改善され、流れ方向に対して直交方向への伝熱効果が十分に得られるのである。
微小粒子3として酸化グラフェンを用いた熱輸送流体1の作製について説明する。グラファイトを過マンガン酸カリウムと硫酸の溶液中で酸化し、この溶液に対して遠心分離及び洗浄を行う。この遠心分離及び洗浄を何度も繰り返すと、均一な溶液になり、微小粒子3として、単層のグラファイトである酸化グラフェンを含む熱輸送流体1を作製することができる。このように作製した微小粒子3には、その厚み寸法が約1nm、平均粒径が約1.5μmである酸化グラフェンが含まれることを確認している。
発明者らは、上記の製法で作製した熱輸送流体1の熱伝達率について、熱輸送流体として水を用いた場合の熱伝達率に対する熱伝達率向上比をレーザーフラッシュ法によって測定した。その結果を図3に示す。図3は、本実施形態の熱輸送流体1の熱伝達率について、水を用いた場合の熱伝達率を1としたときに対する向上度合い(熱伝達率向上比)を示したグラフである。図3において、横軸は分散物質濃度としての酸化グラフェン水溶液の体積濃度(vo1%)であり、縦軸は熱伝達率向上比であり、図3には、4点の分散物質濃度のそれぞれに対応する熱伝達率向上比がプロットされている。測定値は、流速4(mm/s)の円柱周りの強制対流における熱伝達率を測定した値である。
図3に示す測定結果から、酸化グラフェン水溶液の体積濃度(分散物質濃度)の大きさに比例して熱伝達率向上比が増加することがわかる。このように、上記の製法による熱輸送流体1によれば、熱伝達率が向上することが確認できた。
(本発明に係る熱輸送流体の適用例)
本発明に係る熱輸送流体は、例えば、インバータ用冷却流体、燃料電池用冷却流体、二次電池用冷却流体、モータ用冷却流体、電子機器の素子用冷却流体、給湯用熱媒体、床暖房用熱媒体、浴室暖房用熱媒体、太陽熱回収用熱媒体、インタークーラー用冷却流体等にも適用することができる。
(熱輸送装置の第1の例)
熱輸送流体1を用いる熱輸送装置の第1の例について図4を参照して説明する。図4は、熱輸送装置の第1の例である、半導体素子を冷却する素子冷却装置の構成を示す模式図である。
図4に示すように、熱輸送流体1を用いて熱の輸送を行う熱輸送装置10は、熱輸送流体が循環する循環回路11と、熱輸送流体を循環回路11で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置としてのポンプ12と、半導体装置14に含まれる半導体素子から発生する熱を熱輸送流体で吸熱して半導体素子を冷却する冷却用熱交換器13と、冷却用熱交換器13で回収した熱を外部に放出する放熱装置としての放熱用熱交換器15と、を備える。熱輸送装置10は、これらの各部品を配管によって環状に接続してなるシステムを構成している。さらに、放熱用熱交換器15には、送風を行う送風機16が備えられている。
冷却対象である半導体装置14は、例えば、各種電子機器、モータ等を制御するインバータ装置である。半導体素子は、半導体を材料とする電気回路素子であり、例えば、スイッチング素子を構成するIGBT素子(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ素子)等のトランジスター、ダイオード等である。半導体素子はヒートシンク等に熱的に接続され、このヒートシンクが熱輸送流体に直接的に接触することにより半導体素子を冷却する構造でもよいし、半導体素子が熱輸送流体の流路に設けられ、熱輸送流体と半導体素子とが直接的に接触することにより半導体素子を冷却する構造でもよい。
半導体素子の冷却が必要な状態になると、ポンプ12が駆動され、循環回路11に内蔵された熱輸送流体が強制的に循環するようになる。熱輸送流体は、冷却用熱交換器13内の通路を通るときに半導体素子から間接的または直接的に熱を吸収し、半導体素子は冷却される。半導体素子の熱を吸熱した熱輸送流体は、次に放熱用熱交換器15内の通路を通るときに、送風機16によって放熱用熱交換器15内の通路に接触するように流れる空気と熱交換して当該空気に熱を奪われて外部へ放熱する。熱輸送流体は、さらにポンプ12に吸入されて引き続き循環回路11を循環し、冷却用熱交換器13での吸熱、放熱用熱交換器15での放熱を繰り返し、継続的な熱輸送を行う。
この熱輸送装置10によれば、本実施形態の熱輸送流体1を用いるため、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達の向上が図れる。半導体素子から発生する熱は、熱輸送流体1に吸収されて外部に放出されることにより、半導体素子を効率的に冷却することができ、半導体素子の所望の機能を発揮させ、寿命の向上を実現する熱輸送装置10を提供できる。
(熱輸送装置の第2の例)
熱輸送流体1を用いる熱輸送装置の第2の例について図5を参照して説明する。図5は、熱輸送装置の第2の例である、エンジンを冷却するエンジン冷却装置の構成を示す模式図である。
図5に示すように、熱輸送流体1を用いて熱の輸送を行う熱輸送装置20は、熱輸送流体が循環する循環回路21と、熱輸送流体を循環回路21で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置としてのポンプ22と、エンジン28内部を流通する流体から発生する熱を熱輸送流体で吸熱してエンジン28を冷却する冷却用熱交換器23と、冷却用熱交換器23で回収した熱を外部に放出する放熱装置としての放熱用熱交換器24と、を備える。熱輸送装置20は、これらの各部品を配管によって環状に接続してなるシステムを構成している。さらに、放熱用熱交換器24には、送風を行う送風機25が備えられている。また、エンジン28内部を流通する流体は、エンジン28とポンプ27と冷却用熱交換器23におけるエンジン冷却流体が通る放熱側通路23bとを配管で環状に接続して構成される循環回路26を循環する。
冷却対象であるエンジン28は、例えば、自動車のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、発電用エンジン、農業用エンジン等である。エンジン28内部を流通する流体は、例えば、水、エチレングリコールを主成分とするエンジン冷却水である。エンジン冷却水が流通する放熱側通路23bと、本実施形態の熱輸送流体1が流通する吸熱側通路23aとは、冷却用熱交換器23の内部に配置されて、互いの通路が接触し合う関係や、一方の通路が他方の通路に内部に含まれる関係に配置される。例えば、一方の流体が内側管の内部通路を流通し、他方の流体が、内側管が内部を貫通する外側管の内部通路を流通することにより熱交換を行うことができる。
エンジン28の冷却が必要な状態になると、ポンプ22が駆動されて循環回路21に内蔵された熱輸送流体1が強制的に循環するとともに、ポンプ27が駆動されて循環回路26に内蔵されたエンジン冷却水が強制的に循環する。熱輸送流体1は、冷却用熱交換器23内の吸熱側通路23aを通るときにエンジン冷却水から熱を吸収し、エンジン冷却水が冷却されるので、エンジン28の熱は熱輸送流体に移動し、エンジン28は冷却されることになる。
エンジン28の熱を吸熱した熱輸送流体1は、次に放熱用熱交換器24内の通路を通るときに、送風機25によって放熱用熱交換器24内の通路に接触するように流れる空気と熱交換して当該空気に熱を奪われて外部へ放熱する。熱輸送流体1は、さらにポンプ22に吸入されて引き続き循環回路21を循環し、冷却用熱交換器23での吸熱、放熱用熱交換器24での放熱を繰り返し、継続的な熱輸送を行う。
この熱輸送装置20によれば、本実施形態の熱輸送流体1を用いるため、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達の向上が図れる。エンジン28から発生する熱は熱輸送流体1に吸収されて外部に放出されることにより、エンジンを効率的に冷却することができ、エンジン28の所望機能の発揮、燃費向上、寿命向上等を実現する熱輸送装置20を提供できる。
(熱輸送装置の第3の例)
熱輸送流体1を用いる熱輸送装置の第3の例について図6を参照して説明する。図6は、熱輸送装置の第3の例である、車室内への送風空気を暖める空調装置の構成を示す模式図である。
図6に示すように、熱輸送流体1を用いて熱の輸送を行う熱輸送装置30は、熱輸送流体1が循環する循環回路31と、熱輸送流体1を循環回路31で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置としてのポンプ32と、暖房のための熱量を熱輸送流体1に対して供給する発熱体33と、発熱体33の熱を吸熱した熱輸送流体1によって室内へ送風する空気を暖める暖房用熱交換器34と、を備える。熱輸送装置30は、これらの各部品を配管によって環状に接続してなるシステムを構成している。さらに、暖房用熱交換器34は、車室内へ送風される空気の通路を形成する空調用ケース36内に配置され、空調用ケース36には、当該空気を暖房用熱交換器34に対して送る送風機35が備えられている。また、空調用ケース36内の空気通路は、室内等の空調対象エリアにつながっている。空調用ケース36は、車室内を空調する車両用空調装置、居室等を空調する室内用空調装置、工場内、施設内や特定の屋外空間を空調する大型空調システム等の一部を構成する。
室内等の空調対象エリアへの暖房が必要な状態になると、ポンプ32が駆動されて循環回路31に内蔵された熱輸送流体1が強制的に循環し、さらに、送風機35の駆動によって暖房用熱交換器34を通過する空調対象エリアへの送風空気が発生する。熱輸送流体1は、発熱体33を通るときに発熱体33から発生する熱を吸収し、吸収した熱を暖房用熱交換器34を通るときに送風空気に放出して、送風空気が暖められるので、発熱体33の熱は熱輸送流体1を介して送風空気に移動し、暖房風が空調エリアに供給されることになる。熱輸送流体1は、さらにポンプ32に吸入されて引き続き循環回路31を循環し、発熱体33での吸熱、暖房用熱交換器34での送風空気への放熱を繰り返し、継続的な熱輸送を行う。
この熱輸送装置30によれば、本実施形態の熱輸送流体1を用いるため、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達の向上が図れる。発熱体33の熱は熱輸送流体1によって吸収されて効率的に空調対象エリアへ移動するため、エネルギー効率に優れた暖房風を提供することができる。
(熱輸送装置の第4の例)
熱輸送流体1を用いる熱輸送装置の第4の例について図7を参照して説明する。図7は、熱輸送装置の第4の例である、エンジンを暖機する暖機装置の構成を示す模式図である。
図7に示すように、熱輸送流体1を用いて熱の輸送を行う熱輸送装置40は、熱輸送流体が循環する循環回路41と、発熱体であるPTCヒータ46と、PTCヒータ46が配置されるバイパス通路45と、を備える。PTCヒータ46は、バイパス通路45を流れる熱輸送流体1に対して熱を与える発熱体である。循環回路41は、ポンプ42、エンジン43、及びラジエータ44を備え、これらを配管によって環状に接続して構成される。
バイパス通路45は、エンジン43を流出した熱輸送流体1をラジエータ44側に流下させないでPTCヒータ46を経由してエンジン43に戻すための迂回通路である。エンジン43を流出した熱輸送流体1は、三方弁47による通路切り替えによって、PTCヒータ46へ流下するか、ラジエータ44へ流下するかが選択されるようになっている。ポンプ42は、熱輸送流体1を循環回路41で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置である。エンジン43は、循環回路41を循環する熱輸送流体1が流通可能に設けられ、暖機を必要とする暖機対象機器である。ラジエータ44は、エンジン43で回収した熱を外部に放出して熱輸送流体1を冷却するための放熱用熱交換器である。またラジエータ44には、送風を行う送風機が備えられている。
冷却対象であり暖機対象でもあるエンジン43は、例えば、自動車のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、発電用エンジン、農業用エンジン等である。つまり、熱輸送流体1は、エンジンを冷却する冷却水としての機能と、エンジンの性能を効率的に発揮するために暖機する機能とを有する。
エンジン43の冷却が必要な状態では、ポンプ42の駆動により循環回路41に内蔵された熱輸送流体1が強制的に循環するとともに、三方弁47によってエンジン43の出口側通路とラジエータ44の入口側通路とが接続される。このとき熱輸送流体1は、循環回路41を循環してラジエータ44を通るときに外部の空気によって熱を奪われて放熱して冷却されるので、エンジン43の熱は外部の空気に移動し、エンジン43は冷却されることになる。
エンジン43の暖機が必要な状態では、例えば、熱輸送流体1の温度が予め定めた温度以下であるとき、ポンプ42の駆動により循環回路41に内蔵された熱輸送流体1が強制的に循環するとともに、三方弁47によってエンジン43の出口側通路とバイパス通路45とが接続される。このとき熱輸送流体1は、循環回路41を循環してバイパス通路45を通るときにPTCヒータ46によって加熱されるので、エンジン43は戻ってきた熱輸送流体1によって暖められることになる。なお、三方弁47は、検出温度によって、接続する通路を切り換えるように設定されるサーモスタットによって構成してもよい。
この熱輸送装置40によれば、本実施形態の熱輸送流体1を用いるため、伝熱的に良好な分散物質の分散状態によって熱伝達の向上が図れる。発熱体によって加熱される熱輸送流体1を介してエンジン43を効率的に加熱することができ、エンジン43の所望機能の発揮、燃費向上、寿命向上等を実現する熱輸送装置40を提供できる。
本実施形態に係る熱輸送流体1がもたらす作用効果を以下に述べる。熱輸送流体1は、水または有機物からなる溶媒2と、溶媒2中に分散される複数の微小粒子3と、を含んで構成され、微小粒子3はシート形状の物質である。
この熱輸送流体1によれば、微小粒子3がシート形状をなすため、多数の微小粒子3は、熱輸送流体1中で流動する際に、溶媒2からの作用力を受け易く、様々な姿勢をとりやすく、さらにその姿勢が常に変化するようになる。このため、多数の微小粒子3は、熱輸送流体1の伝熱性能が向上するために必要な伝熱方向(流体の主流方向に対して直交する方向)に熱伝導しやすい姿勢で流動するので、熱輸送流体1の熱伝達率を向上することができる。また、多数の微小粒子3は、溶媒2からの作用力を受けることによって、回転したり揺らいだりすることにより、周囲の溶媒2を揺さぶったり、かき回したりする。このような多数の微小粒子3による攪拌効果により、熱輸送流体1の流れに乱れが生じるため、熱輸送流体1の熱伝達率を向上することができる。
また、微小粒子3はグラフェンまたは酸化グラフェンであることが好ましい。これによれば、グラフェンまたは酸化グラフェンは、1原子の厚さのsp2結合炭素原子のシート(主に炭素−炭素結合の六員環等を多数有して形成されるシート)であるため、非常に薄いシート形状の微小粒子3を作製することができる。このような微小粒子3によれば、シート形状の粒子が流体中で大きく揺らぐため、あらゆる方向に優れた伝熱性能を発揮できる分散状態を構築することができる。したがって、分散物質を流体中で伝熱的に良好な分散状態にできるため、より確実な熱伝達の向上が図れる。
また、微小粒子3は金属酸化物であることが好ましい。また、溶媒2は、1価アルコール類もしくは多価アルコール類、またはこれらの混合物であることが好ましい。
さらに1価アルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールもしくは2−メチル−2−プロパノール、またはこれらの混合物であることが好ましい。
さらに多価アルコール類は、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン、またはこれらの混合物であることが好ましい。これによれば、これらの各物質の特性(融点、沸点等)を活用した使用を図ることにより、用途に応じた熱輸送の向上が期待できる熱輸送流体を提供できる。
(第2実施形態)
本発明に係る熱輸送流体の第2実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。以下に、第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成、作用効果について説明し、説明しない構成、作用効果については第1実施形態と同様であるとする。また、上記の第1の熱輸送装置〜第4の熱輸送装置は、第2実施形態の熱輸送流体を用いて熱輸送を実施する装置であることはいうまでもない。
第2実施形態に係る熱輸送流体1は、微小粒子3がグラファイト微粒子であることを特徴とする。微小粒子3としてグラファイト微粒子を用いた熱輸送流体1の作製について説明する。
まず、グラファイト粒子を硫酸と硝酸の混合液に中に投入して、膨張性のグラファイト破片を生成する。そして、生成された膨張性のグラファイト破片を空気中で900℃まで加熱処理する。さらに加熱処理した膨張性のグラファイト破片に対して、超音波処理、ボールミル破砕、さらに振動ボールミル破砕等の少なくともいずれかの破砕技術を実施することによって、当該グラファイト破片をさらに細かく破砕する。これらの工程を経て、グラファイト微粒子が得られる。このグラファイト微粒子の作製技術は、既報の文献(Macromolecular Materials and Engineering 2005, 290, 179-187)において公知となっている。このように得られたグラファイト微粒子を、溶媒中に分散剤とともに分散させる。第2実施形態の熱輸送流体は、分散剤としてベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて調製する。以上の方法により、グラファイト微粒子をシート状の微小粒子3として溶媒中に分散する熱輸送流体1を作製することができる。
さらに、グラファイト微粒子には、表層酸化を施すことが好ましい。すなわち、種々の酸化の方法により、グラファイト微粒子の表面に酸化層が形成されるため、グラファイト微粒子の溶媒2に対する分散性が高まり、熱輸送流体1の熱伝導率向上に寄与することになる。
この表層酸化は、上記の方法により作製されたグラファイト微粒子をオゾン酸化、酸化剤作用による酸化処理等によって酸化することで実施することができる。オゾン酸化は、オゾン発生装置によって製造されたオゾン、酸素の混合ガスにグラファイト微粒子を暴露し、酸化反応を起こすものである。このオゾン酸化により表層酸化技術は、既報の文献(Carbon 49(2011),3242-3249)において公知となっている。
発明者らは、第2実施形態に記載する製法で作製した熱輸送流体1の熱伝導率を、微小粒子3の体積濃度が、3.0vol%、1.0vol%、0.25vol%の各溶液、及び水とエチレングリコールの混合溶媒(混合比は1:1)の場合について、熱線法(非定常熱線法ともいう)によって測定した。その結果を図8に示す。図8には、各溶液について測定した熱伝導率が棒グラフで図示されている。
図8に示す測定結果から、微小粒子3としてグラファイト微粒子が分散する溶液の熱伝導率は、混合溶媒の熱伝導率に比較して大きく、さらにグラファイト微粒子の体積濃度が高くなるにつれて大きくなり、熱輸送流体1の熱伝導性能が向上することが確認できた。
さらに、発明者らは、熱輸送流体1の熱伝達率について、上記の混合溶媒(水とエチレングリコールの混合比は1:1)を用いた場合の熱伝達率に対する熱伝達率向上比を熱線法によって測定した。その結果を図9に示す。図9には、各溶液について測定した熱伝達率が棒グラフで図示されている。測定値は、流速4(mm/s)の円柱周りの強制対流において熱伝達率を測定した値である。
図9に示す測定結果から、グラファイト微粒子の体積濃度(分散物質濃度)の大きさにほぼ比例して熱伝達率向上比が増加することがわかる。このように、第2実施形態の上記製法による熱輸送流体1によれば、熱伝達率が向上することが確認できた。
さらに、熱輸送流体1に分散するグラファイト微粒子は、外形上、複数層をなすシート状の微粒子であり、グラフェンまたは酸化グラフェンによる微小粒子3と比較して、高い剛直性と高い熱伝導率を有している。すなわち、熱輸送流体1に分散するグラファイト微粒子は、複数層の積層シートをなす微小粒子3であり、複数層のシート状体であることから、単層のシート状体よりも剛直性が高い。グラファイト微粒子は、この高い剛直性ゆえ、熱輸送流体1が流動する際に、溶媒2を揺さぶったり、かき回したりする機能が高く、溶媒2を攪拌する高い効果を発揮する。さらにグラファイト微粒子は、微小粒子自体の高い熱伝導率によって、分散液としての熱伝導率を効果的に向上することができる。したがって、グラファイト微粒子のこのような特徴が、上記測定結果によって確認された熱輸送装置の熱伝達性能の向上をもたらすのである。
また、グラファイト微粒子は、酸化グラフェンや金属酸化物よりも疎水性が高いため、溶媒に対する分散性を確保するには分散剤が必要となるが、グラファイト微粒子の表層酸化処理によれば、分散剤を不要とする分散性を獲得することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記の第4の熱輸送装置において暖機される機器は、エンジンの他、例えば、インバータ装置、燃料電池、二次電池、電動機等にも適用することができる。
また、熱輸送流体1に含まれる溶媒として、2種類の成分からなるものを用いてもよい。このうち1種類の溶媒としては凝固点降下作用を有するある液体を用いてもよい。例えば溶媒として水を用い、凝固点降下剤として酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等を用いることができる。こうした構造によれば、熱輸送流体の凝固点を降下させることで、寒冷地等における実用性をさらに高めることができる。さらに必要に応じて、凝固点降下剤に加えて防錆剤や酸化防止剤を、添加剤として熱輸送流体に含有させるようにしてもよい。なお、熱輸送流体の凝固点降下の必要性がなければ、凝固点降下剤を含有しない2種類以上の溶媒を用いるようにしてもよい。
1…熱輸送流体
2…溶媒
3…微小粒子
10,20,30,40…熱輸送装置
11,21,31,41…循環回路
12,22,32,42…ポンプ(環駆動装置)
13,23…冷却用熱交換器
14…半導体装置
15,24…放熱用熱交換器(放熱装置)
28…エンジン
33…発熱体
34…暖房用熱交換器(熱交換器)
43…エンジン(暖機対象機器)
46…PTCヒータ(発熱体)
104…高温内壁面
105…低温内壁面

Claims (12)

  1. 水または有機物からなる溶媒と、
    前記溶媒中に分散される複数の微小粒子と、
    を含んで構成され、
    前記微小粒子はシート形状であることを特徴とする熱輸送流体。
  2. 前記微小粒子は、グラファイト微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱輸送流体。
  3. 前記グラファイト微粒子は、表層酸化されていることを特徴とする請求項2に記載の熱輸送流体。
  4. 前記微小粒子は、グラフェンまたは酸化グラフェンであることを特徴とする請求項1に記載の熱輸送流体。
  5. 前記微小粒子は、金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の熱輸送流体。
  6. 前記溶媒は、1価アルコール類もしくは多価アルコール類、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱輸送流体。
  7. 前記1価アルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールもしくは2−メチル−2−プロパノール、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項6に記載の熱輸送流体。
  8. 前記多価アルコール類は、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項6に記載の熱輸送流体。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置であって、
    前記熱輸送流体が循環する循環回路と、
    前記熱輸送流体を前記循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、
    半導体装置に含まれる半導体素子から発生する熱を前記循環する前記熱輸送流体で吸熱して前記半導体素子を冷却する冷却用熱交換器と、
    前記冷却用熱交換器で回収した熱を外部に放出する放熱装置と、
    を備えることを特徴とする熱輸送装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置であって、
    前記熱輸送流体が循環する循環回路と、
    前記熱輸送流体を前記循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、
    エンジンを流通する流体と前記循環する熱輸送流体との間で熱交換を行って前記エンジンを冷却する冷却用熱交換器と、
    前記冷却用熱交換器で回収した熱を外部に放出する放熱装置と、
    を備えることを特徴とする熱輸送装置。
  11. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置であって、
    前記熱輸送流体が循環する循環回路と、
    前記熱輸送流体を前記循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、
    前記循環回路を循環する熱輸送流体に対して熱を与える発熱体と、
    空調対象となるエリアへ送風する空気と前記循環する前記熱輸送流体との間で熱交換を行って前記空気を暖める熱交換器と、
    を備えることを特徴とする熱輸送装置。
  12. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱輸送流体を用いて熱を輸送する熱輸送装置であって、
    前記熱輸送流体が循環する循環回路と、
    前記熱輸送流体を前記循環回路で強制的に循環させる駆動力を与える循環駆動装置と、
    前記循環回路を循環する熱輸送流体が流通可能に設けられる暖機対象機器と、
    前記循環回路を循環する熱輸送流体に対して熱を与える発熱体と、
    を備え、
    前記暖機対象機器を暖機する必要がある場合は、前記発熱体から受熱した前記熱輸送流体を前記暖機対象機器に流通させることを特徴とする熱輸送装置。
JP2012130023A 2011-06-22 2012-06-07 熱輸送流体及び熱輸送装置 Pending JP2013028792A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130023A JP2013028792A (ja) 2011-06-22 2012-06-07 熱輸送流体及び熱輸送装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011138801 2011-06-22
JP2011138801 2011-06-22
JP2012130023A JP2013028792A (ja) 2011-06-22 2012-06-07 熱輸送流体及び熱輸送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013028792A true JP2013028792A (ja) 2013-02-07

Family

ID=47786108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012130023A Pending JP2013028792A (ja) 2011-06-22 2012-06-07 熱輸送流体及び熱輸送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013028792A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124268A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 古河電気工業株式会社 蓄熱材組成物及び蓄熱装置
JPWO2014203831A1 (ja) * 2013-06-17 2017-02-23 バイオエポック株式会社 ラジエター添加剤およびその使用方法
JP2018070785A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 国立大学法人 岡山大学 水性媒体用流動抵抗低減剤組成物
CN108130052A (zh) * 2018-01-16 2018-06-08 广东工业大学 一种强化振荡热管传热的新型工质及其制备方法和应用
JP2018095845A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 株式会社豊田中央研究所 熱輸送流体及びそれを用いた熱輸送装置
CN108431167A (zh) * 2015-12-22 2018-08-21 安赛乐米塔尔公司 非金属或金属物品传热的方法
CN108431168A (zh) * 2015-12-22 2018-08-21 安赛乐米塔尔公司 金属或非金属物品与传热流体之间传热的方法
CN108473854A (zh) * 2015-12-22 2018-08-31 安赛乐米塔尔公司 金属或非金属物品与传热流体之间的传热的方法
JP2021021348A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 株式会社豊田中央研究所 熱輸送システム、および熱輸送システムの制御方法
US11091680B2 (en) 2016-12-14 2021-08-17 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Heat transport fluid and heat transport device using the same

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004538349A (ja) * 2001-01-30 2004-12-24 マテリアルズ アンド エレクトロケミカル リサーチ (エムイーアール) コーポレイション 流体中の熱移動を向上させるためのナノカーボン物質
WO2010145833A1 (de) * 2009-06-18 2010-12-23 Sgl Carbon Se Temperiermedium

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004538349A (ja) * 2001-01-30 2004-12-24 マテリアルズ アンド エレクトロケミカル リサーチ (エムイーアール) コーポレイション 流体中の熱移動を向上させるためのナノカーボン物質
WO2010145833A1 (de) * 2009-06-18 2010-12-23 Sgl Carbon Se Temperiermedium

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015014009; JOURNAL OF APPLIED PHYSICS Vol.107(2010), pp.094317-1〜094317-6, 2010 *
JPN6015014010; JOUNAL OF APPLIED PHYSICS Vol.108(2010), pp.124308-1〜124308-6, 2010 *
JPN6015014011; JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY C Vol.115(2011), pp.8527-8533, 20110413 *

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014203831A1 (ja) * 2013-06-17 2017-02-23 バイオエポック株式会社 ラジエター添加剤およびその使用方法
US9611413B2 (en) 2013-06-17 2017-04-04 Bio Epoch Co., Ltd. Radiator additive and method of use thereof
JP2015124268A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 古河電気工業株式会社 蓄熱材組成物及び蓄熱装置
US10815410B2 (en) 2015-12-22 2020-10-27 Arcelormittal Method of heat transfer between a metallic or non-metallic item and a heat transfer fluid
JP2019506474A (ja) * 2015-12-22 2019-03-07 アルセロールミタル 金属又は非金属品と熱伝達流体との間の熱伝達の方法
US11118091B2 (en) 2015-12-22 2021-09-14 Arcelormittal Method of a heat transfer of a non-metallic or metallic item
CN108431167A (zh) * 2015-12-22 2018-08-21 安赛乐米塔尔公司 非金属或金属物品传热的方法
CN108431168A (zh) * 2015-12-22 2018-08-21 安赛乐米塔尔公司 金属或非金属物品与传热流体之间传热的方法
CN108473854A (zh) * 2015-12-22 2018-08-31 安赛乐米塔尔公司 金属或非金属物品与传热流体之间的传热的方法
JP2019505627A (ja) * 2015-12-22 2019-02-28 アルセロールミタル 非金属又は金属品の熱伝達の方法
JP2021006630A (ja) * 2015-12-22 2021-01-21 アルセロールミタル 金属又は非金属品と熱伝達流体との間の熱伝達の方法
JP2019508512A (ja) * 2015-12-22 2019-03-28 アルセロールミタル 金属又は非金属品と熱伝達流体との間の熱伝達の方法
US10844261B2 (en) 2015-12-22 2020-11-24 Arcelormittal Method of heat transfer between a metallic or non-metallic item and a heat transfer fluid
JP2018070785A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 国立大学法人 岡山大学 水性媒体用流動抵抗低減剤組成物
US11091680B2 (en) 2016-12-14 2021-08-17 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Heat transport fluid and heat transport device using the same
JP2018095845A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 株式会社豊田中央研究所 熱輸送流体及びそれを用いた熱輸送装置
CN108130052A (zh) * 2018-01-16 2018-06-08 广东工业大学 一种强化振荡热管传热的新型工质及其制备方法和应用
JP2021021348A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 株式会社豊田中央研究所 熱輸送システム、および熱輸送システムの制御方法
JP7212594B2 (ja) 2019-07-25 2023-01-25 株式会社豊田中央研究所 熱輸送システム、および熱輸送システムの制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013028792A (ja) 熱輸送流体及び熱輸送装置
US7448441B2 (en) Carbon nanotube heat-exchange systems
Kumar et al. Role of nano-additives in the thermal management of lithium-ion batteries: A review
CN101063032A (zh) 一种制备碳纳米流体的方法
CN106410321A (zh) 一种电池组热管理***
JP2005241148A (ja) 太陽光利用ヒートポンプシステム、およびその稼働制御方法
Ebaid et al. Performance enhancement of photovoltaic panels using two types of nanofluids
Zahid et al. Experimental investigation for thermal performance enhancement of various heat sinks using Al2O3 NePCM for cooling of electronic devices
CN107325377B (zh) 高效石墨烯纳米改性散热材料及其制备方法
US20120222429A1 (en) Vehicle air conditioner
JP2011143911A (ja) 車両用空調ユニット及び車両用空調システム
US20170077570A1 (en) Device for controlling the temperature of an electrical energy store on the motor vehicle side
Gao et al. Application of nanofluids in heat pipes
CN101240924A (zh) 汽车电子冷暖空调
Shilpa et al. A systematic review of thermoelectric peltier devices: applications and limitations
JP5499464B2 (ja) 熱輸送流体、熱輸送装置および熱輸送方法
JP2005326128A (ja) 地熱を利用する熱交換器及び冷暖房装置
WO2018113374A1 (zh) 一种螺旋线型散热器
KR20100060756A (ko) 액냉식 열전 냉각장치
CN203518101U (zh) 汽车车内气温冷却装置
JP6724883B2 (ja) 熱輸送流体及びそれを用いた熱輸送装置
CN111093347B (zh) 一种自循环高效散热器
JP2012102192A (ja) 熱輸送流体及び熱輸送装置
JP2016522120A (ja) 自動車両の空気を冷却するための要素
JP2012154567A (ja) 空調コア

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150818