JPWO2007099798A1 - 蓄熱材組成物 - Google Patents

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Abstract

常温を超えるような高温状態に何度も晒されるような条件下においても、劣化し難く、高い耐久性と耐熱性を有する蓄熱材組成物を提供する。主成分として塩化カルシウムを含有する蓄熱材組成物であって、核形成材として塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを含有し、且つ増粘材としてセルロース系材料を含有する蓄熱材組成物。

Description

本発明は、主成分として塩化カルシウムを含有する蓄熱材組成物に関する。
一般的な蓄熱材の種類としては、潜熱蓄熱材や、顕熱蓄熱材等が知られている。特に潜熱蓄熱材は、固体と液体との間の相変化を伴うものであり、顕熱蓄熱材と比べて桁違いに大きい熱量を蓄えることができる。そのため、潜熱蓄熱材は、多くの冷熱や温熱を必要とする建物(住宅やオフィスビル等)の冷暖房設備や、工場の排熱回収設備等に幅広く利用されている。
このような潜熱蓄熱材としては、主成分として塩化カルシウムを含有する他、さらに核形成材(例えば、塩化ストロンチウムや塩化バリウム等)を含有する蓄熱材組成物が知られている。
上記蓄熱材組成物は、常温付近に凝固点を有し、且つ大きな凝固−融解潜熱を有する塩化カルシウムを含有するため、例えば、建物の床材や壁材に備えることで、その室温変化を低減し、冷暖房の省エネルギー化を図ることが可能である。
さらに、上記蓄熱組成物は、核形成材を含有するため上記蓄熱材組成物を凝固点以下に温度を下げたとき(相変化時)に生じ得る過冷却現象を防止して、一定の温度における迅速な蓄熱材組成物の凝固−融解(相変化)を実現し得る。
尚、上記核形成材は、蓄熱材組成物を繰り返し使用していくうちに、蓄熱材組成物中で次第に沈殿してしまい、過冷却現象を防止することができなくなる場合がある。そのため、核形成材の分散安定性を高めるために、増粘材(微粉末シリカ及びグリセリン)をさらに配合したものが知られている(特許文献1参照)。
特開昭61−166879号公報
しかしながら、上記特許文献に記載される従来の蓄熱材組成物は、凝固点(常温)付近の温度において使用している間は、相変化時の過冷却現象を防止し得るが、例えば、夏場等の常温を超えるような高温状態に何度も晒されるような条件下では、劣化が進み易く、相変化時の過冷却現象を防止することができなくなるという欠点があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、常温を超えるような高温状態に何度も晒されるような条件下においても、劣化し難く、高い耐久性と耐熱性を有する蓄熱材組成物を提供するものである。
本発明の第1特徴構成は、主成分として塩化カルシウムを含有する蓄熱材組成物であって、核形成材として塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを含有し、且つ増粘材としてセルロース系材料を含有する蓄熱材組成物である点にある。
核形成材として塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを含有し、且つ増粘材としてセルロース系材料を含有しているので、常温を超えるような高温状態に何度も晒され得る条件下においても、本発明の蓄熱材組成物は劣化し難く(耐熱性の向上)、核形成材(塩化ストロンチウム及び塩化バリウム)の蓄熱材組成物中での分散安定性が長期にわたって維持され得る(耐久性の向上)。そのため、本発明の蓄熱材組成物は、常温を超えるような高温状態に何度も晒され得る条件下においても、相変化時の過冷却現象を長期にわたって防止することが可能である。
尚、核形成材として塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを含有し、且つ増粘材としてセルロース系材料を含有させることによって蓄熱材組成物の耐久性と耐熱性を向上させることができるという知見は、本発明者の鋭意研究の結果初めて見出されたものである。
本発明の第2特徴構成は、前記セルロース系材料がヒドロキシセルロースである点にある。
ヒドロキシセルロースは、一般に市販されており、容易に入手可能である。また、ヒドロキシセルロースは、蓄熱材組成物中に均一に分散させることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記ヒドロキシセルロースが、ヒドロキシアルキルセルロースである点にある。
ヒドロキシアルキルセルロースは、蓄熱材組成物中に均一に分散させることができるとともに、増粘性に優れている。
本発明の第4特徴構成は、前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロースである点にある。
ヒドロキシエチルセルロースは、蓄熱材組成物中での均一分散性と増粘性のバランスに特に優れており、少量の使用で確実に増粘効果を発揮することができる。
本発明の第5特徴構成は、前記核形成材として硫化バリウムを含有する点にある。
核形成材として、塩化ストロンチウム及び塩化バリウムに加えて、硫化バリウムを使用することによって、従来の蓄熱材組成物の有する過冷却現象防止効果を維持したまま、蓄熱材組成物における核形成材全体の含有量を低減することが可能となる。その結果、高価な塩化ストロンチウムの使用量(含有量)も低減され得るので、本発明の蓄熱材組成物の製造コストは非常に安くなり得る。さらに、核形成材全体の含有量が低減される分、主成分の塩化カルシウムの含有量を増加させることができるので、蓄熱材組成物の蓄熱効果をより高めることも可能となる。
尚、核形成材として塩化ストロンチウム、塩化バリウム及び硫化バリウムを含有させることによって蓄熱材組成物における核形成材全体の含有量を低減することができるという知見は、本発明者の鋭意研究の結果初めて見出されたものである。
本発明の第6特徴構成は、2水和物基準の塩化カルシウム100重量部に対して、前記核形成材として、2水和物基準の塩化バリウム1.7重量部と無水物基準の塩化ストロンチウム0.87重量部とを含有し、且つ、前記増粘材としてヒドロキシエチルセルロース1.7重量部を含有する点にある。
蓄熱材組成物中の各成分を上述の割合で含有することにより、特に良好に、蓄熱材組成物の耐熱性及び耐久性を向上させることができる。
本発明の第6特徴構成は、2水和物基準の塩化カルシウム100重量部に対して、前記核形成材として、2水和物基準の塩化バリウム0.17重量部と無水物基準の塩化ストロンチウム0.17重量部と無水物基準の硫化バリウム0.017重量部とを含有し、且つ、前記増粘材としてヒドロキシエチルセルロース1.7重量部を含有する点にある。
蓄熱材組成物中の各成分を上述の割合で含有することにより、蓄熱材組成物の蓄熱性能を低下させること無く、塩化ストロンチウムの含有量を減少させつつ、特に良好に、蓄熱材組成物の耐熱性及び耐久性を向上させることができる。
〔実施形態〕
本発明に係る蓄熱材組成物を用いた蓄熱材は、主成分である塩化カルシウムが、水和物結晶(固体)と水溶液(液体)との間を相変化する際の潜熱を利用して蓄熱を行うものである。
この蓄熱材組成物は、以下に記載される主成分、核形成材、増粘材、並びに、適宜必要に応じてその他の公知の添加剤を添加して均一に混合して製造することができる。
(主成分)
本発明に係る蓄熱材組成物は、主成分として、塩化カルシウムを含有する。この塩化カルシウムは、蓄熱材組成物中において、塩化カルシウム6水和物結晶(固体)と塩化カルシウム水液体(液体)との間を相変化する。
塩化カルシウムとしては、無水物(CaCl2)やその水和物(CaCl2・nH2O(n=1〜6))を用いることができ、塩化カルシウム二水和物が比較的入手し易く、好ましい。なお、蓄熱材組成物に添加される水の量は、塩化カルシウム6水和物の生成に必要な量であり、他の成分の添加による水の活量の変化等により若干変動するが、1モルのCaCl2に対して6モル程度である。なお、水の量は、塩化カルシウムとして、水和物を用いた場合には、その水和物中の結晶水も含めて6モル程度である。
(核形成材)
本発明に係る蓄熱材組成物は、塩化ストロンチウム及び塩化バリウムを含有する。また、塩化ストロンチウム及び塩化バリウムに加え、硫化バリウムを含有してもよい。
上述の化合物としては、夫々、無水物(SrCl2・BaCl2・BaS)を用いても良く、これらの化合物の水和物を用いても良い。
また、適宜必要に応じて、その他の核形成材としてリン酸水素二ナトリウム12水和物(Na2HPO4・12H2O)やフライアッシュを添加することも可能である。
(増粘材)
本発明に係る蓄熱材組成物は、増粘材として、セルロース系材料を含有する。セルロース系材料は、液体状態にある蓄熱材組成物の粘性を高めることにより、蓄熱材組成物中における塩化カルシウムや核形成材の各成分の分布が偏ることを防止する。
セルロース系材料としては、ヒドロキシセルロース、アセチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。
増粘材が上述の効果を奏するためには、増粘材自体が蓄熱材組成物中に均等に分布する必要があるので、蓄熱材組成物中の水との混合性(への溶解性)が高い方が好ましい。従って、セルロース系材料としては、水との混合性(への溶解性)に優れたヒドロキシセルロースが好ましい。
また、蓄熱材への影響を考慮すると添加する増粘材は少量である方がよいので、増粘性の高いものが好ましい。従って、増粘材としては、ヒドロキシセルロースの中でも、増粘性に特に優れたヒドロキシアルキルセルロースが好ましい。
さらに、用いるヒドロキシアルキルセルロースとしては、水との混合性(への溶解性)の観点からは、アルキル基の炭素数が少ないものが好ましく、増粘性の観点からはアルキル基の炭素数が多いものが好ましい。水との混合性(への溶解性)と増粘性とのバランスから、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましく、これらの中でも、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
なお、増粘材は、複数種類のものを混合して用いてもよい。
(添加剤)
本発明に係る蓄熱材組成物に適宜添加できるその他の添加剤として、例えば、凝固点(融点)降下剤が挙げられ、凝固点(融点)降下剤としては、特に限定はされないが、例えば、臭化アンモニウム(NH4Br)等などを用いることができる。
臭化アンモニウム(NH4Br)等の凝固点(融点)降下剤は、塩化カルシウム6水和物の凝固点(融点)を降下させて、潜熱発生温度を変化させるために用いられる。つまり、通常、塩化カルシウム6水和物の潜熱発生温度はその凝固点(融点)である約30℃であるが、蓄熱材の使用目的等に応じて、例えば20℃前後等、30℃より低い温度で潜熱を発生させる場合がある。そこで、臭化アンモニウム(NH4Br)等の凝固点(融点)降下剤が添加される。
なお、凝固点(融点)降下剤以外の添加剤も必要に応じて、適宜、添加可能である。
(通常温度における耐久性試験)
本発明の蓄熱材組成物を例示するものとして、表1に示される組成を有する蓄熱材組成物(試料1)を製造した。また、比較例として、増粘材としてグリセリン及び微粉末シリカを含有する従来の蓄熱材組成物と類似する蓄熱材組成物(比較例1)を製造した。なお、本実施例では、蓄熱材組成物の凝固点(融点)が、18℃となるように、臭化アンモニウム(NH4Br)を添加した。
図1及び図2はそれぞれ、試料1(本発明の蓄熱材組成物の一例)及び比較例1について、各蓄熱材組成物(試料1、比較例1)の周囲温度を、所定時間で約40℃から約10℃まで下げた後、再び約10℃から約40℃まで上げることを繰り返すという試験操作(以下、温度繰り返し操作と称する)を実施したときの各蓄熱材組成物(試料1、比較例1)の温度変化を示したものである。
Figure 2007099798
上記の温度繰り返し操作を、合計で12回実施し、図1及び図2はそれぞれ、試料1及び比較例1について、1回、7回、及び12回の温度繰り返し操作を行ったときの温度変化を示している。
図1及び図2の凝固領域A(点線で囲まれている部分)は、上記蓄熱材組成物(試料1、比較例1)が放熱して凝固し始める時間域を示している。
試料1については、図1に示されるように、この凝固領域Aにおいて、温度繰り返し操作を12回実施しても、凝固点は安定していた。しかしながら、比較例1については、図2に示されるように、7回以上の温度繰り返し操作を行ったとき、過冷却現象が認められ、凝固点は不安定であった。
また、図1及び図2の溶解領域B(点線で囲まれている部分)は、上記蓄熱材組成物(試料1、比較例1)が吸熱して溶解し始める時間域を示しており、この溶解領域Bにおける試料1のプラトー期間(横ばい期間)は、比較例1のプラトー期間よりも長く、本発明の蓄熱材組成物(試料1)は、比較例1よりも多くの熱量を蓄熱し得ることを示していた。
(核形成材と増粘材との組合せ検討)
3種の核形成材(塩化ストロンチウム(SrCl2)、塩化バリウムの水和物(BaC
l2・2H2O)、硫化バリウム(BaS))と、増粘材(ヒドロキシエチルセルロース)とを種々に組み合わせて、表2に示されるような組成の各蓄熱材組成物をそれぞれ2検体ずつ(但し、実施例2については、1検体のみ)製造した。なお、上述の実施例と同様に、蓄熱材組成物の凝固点(融点)が、18℃となるように、臭化アンモニウム(NH4Br)を添加した。
この蓄熱材組成物を用いて、上記耐久性試験と同様に温度繰り返し操作を実施した(但し、温度範囲は約42℃〜約3℃であり、操作回数は1〜3回である)。尚、図3、6、8、11、14、17は、上述の温度繰り返し操作を1回だけ実施したときの温度変化を示しており、図4、6、9、12、15は、上述の温度繰り返し操作を2回繰り返して実施したときの温度変化を示しており、図5、7、10、13、16は、上述の温度繰り返し操作を3回繰り返して実施したときの温度変化を示している。
Figure 2007099798
試料1(本発明の蓄熱材組成物の一例)については、図3〜図5に示すように、後述する比較例5のように多量の塩化ストロンチウムを含有しなくとも、凝固領域A(点線で囲まれている部分)においては、過冷却現象が認められず凝固点は安定であり、尚且つプラトー期間も長く蓄熱効果が高いものであった。
また、図6及び図7に示すように、試料2においても、試料1よりも更に塩化ストロンチウム(SrCl2)の添加量を減少させたにも関わらず、試料1と同様に、過冷却現象が認められず凝固点は安定であり、尚且つプラトー期間も長いものであった。このように、蓄熱材組成物に硫化バリウムを添加することにより、塩化ストロンチウムの添加量を減少させつつ、蓄熱材組成物の蓄熱性能を低下させること無く、蓄熱材組成物の耐久性を向上させることができた。
比較例2については、図8〜図10に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)において、1回目の操作より過冷却現象が認められ、凝固点は不安定であった。
比較例3についても、図11〜図13に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)において、1回目の操作より過冷却現象が認められ、凝固点は不安定であった。
比較例4については、図14〜図16に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)においては、過冷却現象が認められず凝固点は安定であったが、プラトー期間(横ばい期間)が短く、蓄熱されていた熱量が非常に少なかった(即ち、蓄熱効果が低いものであった)。
比較例5については、図17〜図19に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)においては、過冷却現象が認められず凝固点は安定であり、プラトー期間も長く蓄熱効果は高いが、多量の塩化ストロンチウムを必要とし、塩化ストロンチウムは非常に高価な化合物であるためコスト高になる虞があった。
従って以上より、塩化カルシウム(塩化カルシウム2水和物)を主成分とする蓄熱材組成物が、塩化ストロンチウム、塩化バリウム(塩化バリウム2水和物)、及びセルロース材料(ヒドロキシエチルセルロース)を含有することによって、相変化(凝固)時の過冷却現象が防止され得、尚且つ高い蓄熱効果を有し得ることが示された。
さらに、核形成材として、塩化ストロンチウム及び塩化バリウムに加えて、硫化バリウムを加えることにより、試料1よりもさらに塩化ストロンチウムの使用量を減少させつつ、試料1と同様に、蓄熱材組成物の蓄熱性能を低下させること無く、相変化(凝固)時の過冷却現象が防止され得、尚且つ高い蓄熱効果を有し得ることが示された。
(耐熱性試験)
上述の核形成材と増粘材との組合せ検討にて使用した各蓄熱材組成物について、上記耐久性試験と同様に、温度繰り返し操作を実施した。(但し、温度範囲は約70℃〜約3℃であり、操作回数は1〜7回である)。
なお、耐熱性試験は、ポリビンに各蓄熱材組成物を150gずつ入れ、浴温を約70℃に上げて一夜放置し、翌朝、約3℃の水槽に入れて、夕方まで放置し、夕方にまた約70℃の浴槽に入れて翌朝まで放置するという操作を繰り返して行った。この間の温度変化はデーターロガーで記録し、データ処理した。
図18〜図27は、各蓄熱材組成物(試料1、試料2、比較例2〜5)について、上記温度繰り返し操作を実施したときの各蓄熱材組成物(試料1、比較例2〜5)の温度変化を示したものである。
ここで、図20〜25は、1回目の上述の温度繰り返し操作を実施したときの各蓄熱材組成物における温度変化を示す。また、図26〜31は、上述の温度繰り返し操作を7回繰り返して実施したときの温度変化を示す。
試料1については、図20及び図26に示すように、7回の繰り返し操作を通して、凝過冷却現象は認められず凝固点は安定であった。つまり、約70℃と約3℃という非常に激しい温度変化にも関わらず蓄熱材組成物の劣化等は見受けられなかった。
また、試料2についても、図21及び図27に示すように、試料1と同様に、7回の繰り返し操作を通して、凝過冷却現象は認められず凝固点は安定であり、蓄熱材組成物の劣化等は見受けられなかった。このように、蓄熱材組成物に硫化バリウムを添加することにより、塩化ストロンチウムの添加量を減少させつつ、蓄熱材組成物の蓄熱性能を低下させること無く、蓄熱材組成物の耐熱性を向上させることができた。
比較例2については、図22及び図28に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)において過冷却現象が認められた。
比較例3については、図23及び図29に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)において過冷却現象が認められた。
比較例4については、図24及び図30に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)においては、過冷却現象は認められず凝固点は安定であった。
比較例5については、図25及び図31に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)において過冷却現象が認められ、凝固点は不安定であった。
(フライアッシュの効果)
核形成材として、さらにフライアッシュを添加したものについて、表3に示されるような組成の各蓄熱材組成物(試料3及び試料4)を製造し、上記耐熱性試験と同様に温度繰り返し操作を実施した(但し、温度範囲は約70℃〜約3℃であり、操作回数は1〜6回である)。試料3及び試料4は、図32〜図37に示すように、凝固領域A(点線で囲まれている部分)においては、過冷却現象は認められず凝固点は安定であった。
Figure 2007099798
耐久性試験における本発明の蓄熱材組成物(試料1)の温度変化を示した図 耐久性試験における蓄熱材組成物(比較例1)の温度変化を示した図 組合せ検討における本発明の蓄熱材組成物(試料1)の温度変化(1回目)を示した図 組合せ検討における本発明の蓄熱材組成物(試料1)の温度変化(2回目)を示した図 組合せ検討における本発明の蓄熱材組成物(試料1)の温度変化(3回目)を示した図 組合せ検討における本発明の蓄熱材組成物(試料2)の温度変化(1回目)を示した図 組合せ検討における本発明の蓄熱材組成物(試料2)の温度変化(3回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例2)の温度変化(1回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例2)の温度変化(2回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例2)の温度変化(3回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例3)の温度変化(1回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例3)の温度変化(2回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例3)の温度変化(3回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例4)の温度変化(1回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例4)の温度変化(2回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例4)の温度変化(3回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例5)の温度変化(1回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例5)の温度変化(2回目)を示した図 組合せ検討における蓄熱材組成物(比較例5)の温度変化(3回目)を示した図 耐熱性試験(1回目)における蓄熱材組成物(試料1)の温度変化を示した図 耐熱性試験(1回目)における蓄熱材組成物(試料2)の温度変化を示した図 耐熱性試験(1回目)における蓄熱材組成物(比較例2)の温度変化を示した図 耐熱性試験(1回目)における蓄熱材組成物(比較例3)の温度変化を示した図 耐熱性試験(1回目)における蓄熱材組成物(比較例4)の温度変化を示した図 耐熱性試験(1回目)における蓄熱材組成物(比較例5)の温度変化を示した図 耐熱性試験(7回目)における本発明の蓄熱材組成物(試料1)の温度変化を示した図 耐熱性試験(7回目)における蓄熱材組成物(試料2)の温度変化を示した図 耐熱性試験(7回目)における蓄熱材組成物(比較例2)の温度変化を示した図 耐熱性試験(7回目)における蓄熱材組成物(比較例3)の温度変化を示した図 耐熱性試験(7回目)における蓄熱材組成物(比較例4)の温度変化を示した図 耐熱性試験(7回目)における蓄熱材組成物(比較例5)の温度変化を示した図 耐熱性試験(1回目)におけるフライアッシュを添加した本発明の蓄熱材組成物(試料3及び試料4)の温度変化を示した図 耐熱性試験(2回目)におけるフライアッシュを添加した本発明の蓄熱材組成物(試料3及び試料4)の温度変化を示した図 耐熱性試験(3回目)におけるフライアッシュを添加した本発明の蓄熱材組成物(試料3及び試料4)の温度変化を示した図 耐熱性試験(4回目)におけるフライアッシュを添加した本発明の蓄熱材組成物(試料2及び試料3)の温度変化を示した図 耐熱性試験(5回目)におけるフライアッシュを添加した本発明の蓄熱材組成物(試料2及び試料3)の温度変化を示した図 耐熱性試験(6回目)におけるフライアッシュを添加した本発明の蓄熱材組成物(試料2及び試料3)の温度変化を示した図
符号の説明
A 凝固領域
B 溶解領域

Claims (7)

  1. 主成分として塩化カルシウムを含有する蓄熱材組成物であって、
    核形成材として塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを含有し、且つ増粘材としてセルロース系材料を含有する蓄熱材組成物。
  2. 前記セルロース系材料がヒドロキシセルロースである請求項1に記載の蓄熱材組成物。
  3. 前記ヒドロキシセルロースが、ヒドロキシアルキルセルロースである請求項2に記載の蓄熱材組成物。
  4. 前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロースである請求項3に記載の蓄熱材組成物。
  5. 前記核形成材として硫化バリウムを含有する請求項1〜4の何れか一項に記載の蓄熱材組成物。
  6. 2水和物基準の塩化カルシウム100重量部に対して、前記核形成材として、2水和物基準の塩化バリウム1.7重量部と無水物基準の塩化ストロンチウム0.87重量部とを含有し、且つ、前記増粘材としてヒドロキシエチルセルロース1.7重量部を含有する請求項4に記載の蓄熱材組成物。
  7. 2水和物基準の塩化カルシウム100重量部に対して、前記核形成材として、2水和物基準の塩化バリウム0.17重量部と無水物基準の塩化ストロンチウム0.17重量部と無水物基準の硫化バリウム0.017重量部とを含有し、且つ、前記増粘材としてヒドロキシエチルセルロース1.7重量部を含有する請求項5に記載の蓄熱材組成物。
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