JP2014081017A - 歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スキューの発生を低減して軸受におけるロスの低減が可能となる。
【解決手段】起振体104の外周に起振体軸受110を介して支持された外歯歯車120を有する撓み噛合い式歯車装置100であって、起振体軸受110は、ころ116A、116Bと、ころ116A、116Bを保持するリテーナ114A、114Bと、を有し、リテーナ114A、114Bは、軸方向O両側に配置されるリング部114AAA、114BAAとリング部114AAA、114BAAを連結する柱部114AAB、114BABとを備える樹脂により成形されたリテーナ本体114AA、114BAと、リング部114AAA、114BAAの軸方向O外側に固着された金属リング体114AB、114BBと、を有し、柱部114AAB、114BABは金属による補強がなされていない。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯車装置に関する。
特許文献1に、断面が非円形の起振体と、該起振体の回転により撓み変形される可撓性を有した外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する剛性を有した内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置が開示されている。この歯車装置では、起振体と外歯歯車との間に軸受が配置されている。そして、この軸受は、複数のころと該ころの姿勢を規制するリテーナとを備えている。
特開2011−158072号公報
しかしながら、特許文献1に示すように歯車装置でころを用いると、玉を用いる場合に比べて負荷容量を大きくできるという利点がある反面、特にスキューが生じると軸受で過大なロスが発生してしまうという欠点を有している。
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、スキューの発生を低減して軸受におけるロスの低減が可能となる歯車装置を提供することを課題とする。
本発明は、軸の外周に軸受を介して支持された歯車を有する歯車装置であって、前記軸受に、ころと、該ころを保持するリテーナと、を有し、該リテーナに、軸方向両側に配置されるリング部と該リング部を連結する柱部とを備える樹脂により成形されたリテーナ本体と、少なくとも一方の該リング部の軸方向外側に固着された金属製のリング部材と、を有し、前記柱部には金属による補強がなされていないことにより、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明では、樹脂により成形されたリテーナ本体の少なくとも一方のリング部の軸方向外側に金属製のリング部材が固着されている。このため、リテーナ本体ところとの摩擦ロスを低減しながら、リテーナ全体の剛性を向上させることができる。ここで、本発明では、いわばリング部には金属の補強がなされているのに対して、柱部には金属の補強がなされていない。このため、スキューを規制できずにスキューが発生しようとする際に生じるリテーナところとの局所的な接触荷重がリテーナに加わると、リング部に比べて柱部が変形容易な構成となっている。即ち、本発明では、スキュー発生の際のリテーナへの局所的な力が生じても柱部の方を積極的に変形させることで当該局所的な力をそこで緩和することができる。このため、金属製のリング部材によるリテーナ全体の剛性の向上と相まって、リテーナの本来的な形状からの変形を回避することができる。即ち、リテーナの変形が回避されることで、結果的にリテーナは安定してころの姿勢を規制することが可能となる。
本発明によれば、スキューの発生を低減して軸受におけるロスの低減が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置の全体構成の一例を示す斜視図 図1の軸心を含む断面図 図2の矢視III−III線に沿う断面図 起振体軸受のリテーナを周方向から示した概略側面図 本発明の第1実施形態に係る起振体軸受の断面図(A)及び第2実施形態に係る起振体軸受の断面図(B) 本発明の第3実施形態に係る歯車装置の軸受を中心とする構成の一例を示す断面図(A)及びその軸受の拡大図(B)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
最初に、本実施形態の全体構成について、図1〜図4を用いて概略的に説明する。
撓み噛合い式歯車装置100(歯車装置)は、起振体104(軸)と、起振体104の外周に配置され、起振体104の回転により撓み変形される可撓性を有した外歯歯車120(歯車)と、外歯歯車120が内接噛合する剛性を有した減速用内歯歯車130A、出力用内歯歯車130B(内歯歯車130)と、起振体104と外歯歯車120との間に配置される起振体軸受110(軸受)と、を有する。即ち、撓み噛合い式歯車装置100は、起振体104の外周に起振体軸受110を介して支持された外歯歯車120(120A、120B)を有する。ここで、起振体軸受110は、ころ116A、116Bと、ころ116A、116Bを保持するリテーナ114A、114Bと、を有する。そして、リテーナ114A、114Bは、リテーナ本体114AA、114BAと金属リング体114AB、114BB(金属製のリング部材)とを有する。リテーナ本体114AA、114BAは、軸方向O両端に配置される2つのリング部114AAA、114BAAと、リング部114AAA、114BAAを連結する柱部114AAB、114BABと、を備える。金属リング体114AB、114BBは、リング部114AAA、114BAAの軸方向O外側に固着されている。なお、柱部114AAB、114BABは、金属による補強がなされていない構成とされている。
以下、各構成要素について詳細に説明を行う。
起振体104は、図1〜図3に示す如く、断面が非円形の略柱形状であり、長軸方向Xで外歯歯車120と内歯歯車130との噛合い状態を実現し、短軸方向Yで外歯歯車120と内歯歯車130との非噛合い状態を実現する。詳しく説明すると、起振体104は、偏心(偏心量L)した位置を中心とする一定の曲率半径r1の外形の噛合い範囲を備え、複数の曲率半径を組み合わせた形状とされている。起振体104には、中央に図示せぬ入力軸が挿入される入力軸孔106が形成されている。入力軸が挿入され回転した際に、起振体104が入力軸と一体で回転するように、入力軸孔106にはキー溝108が設けられている。
起振体軸受110(110A、110B)は、図1に示す如く、軸方向Oに2つ並べて配置されている。そして、起振体軸受110は、起振体104の外周と外歯歯車120の内側との間に配置される軸受である。起振体軸受110A、110Bはともに、同一の構成であり、内輪112はどちらにも共通とされている。このため、以下、起振体軸受110Aについて説明し、起振体軸受110Bについての説明は省略する。
起振体軸受110Aは、図1、図2、図5(A)に示す如く、内輪112と、リテーナ114A、転動体としてのころ116Aと、外輪118Aと、から構成される。
内輪112は、可撓性の素材で形成されている。内輪112は起振体側に配置され、内輪112の内周面は起振体104と当接して、内輪112は起振体104と一体で回転する。
リテーナ114Aは、図2〜図5(A)に示す如く、リテーナ本体114AAと金属リング体114ABと樹脂膜114ACとを有する。リテーナ本体114AAは、一対のリング部114AAAと柱部114AABとポケット114AACとを有する部材であり、これらはすべて樹脂により成形されている。一対のリング部114AAAは軸方向Oに突出された複数の柱部114AABによって連結されている。柱部114AABは、リテーナ114Aの周方向において等間隔に複数配置されている。即ち、柱部114AABは、ころ116Aを各柱部114AABの間(ポケット114AAC)に収容し、ころ116Aの周方向における位置及び姿勢を規制する。リング部114AAAの軸方向O外側には、金属リング体114ABが固着(貼付や一体成形による)されている。金属リング体114ABは、金属製のリング状部材であり、その径方向R厚みはリテーナ本体114AAとほぼ同一とされている。この金属リング体114ABにより、一対のリング部114AAAが補強された状態となっている。それに対して、柱部114AABは、金属により補強された形態とはなっていない。
なお、本実施形態においては、図2、図5(A)に示す如く、起振体軸受110Aが起振体軸受110Bと軸方向Oで並べて配置され、金属リング体114AB、114BB同士が当接し互いに位置規制する関係とされている。このため、金属リング体114ABの軸方向O厚みを調整することで、リテーナ114Aの軸方向Oにおける位置決めがなされている。金属リング体114ABの更に軸方向O外側面には、樹脂膜114ACが成形されている。樹脂膜114ACは、摩擦係数の低い摺動性の高い樹脂を素材としており、金属リング体114ABにコーティングにより成形してもよいし、薄膜化したリング形状の樹脂板を張り付けることで成形してもよい。なお、この樹脂膜114ACは金属リング体114ABの軸方向O外側面の低摩擦化処理として設けたものであり、樹脂膜114AC、114BCではなく、歯車装置に封入される潤滑油の潤滑を良好にして油膜が成形されやすい表面処理(ディンプル処理ど)などを代わりに設けてもよい。なお、この低摩擦化処理は必ずしも必要な構成ではない。
ころ116Aは、図2、図3、図5(A)に示す如く、円柱形状(ニードル形状を含む)である。このため、転動体が球である場合に比べて、ころ116Aが内輪112及び外輪118Aと接触する部分を増加させている。つまり、ころ116Aを用いることにより、起振体軸受110Aの伝達トルクを増大させ、かつ長寿命化させることができる。
外輪118Aは、図2、図3、図5(A)に示す如く、ころ116A及びリテーナ114Aの外周に配置される。外輪118Aも、可撓性の素材で形成されている。外輪118Aは、その外周に配置される外歯歯車120Aと共に起振体104の回転により撓み変形する。
外歯歯車120Aは、図1、図2に示す如く、減速用内歯歯車130Aと内接噛合する。外歯歯車120Aは、基部材122と、外歯124Aとから構成される。基部材122は、外歯124Aを支持する可撓性を有した筒状部材であり、起振体軸受110の外側に配置されている。外歯124Aは、理論噛合を実現するようにトロコイド曲線に基づいて歯形が決定されている。
外歯歯車120Bは、図1、図2に示す如く、出力用内歯歯車130Bと内接噛合する。そして、外歯歯車120Bは、外歯歯車120Aと同様に、基部材122と、外歯124Bとから構成される。外歯124Bは、外歯124Aと同一の数、同一の形状で構成されている。ここで、基部材122は、外歯124Aと外歯124Bとを共通に支持する。このため、起振体104の偏心量Lは、同位相で外歯124Aと外歯124Bに伝えられる。
減速用内歯歯車130A、出力用内歯歯車130Bは、図1、図2に示す如く、起振体軸受110A、110Bに対応して軸方向Oに並べて配置されている。減速用内歯歯車130Aは、剛性を有した部材で形成されている。減速用内歯歯車130Aは、外歯歯車120Aの外歯124Aの歯数よりもi(iは2以上)多い歯数の内歯128Aを備える。内歯128Aは、トロコイド曲線に基づいた外歯124Aに理論噛合するように成形されている(内歯128Bも同様)。減速用内歯歯車130Aは、外歯歯車120Aと噛合することによって、起振体104の回転を減速する。なお、減速用内歯歯車130Aは、たとえば図示せぬ固定壁にボルト孔132Aを介して固定されている。
一方、出力用内歯歯車130Bも、減速用内歯歯車130Aと同様に、剛性を有した部材で形成されている。出力用内歯歯車130Bは、外歯歯車120Bの外歯124Bの歯数と同一の歯数の内歯128Bを備える。出力用内歯歯車130Bからは、外歯歯車120Bの自転と同一の回転が外部に出力される。なお、出力用内歯歯車130Bは、たとえば図示せぬ出力装置にボルト孔132Bを介して固定されている。
次に、撓み噛合い式歯車装置100の動作について、主に図1、図2を用いて説明する。
図示しない入力軸の回転により、起振体104が回転すると、その回転状態に応じて、起振体軸受110Aを介して、外歯歯車120Aが撓み変形する。このとき、外歯歯車120Bも、起振体軸受110Bを介して、外歯歯車120Aと同位相で撓み変形する。
外歯歯車120A、120Bが起振体104で撓み変形されることにより、噛合い範囲で、外歯歯車120Aの外歯124Aが減速用内歯歯車130Aの内歯128Aに噛合する。同様に、外歯歯車120Bの外歯124Bが出力用内歯歯車130Bの内歯128Bに噛合する。
このとき、起振体軸受110A、110Bのころ116A、116Bは円柱形状であるので、耐荷重が大きく、起振体軸受110A、110Bを長寿命化及び伝達トルクを向上させることができる。同時に、円柱形状のころ116A、116Bは、外歯歯車120A、120Bの基部材122を軸方向Oに平行に撓み変形させる。このため、起振体軸受110A、110Bは、外歯124A、124Bと内歯128A、128Bの寿命を延ばすと共に、高いトルク伝達を維持させる。
ここで、外歯124A、124Bは、軸方向Oにおいて、減速用内歯歯車130Aの噛合する部分と出力用内歯歯車130Bの噛合する部分とに分割したものである。このため、外歯歯車120Aと減速用内歯歯車130Aとが噛合する際に、外歯124Bに影響されることなく、軸方向Oにおいて外歯124Aと内歯128Aとが本来噛合すべき噛合面積で噛合する。同様に、外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとが噛合する際に、外歯124Aに影響されることなく、軸方向Oにおいて外歯124Bと内歯128Bとが本来噛合すべき噛合面積で噛合する。つまり、外歯124A、124Bを分割しておくことで、伝達トルクの低下を防ぐことができる。
外歯歯車120Aと減速用内歯歯車130Aとの噛合位置は、起振体104の長軸方向Xの移動に伴い、回転移動する。ここで、起振体104が1回転すると、外歯歯車120Aは減速用内歯歯車130Aとの歯数差だけ、回転位相が遅れる。つまり、減速用内歯歯車130Aによる減速比は((外歯歯車120Aの歯数−減速用内歯歯車130Aの歯数)/外歯歯車120Aの歯数)で求めることができる。具体的な数値による減速比は((100−102)/100=−1/50)となる。ここで、「−」は入出力が逆回転の関係となることを示している。
外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとは共に歯数が同一であるので、外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとは互いに噛合する部分が移動することなく、同一の歯同士で噛合することとなる。このため、出力用内歯歯車130Bから外歯歯車120Bの自転と同一の回転が出力される。結果として、出力用内歯歯車130Bからは起振体104の回転を(−1/50)に減速した出力を取り出すことができる。
本実施形態においては、樹脂により成形されたリテーナ本体114AA、114BAのリング部114AAA、114BAAの軸方向O外側に金属リング体114AB、114BBが固着されている。このため、リテーナ本体114AA、114BAところ116A、116Bとの摩擦ロスを低減しながら、リテーナ114A、114B全体の剛性を向上させることができる。ここで、本実施形態においては、いわばリング部114AAA、114BAAには金属の補強がなされているのに対して、柱部114AAB、114BABには金属の補強がなされていない。このためスキューを規制できずにスキューが発生しようとする際に生じるリテーナ114A、114Bところ116A、116Bとの局所的な接触荷重がリテーナ114A、114Bに加わると、リング部114AAA、114BAAに比べて柱部114AAB、114BABが変形容易な構成となっている。即ち、本実施形態では、スキュー発生の際のリテーナ114A、114Bへの局所的な力が生じても柱部114AAB、114BABの方を積極的に変形させることで当該局所的な力をそこで緩和することができる。このため、金属リング体114AB、114BBによるリテーナ114A、114Bの剛性の向上と相まって、リテーナ114A、114Bの本来的な形状からの変形を回避することができる。即ち、ころ116A、116Bから局所的な力を受けてもリテーナ114A、114Bの変形が回避される。そして、当該緩和の効果により、リテーナ114A、114Bの本来的な軸方向Oの位置からの移動も同時に回避することができる。このため、結果的にリテーナ114A、114Bは安定してころ116A、116Bの姿勢を規制することが可能となる。
なお、柱部が金属で補強(あるいは柱部が金属そのもの)されていた場合には、柱部は局所的に変形できずに当該接触荷重を逃がす(緩和する)ことが困難となる。その際には起振体軸受のロックやスキューの助長につながってしまうおそれが残る。
なお、本実施形態においては、起振体軸受110A、110Bが、内輪112を除いて、軸方向Oで、減速用内歯歯車130Aと噛合する外歯124Aに対する部分と出力用内歯歯車130Bと噛合する外歯124Bに対する部分とに分離されている。このため、噛合に際して、外歯124Aと外歯124Bとに異なる力(方向と大きさ)が加わっても、減速用内歯歯車130Aと外歯124Aとの噛合を原因とするころ116Bのスキュー、及び出力用内歯歯車130Bと外歯124Bとの噛合を原因とするころ116Aのスキュー、のそれぞれが生じにくくなっている。
そして、本実施形態においては、起振体軸受110A、110Bが軸方向Oに並べて配置され、金属リング体114AB、114BB同士が当接し互いに位置規制する(本実施形態において、実際に当接するのは低摩擦化のための樹脂膜114AC、114BCである。しかし、本発明においては、低摩擦化のための膜等を含めて金属製のリング部材と捉えることで、実際には樹脂膜114AC、114BC同士が当接していても金属製のリング部材同士が当接しているという概念に含まれるものとしている)。このため、起振体軸受110A、110Bの位置を調整するための調整部材を不要とすることができる。同時に、その調整部材の軸方向O厚みを加えて金属リング体114AB、114BBの軸方向O厚みを構成するので、よりリテーナ114A、114B全体の剛性を向上させることが可能となる。即ち、この観点からも、リテーナ114A、114Bの変形を防止でき、リテーナ114A、114Bの本来の形状を保つことが可能となる。更には、リテーナ114A、114Bの変形が防止されることでスキューが低減されてリテーナ114A、114Bにかかるスラスト力が小さくなる。このため、金属リング体114AB、114BB同士が当接してもそこでの摩擦ロスを低減させることができる。
加えて、本実施形態においては、金属リング体114AB、114BBの軸方向O外側面に樹脂膜114AC、114BCが設けられている。このため、金属リング体114AB、114BB同士が当接しても、そこでの摩擦ロスを更に低減することが可能である。なお、樹脂膜114AC、114BCは、図2、図5(A)に示す如く、撓み噛合い式歯車装置100の外側に向かう金属リング体114AB、114BBの軸方向O外側面にも成形されている。このため、起振体軸受110の側方に配置される固定壁や出力装置などの部材と金属リング体114AB、114BBとが当接したとしても、摩擦ロスを低減させることが可能となる。
従って、本実施形態においては、転動体としてころ116A、116Bを用いても、スキューを原因とする起振体軸受110の起振体104からの軸方向Oへのせり出しや、ころ116A、116Bの転がり抵抗の増大(ロックを含む)や、トルクの伝達効率低下などを防止することができる。即ち、本実施形態によれば、スキューの発生を低減して起振体軸受110におけるロスの低減が可能となる。
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでも無い。
例えば、第1実施形態においては、図5(A)に示す如く、起振体軸受110A、110Bが軸方向Oに並べて配置され、金属リング体114AB、114BB同士が当接し互いに位置規制していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5(B)に示す第2実施形態の如く、起振体軸受210A、210Bの間にそれぞれの位置を調整するための調整部材219を配置してもよい。なお、調整部材219以外はすべて第1実施形態と同様の構成なので、調整部材219以外については符号の下2桁を同一として重複する説明は省略する。
この場合には、調整部材219の軸方向O厚みを金属リング体214AB、214BBとは独立して調整できるので、起振体軸受210の軸方向Oにおける位置の調整を容易に行うことができる。
上記実施形態においては、起振体軸受が内輪、リテーナ、ころ、及び外輪を有していたが、本発明はこれに限定されず、起振体軸受は必ずしも内輪、リテーナ、ころ、及び外輪を有する必要はない。例えば、内輪がなく起振体と一体とされて起振体の外周部分が内輪部材とされていてもよいし、外輪がなくころが直接的に外歯歯車を回転可能に支持して外歯歯車の内周部分が外輪部材とされていてもよい。
また、上記実施形態においては、外歯をトロコイド曲線に基づいた歯形としたが、本発明はこれに限定されない。外歯は、円弧歯形でもよいし、その他の歯形を用いてもよい。
また、上記実施形態では、出力用内歯歯車から減速された出力を取り出していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ころを有する起振体軸受と外歯歯車とがそれぞれ1つとされ、出力用内歯歯車を用いずに、当該外歯歯車の軸方向O片側の側部が解放されたいわゆるカップ型の撓み変形する外歯歯車として、当該外歯歯車の軸方向O他側からその自転成分のみを直接取り出す撓み噛合い式歯車装置に適用しても構わない。
また、上記実施形態においては、金属リング体はリテーナ本体とほぼ同一の径方向R厚みとされていただけだが、本発明はこれに限定されず、例えば図6に示す第3実施形態で示すような金属リング体の形態であってもよい。なお、リテーナ本体314AAところ316Aの構成は上記形態と同様の構成なので、リテーナ本体314AA、ころ316Aについては符号の下2桁を同一として重複する説明は省略する。
第3実施形態においては、図6(A)に示す如く、例えば歯車装置300は偏心体305Aを一体的に備える回転軸304(軸)と、偏心体305Aの外周に偏心体軸受310A(軸受)を介して支持された外歯歯車320A(歯車)を有する。回転軸304は、主軸受340により回転可能に支持されている。外歯歯車320Aは、偏心体軸受310Aを介して、偏心体305Aの形状に従い揺動回転するようにされている。
リテーナ314Aは、図6(B)に示す如く、リテーナ本体314AAと金属リング体314ABと樹脂膜314ACとを有する。リング部314AAAの軸方向O外側には、金属リング体314ABが固着されている。金属リング体314ABの一方には、リング部314AAAよりも偏心体軸受310Aの径方向R内側に延在される延在部314ABAが設けられている。そして、延在部314ABAの軸方向Oの両側面には、樹脂膜314ACが成形されている。なお、金属リング体314ABのもう一方の軸方向O外側面にも、並列するリテーナと当接する際の摩擦ロスを低減するために、樹脂膜314ACが成形されている。延在部314ABAは、図6(A)に示す如く、偏心体305Aの側面と主軸受340の側面とに挟まれるように配置される。即ち、延在部314ABAが偏心体305Aと主軸受340という2つの部材に挟まれることで、金属リング体314ABが軸方向Oに位置規制されている。
従って、第3実施形態においては、金属リング体314ABにより、軸方向Oにおける偏心体軸受310Aの位置決めをより厳密にでき、リテーナ314Aの剛性向上によるリテーナ314Aの変形防止と併せてリテーナ314Aの軸方向Oへの移動を規制することが可能となる。同時に、リテーナ314Aの変形が防止されることでスキューが低減されてリテーナ314Aにかかるスラスト力が小さくなる。このため、金属リング体314ABが主軸受340や偏心体305Aと当接してもそこでの摩擦ロスを低減させることができる。加えて、低摩擦化処理として樹脂膜314ACを延在部314ABAの両面等に形成しているので、主軸受340や偏心体305Aと当接しても摩擦ロスを低減することができる。即ち、第3実施形態においては、より一層、スキューの発生を低減して偏心体軸受310Aにおけるロスの低減が可能となる。
なお、第3実施形態においては、対象が揺動回転する外歯歯車を有する歯車装置であったが、もちろん、対象が第1、第2実施形態で示した撓み噛合い式歯車装置であってもよい。また、第3実施形態における樹脂膜314ACは低摩擦化処理の一例であり、上記実施形態で述べた如く樹脂膜314ACに限定されず、低摩擦化処理は必ずしも必要な構成ではない。
上記実施形態においては、軸方向O両側に配置されるリング部の両方の軸方向O外側に金属リング体が固着されていたが、本発明はこれに限定されず、金属リング体は少なくとも一方のリング部の軸方向O外側に固着されていればよい。そのような構成であれば、相応にリテーナの剛性を向上させることが可能となる。
また、上記実施形態においては、撓み噛合い式歯車装置や外歯歯車が揺動する偏心揺動型の歯車装置に適用していたが、本発明は、それらのみに用途が限定されるものはなく、広く軸の外周にころを有する軸受を介して支持された歯車を有する歯車装置に適用することができる。例えば、太陽歯車とその周りに配置される遊星歯車からなる単純遊星歯車装置にも適用できる。更には、より一般的な通常の平行軸歯車装置、或いは直行軸歯車装置等にも適用することができ、同様にスキューを低減し軸受におけるロスの低減という効果が得られる。
本発明は、軸の外周に軸受を介して支持された歯車を有する歯車装置であって、その軸受がころの姿勢を規制するリテーナを有する歯車装置に対して広く適用可能である。
100…撓み噛合い式歯車装置
104…起振体
110、110A、110B、210、210A、210B…起振体軸受
112、212…内輪
114A、114B、214A、214B、314A…リテーナ
114AA、114BA、214AA、214BA、314AA…リテーナ本体
114AAA、114BAA、314AAA…リテーナのリング部
114AAB、114BAB…リテーナの柱部
114AAC…リテーナのポケット
114AB、114BB、214AB、214BB、314AB…金属リング体
114AC、114BC、214AC、214BC、314AC…樹脂膜
116A、116B、216A、216B、316A…ころ
118A、118B、218A、218B…外輪
120、120A、120B、320A…外歯歯車
122…基部材
124、124A、124B…外歯
128、128A、128B…内歯
130、130A…減速用内歯歯車(内歯歯車)
130B…出力用内歯歯車
219…調整部材
300…歯車装置
304…回転軸
305A…偏心体
310A…偏心体軸受
314ABA…延在部
340…主軸受
O…軸方向
R…径方向
X…起振体の長軸方向
Y…起振体の短軸方向

Claims (5)

  1. 軸の外周に軸受を介して支持された歯車を有する歯車装置であって、
    前記軸受は、ころと、該ころを保持するリテーナと、を有し、
    該リテーナは、軸方向両側に配置されるリング部と該リング部を連結する柱部とを備える樹脂により成形されたリテーナ本体と、少なくとも一方の該リング部の軸方向外側に固着された金属製のリング部材と、を有し、
    前記柱部は金属による補強がなされていない
    ことを特徴とする歯車装置。
  2. 請求項1において、
    前記軸受が軸方向に2つ並べて配置され、前記金属製のリング部材同士が当接し互いに位置規制する
    ことを特徴とする歯車装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記軸は断面が非円形の起振体とされ、前記歯車は該起振体の回転により撓み変形される可撓性を有した外歯歯車とされ、該外歯歯車が内接噛合する剛性を有した内歯歯車を備え、
    前記軸受は、前記軸方向に2つ並べて配置され、
    前記内歯歯車は、前記軸受に対応して該軸方向に2つ並べて配置される
    ことを特徴とする歯車装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記金属製のリング部材の軸方向外側面に低摩擦化処理が施されている
    ことを特徴とする歯車装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記金属製のリング部材は、前記リング部よりも前記軸受の径方向内側に延在され、2つの部材に挟まれることで位置規制される
    ことを特徴とする歯車装置。
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