JP6031385B2 - 撓み噛合い式歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
特許文献1に、起振体と、該起振体の外周に配置され該起振体の回転により撓み変形される可撓性を有した筒形状の外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第1内歯歯車と、該第1内歯歯車に並設され前記外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第2内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置が開示されている。このような撓み噛合い式歯車装置では、起振体と外歯歯車との間に起振体軸受が配置され、その起振体軸受には潤滑剤が供給されている。
特開2011−158072号公報
特許文献1で示すような撓み噛合い式歯車装置が回転動作を行うと、起振体軸受に供給された潤滑剤は遠心力で径方向外側に移動していく。そして、結果的に起振体軸受の外輪から外部へ流出し、回転動作が止まっても潤滑剤が起振体軸受の内部に十分に戻ってこない。即ち、撓み噛合い式歯車装置の回転動作がなされることで、起振体軸受に留まる潤滑剤は減少していき、起振体軸受における潤滑剤切れが生じるおそれがあった。
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、起振体軸受における潤滑剤切れを防止可能な撓み噛合い式歯車装置を提供することを課題とする。
本発明は、起振体と、該起振体の外周に配置され該起振体の回転により撓み変形される可撓性を有した筒形状の外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第1内歯歯車と、該第1内歯歯車に並設され前記外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第2内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置において、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受は、前記第1内歯歯車に対応する第1ころ列と、該第1ころ列に対応する第1外輪と、前記第2内歯歯車に対応する第2ころ列と、該第2ころ列に対応し前記第1外輪とは別部材とされた第2外輪と、を備え、前記起振体軸受の外輪部分の内周であって該第1ころ列と該第2ころ列との間に凹部を有し、前記第1外輪の内周は、前記第1ころと接触する第1軌道領域と、軸方向端部に設けられた前記第1軌道領域よりも内径が大きい第1大径部と、を有し、前記第2外輪の内周は、前記第2ころと接触する第2軌道領域と、軸方向端部に設けられた前記第2軌道領域よりも内径が大きい第2大径部と、を有し、前記第1大径部と前記第2大径部を向い合わせて配置することにより前記凹部が構成されることにより、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明では、起振体軸受の外輪部分の内周であって第1ころ列と第2ころ列との間に凹部を有している。つまり、回転動作によって、起振体軸受に供給された潤滑剤が遠心力で径方向外側に移動し相応の量の潤滑剤が外輪部分の凹部に流入して保持されることとなる。このため、回転動作が止まると、凹部に保持された潤滑剤は、遠心力から解放され、凹部から流出して拡散し再び第1ころ列と第2ころ列を潤滑することが可能となる。
本発明によれば、起振体軸受における潤滑剤切れを防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置の全体構成の一例を示す斜視図 図1の軸心を含む断面図 図2の矢視III−III線に沿う起振体及び起振体軸受の断面図 図2の起振体軸受の拡大図 図4の起振体軸受における潤滑剤の移動を説明するための模式図(回転動作前(A)、回転動作中(B)、回転動作後(C)) 図4の起振体軸受の外輪に設けられた凹部の変形例を説明するための模式図 外輪に凹部のない状態において、起振体軸受における潤滑剤の移動を説明するための模式図(回転動作前(A)、回転動作初期(B)、回転動作初期以降(C)、回転動作後(D))
以下、図1〜図5を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
最初に、本実施形態の全体構成について、概略的に説明する。
撓み噛合い式歯車装置100は、図1、図2に示す如く、起振体104と、起振体104の外周に配置され起振体104の回転により撓み変形される可撓性を有した筒形状の外歯歯車120と、外歯歯車120と内接噛合する剛性を有した減速用内歯歯車(第1内歯歯車)130Aと、減速用内歯歯車130Aに併設され外歯歯車120と内接噛合する剛性を有した出力用内歯歯車(第2内歯歯車)130Bと、を備える。ここで、起振体104と外歯歯車120との間に配置される起振体軸受110は、減速用内歯歯車130Aに対応するころ(第1ころ列)116Aと、出力用内歯歯車130Bに対応するころ(第2ころ列)116Bと、を備える。そして、起振体軸受110の外輪(外輪部分)118A、118Bの内周であって、ころ116Aところ116Bとの間に凹部117を有している。
以下、各構成要素について詳細に説明を行う。
起振体104は、図2、図3に示す如く、断面が非円形の略柱形状であり、中央に図示せぬ入力軸が挿入される入力軸孔106が形成されている。図3に示す起振体104の短軸Y部分では、外歯歯車120と内歯歯車130(130A、130B)との間に隙間が生じ、非噛合い状態が実現される。一方で、起振体104の長軸X部分では、外歯歯車120と内歯歯車130との噛合い状態が実現される。入力軸が挿入され回転した際に、起振体104が入力軸と一体で回転するように、入力軸孔106にはキー溝108が設けられている。
起振体軸受110(110A、110B)は、図1に示す如く、軸方向Oに2つ並べて配置されている。起振体軸受110は、起振体104と外歯歯車120との間に配置される軸受である。起振体軸受110A、110Bはともに、同一の構成であり、内輪(内輪部分)112はどちらにも共通とされている。このため、以下、起振体軸受110Aについて説明し、起振体軸受110Bについての説明は基本的に省略する。
起振体軸受110Aは、図1〜図4に示す如く、内輪112と、リテーナ114A、転動体としてのころ116Aと、外輪(外輪部分)118Aと、から構成される。
内輪112は、可撓性の素材で形成されている。内輪112は起振体104側に配置され、内輪112の内周面は起振体104と当接して、内輪112は起振体104と一体で回転する。リテーナ114Aは、ころ116Aを収容し、ころ116Aの周方向における位置及び姿勢を規制する。
ころ116Aは、円柱形状(ニードル形状を含む)である。このため、転動体が球である場合に比べて、ころ116Aが内輪112及び外輪118Aと接触する部分を増加させている。つまり、ころ116Aを用いることにより、起振体軸受110Aの伝達トルクを増大させ、かつ長寿命化させることができる。なお、ころ116Aは、複数であり、リテーナ114Aにより周方向に一定間隔で配列されるので、第1ころ列116Aとも称する(第2ころ列116Bも同様)。また、ころ116A、116Bは共に、軸方向Oで単列とされているが、それぞれが2列以上で構成されていてもよい。
外輪118Aは、ころ116A及びリテーナ114Aの外周に配置される。外輪118Aも、可撓性の素材で形成されている。外輪118Aは、その外周に配置される外歯歯車120Aと共に起振体104の回転により撓み変形する。即ち、起振体軸受110Aは、外歯歯車120Aに対応してその径方向内側に配置されている(起振体軸受110Bも同様)。
なお、外輪118Aは、図4に示す如く、その内周のうちのころ116Aの接触可能な軌道領域(転動領域)118ABから軸方向Oの外側端部まで平坦とされている。言い換えれば、軌道領域118ABよりも軸方向O外側に、軌道領域118ABよりも内径の小さい部分を有さない(必ずしもこのような形状でなくてもよい。例えば、軸方向Oの外側端部に面取りが形成されていてもよい)。そして、軸方向Oの内側端部の内周側には軸方向Oに対してほぼ一定角度で傾斜する傾斜端部118AAを備えている(外輪118Bも同様の構成)。なお、通常、外輪の軸方向Oの内側端部及び外側端部にはそれぞれ面取り部が設けられているが、この傾斜端部118AAは、面取り部とは異なる形状とされている。この傾斜端部118AAは、面取り部とは相似形となる場合もあるが、実際上大きさ(切欠き量)は面取り部よりも大きくされている。このように傾斜端部118AAが面取り部とは相似形であっても大きさが異なる場合にも、傾斜端部118AAは面取り部とは「異なる形状」となる。
傾斜端部118AA、118BAは向かい合うことで、起振体軸受110の外輪118(118A、118B)の内周であってころ116Aところ116Bとの間に凹部117を有する構成となる。この凹部117は、その開口側(径方向内側)を底辺とすると、軸方向O断面が三角形状とされている。ここで、軸方向O断面とは、起振体軸受110の軸心(軸心線)Oを含む平面で切ったときの断面、つまり軸心線Oを含む断面をいう。そして、この三角形状の高さに相当する凹部117の径方向における最大深さは、外輪118Aの径方向厚さの1/4以上、より好ましくは1/2以上とされている。そして、その底辺の長さL2は、ころ116A、116Bの直径と同等以上の長さとしてもよいが、ころ116Aところ116Bとの間の距離L1よりも短くされている(L1>L2)。即ち、外輪118A(118B)の軌道領域118AB(118BB)を減少させることなく、傾斜端部118AA(118BA)が外輪118A(118B)に設けられている。言い換えれば、凹部117は、ころ116A、116Bと径方向で重ならないように形成されている。また、この凹部117は、外輪118の全周に亘りリング状に設けられている。起振体軸受110には、グリースなどの潤滑剤GRが供給される。
外歯歯車120Aは、図1、図2に示す如く、減速用内歯歯車130Aと内接噛合する。即ち、外歯歯車120Aは、減速用内歯歯車130Aと内接噛合する外歯歯車120の部分とされている。外歯歯車120Aは、基部材122と、外歯124Aとから構成される。基部材122は、外歯124Aを支持する可撓性を有した筒状部材であり、起振体軸受110の外周に配置され起振体104の回転により撓み変形する。外歯124Aは、理論噛合を実現するようにトロコイド曲線に基づいて歯形が決定されている。
外歯歯車120Bは、図1、図2に示す如く、出力用内歯歯車130Bと内接噛合する。即ち、外歯歯車120Bは、出力用内歯歯車130Bと内接噛合する外歯歯車120の部分とされている。そして、外歯歯車120Bは、外歯歯車120Aと同様に、基部材122と、外歯124Bとから構成される。外歯124Bは、外歯124Aと同一の数、同一の形状で構成されている。ここで、基部材122は、外歯124Aと外歯124Bとを共通に支持する。このため、起振体104の偏心量は、同位相で外歯124Aと外歯124Bに伝えられる。
減速用内歯歯車130A、出力用内歯歯車130Bは、図1、図2に示す如く、起振体軸受110A、110Bそれぞれに対応して軸方向Oに並べて配置されている。減速用内歯歯車130Aは、剛性を有した部材で形成されている。減速用内歯歯車130Aは、外歯歯車120Aの外歯124Aの歯数よりもi(iは2以上)多い歯数の内歯128Aを備える。内歯128Aは、トロコイド曲線に基づいた外歯124Aに理論噛合するように成形されている(内歯128Bも同様)。減速用内歯歯車130Aは、外歯歯車120Aと噛合することによって、起振体104の回転を減速する。なお、減速用内歯歯車130Aは、例えば図示せぬ固定壁にボルト孔132Aを介して固定されている。
一方、出力用内歯歯車130Bも、減速用内歯歯車130Aと同様に、剛性を有した部材で形成されている。出力用内歯歯車130Bは、外歯歯車120Bの外歯124Bの歯数と同一の歯数の内歯128Bを備える。出力用内歯歯車130Bからは、外歯歯車120Bの自転と同一の回転が外部に出力される。なお、出力用内歯歯車130Bは、例えば図示せぬ出力装置にボルト孔132Bを介して固定されている。
次に、撓み噛合い式歯車装置100の動作について、主に図1、図2を用いて説明する。
図示しない入力軸の回転により、起振体104が回転すると、その回転状態に応じて、起振体軸受110Aを介して、外歯歯車120Aが撓み変形する。このとき、外歯歯車120Bも、起振体軸受110Bを介して、外歯歯車120Aと同位相で撓み変形する。
外歯歯車120A、120Bが起振体104で撓み変形されることにより、外歯歯車120Aの外歯124Aが減速用内歯歯車130Aの内歯128Aに噛合する。同様に、外歯歯車120Bの外歯124Bが出力用内歯歯車130Bの内歯128Bに噛合する。
噛合に際して、外歯124Aには、外歯124Bと異なる荷重(方向と大きさ)が加わる。しかし、起振体軸受110A、110Bは、内輪112を除いて、軸方向Oで、減速用内歯歯車130Aと噛合する外歯124Aに対する部分と、出力用内歯歯車130Bと噛合する外歯124Bに対する部分とに分離されている。このため、減速用内歯歯車130Aと外歯124Aとの噛合を原因とするころ116Bのスキュー、及び出力用内歯歯車130Bと外歯124Bとの噛合を原因とするころ116Aのスキュー、のそれぞれが防止されている。
そして、ころ116A、116Bは円柱形状であるので、耐荷重が大きく、起振体軸受110A、110Bを長寿命化及び伝達トルクを向上させることができる。同時に、円柱形状のころ116A、116Bは、外歯歯車120A、120Bの基部材122を軸方向Oに平行に撓み変形させる。このため、起振体軸受110A、110Bは、外歯124A、124Bと内歯128A、128Bの寿命を延ばすと共に、高いトルク伝達を維持させる。
外歯歯車120Aと減速用内歯歯車130Aとの噛合位置は、起振体104の長軸X部分の移動に伴い、回転移動する。ここで、起振体104が1回転すると、外歯歯車120Aは減速用内歯歯車130Aとの歯数差だけ、回転位相が遅れる。つまり、減速用内歯歯車130Aによる減速比は((外歯歯車120Aの歯数−減速用内歯歯車130Aの歯数)/外歯歯車120Aの歯数)で求めることができる。具体的な数値による減速比は((100−102)/100=−1/50)となる。ここで、「−」は入出力が逆回転の関係となることを示している。
外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとは共に歯数が同一であるので、外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとは互いに噛合する部分が移動することなく、同一の歯同士で噛合することとなる。このため、出力用内歯歯車130Bから外歯歯車120Bの自転と同一の回転が出力される。結果として、出力用内歯歯車130Bからは起振体104の回転を(−1/50)に減速した出力を取り出すことができる。
起振体軸受の外輪に凹部がない状態の撓み噛合い式歯車装置においては、回転動作により起振体軸受10A、10Bの潤滑剤GR切れが生じるおそれがある。それを、図7を用いて説明する。
図7(A)に示す如く、回転動作前の初期状態では、ころ16A、16Bに潤滑剤GRが供給され、潤滑剤GRは起振体軸受10A、10Bに留まる。回転動作が開始されると、図7(B)に示す如く、潤滑剤GRは、遠心力により、径方向外側(外輪18A、18B側)に移動して外輪18A、18Bの内周に押しつけられ、起振体軸受10A、10Bの端部に近い潤滑剤GRから順に起振体軸受10A、10Bより押し出され外部に流出する。なお、外輪18A、18Bの内周に螺線状の加工目が形成されていることで、この潤滑剤GRの流出は一層促進される。そして、回転動作が継続され、或いはより高速に回転動作がなされると、図7(C)に示す如く、外輪18A、18Bの内周に押しつけられた潤滑剤GRは、径方向でその厚みが薄くなり、その薄くなった分の潤滑剤GRが起振体軸受10A、10Bより押し出され外部に流出する。その後、回転動作が停止されるが、図7(D)に示す如く、その際には一旦起振体軸受10A、10Bから外部に流出した潤滑剤GRは起振体軸受10A、10Bに十分に戻ることはない。このように、回転動作が行われるに従い、起振体軸受10A、10Bに保持される潤滑剤GRは少なくなり、結果的には潤滑剤GR切れを引き起こしてしまう。
なお、外輪にリング状の凹部を形成し、当該凹部にころ(第1ころ列及び第2ころ列)を配置することも考えられる。その際には、回転動作によりその凹部に潤滑剤GRが入り込み潤滑剤GRは保持されるものの、その保持された潤滑剤GRが軌道面を必要以上に覆うことで回転動作中の粘性ロスが大きくなり、トルク伝達におけるロスを生じさせるおそれがある。
これに対して、本実施形態においては、起振体軸受110の外輪118の内周であってころ116Aところ116Bとの間に凹部117を有している。このため、凹部117に潤滑剤GRを保持することができる。つまり、図5(A)に示す如く、回転動作前の初期状態では、上述した如く、ころ116A、116Bに潤滑剤GRが供給され、潤滑剤GRは起振体軸受110に留まる。そして、回転動作が開始されると、図5(B)に示す如く、潤滑剤GRは、遠心力により、径方向外側(外輪118A、118B側)に移動して外輪118A、118Bの内周に押しつけられ、起振体軸受110A、110Bの端部に近い潤滑剤GRから順に起振体軸受110A、110Bより押し出され外部に流出する。しかし、この回転動作によって、起振体軸受110に供給された潤滑剤GRが遠心力で径方向外側に移動していっても、相応の量の潤滑剤GRが外輪118の凹部117に流入して保持されることとなる。そして、この回転動作が継続され、或いはより高速に回転動作がなされても、外輪118の凹部117の最大容量まで潤滑剤GRは保持され、その保持された潤滑剤GRが長期間に亘って保持される。同時に、外輪118A、118Bの軌道領域118AB、118BBに潤滑剤GRが留まる構成ではないので、回転動作中の粘性ロスが大きくなることも防止することができる。即ち、伝達トルクのロスを増加させることもない。そして、回転動作が止まると、図5(C)に示す如く、凹部117に保持された潤滑剤GRは、遠心力から解放され、凹部117から流出して(軸方向Oに)拡散し再びころ116Aところ116Bとを潤滑することが可能となる。
また、本実施形態においては、凹部117が外輪118の全周に亘りリング状に設けられている。このため、凹部117に多くの潤滑剤GRを収容することができる。加えて、外輪118A、118Bが互いに分離されていることと相まって、凹部117の加工を容易且つ正確に行うことができる。なお、これに限らず、凹部は外輪の全周に亘りリング状に設けられていなくてよいし、外輪も分割されず、外輪118A、118Bが一体でもよい。
また、本実施形態においては、凹部117が軸方向O断面で三角形状とされている。このため、凹部117に潤滑剤GRが流入した後に、再びころ116Aところ116Bとを潤滑する際に、凹部117に保持された潤滑剤GRを余すことなく凹部117から軸方向Oに円滑に拡散させることができる。同時に、凹部117の加工の容易性も確保することができる。
また、本実施形態においては、凹部117が第1ころ列であるころ116A及び第2ころ列であるころ116Bと径方向で重ならないように形成されている。即ち、凹部117がころ116A、116Bの軌道領域118AB、118BBを減少させていないので、ころ116A、116Bによって伝達可能なトルクが低減されない。なお、これに限らず、凹部が第1ころ列及び第2ころ列と径方向で若干であれば重なってもよい。
従って、本実施形態においては、伝達トルクのロスを増加させることなく、潤滑剤GR切れを防止することが可能である。
本発明について上記実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでも無い。
例えば、上記実施形態においては、図6(A)に示す如く、起振体軸受110の外輪118における凹部117が軸方向O断面で三角形状とされているが、本発明はこれに限定されない。例えば、起振体軸受の外輪は図6(B)以降に示す変形例の形態であってもよい。
例えば、図6(B)に示す如く、凹部217が軸方向O断面で四角形状であってもよい。この場合には、凹部217は最も潤滑剤GRの量を保持することが可能となる。或いは、凹部317が軸方向O断面で台形状(図6(C))や凹部417が軸方向O断面で半円形状(図6(D)、曲率が一定な円弧でなくてもよい)であってもよい。この場合には、相応に潤滑剤GRの量を保持可能で、且つ凹部317、417に保持された潤滑剤GRを余すことなく凹部317、417から軸方向Oに円滑に拡散させることができる。更には、凹部517が軸方向O断面で1/4円弧(曲率が一定な円弧でなくてもよい)を背面合わせしたような逆円弧形状(図6(E))であってもよい。この場合にも、凹部517に保持された潤滑剤GRを凹部517から軸方向Oに円滑に拡散させることができる。
また、上記実施形態においては、起振体軸受110が内輪112及び外輪118を有していたが、本発明はこれに限定されず、起振体の外周部分が内輪部分とされていてもよい。また、外輪を有する必要もなく、例えば、ころが直接的に外歯歯車を回転可能に支持して外歯歯車の内周部分が外輪部分とされていてもよい。
また、上記実施形態においては、外歯をトロコイド曲線に基づいた歯形としたが、本発明はこれに限定されない。外歯は、円弧歯形でもよいし、その他の歯形を用いてもよい。
本発明は、起振体と筒形状の外歯歯車と第1、第2内歯歯車とを備え、起振体軸受が、第1内歯歯車に対応する第1ころ列と、第2内歯歯車に対応する第2ころ列と、を備える撓み噛合い式歯車装置に対して広く適用可能である。
10A、10B、110、110A、110B、210A、210B、310A、310B、410A、410B、510A、510B…起振体軸受
12、112…内輪
14A、14B、114A、114B…リテーナ
16A、16B、116A、116B…ころ(ころ列)
18A、18B、118、118A、118B、218A、218B、318A、318B、418A、418B、518A、518B…外輪
100…撓み噛合い式歯車装置
104…起振体
117、217、317、417、517…凹部
120、120A、120B…外歯歯車
122…基部材
124、124A、124B…外歯
128、128A、128B…内歯
130…内歯歯車
130A…減速用内歯歯車
130B…出力用内歯歯車
GR…潤滑剤
O…軸方向
X…起振体の長軸
Y…起振体の短軸

Claims (4)

  1. 起振体と、該起振体の外周に配置され該起振体の回転により撓み変形される可撓性を有した筒形状の外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第1内歯歯車と、該第1内歯歯車に並設され前記外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第2内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置において、
    前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受は、前記第1内歯歯車に対応する第1ころ列と、該第1ころ列に対応する第1外輪と、前記第2内歯歯車に対応する第2ころ列と、該第2ころ列に対応し前記第1外輪とは別部材とされた第2外輪と、を備え、
    前記起振体軸受の外輪部分の内周であって該第1ころ列と該第2ころ列との間に凹部を有し、
    前記第1外輪の内周は、前記第1ころと接触する第1軌道領域と、軸方向端部に設けられた前記第1軌道領域よりも内径が大きい第1大径部と、を有し、
    前記第2外輪の内周は、前記第2ころと接触する第2軌道領域と、軸方向端部に設けられた前記第2軌道領域よりも内径が大きい第2大径部と、を有し、
    前記第1大径部と前記第2大径部を向い合わせて配置することにより前記凹部が構成され
    ことを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1大径部は、前記第1外輪の軸方向端縁において内径が最大であり、前記第2大径部は、前記第2外輪の軸方向端縁において内径が最大である
    ことを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1大径部は、前記第1軌道領域側から軸方向端縁側に向かうに従って内径が大きくなっており、前記第2大径部は、前記第2軌道領域側から軸方向端縁側に向かうに従って内径が大きくなっている
    ことを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記凹部の径方向の最大深さは、前記第1外輪および前記第2外輪の径方向厚さの1/2以上とされている
    ことを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
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