JP2013537258A - ポリカーボネートグラフトコポリマー - Google Patents

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Abstract

ポリカーボネートグラフトコポリマーの形成方法を提供する。特に、アリル基を含有するポリカーボネートポリマー又はコポリマーがグラフトコポリマーの主鎖を構成し、ペンダント鎖がアリル基を介してコポリマーに結合される。このグラフトコポリマーは、高い透明度、良好なグラフトレベル、良好な耐引掻性、及び/又は良好な防曇性の組み合わせを示す。

Description

本開示は、種々の例示的な実施形態において、特定のポリカーボネートグラフトコポリマー及びこのようなグラフトコポリマーから形成される物品に関する。本グラフトコポリマーは、高い耐引掻性及び/又は高い防曇性などの性質を示す。また、それらの調製方法及び/又は使用方法も開示する。
ポリカーボネートは、ビスフェノール及びホスゲン、又はそれらの誘導体から得られる合成熱可塑性樹脂である。ポリカーボネートは、炭酸の線状ポリエステルであり、ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルから、あるいはエステル交換によって、形成させることができる。重合は、水溶液、界面溶液、又は非水溶液中で行うことができる。
ポリカーボネート系材料は、透明度、明澄度、耐熱性、耐着火性、靭性、安定性、耐衝撃性、耐クリープ性、及び機械的強度が高いため、さまざまな用途で使用されている。ポリカーボネートは、その光学的品質のため、自動車のヘッドランプレンズ、カバー及び他の光学装置用のレンズを含む照明用途並びに透明フィルム及びシートに使用することができる。ポリカーボネートはまた、多種多様な成形物、例えば、医療機器、ラジオ、及びTVベゼル(即ち、ガラス板又はプラスチック板、例えば、レンズ、同調ダイヤル、及び他の指示装置などを保持するための溝付きリム)、携帯電話のキーパッド、ノートパソコンのハウジング及びキー、デスプレイ用光学フィルム、自動車部品、並びに他のエレクトロニクス製品及び消費製品に使用することができる。耐引掻性は、外面が他の物体との物理的接触を受けやすい可能性がある物品に有用である。例えば、物品を引っ掻く可能性がある日常的な活動としては、面上での滑動、落下、及びポケットに入れた場合のコイン又はキーなどの他の品物とのこすり合いが挙げられる。したがって、耐引掻性を有するポリマー組成物は、耐久性のある表面仕上げ及び外観を必要とする物品において望ましい。特に、ビスフェノールA(BPA)をベースとするポリカーボネートは、耐引掻性が限られている。スクラッチ損傷を防止又は最小化する1つの方法は、BPAポリカーボネートから形成された物品にハードコートを施すことである。このハードコートは、別の製造工程を必要とするので、物品に更にコストを加える。他の不利点には、耐久性及び複雑さなどがある。
もう1つの方法は、BPAとジメチルビスフェノールシクロヘキサン(DMBPC)とのコポリマーから製造された耐引掻性材料を使用することである。しかし、これらのコポリマーもまた、BPAをベースとするポリカーボネートと比較して低下した耐衝撃性及び延性を有する。
BPAポリカーボネートはまた、表面張力が低い冷表面上では水の凝縮によって曇りやすい。曇りにより、BPAポリカーボネートの光学的特性の利点が減少する。
BPAポリカーボネート又は他の熱可塑性樹脂の表面における曇り形成を低減又は排除する1つの方法は、防曇コーティングを加えることである。もう1つの方法は、スルホン化技術を使用して、分子上に親水性官能基を導入することである。しかし、これらの方法はいずれも、簡便でなく、費用がかかる。その上、広範に使用されているポリオレフィン用の防曇剤は、熱安定性でもないし、ポリカーボネートと混和性でもなく、又は簡単に言えば、ポリカーボネートにおいて効果的でない。一部の添加剤は、特定の条件下で調整して初めて表面活性になる。他の添加剤は、ポリカーボネートと混和性であるが、ガラス転移温度を低下させる。添加剤は、熱安定性且つ表面活性であっても、添加剤とポリマーマトリックスとの化学結合の欠如により永続的ではない可能性がある。
米国特許第6,306,507号
抗引掻性(anti-scratch property)及び/又は防曇性が改善されたポリカーボネート組成物を提供できることが望ましい。特に、これらの性質を有するが追加のコーティング処理又は成形後処理を必要としないようなポリカーボネートを提供できることが望ましい。そのようなポリカーボネート組成物は、いくつかある用途の中でも、光学部品などの特定の透明な物品に有用であろう。
種々の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマー、並びにそれらの製造方法及び使用方法を開示する。本ポリカーボネートグラフトコポリマーは、良好な防曇性及び/又は抗引掻性を有する。
実施形態において、ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリマー主鎖と、ポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトされているペンダント鎖とを含むグラフトポリマーであって、ペンダント鎖がラジカル重合性不飽和モノマーに由来するグラフトポリマーが開示される。モノマーの例としては、ビニルピロリドン、アクリレート、スチレン、ジアルキルシロキサン及びペルフルオロ化ビニル化合物のうちの少なくとも1種が挙げられる。
ポリカーボネートポリマー主鎖は更に、ビスフェノールA(BPA)、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)、又は本明細書中で更に記載する他の同様なモノマーに由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
DABPAに由来する繰り返し単位は一般に、ポリカーボネートコポリマー主鎖の少なくとも5モル%を構成する。一部の実施形態において、DABPAに由来する繰り返し単位は、ポリカーボネートコポリマー主鎖の少なくとも10モル%を構成する。他の実施形態において、DABPAに由来する繰り返し単位は、ポリカーボネートコポリマー主鎖の約5〜約10モル%を構成する。
ペンダント鎖は、グラフトコポリマーの少なくとも2質量%(wt%)を構成する。より具体的な実施形態において、ペンダント鎖は、グラフトコポリマーの5〜約60質量%、例えば、約10〜約50質量%、約20〜約50質量%、及び約25〜約60質量%を構成する。
実施形態において、ペンダント鎖は、透明度を維持するために、約60,000未満の質量平均分子量(Mw)を有する。より具体的な実施形態において、ペンダント鎖は、約20,000〜約60,000、例えば、約20,000〜約40,000の質量平均分子量(Mw)を有する。
グラフトコポリマーは、厚さ25ミクロンのフィルムについて、ASTM D1003に準拠して測定して、少なくとも89%の光透過率(%T)、又はASTM D1003によって測定して、5以下のヘイズ値を有することができる。
他の実施形態において、ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリカードネートポリマー主鎖と、ポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトされているペンダント鎖とを含むグラフトコポリマーであって、ペンダント鎖がアクリレートモノマーに由来するグラフトコポリマーが開示される。
特定の実施形態において、アクリレートモノマーは、メタクリル酸メチルである。
グラフトコポリマーは、ISO 1518に準拠して測定されたスクラッチ深さが、4.100ナノメートル未満、例えば、3,700ナノメートル未満又は2,900ナノメートル未満であることができる。グラフトコポリマーはまた、約50,000を超える質量平均分子量を有するペンダント鎖を有することができる。グラフトコポリマーはまた、1以下のヘイズ値を有することができる。
具体的な実施形態において、グラフトコポリマーは、アクリレートモノマーとしてメタクリル酸メチルを使用し、ペンダント鎖は約50,000を超える、例えば、50,000〜60,000の質量平均分子量を有し、ペンダント鎖はグラフトコポリマーの少なくとも35質量%を構成する。ポリ(メタクリル酸メチル)ホモポリマーと共にこのグラフトコポリマーを含むポリマー組成物も、開示する。
更に他の実施形態において、ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリカードネートポリマー主鎖と、このポリカーボネートコポリマー主鎖にグラフトされているポリビニルピロリドンペンダント鎖とを含むグラフトコポリマーを開示する。
このグラフトコポリマーは、ASTM D7334によって測定して、約45°未満の水接触角を有することができる。
実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーの製造方法も開示する。ポリカーボネートコポリマー及び溶媒を含む初期溶液を用意し、次いで初期温度に加熱してポリカーボネートコポリマーを溶解させる。次に、第1の量の開始剤を初期溶液に添加する。次いで、第1の量のモノマーを初期溶液に添加して中間混合物を形成し、この中間混合物を第1の期間、反応させる。ポリカーボネートグラフトコポリマーが形成される。次いで、第2の量の開始剤及び第2の量のモノマーを中間混合物に添加し、この中間混合物を第2の期間、反応させてポリカーボネートグラフトコポリマーを形成させる。この「第2のショット」は、コポリマーの重合を延長する。モノマーは、ラジカル重合性不飽和モノマーであることができる。
グラフト重合の実施温度については、当業者ならば、過度の実験を行わずに、目的とする反応生成物に必要な温度を決定することができるであろう。一実施形態において、初期温度は、約40℃〜約80℃であってよい。
グラフト重合の反応時間は、例えば重合プロセスの段階によって異なる。一実施形態において、第1の期間は、約5時間〜約48時間であり得る。別の実施形態において、第2の期間は、約5時間〜約24時間であり得る。更に別の実施形態において、第1の量の開始剤の添加と第1の量のモノマーの添加との間において、約1〜約2時間の第3の期間を経過させる。
一実施形態において、第1の量のモノマーは、約1時間〜約24時間、例えば約7時間〜約8時間の添加期間にわたって、初期溶液に添加し得る。別法として、第1の量の開始剤及び第1の量のモノマーを、初期溶液に同時に添加する。
ポリカーボネートコポリマーの質量対溶媒の容量の比(グラム/mL)は、約5:1であることができる。
ラジカル開始剤(free radical initiator)などの種々の型の開始剤を利用することができる。一実施形態において、開始剤は、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル又はその誘導体である。
また、このようなポリカーボネートグラフトコポリマーから形成される成形品も開示される。
これら及び他の非限定的な特性については、以下により詳しく記載する。
以下は図面の簡単な説明である。これは、本明細書中に開示する例示的な実施形態を限定するのではなく、それらを例示する目的で提示する。
3つの異なるポリカーボネートグラフトコポリマー試料及び2つの参照試料の液体吸着クロマトグラフィーのグラフである。 種々の参照ポリマー及び本開示に従って製造されたポリカーボネートグラフトコポリマーのスクラッチ深さを示すグラフである。 本開示の例示的グラフトコポリマーのペンダントPMMA鎖の質量平均分子量と、本開示の例示的グラフトコポリマーの透明度との関係を示すグラフである。 得られるポリカーボネートグラフトコポリマーに対するモノマーの緩徐/連続的な添加の影響を示すグラフである。 ポリカーボネート主鎖にグラフトされるモノマーの量を経時的に示すグラフである。
本出願の明細書及び特許請求の範囲中の数値は、特にポリマー又はポリマー組成物に関するときには、異なる特性を有する個々のポリマーを含有し得る組成物の平均値を反映している。更にまた、特に明記しない限り、数値は、同じ数の有効数字に縮めた場合に同じとなる数値、及び表示した数値との差が、本出願中に記載した、その数値を決定するための従来の測定技術の実験誤差未満である数値を包含すると理解すべきである。
本開示は、望ましい実施形態についての以下の詳細な説明及びそれに含まれる実施例を参照することにより、より理解し易くなると考えられる。以下の明細書及び添付した特許請求の範囲において、以下の意味を有すると定義する多くの用語に言及する。
単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形への言及を含む。
明細書及び特許請求の範囲中で使用する用語「〜を含む(comprising)」は、「〜からなる(consisting of)」及び「〜から本質的になる(consisting essentially of)」を包含し得る。
本明細書中に開示する範囲は全て、列挙された端点を包含し、独立して組み合わせ可能である(例えば、「2グラム〜10グラム」の範囲は、端点2グラム及び10グラムと全ての中間値を含む)。範囲の端点及び範囲内に開示されるいかなる値も、正確な範囲又は値に限定されず、それらは、これらの範囲及び/又は値の近似値を包含するに足る曖昧さを有する。
本明細書中で使用する近似用語は、それが関連する基本機能を変化させずに変動し得るあらゆる定量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「約(about)」及び「実質的に(substantially)」などの1つ又は複数の用語によって修飾される値は、場合によっては、指定される正確な値に限定されない可能性がある。少なくとも一部の場合において、近似用語は、値を計量するための機器の精度に対応し得る。修飾語「約(about)」はまた、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を開示すると考えるべきである。例えば、「約2〜約4」という表現は、範囲「2〜4」も開示する。
本明細書及び特許請求の範囲中で使用する用語「〜を含む(comprising)」は、実施態様「〜からなる(consisting of)」及び「〜から本質的になる(consisting essentially of)」を含み得る。
化合物は、標準的な命名法を使用して記載する。例えば、任意の示されている基によって置換されていない任意の位置は、その結合価が示される結合によって占められているか、又は水素原子を有すると理解する。2つの文字又は記号の間ではないダッシュ記号(「-」)は、置換基の結合部位を示すのに用いる。例えば、アルデヒド基-CHOは、カルボニル基の炭素を介して結合する。
用語「脂肪族」は、環状でなく且つ少なくとも1の結合価を有する直鎖又は分枝状の原子の配列を指す。脂肪族基は、少なくとも1つの炭素原子を含むと定義される。原子配列は、主鎖中に窒素、イオウ、ケイ素、セレン及び酸素などのヘテロ原子を含んでいてもよいし、炭素及び水素のみから構成されていてもよい。脂肪族基は、置換されていても、非置換であってもよい。脂肪族基の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル(-CH2OH)、メルカプトメチル(-CH2SH)、メトキシ、メトキシカルボニル(CH3OCO-)、ニトロメチル(-CH2NO2)及びチオカルボニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「アルキル」は、炭素及び水素のみから構成される直鎖又は分枝状の原子配列を指す。原子配列は、単結合、二重結合又は三重結合を含み得る(典型的には、アルカン、アルケン又はアルキンと称される)。アルキル基は、置換されていてもよいし(すなわち、1つ又は複数の水素原子が置き換えられている)、非置換であってもよい。アルキル基の例としては、メチル、エチル及びイソプロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「芳香族」は、少なくとも1の結合価を有し且つ少なくとも1つの芳香族基を含む原子配列を指す。この原子配列は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素などのヘテロ原子を含んでいてもよいし、炭素及び水素のみから構成されていてもよい。芳香族基は、非芳香族成分も含み得る。例えば、ベンジル基は、フェニル環(芳香族成分)とメチレン基(非芳香族成分)とを含む芳香族基である。芳香族基の例としては、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、ビフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-クロロメチルフェニ-1-イル及び3-トリクロロメチルフェニ-1-イル(3-CCl3Ph-)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「脂環式」は、環状であるが芳香族でない原子配列を指す。脂環式基は、環中に窒素、ケイ素、イオウ、セレン及び酸素などのヘテロ原子を含んでいてもよいし、炭素及び水素のみから構成されていてもよい。脂環式基は、1つ又は複数の非環状成分を含んでいてもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C6H11CH2)は、シクロヘキシル環(環状であるが芳香族でない原子配列)とメチレン基(非環状成分)とを含む脂環式基である。脂環式の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、1,1,4,4-テトラメチルシクロブチル、ピペリジニル及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「シクロアルキル」は、環状であるが芳香族ではなく、炭素及び水素のみから構成される原子配列を指す。シクロアルキル基は、置換されていても、非置換でもよい。
用語「アリール」は、炭素及び水素のみから構成される、芳香族の原子配列を指す。アリール基は、置換されていても、非置換でもよい。アリール基の例はフェニルである。
用語「ペルフルオロアルキル」は、炭素及びフッ素のみから構成される直鎖又は分枝状の原子配列を指す。
グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖とペンダント鎖とが異なるモノマーから形成される型の分岐コポリマーである。これは、異なるモノマーが主鎖に存在するブロックコポリマーとは異なる。以下は、グラフトコポリマーとブロックコポリマーとの相違の例である。
本開示のポリカーボネートグラフトコポリマーは、ポリカーボネートポリマー主鎖と、そのポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトされているペンダント鎖とを有する。ペンダント鎖は、本明細書中で更に明記するモノマーに由来する。
ポリカーボネートポリマー主鎖は、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応に由来する。詳細には、このポリカーボネートポリマー主鎖は、ジアリルビスフェノールAに由来する繰り返し単位を含む。ジアリルビスフェノールAは、2,2'-ジアリルビスフェノールA、4,4'-イソプロピリデンビス(2-アリルフェノール)、4,4'-(1-メチルエチリデン)ビス[2-(2-プロペニル)]フェノール、2,2-ビス(3-(2-プロペニル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン及びDABPAとしても知られている。以下に示すのは、DABPA、及びDABPAに由来する繰り返し単位である。
更なる実施形態において、ポリカーボネートポリマー主鎖は、コポリマー主鎖である。
本明細書中で使用する用語「コポリマー」は、ポリマーが2種以上の異なるモノマーを含有する、又は言い換えれば、DABPA及び第2のジヒドロキシ化合物に由来する繰り返し単位を有することを意味する。用語「ジポリマー」は、本明細書中において、2種の異なるモノマーのみを含有するポリマーを指す。第2のジヒドロキシ化合物は、式(I)
[式中、R1〜R8はそれぞれ独立に、水素、ニトロ、シアノ、C1〜C20アルキル、C1〜C20脂肪族、C4〜C20シクロアルキル及びC6〜C20アリールから選択され;Aは、結合、-O-、-S-、-SO2-、C1〜C12アルキル、C6〜C20芳香族、C1〜C20脂肪族及びC6〜C20脂環式から選択される]
の構造を有し得る。また、第2のジヒドロキシ化合物は、式(II):
[式中、各Rhはそれぞれ独立に、C1〜10アルキル基であり、nは0〜4である]
の構造を有し得る。
具体的な実施形態において、ポリカーボネートポリマー主鎖中に使用する第2のジヒドロキシ化合物は、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA又はBPA)である。式(I)の化合物の他の例としては、以下のものが挙げられる:2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(ジメチルBPA又はDMBPA);2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)プロパン;2,2-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン; 2,2-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン; 1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC);4,4'-ジヒドロキシ-1,1-ビフェニル;4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチル-1,1-ビフェニル;4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジオクチル-1,1-ビフェニル; 4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル; 4,4'-ジヒドロキシジフェニルチオエーテル;及び1,3-ビス(2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル)ベンゼン。他の具体的な実施形態において、第2のジヒドロキシ化合物は、DMBPA又はDMBPCである。BPA、DMBPA及びDMBPCからなる群から選択される任意の2種のモノマーと組み合わせたDABPAのターポリマー(即ち、3種のモノマーを含有する)も企図する。また具体的には、DABPAとBPAとDMBPA又はDMBPCのいずれか一方とのターポリマーも企図する。
実施形態において、DABPAに由来する繰り返し単位は、ポリカーボネートポリマー主鎖の少なくとも5モルパーセント(モル%)を構成する。他の実施形態において、DABPAに由来する繰り返し単位は、ポリカーボネートポリマー主鎖の少なくとも5モルパーセント(モル%)を構成する。更に他の実施形態において、DABPAに由来する繰り返し単位は、ポリカーボネートポリマー主鎖の5〜約25モル%、例えば、5〜約10モル%を構成する。特定の実施形態において、ポリカーボネートコポリマー主鎖は、DABPA及びBPAの繰り返し単位に由来する。
本開示のポリカーボネートポリマー主鎖は、界面重合及び溶融重合などの方法によって製造することができる。界面重合のための反応条件はさまざまなであってよいが、例示的な方法は一般に、二価フェノール反応体を水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液中に溶解又は分散させる工程と、得られた混合物を好適な不水混和性溶媒媒体中に添加する工程と、トリエチルアミン又は相間移動触媒などの好適な触媒の存在下において、制御されたpH状条件下で、例えば、pH約8〜約10で反応体をカーボネート前駆体と接触させる工程とを含む。例示的な方法は、米国特許第6,306,507号に示されている。最も一般的に用いられる水不混和性溶媒としては、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどが挙げられる。好適なカーボネート前駆体としては、ハロゲン化カルボニル(例えば、臭化カルボニル若しくは塩化カルボニル)、又はハロホルメート、例えば、二価フェノールのビスハロホルメート(例えば、ビスフェノールA、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート)若しくはグリコールのビスハロホルメート(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールなどのビスハロホルメート)が挙げられる。前記型のカーボネート前駆体の少なくとも1種を含む組み合わせも使用できる。
ジカルボン酸自体を利用するのではなく、酸の反応性誘導体、例えば、対応する酸ハロゲン化物、特に酸二塩化物及び酸二臭化物を使用することが可能であり、場合によっては更に望ましい。したがって、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸又はそれらの混合物を使用する代わりに、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル及びそれらの混合物を使用することが可能である。
使用できる相間移動触媒には、式(R3)4Q+X[式中、各R3は同一であるかまたは異なり、C1〜10アルキル基であり;Qは、窒素又はリン原子であり;Xは、ハロゲン原子又はC1〜8アルコキシル基若しくはC6〜18アリールオキシ基である]の触媒がある。好適な相間移動触媒としては、例えば、[CH3(CH2)3]4NX、[CH3(CH2)3]4PX、[CH3(CH2)5]4NX、[CH3(CH2)6]4NX、[CH3(CH2)4]4NX、CH3[CH3(CH2)3]3NX及びCH3[CH3(CH2)2]3NX[式中、Xは、Cl-、Br-、C1〜8アルコキシル基又はC6〜18アリールオキシル基である]が挙げられる。相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物中のビスフェノールの質量に基づき、約0.1〜約10質量%であることができる。別の実施形態において、相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物中のビスフェノールの質量に基づき、約0.5〜約2質量%であることができる。
別法として、溶融法を使用して、ポリカーボネートを生成させることもできる。一般に、溶融重合法においては、ポリカーボネートの調製は、Banbury(登録商標)ミキサー、二軸スクリュー押出機などの中で、エステル交換反応触媒の存在下において、ジヒドロキシ反応体と炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリールエステルとを溶融状態で共反応させて、均一な分散体を形成させることによって行うことができる。揮発性の一価フェノールを溶融反応体から蒸留によって除去し、ポリマーを溶融残渣として単離する。
ペンダント鎖を、ポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトさせる。それらのペンダント鎖は、DABPA繰り返し単位にアリル基を介して共有結合される。ペンダント鎖は、少なくとも1種のラジカル重合性不飽和モノマーに由来する。「ラジカル重合性」とは、モノマーがラジカル重合によって重合され得ることを意味する。「不飽和」とは、モノマーが、モノマーの重合に使用できる少なくとも1つの二重結合を含有することを意味し、この二重結合は典型的には炭素-炭素二重結合である。モノマーの例としては、ビニルピロリドン、アクリレート、スチレン化合物、式R2SiOのジアルキルシロキサン、ペルフルオロ化ビニル化合物、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、アクリルアミド、N-ビニルカルバゾール及びビニルエステルが挙げられる。ペンダント鎖が2種以上のモノマーに由来し得るか又は2種以上のモノマーから形成され得ることも企図される。具体的な実施形態において、ペンダント鎖は、ビニルピロリドン、アクリレート、スチレン化合物、ジアルキルシロキサン及びペルフルオロ化ビニル化合物のうちの少なくとも1種を含有しているモノマーに由来する。ビニルピロリドンを、以下に示す。
アクリレートは、下記式(III)
[式中、R'及びR"は独立して、水素、C1〜C20アルキル又はアリールである]
で示される。特定の実施形態において、アクリレートはメタクリル酸メチルである(即ち、R'及びR"が共にメチルである)。スチレン化合物は、下記式(IV):
[式中、Rg、Rh、Rj及びRkは独立して、水素、ハロゲン及びC1〜C20アルキルであり;nは0〜5の整数である]
で示される。特定の実施形態において、スチレン化合物は、スチレン(Rg、Rh、Rj及びRkが全て水素である)又はα-メチルスチレン(Rgがメチルである)である。芳香環に対する置換は可能である。芳香環上に置換を有するスチレン化合物の例としては、p-メチルスチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン及びトリフルオロスチレンが挙げられる。
ジアルキルシロキサンは、下記式(V)
[式中、Ra及びRbは独立に、C1〜C20アルキルである]
で示される。特定の実施形態において、ジアルキルシロキサンはジメチルシロキサンである(即ち、Ra及びRbが共にメチルである)。ペルフルオロ化ビニル化合物は、下記式(VI):
[式中、Rc、Rd、Re及びRfは独立に、水素、フッ素又はC1〜C20ペルフルオロアルキルであるが、但し、Rc、Rd、Re及びRfの少なくとも1つは、C1〜C20ペルフルオロアルキルである]
で示される。一実施形態において、ペンダント鎖は、メタクリル酸メチル又はビニルピロリドンに由来する。換言すれば、ペンダント鎖は、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)又はポリビニルピロリドン(PVP)である。
別の実施形態において、ペンダント鎖は、グラフトコポリマー全体の少なくとも2質量%(質量%)を構成する。他の実施形態において、ペンダント鎖は、グラフトコポリマーの少なくとも35質量%、例えば、グラフトコポリマーの2〜約60質量%、約10〜約40質量%、約20〜約40質量%及び約20〜約60質量%を構成する。ペンダント鎖の質量百分率は、グラフトコポリマー生成物の洗浄後に測定するのであって、重合反応における反応体の量に基づいて決定するのではない。
ペンダント鎖の質量平均分子量(Mw)は、ペンダント鎖中の繰り返し単位の数に対して妥当なプロキシ(proxy)である。Mwは、既知の手段を用いて、例えば、加水分解してポリマー主鎖からペンダント鎖を分離後にサイズ排除クロマトグラフィー及び/又は動的光散乱を用いて決定できる。特定の実施形態において、ペンダント鎖は、約60,000未満の質量平均分子量を有し、特に約20,000〜約60,000又は約20,000〜約40,000の質量平均分子量を有することができる。
特定の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーは、ビスフェノールAとジアリルビスフェノールAとのコポリマーである主鎖を含有し、アクリレート、特にメタクリル酸メチルに由来するペンダント鎖を含有する。ペンダント鎖は、これらのグラフトコポリマーの約2〜約40質量%、例えば、約20〜約40質量%を構成し得る。ペンダント鎖はまた、約40,000未満、特に約20,000〜約60,000の質量平均分子量を有し得る。これらは、厚さ25ミクロン(0.25mm)のフィルムについて、ASTM D1003によって測定して、少なくとも89%の光透過率(%T)、及び/又はASTM D1003によって測定して、5以下のヘイズ値を有することができる。
別の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーは、ビスフェノールAとジアリルビスフェノールAとのジポリマーである主鎖を含有し、メタクリル酸メチルに由来するペンダント鎖を含有する。ペンダント鎖は、このようなグラフトコポリマーの少なくとも35質量%を構成し、また、約50,000を超える、例えば、50,000〜60,000の質量平均分子量を有し得る。これらは、厚さ25ミクロン(0.25mm)のフィルムについてASTM D1003によって測定して、少なくとも89%の光透過率(%T)、及び/又はASTM D1003によって測定して、1以下のヘイズ値を有することができる。
アクリレートペンダント鎖を有するこれらのポリカーボネートグラフトコポリマーは、良好な透明度に加えて、耐引掻性のかなりの改善を示す。実施形態において、グラフトコポリマーは、ISO 1518に準拠して測定されたスクラッチ深さが4,100ナノメートル未満、例えば、3,700ナノメートル未満及び2,900ナノメートル未満である。簡潔に言えば、Erichsonスクラッチテスターで、半径0.01mmの円錐針に6ニュートンの力を加えて試料の表面に押し込みを形成し、押し込みの深さをDektak(登録商標)プロフィロメーター(profilometer)で測定する。
他の特定の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーは、ビスフェノールAとジアリルビスフェノールAとのジポリマーである主鎖を含有し、ビニルピロリドンに由来するペンダント鎖を含有する。ペンダント鎖は、これらのグラフトコポリマーの約2〜約60質量%、例えば、約20〜約60質量%を構成し得る。
ビニルピロリドンペンダント鎖を有するこれらのポリカーボネートグラフトコポリマーは、良好な透明度と一緒に、改善された防曇性を有する。実施形態において、このグラフトコポリマーは、ASTM D7334によって測定して、約45°未満の水接触角を示す。この角度は、グラフトコポリマーの平面上で前進接触角(advancing contact angle)を測定することによって決定する。
ポリカーボネートグラフトコポリマーの製造方法も、本開示において企図される。最初に、ポリカーボネートポリマー又はコポリマーを用意する。前述のように、ポリカーボネートポリマーは、DABPAに由来する繰り返し単位を含む。ポリカーボネートポリマーを溶媒と合わせて、初期溶液を形成する。次いで、初期溶液を加熱して、ポリカーボネートポリマーを溶解させる。一般に、初期溶液は、溶媒の沸点までの初期温度に加熱できる。しかし、実施形態において、初期温度は、約23℃〜約80℃、例えば、約40℃〜約80℃である。加熱は典型的には、約5〜約30分にわたって実施するが、時間は所望に応じて延長してもよい。ポリカーボネートポリマーの質量対溶媒の容量の比は、得られるグラフトコポリマーの一部の性質を変化させる可能性がある。具体的な実施形態において、この比(グラム/mL)は、約5:1である。
次いで、開始剤を初期溶液に添加する。グラフトコポリマーは一般に、ラジカル重合によって形成される。一般に、任意の好適なラジカル開始剤、例えば、アゾ化合物又は過酸化物を使用できる。開始剤のより具体的な例としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル及びジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートが挙げられる。特定の実施形態において、使用する開始剤は、AIBNである。開始剤は、既知の手段によって決定し得る量で添加することができる。
次に、モノマーを初期溶液に添加して、中間混合物を形成させる。このモノマーは、DABPA中のアリル基と反応して、ポリカーボネート主鎖にグラフトされたペンダント鎖を形成される。前述のように、モノマーの例には、ビニルピロリドン及びメタクリル酸メチルが含まれる。一部の実施形態において、開始剤の添加とモノマーの添加の間において、約1時間〜約2時間の期間を経過させる。他の実施形態において、開始剤とモノマーは、同時に、即ち、互いに同じ時間に又はほぼ同じ時間に添加する。更に他の実施形態において、開始剤の添加とモノマーの添加の間において、約5時間〜約24時間の期間を経過させる。
次いで、中間混合物を反応させ、ペンダント鎖の形成を開始させる。この反応は、約23℃〜溶媒の沸点の温度において、所望のグラフトレベルに応じて、約10分〜約100時間の期間にわたって起こり得る。特定の実施形態において、反応は約5時間〜約48時間、例えば、約6時間〜約24時間及び約7時間〜約8時間の期間にわたって起こる。他の実施形態において、反応の温度は、約40℃〜約80℃である。
一部の特定の実施形態において、モノマーは、一度に添加するのではなく、一定期間にわたって添加することが企図される。モノマーは、約1時間〜約24時間、例えば約7時間〜約8時間の添加期間にわたって添加し得る。
一部の特に望ましい実施形態においては、次に、第2の量の開始剤及び第2の量のモノマーを中間混合物に添加し、次いでこの中間混合物を第2の時間にわたって反応させる。この第2の反応もまた、約23℃〜溶媒の沸点の温度において、約10分〜約100時間の期間にわたって起こり得る。特定の実施形態において、第2の反応は、約5時間〜約24時間、例えば、約7時間〜約8時間の期間にわたって起こる。他の実施形態において、反応の温度は、約40℃〜約80℃である。他の実施形態において、中間混合物は、約6時間〜約48時間の総反応時間を経る。この二段階反応プロフィールは、得られるグラフトコポリマーのグラフトレベルを、グラフトされるペンダント鎖の数及びペンダント鎖の質量平均分子量の両面で増加させることが判明した。
グラフトコポリマーの分子量、重合速度又は末端基の性質を制御するために、混合物に連鎖移動剤を添加することができる。典型的な連鎖移動剤としては、チオール、二硫化物、一硫化物、ハロカーボン、不飽和化合物及びコバルト錯体が挙げられる。本明細書中で更に論じる通り、Mwは、得られるポリカーボネートグラフトコポリマーの全ヘイズと相関がある。
反応の完了後、反応物を室温に冷却し、得られたポリカーボネートグラフトコポリマーを溶液から沈殿させることができる。メタノール又はエタノールなどの任意の好適な沈殿液を過剰量で使用できる。例えば、沈殿液の容量は、ポリカーボネートグラフトコポリマーを含有する混合物/溶液の容量の約3倍であることができる。一部の実施形態において、沈殿したポリカーボネートグラフトコポリマーは、濾過し、乾燥させることができる。
沈殿生成物を洗浄して、グラフトのために添加したモノマーから形成されたホモポリマー及び未反応のモノマーを除去するのが望ましいと考えられる。これは、所望のグラフトコポリマーが不溶であるが不所望の不純物は可溶である(又はその逆である)液体中で沈殿生成物を洗浄することによって又はそのような液体中に沈殿生成物を浸漬することによって行うことができる。例えば、PMMAはアセトンに可溶であるが、ポリカーボネートグラフトコポリマーはアセトンに可溶でない。別の例として、PVPは水に可溶であるが、ポリカーボネートグラフトコポリマーは水に可溶でない。次に、残留している精製グラフトコポリマーを乾燥させる。
これらのプロセスは、連続プロセス、半回分プロセス又は回分プロセスとして実施できる。
本ポリカーボネートグラフトコポリマーを他のポリマーとブレンドして、あるいは他のポリマーと組み合わせて、有用な性質を有するポリマー組成物を形成させることができる。ポリカーボネートグラフトコポリマーは、所望の規格を満たすように、他の添加剤と組み合わせることもできる。更なる実施形態において、添加剤は、ポリカーボネートグラフトコポリマーの所望の性質に悪影響を与えないように選択する。添加剤の混合物を使用してもよい。このような添加剤は、成分混合中の好適な時点で混合することができる。このような添加剤の例としては、充填剤、酸化防止剤、紫外線光吸収剤、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤及び滴下防止剤(anti-drip agent)が挙げられる。
例えば、一部の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーを、第2のポリカーボネートポリマー、例えば、BPAホモポリマーとブレンドする。別法として、一部の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーは、全く洗浄しない。後述するように、本明細書中で企図される一部のポリマー組成物は、PMMAホモポリマーが除去されていない、PMMA鎖を有するポリマーボネートグラフトコポリマーを含む。更に、ポリカーボネートグラフトコポリマーは、相溶化剤としても十分に機能する。他の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーは、ポリカーボネートホモポリマー、他のポリカーボネートコポリマー、ポリカーボネートグラフトコポリマーのペンダント鎖中に存在するモノマーに対応するホモポリマー、及び/又はポリカーボネートグラフトコポリマーのペンダント鎖中に存在するモノマーを含むコポリマーとブレンドすることができる。
本開示のポリカーボネートグラフトコポリマーは物品の成形への使用に好適である。成形品は、圧縮成形品、射出成形品、ブロー成形品、射出ブロー成形品又は押出品であることができる。成形品は、固体シート、押出多層シート、流延フィルム又は押出フィルムであることもできる。成形品はまた、ポリカーボネートグラフトコポリマーの表面特性を利用するためにキャッピング層又は外層がポリカーボネートグラフトコポリマーから作られる多層物品であることができる。このような多層物品には、同時押出固体シート、同時押出多層シート、同時押出フィルム、又は別々に成形された部分の上に流延されたフィルムなどがある。別法として、多層物品は、ポリカーボネートグラフトコポリマーから作成されたフィルム上に異なる樹脂を成形することによって作成することもできる。このような適用の例としては、光学レンズ又はベゼルが挙げられる。多層物品は、消費者向けエレクトロニクス製品において有用であり得る。
以下の例を、本開示の組成物及び方法を例示するために提供する。これらの例は単に例示的なものであって、本開示に従って行った考案を、本明細書中に示す材料、条件又はプロセスパラメーターに限定することを意図しない。
以下の方法を、後述する実施例においてポリマーを試験するために使用した。
耐引掻性
耐引掻性は、Erichsen引掻試験機 413型を使用してISO 1518に準拠して、テープでより厚い支持体に取り付けた厚さ0.25mmの試料の表面に、半径0.01mmの円錐針に1ニュートンの力を加えて押し込みを形成することによって決定した。続いて、押し込みの程度を、Dektak(登録商標)プロフィロメーターを用いて測定し、押し込みの底部から試料の表面まで測定された、押し込みの高さとして報告した。
接触角の測定
接触角の測定はKruss Drop Shape Analysis System type DSA 10 Mk2上で実施した。1.5μLの脱イオン水1滴を試料上に載せた。その液滴を、CCDカメラによって0.2秒毎に10秒間にわたって監視し、Drop Shape Analysisソフトウェア(DSAバージョン1.7、Kruss)によって分析した。液滴の完全なプロフィールを、正接法(tangent method)によって円錐曲線の一般式に当てはめた。角度は、右側と左側の両方で決定した。各液滴について平均値を計算し、試料当たり5個の液滴の合計を評価した。5個の液滴の角度の平均を、接触角とみなした。この方法は、ASTM D7334に記載されている。
防曇時間(fog free time)
IKATRON-ETS温度計を装着したIKAMAG-REB油浴ヒーターを、60℃まで加熱した。200mLのmilliQ水を満たした懸濁された250mLビーカーを、60℃±1℃の一定温度に保たれた油浴中に入れた。水温は、Kane-May KM330温度計で測定した。試験する試料を、ビーカー上部に置いた。試料プラーク上に水が凝縮されるまでの時間を、防曇時間として測定した。凝縮の決定は目視により行った。
液体吸着クロマトグラフィー
一部のポリマーを、液体吸着クロマトグラフィーによって分析した。液体吸着クロマトグラフィーは、相互作用クロマトグラフィー技術であり、ポリマー組成物に関する詳細な情報を提供し得る。液体吸着クロマトグラフィーにおける分離は、ポリマーと固定相との相互作用及び溶離液混合物へのグラフトポリマーの溶解性の両方に基づく。特定の分子量範囲内で、それらの化学的性質のみに基づいて、グラフトコポリマーとホモポリマーとの分離が可能である。ビスフェノールAホモポリマー及びポリ(メタクリル酸メチル)ホモポリマーからのグラフトポリマーの分離には、溶媒/非溶媒系としてテトラヒドロフラン(THF)/メタノールを選択する。
ゲル浸透クロマトグラフィー
コポリマー試料の分子量を、試料を1mg/mLの濃度でジクロロメタン中に溶解させることによって得た。次いで、試料を、Polymer Labs MiniMIX Cカラム、ジクロロメタンの移動相及び0.3mL/分の流速を用いて、GPCによって分析した。検出波長は254nmとした。Mwの結果は、ポリスチレン標準と対照して報告した。
加水分解ゲル浸透クロマトグラフィー
コポリマー試料上のペンダント基の分子量を、試料0.3グラムをTHF 5mLに溶解させることによって得た。メタノール中10%KOH 3mLを添加し、試料を少なくとも2時間振盪した。酢酸(2mL)を添加して、試料を中和した。試料を、0.45μmで濾過してから、Polymer Labs MiniMIX Cカラム、ジクロロメタンの移動相及び0.3mL/分の流速を用いてGPCによって分析した。検出波長は、254nmのUV及びRIとした。Mwの結果は、ポリスチレン標準と対照して記録した。
本明細書中で論じた実施例は、組成物中に以下の成分を使用した:
(実施例1〜3)
実施例1〜3は、開始剤の選択がグラフト効率に影響を及ぼすか否かを検討するために行った。グラフト効率は、得られるポリマーの光学的特性又は表面特性に影響を及ぼす可能性がある。実施例1では、ラジカル開始剤としてAIBNを用いて、MMAをDABPA-PCにグラフトさせた。撹拌子、滴下漏斗及び凝縮器を装着した250mL丸底フラスコ中に、DABPA-PC 10グラム、続いてTHF溶媒200mLを添加した。DABPA-PCコポリマーが溶解して透明な溶液が得られるまで、撹拌しながら温度を65℃の一定に保った。次に、AIBN開始剤300mgをTHF 10mLに溶解させた。次いで、溶解されたコポリマーを含有するフラスコに、開始剤/THF溶液を添加した。このポリマー溶液を同じ温度で2時間攪拌してから、MMAモノマーを導入した。MMAモノマー5mLをTHF 20mLに溶解させてから、これをフラスコに3〜4時間にわたって滴加した。モノマーの添加後、反応系を、終夜撹拌しながら65℃に保った。次いで、溶液を室温まで冷却し、過剰量のメタノール又はエタノール中での沈殿によりポリマーを取り出した。このポリマーを、濾過によって分離し、真空オーブン中で80℃において6時間乾燥させた。
実施例2は、開始剤としてAIBNの代わりにBPOを用いた以外は、実施例1と同様な手順を用いて行った。
実施例3は、開始剤としてAIBNの代わりにPerkadox 16を用いた以外は、実施例1と同様な手順を用いて行った。
3種のグラフトコポリマー(実施例1〜3)を、PMMAおよびDABPA-PCのブレンドと比較した。PMMAおよびDABPA-PCを、ジクロロメタン中で1:2の質量比でブレンドした。換言すれば、このブレンドは、PMMA 33.3質量%とDABPA-PC 66.7質量%を含んでいた。
3つの実施例、DABPA-PC、及びPMMAホモポリマーを、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び液体吸着クロマトグラフィーによって特性決定した。
図1は、これらの5つの試料に関する液体吸着クロマトグラフィーの図を示す。この液体吸着クロマトグラフィーの図は、100%メタノールから100%THFまでの勾配を20分間にわたって適用することによって作成した。y軸はmAUであり、吸光度を相対的なスケールで測定している。x軸は時間である。純粋なPMMAは、保持時間9.0分に溶出し、純粋なDABPA-PCは17.5時間に溶出した。実施例1、2、及び3の液体吸着クロマトグラフィーのプロフィールは、保持時間約14.5分を中心とするピークを示した。これは、2種のホモポリマーのプロフィールとは明らかに分離されている。
3つの実施例、DABPA-PC、及びPMMA/DABPA-PCブレンドについて、引掻試験及び透明度試験のためのフィルムを、ペトリ皿中で溶液流延法(solvent casting)によって調製した。溶媒を換気フード中で蒸発させ、フィルムをペトリ皿から取り出した。Table 1(表2)については、引掻試験の間に6ニュートンの力を加えた。BPA-PCホモポリマーに関する引掻の結果も記載する。結果をTable 1(表2)に要約する。Mw、Mn、及びPDIの結果は、コポリマーに関するものである(ペンダント基に関するものではない)。
Table 1(表2)の結果は、種々の開始剤の使用が、得られるコポリマーの透明度及びヘイズに影響を及ぼすことを示唆している。AIBN開始剤を用いて製造したグラフトコポリマーは、最も高い透明度と最も低いヘイズを示した。実施例1〜3は、Erichsonスクラッチ深さがPMMA/DABPA-PCブレンドより大きかったが、DABPA-PCコポリマーよりは小さかった。
実施例1のグラフトコポリマーは、透明度及びヘイズがDABPA-PCと同等であったが、PMMA/DABPA-PCブレンドはヘイズがはるかに悪かった。換言すれば、グラフトコポリマーは、高い透明度及び/又は低いヘイズを必要とする用途に使用できるが、同じ2つのポリマーのブレンドはそのような用途に使用できないであろう。
(実施例4及び5)
実施例4及び5は、ポリカーボネート-グラフト-PVPコポリマーの防曇性と、PVPの量が特性に影響を及ぼすか否かを検討するために行った。実施例4では、VPをDABPA-PCにグラフトさせた。得られたポリカーボネートコポリマーを、対照DABPA-PCポリマーと比較した。500mL丸底フラスコ中で65℃において、DABPA-PC 20グラムをTHF 400mLに溶解させた。ポリマーは、THF中に透明な溶液として溶解させた。この溶液に、THF 20mL中に溶解したAIBM 200mg及びVPモノマー5mLを3〜4時間以内で滴下により添加した。反応系を、終夜撹拌しながら65℃に保った。次いで、この反応溶液を室温に冷却し、ポリマーを、メタノール中での沈殿により回収した。ポリマーを、濾過によって分離し、真空オーブン中で95℃にて6時間乾燥させた。
実施例5は、フラスコに添加するVPモノマーをわずか5mLではなく10mLとする以外は、実施例4と同じ手順を用いて行った。
接触角及び防曇時間を含む防曇試験(anti-fog test)のための試験片の調製は、実施例4及び5のポリマー並びにDABPA-PC 2.0グラムをジクロロメタン20mL中に溶解させ、ペトリ皿中にこの溶液を流延することによって行った。溶媒を換気フードで蒸発させると、フィルムが得られた。結果をTable 2(表3)に要約する。
実施例4及び5のグラフトコポリマーは、対照DABPA-PCホモポリマーより有意に小さい接触角及びより有意に長い防曇時間を示した。これは、グラフトコポリマーが良好な防曇性を有しており、特定の用途に有用であることを示している。実施例4のモノマーを2倍添加することによって製造した実施例5は、6倍を超える防曇時間の増加を示した。換言すると、グラフトコポリマー中のより高いVP濃度が、防曇性能を有意に改善した。実施例の透明度は目視により、出発原料と同程度に良好であることが観察された。
(実施例6〜13)
実施例6〜12では、一部のプロセスパラメーターを変更して、得られるグラフトコポリマーに対するそれらの影響を検討した。実施例6では、出発ポリカーボネートコポリマーは、DABPA 10モル%及びBPA 90モル%を含んでいた。出発ポリカーボネートコポリマー10グラムをTHF 50mLに溶解させた。反応温度は65℃とした。コポリマーを溶解後、Perkadox 16開始剤300mgを添加した。開始剤は、使用前に冷メタノールから再結晶させた。60分後に、MMAモノマー10.7mLを添加し、反応を22時間進行させた。22時間後、さらなるMMA 10mL及びPerkadox 16 300mgを添加し、反応を更に22時間進行させた。この反応生成物をメタノールで沈殿させた。その際、沈殿液の容量は、生成物溶液の容量の3倍とした。沈殿の1時間後に、最終生成物を濾過した。得られた固体を、アセトン中に浸漬し且つ終夜攪拌することによって洗浄して、PMMAホモポリマーを除去した。精製後に残っているPMMAはPC主鎖に連結されており、これを前述の液体吸着クロマトグラフィー法によって確認した。
実施例7は、得られた固体グラフトコポリマーについて、アセトン洗浄によるPMMAホモポリマーの除去を行わない以外は、実施例6と同じ手順を用いて行った。
実施例8は、出発ポリカーボネートコポリマーがDABPA 5モル%及びBPA 95モル%を含む以外は、実施例6と同じ手順を用いて行った。
実施例9は、MMAモノマー20.7グラム全てを、2回に分けて添加するのではなく、HPLCポンプを用いて7時間にわたって極めて緩やかに添加する以外は実施例8と同じ手順を用いて行った。更に、総反応時間は、実施例6及び8で44時間としたのに対して、実施例9では23時間とした。
実施例10は、2つの量のモノマー及び開始剤を前もって開始時に1段階で同時に添加する、即ち、MMA 20.7mLとPerkadox 16 600mgとをそれらの間に待機時間を設けずに添加する以外は、実施例8と同じ手順を用いて行った。第2の量の開始剤又はモノマーは添加しなかった。総反応時間は、実施例6及び8で44時間としたのに対して、実施例10では22時間とした。しかし、ここで収集したデータは、52時間までの反応時間の間に得られた値において安定性を示したことに留意すべきである。
実施例11は、出発ポリカーボネートポリマーを、THFわずか50mLではなくTHF 250mL中に溶解させた以外は、実施例8と同じ手順を用いて行った。
実施例12は、出発ポリカーボネートコポリマーを、オイゲノールエンドキャップを有するBPAホモポリマーとした以外は、実施例6と同じ手順を用いて行った。これにより、グラフトコポリマーではなく、BPA-ブロック-PMMAコポリマーが形成された。
実施例13は、アリル基が存在しない場合にグラフトコポリマーが形成され得るか否かを検討するために、アリル基を有さないポリカーボネートポリマーについて行った。実施例13は、出発ポリカーボネートコポリマーが、式(VI):
の繰り返し構造を有するジメチルビスフェノールシクロヘキサン(DMBPC)ホモポリマーであったこと以外は、実施例6と同じ手順を用いて行った。
更に、6個の参照試料を、特性の比較のために測定した。参照1は、PMMA 18質量%とBPA-PC 82質量%とのブレンドであった。参照2は、PMMA 50質量%とDMBPCホモポリマー50質量%とのブレンドであった。参照3は、BPAホモポリマー(Lexan(登録商標) LX172樹脂)であった。参照4は、PMMAホモポリマーとした。
実施例6〜13の結果の要約を、Table 3(表4)及びTable 4(表5)に示す。Table 3(表4)は、各試料中に組み込んだPMMAの量、光透過率(%T)、ヘイズ、及びスクラッチ深さを示す。Table 3(表4)については、引掻試験の間に1ニュートンの力を加えた。Table 4(表5)は、グラフトコポリマー全体の、及びポリカーボネート主鎖にグラフトされたPMMA鎖の、Mw、Mn、及び多分散指数(PDI)についての更なる情報を提供する。参考までに、%T値は高いほど望ましく、ヘイズ値は低いほど望ましい。%T、ヘイズ、及びスクラッチ深さは、厚さ0.25mmの流延フィルムについて測定した。
実施例6では、グラフトレベルは非常に高かった(37%)が、依然として透明度が非常に高く且つヘイズ値が非常に低かったので、非常に良好な結果を達成した。試料を洗浄しなかった場合(実施例7)には、PMMAの量は19質量%高かった。この差は、PMMAホモポリマー及びMMAモノマーが洗浄工程によって除去されることによって説明できる。しかし、ホモポリマーが依然として存在する場合であっても、高い%T及び低いヘイズに反映されるとおり、実施例7は透明なフィルムを生成した。参照1に見られるように18%のPMMAホモポリマーとBPA-PCとのブレンドによってかなりの曇りが形成されるので、この結果は予想外であった。しかし、グラフトレベルが低い場合に洗浄工程を省略すると、曇った生成物が得られる結果となる。1つの非限定的な理論は、高度にグラフト化されたポリカーボネートコポリマーがPMMAホモポリマーに関して相溶化剤として作用し、その結果として透明な生成物が依然として得られることである。グラフトコポリマーが、透明な生成物を依然として生じる一方で洗浄工程を省略可能にする程度に十分に効果的な相溶化剤として作用するためには、少なくとも約25%のグラフトレベルが必要であると考えられる。
実施例6および8は、出発ポリカーボネートコポリマー中のDABPAの量が異なっていた(10%対5%)。実施例6の方が、より高いグラフトレベルを有していた(PMMA37質量%対15質量%)が、ヘイズははるかに良好で、透明度が高かった。この結果は予想外であった。典型的には、主鎖とペンダント鎖との不相溶性のため、主鎖ポリマーが同じ型の場合にはグラフトレベルが増加すると、透明度は低下し、ヘイズは増加する。したがって、実施例8の方がより良好なヘイズ及び透明度を有することが予想された。この結果に関して考えられる1つの仮説は、DABPAマトリックス内におけるPMMAのドメイン形成を最小化することによってMMAモノマーの結合部位が多くなり、良好な相溶性及びより低いヘイズが得られるため、グラフトレベル(質量% PMMA)が同じ場合にはグラフト化部位が多いほど(即ち、DABPAの百分率が高いほど)、ペンダントPMMAの低いMwが得られることである。もう1つの仮説は、グラフト点間のポリカーボネートの長さが、ポリカーボネートとPMMAとを分離させて曇りをもたらすので、実施例6中のDABPAモノマー間のBPAモノマー数がより少ない(即ち、グラフト点間の長さが短い)ことによりヘイズが改善されることである。
実施例8および10は、実施例8は二段反応プロフィール(モノマー及び開始剤の2つの添加)を使用するが、実施例10は一段反応を使用する点で異なっていた。二段階プロフィールを用いた場合に得られたコポリマーのグラフトレベルは、一段反応を用いた場合と比較して約30〜50%増加した。考えられる1つの非限定的な説明は、停止反応のために活性ラジカルが消失すること及びホモ重合によりモノマーが経時的に消失することである。その後に、第2のモノマー及び開始剤を添加することにより、グラフト化反応を再び開始させることができる。
実施例12は、ブロックコポリマーであって、グラフトコポリマーではない。実施例12は、実施例6及び8のグラフトコポリマーより高いヘイズ及び低い透明度を有していた。グラフトコポリマーは、ブロックコポリマーよりもはるかに規則的でない(即ち、周期的でない)構造を有し、自由度がより大きく、したがってより相分離しにくい可能性があると考えられる。相分離はヘイズの原因であると考えられるので、グラフトコポリマーは、同様なブロックコポリマーよりもヘイズが小さいはずである。
実施例8〜11は、同じコポリマー主鎖を有しているので、比較した。実施例8と9とは、MMAモノマーをDABPA-PCに添加する時間の長さが異なる。経時的に連続的にモノマーを添加すると、(Mw及びMnの両方で)より長いPMMAグラフト鎖長が得られた。
実施例8及び11に見られるように、溶媒量を増加させると、PMMAのグラフト量は減少した。しかし、ヘイズ値も低下した。
図2は、参照3(BPA 100%)、参照4(PMMA 100%)、実施例6(PMMA 37質量%)及び実施例7(PMMA 56質量%)の材料を用いて作成したプラークのスクラッチ深さを示すグラフである。耐引掻性に対するPMMA組み込みの影響は、低配合量では非常に大きく、配合量が多いほどスクラッチ深さが低下する傾向がある。PMMA含有ポリマーのこのような直線的でない影響は予想外であり、これは、形態又はミクロドメインの影響による可能性があることが仮定される。
実施例13は、開始剤とモノマーを加えるだけで、アリル基を有さないポリカーボネートにPMMAがグラフトするか否かを検討するために行った。実施例13では、洗浄後にPMMAが0.5質量%未満であることがわかった。参照2は、DMBPCホモポリマーとPMMAホモポリマーのブレンドの結果を示している。参照2でも、洗浄後にPMMAが同様に0.5質量%未満であることがわかった。これらの結果は、反応時間、温度、及び開始剤濃度などの、本明細書中で開示した実施例の条件下では、アリル基を含まないポリカーボネートにおいて、検出可能なグラフト化が起こらないことを示唆している。
(実施例14)
実施例14は、結果として得られるポリカーボネート-グラフト-PVPコポリマーの防曇性に、プロセス条件が影響を及ぼすか否かを検討するために行った。500mL反応器中で、THF 400mLにDABPA-PC 10グラムを添加した。窒素雰囲気下で、この混合物を65℃に加熱した。次の30分間にわたってポリマーをTHFに溶解させた。次いで、VPモノマー10mLを添加し、AIBN 200mgを添加した。22時間の反応時間後、更なるVPモノマー10mL及びAIBN 200mgの配合量を加え、反応を更に22時間実施した。PVPホモポリマー及び未反応のVPを除去するために、得られたポリマーをジエチルエーテル中に沈殿させ、水中で終夜2回洗浄した(PVPは水に可溶である)。洗浄された沈殿物を濾取し、乾燥させた。
フィルムを流延するために、グラフトコポリマー2グラムを、ジクロロメタン20mLに溶解させ、これを直径8cmのガラスペトリ皿中に注いだ。ジクロロメタンをゆっくりと蒸発させて、厚さ約0.2mmのフィルムを得た。
ガラスと接触している面は、空気と接触している面よりも接触角が小さく、親水性が高かった。ガラスと接触している面は33°の接触角を有していたのに対し、空気を接触している面は65°の接触角を有していた。この結果に関する1つの仮説は、ガラスは空気より極性が大きいため、極性のPVPグラフトがガラス面に引きつけられてより小さい接触角を生じるということである。実施例4と実施例5の接触角と比較すると(Table 2(表3))、調製方法がグラフトコポリマーの接触角に影響を及ぼすことは明らかである。
(実施例15〜16)
DABPA-PCポリカーボネートコポリマー主鎖にVPをグラフトさせることによって、更に2つの試料を生成した。実施例15では、得られたポリカーボネート-グラフト-PVPコポリマーは、PVPが約50質量%であった。
実施例16では、PVPが約10質量%であるポリカーボネート-グラフト-PVPコポリマーを調製した。次に、このグラフトコポリマーをDABPA-PCとブレンドした。グラフトコポリマーはブレンドの約20質量%であった。
再び、試験片を接触角及び防曇時間について試験した。結果をTable 5(表6)に要約する。
この場合もやはり、実施例15及び実施例16のグラフトコポリマーは、対照のBPA-PCホモポリマーより有意に小さい接触角及びより有意に長い防曇時間を示した。
(実施例17〜19)
得られるコポリマーのヘイズ/透明度に分子量が影響を及ぼすか否かを検討するために、実施例17〜19を実施して、種々のヘイズ値を有する試料を得た。実施例8〜10と実施例14〜16もこの検討において使用した。これらの実施例の全てにおいて、出発ポリカーボネートコポリマーは、DABPA 5モル%及びBPA 95モル%を含んでいた。次いで、実施例6に記載された手順を用いて、ポリカーボネート-グラフト-PMMAコポリマーを形成させた。
実施例18は、Perkadox 16を毎回300mgではなく150mgしか添加しない以外は、実施例6と同じ手順を用いて行った。
グラフトコポリマーのヘイズを測定後、そのグラフトコポリマーを加水分解して、ポリカーボネート主鎖にグラフトされたPMMA鎖のMw及びMnを得た。MwとMnは、ポリスチレン標準と比較して測定した。実施例8〜10及び実施例14〜19の結果をTable 6(表7)に示す。
図3は、ポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトされたPMMA鎖のMwをヘイズに対して示すグラフである。このグラフは、グラフトされたPMMA鎖のMwが、グラフトコポリマーのヘイズと相関していることを示す。特に、30未満のヘイズ値を有するグラフトコポリマーは一般に、20,000〜40,000のMwを有していた。
図4は、得られるポリカーボネートグラフトコポリマーに対するモノマーの緩徐/連続的な添加の影響を示すグラフである。実施例14、18及び9を、完了時(即ち、洗浄後)にグラフトされている%PMMA、完了時の反応アリル基の%、及びPMMA鎖のMw、の3つの特性について比較した。これら3つの実施例を選択したのは、これらが全て、洗浄後にPMMAを約25%含有していたためである。実施例14と実施例18とは、開始剤の添加量が異なり、実施例18は実施例14で使用した開始剤の量の半分を使用した。予想通り、反応アリル基の百分率は実施例18の方が低かったが、低下は半分ではなかった。また予想通り、PMMA鎖のMwは実施例18の方が高かった。1つの興味深い結果は、反応アリル基の百分率の低下が半分ではないにもかかわらず、実施例18におけるPMMA鎖のMwが、実施例14におけるPMMA鎖のMwのほぼ2倍であることである。
実施例14と実施例9とは、MMAモノマーの添加方法が異なり、実施例14は2つの別個の添加を使用し、総反応時間が44時間であったのに対し、実施例9はモノマーを7時間にわたって徐々に添加し、総反応時間は23時間であった。反応アリル基の百分率は、実施例9の方が高く、PMMA鎖のMwは、実施例9ではほぼ3.5倍であった。実施例9の連続的添加は、PMMA鎖がグラフトされるアリル基の数を増加させた。
(実施例20〜34)
ポリカーボネート-グラフト- PVPコポリマーの変換の研究を行った。出発ポリカーボネートコポリマーは、DABPA 5モル%及びBPA 95モル%を含んでいた。出発ポリカーボネートコポリマー10グラムを、THF 400mLに溶解させた。反応温度は65℃とした。コポリマーを溶解後、VPモノマー10mL及びAIBN開始剤200mgを添加した。開始剤の添加後、時間の測定を開始した。開始剤は、使用前に冷メタノールから再結晶させた。30秒後、実施例20として使用する第1の試料を取った。実施例21〜27は、反応開始から7時間のうちの異なる時点で取った。7時間目に、VPモノマー更に10mL及びAIBN 200mgを添加した。実施例28〜34は、この2回目の添加後に取った。
反応中の異なる時点で得た試料を冷却した。実験終了後、全ての試料は、THFを蒸発させることによって乾燥させ、次いで2回水洗して、PVPホモポリマーを除去した。精製及び真空中での乾燥(50℃超、約2mbar)の後、NMRを用いて試料を分析した。結果をTable 7(表8)に示す。
図5は、グラフトされたビニルピロリドンの量を、反応時間に対して示すグラフである。百分率は、約7時間後に横ばいになっている。モノマー及び開始剤の更なる装填材料の添加により、グラフト化が更に増加する。このことから、グラフト化反応には、約7時間〜約8時間の反応時間で十分であると結論付けられる。その後、材料は単離してもよいし、又はモノマー及び開始剤の第2の装填材料を添加して、更なるグラフト化を誘導してもよい。同じ現象は、DABPAホモポリマーへのPMMAのグラフト化の場合にも認められた。
一実施形態において、グラフトコポリマーは、ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリカーボネートポリマー主鎖と、そのポリカーボネートコポリマー主鎖にグラフトされたポリビニルピロリドンペンダント鎖とを含むことができる。
別の実施形態において、グラフトコポリマーは、ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリカーボネートポリマー主鎖と、そのポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトされている、メタクリル酸メチルに由来するペンダント鎖とを含むことができる。このグラフトコポリマーは、厚さ0.25mmの試料について、ASTM D1003に準拠して測定して、少なくとも89%の光透過率(%T)及び5未満のヘイズを有することができる。
一実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーの製造方法は、ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含む主鎖を有するポリカーボネートコポリマーを準備する工程と、ポリカーボネートコポリマーを第1の量のモノマーと第1の期間接触させる工程と、ポリカーボネートコポリマーを第2の量のモノマーと第2の期間接触させてポリカーボネートグラフトコポリマーを形成させる工程とを含むことができる。
別の実施形態において、ポリカーボネートグラフトコポリマーの製造方法は、ポリカーボネートコポリマー及び溶媒を含む初期溶液を準備する工程と、初期溶液を初期温度まで加熱してポリカーボネートコポリマーを溶解させる工程であって、任意選択で初期温度が約40℃〜約80℃である工程と、第1の量の開始剤を初期溶液に加える工程と、第1の量のモノマーを初期溶液に添加して中間混合物を形成し、中間混合物を第1の期間反応させる工程であって、任意選択で第1の期間が約5時間〜約48時間であってよい工程と、第2の量の開始剤を中間混合物に添加する工程と、第2の量のモノマーを中間混合物に添加し、中間混合物を第2の期間反応させてポリカーボネートグラフトコポリマーを形成する工程であって、任意選択で第2の期間が約5時間〜約24時間であってよい工程とを含むことができる。
種々の実施形態において、(i)グラフトコポリマーは、ASTM D7334に準拠して測定して、約45°未満の水接触角を有することができ;且つ/又は(ii)ペンダント鎖はグラフトコポリマーの2〜約60質量%を構成することができ;且つ/又は(iii)ペンダント鎖は約20,000〜約60,000の質量平均分子量を有することができ;且つ/又は(iv)ペンダント鎖は約20,000〜約40,000の質量平均分子量を有することができ;且つ/又は(v)グラフトコポリマーは、厚さ0.25mmの試料について、ASTM D1003に準拠して測定して、1以下の未満のヘイズを有することができ;(vi)DABPAに由来する繰り返し単位は、ポリカーボネートコポリマー主鎖の約5〜約10モル%を構成でき;且つ/又は(vii)ポリカーボネートポリマー主鎖は、ビスフェノールA(BPA)に由来する繰り返し単位を更に含むことができ;且つ/又は(viii)ポリカーボネートポリマー主鎖は、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)に由来する繰り返し単位を更に含むことができ;且つ/又は(ix)ペンダント鎖は約50,000以上から約60,000までの質量平均分子量(Mw)を有することができ、ペンダント鎖はグラフトコポリマーの少なくとも35質量%を構成し;且つ/又は(x)ポリ(メタクリル酸メチル)ホモポリマーを更に含むことができ;且つ/又は(xi) 1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)のホモポリマーを更に含むことができ;且つ/又は(xii)開始剤は2,2'-アゾビスイソブチロニトリルであることができ;且つ/又は(xiii)開始剤はラジカル開始剤であることができ;且つ/又は(xiv)モノマーはラジカル重合性不飽和モノマーであることができ;且つ/又は(xv)第1の量の開始剤の添加と第1の量のモノマーの添加との間に約1〜約2時間の第3の期間の経過があり;且つ/又は(xvi)ポリカーボネートコポリマーの質量対溶媒の容量の比(グラム/mL)は約5:1であることができる。また、前述した実施形態のいずれかのグラフトコポリマーを含む成形品も含まれる。
本開示のグラフトコポリマーについて、例示的な実施形態を参照して説明した。前述の詳細な説明を読んで理解すれば、修正形態及び変更形態が他の人々に思い浮かぶことは明白である。本開示は、添付した特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限りにおいて、全てのそのような修正形態及び変更形態を含むと解するものとする。例えば、従属請求項の結合及び副結合は、本明細書中に開示されているとみなすべきである。例えば、モル%、期間又は温度の範囲への言及は、その範囲内の任意の中間値を含み且つ開示された範囲内の任意の部分的範囲を含むものとみなすべきである。

Claims (21)

  1. ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリカーボネートポリマー主鎖と、
    前記ポリカーボネートコポリマー主鎖にグラフトされているポリビニルピロリドンペンダント鎖と
    を含むグラフトコポリマー。
  2. ASTM D7334に準拠して測定して、約45°未満の水接触角を有する、請求項1に記載のグラフトコポリマー。
  3. ペンダント鎖がグラフトコポリマーの2〜約60質量%を構成する、請求項1又は2に記載のグラフトコポリマー。
  4. ペンダント鎖が約20,000〜約60,000の質量平均分子量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のグラフトコポリマー。
  5. ペンダント鎖が約20,000〜約40,000の質量平均分子量を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のグラフトコポリマー。
  6. ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含むポリカーボネートポリマー主鎖と、
    前記ポリカーボネートポリマー主鎖にグラフトされている、メタクリル酸メチルに由来するペンダント鎖と
    を含むグラフトコポリマーであって、
    厚さ0.25mmの試料について、ASTM D1003に準拠して測定して、少なくとも89の光透過率(%T)及び5未満のヘイズを有する、グラフトコポリマー。
  7. 厚さ0.25mmの試料について、ASTM D1003に準拠して測定して、1以下のヘイズを有する、請求項6に記載のグラフトコポリマー。
  8. DABPAに由来する繰り返し単位が、ポリカーボネートコポリマー主鎖の約5〜約10モル%を構成する、請求項6又は7に記載のグラフトコポリマー。
  9. ポリカーボネートポリマー主鎖が、ビスフェノールA(BPA)に由来する繰り返し単位を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のグラフトコポリマー。
  10. ポリカーボネートポリマー主鎖が、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)に由来する繰り返し単位を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のグラフトコポリマー。
  11. ペンダント鎖が約50,000〜約60,000の質量平均分子量(Mw)を有し、且つペンダント鎖がグラフトコポリマーの少なくとも35質量%を構成する、請求項6から10のいずれか一項に記載のグラフトコポリマー。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のグラフトコポリマーと、ポリ(メタクリル酸メチル)ホモポリマーとを含む組成物。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のグラフトコポリマーと、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)のホモポリマーとを含む組成物。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載のグラフトコポリマーを含む成形品。
  15. ジアリルビスフェノールA(DABPA)に由来する繰り返し単位を含む主鎖を有するポリカーボネートコポリマーを準備する工程と、
    前記ポリカーボネートコポリマーを第1の量のモノマーと第1の期間接触させる工程と、
    ポリカーボネートコポリマーを第2の量のモノマーと第2の期間接触させて、ポリカーボネートグラフトコポリマーを形成する工程と
    を含む、ポリカーボネートグラフトコポリマーの製造方法。
  16. ポリカーボネートコポリマー及び溶媒を含む初期溶液を準備する工程と、
    前記初期溶液を初期温度まで加熱してポリカーボネートコポリマーを溶解させる工程であって、任意選択で前記初期温度が約40℃〜約80℃であってよい工程と、
    第1の量の開始剤を前記初期溶液に加える工程と、
    第1の量のモノマーを初期溶液に添加して中間混合物を形成させ、この中間混合物を第1の期間反応させる工程であって、任意選択で第1の期間が約5時間〜約48時間であってよい工程と、
    第2の量の開始剤を中間混合物に添加する工程と、
    第2の量のモノマーを前記中間混合物に添加し、中間混合物を第2の期間反応させてポリカーボネートグラフトコポリマーを形成する工程であって、任意選択で第2の期間が約5時間〜約24時間であってよい工程と
    を含む、ポリカーボネートグラフトコポリマーの製造方法。
  17. 開始剤が2,2'-アゾビスイソブチロニトリルである、請求項16に記載の方法。
  18. 開始剤がラジカル開始剤である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記モノマーがラジカル重合性不飽和モノマーである、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 第1の量の開始剤の添加と第1の量のモノマーの添加との間に、約1〜約2時間の第3の期間を経過させる、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. ポリカーボネートコポリマーの質量対溶媒の容量の比(グラム/mL)が約5:1である、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
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