JP2002030125A - 新規親水化芳香族高分子 - Google Patents

新規親水化芳香族高分子

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JP2002030125A
JP2002030125A JP2001116405A JP2001116405A JP2002030125A JP 2002030125 A JP2002030125 A JP 2002030125A JP 2001116405 A JP2001116405 A JP 2001116405A JP 2001116405 A JP2001116405 A JP 2001116405A JP 2002030125 A JP2002030125 A JP 2002030125A
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aromatic polymer
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JP2001116405A
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Akon Higuchi
亜紺 樋口
Kazuo Imamura
和夫 今村
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療並びに食品工業などの分野で使用可能
な、タンパク質非吸着性、生体適合性、良好な機械的特
性並びに耐熱性を兼ね備える親水化された芳香族高分子
を提供すること。 【解決手段】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
する高分子中の芳香環の少なくとも一部に親水性ビニル
重合体部位を含む側鎖が共有結合してり、該親水性ビニ
ル重合体部位のトータルの荷電量がゼロであることを特
徴とする親水化された芳香族高分子。該親水化された芳
香族高分子の製造方法、および選択透過膜あるいはカテ
ーテルとしての用途。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水化された芳香
族高分子に関する。より詳細には、本発明は、生体用材
料、カテーテル、透析膜、血漿分離膜、限外ろ過膜、精
密ろ過膜、逆浸透膜などの素材として好適であり、タン
パク質非吸着性、生体適合性を有する親水化された芳香
族高分子に関するものである。また、本発明は、該親水
化された芳香族高分子の製造方法、該親水化された芳香
族高分子を用いた選択透過膜、及びカテーテルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルイミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂で代表される芳香族高分
子は、その良好な機械特性および耐熱性によって、これ
まで各分野においての応用が展開されてきた。特にポリ
スルホンは、製膜のしやすさ、孔径並びに孔径分布の制
御のしやすさから、透析膜、限外ろ過膜等の選択透過膜
の素材として用いられてきた。
【0003】しかしながら、芳香族高分子は、疎水性で
あり、タンパク質水溶液の回収、食品分野あるいは塗料
等のミセルの回収に用いる場合、疎水性ゆえに、タンパ
ク質、ミセル等が膜表面上に吸着し(いわゆるファウリ
ング現象(樋口ら、MembraneScience and Technology
(Y. Osada & T. Nakagawa Ed.), Marcel Dekker, In
c., New York, chp. 8 (1992))、膜限外ろ過量の著し
い減少等が引き起こされる。
【0004】この芳香族高分子の疎水性であるという欠
点を改善するために様々な試みがなされてきた。例え
ば、ポリスルホン中空糸膜を濃硫酸中に浸漬させてスル
ホン化(特開昭55-36296)することが報告されている。
しかしながら、主鎖に直接、親水性である荷電基を導入
すると、ポリスルホン自身の特徴である機械的強度が著
しく低下する。これを防ぐために、スペーサー(ジョイ
ント基)を介して親水性である荷電基を主鎖に導入する
方法が開発された。例えばプロパンサルトンの解離反応
より導入されたスペーサー(ジョイント基)を有するス
ルホン化ポリスルホン(特開昭62-269704)、アミドメ
チル化ポリスルホン(特開平6-500925)等である。また
クロロメチル化ポリスルホンを調製してから水酸基を、
導入された側鎖に1つ導入する方法も報告されている
(樋口ら、J. Appl. Polym. Sci., 46, 449 (1992))。
【0005】しかしながら、ここで調製された芳香族高
分子誘導体は、単純な水酸基が導入されただけか、正荷
電性または負荷電性を有するため生体適合性に問題が指
摘される。例えば、正荷電性を有する高分子表面上で
は、血小板の活性化が生じ、偽足を伸展させた形態に血
小板を変化させてしまうことが知られている。なお、偽
足を伸展させた形態に変化するとは、細胞から足が伸び
て且つ扁平になるような細胞の変化のことをいい、細胞
系では良く使われる表現である。さらに、負荷電性を有
する高分子膜表面上では、血圧低下などを誘起する強力
な生理活性物質であるブラジキニンが産生されることが
知られている。また、荷電性を有する芳香族高分子膜で
は、透水量、タンパク質吸着性が著しくpHの影響を受
けてしまうことが知られている。
【0006】さらに、単純な水酸基を芳香族高分子に導
入した場合には、著しい免疫応答を引き起こしてしまう
ため、現在のところ、水酸基を芳香族高分子に共有結合
で導入された高分子を用いて選択透過膜、医療材料に用
いられている例はない。
【0007】また、医療分野において、ポリスルホンは
近年、透析膜素材として用いられてきた。この理由は、
生体に有用な血清アルブミン(分子量67,000ダル
トン)を透析により血液中に保持しながら、生体に有害
な分子量約3万ダルトン以下のタンパク質、例えばβ2
-ミクログロブリン(分子量11,500ダルトン)を
体外に除去することが、透析膜に近年要求されてきてい
るからである。このためには、透析膜の孔径を制御し、
さらに孔径分布がシャープな透析膜を調製しなければな
らない。ポリスルホンは、製膜のしやすさ、孔径並びに
孔径分布の制御のしやすさから、この要求を満たす透析
膜素材として広く使われてきている。
【0008】しかしながらポリスルホン自身は疎水性で
生体適合性が悪く、ポリスルホン膜を親水化させて生体
適合性を付与するために、ポリビニルピロリドン等をポ
リスルホン膜中にブレンドさせること(特開昭61-9380
1)、さらには、ポリスルホン膜をマトリックスとして
ポリビニルピロリドン自身を架橋させて、ポリビニルピ
ロリドンゲル含有ポリスルホン中空糸膜を調製する方法
が提案されてきた(特開平4-300636)。ポリビニルピロ
リドンとポリスルホンとのブレンド膜では、ポリビニル
ピロリドンが膜より流出するために、上記のポリビニル
ピロリドンゲル含有ポリスルホン膜が開発された。
【0009】ポリビニルピロリドンは、分子中に水酸基
が無いにも関わらず親水性として知られる非荷電性高分
子である。この親水性高分子を疎水性の芳香族高分子中
に導入することにより、疎水性である芳香族高分子の欠
陥であるたんぱく質吸着性と生体適合性が悪いという問
題が克服され、タンパク質非吸着性で生体適合性材料と
して最適な状態が付与される。
【0010】しかしながら前記のポリビニルピロリドン
ゲル含有ポリスルホン中空糸膜においてもなおポリビニ
ルピロリドンの膜からの溶出が指摘されている。例え
ば、前記の特開平4-300636記載の実施例1で調製された
ポリビニルピロリドンゲル含有ポリスルホン膜において
は、該中空糸膜からの抽出液の吸光度は0.046と高
く、ポリビニルピロリドンの完全なる流出を防ぎきれて
いない。また、ポリビニルピロリドンとポリスルホンと
のブレンド膜においては、該中空糸膜からの抽出液の吸
光度は0.265〜1.020(特開平4-300636記載の比
較例1〜6)とより高い値を示し、ポリビニルピロリド
ンの膜からの流出が高水準で引き起こされている。
【0011】一方、親水性を付与させ生体適合性を改良
するポリマーとして、非荷電性であるポリビニルピロリ
ドン以外に、両荷電性(ツビッターイオン性)ポリマー
が注目されてきている。例えば、石原らは、赤血球およ
び血小板の外側細胞表面の界面特性を模倣した結果、生
体適合性を有するリン脂質ポリマー(2−メタクリロキ
シエチルフォスフォリルコリン(MPC)ポリマー)を
開発した(K. Ishihara et al., Polym. J., 23, 355
(1990))。しかしながら、MPCホモポリマーは、生体
適合性がポリビニルピロリドンより優れていると期待さ
れつつも水溶性であり、MPCホモポリマーのみでは膜
に成型することは不可能である。そのために、疎水性で
あるメタクリレート系モノマーとMPCとの共重合体が
調製されており、水に不溶化した後、おもにコーテング
剤あるいはブレンド剤として使用されている(K. Ishih
ara et al., Biomaterials, 20, 1545 (1999))。
【0012】特公平6-31273では、両荷電性である極性
基を有する低分子化合物であるホスファチジルコリン脂
質について記載しており、この物質をガラス、酢酸セル
ロース、ポリ塩化ビニルあるいはテフロン(登録商標)
表面に反応させて生体適合性表面に改質可能であること
を報告している。
【0013】また、特開平7-300513では、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等基
材表面にプラズマ照射を利用して両荷電性基をグラフト
重合させて固定化する方法が記載されている。
【0014】芳香族高分子にプラズマ照射あるいは紫外
線照射させて、ビニルモノマーを芳香族環に導入するこ
とは不可能である。なぜなら、芳香族環にラジカルがト
ラップされてしまい反応が進行しなく、逆に主鎖解裂を
引き起こしてしまい、芳香族高分子の機械的強度が著し
く低下してしまうからである。
【0015】しかしながら、特殊な例として、Yamagish
iとBelfortら(J. Membrane Sci.,105, 249 (1995); ib
id, 105 249 (1995))は、ポリエーテルスルホン限外ろ
過膜に紫外線照射して、高分子主鎖中の硫黄原子-炭素
原子結合を解離させ、主鎖を切断させることによりラジ
カルを発生させ、このラジカルを利用してヒドロキシエ
チルメタクリレート等の親水性ビニルモノマーを主鎖の
末端に重合する方法を報告している。
【0016】また、PieracciとBelfortら(J. Membrane
Sci., 156, 223 (1999))は、同様な方法を用いて、ポ
リアリルスルホン限外ろ過膜、ポリエーテルスルホン限
外ろ過膜の高分子主鎖中の硫黄原子-炭素原子結合を解
離させることによりラジカルを発生させ、このラジカル
を用いてビニルピロリドンモノマーを主鎖の末端に重合
する方法を報告している。
【0017】しかしながら、これらの紫外線照射による
光解離反応も、膜等の不均一反応には有効であるが、バ
ルクとしての均一な親水化された芳香族高分子を得るた
めに適用することは不可能である。さらに紫外線照射に
より主鎖を切断させるために、(1)高分子主鎖の重合
度を著しく低下させ、芳香族高分子の特徴である機械的
強度が低下してしまう、(2)主鎖が解裂した末端に親
水性モノマーが重合するため、親水性重合体と芳香族高
分子のブロック共重合体になり、芳香族高分子の特徴で
ある機械的強度がこの場合も低下してしまうという問題
が生じる。
【0018】以上のごとく、芳香族高分子にプラズマ照
射あるいは、紫外線照射させて、ビニルモノマーを芳香
環に導入し、芳香族高分子の側鎖にビニルモノマー重合
体を導入することは、これまで不可能であった。
【0019】また、ヒドロキシエチルメタクリレート重
合体並びにアクリルアミド重合体のように生体適合性を
有するハイドロゲルは、ソフトコンタクトレンズの素材
として単独で用いられる場合があるが、芳香族高分子の
ような機械的強度並びに耐熱性もないため、これまで工
業的用途は限られていた。
【0020】上記の記載のように、芳香族高分子の特徴
である良好な機械的特性、物理的特性並びに耐熱性と親
水性高分子の特徴であるタンパク質非吸着性、生体適合
性とを兼ね備え、かつ親水性重合体が流出してこない、
親水化された芳香族高分子は、いまだ提案されていなか
った。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解消し、医療並びに食品工業などの分野で使用
可能な水中への溶出物が少なくかつ親水性高分子の特徴
であるタンパク質非吸着性、生体適合性を兼ね備え、さ
らに芳香族高分子の特徴である良好な機械的特性、物理
的特性並びに耐熱性を有する親水化された芳香族高分
子、およびこれより調製された選択透過膜などの用途を
提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためのものであって、高分子主鎖の繰り返し単位
に芳香環を有する高分子中の芳香環の少なくとも一部に
親水性ビニル重合体部位を含む側鎖が共有結合してお
り、該親水性ビニル重合体部位のトータルの荷電性がゼ
ロであることを特徴とする新規な親水化された芳香族高
分子に関する。また、本発明は高分子主鎖の繰り返し単
位に芳香環を有する高分子の芳香環に−NH2基あるい
は−NH基を導入し、次いでN−スクシンイミジルアク
リレートを反応させて側鎖に二重結合を導入し、その
後、その二重結合に親水性ビニルモノマーを重合させる
ことを特徴とする親水化された芳香族高分子の製造方法
に関する。さらにまた、本発明は、上記の新規親水化芳
香族高分子の用途に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明で言う、高分子主鎖の繰り返し単位に芳
香環を有する高分子とは、高分子主鎖の繰り返し単位中
に芳香環を有する部位があればよい。芳香族高分子の例
としては、 (1)主鎖に芳香核とスルホニル基を導入した芳香族ポ
リスルホン重合体であり、当該芳香族ポリスルホン重合
体の例としては、市場に広く出回っているポリ(p-フ
ェニレンエーテルスルホン):-[(p-C6H4)-SO2-(p-C6H4)
-O-] z-や、“ユーデル・ポリスルホン”: -[(p-C6H4)-
SO2-(p-C6H4)-O-(p-C6H4)-C(CH3) 2-(p-C6H 4)-O]z-のほ
か、-[(p-C6H4)-SO2-(p-C6H4)-O-(p-C6H4)-O]z-、-[(p-
C6H4)-SO2-(p-C6H4)-S-(p-C6H4)-O]z-、などの構造を有
する重合体(zは1以上の整数)であり、上記の主鎖中
の水素は、ハロゲン化合物、炭化水素等で置換されてい
ても良い。
【0024】さらに、(2)ポリイミド、ポリエーテル
イミド、芳香族ナイロン、アラミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリエステル等
重合体であり、上記の重合体主鎖中の水素は、ハロゲン
化合物、炭化水素等で置換されていても良い。
【0025】本発明の高分子主鎖の繰り返し単位に芳香
環を有する高分子は、これらの芳香族高分子と、他の高
分子との共重合体であっても良い。共重合させる他の高
分子の例としては、ポリウレタン、ポリエチレンオキシ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
【0026】主鎖となる芳香族高分子の分子量は、5
0,000〜2,000,000が好ましい。該芳香族
高分子の物理的形態は、(a)樹脂、(b)フィルム、
(c)多孔質平膜、(d)多孔質中空糸膜、(e)カテ
ーテル等の管・チューブ、(f)種々の形態の成型加工
品等で、該芳香族高分子を用いたいかなる形態でも良
い。
【0027】本発明の親水化された芳香族高分子の側鎖
は、その少なくとも一部に親水性ビニル重合体部位を含
むものであり、該親水性ビニル重合体部位のトータルの
荷電量がゼロである。本発明でいうトータルの荷電量が
ゼロであるとは、荷電を示す部位が一切ないか、スルホ
ン酸基、カルボン酸基、リン酸基等の荷電部位があって
これらが中性の水中で示すマイナス荷電量と、アンモニ
ウム基やアミノ基等の荷電部位があってこれらが示すプ
ラス荷電量が等量であることをいう。また、本発明でい
う両荷電性基とは、中性の水中でマイナス荷電を示すス
ルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基等の陰荷電性基、
およびプラス荷電を示すアンモニウム基、アミノ基等の
陽荷電性基を対で有し、トータルの荷電量がゼロとなる
置換基をいう。
【0028】本発明の親水化された芳香族高分子の側鎖
を詳説すると、まず、一般式(I)で示されるユニット
を少なくとも含む親水性ビニル重合体部位が挙げられ
る。ユニットの重合度は、1〜3,000が好ましく、
1〜200が特に好ましい。 −[CH(R1)−C(R2)(R3)]− (I)
【0029】一般式(I)で示される基をさらに詳しく
説明するとR1およびR2は、水素原子、またはメチル基、
エチル基、分枝あるいは分枝していないプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基を示し、R1とR2は同一でも異なって
いても良い。これらのアルキル基がハロゲン原子に置換
されたハロゲン化アルキル基でも良い。特にR1が水素原
子のものが、ビニルモノマーとして入手しやすいため、
最も本発明の親水化芳香族高分子を製造するのに好まし
い。
【0030】R3はカルボニル基、エステル基、エーテル
基、アミド基、または水酸基を含む非荷電性の置換基、
または両荷電性基を含む分子量が500以下の置換基で
あり、これら親水性部位が該親水化された芳香族高分子
に親水性を与えている部位である。
【0031】置換基R3の非荷電性基の具体的な例とし
て、一般式(I)が −OCH2OH基、−OCH2CH2OH基、−OCH2CH2CH2OH基、−CON
H2基、 −CON(CH3)CH3基、−CON(CH2OH)CH2OH基、−CON(CH2C
H3)CH2CH3基、 −CON(CH2CH2OH)CH2CH2OH基、−CON(CH2CH2CH3)CH2CH2C
H3基、 −CON(CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2OH基、 −CON(CH2CH2CH2CH3)CH2CH2CH2CH3基、 −CON(CH2CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2NH2基、−COOCH2CH(OH)CH2N(CH3)CH3
基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2OH)CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH3)CH2CH3基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2OH)CH2CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH3)CH2CH2CH3基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH2CH3)CH2CH2CH2CH3基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2CH2OH
基、等などである。これらの基に含まれるメチル基並び
にメチレン基の水素はハロゲン原子に置換されていても
良い。
【0032】また、置換基R3が両荷電性基である具体
的な例として、 −(CO)OCH2 CH2N(CH3)2 +CH2 CH2CH2SO3 - 基、 −(CO)NH CH2CH2 CH2N(CH3)2 +CH2 CH2CH2SO3 - 基、 −(CO)OCH2CH2OPOO-CH2CH2N(CH3) 3 + 基等などが挙げら
れる。 これらの基に含まれるメチル基並びにメチレン基の水素
はハロゲン原子に置換されていても良い。特に一般式
(I)が、2-methacryloxyethyl phosphorylcholine
(「MPC」)、N,N-dimethyl-N-methacryloxyethyl-N
-(3-sulfopropyl)ammonium betaineであるものは、ビニ
ルモノマーが入手しやすいため、本発明の親水化された
芳香族高分子を製造するのに好ましい。
【0033】次に、ユニットが一般式(II)
【化2】 で示される例として、pが3であるN−ビニルピロリド
ン、pが4であるN−ビニルカプロラクタムが挙げられ
る。ユニットの重合度は、1〜3,000が好ましく、
1〜200が特に好ましい。特に、ビニルピロリドンで
あるものは、ビニルモノマーが入手しやすいため、本発
明の親水化された芳香族高分子を製造するのに好まし
い。
【0034】次いで、本発明の親水化された芳香族高分
子の側鎖として、一般式(III)で示されるユニットを
少なくとも含む親水性ビニル重合体部位が挙げられる。
ユニットの重合度は、1〜3,000が好ましく、1〜
200が特に好ましい。 −[CH2−C(R4)(R5)]− (III)
【0035】一般式(III)で示される基を説明する
と、式中R4は水素原子、またはメチル基、エチル基、分
枝あるいは分枝していないプロピル基、ブチル基、ペン
チル基を示し、R5は-COO-R6-OH基を示し、R6はメチレン
基、エチレン基、分枝あるいは分枝していないプロピレ
ン基、ブチレン基、ペンチレン基を示す。R4、R5、R6
のアルキル基またはアルキレン基はハロゲン原子で置換
されていても良い。特に一般式(III)が、ヒドロキシ
エチルメタクリレートであるものは、ビニルモノマーが
入手しやすいため、本発明の親水化された芳香族高分子
を製造するのに好ましい。
【0036】次いで、本発明の親水化された芳香族高分
子の側鎖として、一般式(IV)で示されるユニットを少
なくとも含む親水性ビニル重合体部位が挙げられる。ユ
ニットの重合度は、1〜3,000が好ましく、1〜2
00が特に好ましい。 −[CH2−C(R7)(CON(R8)R9)]− (IV)
【0037】一般式(IV)で示される基を説明すると、
式中R7は水素原子またはメチル基、エチル基、分枝ある
いは分枝していないプロピル基、ブチル基、ペンチル基
を示し、R8は水素原子または、-(CH2)xR10基を示し、R9
は-(CH2)yR11基を示し、R10は水素原子または水酸基を
示し、R11は水素原子または水酸基を示し、またnは1以
上の整数である。xおよびyは、1以上の整数であるが、
値が大きすぎると疎水性が増すため5以下の値が好まし
い。R7、R8、R9中のアルキル基またはアルキレン基がハ
ロゲン原子に置換されたハロゲン化アルキル基またはハ
ロゲン化アルキレン基でも良い。特に一般式(IV)が、
N,N'-アクリルアミドあるものは、ビニルモノマーが入
手しやすいため、本発明の親水化された芳香族高分子を
製造するのに好ましい。
【0038】その他に、本発明の親水化された芳香族高
分子の側鎖として、次の一般式(V)で示される親水性
ビニル重合体部位が挙げられる。
【0039】一般式(V)で示される基を説明すると、R
12およびR13は、水素原子、またはメチル基、エチル
基、分枝あるいは分枝していないプロピル基、ブチル
基、ペンチル基を示し、R12とR13は同一でも異なってい
ても良い。これらのアルキル基がハロゲン原子に置換さ
れたハロゲン化アルキル基でも良い。特にR12が水素原
子のものが、ビニルモノマーとして入手しやすいため、
最も本発明の親水化芳香族高分子を製造するのに好まし
い。
【0040】R14はカルボニル基、エステル基、エーテ
ル基、アミド基、または水酸基を含む非荷電性の置換
基、または両荷電性基を含む分子量が500以下の置換
基であり、これら親水性部位が該親水化された芳香族高
分子に親水性を与えている部位である。
【0041】置換基R14の非荷電性基の具体的な例とし
て、一般式(V)中の一部が ビニルピロリドン重合体となる環状−NCH2CH2CH2C=O
基、 ビニルカプロラクタム重合体となる環状−NCH2CH2CH2CH
2CH2C=O基、 −OCH2OH基、−OCH2CH2OH基、−OCH2CH2CH2OH基、−CON
H2基、 −CON(CH3)CH3基、−CON(CH2OH)CH2OH基、−CON(CH2C
H3)CH2CH3基、 −CON(CH2CH2OH)CH2CH2OH基、−CON(CH2CH2CH3)CH2CH2C
H3基、 −CON(CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2OH基、 −CON(CH2CH2CH2CH3)CH2CH2CH2CH3基、 −CON(CH2CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2NH2基、−COOCH2CH(OH)CH2N(CH3)CH3
基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2OH)CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH3)CH2CH3基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2OH)CH2CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH3)CH2CH2CH3基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2OH基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH2CH3)CH2CH2CH2CH3基、 −COOCH2CH(OH)CH2N(CH2CH2CH2CH2OH)CH2CH2CH2CH2OH
基、等などである。これらに含まれるメチル基並びにメ
チレン基の水素はハロゲン原子に置換されていても良
い。特に一般式(V)中の一部が、ポリビニルピロリド
ン重合体であるものは、ビニルモノマーが入手しやすい
ため、本発明の親水化された芳香族高分子を製造するの
に好ましい。
【0042】また、置換基R14の両荷電性基の具体的な
例として、 −(CO)OCH2 CH2N(CH3)2 +CH2 CH2CH2SO3 - 基、 −(CO)NH CH2CH2 CH2N(CH3)2 +CH2 CH2CH2SO3 - 基、 −(CO)OCH2CH2OPOO-CH2CH2N(CH3) 3 + 基等などが挙げら
れる。これらの基に含まれるメチル基並びにメチレン基
の水素はハロゲン原子に置換されていても良い。特に一
般式(V)が、2-methacryloxyethyl phosphorylcholine
(「MPC」)、N,N-dimethyl-N-methacryloxyethyl-N
-(3-sulfopropyl)ammonium betaine等のモノマーより調
製した重合体は、ビニルモノマーが入手しやすいため、
本発明の両荷電性親水化芳香族高分子を製造しやすいの
で好ましい。
【0043】一般式(V)中のn並びにmは、大きすぎ
ると得られた親水化された芳香族高分子の物理特性が低
くなる傾向があるので1〜3,000、とりわけ1〜2
00が好ましい。この親水化ビニル重合体は一部分枝し
ていても良い。これらの基は単独で、あるいは使用目的
によって複数で存在しても良い。
【0044】本発明親水化ビニル重合体中における一般
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)で示される
基の適性量、即ち、密度は幹となる重合体の化学構造お
よび用途により異なるが、少なすぎるとその機能が発現
しにくく、一方多すぎると単独では強靱な膜になりにく
くなる傾向があるので、通常、繰り返し単位当たり0.
0001〜2個、とりわけ0.001〜1個が好まし
い。
【0045】本発明の親水化された芳香族高分子を表面
反応により、芳香族高分子よりなる膜、フィルム、成型
品の表面に親水化ビニル重合体を導入することによって
調製することも可能である。この場合の導入率は、表面
部分における芳香族高分子に対する導入率が、繰り返し
単位当たり0.0001〜2個、とりわけ0.001〜1
個が好ましい。
【0046】本発明の親水化された芳香族高分子の製造
方法の一例を説明する。芳香族高分子をフリーデルクラ
フツ触媒存在下でクロロメチル化を行い(例えば、仲
川、樋口ら、高分子論文集、46, 37 (1989);樋口ら、
J. Appl. Polym. Sci., 46, 449(1992))その後、エチ
レンジアミンと反応させ、芳香族高分子の芳香環に-CH2
NHCH2CH2NH2基を導入する。その後、次式で示されるN
−スクシンイミジルアクリレート(NSA)
【化3】 と末端のNH2基と反応(NSAと-NH2との反応は、宮田
ら、Nature, 399, 766 (1999)を参照)させて、芳香族
高分子の芳香環に-CH2NHCH2CH2NHCOCH=CH2を導入する。
その後、芳香族高分子に共有結合で導入された2重結合
を用いて、親水性ビニルモノマーと重合させることによ
り本発明の親水化された芳香族高分子を得ることができ
る。
【0047】この反応経路を芳香族高分子としてポリス
ルホン、親水性ビニル重合体としてポリビニルピロリド
ンを用いて説明すると、次のような反応式になる。
【化4】
【0048】上式では、親水性ビニル重合体が基材の−
NHCO−CH=CH2のβ位の炭素原子に結合した形
が示されるが、本発明においては、親水性ビニル重合体
の結合位置は特定されることなく、α位の炭素原子に結
合しても、両方に結合しても良い。両方に結合するとき
式(V)で示される側鎖を有することになる。
【0049】他の製造方法の例としては、クロロメチル
フタルイミドを芳香族高分子に塩化スズを触媒として反
応させることによりフタルイミドメチル化芳香族高分子
を得ることができる。次にフタルイミドメチル化芳香族
高分子をテトラヒドロフラン/エタノール溶液等に溶解
させ、ヒドラジン水和物を添加することによりアミノメ
チル化芳香族高分子を得ることができる。すなわちこの
反応により-CH2NH2基を芳香族高分子に導入することが
できる(N. Kahanaら、J. Polym. Sci.: PartA: Polym.
Chem., 28, 3303 (1990); F. H. Roosら、Pure Appl.
Chem., A33, 275 (1996)) 。さらに、N−スクシンイ
ミジルアクリレート(NSA)と末端のNH 2基またはNH基
と反応(NSAと-NH2またはNH基との反応は、宮田ら、
Nature, 399, 766 (1999)を参照)させて、芳香族高分
子の芳香環に-CH2NHCH2CH2NHCOCH=CH2基を導入する。そ
の後、芳香族高分子に共有結合で導入された2重結合を
用いて、親水性ビニルモノマーと重合させることにより
本発明の親水化された芳香族高分子を得ることができ
る。
【0050】本発明者は、分子設計上、芳香族高分子に
親水性ビニルモノマー重合体を共有結合で結合させたい
と、長年鋭意研究を重ねてきたが、本発明の親水化芳香
族高分子を得るための最善の反応経路をこれまで得るに
至らなかった。しかしながら、N−スクシンイミジルア
クリレートと末端のNH2基との反応を用いることによ
り、芳香族高分子中に2重結合を導入(芳香族高分子の
芳香環に-CH2NHCH2CH2NHCOCH=CH2基を導入)する反応
を、抗体中への2重結合の導入反応(宮田ら、Nature,
399, 766 (1999))の例をヒントに開発することがで
き、本発明に至ったものである。
【0051】上記の反応は、芳香族高分子を有機溶媒に
溶解させ、均一系で行っても、芳香族高分子が膜等、固
体の状態で反応を行う不均一系で行ってもいずれの方法
であっても良い。
【0052】本発明で得られる親水化された芳香族高分
子は、生体適合性があり、且つタンパク質非吸着性であ
るために、医療や食品工業などの種々の用途に用いるこ
とができる。とくにこれらの生体適合性とタンパク質非
吸着性に加えて良好な機械的特性を有するために、選択
透過膜、およびカテーテルに好適に用いることができ
る。
【0053】次に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、以下において、水に対する接触角は、ラング
ミュア−ブロジェットの単分子膜製造装置を用いて測定
した。詳細に述べると、日本レーザー電子製ラングミュ
ア−ブロジェット製膜装置(NL-LB200S-NWC)を用い
て、基板取り付け部に中空糸を水面に垂直に取り付け
た。始めに中空糸を水相に1mm/minの速さで浸漬させ
て、中空糸の先端が1cm水相に入った時に観察される中
空糸表面と水面との角度を前進接触角として測定した。
その後、中空糸の先端を2cm水相中に浸漬させた。後退
接触角は、中空糸を水相より1mm/minの速さで引き出し
て行き、中空糸の先端が水面より1cm浸漬している状態
の時に観察される中空糸表面と水面との角度を後退接触
角として測定した。また、本発明でいう親水性ビニル重
合体の重合度は、例えば、式2で表される反応の場合、
親水性ビニルモノマーであるN−ビニルピロリドンの消
費モル量を紫外可視分光光度計により測定し、この値を
基材の芳香族高分子に導入されたクロロメチル基量で除
することにより算出される値である。
【0054】
【実施例1】アモコジャパンリミテッド社製ポリスルホ
ン(商品名UDEL P-1700 繰返し単位-[(p-C6H4)-S
02-(p-C6H4)-O-(p-C6H4)-C(CH3)2-(p-C6H4)-O-]Z- 分
子量59,000ダルトン)を常法(野田、香川、工業
化学雑誌、66, 120 (1963);仲川、樋口ら、高分子論文
集、46, 37 (1989))に、従いクロロメチル化させた。
すなわち、ジクロロエタン(180 mL)に溶解させたポリ
スルホン12g(0.027 unit mol)溶液中にクロロメチ
ルメチルエーテル21 mL(0.28 mol、東京化成製)に
懸濁させた0.5gの酸化亜鉛(東京化成製;触媒とし
て使用)を攪拌させながら30℃で滴下させた。その後
15分間この溶液を攪拌させた後、5Lのメタノール中
に反応溶液を滴下させて、再沈させることにより反応を
停止させた。得られたクロロメチル化ポリスルホンをメ
タノール、2N塩酸、メタノールの順で洗浄し、室温で
真空乾燥させた。その後、テトラメチルフランに5wt%
のポリマー溶液となるように溶解させた後、メタノール
で再沈殿させて精製した。このポリマーは、赤外吸収ス
ペクトルより760cm-1にC−Cl結合に基づく赤外吸
収が観察された。また、1H-NMRスペクトルよりクロロメ
チル基のメチレン部位のプロトンに基づくピークが4.
5ppmに観察された。元素分析より、ポリスルホンの繰
り返し構造単位当たり0.34個のクロロメチル基が導
入されていた。
【0055】次にクロロメチル化ポリスルホン8gをテ
トラヒドロフラン160 mLに溶解させた。この高分子
溶液の中にエチレンジアミン(東京化成製、試薬特級)
を90mLを30℃で攪拌させながら滴下させた。24時
間攪拌を行った後、4Lのメタノール中に反応溶液を滴
下させて、再沈させることにより反応を停止させた。得
られたエチレンジアミン化ポリスルホンを大量のメタノ
ールで洗浄し、室温で真空乾燥させた。この時のエチレ
ンジアミン化ポリスルホンは、なるべくパウダー状にな
るように再沈精製を行った。このポリマーは、赤外吸収
スペクトルより3300cm-1にNH2基に基づく赤外吸
収が観察された。また、1H-NMRスペクトルより4.5ppm
に観察されたクロロメチル基のメチレン部位のプロトン
に基づくピークがほぼ消失していた。
【0056】リン酸二水素カリウム(和光純薬製、特
級)とリン酸水素二ナトリウム(和光純薬製、特級)を
用いて0.02mol/Lのリン酸緩衝液(pH 7.4)を調製し
た。この溶液200mLにパウダー状のエチレンジアミン
化ポリスルホン7g添加して、37℃で15分攪拌させ
た。N−スクシンイミジルアクリレート(2g、シグマ
ーアルドリッチ製)を100mLの上記リン酸緩衝液に溶
解させた後、エチレンジアミン化ポリスルホン懸濁水溶
液に添加した。6時間37℃で攪拌しながら反応させ
た。反応後、リン酸緩衝液、ついで超純水中で得られた
アクリロイル化ポリスルホンを洗浄した。このポリマー
1H-NMRスペクトルを測定したところ、6.1ppmから
6.7ppmにビニル基に基づくプロトンのピークが観察さ
れた。
【0057】次に、アクリロイル化ポリスルホン6gを
0.02 mol/Lのリン酸緩衝液(pH7.4)200 mLの中
に添加して、37℃で15分攪拌させた。さらにN-ビニ
ルピロリドン(0.1mol、和光純薬製)を0.02 mol/
Lのリン酸緩衝液(pH 7.4)200mL中に溶解したN-ビ
ニルピロリドン水溶液を上記のアクリロイル化ポリスル
ホン懸濁液中に添加した。さらに、0.1 mol/Lのペル
オキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製、特級)0.5m
Lと0.8 mol/LのN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジア
ミン0.5 mL加えた後、25℃で3時間反応させた。反
応後、リン酸緩衝液、ついで超純水中で得られたポリビ
ニルピロリドン化ポリスルホンを洗浄した。このポリマ
ーは、赤外吸収スペクトルよりポリビニルピロリドンに
起因する1600cm-1にC=O基に基づく赤外吸収が観
察された。図1に得られたポリビニルピロリドン化ポリ
スルホンの赤外線吸収スペクトルを示す。親水性ビニル
重合体であるポリビニルピロリドンの平均重合度(n)
は、2.7であった。
【0058】このポリビニルピロリドン化ポリスルホン
2gをN-メチル−2−ピロリドン40 mLに溶解させ、フ
ラットシャーレ上にキャストした。60mmHgの減圧下で
溶媒を6時間蒸発させた。その後、50℃の真空下で完
全に溶媒を除去して、均一なポリビニルピロリドン化ポ
リスルホン膜を調製した。この膜の水に対する前進接触
角を測定したところ、55±2°であった。
【0059】
【実施例2】実施例1と同様にして得られたアクリロイ
ル化ポリスルホン6gを0.02 mol/Lのリン酸緩衝液
(pH 7.4)200 mLの中に添加して、37℃で15分
攪拌させた。さらにスルホベタイン(N,N-dimethyl-N-m
ethacryloxyethyl-N-(3-sulfopropyl)ammonium betain
e、0.1mol、ラッシング化学社製)を0.02 mol/Lの
リン酸緩衝液(pH 7.4)200mL中に溶解したスルホベ
タイン水溶液を上記のアクリロイル化ポリスルホン懸濁
液中に添加した。さらに、0.1 mol/Lのペルオキソ二
硫酸アンモニウム(和光純薬製、特級)0.5mLと0.8
mol/LのN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン0.
5 mL加えた後、25℃で3時間反応させた。反応後、
リン酸緩衝液、ついで超純水中で得られたポリスルホベ
タイン化ポリスルホンを洗浄した。このポリマーは、赤
外吸収スペクトルよりポリスルホベタインに起因する1
670cm-1並びに1740cm-1にC=O基に基づく赤外
吸収が観察された。図2に得られたポリスルホベタイン
化ポリスルホンの赤外吸収スペクトルを示す。両荷電性
ビニル重合体であるポリスルホベタインの平均重合度
(n)は、52であった。
【0060】このポリスルホベタイン化ポリスルホン2
gをN-メチルー2−ピロリドン40mLに溶解させ、フラ
ットシャーレ上にキャストした。60mmHgの減圧下で溶
媒を6時間蒸発させた。その後、50℃の真空下で完全
に溶媒を除去して、均一なポリスルホベタイン化ポリス
ルホン膜を調製した。この膜の水に対する前進接触角を
測定したところ、53±2°であった。
【0061】
【比較例1】実施例1の原料と同じアコモジャパンリミ
テッド社製ポリスルホン(商品名UDEL P−170
0)2gをN-メチルー2−ピロリドン40 mLに溶解さ
せ、フラットシャーレ上にキャストした。60mmHgの減
圧下で溶媒を6時間蒸発させた。その後、50℃の真空
下で完全に溶媒を除去して、均一なポリスルホン膜を調
製した。この膜の水に対する前進接触角を測定したとこ
ろ、90±2°であった。
【0062】
【実施例3】日本ジーイープラスチック社製ポリエーテ
ルイミド(商品名ウルテム1000)(繰返し単位-[O-
(p-C6H4)-C(CH3)2-(p-C6H4)-O-(C6H3(CO)2)-N-(m-C6H4)
-N-((CO)2-C6H3)]Z- 分子量55,000ダルトン)を
用いた以外は、実施例1と同様にして親水化ポリエーテ
ルイミドを調製した。クロロメチル化物の元素分析によ
り、ポリエーテルイミドの繰返し構造単位当たり0.2
0個のクロロメチル基が導入され、親水性ビニル重合体
であるポリビニルピロリドンの平均重合度は(n)は、
3.5であった。
【0063】このポリビニルピロリドン化ポリエーテル
イミド2gをN-メチルー2−ピロリドン40 mLに溶解さ
せ、フラットシャーレ上にキャストした。60mmHgの減
圧下で溶媒を6時間蒸発させた。その後、50℃の真空
下で完全に溶媒を除去して、均一なポリビニルピロリド
ン化ポリエーテルイミド膜を調製した。この膜の水に対
する前進接触角を測定したところ、57±3°であっ
た。
【0064】
【実施例4】N−ビニルピロリドンの代わりに、実施例
2で用いたスルホベタインを用いた以外は、実施例3と
同様にしてポリスルホベタイン化ポリエーテルイミドを
調製した。中間のクロロメチル化物は、元素分析によ
り、ポリエーテルイミドの繰返し構造単位当たり、0.
20個のクロロメチル基が導入され、両荷電性ビニル重
合体であるポリスルホベタインの平均重合度(n)は、
48であった。このポリスルホベタイン化ポリエーテル
イミド2gをN−メチル−ピロリドン40mLに溶解さ
せ、フラットシャーレ上にキャストした。60mmHg
の減圧下で溶媒を6時間蒸発させた。その後、50℃の
真空下で完全に溶媒を除去して、均一なポリスルホベタ
イン化ポリエーテルイミド膜を調製した。この膜の水に
対する前進接触角を測定したところ、54±3゜であっ
た。
【0065】
【実施例5】乾燥ポリスルホン中空糸膜(SI-1、公称分
画分子量6000、ポリスルホンの繰り返し単位 -[(p-C
6H4)-S02-(p-C6H4)-O-(p-C6H4)-C(CH3)2-(p-C6H4)-O-]Z
- 旭化成工業製)を100%のエタノール溶液に1時
間浸漬させた。その後、50%エタノール+50%ヘキ
サン溶液中に中空糸を1時間浸漬させた。さらに、10
0%ヘキサン溶液中に中空糸を1時間浸漬させた。上記
処理により、中空糸膜に含有するグリセリンを除去し
た。
【0066】上記ポリスルホン中空糸膜(3m)をクロ
ロメチルメチルエーテル(東京化成工業製、7.72
g)、塩化第2スズ(和光純薬製、25g)、ヘキサン
(和光純薬、228mL )の混合溶液中(上記試薬のモ
ル比は、5:5:90)に浸漬させ、28℃で、6時間
反応させた。このクロロメチル化ポルスルホン中空糸膜
は、赤外吸収スペクトルより760cm-1にCCl結合に
基づく赤外吸収が観察された。また、上記で調製したク
ロロメチル化ポルスルホン中空糸膜を重水素化クロロホ
ルムに溶解させて1H-NMRスペクトルを測定した。1H-NMR
スペクトルよりクロロメチル基のメチレン部位のプロト
ンに基づくピークが4.5ppmに観察された。元素分析よ
り、ポリスルホンの繰り返し構造単位当たり0.43個
のクロロメチル基が導入されていることを確認した。
【0067】次にクロロメチル化ポルスルホン中空糸膜
をエチレンジアミン溶液200mL中に浸漬させ、20分
間穏やかに攪拌しながらエチレンジアミン化反応を行っ
た。エチレンジアミン化ポリスルホン中空糸膜は、赤外
吸収スペクトルより3300cm-1にNH2基に基づく赤
外吸収が観察された。また、1H-NMRスペクトルより4.
5ppmに観察されたクロロメチル基のメチレン部位のプ
ロトンに基づくピークがほぼ消失していた。エチレンジ
アミン化ポリスルホン中空糸膜のイオン交換容量よりポ
リスルホンの繰り返し構造単位当たり0.06個のエチ
レンジアミン基が導入されていることを確認した。
【0068】リン酸二水素カリウム(和光純薬製、特
級)とリン酸水素二ナトリウム(和光純薬製、特級)を
用いて0.02mol/Lのリン酸緩衝液(pH 7.4)を調製し
た。この溶液100mLにエチレンジアミン化ポリスルホ
ン中空糸膜(50cm)を浸漬させて、37℃で5分浸漬
させた。N−スクシンイミジルアクリレート(0.327
g、シグマーアルドリッチ製)を50mLのリン酸緩衝液
(pH 7.4)に溶解させた後、エチレンジアミン化ポリス
ルホン中空糸膜含有水溶液中に添加した。1時間37℃
で攪拌しながら反応させた。反応後、リン酸緩衝液、つ
いで超純水中で得られたアクリロイル化ポリスルホン中
空糸膜を洗浄した。この中空糸膜の1H-NMRスペクトルを
測定したところ、6.1ppmから6.7ppmにビニル基に基
づくプロトンのピークが観察された。このピーク面積よ
り7.2mmol /m(中空糸膜の長さ)の割合でアクリロ
イル基(2重結合基)が中空糸膜中に含有することが定
量された。
【0069】次に、アクリロイル化ポリスルホン中空糸
膜(30cm)をN−ビニルピロリドン(2.16mmol、
和光純薬製)含有0.02 mol/Lのリン酸緩衝液(pH 7.
4)150mL中に浸漬させた。さらに、0.1 mol/Lのペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製、特級)0.
2mLと0.8 mol/LのN,N,N',N'-テトラメチルエチレン
ジアミン0.2 mL加えた後、25℃で3時間反応させ
た。反応後、リン酸緩衝液、ついで超純水中で得られた
ポリビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸膜を洗浄し
た。このポリマーは、赤外吸収スペクトルよりポリビニ
ルピロリドンに起因する1600cm-1にC=O基に基づ
く赤外吸収が観察された。親水性ビニル重合体であるポ
リビニルピロリドンの平均重合度(n)は、100であ
った。このポリビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸
膜の水に対する前進接触角を測定したところ、53±2
°であった。また後退接触角は、26±2°であった。
【0070】
【実施例6】実施例5と同様にして得られたアクリロイ
ル化ポリスルホン中空糸膜(1m)をスルホベタイン
(N,N-dimethyl-N-methacryloxyethyl-N-(3-sulfopropy
l)ammonium betaine、0.94mmol 、ラッシング化学社
製)含有0.02 mol/Lのリン酸緩衝液(pH 7.4)50m
L中に浸漬させた。さらに、0.1 mol/Lのペルオキソ二
硫酸アンモニウム(和光純薬製、特級)0.2mLと0.8
mol/LのN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン0.
2 mL加えた後、25℃で3時間反応させた。反応後、
リン酸緩衝液、ついで超純水中で得られたポリスルホベ
タイン化ポリスルホン中空糸膜を洗浄した。このポリマ
ーは、赤外吸収スペクトルよりポリスルホベタインに起
因する1670cm-1並びに1740cm-1にC=O基に基
づく赤外吸収が観察された。また、両荷電性親水化ビニ
ル重合体であるポリスルホベタインの平均重合度(n)
は、25.6であった。このポリスルホベタイン化ポリ
スルホン中空糸膜の水に対する前進接触角を測定したと
ころ、51±2°であった。また後退接触角は、24±
2°であった。
【0071】
【比較例2】実施例5で用いたポリスルホン中空糸膜、
実施例5で調製したエチレンジアミン化ポリスルホン中
空糸膜の水に対する接触角(前進接触角並びに後退接触
角)を測定した。これらの結果を実施例5のポリビニル
ピロリドン化ポリスルホン中空糸膜、実施例6のポリス
ルホベタイン化ポリスルホン中空糸膜に対する値ととも
に下記表1にまとめた。
【0072】
【表1】 表1の結果から、ポリビニルピロリドンあるいはポリス
ルホベタインで修飾することによって、ポリスルホン中
空糸膜の親水性は顕著に向上していることが分かる。
【0073】
【実施例7】親水化されたポリスルホン中空糸膜が生体
適合性を有しているか検討するために、血小板吸着実験
を行った。血液抗凝固剤であるEDTA・2Naを含有する真
空採血管(ベノジェクトII、テルモ社製、7mL用)を用
いて、上腕の肘静脈(女性30歳)より35mL (5本
分)採血した。採血後、抗凝固剤と血液を静かに振り混
合した。その後、血液をプラスチック製遠沈管(岩城硝
子社製、15mL )に管壁を伝わらせて静かに4本に分
けて注入した。遠心分離器に血液含有遠沈管を設置し
て、1000rpmで10分間遠心させた。分離して出
来た黄色い白濁液(多血小板血漿)をプラスチック製パ
スツールピペットで静かに新しい遠沈管に移した。この
とき、35mLの血液から12mL前後の多血小板血漿を採
取した。
【0074】実施例5で調製したエチレンジアミン化ポ
リスルホン中空糸膜、ポリビニルピロリドン化ポリスル
ホン中空糸膜、実施例6で調整したポリスルホベタイン
化ポリスルホン中空糸膜、および実施例5で用いた未修
飾ポリスルホン中空糸膜を各1cm前後に切断して、24
穴細胞培養プレート(岩城硝子社製)に5本導入した。
上記で調製した多血小板血漿を1穴あたり1mL入れ、3
7℃の恒温槽中で2時間インキュベートした。2時間
後、生理食塩水で各中空糸膜を洗浄し、吸着、粘着した
物質以外の血液成分を除去した。3重量%グルタールア
ルデヒド(関東化学社製、特級)含有生理食塩水水溶液
に2日間冷蔵庫(4℃)で浸漬させ、付着血液成分の固
定化を行った。その後、固定化処理した中空糸膜を生理
食塩水、次に超純水で洗浄後、10時間凍結乾燥した。
乾燥中空糸膜に、金蒸着した後、走査型電子顕微鏡(JS
M-5200, JEOL社製)で吸着した血小板の数および形態を
観察した。その結果を表2、図3、及び図4に示した。
図3は、未修飾ポリスルホン中空糸膜、エチレンジアミ
ン化ポリスルホン中空糸膜、及びポリビニルピロリドン
化ポリスルホン中空糸膜の表面の電子顕微鏡写真で、図
4は、ポリスルホベタイン化ポリスルホン中空糸膜表面
の電子顕微鏡写真である。図3から、未修飾ポリスルホ
ン中空糸膜表面には血小板が凝集付着していることが、
エチレンジアミン化ポリスルホン中空糸膜表面では血小
板が扁平化凝集して偽足を出していることが分かる。一
方、図3のポリビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸
膜と図4のポリスルホベタイン化ポリスルホン中空糸膜
の表面には血小板の付着が見られなかった。
【0075】
【表2】 ポリビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸膜およびポ
リスルホベタイン化ポリスルホン中空糸膜では、血小板
が吸着せず、生体適合性を有していることが明らかとな
った。
【0076】
【実施例8】親水化されたポリスルホン中空糸膜がタン
パク質非吸着性を有しているか検討するために、フィブ
リノーゲン吸着実験を行った。フィブリノーゲン(東京
化成工業製、牛由来、フラクション1)0.015gを
0.15mol/LのNaClを含有する1/15 mole/lの
リン酸緩衝溶液(pH7.4)50mLに溶解させて30
0ppmのフィブリノーゲン水溶液を調製した。このフィ
ブリノーゲン水溶液各1mLを24穴細胞培養プレート
(岩城硝子社製)中に導入して37℃に保温した。実施
例5で調製したエチレンジアミン化ポリスルホン中空糸
膜、ポリビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸膜、実
施例6で調整したポリスルホベタイン化ポリスルホン中
空糸膜、および実施例5で用いた未修飾ポリスルホン中
空糸膜を各1cm前後に切断して、フィブリノーゲン水溶
液含有24穴細胞培養プレート(岩城硝子社製)中に5
本づつ導入した。1時間37℃で保温した後、各中空糸
膜を1/15 mol/Lのリン酸緩衝溶液(pH7.0)で
十分に洗浄を行なった。その後、1%の硫酸ドデシルナ
トリウム水溶液1mL中に各中空糸膜を各々浸漬させて、
25℃で1時間震盪させた。震盪後、各々のタンパク質
脱着水溶液100μlとマイクロBCAタンパク質定量
キットの溶液(MR、Pierce社製)100μlを98穴
プレート内に導入して2時間37℃で保温した。その後
98穴プレートを室温に戻した後に、570nmでの吸
光度をマイクロプレートリーダーで測定して、あらかじ
め作成しておいた検量線より各中空糸膜に吸着されたフ
ィブリノーゲン吸着量を測定した。その結果を下記表3
に示す。ポリビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸膜
およびポリスルホベタイン化ポリスルホン中空糸膜は、
フィブリノーゲンの吸着量が少なくタンパク質非吸着の
特性を有していることが明らかとなった。
【0077】
【実施例9】親水化されたポリスルホン中空糸膜がタン
パク質非吸着性を有しているか検討するために、血漿タ
ンパク質吸着実験を行った。実施例7と同様にして人の
血液を採取した後、遠心分離器に血液含有遠沈管を設置
して、2800rpmで15分間遠心させた。分離して
得られた黄色い白濁液(貧血小板血漿)をプラスチック
製パスツールピペットで静かに新しい遠沈管に移した。
このとき、35mLの血液から12mL前後の貧血小板血漿
を採取した。分離した貧血小板血漿を0.15mol/Lのリ
ン酸緩衝溶液で2倍に希釈した。フィブリノーゲン水溶
液の替わりにこの貧血小板血漿溶液を用いた以外は、実
施例8と同様にして血漿タンパク質吸着実験を行なっ
た。その結果を表3中に記載した。ポリビニルピロリド
ン化ポリスルホン中空糸膜およびポリスルホベタイン化
ポリスルホン中空糸膜は、血漿タンパク質の吸着量が少
なくタンパク質非吸着の特性を有していることが明らか
となった。
【0078】
【表3】
【0079】
【実施例10】N−ビニルピロリドンの代わりに、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(2.16mmol 、アル
ドリッチ社製)を使用した以外は、実施例5と同様にし
て調製して、ポリヒドロキシエチルメタクリレート化ポ
リスルホン中空糸膜を調製した。このポリヒドロキシエ
チルメタクリレート化ポリスルホン中空糸膜の水に対す
る接触角(前進角)を測定したところ、55±2°であ
った。また後退角は、26±2°であり、未修飾ポリス
ルホン中空糸膜より親水化されていた(表1参照)。
【0080】
【実施例11】N−ビニルピロリドンの代わりに、N,N-
ジメチルアクリルアミド(2.16mmol 、アルドリッチ
社製)を使用した以外は、実施例5と同様にして調製し
て、ポリアクリルアミド化ポリスルホン中空糸膜を調製
した。このポリアクリルアミド化ポリスルホン中空糸膜
の水に対する接触角(前進角)を測定したところ、56
±2°であった。また後退角は、28±2°であり、未
修飾ポリスルホン中空糸膜より親水化されていた(表1
参照)。
【0081】
【実施例12】ポリエチレンテレフタレート製不織布
(繊維径1.2μm、目付40g/m2)を用いた以外は実
施例5と同様にして、ポリビニルピロリドン化ポリエス
テル製不織布を調製した。ポリビニルピロリドンの平均
重合度(n)は68であった。実施例7と同様にして血
小板吸着実験を行った。その結果、吸着された血小板
は、電子顕微鏡測定からは観察されなかった。
【0082】
【実施例13】N−ビニルピロリドンの代わりに、2-me
thacryloxyethyl phosphorylcholine(2.16mmol 、
日本油脂社製)を使用した以外は、実施例5と同様にし
て調製して、ポリMPC化ポリスルホン中空糸膜を調製
した。このポリMPC化ポリスルホン中空糸膜の水に対
する接触角(前進角)を測定したところ、57±2°で
あった。また後退角は、28±2°であり、未修飾ポリ
スルホン中空糸膜より親水化されていた(表1参照)。
【0083】
【発明の効果】本発明の効果を列挙すれば、以下のとお
りである。 1)本発明の親水化された芳香族高分子は、生体適合性
を有し、且つタンパク質非吸着性であり、良好な機械的
強度を有するものである。 2)したがって、本発明の親水化された芳香族高分子
は、選択透過膜並びにカテーテルなどの医療用あるいは
食品工業において好適に用いることができる。 3)本発明によれば、生体適合性を有する親水化された
芳香族高分子膜が手軽に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造したポリビニルピロリドン化ポ
リスルホンの赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例2で製造したポリスルホベタイン化ポリ
スルホンの赤外線吸収スペクトルを示す。
【図3】血小板吸着実験による、未修飾ポリスルホン中
空糸膜、エチレンジアミン化ポリスルホン中空糸膜、ポ
リビニルピロリドン化ポリスルホン中空糸膜の表面の電
子顕微鏡写真を示す。
【図4】血小板吸着実験によるポリスルホベタイン化ポ
リスルホン中空糸膜表面の電子顕微鏡写真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/64 B01D 71/64 71/68 71/68 C08F 283/00 C08F 283/00 283/02 283/02 283/04 283/04 D04H 1/42 D04H 1/42 Q // A61M 1/16 500 A61M 1/16 500 1/18 500 1/18 500 B01D 61/02 B01D 61/02 61/14 61/14 500 500 61/24 61/24 Fターム(参考) 4C077 AA05 AA06 BB01 BB02 EE01 EE03 KK01 KK10 NN03 PP07 PP08 PP14 PP15 4C081 AC08 BA03 CA23 CA28 CC03 DA03 4D006 GA03 GA06 GA07 GA13 MA01 MA03 MB05 MB09 MB14 MB20 MC47 MC48 MC49 MC54 MC59X MC61 MC62X MC88 NA54 NA59 PA01 PB09 PB42 PC47 4J026 AB07 AB08 AB17 AB22 AB26 AB28 AB29 AB30 AB33 AB34 AB40 AB41 AC22 AC26 BA29 BA30 BA32 BA40 BB01 BB09 CA02 CA04 CA06 DB14 DB16 GA01 GA02 4L047 AA22 AA26 AB10 CB01 CB10 CC03 CC12

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
    する高分子中の芳香環の少なくとも一部に親水性ビニル
    重合体部位を含む側鎖が共有結合しており、該親水性ビ
    ニル重合体部位のトータルの荷電量がゼロであることを
    特徴とする親水化された芳香族高分子。
  2. 【請求項2】 親水性ビニル重合体部位が、式(I)で
    示されるユニットを少なくとも含み、重合度が1〜3,
    000であることを特徴とする請求項1記載の親水化さ
    れた芳香族高分子。 −[CH(R1)−C(R2)(R3)]− (I) (但し、式中、R1は水素原子、または、炭素数1〜5の
    分枝あるいは分枝していないアルキル基を示し、R2は水
    素原子、または、炭素数1〜5の分枝あるいは分枝して
    いないアルキル基あるいはハロゲン化アルキル基を示
    し、R3はカルボニル基、エステル基、エーテル基、アミ
    ド基、水酸基または両荷電性基を含む分子量500以下
    の置換基を表わす。)
  3. 【請求項3】 親水性ビニル重合体部位が以下の式(I
    I)で示されるユニットを少なくとも含み、重合度が1
    〜3,000であることを特徴とする請求項1記載の親
    水化された芳香族高分子。 【化1】 (但し、式中、pは3〜5の整数を表わす。)
  4. 【請求項4】 親水性ビニル重合体部位が以下の式(II
    I)で示されるユニットを少なくとも含み、重合度が1
    〜3,000であることを特徴とする請求項1記載の親
    水化された芳香族高分子。 −[CH2−C(R4)(R5)]− (III) (但し、式中R4は水素原子または、分枝あるいは分枝し
    ていない炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン化ア
    ルキル基を示し、R5は-COO-R6-OH基を示し、R6は分枝あ
    るいは分枝していない炭素数1〜5のアルキレン基また
    はハロゲン化アルキレン基を表わす。)
  5. 【請求項5】 親水性ビニル重合体部位が以下の式(I
    V)で示されるユニットを少なくとも含み、重合度が1
    〜3,000であることを特徴とする請求項1記載の親
    水化された芳香族高分子。 −[CH2−C(R7)(CON(R8)R9)]− (IV) (但し、式中R7は水素原子または、分枝あるいは分枝し
    ていない炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン化ア
    ルキル基を示し、R8は水素原子または、-(CH2)xR 10基を
    示し、R9は-(CH2)yR11基を示し、R10は水素原子または
    水酸基を示し、R11は水素原子または水酸基を示し、R8
    またはR9におけるアルキレン基はハロゲン原子で置換
    していてもよく、x及びyは1〜5の整数を表わす。)
  6. 【請求項6】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
    する高分子が芳香族ポリスルホンであることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の親水化された芳香族
    高分子。
  7. 【請求項7】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
    する高分子がポリエーテルイミドである請求項1〜5の
    いずれかに記載の親水化された芳香族高分子。
  8. 【請求項8】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
    する高分子が芳香族ポリエステルであることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の親水化された芳香族
    高分子。
  9. 【請求項9】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
    する高分子の分子量が50,000〜2,000,00
    0であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の親水化された芳香族高分子。
  10. 【請求項10】 高分子主鎖の繰り返し単位に芳香環を有
    する高分子の芳香環に−NH2基あるいは−NH基を導
    入し、次いでN−スクシンイミジルアクリレートを反応
    させて側鎖に二重結合を導入し、その後、その二重結合
    に親水性ビニルモノマーを重合させることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の親水化された芳香族高
    分子の製造方法。
  11. 【請求項11】 高分子の形態が膜、中空糸、あるいは不
    織布である請求項1〜9のいずれかに記載の親水化され
    た芳香族高分子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれかに記載の親水化
    された芳香族高分子からなる選択透過膜。
  13. 【請求項13】 請求項1〜9のいずれかに記載の親水化
    された芳香族高分子からなるカテーテル。
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