JPH08179522A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH08179522A
JPH08179522A JP31730294A JP31730294A JPH08179522A JP H08179522 A JPH08179522 A JP H08179522A JP 31730294 A JP31730294 A JP 31730294A JP 31730294 A JP31730294 A JP 31730294A JP H08179522 A JPH08179522 A JP H08179522A
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Yasuaki Horikawa
靖明 堀川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶化やゲル化を起こしにくく、機械的強度
及び耐摩耗性に優れるポリカーボネート系グラフト共重
合体を感光層中のバインダー樹脂として用いることによ
り、電子写真感光体の作製時において塗工液が白化(ゲ
ル化)したりすることがなく、導電性基板と感光層の接
着性及び感光体表面の耐摩耗性が向上し、電子写真感光
体の長寿命化が図れるとともに、繰り返し長時間使用し
ても優れた電子写真特性を維持する電子写真感光体を提
供する。 【構成】 導電性基体上に電荷発生物質、電荷輸送物質
及びバインダー樹脂を含有する感光層を設けた電子写真
感光体において、感光層がバインダー樹脂として、アリ
ル基含有ポリカーボネート又は無水マレイン酸変性ポリ
カーボネートを原料として得られるポリカーボネート系
グラフト共重合体を用いた電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、より詳しくは、長時間にわたる繰り返し使用に対し
て優れた機械的強度及び電子写真特性を維持し、種々の
電子写真分野に好適に利用できる電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近の電子写真分野においては、積層型
の電子写真感光体、即ち、感光層が、露光により電荷を
発生させる電荷発生層(CGL)と電荷を輸送する電荷
輸送層(CTL)との少なくとも2層を有する積層型の
有機電子写真感光体(OPC)や、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送物質をバインダー樹脂に分散させた単一
層からなる単層型の電子写真感光体が提案され利用され
ている。
【0003】一方、電子写真感光体には、適応される電
子写真プロセスに応じた所定の感度、電気特性、光学特
性を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用
される感光体には、その感光体の表面層、即ち基体(通
常は導電性基板)より最も離れて位置する層には、コロ
ナ帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理等
の際に、電気的、機械的外力が直接に加えられるため、
それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摩擦
による表面の摩耗や傷の発生、高温下においてのコロナ
帯電時に発生するオゾンによる表面の劣化などに対する
耐久性が要求される。そこで、このような要求に対応す
るために、上記積層型の電子写真感光体の電荷輸送層や
単層型電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂として
は、電荷輸送物質との相溶性がよく、しかも機械強度が
高いビスフェノールAあるいはビスフェノールZを原料
とするポリカーボネート樹脂が広く利用されてきた。し
かしながら、このビスフェノールAやビスフェノールZ
を原料とするポリカーボネート樹脂をもってしても上記
要求を満足させるには不十分である。
【0004】すなわち、ビスフェノールAやビスフェノ
ールZを原料とするポリカーボネート樹脂は、溶媒に溶
解させて感光層を形成するための塗工液を調製する際
に、塗工液が白化又はゲル化し、塗工、乾燥後の感光層
が結晶化を起こすことがある。この結晶化を起こした部
分では、光減衰がなく、電荷は残留電位となって残り、
画質上ディフェクトとなって出現する。
【0005】また、ビスフェノールAやビスフェノール
Zを原料とするポリカーボネート樹脂を用いた感光体は
その表面硬度不足から、摩耗や傷の発生が起こり耐久性
に劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
基づいてなされたものであり、バインダー樹脂としてビ
スフェノールAやビスフェノールZを原料とするポリカ
ーボネートを用いた電子写真感光体に認められる上記の
問題点を解決し、電荷輸送物質との相溶性が良い上に、
溶媒に溶解しても白化又はゲル化を起こさず、かつ、高
い表面硬度及び耐摩耗性を有するポリカーボネートを用
いて作製される長期間に亘って優れた電子写真特性を維
持する電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アリル基含有ポリ
カーボネート又は無水マレイン酸変性ポリカーボネート
を幹ポリマーとして合成されるポリカーボネート系グラ
フト共重合体をバインダー樹脂として用いた場合、感光
体の作製時に塗工液が白化又はゲル化したりすることが
なく、しかも長期使用期間に亘って優れた電子写真特性
及び耐久性を維持することを見出し、これら知見に基づ
き、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、導電性基体上に電荷
発生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する
感光層を設けた電子写真感光体において、感光層がバイ
ンダー樹脂として、アリル基含有ポリカーボネート又は
無水マレイン酸変性ポリカーボネートを原料として得ら
れるポリカーボネート系グラフト共重合体を用いること
を特徴とする電子写真感光体を提供するものである。
【0009】[1]ポリカーボネート系グラフト共重合
体 本発明の電子写真感光体においてバインダー樹脂として
用いられるポリカーボネート系グラフト共重合体は、通
常、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶
液の20℃における還元粘度が0.1〜20dl/gで
あることが好ましい。この還元粘度が0.1dl/g未
満であると、表面硬度不足のため、電子写真感光体表面
が摩耗しやすくなり、一方、この還元粘度が20dl/
gを超えると、ポリカーボネート系グラフト共重合体の
溶液粘度が上昇し、塗工液の塗布による感光体の製造が
困難になったりすることがある。更に好ましくは、0.
2〜5dl/gである。
【0010】このポリカーボネート系グラフト共重合体
は、アリル基含有ポリカーボネート又は無水マレイン酸
変性ポリカーボネートを幹ポリマーとして合成されるも
のである。以下に、その合成法について説明する。
【0011】[1−1] アリル基含有ポリカーボネー
トの合成 ポリカーボネート系グラフト共重合体合成の際に幹ポリ
マーとして用いられるアリル基含有ポリカーボネートの
重合度としては、通常、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.
1〜20dl/gであることが好ましい。この還元粘度
が0.1dl/g未満であると、ポリカーボネート系グ
ラフト共重合体の機械的強度、表面強度が不十分なもの
となることがあり、一方、この還元粘度が20dl/g
を超えると、アリル基含有ポリカーボネートやポリカー
ボネート系グラフト共重合体の溶液粘度が上昇し、それ
らの製造自体が困難になったり、又はポリカーボネート
系グラフト共重合体の塗工液の塗布による感光体の製造
が困難になったりすることがある。更に好ましくは、
0.2〜5dl/gである。
【0012】上記アリル基含有ポリカーボネートとして
は、直鎖状、環状のいずれであってもよく、さらに、合
成時に末端停止剤や分岐剤等を用いることにより、ポリ
マー末端に特殊な末端構造や特殊な分岐構造が導入され
ているものであってもよい。
【0013】上記アリル基含有ポリカーボネートは、例
えば、アリル基を有する二価フェノール又はアリル基を
有する二価フェノール及びアリル基を持たない二価フェ
ノールに、炭酸エステル形成性化合物を反応させること
により合成することができる。合成方式としては例え
ば、炭酸エステル形成性化合物としてホスゲン等を用
い、適当な酸結合剤の存在下に上記二価フェノール類と
重縮合させるか、あるいは炭酸エステル形成性化合物と
してビスアリールカーボネートを用い、エステル交換反
応を行う方式が挙げられる。
【0014】アリル基を有する二価フェノールとして
は、例えば、下記一般式(I)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、W1は単結合、−O−、−CO
−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR5051
(R50及びR51は各々独立に、水素原子、トリフルオロ
メチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜1
2の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素
数5〜11の1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数
2〜12のα,ω−アルキレン基である。)で表される
ものが挙げられる。
【0017】一般式(I)で表されるアリル基を有する
二価フェノールの具体例としては、例えば、3,3′−
ジアリル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビ
ス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
1,1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)
−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(3−アリ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルメタン、ビス(3−アリル−4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(3−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,
1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロ
キシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0018】中でも好適に用いられるアリル基を含有す
る二価フェノールは、上記のアリル基を含有する二価フ
ェノール(I)のうち、W1が単結合、メチレン基、ジ
メチルメチレン基又はシクロヘキシリデン基であるもの
であり、例えば、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、2,2−ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げ
られる。特に2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンが好適に用いられる。
【0019】これらのアリル基を有する二価フェノール
は、1種単独に用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0020】上記のアリル基含有ポリカーボネートの合
成に際しては、二価フェノール類として上記のアリル基
を有する二価フェノールのみを用いてもよいが、アリル
基を持たない他の二価フェノールを共重合二価フェノー
ルとして用いてもよい。そのような他の二価フェノール
としては特に制限はないが、通常は、下記一般式(I
I)
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R52及びR53は各々独立にハロゲ
ン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシ
クロアルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換
のアリール基を表し、W2は単結合、−O−、−CO
−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR5455
(R54及びR55は各々独立に、水素原子、トリフルオロ
メチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜1
2の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素
数5〜11の1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数
2〜12のα,ω−アルキレン基を表し、A及びBは各
々独立に0〜4の整数を表す。)で表されるものが好適
に用いられる。
【0023】一般式(II)で表される二価フェノール
(II)の具体例としては、例えば、4,4′−ジヒド
ロキシビフェニル、3,3′−ジフルオロ−4,4′−
ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキ
シ−2,2′−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒド
ロキシ−3,3′−ジシクロヘキシルビフェニル等の
4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニル
メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2
−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−
ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2
−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert−
ペンチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオ
ロビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジクロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラ
クロロビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テ
トラブロモビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ブ
ロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,
1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の
ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−フルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル類;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド等のビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン等のビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン類;4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン等が挙げられる。
【0024】中でも好適に用いられるアリル基を持たな
い二価フェノールは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニ
ルフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシビフェ
ニル及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンであ
り、特に2,2ービス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンが好適に用いられる。
【0025】これらのアリル基を持たない二価フェノー
ル類は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0026】上記の一般式(I)で表されるアリル基を
有する二価フェノール(I)とアリル基を持たない二価
フェノールとを併用する場合、アリル基を有する二価フ
ェノール(I)を、アリル基を有する二価フェノール
(I)とアリル基を持たない二価フェノールとの合計モ
ルに対し、通常、1〜50モル%、好ましくは1〜30
モル%使用することが好ましい。アリル基を有する二価
フェノール(I)の量が1モル%未満であると、ポリカ
ーボネート系グラフト共重合体合成の際の枝ポリマーの
導入が不十分となり、本発明の効果が得られず、耐刷寿
命の向上の達成が不可能となることがある。一方、アリ
ル基を有する二価フェノール(I)の割合が50モル%
を超えると、ポリカーボネート系グラフト共重合体の塗
工液調製時の溶剤に対する溶解性や溶液の安定性が低下
することがある。
【0027】また、原料としての上記アリル基を有する
二価フェノール及びアリル基を持たない二価フェノール
以外にも、必要に応じ、分岐剤、末端停止剤を用いても
よい。
【0028】分岐剤としては、3価以上のフェノール又
はカルボン酸を用いることができる。
【0029】分岐剤の例としては、フロログリシン、ピ
ロガロール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、2,4−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、1,3,
5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキシル)プロパン、2,4−ビス{2−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル}フェノー
ル、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロ
パン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
テトラキス(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピ
ル)フェノキシ)メタン、1,4−ビス(4′、4″−
ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、2,4−
ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸、
3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、3,3−
ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5
−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブ
ロモイサチン等が挙げられる。
【0030】この中で好ましく用いられるのは、フロロ
グリシン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン等である。
【0031】末端停止剤としては、一価のカルボン酸及
びその誘導体、一価のフェノールを用いることができ
る。
【0032】具体的な例としては、フェノール、α−ナ
フトール、β−ナフトール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,
4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キ
シレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、p−エチルフェノール,p−プロピルフェノー
ル、p−ブチルフェノール、p−ぺンチルフェノール、
p−ヘキシルフェノール、p−ヘプチルフェノール、p
−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−デ
シルフェノール、p−ウンデシルフェノール、p−ドデ
シルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−t
ert−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−p−t
ert−ブチルフェノール、2−tert−ペンチル−
4−メチルフェノール、3−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール、2−メチル−4,6−ジ−tert−
ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール、4−tert−ペンチルフェノール、2,
4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、p−フェ
ニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
フェニルフェノール、2,6−ジ−sec−ブチル−4
−メチルフェノール、o−アニソール、m−アニソー
ル、p−アニソール、o−クロロフェノール、m−クロ
ロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェ
ノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノー
ル、p−エトキシフェノール、o−アミノフェノール、
m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−シ
アノフェノール、p−ニトロフェノール、3−メチル−
6−イソプロピルフェノール、2−メチル−5−イソプ
ロピルフェノール、パーフルオロブタン酸、パーフルオ
ロぺンタン酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロ
ヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノ
ナン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロウンデカ
ン酸、パーフルオロドデカン酸、パーフルオロトリデカ
ン酸、パーフルオロテトラデカン酸、パーフルオロぺン
タデカン酸、パーフルオロヘキサデカン酸、パーフルオ
ロオクタデカン酸、2H,2H−パーフルオぺンタン
酸、2H,2H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2H
−パーフルオロヘプタン酸、2H,2H−パーフルオロ
オクタン酸、2H,2H−パーフルオロノナン酸、2
H,2H−パーフルオロデカン酸、2H,2H−パーフ
ルオロウンデカン酸、2H,2H−パーフルオロドデカ
ン酸、2H,2H−パーフルオロトリデカン酸、2H,
2H,3H,3H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2
H,3H,3H−パーフルオロヘプタン酸、2H,2
H,3H,3H−パーフルオロオクタン酸、2H,2
H,3H,3H−パーフルオロノナン酸、2H,2H,
3H,3H−パーフルオロデカン酸、2H,2H,5H
−パーフルオペンタン酸、2H,2H,6H−パーフル
オロヘキサン酸、2H,2H,7H−パーフルオロヘプ
タン酸、2H,2H,8H−パーフルオロオクタン酸、
2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸、2H,2
H,10H−パーフルオロデカン酸、2H,2H,11
H−パーフルオロウンデカン酸、2H,2H,12H−
パーフルオロドデカン酸、2H,2H,13H−パーフ
ルオロウンデカン酸、又はこれらの酸ハロゲン化物、p
−(パーフルオロペンチル)フェノール、p−(パーフ
ルオロヘキシル)フェノール、p−(パーフルオロヘプ
チル)フェノール、p−(パーフルオロオクチル)フェ
ノール、p−(パーフルオロノニル)フェノール、p−
(パーフルオロデシル)フェノール、p−(パーフルオ
ロウンデシル)フェノール、p−(パーフルオロドデシ
ル)フェノール、p−(パーフルオロトリデシル)フェ
ノール、p−(パーフルオロテトラデシル)フェノー
ル、p−(パーフルオロペンタデシル)フェノール、p
−(パーフルオロブチルオキシ)フェノール、p−(パ
ーフルオロペンチルオキシ)フェノール、p−(パーフ
ルオロヘキシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオ
ロヘプチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロオ
クチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロノニル
オキシ)フェノール、p−(パーフルオロデシルオキ
シ)フェノール、p−(パーフルオロウンデシルオキ
シ)フェノール、p−(パーフルオロドデシルオキシ)
フェノール、p−(パーフルオロトリデシルオキシ)フ
ェノール、p−(パーフルオロテトラデシルオキシ)フ
ェノール、p−(パーフルオロペンタデシルオキシ)フ
ェノール、4−パーフルオロオクチル−2,3,5,6
−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロノニル
−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パ
ーフルオロデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフ
ェノール、4−パーフルオロウンデシル−2,3,5,
6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロドデ
シル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4
−パーフルオロトリデシル−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェノール、4−パーフルオロテトラデシル−
2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パー
フルオロペンタデシル−2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェ
ノール、3−メチル−4−パーフルオロノニルフェノー
ル、p−(2−(1H,1H−パーフルオロオクチルオ
キシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2
−プロピル)フェノール、p−(2−(1H,1H−パ
ーフルオロノニルオキシ)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2
−(1H,1H−パーフルオロデシルオキシ)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)
フェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロウ
ンデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2−(1
H,1H−パーフルオロドデシルオキシ)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェ
ノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカ
ルボニル)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオ
ロペンチルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パ
ーフルオロヘキシルオキシ)フェノール、p−(1H,
1H−パーフルオロヘプチルオキシ)フェノール、p−
(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノー
ル、p−(1H,1H−パーフルオロノニルオキシ)フ
ェノール、p−(1H,1H−パーフルオロデシルオキ
シ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロウン
デシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフ
ルオロドデシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H
−パーフルオロトリデシルオキシ)フェノール、p−ヒ
ドロキシ安息香酸パーフルオロペンチル、p−ヒドロキ
シ安息香酸パーフルオロヘキシル、p−ヒドロキシ安息
香酸パーフルオロヘプチル、p−ヒドロキシ安息香酸パ
ーフルオロオクチル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフル
オロノニル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロデシ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロウンデシル、
p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、(p−
ヒドロキシベンジル)パーフルオロヘキサン、(p−ヒ
ドロキシベンジル)パーフルオロヘプタン、(p−ヒド
ロキシベンジル)パーフルオロオクタン、(p−ヒドロ
キシベンジル)パーフルオロノナン、(p−ヒドロキシ
ベンジル)パーフルオロデカン、(p−ヒドロキシベン
ジル)パーフルオロウンデカン、(p−ヒドロキシベン
ジル)パーフルオロドデカン等が挙げられる。
【0033】この中で好ましく用いられるのは、p−
(tert−ブチル)フェノール、p−フェニルフェノ
ール、p−(パーフロオロノニルフェニル)フェノー
ル、p−(パーフルオロキシルフェニル)フェノール、
p−tert−パーフルオロブチルフェノール、1−
(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、p−
(2−(1H,1H−パーフルオロトリデシルオキシ)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)
フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキ
シカルボニル)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パ
ーフルオロドデシル、p−(1H,1H−パーフルオロ
オクチルオキシ)フェノール、2H,2H,9H−パー
フルオロノナン酸等が挙げられる。
【0034】末端停止剤及び分岐剤は、上記の二価フェ
ノールに共存させて使用するがその方法としては、アリ
ル基を有する二価フェノール及びアリル基を持たない二
価フェノールと最初から共存させて反応を行い高分子量
化する方法、アリル基を有する二価フェノール又はアリ
ル基を持たない二価フェノールからなるオリゴマーを作
った後、高分子量化する際に両方とも共存させ高分子量
化する方法、アリル基を有する二価フェノール又はアリ
ル基を持たない二価フェノールからなるオリゴマーを作
った後、先にオリゴマーに末端停止剤を共存させてオリ
ゴマーと反応させ、次に分岐剤を共存させ高分子量化す
る方法、アリル基を有する二価フェノール又はアリル基
を持たない二価フェノールからなるオリゴマーを作った
後、先にオリゴマーに分岐剤を共存させてオリゴマーと
反応させ、次に末端停止剤を共存させ高分子量化する方
法等、各種の方法を採用することができる。
【0035】炭酸エステル形成性化合物として前記ホス
ゲンをはじめとする各種のジハロゲン化カルボニル、ク
ロロホルメート等のハロホルメート類、炭酸エステル化
合物などを用い、酸結合剤の存在下に重縮合を行う反応
は、通常、溶媒中で行われる。ホスゲン等のガス状の炭
酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系
に吹き込む方法が好適に採用できる。
【0036】炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、
反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよ
い。
【0037】前記酸結合剤としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、
ピリジン等の有機塩基或いはこれらの混合物などが用い
られる。
【0038】酸結合剤の使用割合も、反応の化学量論比
(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使
用するアリル基を有する二価フェノールとアリル基を持
たない二価フェノールの合計モル数(通常1モルは2当
量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量、好
ましくは2〜10当量の酸結合剤を用いることが好まし
い。
【0039】前記溶媒としては、公知のポリカーボネー
トの製造に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独で
或いは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例とし
ては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンをはじめ
とするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。互い
に混ざり合わない2種の溶媒を用いて界面重縮合反応を
行ってもよい。
【0040】また、重縮合反応を促進するために、トリ
エチルアミン等の第三級アミン又は第四級アンモニウム
塩などの触媒を添加して反応を行うことが望ましい。ま
た、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファ
イドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。反応は、
通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温
度で行われる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれ
でも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧
程度で好適に行い得る。反応時間は、反応温度等によっ
て左右されるが、通常0.5分間〜10時間、好ましく
は1分間〜2時間程度である。
【0041】また、まずアリル基を有する二価フェノー
ル及びアリル基を持たない二価フェノールからなる反応
原料の一部と炭酸エステル形成性物質とを反応させてオ
リゴマーを生成せしめ、次いで残りの反応原料を添加し
て重縮合を完結させる2段階法を用いることもできる。
このような2段階法によれば、反応の制御が容易であ
り、精度の高い分子量コントロールを行うことができ
る。
【0042】後者のアリル基を有する二価フェノール及
びアリル基を持たない二価フェノールとビスアリールカ
ーボネートとのエステル交換法に用いられるビスアリー
ルカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネ
ート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−ト
リルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
【0043】このエステル交換法の反応形式としては、
溶融重縮合法、固相重縮合法などが好適である。溶融重
縮合法を行う場合は、アリル基を有する二価フェノール
及びアリル基を持たないビスアリールカーボネートとを
混合し、減圧下で高温において溶融状態で反応させる。
反応は、通常150〜350℃、好ましくは200〜3
00℃の範囲の温度において行われる。固相重縮合法を
行う場合は、アリル基を有する二価フェノール、アリル
基を持たない二価フェノール及びビスアリールカボネー
トを混合し、固相状態のまま、生成ポリカーボネートの
融点以下の温度に加熱して重縮合を行う。いずれの場合
においても、反応の最終段階で減圧度を好ましくは1m
mHg以下にして、エステル交換反応により生成した上
記ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類
を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度など
によって左右されるが、通常1〜4時間程度である。反
応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましく、また、所望に応じて前記の分子量調節剤
や酸化防止剤などを添加して反応を行ってもよい。
【0044】得られるアリル基含有ポリカーボネートの
還元粘度を前記の範囲にするには、例えば、前記反応条
件の選択、前記分岐剤や末端停止剤の使用量の調節な
ど、各種の方法によってなすことができる。また、場合
により、得られたアリル基含有ポリカーボネートに適宜
物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理
(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施し
て、所定の還元粘度のアリル基含有ポリカーボネートと
して取得することもできる。
【0045】[1−2] 無水マレイン酸変性ポリカー
ボネートの合成無水マレイン酸変性ポリカーボネートと
しては、ポリカーボネート構造中に無水マレイン酸に由
来する構造が導入されているポリカーボネートであれ
ば、特に制限なく使用することができる。
【0046】本発明において好適に用いられる無水マレ
イン酸変性ポリカーボネートとしては、例えば、上記の
アリル基含有ポリカーボネートと無水マレイン酸とをラ
ジカル開始剤の存在下、加熱反応させて合成したものが
挙げられる。
【0047】無水マレイン酸の使用量は、アリル基含有
ポリカーボネート中のアリル基1モルに対し、通常、1
〜100モル、好ましくは1〜50モルとすることが望
ましい。
【0048】ラジカル開始剤としては、例えば、過酸化
ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸
化ジクミル等の過酸化物系ラジカル開始剤や、アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ化合物系のラジカル開始剤
が好適に用いられる。
【0049】ラジカル開始剤の使用量としては、無水マ
レイン酸1モルに対し、0.01〜2モル、好ましくは
0.01〜1モルとすることが好ましい。
【0050】アリル基含有ポリカーボネートと無水マレ
イン酸との反応は、溶液状態又は溶融状態で好適に行わ
れるが、通常は溶液状態で行うことが好ましい。反応を
溶液状態で反応させる場合、溶媒としては、ポリカーボ
ネートを溶解しやすい溶媒を用いることが好ましく、例
えば、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチ
レン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素溶媒、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等
のケトン溶媒などが好適に用いられる。
【0051】反応は、通常、20〜100℃、好ましく
は40〜80℃の範囲の温度で行われる。反応圧力は、
減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常、常
圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応時
間は、反応温度等によって左右されるが、通常、0.5
〜8時間、好ましくは0.5〜5時間程度である。
【0052】なお、反応終了後、分別沈殿法や溶媒抽出
法などにより、生成物から未反応の無水マレイン酸や無
水マレイン酸のホモポリマーなどを除去することが好ま
しい。
【0053】[1−3] アリル基含有ポリカーボネー
トからのポリカーボネート系グラフト共重合体の合成 アリル基含有ポリカーボネート、例えば、上記[1−
1]の合成法によって得られるアリル基含有ポリカーボ
ネートの存在下、ラジカル重合性モノマーを重合(グラ
フト重合)させることにより、ポリカーボネート系グラ
フト共重合体を得ることができる。
【0054】上記ラジカル重合性モノマーとしては、ビ
ニル化合物をはじめとする各種の置換エチレン誘導体が
使用可能であるが、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン等のスチレン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、1,1,1−トリ
フロロメチルメタクリレート、2,2,2−トリフロロ
エチルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル
類、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ア
クリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸、メタ
クリル酸誘導体、ビニルナフタレン類、ビニルメチルケ
トン等のビニルケトン類、N−ビニルピロリドン等のN
−ビニル化合物類が好適に用いられる。中でも、スチレ
ン、メタクリル酸メチル、2,2,2−テトラフロロエ
チルメタクリレート等が好適に用いられる。
【0055】これらのラジカル重合性モノマーは1種単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0056】ラジカル重合性モノマーの使用量として
は、アリル基含有ポリカーボネート中のアリル基1モル
に対し、通常、1〜1000モル、好ましくは10〜5
00モル使用することが好適である。ラジカル重合性モ
ノマーの使用量が1モル未満であると、アリル基含有ポ
リカーボネートのグラフト化が不十分となることがあ
り、一方、1000モルを超えると、ラジカル重合性モ
ノマーのホモポリマーが多量に生成してしまい、ポリカ
ーボネート系グラフト共重合体の機械的強度が損なわれ
ることがある。
【0057】このグラフト重合にはラジカル開始剤が用
いられ、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、
過酸化ラウロイル、過酸化ジクミル等の過酸化物系ラジ
カル開始剤や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化
合物系のラジカル開始剤が好適に用いられる。
【0058】ラジカル開始剤の使用量としては、ラジカ
ル重合性モノマーの使用量に対し、0.01〜50重量
%、好ましくは0.01〜10重量%とすることが好ま
しい。
【0059】このアリル基含有ポリカーボネートとラジ
カル重合性モノマーとのグラフト重合は、通常、溶液状
態で好適に行われ、溶媒としては、ポリカーボネートを
溶解しやすい溶媒を用いることが好ましく、例えば、ト
ルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、ク
ロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶
媒、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、テトラヒドロフ
ラン等の環状オキシ化合物などが好適に用いられる。
【0060】反応は、通常、20〜100℃、好ましく
は40〜80℃の範囲の温度で行われる。反応圧力は、
減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常、常
圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応時
間は、反応温度等によって左右されるが、通常、0.5
〜8時間、好ましくは0.5〜5時間程度である。
【0061】なお、反応終了後、分別沈殿法や溶媒抽出
法などにより、生成物から未反応のラジカル重合性モノ
マーや、ラジカル重合性モノマーのホモポリマーなどを
除去することが好ましい。
【0062】[1−4] 無水マレイン酸変性ポリカー
ボネートからのポリカーボネート系グラフト共重合体の
合成 無水マレイン酸変性ポリカーボネート、例えば、上記
[1−2]の合成法によって得られる無水マレイン酸変
性ポリカーボネートに、酸無水物と反応可能な官能基を
有する化合物を反応させることにより、ポリカーボネー
ト系グラフト共重合体を得ることができる。
【0063】酸無水物と反応可能な官能基を有する化合
物としては、例えば重合鎖の末端にアミノ基を有するポ
リマーが好適に用いられる。例えば、末端アミノ化ポリ
シロキサン等の末端アミノ化ポリシロキサン類、末端ア
ミノ化ポリメチルメタクリレート、末端アミノ化ポリ
(2,2,2−トリフロロエチルメタクリレート)等の
末端アミノ化ポリアクリレート又はメタクリレート類な
どが好適に用いられる。このようなポリマーとしては、
通常、分子量が500〜100000、好ましくは50
0〜50000のものを用いることが好適である。これ
らの化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0064】酸無水物と反応可能な官能基を有する化合
物の使用量としては、無水マレイン酸変性ポリカーボネ
ート中の無水マレイン酸に由来する基1モルに対し、通
常、1〜10モル、好ましくは1〜5モル使用すること
が好適である。酸無水物と反応可能な官能基を有する化
合物の使用量が1モル未満であると、無水マレイン酸変
性ポリカーボネートのグラフト化が不十分となることが
あり、一方、10モルを超えると、未反応の酸無水物と
反応可能な官能基を有する化合物が多量に残留してしま
い、ポリカーボネート系グラフト共重合体の機械的強度
が損なわれることがある。
【0065】この無水マレイン酸変性ポリカーボネート
と、酸無水物と反応可能な官能基を有する化合物との反
応は、通常、溶液状態で好適に行われ、溶媒としては、
無水マレイン酸変性ポリカーボネートを溶解しやすい溶
媒を用いることが好ましく、例えば、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン等のケトン溶媒などが好適
に用いられる。
【0066】反応は、通常、20〜200℃、好ましく
は40〜100℃の範囲の温度で行われる。反応圧力
は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通
常、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。
反応時間は、反応温度等によって左右されるが、通常、
0.5〜10時間、好ましくは0.5〜8時間程度であ
る。
【0067】なお、反応終了後、分別沈殿法や溶媒抽出
法などにより、生成物から未反応の化合物を除去するこ
とが好ましい。
【0068】上記のようにしてポリカーボネートをグラ
フト共重合体とすることで、機械的特性、表面硬度によ
り優れた共重合体が得られる。これらの共重合体は、表
面硬度が向上したことにより、耐摩耗性に優れた樹脂と
なり得る。また、上記の末端アミノ化ポリシロキサン等
のシロキサン含有ポリマーや、上記の末端アミノ化ポリ
(2,2,2−トリフロロエチルメタクリレート)等の
フッ素原子含有ポリマーをグラフト化させた場合には、
優れた機械的特性、表面硬度に加えて、撥水性、離型性
にも優れたポリカーボネート系グラフト共重合体が得ら
れる。
【0069】[2] 電子写真感光体 本発明の電子写真感光体は、感光層中にバインダー樹脂
としての上記ポリカーボネート系グラフト共重合体の少
なくとも1種と電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有す
るものである。
【0070】本発明の電子写真感光体はこのような感光
層が導電性基体上に形成されたものである限り、その構
造に特に制限はなく、単層型、積層型等の公知の種々の
形式の電子写真感光体はもとより、どのようなものとし
てもよいが、感光層が少なくとも1層の電荷発生層と少
なくとも1層の電荷輸送層を有する積層型電子写真感光
体中の電荷輸送層のバインダー樹脂として用いることが
好ましい。
【0071】本発明の電子写真感光体において、上記の
ポリカーボネート系グラフト共重合体はバインダー樹脂
として1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。また、所望に応じて本発明の目的
達成を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート等の樹
脂成分を含有させてもよい。
【0072】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性基体の材料としては、公知のものなど各種のものを使
用することができ、具体的にはアルミニウム、ニッケ
ル、クロム、パラジウム、チタン、金、銀、銅、亜鉛、
ステンレス、モリブデン、インジウム、白金、真鍮、酸
化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITO若しくはグラフ
ァイトの板、ドラム及びシート、並びに蒸着、スパッタ
リング、塗布等によりコーティングするなどして導電処
理したガラス、布、紙若しくはプラスチックのフィル
ム、シート及びシームレスベルト、アルミニウム等の金
属箔を積層したプラスチックフィルム、シート及びシー
ムレスベルト、並びに金属板のフィルム状シート及びシ
ームレスベルト、並びに電極酸化などにより金属酸化処
理した金属ドラムなどを使用することができる。
【0073】積層型電子写真感光体の電荷発生層は少な
くとも電荷発生物質を含むものであり、この電荷発生層
はその下地となる基板上に真空蒸着、スパッタ法、CV
D法等により電荷発生物質の層を形成せしめるか、又は
その下地となる層上に電荷発生物質をバインダー樹脂を
用いて結着してなる層を形成せしめることによって得る
ことができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形
成方法としては公知の方法等、各種の方法を使用するこ
とができるが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダ
ー樹脂と共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗
工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥せしめる
方法が好適に用いられる。
【0074】前記電荷発生物質としては、公知のものな
ど各種のものを使用することができ、具体的には、非晶
質セレン、三方晶セレン等のセレン単体、テルル単体、
セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金等のセレンの合
金、As2Se3等のセレン化合物若しくはセレン含有組
成物、酸化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、硫
化亜鉛、CdS−Se等の合金、第12族及び第16族
元素からなる無機材料、酸化チタン等の酸化物系半導
体、アモルファスシリコンなどのシリコン系材料等の各
種の無機材料、τ型無金属フタロシアニン、χ型無金属
フタロシアニン等の無金属フタロシアニン顔料、α型銅
フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、γ型銅フタロ
シアニン、ε型銅フタロシアニン、X型銅フタロシアニ
ン、A型チタニルフタロシアニン、B型チタニルフタロ
シアニン、C型チタニルフタロシアニン、D型チタニル
フタロシアニン、E型チタニルフタロシアニン、F型チ
タニルフタロシアニン、H型チタニルフタロシアニン、
G型チタニルフタロシアニン、K型チタニルフタロシア
ニン、L型チタニルフタロシアニン、M型チタニルフタ
ロシアニン、N型チタニルフタロシアニン、X線回折図
におけるブラック角2θが27.3±0.2度に強い回
折ピークを示すチタニルフタロシアニンなどの金属フタ
ロシアニン顔料、シアニン染料、アントラセン顔料、ビ
スアゾ顔料、ピレン顔料、多環キノン顔料、キナクリド
ン顔料、インジゴ顔料、ぺリレン顔料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料、ポリビニルカルバゾール、ス
クェアリウム顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミ
ダゾール顔料、アゾ顔料、チオインジゴ顔料、ビスベン
ゾイミダゾール顔料、キノリン顔料、レーキ顔料、オキ
サジン顔料、ジオキサジン顔料、トリフェニルメタン顔
料、アズレニウム染料、スクウェアリウム染料、トリア
リールメタン染料、キサンチン染料、チアジン染料など
が挙げられる。
【0075】例えば、下記一般式で表されるような化合
物が好適に用いられる。
【0076】
【化5】
【0077】[式中、Z1、Z2、Z3及びZ4は各々独立
にピロール環上の2個の炭素原子と共に、置換基を有し
ていてもよい芳香族炭化水素環若しくは複素環を形成す
ることができる原子団を表し、Mは2個の水素原子又は
配位子を有していてもよい金属原子若しくは金属化合物
を表す。]
【0078】
【化6】
【0079】[式中、Ar6は芳香族系炭化水素環又は
複素環を含んでいてもよい共役系を有するt価の残基を
表し、tは1以上の正数であり、Cpは芳香族系水酸基
を有するカップラー残基を表し、tが2以上の場合は、
各々のCpは同一であっても異なっていてもよい。]
【0080】
【化7】
【0081】[式中、X2、X3、X4及びX5は、各々独
立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表し、R16
びR17は炭素数1〜12のアルキル基若しくはアリール
基を表し、X2若しくはX3とR16及びX4若しくはX5
17とで置換基を有していてもよい複素環を形成してい
てもよい。] フルオレン系ジスアゾ顔料としては、以下のような例が
ある。
【0082】
【化8】
【0083】
【化9】
【0084】
【化10】
【0085】ペリレン系顔料としては、以下のような例
がある。
【0086】
【化11】
【0087】
【化12】
【0088】多環キノン顔料としては、以下のような例
がある。
【0089】
【化13】
【0090】アントアントロン顔料としては、以下のよ
うな例がある。
【0091】
【化14】
【0092】ジベンズピレンキノン顔料としては、以下
のような例がある。
【0093】
【化15】
【0094】ピラントロン顔料としては、以下のような
例がある。
【0095】
【化16】
【0096】これらの顔料を単独または2種以上を混合
して用いることもできる。
【0097】電荷発生層の厚さは、0.01〜2.0μ
mが好ましく、0.1〜0.8μmがより好ましい。
0.01μm未満であると、電荷発生層を均一に形成す
ることが困難であり、2.0μmを超えると、電子写真
特性が低下する傾向がある。
【0098】前記電荷発生層に用いられるバインダー樹
脂としては、特に制限はなく、公知のものなど各種のも
のを使用できる。具体的には、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアクリロニトリル、ボリカーボネート、ポ
リウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミ
ド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹
脂、ポリエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、メタクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッ
ド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カ
ゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセル
ロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロ
ース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチ
レン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポ
リスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポ
リチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレ
ート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、
メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート
樹脂、ポリエステルアクリレート等の熱硬化性樹脂を使
用することができる。
【0099】上記電荷発生層におけるバインダー樹脂と
して上記のポリカーボネート系グラフト共重合体を使用
することもできる。
【0100】次に、電荷輸送層は、下地となる層(例え
ば電荷発生層)上に、電荷輸送物質をバインダー樹脂で
結着してなる層を形成することによって得ることができ
る。
【0101】この電荷輸送層の形成方法としては、公知
の方法等の各種の方式を使用することができるが、通
常、上記電荷輸送物質を上記ポリカーボネート系グラフ
ト共重合体と共に適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗
工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥する方式
などが使用される。電荷輸送層中の電荷輸送物質とポリ
カーボネート系グラフト共重合体との配合割合は、好ま
しくは重量で20:80〜80:20、さらに好ましく
は30:70〜70:30である。
【0102】この電荷輸送層において、上記ポリカーボ
ネート系グラフト共重合体は1種単独で用いることもで
きるし、また、2種以上を混合して用いることもでき
る。また、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、前記
電荷発生層に用いられるバインダー樹脂として挙げたよ
うな他の樹脂を上記ポリカーボネート系共重合体と併用
することもできる。
【0103】電荷輸送物質としては、公知のものなど各
種のものを使用することができる。例えば、カルバゾー
ル化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オ
キサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、
アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合
物、脂肪族アミン化合物、スチルべン化合物、フルオレ
ノン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チア
ゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合
物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合
物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベ
ンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフ
ラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9
−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらを
主鎖、側鎖に有する重合体が用いられ、好ましくは下記
一般式で表されるような化合物が用いられる。
【0104】
【化17】
【0105】[式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独
立に、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2、Ar2とAr3
及びAr3とAr1で環を形成していてもよい。]
【0106】
【化18】
【0107】[式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立
に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、a、b、c及びdは各々独立に、0〜5
の整数である。]
【0108】
【化19】
【0109】[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水
素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキ
ル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成して
もよい。R1はシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル
基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミ
ノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、R5はエチレン基又はエテニ
レン基を表し、eは0〜4の整数である。]
【0110】
【化20】
【0111】[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水
素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキ
ル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成して
もよい。R1はシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル
基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミ
ノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、R6及びR7は各々独立に、水
素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン原子を
表し、eは0〜4の整数である。]
【0112】
【化21】
【0113】[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及び
Ar5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換
若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若
しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若
しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若
しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多
環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar
6とAr7は各々独立に、炭素数1〜6の置換若しくは無
置換のアルキレン基或は炭素数6〜12の置換若しくは
無置換のアリール化合物、多環式炭化水素、置換若しく
は無置換の縮合多環式炭化水素、複素環化合物、多環系
複素環化合物又は縮合多環系複素環化合物の2価残基を
表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成しても
よい。]
【0114】
【化22】
【0115】[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4
各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは
無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無
置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無
置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無
置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素
環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2
及びAr3とAr4は環を形成してもよい。R8及びR9
各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル
基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミ
ノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、e及びfは各々独立に0〜4
の整数である。]
【0116】
【化23】
【0117】[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4
各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは
無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無
置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無
置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無
置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素
環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2
及びAr3とAr4は環を形成してもよい。R1、R2及び
3は各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキ
シル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキル
アミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアル
キル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラル
キル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリー
ル基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多
環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮
合多環系複素環式基を表し、e、f及びgは各々独立に
0〜4の整数である。X1は−O−、−S−、−Se
−、−Te−、−CR1011−、−SiR1011−、−
NR10−又は−PR10−(式中、R10及びR11は各々独
立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10
の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の
置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の
置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、
置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式
基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表
す。)を表す。]
【0118】
【化24】
【0119】[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水
素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキ
ル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成して
もよい。R1はシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル
基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミ
ノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、aは0〜5の整数である。]
【0120】
【化25】
【0121】[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及び
Ar5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換
若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若
しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若
しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若
しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多
環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、R1
及びR2は各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カル
ボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラル
キルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換の
アルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のア
ラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のア
リール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮
合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又
は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr
3とAr4は環を形成してもよい。f及びeは各々独立に
0〜4の整数である。]
【0122】
【化26】
【0123】[式中、Ar1は水素原子、炭素数1〜1
0の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13
の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12
の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素
基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素
環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を
表し、R1、R2及びR3は各々独立に、シアノ基、ハロ
ゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換
若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若
しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若
しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若
しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多
環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは
0又は1、a、b及びcは各々独立に0〜5の整数であ
る。]
【0124】
【化27】
【0125】[式中、Ar1、Ar2及びAr3は、各々
独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置
換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換
のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換
のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換
の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式
基又は縮合多環系複素環式基を表し、R1及びR3は各々
独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ア
シル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキ
ルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、
炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭
素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭
素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環
式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水
素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複
素環式基を表し、R2′は水素原子、シアノ基、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミ
ノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若し
くは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しく
は無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しく
は無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しく
は無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系
複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又
は1、eは0〜4の整数、hは0〜3の整数である。]
【0126】
【化28】
【0127】[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水
素原子、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置
換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換
のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換
のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換
の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式
基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環
を形成してもよい。]
【0128】
【化29】
【0129】[式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独
立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換
のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換の
アラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換の
アリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の
縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基
又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を
形成してもよい。]
【0130】
【化30】
【0131】[式中、R1、R2、R3、R4、R8及びR9
は各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル
基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミ
ノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、a、b、c、d、i及びjは
各々独立に0〜5の整数である。]
【0132】
【化31】
【0133】[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4
各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは
無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無
置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無
置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無
置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素
環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar6は炭素
数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基或は炭素
数6〜12の置換若しくは無置換のアリール化合物、多
環式炭化水素、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水
素、複素環化合物、多環系複素環化合物又は縮合多環系
複素環化合物の2価残基を表し、Ar1とAr2及びAr
3とAr4は環を形成してもよく、nは0又は1であ
る。]
【0134】
【化32】
【0135】[式中、R12、R13、R14及びR15は各々
独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置
換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換
のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換
のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換
の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式
基又は縮合多環系複素環式基を表す。] 具体的には次に示すような化合物が用いられる。
【0136】
【化33】
【0137】
【化34】
【0138】
【化35】
【0139】
【化36】
【0140】
【化37】
【0141】
【化38】
【0142】
【化39】
【0143】
【化40】
【0144】
【化41】
【0145】
【化42】
【0146】
【化43】
【0147】
【化44】
【0148】
【化45】
【0149】
【化46】
【0150】
【化47】
【0151】
【化48】
【0152】
【化49】
【0153】
【化50】
【0154】
【化51】
【0155】
【化52】
【0156】
【化53】
【0157】
【化54】
【0158】
【化55】
【0159】
【化56】
【0160】
【化57】
【0161】
【化58】
【0162】
【化59】
【0163】
【化60】
【0164】
【化61】
【0165】
【化62】
【0166】
【化63】
【0167】
【化64】
【0168】
【化65】
【0169】
【化66】
【0170】
【化67】
【0171】
【化68】
【0172】
【化69】
【0173】
【化70】
【0174】
【化71】
【0175】
【化72】
【0176】
【化73】
【0177】
【化74】
【0178】
【化75】
【0179】
【化76】
【0180】
【化77】
【0181】
【化78】
【0182】上記電荷輸送物質は単独で又は2種以上を
混合して用いることができる。電荷輸送層の厚さは5〜
100μmが好ましく、10〜30μmがより好まし
い。5μm未満であると、初期電位が低くなり、100
μmを超えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
導電性基体と感光層との間に通常使用されるような公知
の下引き層を設けることができる。下引き層としては、
酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン
酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラック、シリ
カ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、酸化イン
ジウム、酸化珪素等の微粒子、ポリアミド樹脂、フェノ
ール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、
ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール樹脂等の成分を使用することができる。これ
らの微粒子や樹脂を単独で又は2種以上混合して使用す
ることができる。特に微粒子を用いると、微粒子に樹脂
が吸着され、平滑な皮膜を得ることができるため、微粒
子と樹脂を併用することが望ましい。また、下引き層に
は前記バインダー樹脂を用いることができる。また、上
記のポリカーボネート系グラフト共重合体も用いること
もできる。
【0183】下引き層の厚さは、通常0.01〜10.
0μm、好ましくは0.01〜1.0μmである。この
厚さが0.01μm未満であると、下引き層を均一に形
成することが困難になり、10.0μmを超えると、電
子写真特性が低下することがある。また、導電性基体と
感光層との間に通常使用されているような公知のブロッ
キング層を設けることができる。ブロッキング層には前
記バインダー樹脂を用いることができる。ブロッキング
層の厚さは、通常0.01〜20.0μm、好ましく
は、0.1〜10.0μmである。この厚さが0.01
μm未満であると、ブロッキング層を均一に形成するこ
とが困難になり、20.0μmを超えると、電子写真特
性が低下することがある。
【0184】本発明の電子写真感光体には、感光層の上
に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜
20μmが可能であり、より好ましくは0.1〜10μ
mである。保護層には前記バインダー樹脂を用いること
ができる。保護層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送
物質、添加剤、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合
金、カーボンなどの導電材料を含有してもよい。
【0185】更に、本発明の電子写真感光体には、その
性能を向上させるために電荷発生層、電荷輸送層に結合
剤、可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制御
剤、電子写真感度を改良するための分光感度増感剤(増
感染料)、分光感度増感剤とは別に、繰り返し使用に対
しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低下を
防止する目的の種々の化学物質、酸化防止剤、界面活性
剤、カール防止剤、レベリング剤等などの添加剤を添加
することができる。
【0186】結合剤の具体的な例としては、シリコーン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹
脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポ
リイソプレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、尿
素樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢
酸ビニル/塩化ビニル共重合体、ポリエステルカーボネ
ート樹脂等が挙げられる。また、熱及び/又は光硬化性
樹脂も使用できる。いずれにしても、電気絶縁性で通常
の状態で皮膜を形成しうる樹脂であれば、特に制限はな
い。
【0187】結合剤は電荷輸送物質に対して、5〜20
0重量%添加することが好ましく、10〜100重量%
がより好ましい。5重量%未満では感光層の皮膜が不均
一となりやすく、画質が劣る傾向がある。20重量%を
超えると、感度が低下し、残留電位が高くなる傾向があ
る。可塑剤の具体的な例としては、ビフェニル、塩化ビ
フェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パラフィン、
ジメチルナフタリン、ジメチルフタレート、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジエチレングリコー
ルフタレート、トリフェニルフォスフェート、ジイソブ
チルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケ
ート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリールエチルグリ
コレート、ジメチルグリコールフタレート、メチルナフ
タレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0188】硬化触媒の具体的な例としては、メタンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸等が挙げられる。流動付与剤として
は、モダフロー、アクロナール4F等が挙げられる。ピ
ンホール制御剤としては、ベンゾイン、ジメチルフタレ
ート等が挙げられる。
【0189】可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホー
ル制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5重量%以下
で用いることが好ましい。増感染料の具体的な例として
は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナ
イトブルー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフェ
ニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ロー
ダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代
表されるアクリジン染料、メチレンブルー、メチレング
リーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー、メ
ルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、その他シ
アニン染料、メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリ
ュウム塩染料、チオピリリュウム塩染料等が挙げられ
る。
【0190】感光層には感度の向上、残留電位〜反復使
用時の疲労低減等を目的として、電子受容性物質を加え
ることができる。電子受容性物質としては、無水コハク
酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フ
タル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水
フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フ
タル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニ
トロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−ト
リニトロベンゼン、パラニトロベンゾニトリル、ピクリ
ルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロ
マニル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノ
ン、ジクロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノ
ン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、
1−クロロアントラキノン、ジニトロトロアントラキノ
ン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4−ニトロベンゾ
フェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−
シアノ−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチ
ル、9−アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−
シアノ−(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフ
ェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、
2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデン
[ジシアノメチレンマロノニトリル]、ポリニトロ−9
−フルオレニリデン−[ジシアノメチレンマロノジニト
リル]、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ
安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサ
リチル酸、フタル酸、メリット酸など、電子親和力が大
きい化合物がある。
【0191】この電子受容性物質は、電荷輸送層、電荷
発生層のいずれに加えてもよく、電荷輸送物質又は電荷
発生物質に対して通常0.01〜200重量%、より好
ましくは0.1〜50重量%配合される。また、表面性
の改良のために、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化
エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹
脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ
化二塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体、フッ素系
グラフトポリマーを用いてもよい。
【0192】これらの表面改質剤は前記バインダー樹脂
に対して0.1〜60重量%、より好ましくは5〜40
重量%配合される。0.1重量%より少ないと耐摩耗
性、表面耐久性、表面エネルギー低下等の表面改質が十
分でなく、60重量%より多いと電子写真特性が悪くな
ることがある。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダ
ードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有
機リン酸系酸化防止剤などが挙げられる。
【0193】これらの酸化防止剤は電荷輸送物質に対し
て通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜
2重量%配合される。ヒンダードフェノール系酸化防止
剤としては、以下の例がある。
【0194】
【化79】
【0195】
【化80】
【0196】
【化81】
【0197】芳香族アミン系酸化防止剤としては以下の
ような例がある。
【0198】
【化82】
【0199】ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、
以下のような例がある。
【0200】
【化83】
【0201】スルフィド系酸化防止剤としては以下のよ
うな例がある。
【0202】
【化84】
【0203】有機リン酸系酸化防止剤としては以下のよ
うな例がある。
【0204】
【化85】
【0205】ヒンダードフェノール構造単位とヒンダー
ドアミン構造単位を分子内に有する酸化防止剤としては
以下のような例がある。
【0206】
【化86】
【0207】これら添加剤は1種単独で用いてもよい
し、あるいは、2種類以上を混合するなどして併用して
もよい。これらの添加剤は保護層、下引き層、ブロッキ
ング層に添加してもよい。前記電荷発生層、電荷輸送層
の形成の際に使用する前記溶媒の具体例としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等
の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール、酢酸エチル、エチルセ
ロソルブ等のエステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジ
クロロメタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルホルムアミド等を挙げることができる。
【0208】これらの溶媒は、1種単独で使用してもよ
く、或いは、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
感光体を形成する方法としては、前記電荷発生物質、電
荷輸送物質、添加剤及びバインダー樹脂を溶剤に分散、
又は溶解した溶液を所定の下地となる基体、層上に浸漬
塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプレー塗工法、ロ
ール塗工法、アプリケーター塗工法、スプレーコーター
塗工法、バーコーター塗工法、ロールコーター塗工法、
ディップコーター塗工法、ドクターブレード塗工法、ワ
イヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法、アトライタ
ー塗工法、スピナー塗工法、ビード塗工法、ブレード塗
工法、カーテン塗工法などの塗工法を用いて塗工し、乾
燥して形成することができる。
【0209】その分散法としては、ボールミル、超音
波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、
ミキサー、アトライターなどを用いることができる。単
層型電子写真感光体においても感光層は前記バインダー
樹脂を用いることができる。また、単層型感光体の感光
層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送物質を用いるこ
とができる。また、感光層の電子写真特性を向上させる
ために、前記の添加剤を用いてもよい。また、保護層、
下引き層、ブロッキング層を設けてもよい。
【0210】単層型感光体の膜厚は通常5〜100μm
が好ましく、8〜50μmがより好ましい。5μm未満
であると、初期電位が低くなりやすく、50μmを超え
ると電子写真特性が低下する傾向がある。単層型電子写
真感光体の感光層中の電荷発生物質:ポリカーボネート
系グラフト共重合体の重量による割合は、好ましくは2
0:80〜80:20、さらに好ましくは30:70〜
60:40である。また、電荷輸送物質:ポリカーボネ
ート系グラフト共重合体の重量による割合は、好ましく
は20:80〜80:20、さらに好ましくは30:7
0〜70:30である。また、電荷発生物質:電荷輸送
物質の重量による割合は、好ましくは20:80〜7
0:30、さらに好ましくは30:70〜60:40で
ある。
【0211】また、本発明の目的達成を阻害しない範囲
で、他の樹脂を本発明のポリカーボネート系グラフト共
重合体と併用することも可能である。なお、本発明の電
子写真感光体の感光層の層構成としては、上記のポリカ
ーボネート系グラフト共重合体を含む層が感光層の表面
層となる構成とすることが好ましい。このようにして得
られる本発明の電子写真感光体は高い表面硬度を有し、
長期間にわたって優れた耐刷性及び良好なクリーニング
性を維持する感光体であり、複写機(モノクロ、マルチ
カラー、フルカラー;アナログ、デジタル)、プリンタ
ー(レーザー、LED、液晶シャッター)、FAX、製
版機等の各種の電子写真分野に好適に利用することがで
きる。
【0212】本発明の電子写真感光体を使用するにあた
って、帯電器は、コロナ放電(コロトロン、スコトロ
ン)、接触帯電(帯電ロール、帯電ブラシ)などが用い
られる。露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー
(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式
で行われる。現像工程はカスケード現像、二成分磁気ブ
ラシ現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現
像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられ
る。転写工程はコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写な
どの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられ
る。定着は、熱ローラ定着、ラジアント・フラッシュ定
着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。クリー
ニング・除電には、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリ
ーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナ
ー、ブレードクリーナーなどが用いられる。
【0213】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。 参考例1 アリル基含有ポリカーボネートの合成 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン74
gを6重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液550ml
に溶解した溶液と塩化メチレン250mlとを混合して
攪拌しながら、冷却下、該溶液中にホスゲンガスを95
0ml/分の割合で15分間吹き込んだ。次いで、この
反応液を静置して有機層を分離し、重合度が2〜4であ
り、分子末端がクロロホルメート基であるビスフェノー
ルA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン)のポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液
を得た。なお、生成オリゴマーの構造、重合度及び末端
基は1H−NMR、MS、GPCにより確認した。
【0214】上記オリゴマーの塩化メチレン溶液に塩化
メチレンを加えて全量を450mlとした後、2,2−
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
10.8gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン16.0gを8重量%濃度の水酸化ナトリウム
水溶液150mlに溶解した溶液と混合し、これに分子
量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール3.0
gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しなが
ら、触媒として7重量%濃度のトリエチルアミン水溶液
を2ml加え、28℃において攪拌下で1.5時間反応
を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リ
ットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.
01規定塩酸1リットルで1回、水1リットルで2回の
順で洗浄し、有機層をメタノール中に投入し、析出した
ポリマーを濾過、乾燥した。
【0215】このようにして得られたアリル基含有ポリ
カーボネートの塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g
/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]は
0.89dl/gであった。還元粘度の測定は、(株)
離合社製、自動動粘度測定装置VMR−042を用い、
自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定
した。
【0216】参考例2 無水マレイン酸変性ポリカーボ
ネートの合成 参考例1で得たポリマー、すなわちアリル基含有ポリカ
ーボネート10g、無水マレイン酸10g、過酸化ベン
ゾイル0.5gをシクロヘキサノン50mlに溶解し、
攪拌しながら80℃で5時間反応させた。反応終了後、
大量のメタノールに反応液を投入し、析出したポリマー
を濾過、乾燥した。
【0217】実施例1 参考例1で得られたアリル基含有ポリカーボネート10
g、メタクリル酸メチル10g、過酸化ベンゾイル0.
1gをシクロヘキサノン50mlに溶解し、攪拌しなが
ら80℃で8時間反応させた。反応後、この溶液を大量
のメタノール中に投入し、析出したポリマーを濾過、乾
燥した。得られた生成物の収量は18.5gであった。
これを室温で、トルエン中にて攪拌、洗浄し、不溶物を
濾過、乾燥したところ、16.1gのポリカーボネート
系グラフト共重合体(PC−1)が得られた。
【0218】このようにして得られたポリカーボネート
系グラフト共重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp
/c]は0.85dl/gであった。電荷輸送物質とし
て(C−1)を用い、バインダー樹脂として(PC−
1)を用い、C−1:PC−1:塩化メチレン=1:
1:8(重量比)の溶液を調製し、塗工液とした。この
塗工液は1か月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見
られなかった。アルミニウム製導電性基板上にオキソチ
タニウムフタロシアニン:ブチラール樹脂:塩化メチレ
ン=1:1:38(重量比)の分散液を浸漬塗工法によ
り塗布し、オキソチタニウムフタロシアニンの層(約
0.5μm)を電荷発生層として形成し、その電荷発生
層上に上記塗工液を浸漬塗工法により塗布し、乾燥し、
約20μmの電荷輸送層を形成し、積層型電子写真感光
体を作製した。塗布時に電荷輸送層が結晶化することは
なかった。
【0219】
【化87】
【0220】得られた電子写真感光体の電子写真特性の
評価は、静電気帯電試験装置EPA−8100(株式会
社川口電機製作所製)を用い、−6kVのコロナ放電を
行い、初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5
秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)を測定し
た。結果を表1に示す。さらに、電荷輸送層の耐摩耗性
をスガ摩耗試験機NUS−ISO−3型(スガ試験機
(株)製)を用いて評価した。試験条件は200gの加
重をかけた摩耗紙上で上記積層型電子写真感光体のサン
プルを1200回往復運動させ、その減少量の変化を測
定することにより評価した。結果を表2に示す。
【0221】実施例2 実施例1で用いたメタクリル酸メチルの代わりにスチレ
ン10gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、
15.8gのポリカーボネート系グラフト共重合体(P
C−2)を得た。このようにして得られたポリカーボネ
ート系グラフト共重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃
度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[η
sp/c]は0.93dl/gであった。
【0222】実施例1で用いたPC−1の代わりにPC
−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作
製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(1
0Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E
1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。
結果を表1及び表2に示す。 実施例3 実施例1で用いたメタクリル酸メチルの代わりに2,
2,2−テトラフロロエチルメタクリレート10gを用
いた以外は実施例1と同様の操作を行い、16.8gの
ポリカーボネート系グラフト共重合体(PC−3)を得
た。
【0223】このようにして得られたポリカーボネート
系グラフト共重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp
/c]は0.91dl/gであった。実施例1で用いた
PC−1の代わりにPC−3を用いた以外は実施例1と
同様の方法で感光体を作製し、同様の方法で初期表面電
位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位
(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送
層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0224】実施例4 参考例2で得られた無水マレイン酸変性ポリカーボネー
ト10gを塩化メチレン30mlに溶解し、末端アミノ
化ポリシロキサン(分子量約1万)3gを加え、室温で
8時間攪拌し反応させた。次いで、この溶液を大量のn
−ヘキサン中に投入し、析出したポリマーを回収した。
これを更にメタノールで洗浄した後、乾燥したところ、
11.8gのポリカーボネート系グラフト共重合体(P
C−4)が得られた。
【0225】このようにして得られたポリカーボネート
系グラフト共重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp
/c]は0.87dl/gであった。実施例1で用いた
PC−1の代わりにPC−4を用いた以外は実施例1と
同様の方法で感光体を作製し、同様の方法で初期表面電
位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位
(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送
層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0226】実施例5 実施例4で用いた末端アミノ化ポリシロキサンの代わり
に末端アミノ化メタクリル樹脂(末端アミノ化メチルメ
タクリレート:分子量約1万)3gを用いた以外は実施
例4と同様の操作を行い、12.2gのポリカーボネー
ト系グラフト共重合体(PC−5)を得た。
【0227】このようにして得られたポリカーボネート
系グラフト共重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp
/c]は0.85dl/gであった。実施例1で用いた
PC−1の代わりにPC−5を用いた以外は実施例1と
同様の方法で感光体を作製し、同様の方法で初期表面電
位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位
(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送
層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0228】実施例6 実施例4で用いた末端アミノ化ポリシロキサンの代わり
に末端アミノ化ポリ(2,2,2−テトラフロロエチル
メタクリレート)(分子量約1.2万)3gを用いた以
外は実施例4と同様の操作を行い、10.8gのポリカ
ーボネート系グラフト共重合体(PC−6)を得た。
【0229】このようにして得られたポリカーボネート
系グラフト共重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp
/c]は0.86dl/gであった。実施例1で用いた
PC−1の代わりにPC−6を用いた以外は実施例1と
同様の方法で感光体を作製し、同様の方法で初期表面電
位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位
(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送
層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0230】比較例1 ビスフェノールZを原料とし下記繰り返し単位からなる
ポリカーボネート(還元粘度:0.84dl/g)をバ
インダー樹脂として用い、電荷輸送物質として(C−1
1)を用いて実施例1と同様にして電子写真感光体を作
製した。結果を表1及び表2に示す。
【0231】
【化88】
【0232】
【表1】
【0233】
【表2】
【0234】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、結晶化やゲ
ル化を起こしにくく、耐摩耗性に優れるポリカーボネー
ト系グラフト共重合体を感光層中のバインダー樹脂とし
て用いていることから、電子写真感光体の作製時におい
て塗工液が白化(ゲル化)したりすることがなく、導電
性基板と感光層の接着性及び感光体表面の耐摩耗性が向
上し、電子写真感光体の長寿命化が図れるとともに、繰
り返し長時間使用しても優れた電子写真特性を維持する
ことができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に電荷発生物質、電荷輸送
    物質及びバインダー樹脂を含有する感光層を設けた電子
    写真感光体において、感光層がバインダー樹脂として、
    アリル基含有ポリカーボネート又は無水マレイン酸変性
    ポリカーボネートを原料として得られるポリカーボネー
    ト系グラフト共重合体を用いることを特徴とする電子写
    真感光体。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート系グラフト共重合体
    が、アリル基含有ポリカーボネートの存在下にラジカル
    重合性モノマーを重合させて得られるものである請求項
    1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 アリル基含有ポリカーボネートが、アリ
    ル基を有する二価フェノール又はアリル基を有する二価
    フェノール及びアリル基を持たない二価フェノールに、
    炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより得ら
    れるものである請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 アリル基を有する二価フェノールが下記
    一般式 【化1】 (式中、W1は単結合、−O−、−CO−、−S−、−
    SO−、−SO2−、−CR5051−(R50及びR51
    各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは
    無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の1,
    1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜12のα,ω
    −アルキレン基である。)で表されるものであり、アリ
    ル基を持たない二価フェノールが下記一般式 【化2】 (式中、R52及びR53は各々独立にハロゲン原子、炭素
    数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル
    基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基
    を表し、W2は単結合、−O−、−CO−、−S−、−
    SO−、−SO2−、−CR5455−(R54及びR55
    各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは
    無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の1,
    1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜12のα,ω
    −アルキレン基を表し、A及びBは各々独立に0〜4の
    整数を表す。)で表されるものである請求項3記載の電
    子写真感光体。
  5. 【請求項5】 ラジカル重合性モノマーがスチレン類、
    アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、ビニルエステ
    ル類、ビニルエーテル類、ビニルナフタレン類、ビニル
    ケトン類及びN−ビニル化合物からなる群から選ばれる
    ものである請求項3記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 アリル基を含有する二価フェノールが
    2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)
    プロパンであり、アリル基を持たない二価フェノールが
    2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであ
    り、ラジカル重合性モノマーがメタクリル酸メチル、ス
    チレン又は2,2,2−テトラフロロエチルメタクリレ
    ートである請求項3記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 ポリカーボネート系グラフト共重合体
    が、無水マレイン酸変性ポリカーボネートに、酸無水物
    と反応可能な官能基を有する化合物を反応させて得られ
    るものである請求項1記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 無水マレイン酸変性ポリカーボネート
    が、アリル基含有ポリカーボネートと無水マレイン酸と
    をラジカル開始剤の存在下に加熱反応させて得られるも
    のである請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 アリル基含有ポリカーボネートが、アリ
    ル基を有する二価フェノール又はアリル基を有する二価
    フェノール及びアリル基を持たない二価フェノールに、
    炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより得ら
    れるものである請求項8記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 アリル基を含有する二価フェノールが
    2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)
    プロパンであり、アリル基を持たない二価フェノールが
    2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであ
    り、酸無水物と反応可能な官能基を有する化合物が、末
    端アミノ化ポリシロキサン、末端アミノ化ポリメチルメ
    タクリレート又は末端アミノ化ポリ(2,2,2−トリ
    フロロエチルメタクリレート)である請求項9記載の電
    子写真感光体。
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JP2013537258A (ja) * 2010-09-17 2013-09-30 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリカーボネートグラフトコポリマー

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