JP2012049397A - シリコンウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシリコンウェーハの製造方法は、シリコンウェーハの表面に酸素、炭素、窒素のうち何れか1種類以上の元素が存在する状態にて、当該表面にレーザーを照射して、表層部を溶融させた後、溶融させた表層部を固化させることにより、元素を表層部にドープすることを特徴とする。この製造方法によって得られる本発明のシリコンウェーハは、酸素、炭素、窒素の少なくともいずれか1種類以上の元素を高濃度に有する。
【選択図】図1
Description
ゲッタリング法には、例えば、酸素析出物であるBMD(Bulk Micro Defect)をシリコンウェーハの内部に形成し、これをゲッタリングサイトとして用いる方法が知られており、BMD密度が大きい方がゲッタリング能力は高い。
また、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶インゴットの成長時に、酸素析出を助長させる促進作用をもつ炭素をドープする方法や、熱的に安定な酸素析出核を形成させる作用をもつ窒素をドープする方法も知られている。
さらに、特許文献2には、酸素及び窒素がウェーハ中の空孔と結合して複合体を形成し、該複合体がCuなどの不純物を捕獲できることが記載されている。
このように、ウェーハ中の酸素、炭素、窒素は、複合体の形成により、Cuなどの金属不純物に対するゲッタリング能力を向上させることが知られている。
このため、特許文献1に記載の方法では、酸素、炭素の濃度が低いシリコン単結晶インゴットしか得られず、このインゴットから加工製造されるシリコンウェーハに十分なゲッタリング能力を発揮させることができない。また、特許文献2に記載の方法も特許文献1と同様に、単結晶インゴット中に含まれる窒素濃度が5×1015atoms/cm3を超えると単結晶インゴットが有転位化してしまうため、この濃度以下のドープ量に制限され、シリコンウェーハに十分なゲッタリング能力を発揮させることができない。
また、チョクラルスキー法によって、酸素、炭素、窒素などの不純物濃度を可能な限り高めた単結晶インゴットを育成し、この単結晶インゴットを加工してシリコンウェーハを製造した場合でも、ウェーハ全体に亘って不純物濃度が高められたウェーハが製造されることになる。シリコンウェーハ中に形成されたBMDは、CuやNiなどの金属不純物を捕獲するゲッタリングサイトとして機能するものの、BMDは欠陥の一種であり、デバイス作製領域として使用されるウェーハ表層部にBMDが存在すると、デバイス特性を悪化させてしまう。このため、デハイス作製領域として使用されるシリコンウェーハ表層部にはBMDが形成されないように、シリコンウェーハに対して表層部の不純物濃度を低下させるための高温熱処理(外方拡散熱処理)などを予め施しておかなければならないなどの問題もある。
しかも、薄厚化したウェーハは、高温熱処理を施すと反りや割れを生じるおそれがあり、ウェーハを薄厚化した以降に実施されるデバイス工程において、BMDが形成されるような高温熱処理は通常行われない。このため、ウェーハ薄厚化以後での、高温熱処理によるBMDの形成によらないゲッタリングの手法が希求されている。
その結果、シリコンウェーハの表面に、酸素、炭素、窒素のうち何れか1つ以上の元素が存在する状態で、該表面にレーザーを照射して、ウェーハ表層部を溶融し、溶融させた該表層部を固化することにより、ウェーハ表層部にチョクラルスキー法によってドープ可能な固溶限界濃度以上の濃度にまで上記元素をドープすることができることを知見した。そして、このチョクラルスキー法では得られない濃度にまで不純物濃度が高められた高濃度ドープ層を有するシリコンウェーハは、デバイスプロセスの高温熱処理を受けてもウェーハ内にスリップが発生せず、ゲッタリング特性に優れるシリコンウェーハとして機能することを見出した。
(1)シリコンウェーハの両面のうち少なくとも何れか一方の面の表面に酸素、炭素、窒素のうち何れか1種類以上の元素が存在する状態にて、前記元素が存在する、前記シリコンウェーハの何れか一方の面の表面にレーザーを照射して、前記シリコンウェーハの表層部を溶融させた後、溶融させた前記表層部を固化させることにより、前記元素を前記表層部にドープすることを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。
さらに、上記の元素をドープすることにより、強度の高いシリコンウェーハを実現することもできる。
図1(a)(b)は、本発明の第1の実施形態を模式的に示す図である。
本実施形態の方法においては、まず、シリコンウェーハ1の両面のうち少なくとも何れか一方の面の表面に、酸素、炭素、窒素の少なくとも1種類以上の元素が存在する状態にする。
次いで、ウェーハ1の表面に上記の元素が1種類以上存在する面にレーザー照射を行う。図1(a)(b)に示す例において、上記の元素がウェーハ1の両面の表面にある場合は、何れか一方の面に対してレーザーを照射する。
溶融させる表層部の厚さや不純物濃度は、レーザーの照射条件を調整することによって制御することができる。例えば、使用するレーザーの波長に応じて、エネルギー密度、パルス幅等を調整することにより、表層部の溶融させる厚さを0.1μm〜5μmの範囲で制御することができる。
ここで、「表面に元素が存在する」とは、元素がウェーハに付着するなどして、上記レーザー溶融により、当該元素が溶融シリコン中に取り込まれる状態にあることをいい、例えば、シリコンウェーハが大気雰囲気中、酸素雰囲気中、窒素雰囲気中などの、酸素、炭素、窒素のうち少なくとも1種類以上の元素を含む雰囲気中に置かれ、ウェーハ表面が当該雰囲気に晒される場合や、ウェーハの両面又は片面の表面に、酸素、炭素、窒素のいずれか1種類以上の元素を含む膜が付加されている場合などをいう。
レーザー照射によるウェーハ中の不純物濃度(ドープ量)は、ウェーハ表面に存在する元素の濃度、すなわち、雰囲気中の元素の濃度や膜に含まれる元素の濃度によって制御することができる。また、レーザー照射のパルス数を調整することによっても、レーザー照射により溶融させた溶融シリコン層への不純物拡散量を調整でき不純物濃度を制御することができる。
これにより、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶育成では達成不可能な濃度以上にまで、酸素、炭素、窒素の各濃度を高濃度化させたシリコンウェーハを製造することができる。具体的には、二次イオン質量分析(SIMS)による測定において、シリコンウェーハに酸素濃度1.0×1018〜2.0×1019atoms/cm3、炭素濃度1.0×1017〜1.0×1018atoms/cm3、窒素濃度1.0×1015〜1.0×1017atoms/cm3の範囲でドープすることができる。
これにより、上述のように、不純物ドープ層2の酸素、炭素、窒素のいずれか1つ以上による、複合体の形成やデバイスプロセスの前工程での熱処理によって形成されるBMDにより、ゲッタリング能力が十分高いシリコンウェーハを製造することができる。
また、酸素、窒素はウェーハにドープされることによりウェーハ強度を増大させる効果があり、炭素は、ウェーハ中に酸素が存在する状態でドープされることにより、ウェーハ強度を増大させる効果がある。通常、シリコンウェーハは、チョクラルスキー法等によって製造された段階で、1.0〜1.5×1018atoms/cm3程度の格子間酸素濃度を有している。
従って、本発明によって、酸素、炭素、窒素のいずれか1種類以上の元素をドープすることにより、ウェーハ強度も増大させることができる。
また、デバイスプロセスの前工程での熱処理によりBMDが形成されることによってもウェーハ強度が増大する。
また、本発明の方法でドープする元素は、酸素、炭素、窒素であるため、ウェーハの電気抵抗率に影響を与えることもなく、さらに、本発明では、デバイス層として使用されるウェーハ表層部には酸素、炭素、窒素をドープしないため、デバイス特性を低下させることもない。
また、用いるシリコンウェーハ1の導電型や、抵抗率は任意のものとすることができるが、p型ウェーハの場合は、ボロンを高濃度にドープしたp+ウェーハとすることで、Cu−O−B複合体を形成させて、ウェーハにCuに対する高いゲッタリング能力をもたせることができる。
なお、シリコンウェーハ表面にレーザー照射を行う際、レーザー照射を施さない側の表面1aを真空吸着部材などで保持する必要があるため、レーザー照射を施さない表面1aの表面にパーティクル付着や接触傷が発生する恐れがある。このため、レーザー照射を施さない面側1aの表面をレーザー照射後に研磨するか、あるいは、レーザー照射を施さない面側1aの表面を酸化膜等の保護膜で覆った後、レーザー照射を行い、次いで、保護膜を除去することが好ましい。
エピタキシャル層3を形成した後に、ウェーハ裏面にレーザー照射を行うと、レーザー照射の際に、エピタキシャル層3表面にパーティクル付着や傷発生が懸念されるため、レーザー照射を施した後にエピタキシャル成長処理を施すことが望ましい。エピタキシャル層3を形成した後にウェーハ裏面にレーザー照射を行う場合は、レーザー照射後にエピタキシャル層3の表面を研磨するか、あるいは、エピタキシャル層3を酸化膜等の保護膜で覆った後、レーザー照射を行い、次いで、保護膜を除去することが好ましい。
なお、ここでいう「ウェーハの裏面」とは、デバイス層を形成する面と反対側の面(エピタキシャル成長処理を施さない面側)を意味する。
例えば、エピタキシャル装置内で、ウェーハをサセプタに載置し、水素ガスを導入して水素ガス雰囲気下で1100℃〜1200℃に昇温して、ベークする。
次いで、原料ガスのトリクロロシランガス、キャリアガスの水素ガス、ドーパントガスのジボランガスをエピタキシャル炉内に導入して、ウェーハ表面にエピタキシャル層を形成することができる。
このようにして、厚さ1μm〜100μmのエピタキシャル層を形成することができる。
なお、以下の実施形態における、エピタキシャル膜の形成も同様に、通常のエピタキシャル成長方法を用いることができる。
これにより、無欠陥で高品質なデバイス層となるエピタキシャル層3直下に、酸素、炭素、窒素のいずれか1種類以上の元素が高濃度にドープされた、不純物ドープ層2が存在することとなるため、より高いゲッタリング能力を有するシリコンウェーハ1を実現することができる。また、エピタキシャル層3直下に不純物ドープ層2が存在することにより、シリコンウェーハ1の裏面がデバイス後工程において研削により薄厚化された場合でも、当該不純物ドープ層が残存するため、ゲッタリング能力が低下することはない。
また、図1(a)(b)に示す実施形態の場合と同様に、高濃度の酸素、炭素、窒素がドープされることによるウェーハ強度の増大の効果もある。
なお、エピタキシャル層3の表面の平坦度を向上させるため、エピタキシャル層3を形成するのに先立って、レーザー照射された面の表面を研磨処理するなどして平坦化することが好ましい。
なお、デバイス後工程での裏面研削は、通常、デバイスが形成された表面から20〜100μmの厚さが残る範囲で研削する。
これにより、図2(c)に示すシリコンウェーハ1は、ウェーハ裏面の研削前には、不純物ドープ層2bによるゲッタリング効果と、不純物ドープ層2aによる近接ゲッタリング効果を併せ持つ。
また、ウェーハ裏面の研削時に、不純物ドープ層2bが削られた場合であっても、裏面研削時及び研削後のCu汚染に対して、不純物ドープ層2aによる近接ゲッタリング効果を有する。
さらに、図1(a)(b)に示す実施形態の場合と同様に、ウェーハ強度の増大の効果もある。
ここで、ウェーハ両面にレーザーを照射するのは、両面に同時に照射しても、順次照射しても良く、ただし、レーザー照射時には、レーザーを照射する面の表面に上記元素が存在している必要がある。
なお、図2(c)に示すシリコンウェーハ1は、まず片面にレーザー照射を行ってゲッタリング層2aを形成した後、該ゲッタリング層2aの表面にエピタキシャル層3を形成し、その後、ウェーハ裏面にレーザー照射を行って、ゲッタリング層2bを形成することによって得ることもできる。この場合、上述のとおり、エピタキシャル膜の品質を低下させないように、レーザー照射後にエピタキシャル層3の表面を研磨するか、あるいは、エピタキシャル層3を酸化膜等の保護膜で覆った後、レーザー照射を行い、次いで、保護膜を除去することが好ましい。
すなわち、ウェーハ1の裏面を研削して薄厚化した後、裏面1bの表面に、酸素、炭素、窒素のいずれか1つ以上の元素が存在する状態で、当該裏面1bに対してレーザー照射をし、裏面1bの表層部を溶融、固化して、上記元素をウェーハ1にドープすることができる。
これにより、この薄厚化されたウェーハ1は、デバイスが形成されるウェーハ表層部の直下に位置する裏面1b表層部に不純物ドープ層2を備えていることから、ゲッタンリング能力に優れ、例えばデバイスプロセスの後工程での裏面研削時又は研削後のCuの汚染に対しても十分なゲッタリング能力を有する。
また、図1(a)(b)の実施形態の場合と同様に、ウェーハの強度が増大する効果もある。
さらに、通常デバイスプロセスの後工程では、ウェーハ1の薄厚化のために実施される裏面研削によってウェーハ裏面1bに加工歪が生じるため、この加工歪みを研磨又はエッチングによって除去する工程を必要としていたが、これらの研磨やエッチング処理に代えてレーザー照射を実施することにより、表層部の溶融、固化によって加工歪が除去される。
このため、加工歪の除去によるウェーハ強度の増大や、上記の研磨又はエッチング工程が不要となるという利点もある。
本発明の効果を確かめるため、以下の実験を行った。
まず、径300mm、厚さ780μmのp-シリコンウェーハ(ボロン濃度1.0×1015atoms/cm3、格子間酸素濃度1.2×1018atoms/cm3)を複数枚用意し、そのうち半数のウェーハの片面をレーザー照射し(発明例1)、他の半数のウェーハにはレーザー照射を行わなかった(比較例1)。
レーザー照射条件は、大気雰囲気中での照射とし、波長はYAGレーザーの2倍波(532nm)とし、エネルギー密度10J/cm2、パルス幅300ns、パルス数10回とした。
上記レーザーを照射されたウェーハ片面の表層部は、約2μmの深さまで溶融し、溶融した表層部を固化させた。
レーザー照射して溶融し、固化した表層部を電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、欠陥は観察されなかった。このことから表層部は無欠陥で固化されたことがわかる。
その後、発明例1及び比較例1にかかるウェーハに対して、不活性ガス雰囲気で1200℃の温度で1時間の高温熱処理(スリップ評価熱処理)を実施した後、酸化雰囲気で800℃の温度で4時間の熱処理に続けて、酸化雰囲気で1000℃の温度で16時間の熱処理を行う二段階熱処理(BMD密度評価熱処理)を施した。
また、発明例1及び比較例1にかかるウェーハ表層部のBMD密度を赤外光散乱トモグラフィーで評価した。
さらに、発明例1及び比較例1にかかるウェーハのゲッタリング効果を確認するため、ウェーハ表層部1μmの範囲のCu濃度及びNi濃度を化学分析により評価した。
これらの評価結果も以下の表1に示す。
次に、径300mm、厚さ780μmのp+シリコンウェーハ(ボロン濃度1.0×1019atoms/cm3、格子間酸素濃度1.2×1018atoms/cm3)に対しても同様の実験を行った。
レーザー照射条件を、大気雰囲気中の照射とし、波長を308nmとし、エネルギー密度5J/cm2、パルス幅200ns、パルス数1回とした以外は実験1と同様である。
この評価結果を表1に示してある。
なお、表1において発明例2、比較例2とは、それぞれ実験2において上述のレーザー照射を行ったウェーハと行わなかったウェーハを意味する。
一方、比較例1、2にかかるウェーハは、レーザー処理を施していないため、炭素、窒素は検出されず、ウェーハ表層部の酸素濃度は高温熱処理による酸素外方拡散により、酸素濃度の低下を招いていた。
また、比較例1にかかるウェーハでは、多数のスリップの発生が確認され、比較例2にかかるウェーハでは少数のスリップの発生が確認されたが、発明例1、2にかかるウェーハではスリップが見られなかった。
さらに、発明例1、2にかかるウェーハでは高密度のBMDが検出されたが、比較例1にかかるウェーハではBMDは検出されず、比較例2にかかるウェーハはBMD密度が低かった。
なお、BMD密度、スリップの発生に関し、比較例1と2とで差があるのは、比較例2の方のボロン濃度が高いため、ウェーハの強度が向上し、また酸素の析出が促進されたためであると考えられる。
また、比較例1にかかるウェーハは、約1.0×1014atoms/cm3のCu及び約1.0×1015atoms/cm3のNiが検出され、比較例2にかかるウェーハでは、約5.0×1013atoms/cm3のCu及び約5.0×1014atoms/cm3のNiが検出されたが、発明例1、2にかかるウェーハではCu及びNiは検出されなかった。
これらのことから、発明例1、2にかかるウェーハは、レーザー照射を行った結果、十分なゲッタリング能力を有し、またウェーハ強度が向上していることがわかる。
径300mm、厚さ780μmのp-シリコンウェーハ(ボロン濃度1.0×1015atoms/cm3、格子間酸素濃度1.2×1018atoms/cm3)を複数枚用意し、そのうち半数のウェーハの片面を実験1と同様の条件でレーザー照射し(発明例3)、他の半数のウェーハにはレーザー照射を行わなかった(比較例3)。
ここで、SIMSによる酸素、炭素、窒素の深さプロファイルの評価を行ったが、評価結果は、実験1と同様であった。
次いで、発明例3にかかるウェーハのレーザー照射を行った面の表面を1μm研磨して、鏡面にして、ゲッタリング層を1μm残存させた後、該ゲッタリング層の上に約3μmのエピタキシャル層を形成した。比較例3にもウェーハの片面に約3μmのエピタキシャル層を形成した。
その後、発明例3及び比較例3にかかるウェーハに対し、実験1と同様のバッチ熱処理を施し、次いで、デバイスプロセスの後工程を模擬して、ウェーハの裏面を研削して、ウェーハの厚さを100μmとした。
この後工程を模擬した研削によるCu及びNi汚染に対するゲッタリング効果を確認するため、実験1と同様のゲッタリング効果の評価を行った。
次に、厚さ780μmのp+シリコンウェーハ(ボロン濃度1.0×1019atoms/cm3、格子間酸素濃度1.2×1018atoms/cm3)に対しても実験3と同様の実験を行った。
なお、レーザー照射条件は実験2と同様とし、デバイスプロセスの後工程を模擬したウェーハの裏面の研削では、ウェーハの厚さを20μmとした。
実験3、4の評価結果を表2に示す。
ここで、表2において発明例4、比較例4とは、それぞれ実験4において上述のレーザー照射を行ったウェーハと行わなかったウェーハを意味する。
このことから、上述のレーザー照射を行った、発明例3、4にかかるウェーハは、後工程を模擬した研削によるCu及びNi汚染に対して十分なゲッタリング能力を有することがわかる。
厚さ780μmのp-シリコンウェーハ(ボロン濃度1.0×1015atoms/cm3、格子間酸素濃度1.2×1018atoms/cm3)を複数枚用意し、該ウェーハ裏面を研削して、ウェーハの厚さを100μmに薄厚化した後、半数のウェーハの片面を実験1と同様の条件でレーザー照射し(発明例5)、他の半数のウェーハにはレーザー照射を行わなかった(比較例5)。
レーザー照射して溶融し、固化した表層部を電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、欠陥は観察されなかった。このことから表層部は無欠陥で固化されたことがわかる。
次に、厚さ780μmのp+シリコンウェーハ(ボロン濃度1.0×1019atoms/cm3、格子間酸素濃度1.2×1018atoms/cm3)に対しても実験5と同様の実験を行った。
なお、レーザー照射条件は実験2と同様とし、ウェーハ裏面研削は、ウェーハの厚さを20μmまで研削した。
実験5、6の評価結果を表3に示す。
ここで、表3において発明例6、比較例6とは、それぞれ実験6において、上述のレーザー照射を行ったウェーハと行わなかったウェーハを意味する。
また、酸素雰囲気、窒素雰囲気中でレーザー照射を行った場合や、レーザーを照射する面の表面に酸化膜、窒化膜、炭化膜等を付加した状態でレーザー照射した結果も同様に十分なゲッタリング能力を有し、ウェーハ強度が向上していた。
1a、1b シリコンウェーハの片面
2、2a、2b 不純物ドープ層(ゲッタリング層)
3 エピタキシャル層
Claims (4)
- シリコンウェーハの両面のうち少なくとも何れか一方の面の表面に酸素、炭素、窒素のうち何れか1種類以上の元素が存在する状態にて、前記元素が存在する、前記シリコンウェーハの何れか一方の面の表面にレーザーを照射して、前記シリコンウェーハの表層部を溶融させた後、溶融させた前記表層部を固化させることにより、前記元素を前記表層部にドープすることを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。
- シリコンウェーハの両面のうち少なくとも何れか一方の面の表面に酸素、炭素、窒素のうち何れか1種類以上の元素が存在する状態にて、前記元素が存在する、前記シリコンウェーハの何れか一方の面の表面にレーザーを照射して、前記シリコンウェーハの表層部を溶融させた後、溶融させた前記表層部を固化させることにより、前記元素を前記表層部にドープし、次いで前記シリコンウェーハの何れか一方の面の表面にエピタキシャル膜を形成することを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。
- 前記シリコンウェーハの前記レーザー照射を行った面の表面にエピタキシャル膜を形成することを特徴とする、請求項2に記載のシリコンウェーハの製造方法。
- デバイス領域として使用されないシリコンウェーハの裏面を機械加工処理することにより、該シリコンウェーハを薄厚化した後、前記裏面に酸素、炭素、窒素のうち何れか1種類以上の元素が存在する状態で、前記裏面にレーザーを照射して、前記シリコンウェーハの裏面の表層部を溶融させた後、溶融させた前記表層部を固化させることにより、前記元素を前記表層部にドープすることを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。
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