JP2011027076A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Akira Iwashida
鶸田  晃
Yoshiyuki Nikami
義幸 二上
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
Takashi Morimoto
敬 森本
Akira Ikeda
明 池田
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Abstract

【課題】適切な背圧を印加しながら、圧縮室へ適切な量のオイルを供給することができるので、高信頼性を確保しながら高効率を両立できるスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、固定スクロールに形成された吸入室から作動流体を吸入し、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、背圧室29と外側圧縮室を間欠的に連通させる第1の経路と、背圧室29と内側圧縮室を間欠的に連通させる第2の経路と、高圧領域30と吸入室17に連通する第3の経路56を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行うものである。作動流体は旋回スクロールの旋回運動に伴い徐々に圧縮され、中心部に向かうに従い高圧状態となるため、旋回スクロールには固定スクロールから引き離される方向に離反力が働く。その結果、旋回スクロールと固定スクロールとの間には隙間が生じるため、圧縮途中の漏れが発生し、性能悪化を引き起こしてしまう。この対策として、旋回スクロールの背面に設けた背圧室に高圧と低圧との間の中間圧力を印加させ、固定スクロールからの離反を防止する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図である。旋回スクロール3の鏡板3bに設けられ、圧縮室14側に開口する圧縮室側開口端22cから背圧室12に開口する背圧室側開口端22bへ連通する連絡通路22を備え、旋回スクロール3の旋回運動に伴い、圧縮室側開口端22cが固定スクロール2の鏡板2bで開閉されることで連絡通路22の連通及び閉塞が行われる。この連通及び閉塞の動作により、背圧室12の圧力を所定の圧力(=中間圧力)に維持している。
さらに、圧縮室側開口端22cが旋回スクロール3の旋回運動に伴い、固定スクロール2のスラスト面と吸入室に連通する圧縮室を周期的に移動することで、旋回スクロール3の外側に形成される圧縮室に間欠的に給油可能であり、給油されたオイルがこの圧縮室のシールの役割を果たし、作動流体の漏れが抑えられ、圧縮効率の低下を抑制している。
特開2007−270697号公報
しかしながら、上記従来技術では背圧室への給油に関しては何ら開示されていない。背圧室にはオルダムリングに代表されるような自転拘束機構が配置されているため、潤滑のためのオイルが必要となるが、通常はオイル溜りのオイルを導いて背圧室へと供給する。しかしオイル溜りのオイルは高圧状態であるため、大量に供給すると背圧室の圧力が高くなり、旋回スクロールに過剰な背圧が印加される恐れがある。過剰な背圧が印加された場合には、スラスト荷重が増大するため、性能悪化や信頼性悪化を引き起こすという課題を有していた。
また、背圧室と圧縮室を連通させる経路の圧縮室側開口端を、旋回スクロールの内側に形成される内側圧縮室には開口させていなかったため、内側圧縮室には十分なオイルが供給されにくく、作動流体の漏れによる圧縮効率の低下が発生する場合があった。更に、オイルの供給が過度に少ない場合には、旋回スクロールと固定スクロールとの潤滑不足となり、カジリや異常磨耗を引き起こすという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、適切な背圧を印加しながら、圧縮室へ適切な量のオイルを供給することができるので、高信頼性を確保しながら高効率を両立できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの背面には高圧領域と、高圧と低圧との間の中間圧領域からなる背圧室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、固定スクロールに形成された吸入室から作動流体を吸入し、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、圧縮室は旋回スクロールのラップ外側に形成される外側圧縮室と旋回スクロールのラップ内側に形成される内側圧縮室とを有し、背圧室と外側圧縮室とを間欠的に連通させる第1の経路と、背圧室と内側圧縮室とを間欠的に連通させる第2の経路と、旋回スクロールの背面の高圧領域と吸入室に連通する第3の経路とを設けたものである。この構成によれば、適切な背圧を印加してスラスト荷重の増大を防ぎながら、圧縮室へ適切な量のオイルを供給することによって、シールによる圧縮途中の漏れと潤滑不足によるカジリや異常磨耗の両方を防ぐことができるので、高信頼性を確保しながら高効率を両立できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、適切な背圧を印加しながら、圧縮室へ適切な量のオイルを供給することができるので、高効率・高信頼性を実現することができ、特に二酸化炭素などの高圧冷媒を用いた場合に効果的である。
本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の縦断面図 本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせた状態での断面を時系列に並べた説明図 本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の第3の経路の要部拡大断面図 吸入室へのオイル供給量と成績係数の関係を示す特性図 本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の第1及び第2の経路と第4の経路の連通状態図 従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図
第1の発明は、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの背面には高圧領域と、高圧と低圧との間の中間圧領域からなる背圧室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、固定スクロールに形成された吸入室から作動流体を吸入し、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、圧縮室は旋回スクロールのラップ外側に形成される外側圧縮室と旋回スクロールのラップ内側に形成される内側圧縮室とを有し、背圧室と外側圧縮室とを間欠的に連通させる第1の経路と、背圧室と内側圧縮室とを間欠的に連通させる第2の経路と、高圧領域と吸入室とを連通させる第3の経路とを設けたものである。この構成によれば、圧縮室へ適切な量のオイルを供給することによって、シールによる圧縮途中の漏れと、潤滑不足によるカジリや異常磨耗の両方を防ぐこ
とができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、高圧領域と背圧室とを連通させる第4の経路を設けたものである。この構成によれば、背圧室へと流入するオイルをコントロールすることができるので、適切な背圧を印加してスラスト荷重の増大を防ぐことができる。
第3の発明は、特に第1〜2の発明において、第3の経路に絞り部を設けたものである。この構成によれば、吸入室へのオイルの供給量をコントロールすることができるので、吸入加熱による体積効率の低下を防ぎながら、シールによる圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
第4の発明は、特に第1〜3の発明において、第1の経路が連通する比率と第2の経路が連通する比率とが、概略等しくなるように形成したものである。この構成によれば、旋回スクロールのラップ外側に形成される外側圧縮室と旋回スクロールの内側に形成される内側圧縮室の両方に、均等にオイルを供給することができるので、効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
第5の発明は、特に第1〜3の発明において、旋回スクロールを固定スクロールよりも熱膨張係数の大きい材料で構成し、第2の経路が連通する比率を、第1の経路が連通する比率に対して同等以上となるように形成したものである。運転時に旋回スクロールは固定スクロールに比べて熱膨張によって相対的に大きくなり、内側圧縮室を形成する径方向の隙間が広がってシール性が低下する。この構成によれば、このような場合においても、内側圧縮室にオイルをより多く供給することができるので、効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
第6の発明は、特に第1〜5の発明において、作動流体としての冷媒を、二酸化炭素としたものである。二酸化炭素はHFC系冷媒と比べて圧縮途中の差圧が大きいが、適切な背圧を印加してスラスト荷重の増大を防ぎながら適切なオイルを供給することができるので、高い信頼性を確保しながら、より効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の縦断面図である。以下、スクロール圧縮機について、その動作、作用を説明する。
図1、図2に示すように、本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでいる。さらに、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けてスクロール式の圧縮機構2を構成している。
そして、クランク軸4の上端にある偏心軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16及び固定スクロール12の外周部の吸入室17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガス
は固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
旋回スクロール13のラップ上面13cには、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、中心部である巻き始め部から外周部である巻き終わり部にかけて、徐々にハネ高さが高くなるようにスロープ形状が設けられている。これにより熱膨張による寸法変化を吸収し、局所摺動を防止することができる。
また旋回スクロール13の背面13eには、内周側に高圧領域30と、外周側に高圧と低圧との間の中間圧に設定された背圧室29とがシール部材78を境にして形成されている。この背面13eの圧力付勢により旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、圧縮行程の漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
クランク軸4の下端にはポンプ25が設けられ、圧縮機運転中はスクロール圧縮機と同時に駆動される。ポンプ25は密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げ、オイルフィルタ等で異物を除去した後、クランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2にオイル6を供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。
このように供給されたオイル6の一部は、供給圧や自重によって、偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部66a、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66bに進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。
また、旋回スクロール13には、背圧室29に一開口端55a、旋回スクロール13のラップ上面13cに他方の開口端55bを有する経路55が形成されている。図3は固定スクロール12に旋回スクロール13を噛み合わせた状態であり、位相を90度ずつずらした図である。例えば図3に示す構成の場合、経路55の他方の開口端55bを、固定スクロール12のラップ底面12cに形成された2つの凹部12d,12eに周期的に開口させることによって、凹部12dにおいて第1の経路55及び凹部12eにおいて第2の経路55として間欠的な連通を実現している。
図3の(B)の状態で開口端55bが凹部12dに開口しており、この状態では、旋回スクロール12のラップ外側に形成される外側圧縮室15aと背圧室29とが連通する第1の経路55が形成され、第1の経路55を通って、背圧室29から外側圧縮室15aへとオイルが供給される。(D)の状態で開口端55bが凹部12eに開口しており、この状態では、旋回スクロール12のラップ内側に形成される内側圧縮室15bと背圧室29とが連通する第2の経路55が形成され、第2の経路55を通って、背圧室29から内側圧縮室15bへとオイルが供給される。これに対し(A)と(C)では、開口端55bが2つの凹部12d,12eに開口していないため、背圧室29から圧縮室15へとオイルが供給されることはない。以上のことから、背圧室29内のオイル6は、第1及び第2の経路55を通って圧縮室15a,15bへと導かれ、圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
ここで、開口端55bの大きさと位置、2つの凹部12d,12eの大きさと位置を調整して、第1の経路55が連通する比率と、第2の経路55が連通する比率とを、概略等しくなるように形成している。この場合、旋回スクロール13のラップ外側に形成される外側圧縮室15aと旋回スクロール13の内側に形成される内側圧縮室15bの両方に、
均等にオイル6を供給することができるので、効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
なお、旋回スクロール13を固定スクロール12よりも熱膨張係数の大きい材料で構成した場合、例えば旋回スクロール13をアルミ系金属、固定スクロール12を鉄系金属で構成した場合は、開口端55bの大きさと位置、2つの凹部12d,12eの大きさと位置を調整して、第2の経路55が連通する比率を、第1の経路55が連通する比率に対して、同等以上となるように形成する。旋回スクロール13は固定スクロール12に比べて熱膨張によって相対的に大きくなり、内側圧縮室15bを形成する径方向の隙間が広がってシール性が低下するが、このような場合においても、内側圧縮室15bにオイル6をより多く供給することができるので、効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
また、旋回スクロール13には、背面の高圧領域30に一開口端56a、旋回スクロール13のラップ上面13cに他方の開口端56bを有する第3の経路56が形成されている。他方の開口端56bは吸入室17に連続的に開口しており、高圧領域30から吸入室17へとオイル6が供給される。供給されたオイル6は、旋回スクロール12のラップ外側に形成される外側圧縮室15aとラップ内側に形成される内側圧縮室15bの両方に、ほぼ均等に冷媒ガスと一緒に吸入され、シール性を向上して圧縮途中の漏れを防いでいる。
図4に本発明の実施の形態における、第3の経路56の要部拡大図を示す。本実施例においては、経路56の一部である縦方向部分の通路断面積を小さくすることによって絞り部56cを設けている。また、旋回スクロール13のラップ上面13cの開口端56bから吸入室17へとつながる隙間によっても絞り部56dを形成している。これらの絞り部56c,56dによって、吸入室17へのオイル6の供給量をコントロールすることができる。
図5に吸入室17へのオイル6の供給量と成績係数の関係を示す。図5においては、2重量%以上20重量%未満の割合でオイル6を冷媒ガスに供給することによって性能を最大化できることを示している。この理由としては、オイル6が少なすぎるとシール不足による圧縮途中の漏れが増大し、オイル6が多すぎるとオイル6が持つ熱量によって冷媒ガスが加熱されて冷媒密度が低下し、それによって体積効率が低下することを示している。すなわち、図4に示す絞り部56c,56dを調整することによって、吸入室17へのオイル6の供給量をコントロールして吸入加熱による体積効率の低下を防ぎながら、シールによる圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
次に、本実施の形態1において、圧縮途中の圧縮室15に間欠的に給油する第1及び第2の経路55と、吸入室17に給油する第3の経路を別々に形成した理由について説明する。間欠的に給油する第1及び第2の経路55について、圧縮室15に供給されるオイル6の量は、開口端55bの大きさと位置、2つの凹部12d,12eの大きさと位置を調整したことによる連通比率に依存する。一方、第3の経路について、吸入室17に供給されるオイル6の量は、高圧領域30と吸入室17の冷媒ガスの圧力差に依存する。
圧縮機の信頼性を確保するためには、通常の運転条件だけではなく、高負荷条件においてもカジリや異常磨耗が発生しないことが求められる。高負荷条件においては、旋回スクロール13が固定スクロール12に強く押し付けられることによって摺動状態が厳しくなるが、高圧領域30と吸入室17の冷媒ガスの圧力差が大きくなることによって、オイル6が吸入室17に多量に供給される。よって、多量に供給されたオイル6が潤滑性を高めて、カジリや異常磨耗を防ぐことが可能となる。つまり、圧縮途中の圧縮室15に間欠的に給油する第1及び第2の経路55、吸入室17に給油する第3の経路56を別々に形成
して圧縮室15へ流入するオイル6量を適切に制御することによって、通常運転時には、シールによる圧縮途中の漏れを防ぎ、高負荷運転時には、潤滑不足によるカジリや異常磨耗の両方を防ぐことができるので、高信頼性を確保しながら高効率を両立できるスクロール圧縮機を実現することができる。
次に、高圧領域30と背圧室29とを連通させる第4の経路54について説明する。高圧領域30に供給されたオイル6の一部は、高圧領域30に一開口端を有する第4の経路54を通って、自転拘束機構14が位置している背圧室29に進入し、スラスト摺動部及び自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。背圧室29におけるオイル量については、第4の経路54を介して高圧領域30から背圧室29へと進入するオイル6の量と、第1及び第2の経路55を介して背圧室29から圧縮室15へと進入するオイル6の量とを比較して、前者のオイル量が多い場合、背圧室29には過剰なオイル6が供給されるため圧力が上昇してしまう。その結果、旋回スクロール13に過剰な背圧が印加される。過剰な背圧が印加された場合には、スラスト荷重が増大するため、性能悪化や信頼性悪化を引き起こすという課題がある。そこで、本実施の形態1におけるスクロール圧縮機においては、背圧室29へ流入するオイル6を制御できるようにして第4の経路54を設けている。また、旋回スクロール13の背面13eにシール部材78を配置することで、高圧領域30と背圧室29に仕切る。これにより、高圧領域30から背圧室29への圧力の漏れ込みを防止できるので、背圧室29へのオイル流入は第4の経路54のみで制御することができる。
次に、第4の経路54の経路の形成方法について説明する。本実施の形態1のスクロール圧縮機では、第4の経路54を高圧領域30と背圧室29の間で間欠的に連通させている。具体的には第4の経路54の一開口端54aを常時高圧領域30に開口させ、旋回スクロール13の背面13eに形成された他方の開口端54bを、高圧領域30と背圧室29を周期的に往来させるものである。これにより、背圧室29へ過剰なオイル6が供給されることがないため、背圧の異常な上昇が防止できる。
なお、第4の経路54を介して高圧領域30から背圧室29へと進入するオイル6を、第1及び第2の経路55を介して背圧室29から圧縮室15へと進入するオイル6に比べて少なくできる構成、例えば第4の経路54に絞り部を設ける方法(図示せず)等で実現しても同等の効果が得られる。
次に、望ましい第1及び第2の経路55と、第4の経路54の連通比率に対して説明する。図6は旋回スクロール13の回転位相に対して、第1及び第2の経路55と、第4の経路54の連通状態を示している。図6に示すように、一回転のうち第4の経路54が高圧領域30から背圧室29へ連通している区間より、第1及び第2の経路55が背圧室29から圧縮室15に連通している区間の合計を同等以上に設定する。この構成によると、背圧室29へのオイル供給時間より、背圧室29からのオイル排出時間の方が長くなるため、背圧室29の圧力が異常上昇する恐れがない。すなわち、旋回スクロール13に対し過剰背圧の印加がないため、高効率かつ高信頼性を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
また、特に旋回スクロール13を固定スクロール12よりも熱膨張係数の大きい金属で形成した場合、例えば旋回スクロール13をアルミ系金属、固定スクロール12を鉄系金属で形成した場合は、第4の経路54が連通した後に第2の経路が連通するように形成することが望ましい。旋回スクロール13は固定スクロール12に比べて熱膨張によって相対的に大きくなり、旋回スクロール13のラップ内側に形成される内側圧縮室15bを形成する径方向の隙間が広がってシール性が低下する。このような場合においても、第4の経路54によってオイル6が背圧室29に供給された直後に、第2の経路からオイル6が
内側圧縮室15bへと排出されるために、第1と第2の経路55の連通比率が同じでも、第2の経路55からのオイル6の量が多くなる。結果、より効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
最後に作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素とした場合、HFC系冷媒と比べて圧縮途中の差圧が大きいが、そのような場合でも適切な背圧を印加してスラスト荷重の増大を防ぎながら、適切なオイルを供給することができるので、高い信頼性を確保しながら、より効果的に圧縮途中の漏れを防ぐことができる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、背圧室と外側圧縮室とを間欠的に連通させる第1の経路と、背圧室と内側圧縮室とを間欠的に連通させる第2の経路と、高圧領域と吸入室とを連通させる第3の経路とを設けたものである。この構成によれば、適切な背圧を印加してスラスト荷重の増大を防ぎながら、圧縮室へ適切な量のオイルを供給することによって、シールによる圧縮途中の漏れと潤滑不足によるカジリや異常磨耗の両方を防ぐことができるので、運転条件にかかわらず高信頼性を確保しながら高効率を両立できるスクロール圧縮機を提供することができる。よって、作動流体を冷媒と限ることなく、空気、ヘリウムを作動流体とするスクロール圧縮機や、膨張機も含むスクロール流体機械の用途にも適用できる。
12 固定スクロール
12b ラップ溝
12c ラップ溝底面
12d 凹部
12e 凹部
13 旋回スクロール
13c ラップ先端
13e 背面
14 自転拘束機構
15 圧縮室
15a 外側圧縮室
15b 内側圧縮室
29 背圧室
30 高圧領域
54 第4の経路
54a 開口端(高圧領域側)
54b 開口端(背圧室側)
55 第1及び第2の経路
54a 開口端(背圧室側)
54b 開口端(圧縮室側)
56 第3の経路
56a 開口端(高圧領域側)
56b 開口端(吸入室側)
56c 絞り部(断面積縮小による)
56d 絞り部(隙間による)

Claims (6)

  1. 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、前記旋回スクロールの背面には高圧領域と、高圧と低圧との間の中間圧領域からなる背圧室を形成し、自転拘束機構による規制により前記旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、前記固定スクロールに形成された吸入室から作動流体を吸入し、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、前記圧縮室は前記旋回スクロールのラップ外側に形成される外側圧縮室と前記旋回スクロールのラップ内側に形成される内側圧縮室とを有し、前記背圧室と前記外側圧縮室とを間欠的に連通させる第1の経路と、前記背圧室と前記内側圧縮室とを間欠的に連通させる第2の経路と、前記高圧領域と前記吸入室とを連通させる第3の経路とを設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記高圧領域と前記背圧室とを連通させる第4の経路を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記第3の経路に絞り部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記第1の経路が連通する比率と前記第2の経路が連通する比率とが、概略等しくなるように形成したことを特徴とする請求項1から3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記旋回スクロールを前記固定スクロールよりも熱膨張係数の大きい材料で構成し、前記第2の経路が連通する比率を、前記第1の経路が連通する比率に対して同等以上となるように形成したことを特徴とする請求項1から3に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記作動流体としての冷媒を、二酸化炭素としたことを特徴とする請求項1から5に記載のスクロール圧縮機。
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