JP2009174406A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2009174406A
JP2009174406A JP2008013313A JP2008013313A JP2009174406A JP 2009174406 A JP2009174406 A JP 2009174406A JP 2008013313 A JP2008013313 A JP 2008013313A JP 2008013313 A JP2008013313 A JP 2008013313A JP 2009174406 A JP2009174406 A JP 2009174406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
wrap
thermal expansion
spiral wrap
orbiting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008013313A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sakuta
作田  淳
Yoshiyuki Nikami
義幸 二上
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
Akira Iwashida
鶸田  晃
Tatsuya Nakamoto
達也 中本
Masao Nakano
雅夫 中野
Takashi Morimoto
敬 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008013313A priority Critical patent/JP2009174406A/ja
Publication of JP2009174406A publication Critical patent/JP2009174406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】固定スクロールと旋回スクロールが異材質の場合、高温状態である中心部のラップと比較的低温状態である外周部のラップで固定スクロールと旋回スクロールの熱膨張の量が異なるため、ラップ間隙間が不均一となり、局所的な接触が発生することになる。
【解決手段】運転時の温度分布を考慮して、固定スクロール12のラップ厚み12wもしくは旋回スクロール13のラップ厚み13wを部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールおよび旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行うものである。作動流体は旋回スクロールの旋回運動に伴い徐々に圧縮され、中心部に向かうに従い次第に高圧高温状態となる。これにより旋回スクロールや固定スクロールも中心部では高温状態となり、その結果熱膨張が生じる。特に固定スクロールと旋回スクロールが異材質の場合、熱膨張量が異なるため旋回スクロールと固定スクロールのラップ壁面が局所的に接触し、その結果ラップ壁面の接点数が減少してしまい、漏れ隙間拡大による入力増大、すなわち性能悪化を引き起こす恐れがある。そこで従来、ラップ厚みを変化させた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の平面図である。吐出ポート5につながる直前の最小空間となる圧縮室4の尾端点を点A、点Bとする。A点もしくはその近傍から固定スクロール2のラップ外壁を巻き終わり部に向かってラップ厚みを増大する変化部を設けるとともに旋回スクロール1のラップ内壁を巻き終わり部に向かってラップ厚みを減少する厚み変化部を設け、同様にB点もしくはその近傍から固定スクロール2のラップ内壁を巻き終わり部に向かってラップ厚みを減少する厚み変化部を設けるとともに旋回スクロール1のラップ外壁を巻き終わり部に向かってラップ厚みを増大する厚み変化部を設ける。この構成により最小空間の圧縮室4を形成しない部分のラップ間の溝巾を、最小空間の圧縮室を形成する部分のラップ間の溝巾より大きくすることで、作動流体の閉じ込み量を増大させることができる。
特公平2−9193号公報
前記従来の構成では、固定スクロール2(もしくは旋回スクロール1)のラップ厚みを減少させ、旋回スクロール1(もしくは固定スクロール2)のラップ厚みを増大させるので、組み立て時のラップ間隙間は、厚み変化部を除いて一定となる。つまり固定スクロール2と旋回スクロール1が異材質の場合には、運転時の高温状態で熱膨張によりラップ厚みの変化量が異なるため、中心部と外周部でラップ間隙間の不均一が発生してしまい、局所的な接触が発生することになる。その結果ラップ壁面の接点数が減少してしまい、漏れ隙間拡大による入力増大、すなわち性能悪化を引き起こすという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、運転時の温度分布を考慮して、固定スクロールもしくは旋回スクロールのラップ厚みを部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を
形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、固定スクロールと旋回スクロールは異材質であり、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ内壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ外壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、ラップの巻き始めを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施したものである。
かかる構成によれば、運転時の温度分布を考慮して、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ内壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ外壁を部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
また、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により前記旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールは異材質であり、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ外壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ内壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、前記ラップの巻き終わりを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施したものである。
そしてこの構成によれば、運転時の温度分布を考慮して、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ外壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ内壁を部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明のスクロール圧縮機は、運転時の温度分布を考慮して、固定スクロールもしくは旋回スクロールのラップ厚みを部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の本発明では、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、固定スクロールと旋回スクロールは異材質であり、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ内壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ外壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、ラップの巻き始めを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施したものである。そしてこの構成によれば、運転時の温度分布を考慮して、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ内壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ外壁を部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の本発明では、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮
機において、固定スクロールと旋回スクロールは異材質であり、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ外壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ内壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、ラップの巻き終わりを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施したものである。そしてこの構成によれば、運転時の温度分布を考慮して、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ外壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ内壁を部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の本発明では、特に請求項1または2に記載のオフセット加工の量に関して、旋回スクロールの鏡板直径(D)と両スクロールの熱膨張係数差(Δα)の積(D×Δα)の5倍から50倍の範囲でラップ厚みを小さくしたものである。そしてこの構成によれば、異材質により発生するラップ厚み方向の熱膨張量の差を十分に吸収でき、またラップ間隙間が開きすぎることもないため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の本発明では、特に請求項1から3のいずれか1項に記載の渦巻きラップにおいて、オフセット加工を施した渦巻きラップ部とオフセット加工を施していない渦巻きラップ部を滑らかにつないだものである。そしてこの構成によれば、ラップ厚みの変化点において壁面に発生するエッジを防止でき、ラップ間隙間の不均一をより一層抑制できるので、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項5に記載の本発明では、特に請求項1から4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機において、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。そしてこの場合、特に中心部と外周部の温度差が大きいため本発明の効果が顕著に現れ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の要部拡大断面図、図3と図4は旋回スクロールの平面図である。以下、スクロール圧縮機について、その動作、作用を説明する。
図1、図2に示すように、本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けて、クランク軸4の上端にある偏心軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
旋回スクロール13のラップ上面13cには、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、中心部である巻き始め部から外周部である巻き終わり部にかけて、徐々にハネ高さが
高くなるようにスロープ形状が設けられている。これにより熱膨張による寸法変化を吸収し、局所摺動を防止することができる。
また旋回スクロール13の背面13eには、主軸受部材11に配置されている環状のシール部材78があり、旋回運動を行いながらシール部材78により、シール部材78の内側領域である高圧領域30と、外側領域である高圧と低圧の中間圧に設定された背圧室29とに仕切られている。この背面13eの圧力付加により旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
さらに、固定スクロール12には、旋回スクロール13の背面13eの背圧室29が、常に一定の圧力となるように制御する背圧調整機構9を備えている。
圧縮機運転中は、クランク軸4の下向きの他端にはポンプ25が設けられ、スクロール圧縮機と同時に駆動される。これによりポンプ25は密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げてクランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2に供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。
このように供給されたオイル6の一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。高圧領域30に供給されたオイル6の別の一部は、高圧領域30に開口を有する給油経路54を通って、旋回スクロール13の外周部まわりにあって自転拘束機構14が位置している背圧室29に進入し、スラスト摺動部および自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。
背圧室29は高圧領域30の高圧側との間が環状のシール部材78によってシールされていて、進入してくるオイルが充満するにつれて圧力を増し、所定の圧力を超えると、背圧調整機構9が作用して、圧縮室15の吸入部分に戻され進入する。
このオイル6の進入は所定の周期で繰り返され、この繰り返しのタイミングは吸入、圧縮、吐出の繰り返しサイクルと、背圧調整機構9での圧力設定との関係の組み合わせによって決まり、固定スクロール12と旋回スクロール13との摺動部への意図的な潤滑となる。この意図的な潤滑は前記したように背圧調整機構9による連絡路10の凹部10aへの開口によって常時保証される。吸入口17へと供給されたオイル6は旋回スクロール13の旋回運動とともに圧縮室15へと移動し、圧縮室15間の漏れ防止に役立っている。
一般的にスクロール圧縮機では、固定スクロール12と旋回スクロール13が噛み合うことで複数の圧縮室15を形成するが、外周部に形成された圧縮室15aと、ある程度圧縮が進んだ中心部の圧縮室15bでは、それぞれに閉じ込められている作動流体の温度が異なるため、圧縮室15a、15bを形成している固定スクロール12と旋回スクロール13のラップ温度も異なっている。特に固定スクロール12と旋回スクロール13が異材質の場合、高温状態である中心部のラップと比較的低温状態である外周部のラップで固定スクロール12と旋回スクロール13の熱膨張の量が異なるため、ラップ間隙間が不均一となり、局所的な接触が発生することになる。その結果ラップ壁面の接点数が減少してしまい、漏れ隙間拡大による入力増大、すなわち性能悪化を引き起こす恐れがある。
そこで本実施の形態Aのスクロール圧縮機では、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ内壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ外壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、ラップの巻き始めを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施す。ここで旋回スクロール13の熱膨張係数が固定スクロール12の熱膨張係数より大きい場合を例として説明する。図3に示すように、固定スクロール12の渦巻きラップ外壁12oもしくは旋回スクロール13の渦巻きラップ内壁13iの少なくとも一方あるいは双方に対し、ラップの巻き始めを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施すものである。これにより旋回スクロール13のラップ内壁13iに対して、高温状態である中心部と低温状態である外周部での熱膨張量の差を吸収でき、局所的な接触を防止することができる。その結果、旋回スクロール13のラップ内壁13iの接点数を確保することができるので、漏れ損失の低減を図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。またオフセット加工の範囲は渦巻きラップの巻数で異なるが、巻数に関係なく巻き終わりのおよそ1周分は吸入ガスにより冷却されるため、この部分にはオフセット加工を施さないのが望ましい。
また本実施の形態Bのスクロール圧縮機では、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ外壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ内壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、ラップの巻き終わりを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施す。ここでも上記同様、旋回スクロール13の熱膨張係数が固定スクロール12の熱膨張係数より大きい場合を例として説明する。図4に示すように、固定スクロール12の渦巻きラップ内壁12iもしくは旋回スクロール13の渦巻きラップ外壁13oの少なくとも一方あるいは双方に対しラップの巻き終わりを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施すものである。これにより旋回スクロール13のラップ外壁13oに対して、高温状態である中心部と低温状態である外周部での熱膨張量の差を吸収でき、局所的な接触を防止することができる。その結果、旋回スクロール13のラップ外壁13oの接点数を確保することができるので、漏れ損失の低減を図ることができ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。またオフセット加工の範囲は渦巻きラップの巻数で異なるが、巻数に関係なく巻き終わりのおよそ1周分は吸入ガスにより冷却されるため、この部分にはオフセット加工を施すのが望ましい。
なお本実施の形態では、旋回スクロール13の熱膨張係数が固定スクロール12の熱膨張係数より場合を例として説明したが、熱膨張係数の大小が逆の関係でも同様の効果が得られる。さらに旋回スクロール13のラップ厚み13wを代表して説明したが、固定スクロール12のラップ厚み12wに関しても同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係わるスクロール圧縮機の旋回スクロール13の平面図である。図5に示すように、本実施の形態のスクロール圧縮機では、オフセット加工の量に関して、旋回スクロールの鏡板直径(D)と両スクロールの熱膨張係数差(Δα)の積(D×Δα)の5倍から50倍の範囲でラップ厚みを小さくする。これにより、異材質により発生するラップ厚み方向の熱膨張量の差を十分に吸収でき、またラップ間隙間が開きすぎることもないため、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
またラップの側面形状に関して、オフセット加工を施した渦巻きラップ部13sとオフセット加工を施していない渦巻きラップ部13tを滑らかにつなぐ。これにより、ラップ厚み13wの変化点において壁面に発生するエッジを防止でき、ラップ間隙間の不均一をより一層抑制できるので、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
なお本実施の形態では、旋回スクロール13のラップ厚み13wを代表して説明したが、固定スクロール12のラップ厚み12wに関しても同様の効果が得られる。
最後に、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素とした場合、特に中心部と外周部の温度差が大きいため、本発明の効果が顕著に現れ、高効率を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、運転時の温度分布を考慮して、固定スクロールもしくは旋回スクロールのラップ厚みを部分的に縮小させて加工することで、高温状態になっても局所的な接触を防止することが可能となるため、作動流体を冷媒と限ることなく、空気スクロール圧縮機、真空ポンプ、スクロール型膨張機等のスクロール流体機械の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの平面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの平面図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの平面図 従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図
符号の説明
12 固定スクロール
12i ラップ内壁
12o ラップ外壁
12w ラップ厚み
13 旋回スクロール
13i ラップ内壁
13o ラップ外壁
13w ラップ厚み
13s オフセット加工を施したラップ部
13t オフセット加工を施していないラップ部
14 自転拘束機構
15 圧縮室
D 旋回スクロールの鏡板直径
Δα 熱膨張係数差

Claims (5)

  1. 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により前記旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールは異材質であり、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ内壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ外壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、前記ラップの巻き始めを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施してなるスクロール圧縮機。
  2. 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、自転拘束機構による規制により前記旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールは異材質であり、熱膨張係数の大きい方の渦巻きラップ外壁もしくは熱膨張係数の小さい方の渦巻きラップ内壁の少なくとも一方あるいは双方に対し、前記ラップの巻き終わりを含む一部でラップ厚みが小さくなる方向に基準曲線に対してオフセット加工を施してなるスクロール圧縮機。
  3. 前記オフセット加工の量に関して、前記旋回スクロールの鏡板直径(D)と前記両スクロールの熱膨張係数差(Δα)の積(D×Δα)の5倍から50倍の範囲でラップ厚みを小さくしてなる請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記渦巻きラップにおいて、オフセット加工を施した渦巻きラップ部とオフセット加工を施していない渦巻きラップ部を滑らかにつないでなる請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としてなる請求項1から4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
JP2008013313A 2008-01-24 2008-01-24 スクロール圧縮機 Pending JP2009174406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008013313A JP2009174406A (ja) 2008-01-24 2008-01-24 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008013313A JP2009174406A (ja) 2008-01-24 2008-01-24 スクロール圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009174406A true JP2009174406A (ja) 2009-08-06

Family

ID=41029752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008013313A Pending JP2009174406A (ja) 2008-01-24 2008-01-24 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009174406A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133380A (ja) * 2016-01-26 2017-08-03 ダイキン工業株式会社 スクロール圧縮機及びそれを備えた空気調和装置
EP3239527A1 (en) * 2016-04-26 2017-11-01 LG Electronics Inc. Scroll compressor
WO2017188575A1 (ko) * 2016-04-26 2017-11-02 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기
WO2017188574A1 (ko) * 2016-04-26 2017-11-02 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기
EP3572670A4 (en) * 2017-06-14 2020-01-08 Daikin Industries, Ltd. SCROLL COMPRESSORS
US10962006B2 (en) 2017-09-01 2021-03-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Scroll compressor with improved scroll curves
WO2021229682A1 (ja) * 2020-05-12 2021-11-18 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0719187A (ja) * 1993-07-01 1995-01-20 Hitachi Ltd スクロール流体機械
JPH11159481A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Tokico Ltd スクロール式流体機械

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0719187A (ja) * 1993-07-01 1995-01-20 Hitachi Ltd スクロール流体機械
JPH11159481A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Tokico Ltd スクロール式流体機械

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108496008A (zh) * 2016-01-26 2018-09-04 大金工业株式会社 涡旋压缩机以及具备该涡旋压缩机的空调装置
CN108496008B (zh) * 2016-01-26 2021-08-24 大金工业株式会社 涡旋压缩机以及具备该涡旋压缩机的空调装置
JP2017133380A (ja) * 2016-01-26 2017-08-03 ダイキン工業株式会社 スクロール圧縮機及びそれを備えた空気調和装置
US10502209B2 (en) 2016-01-26 2019-12-10 Daikin Industries, Ltd. Scroll compressor and air conditioning apparatus including the same
EP3409946A4 (en) * 2016-01-26 2019-01-23 Daikin Industries, Ltd. SPIRAL COMPRESSOR AND AIR CONDITIONER EQUIPPED WITH SAME
WO2017188574A1 (ko) * 2016-04-26 2017-11-02 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기
CN107313932A (zh) * 2016-04-26 2017-11-03 Lg电子株式会社 涡旋式压缩机
CN107313930A (zh) * 2016-04-26 2017-11-03 Lg电子株式会社 涡旋式压缩机
US11209001B2 (en) 2016-04-26 2021-12-28 Lg Electronics Inc. Scroll compressor having wrap with reinforcing portion
WO2017188573A1 (ko) * 2016-04-26 2017-11-02 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기
WO2017188575A1 (ko) * 2016-04-26 2017-11-02 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기
US10533551B2 (en) 2016-04-26 2020-01-14 Lg Electronics Inc. Scroll compressor having wrap with reinforcing portion
US10648470B2 (en) 2016-04-26 2020-05-12 Lg Electronics Inc. Scroll compressor having wrap with an offset portion
US10724521B2 (en) 2016-04-26 2020-07-28 Lg Electronics Inc. Scroll compressor with wrap having gradually decreasing thickness
EP3696419A1 (en) * 2016-04-26 2020-08-19 LG Electronics Inc. Scroll compressor
US11668303B2 (en) 2016-04-26 2023-06-06 Lg Electronics Inc. Scroll compressor with wrap having gradually decreasing thickness
EP3239527A1 (en) * 2016-04-26 2017-11-01 LG Electronics Inc. Scroll compressor
US11408423B2 (en) 2016-04-26 2022-08-09 Lg Electronics Inc. Scroll compressor
EP3572670A4 (en) * 2017-06-14 2020-01-08 Daikin Industries, Ltd. SCROLL COMPRESSORS
US10962006B2 (en) 2017-09-01 2021-03-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Scroll compressor with improved scroll curves
WO2021229682A1 (ja) * 2020-05-12 2021-11-18 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
GB2609324A (en) * 2020-05-12 2023-02-01 Mitsubishi Electric Corp Scroll compressor
US20230132581A1 (en) * 2020-05-12 2023-05-04 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4892238B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2011027076A (ja) スクロール圧縮機
JP2009174406A (ja) スクロール圧縮機
JP2010265756A (ja) スクロール圧縮機
JP5428522B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2008309078A (ja) スクロール圧縮機
JP5304178B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5061584B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2009052464A (ja) スクロール圧縮機
JP5786130B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2008267140A (ja) スクロール圧縮機
JP2008002419A (ja) スクロール圧縮機
JP2005163745A (ja) スクロール圧縮機
JP2009052463A (ja) スクロール圧縮機
JP2008309124A (ja) スクロール圧縮機
JP4631551B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2008002430A (ja) スクロール圧縮機
JP2009052462A (ja) スクロール圧縮機
JP2007182870A (ja) スクロール圧縮機
JP2006009640A (ja) スクロール圧縮機
JP2008121445A (ja) スクロール圧縮機
JP5141432B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5071355B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2009008008A (ja) スクロール圧縮機
JP5077194B2 (ja) スクロール膨張機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101228

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20110113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120531

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121002