JP2009052464A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Yoshiyuki Futagami
義幸 二上
Atsushi Sakuta
作田  淳
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
Masao Nakano
雅夫 中野
Tatsuya Nakamoto
達也 中本
Noboru Iida
飯田  登
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Abstract

【課題】近年の冷凍空調機器の高効率化と高寿命化、二酸化炭素などの高圧冷媒の適用に伴い、スクロール圧縮機における固定スクロールと旋回スクロールの高信頼性が課題となっていた。
【解決手段】摺動仕切り環78の内側領域である高圧部30と圧縮室15を連通する連通路80を旋回スクロール13の内部に設け、連通路80の圧縮室15側の開口部81を、固定スクロール12の中央部の吐出ポート18に臨むように旋回スクロール13のラップ先端13bに設けて、高負荷時、旋回スクロール13のラップ先端13bと固定スクロール12の鏡板12aの片当たりを防止し、高信頼性を実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールおよび旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行うものである。運転中、旋回スクロールにはその背面から圧力が印加されており、固定スクロールに張り付いた状態となっている。また作動流体は中心に向かうにつれ圧縮が進み、高温高圧状態となるため、旋回スクロールと固定スクロールも中心部で高温となり、その結果熱膨張による寸法変化が生じている。特に高負荷の運転条件ではこの現象が顕著に現れ、固定スクロールのラップ上面部と旋回スクロールの鏡板部が接触することで焼付きを起こしてしまう恐れがある。そこで、旋回スクロールまたは固定スクロールのラップ部について、ラップ部先端にチップシールを設けるとともに、そのチップシールの背部にオイルを導いて、チップシールのシール性を向上させ、また、チップシールから圧縮室に漏れ出るオイルで、摺動面の潤滑性を向上させている構成をとっていた(例えば、特許文献1参照)。
図8は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の断面図である。図8に示すように、旋回スクロール13のラップ部先端13bおよび固定スクロール12のラップ先端部12bには、チップシール溝93が設けられており、これにチップシール92が装着されている。また、旋回スクロール13には、チップシール溝93と旋回スクロール背部30を連通させる連通路80が形成されており、旋回スクロール13背部30のオイル6がチップシール溝93に供給される。その結果、チップシール92全面がオイル6で覆われてシール性が向上するとともに、旋回スクロール13に装着されたチップシール92は、オイルの圧力により、固定スクロール12の歯底12aに押し付けられて、ラップ先端13bからの漏れを低減できる。また、チップシール92から圧縮室へ漏れ出るオイルで、摺動面の潤滑性を向上させている。
特開平6−288361号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の構成では、吐出圧力空間から、吸入空間に連通するチップシール溝に開口しているため、吐出圧力と吸入圧力の差圧に応じた給油量が連続的に吸入室内に供給されることとなり、その結果、高差圧運転になると、吸入冷媒が多量の比較的高温のオイルによって加熱されることにより、体積効率が低下するという課題があった。また、吸入室へ供給されたオイルは、圧縮されて中心へと圧縮が進むとオイルは高温となって粘性が低くなり、比較的摺動が厳しい圧縮室の中心部に供給される時には、オイルの潤滑性が悪化して、冷却効果もなくなってしまい、特に、固定スクロールのラップ先端と旋回スクロールの鏡板部が接触することで焼付きを起こしてしまう恐れがある。
特に、二酸化炭素を冷媒とした場合、圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の圧力差は、従来のHFC冷媒の冷凍サイクルの圧力差の約7〜10倍以上高くなるため、旋回スクロールは、固定スクロール側へより変形しやすくなり、旋回スクロールの鏡板およびラップ部先端でカジリが発生し、圧縮機としての圧縮機効率および耐久性が低下してしまうという課題
があった。
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、高温高差圧状態となっている圧縮室の中心部に安定して適量のオイルを供給することで、固定スクロールのラップ先端部と旋回スクロールの鏡板部の焼付きを防止することができ、高信頼性を確保したスクロール圧縮機を提供することを目的とする。また、吸入加熱による体積効率低下による性能悪化を抑制し、高効率なスクロール圧縮機を実現することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールの中心部に吐出ポートを設置し、高圧部と圧縮室を連通する連通路を旋回スクロールの内部に設け、連通路の圧縮室側の開口部を、吐出ポートに臨むように旋回スクロールのラップ先端に設けたものである。
この構成により、高負荷時、旋回スクロールの背面に高圧が印加され、吐出圧力と吸入圧力の差圧により、旋回スクロールが固定スクロール側へ変形し、かつ固定スクロールのラップが圧縮熱により高温になることにより特に中心部で旋回スクロール側へ熱膨張するが、中心部の圧縮室に、オイルを供給しているので、冷却効果および潤滑性向上により、片当たりを防止でき、高信頼性を実現できる。また、比較的圧縮の終了に近い圧縮室に給油するため、不足圧縮となる高差圧運転時に、積極的にオイルが圧縮室へ供給される。そして、旋回スクロールのラップ先端の開口部を、旋回スクロールが旋回運動すると吐出ポートに臨む位置に設けているため、摺動による熱を冷却できるだけのオイル量を圧縮室に供給することができる。
また、吐出圧力に近い圧縮室に給油しているため、吸入室へ給油されることによる吸入加熱もなく、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
本発明のスクロール圧縮機は、高温高圧状態となっている圧縮室に安定して適量のオイルを供給することで、固定スクロールのラップ先端と旋回スクロールの鏡板の焼付きを防止することができるため、高信頼性を確保するとともに、吸入加熱を抑制することにより高効率なスクロール圧縮機を実現することができる。
第1の発明は、固定スクロールの中心部に吐出ポートを設置し、高圧部と圧縮室を連通する連通路を旋回スクロールの内部に設け、連通路の圧縮室側の開口部を、吐出ポートに臨むように旋回スクロールのラップ先端に設けたものである。
この構成により、高負荷時、旋回スクロールの背面に高圧が印加され、吐出圧力と吸入圧力の差圧により、旋回スクロールが固定スクロール側へ変形し、かつ固定スクロールのラップが圧縮熱により高温になることにより特に中心部で旋回スクロール側へ熱膨張するが、中心部の圧縮室に、オイルを供給しているので、片当たりを防止でき、高信頼性を実現できる。また、比較的圧縮の終了に近い圧縮室に給油するため、不足圧縮となる高差圧運転時に、積極的にオイルが圧縮室へ供給される。そして、旋回スクロールのラップ先端の開口部を、旋回スクロールが旋回運動すると吐出ポートに臨む位置に設けているため、摺動による熱を冷却できるだけのオイル量を圧縮室に供給することができる。
また、吐出圧力に近い圧縮室に給油しているため、吸入室へ給油されることによる吸入加熱もなく、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
第2の発明は、特に第1の発明で、開口部の孔径を旋回スクロールのラップ厚みの5〜50%としたものである。この構成によれば、開口部の孔径を旋回スクロールのラップ厚みの5%以上にすることにより、潤滑に十分なオイル量を供給でき、固定スクロールのラップ先端と旋回スクロールの鏡板が片当たりすることなく、高信頼性を実現できる。また、開口部の孔径を旋回スクロールのラップ厚みの50%以下とすることにより、開口部を設けたことによる旋回スクロールのラップ先端での漏れを抑制することができ、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
第3の発明は、特に第2の発明で、連通路の一部を絞り効果を持つ細孔としたものである。大型圧縮機の場合、鏡板の厚みもおおきくなるため、加工上細孔で貫通させることが困難となる。よって、連通路の一部を絞り効果を持つ細孔とすることにより、加工可能で、かつ、適量のオイル供給量に調整することが可能となる。
第4の発明は、特に第2または第3の発明で、旋回スクロールのラップ上面に溝を形成し、連通路の開口部に開口するものである。これによって、圧縮室の広域にオイルを供給することができるため、固定スクロールのラップ先端と旋回スクロールの鏡板が片当たりすることなく、より高信頼性を実現できる。
第5の発明は、特に第4の発明で、溝の溝幅を開口部の孔径以上とし、旋回スクロールのラップ厚みの80%以下としたものである。この構成によれば、溝の溝幅を開口部の孔径以上とすることにより、開口部の孔を加工する際に発生するバリを確実に除去することができる。また、溝の溝幅を旋回スクロールのラップ厚みの80%以下とすることにより、溝を設けたことによる旋回スクロールのラップ先端での漏れを抑制することができ、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
第6の発明は、特に第5の発明で、溝の深さを旋回スクロールのラップ高さの0.1〜2%としたものである。この構成によれば、溝の深さを旋回スクロールのラップ高さの0.1%以上とすることにより、溝の全領域にオイルが満たされるようになるため、圧縮室の広域に確実にオイルを供給することができるため、固定スクロールのラップ先端と旋回スクロールの鏡板が片当たりすることなく、より高信頼性を実現できる。また、溝の深さを旋回スクロールのラップ高さの2%以下とすることにより、溝部で絞り効果で適量のオイルを圧縮室の広域に、確実にオイルを供給することができる。
第7の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明で、作動冷媒に二酸化炭素を用いたものである。
二酸化炭素冷媒は、高差圧冷媒であるため、旋回スクロールの鏡板と固定スクロールの鏡板とが摺動する面には、過大な押し付け力が発生するため、摺動損失の増大、あるいは、かじりや異常摩耗を引き起こしてしまう。特に、旋回スクロールは、固定スクロール側へより変形しやすくなり、旋回スクロールの鏡板の歯底と固定スクロールのラップ部先端でカジリが発生し、圧縮機としての圧縮機効率および耐久性が低下してしまう。また、二酸化炭素冷媒を使用する場合、圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の圧力差は、フロンを冷媒とする従来の冷凍サイクルの圧力差の約7〜10倍以上高く、圧縮室内での漏れにより更に性能の低下を引き起こしていた。第1〜6の発明により、高負荷時、吐出圧力と吸入圧力の差圧による旋回スクロールの圧力変形があった場合でも、片当たりすることなく、高信頼性を実現できる。また、全運転領域において高効率を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の要部拡大断面図、図3は、図1の圧縮機構部の平面図である。図のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
図1に示すように、本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転規制機構14を設けて、クランク軸4の上端にある偏心軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより、旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出ポート18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
旋回スクロール13の背面部分には、主軸受部材11に配置されている摺動仕切り環78があり、旋回運動を行いながら摺動仕切り環78により、摺動仕切り環78の内側領域である高圧部30と、外側領域である高圧と低圧の中間圧に設定された背圧空間29とに仕切られている。この背面の圧力付加により旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
さらに、固定スクロール12には、旋回スクロール13の背面の背圧空間29における圧力を制御する背圧調整弁9を備えている。
圧縮機運転中は、クランク軸4の下向きの他端にはポンプ25が設けられ、スクロール圧縮機と同時に駆動される。これによりポンプ25は密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げてクランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2に供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。
このように供給されたオイル6の一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。
また、高圧部30に供給されたオイル6は、旋回スクロール内部に設けられた連通路54によって旋回スクロール13の外周部まわりにあって自転規制機構14が位置している背圧空間29に進入し、固定スクロール12と旋回スクロール13との噛み合せによる摺動部および自転規制機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧空間29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。
背圧空間29に進入するオイル6は、絞り57での絞り作用によって高圧部30と圧縮室15の低圧側との圧力の中間となる中間圧に設定される。背圧空間29は高圧部30の高圧側との間が環状仕切り環78によってシールされていて、進入してくるオイルが充満
するにつれて圧力を増し、所定の圧力を超えると、背圧調整弁9が作用して、圧縮室15の吸入部分に戻され進入する。
このオイル6の進入は所定の周期で繰り返され、この繰り返しのタイミングは吸入、圧縮、吐出の繰り返しサイクルと、絞り孔57による減圧設定と背圧調整機構9での圧力設定との関係の組み合わせによって決まり、固定スクロール12と旋回スクロール13のラップ13bとの摺動部への意図的な潤滑となる。この意図的な潤滑は前記したように背圧調整弁9による連絡路10の凹部105への開口によって常時保証される。吸入口17へと供給されたオイル6は旋回スクロール13の旋回運動とともに圧縮室15へと移動し、圧縮室15間の漏れ防止に役立っている。
さらに、図1〜3に示すように、摺動仕切り環78の内側領域である高圧部30と圧縮室15を連通する連通路80を旋回スクロール13の内部に設け、連通路80の圧縮室15側の開口部81を、固定スクロール12の中央部の吐出ポート18に臨むように旋回スクロール13のラップ先端13bに設けたものである。
この構成により、高負荷時、旋回スクロール13の鏡板13aの背面に高圧が印加され、吐出圧力と吸入圧力の差圧により、旋回スクロール13が固定スクロール12側へ変形し、かつ固定スクロール12のラップ12bが圧縮熱により高温になることにより特に中心部で旋回スクロール13側へ熱膨張するが、摺動仕切り環78の内側領域である高圧部30のオイル6を、旋回スクロール13の内部に設けた連通路80を経由して、中心部の圧縮室15に供給しているので、オイル6の冷却効果および潤滑性により、片当たりを防止でき、高信頼性を実現できる。また、図3に示すように、旋回スクロール13のラップ先端13bの開口部81が旋回スクロール13の旋回運動により、吐出ポート18に臨む位置に設けているため、摺動による熱を冷却できるだけの多量のオイルを圧縮室15に供給することができ、また、比較的圧縮の終了に近い圧縮室15に給油するため、不足圧縮となる高差圧運転時に、積極的にオイル6が圧縮室15へ供給され、固定スクロール12のラップ先端12bと旋回スクロール13の鏡板13aが片当たりすることなく、高信頼性を実現できる。
また、圧縮室15の吸入室へ給油される構成となっていないため、吸入加熱による体積効率低下もなく、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態のスクロール圧縮機は、開口部81の孔径81dを旋回スクロール13のラップ厚み12tの5〜50%としたものである。図4は、本発明の実施の形態2に係わる旋回スクロールの断面図である。
高圧部30から圧縮室15へ供給するオイル量が少なすぎると、異常摺動や焼付きを引き起こす恐れがある。これに対しオイル量が多ければ多いほど潤滑は良好となり、固定スクロール12のラップ先端12bと旋回スクロール13の鏡板13aの摺動状態は良化する。しかし圧縮室15の内部がオイルリッチとなるため、必然的に両スクロールのラップ間に多量のオイルが介在することになり、粘性損失の増大を引き起こしてしまう。
そこで、この構成によれば、開口部81の孔径を旋回スクロール13のラップ厚み13tの5%以上にすることにより、潤滑に十分なオイル量6を圧縮室15へ供給でき、固定スクロール12のラップ先端12bと旋回スクロール13の鏡板13aが片当たりすることなく、高信頼性を実現できる。また、開口部81の孔径を旋回スクロール13のラップ厚み13tの50%以下とすることにより、開口部81を設けたことによる旋回スクロール13のラップ先端13bでの漏れを抑制することができ、高効率なスクロール圧縮機を
実現できる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態のスクロール圧縮機は、連通路80の一部を絞り効果を持つ細孔としたものである。図5は、本発明の実施の形態3に係わる旋回スクロールの断面図である。大型圧縮機の場合、旋回スクロール13の鏡板13aの厚みもおおきくなるため、加工上連通路80を細孔で貫通させることが困難となる。よって、連通路80の一部を絞り効果を持つ細孔83とすることにより、加工可能で、かつ、適量のオイル供給量に調整することが可能となる。
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態のスクロール圧縮機は、旋回スクロール13のラップ13b上面に溝82を形成し、連通路80の開口部81に開口するものである。図6は、本発明の実施の形態4に係わる圧縮機構部の平面図、図7は、本発明の実施の形態4に係わる圧縮機構部の断面図である。
これによって、圧縮室15の広域にオイル6を供給することができるため、固定スクロール12のラップ先端12bと旋回スクロール13の鏡板13aが片当たりすることなく、より高信頼性を実現できる。
また、図6に示すように、溝82の溝幅82wを開口部81の孔径81d以上とし、旋回スクロール13のラップ厚み13tの80%以下としている。
この構成によれば、溝82の溝幅82wを開口部81の孔径81d以上とすることにより、開口部81の孔を加工する際に発生するバリを確実に除去することができる。また、溝32の溝幅32wを旋回スクロール13のラップ厚み13tの80%以下とすることにより、溝82を設けたことによる旋回スクロール13のラップ先端13bでの漏れを抑制することができ、高効率なスクロール圧縮機を実現できる。
また、溝82の深さ82hを旋回スクロールのラップ高さの0.1〜2%としている。この構成によれば、溝82の深さ82hを旋回スクロール13のラップ高さ13tの0.1%以上とすることにより、溝82の全領域にオイル6が満たされるようになるため、圧縮室15の広域に確実にオイル6を供給することができるため、固定スクロール12のラップ先端12bと旋回スクロール13の鏡板13aが片当たりすることなく、より高信頼性を実現できる。また、溝82の深さ82hを旋回スクロール13のラップ高さ13hの2%以下とすることにより、溝82部における絞り効果で適量のオイル6を圧縮室15の広域に、確実にオイル6を供給することができる。
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態のスクロール圧縮機は、作動冷媒に二酸化炭素を用いたものである。二酸化炭素冷媒は、高差圧冷媒であるため、旋回スクロールの鏡板と固定スクロールの鏡板とが摺動する面には、過大な押し付け力が発生するため、摺動損失の増大、あるいは、かじりや異常摩耗を引き起こしてしまう。特に、旋回スクロールは、固定スクロール側へより変形しやすくなり、旋回スクロールの鏡板の歯底と固定スクロールのラップ部先端でカジリが発生し、圧縮機としての圧縮機効率および耐久性が低下してしまう。また、二酸化炭素冷媒を使用する場合、圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の圧力差は、フロンを冷媒とする従来の冷凍サイクルの圧力差の約7〜10倍以上高く、圧縮室内での漏れにより更に性能の低下を引き起こしていた。第1〜4の実施の形態により、高負荷時、吐出圧力と吸入圧力の差圧による旋回スクロールの圧力変形があった場合でも、片当たりすることなく、高信頼性を実現できる。また、全運転領域において高効率を実現することができ
る。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、高差圧運転下でも、高信頼性を実現することがき、作動流体を冷媒と限ることなく、空気スクロール圧縮機、真空ポンプ、スクロール型膨張機等のスクロール流体機械の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の平面図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの断面図 本発明の実施の形態3におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図 本発明の実施の形態4におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の平面図 本発明の実施の形態4におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図 従来のスクロール圧縮機の断面図
符号の説明
6 オイル
11 主軸受部材
12 固定スクロール
12a 鏡板
12b ラップ
13 旋回スクロール
13a 鏡板
13b ラップ
13t ラップ厚み
13h 鏡板厚み
14 自転規制機構
15 圧縮室
17 吸入ポート
18 吐出ポート
29 背圧空間
30 高圧部
31 高圧空間
78 摺動仕切り環
80 連通路
81 開口部
82 溝
82w 溝幅
82h 溝深さ
83 細孔

Claims (7)

  1. 鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合せて、前記旋回スクロールを自転の規制のもとに円軌道に沿って旋回させたときに容積を変えながら移動することで、吸入、圧縮、吐出を行う圧縮室を形成し、前記旋回スクロールとこれの鏡板背面側を略支持する軸受部材にリング状の溝部を設け、前記軸受部材と前記鏡板背面側の中央部に潤滑用オイルにより高圧を与える高圧部と、この高圧部とは前記溝部に装着された合口部を有するリング状の摺動仕切り環によって仕切られ、前記旋回スクロール鏡板背面の外周部に前記高圧部より低い所定の圧力を印加する背圧空間とを設けたスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールの中心部に吐出ポートを設置し、前記高圧部と前記圧縮室を連通する連通路を前記旋回スクロールの内部に設け、前記連通路の前記圧縮室側の開口部を、前記吐出ポートに臨むように前記旋回スクロールのラップ先端に設けることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 開口部の孔径を旋回スクロールのラップ厚みの5〜50%としたことを特徴とした請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 連通路の一部を絞り効果を持つ細孔としたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 旋回スクロールのラップ上面に溝を形成し、連通路の開口部に開口することを特徴とする請求項2または3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 溝の溝幅を開口部の孔径以上とし、旋回スクロールのラップ厚みの80%以下としたことを特徴とした請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 溝の深さを旋回スクロールのラップ高さの0.1〜2%としたことを特徴とした請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  7. 作動冷媒に二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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WO2011027480A1 (ja) * 2009-09-02 2011-03-10 日立アプライアンス株式会社 スクロール圧縮機及び冷凍サイクル装置及びヒートポンプ給湯機
CN102650288A (zh) * 2011-02-25 2012-08-29 日立空调·家用电器株式会社 涡旋压缩机
KR101287716B1 (ko) 2010-10-28 2013-07-18 히타치 어플라이언스 가부시키가이샤 스크롤 압축기
CN107186160A (zh) * 2017-07-10 2017-09-22 合肥工业大学 新能源汽车空调压缩机静盘两步成形法

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