JP2009221367A - クロロスルホン化ポリエチレン、その製造方法及び用途 - Google Patents

クロロスルホン化ポリエチレン、その製造方法及び用途 Download PDF

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信行 伊藤
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Abstract

【課題】 組成物のバンバリー作業性、押出機のダイ掃除性及びロール作業性が優れるクロロスルホン化ポリエチレンを提供する。
【解決手段】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であるクロロスルホン化ポリエチレン、又は重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が7.0以下であるクロロスルホン化ポリエチレン。
【選択図】 なし

Description

本発明は分子量分布が特徴的なクロロスルホン化ポリエチレン、その製造方法及び用途に関するものである。
ポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化して製造されるクロロスルホン化ポリエチレンは耐候性、耐オゾン性、耐炎性、耐油性、機械的強度及び明色度等に優れる。そのため、例えば自動車用ホース、ガスホース、工業用ホース、電線被覆、引布、パッキン、ガスケット、ロール或いはライニング等の各種工業用部品、ゴムボート、ライフジャケット、ウインドーブレーカー、エスカレーターの手摺及び接着剤等として使用されている。同ハロゲン系エラストマーのクロロプレンゴムと比較してもその耐熱性、耐候性、耐オゾン性は優れており、さらにワンランク高性能な特殊ゴムとして位置づけられている。
これらの優れた性質を持つにもかかわらず、クロロスルホン化ポリエチレン組成物は作業性や加工性が劣る。例えば、密閉式混練機による混練作業の際に内部に粘着しやすいこと、押出加工において組成物の一部がダイに付着すること、オープンロールやカレンダーロールによる作業の際にロールに粘着しやすいことが挙げられる。
このため、クロロスルホン化ポリエチレンを加工する際には各種石鹸、多価アルコール、低分子量ポリエチレン、脂肪酸エステル、ワックス等の加工助剤の添加による加工性の改善が図られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、このような添加剤による加工性の改良は限界があり、添加剤を多用することは機械物性の低下及び接着性の不良等を引き起こすため好ましくない。
このため、機械物性を損なわない、クロロスルホン化ポリエチレンの作業性や加工性の改良が望まれている。
特許第3619913号公報 特許第3770701号公報
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決するために、組成物のバンバリー作業性、押出機のダイ掃除性及びロール作業性が優れるクロロスルホン化ポリエチレンを提供することにある。
本発明者らは従来技術の問題点を解決するために、クロロスルホン化ポリエチレンの分子量分布に着目し鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であるクロロスルホン化ポリエチレンであり、より好ましくは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が7.0以下であるクロロスルホン化ポリエチレンである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上である。より好ましくは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が7.0以下である。
ここに、Z平均分子量(Mz)とは、高分子物質の平均分子量の一種で、分子量の高い分子種の存在を鋭敏に反映する平均分子量であり、「ポリマー中に含まれる分子量Mの分子の数をNとするとき、Z平均分子量は、Mz=ΣM /ΣM で定義される平均分子量であり、沈降平衡法などから求められる。」(新版高分子辞典、第236頁〜第237頁)と記載されているものである。重量平均分子量(Mw)は、Mw=ΣM /ΣMと定義される(新版高分子辞典、第417頁)。数平均分子量(Mn)は、Mn=ΣM/ΣNと定義される(新版高分子辞典、第417頁)。また、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比とは、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除したものであり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比とはZ平均分子量(Mz)を重量平均分子量(Mw)で除したものである。
本発明におけるクロロスルホン化ポリエチレン及びその原料となるポリエチレンの分子量は一般的なGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)装置で測定可能である。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であり、組成物のバンバリー作業性が良好である。クロロスルホン化ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14未満の場合はバンバリー混練後に組成物が排出されにくく、組成物が装置内に残りやすい。
また、更に本発明のクロロスルホン化ポリエチレンは好ましくはZ平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が7.0以下であり、組成物の押出機のダイ掃除性及びロール作業性が良好である。
本発明の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上のクロロスルホン化ポリエチレンは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が11以上であるポリエチレンを原料として塩素化及びクロロスルホン化することから得られるものである。また、本発明の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が7.0以下のクロロスルホン化ポリエチレンは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が11以上であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が5.0以下であるポリエチレンを原料として塩素化及びクロロスルホン化することから得られるものである。ブレンドした後にポリエチレンの分子量分布が上記範囲内であれば、本発明のクロロスルホン化ポリエチレンの原料として好適に使用される。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンの原料となるポリエチレンの分子量及び分子量分布は、クロロスルホン化ポリエチレンの分子量及び分子量分布を制御する重要因子であるのため、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が11以上のポリエチレンであることが必要であり、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比が5.0以下であるポリエチレンであることが好ましい。
原料であるポリエチレンは、一般的に高温高圧下にてラジカル重合で低密度ポリエチレンが製造され、比較的温和な条件にて重合触媒を用いた配位アニオン重合で高密度ポリエチレンが製造され、エチレンと1−ブテンや1−ヘキセンなどのα−オレフィンの共重合によって直鎖状低密度ポリエチレンが製造される。低密度ポリエチレンには過酸化物等のラジカル開始剤が、高密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンにはZiegler−Natta触媒と呼ばれる塩化チタンと有機アルミニウム化合物からなる触媒や酸化クロム等のクロム化合物が触媒として用いられる。メタロセン触媒の使用により分子量や組成が非常に均一なポリマーを製造することができる。
ポリエチレンの密度については、高い耐熱性や耐油性が求められる用途においては、930kg/m以上の高密度ポリエチレンが好適に使用され、高い低温特性が求められる用途においては930kg/m未満の直鎖状低密度ポリエチレンが好適に使用される。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンを得る方法は、ポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化するものであり、例えば、ポリエチレンをクロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、クロロフルオロベンゼン等のハロゲン化反応に不活性な溶媒に溶解させて均一系で行う溶液法,ポリエチレンを溶媒に懸濁させて反応させる懸濁法、ポリエチレンを気相に浮遊させて反応を行なう気相法などが挙げられる。これらのうち、ゴムの柔軟性を考慮した場合、溶液法が好ましい。用いられる塩素化剤及びクロロスホン化剤としては、塩素と亜硫酸ガスの併用、塩素と塩化スルフリルとの併用、塩化スルフリル単独などが挙げられる。
溶液法によるクロロスホン化ポリエチレンの一般的な製造方法を以下に示す。
ポリエチレンを溶媒に溶解、均一溶液とした後、ラジカル発生剤と塩化スルフリルを反応溶液へ添加することから反応を行う。反応温度は特に制限するものではないが、30℃〜180℃であり、反応の圧力は特に制限するものではないが、常圧〜1.0メガパスカルが適当である。反応中は発生する塩化水素および亜硫酸ガスを連続的に反応系外へパージする。ラジカル発生剤としては、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系ラジカル発生剤や過酸化ベンゾイル、過酸化t−ブチル、過酸化アセチル等の有機過酸化物系ラジカル発生剤がある。また、ラジカル発生剤を用いる代わりに紫外線を照射してもよい。塩化スルフリルを用いて反応を行う場合には、クロロスホン基を付加させるために、必要に応じてピリジン、キノリン、ジメチルアニリン、ニコチン、ピペリジン等のアミン化合物を助触媒として用いる。
溶解するポリエチレンの量については特に制限するものではないが、反応時の粘度を適切に維持するため5〜30重量%であることが望ましい。反応の終了後、溶液中に溶存している塩化水素および亜硫酸ガスを溶媒の還流下、窒素等の不活性ガスを吹き込むことによって反応系外に除く。必要に応じて安定剤としてエポキシ化合物を添加する。得られたクロロスルホン化ポリエチレンの溶液は、水蒸気蒸留、ドラム乾燥、押し出し乾燥等によってポリマーと溶媒が分離される。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンの塩素量は特に限定されないが、耐寒性及び屈曲疲労性を維持するため、5.0〜50.0重量%が好ましい。
また、本発明のクロロスルホン化ポリエチレンの硫黄量は、架橋点として作用するクロロスルホン基の量を示す尺度であり、特に限定されないが、有用な機械強度と、十分な引張強さ、引張応力及び破断時伸びを得るため、0.3〜3.0重量%が好ましい。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンには加硫剤、加硫促進剤、受酸剤、可塑剤、補強剤、充填剤、加工助剤、老化防止剤等が必要に応じて加えられる。
加硫剤としては、例えば、酸化マグネシウム、リザージ等の無機加硫剤、N,N’−m−フェニレンジマレイミド等のマレイミド化合物、ジクミルペルオキシド等の有機酸化物等が挙げられる。加硫促進剤としては、例えば、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウムジスルフィド等のチウラム化合物、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、ジブチルジチオカルバミン酸、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、リサージ、水酸化カルシウム等の金属酸化物や金属水酸化物、ハイドロタルサイト等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸(ジ2−エチルヘキシル)、トリメトリット酸トリス(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。補強剤、充填剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、クレー、タルク等が挙げられる。加工助剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、金属石鹸、ステアリン酸等が挙げられる。老化防止剤としては、例えば、アミン系老化防止剤等やフェノール系老化防止剤等が挙げられる。
これらをロール又はバンバリーミキサー等で配合及び混練した後、プレス加硫、蒸気加硫、高周波(UHF)加硫又は電子線加硫等が行われる。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンは、組成物のロール作業性及び押出機のダイ掃除性が良好であり、押出加工時のダイスウェルが小さく、加硫物の引張応力が大きいため、従来のクロロスルホン化ポリエチレンが使用可能な自動車用ホース、ガスホース、工業用ホース、電線被覆、引布、パッキン、ガスケット、ロール又はライニング等の各種工業用部品、ゴムボート、ライフジャケット、ウインドーブレーカー、エスカレーターの手摺又は接着剤に好適に使用される。
以上のように本発明のクロロスルホン化ポリエチレンは、組成物のバンバリー作業性、押出機のダイ掃除性及びロール作業性に効果を奏するものである。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の方法に従い、各種物性を測定した。
<密度>
クロロスルホン化ポリエチレンの原料となるポリエチレンの密度は、JIS−K−6760(1995)に準拠し、測定した。
<メルトフロレート(MFR)>
クロロスルホン化ポリエチレンの原料となるポリエチレンのメルトフロレート(MFR)は、JIS−K−6922−1に準拠し、190℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
<高密度ポリエチレンの分子量>
高密度ポリエチレンの分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフ法により、以下の測定条件で測定した。
カラム:東ソー株式会社製GMHHhr−H(20)×3本、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン(HPLC用)+ビスヒドロキシトルエン(0.05wt%)、流速:1.0mL/分、カラム温度:140℃、試料濃度:1.0mg/ml、検出器:東ソー株式会社製HLC−8121GPC/HT、検出法:RI法、検量線:ポリエチレン換算。
<クロロスルホン化ポリエチレンの分子量>
クロロスルホン化ポリエチレンの分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフ法により、以下の測定条件で測定した。
カラム:東ソー(株)製GMH6を2本にXLを1本接続、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1.2mL/分、圧力:44〜45kg/cm、温度:38℃、試料濃度:0.01重量%、検出器:東ソー株式会社製HLC−82201GPC、検出法:RI法、検量線:ポリスチレン換算。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びZ平均分子量(Mz)>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びZ平均分子量(Mz)は、クロマトグラムから線分法により既知のポリスチレンによる検量線から換算することにより求めた。
<塩素量、硫黄量>
クロロスルホン化ポリエチレンの塩素量及び硫黄量は、燃焼フラスコ法にて測定した。
塩素量の測定は、最初に、吸収液として1.7重量%硫酸ヒドラジニウム水溶液15mLを入れた燃焼フラスコ内でクロロスルホン化ポリエチレン約30mgを酸素燃焼法に従い燃焼させ、30分静置した。次に、この吸収液を純水約100mLで洗い出し、濃度0.05Nの硝酸銀水溶液で電位差滴定法により塩素イオンを定量した。
一方、硫黄量の測定は、最初に、吸収液として3重量%の過酸化水素水10mLを入れた燃焼フラスコ内でクロロスルホン化ポリエチレン約30mgを酸素燃焼法に従い燃焼させ、30分静置した。次に、この吸収液を純水約40mLで洗い出した後、酢酸1mL、2−プロパノール約100mL、アルセナゾIII約0.47mLを加え、濃度0.01Nの酢酸バリウム溶液で光度滴定法により硫黄量を測定した。
<ムーニー粘度>
クロロスルホン化ポリエチレンのムーニー粘度は、JIS−K−6300−1に準拠し、100℃でL形ローターを用い予熱1分、ローター始動後4分の粘度を測定した。
<バンバリー作業性>
クロロスルホン化ポリエチレン組成物のバンバリー作業性の評価は次の方法で行った。
最初に、クロロスルホン化ポリエチレン100重量部に、下記の配合比で配合剤を混合し、密閉式混練機(神戸製鋼所社製OOC型4.3Lバンバリーミキサー)にて63rpmで3分間混練した。混練後、バンバリー底部を開いた際の排出性を、○:自然に排出、×:自然に排出しない、の2段階で評価し、掃除性を、◎:付着物なし、○:付着物少しあり、×:付着物ありの3段階で評価した。
<押出機のダイ掃除性>
クロロスルホン化ポリエチレン組成物の押出機のダイ掃除性の評価は次の方法で行った。
最初に、クロロスルホン化ポリエチレン100重量部に、下記の配合比で配合剤を混合し、密閉式混練機(神戸製鋼所社製OOC型4.3Lバンバリーミキサー)にて63rpmで3分間混練した。次に、12インチオープンロールにて組成物をまとめた後、10インチオープンロールにてジペンタメチレンチラウムテトラスルフィド(大内新興化学工業社製:ノクセラー(商標)TRA)2重量部及びペンタエリスリトール(日本合成化学工業社製:ノイライザー(商標)P)3重量部を加えて40℃で10分間混練した。その組成物をASTM−D−2230のガーベダイ押出試験に準拠し、16×8mmφのダイを用いて、回転数:15rpm、温度:シリンダー;70℃、ヘッド;80℃、ダイ:90℃で押出し、ダイ掃除性を、◎:付着物なし、○:付着物少しあり、×:付着物ありの3段階で評価した。
<ロール作業性>
クロロスルホン化ポリエチレン組成物のロール作業性の評価は次の方法で行った。
最初に、クロロスルホン化ポリエチレン100重量部に、下記の配合比で配合剤を混合し、密閉式混練機(神戸製鋼所社製OOC型4.3Lバンバリーミキサー)にて63rpmで3分間混練した。次に、12インチオープンロールにて組成物をまとめた後、10インチオープンロールにてジペンタメチレンチラウムテトラスルフィド(大内新興化学工業社製:ノクセラー(商標)TRA)2重量部及びペンタエリスリトール(日本合成化学工業社製:ノイライザー(商標)P)3重量部を加えて40℃で10分間混練した。次に、その組成物1990gを8インチオープンロールにて、ガイド巾:29cm、ロール間隙:3.0mm、ロール表面温度33℃で3分間ロールに巻きつけた後切り出しを行った。その作業性を、○:ロール粘着性無く良好、△:ロール粘着性無いが切り出しにくい、▲:ロール粘着性ややありの3段階で評価した。
(配合)
酸化マグネシウム(協和化学工業社製:キョーワマグ(商標)150)
4重量部
SRFカーボン(東海カーボン社製:シースト(商標)S) 40重量部
活性化炭酸カルシウム(白石工業社製:白艶化CC) 30重量部
ジ−n−オクチル・フタレート(新日本理化社製:サンソサイザー(商標)nDOP) 20重量部
実施例1
密度:954kg/m、メルトフロレート(MFR):0.5g/10分、数平均分子量(Mn):1.1×10、重量平均分子量(Mw):12×10、Z平均分子量(Mz):52×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 : 11、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:4.3の旭化成株式会社製クレオレックス(商標)QU5805A3000gを30Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換後、加圧下、120℃でポリエチレンを溶解した。次に、助触媒として、ピリジン0.60gを添加した。ラジカル発生剤として2.5g/L濃度のα,α’−アゾビスイソブチロニトリルの1,1,2−トリクロロエタン溶液と、塩化スルフリル7000gを添加し反応させた。この間反応温度を110℃以上113℃以下に、反応圧力を0.24MPa以上0.27MPa以下(ゲージ圧)に保った。反応終了後、反応系の圧力を常圧まで低下させ、その後常圧下で窒素を吹き込むことによって溶液中に残存する塩化水素、亜硫酸ガスを系外に排出した。排出された塩化水素及び亜硫酸ガスは水酸化ナトリウムスクラバで回収した。安定剤として2,2’−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン52gを添加した後、ドラム乾燥機にて生成物を単離した。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリエチレンは、塩素量35.1重量%、硫黄量:1.03重量%、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃):70であり、数平均分子量(Mn):0.81×10、重量平均分子量(Mw):12×10、Z平均分子量(Mz):45×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 : 14、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.9であった。
クロロスルホン化ポリエチレン組成物の評価結果を表1に示す。
Figure 2009221367
実施例2
密度:957kg/m、メルトフロレート(MFR):0.15g/10分、数平均分子量(Mn):0.75×10、重量平均分子量(Mw):19×10、Z平均分子量(Mz):120×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 : 25、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.2の東ソー株式会社製ニポロンハード(商標)6000をポリエチレンA、密度:952kg/m、メルトフロレート(MFR):0.05g/10分、数平均分子量(Mn):0.85×10、重量平均分子量(Mw):22×10、Z平均分子量(Mz):130×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :25、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.0の東ソー株式会社製ニポロンハード(商標)7300AをポリエチレンBとしたとき、ポリエチレンA:ポリエチレンB=80:20の重量比でブレンドしたもの[(数平均分子量(Mn):0.77×10、重量平均分子量(Mw):20×10、Z平均分子量(Mz):122×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :25、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.2)]を用いて、実施例1と同様にクロロスルホン化ポリエチレンを合成した。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリエチレンは、塩素量35.2重量%、硫黄量:1.07重量%、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃):73であり、数平均分子量(Mn):0.59×10、重量平均分子量(Mw):23×10、Z平均分子量(Mz):242×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :39、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:11であった。
クロロスルホン化ポリエチレン組成物の評価結果を表1に示す。
実施例3
密度:957kg/m、メルトフロレート(MFR):0.15g/10分、数平均分子量(Mn):0.75×10、重量平均分子量(Mw):19×10、Z平均分子量(Mz):120×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 : 25、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.2の東ソー株式会社製ニポロンハード(商標)6000をポリエチレンA、密度:952kg/m、メルトフロレート(MFR):0.05g/10分、数平均分子量(Mn):0.85×10、重量平均分子量(Mw):22×10、Z平均分子量(Mz):130×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :25、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.0の東ソー株式会社製ニポロンハード(商標)7300AをポリエチレンBとしたとき、ポリエチレンA:ポリエチレンB=50:50の重量比でブレンドしたもの[(数平均分子量(Mn):0.80×10、重量平均分子量(Mw):21×10、Z平均分子量(Mz):125×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :25、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:6.1)]を用いて、実施例1と同様にクロロスルホン化ポリエチレンを合成した。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリエチレンは、塩素量35.3重量%、硫黄量:1.03重量%、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃):70であり、数平均分子量(Mn):0.58×10、重量平均分子量(Mw):20×10、Z平均分子量(Mz):150×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :35、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:16であった。
クロロスルホン化ポリエチレン組成物の評価結果を表1に示す。
比較例1
密度:953kg/m、メルトフロレート(MFR):1.0g/10分、数平均分子量(Mn):2.3×10、重量平均分子量(Mw):13×10、Z平均分子量(Mz):63×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 : 5.6、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:4.8の東ソー株式会社製ニポロンハード(商標)5730をポリエチレンA、密度:964kg/m、メルトフロレート(MFR):5.0g/10分、数平均分子量(Mn):1.4×10、重量平均分子量(Mw):8.4×10、Z平均分子量(Mz):34×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :5.9、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:4.0の東ソー株式会社製ニポロンハード(商標)4030をポリエチレンBとしたとき、ポリエチレンA:ポリエチレンB=25:75の重量比でブレンドしたもの[(数平均分子量(Mn):1.6×10、重量平均分子量(Mw):9.6×10、Z平均分子量(Mz):41×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :5.8、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:4.2)]を用いて、実施例1と同様にクロロスルホン化ポリエチレンを合成した。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリエチレンは、塩素量35.2重量%、硫黄量:1.04重量%、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃):71であり、数平均分子量(Mn):1.3×10、重量平均分子量(Mw):11×10、Z平均分子量(Mz):531×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比 :8.1、Z平均分子量(Mz)/重量平均分子量(Mw)の比:5.0であった。
クロロスルホン化ポリエチレン組成物の評価結果を表1に示す。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が14以上であることを特徴とするクロロスルホン化ポリエチレン。
  2. Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比が7.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のクロロスルホン化ポリエチレン。
  3. 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が11以上であるポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化することを特徴とする請求項1に記載のクロロスルホン化ポリエチレンの製造方法。
  4. 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が11以上であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比が5.0以下であるポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化することを特徴とする請求項2に記載のクロロスルホン化ポリエチレンの製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2記載のクロロスルホン化ポリエチレンを使用して製造されることを特徴とする自動車用ホース、ガスホース、工業用ホース、電線被覆、引布、パッキン、ガスケット、ロール、ライニング、ゴムボート、ライフジャケット、ウインドーブレーカー、エスカレーターの手摺又は接着剤。
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