JP2009166264A - 感熱記録体 - Google Patents

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【課題】本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関し、特に白紙品質に優れ、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、バリア性に優れた感熱記録体に関するものである。
【解決手段】紙支持体上に、下塗り層、感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体において、前記下塗り層が、少なくとも第1下塗り層及び該第1下塗り層上に形成された第2下塗り層からなる多層構造を有しており、前記第1下塗り層がブレード塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成され、更に第2下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成されたものであり、且つ前記感熱記録層用塗液中に特定のソープフリーのポリエチレンディスパージョンが特定量含有されることを特徴とする感熱記録体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関する。
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用し、熱により記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等のアウトプット、科学計測機器のプリンター等の記録媒体としてだけでなくPOSラベル、ATM、CAD、ハンディーターミナル、各種チケット用紙等の各種プリンターの記録媒体として広範囲に使用されている。
またプリンターの印字速度も年々増加し、更に低い印字エネルギーでも印字できることが望まれている。そこで感熱記録体の記録感度や画質を向上させるために、支持体と感熱記録層との間に顔料とバインダーを含有する下塗り層を設け、空隙を形成して多孔性、或いは嵩高にし、断熱性を付与することが知られている。例えば、均一で安定な下塗り層構造を得るために、特定粘度の下塗り層用塗液をブレード塗工することが提案されている(特許文献1参照)。また、感熱記録紙を高画質化するために下塗り層の厚さの変動を一定範囲内にすることが提案されている(特許文献2参照)。更に表面の静摩擦係数を低くするために、ブレード塗工によって2層以上の下塗り層を形成することが提案されている(特許文献3を参照)。
しかし、近年、印字の高速化はますます進み、感熱記録体の高感度高画質化の要求もますます高まってきており、高平滑化した原紙を使用したり、単に下塗り層を設けたりするだけでは十分な品質は得られなくなってきている。
下塗り層を設ける方法としては、下塗り層は通常塗工量が多いほど断熱効果を発揮し記録感度を向上させるが、高塗工量になるほど均一な塗工層が得られ難くなり、その後に形成する感熱記録層や保護層を均一な層とすることが難しくなる。また、下塗り層を均一な塗工層として形成し、引き続き均一な感熱記録層を形成したあと、特に保護層用塗料の塗工時に、感熱記録層を擦るために起こる、所謂スクラッチが発生し易くなる。その結果として、白紙品質や画質の低下を引き起こし、或いは保護層のバリア性能低下を招くことになる。
また、成熟市場に移行しつつある感熱記録体市場においては、製造コストは重要な問題となってきており、生産性の低い塗工方式や塗工欠陥の発生し易い塗工方式は、例え高品質な製品が得られる場合でも、実際に製造することは困難な状況になる。
特開平4−290789号公報 特開2004−122483号公報 特開2005−103864号公報
本発明は、白紙品質に優れ、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、バリア性に優れる感熱記録体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討の結果、保護層用塗料の塗工時のスクラッチを防ぐ手段として、感熱記録層用塗液中に特定な平均粒子径の範囲をもった特定のディスパージョンを特定量含有させることにより、上記の課題を解決することが可能となった。
即ち、本発明は、以下の感熱記録体を提供するものである。
項1:紙支持体上に、下塗り層、感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体において、前記下塗り層が、少なくとも第1下塗り層及び該第1下塗り層上に形成された第2下塗り層からなる多層構造を有しており、前記第1下塗り層がブレード塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成され、更に第2下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成されたものであり、且つ前記感熱記録層用塗液中にソープフリーのポリエチレンディスパージョンを含有するものであり、前記ディスパージョンの平均粒子径が1〜8μmの範囲にあり、前記ディスパージョンが前記感熱記録層全固形分に対して1〜5質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、保護層用塗料の塗工時にスクラッチ等の塗工欠陥が発生せず、白紙品質に優れ、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、バリア性に優れるものである。
下塗り層
紙支持体上の両面に、下塗り層、感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体においては、上記の多層構造を有する下塗り層は、紙支持体の少なくとも片面に形成され、その場合は、多層構造を有する下塗り層上に更に感熱記録層を形成することによって、少なくとも片面は記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られる感熱記録体の提供が可能となる。
本発明において、下塗り層は少なくとも2層からなる。下塗り層の層数は、2層以上であれば特に限定されないが、上限は4層程度とすればよく、特に好ましくは2層である。下塗り層を2層以上の多層構造とすることで、バリア性が向上し、感熱記録層の浸透ムラを大幅に軽減できる。これにより、感熱記録層に含有される発色成分が、印字の際に表層から受ける印字エネルギーを有効に活用できるようになるため、記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られる。保護層についても浸透ムラが少ないと感熱記録層表層を保護する有効成分が増加して、バリア性が向上するため、耐可塑剤性やバリア性に優れた効果が得られる。
下塗り層は、通常、I)吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、II)有機中空粒子、及びIII)熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗工及び乾燥して形成することができる。
前記吸油性顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を用いることにより、下塗り層の空隙が増し、その上に感熱記録層等を設けた際に熱エネルギーの原紙方向への拡散を防ぎ、印字エネルギーの有効利用が可能となるため、高い発色濃度を得ることができるようになる。
ここで、上記吸油量はJIS K5101−2004の方法に従い求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、シリカ等の無機顔料が挙げられる。
吸油性顔料の平均粒子径は0.05〜5μm程度、特に0.08〜3μm程度であることが好ましい。ここで平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所製)による50%D値である。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。
有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μm程度、特に0.7〜2μm程度が好ましい。なお、この平均粒子径は上記吸油性顔料の平均粒子径と同様の測定方法で測られるものである。
熱膨張性粒子としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合体でマイクロカプセル化した熱膨張性微粒子等が挙げられる。低沸点炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン、n−ブタン等が挙げられる。
本発明において、下塗り層を構成する顔料成分は、吸油性顔料、有機中空粒子または熱膨張性粒子のみで構成することもできる。また、例えば、吸油性顔料と有機中空粒子との組合せ、或いは吸油性顔料と熱膨張性粒子との組合せのように、上記顔料のうちの2種以上を併用することもできる。
上記顔料のうちの2種以上を併用する場合、各顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、例えば、吸油性顔料と有機中空粒子との組合せにおいては、吸油性顔料に対して有機中空粒子20〜180質量%程度、特に25〜120質量%程度、或いは吸油性顔料と熱膨張性粒子との組合せにおいては、吸油性顔料に対して熱膨張性粒子1〜160質量%程度、特に10〜120質量%程度の範囲で調節して併用することが好ましい。
吸油性顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子から選ばれる1種または2種以上を併用する場合、その合計量が下塗り層全固形分に対して、40〜90質量%程度、特に50〜85質量%程度であるのが好ましい。
下塗り層中に使用される顔料としては、上記の吸油性無機顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知の塗工用顔料を使用することができ、例えば、カオリン、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、合成マイカ、タルク、密実型の有機顔料等が挙げられる。
下塗り層用塗液に使用される接着剤としては、例えば種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等の水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、シリル化ウレタン、アクリルーシリコン複合体、アクリル−シリコン−ウレタン複合体等の疎水性重合体のラテックス等が挙げられ、1種または2種以上を併用することも可能である。
下塗り層中の接着剤の含有量は、下塗り層の全固形分に対して3〜55質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは5〜45質量%程度である。3質量%以上とすることにより、塗工層の強度を向上させることができる。一方、35質量%以下とすることにより、下塗り層の目的とする空隙を多くして、記録感度を向上させることができる。
助剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
下塗り層用塗液の調製方法については、特に制限されず、また塗液の濃度についても特に制限されないが、通常20〜50質量%程度、好ましくは35〜45質量%程度で塗工すればよい。20質量%以上とすることにより、塗液の粘度が高くでき、浸透ムラ、ひいては下塗り層のムラの発生を抑制でき、画質を向上させることができる。それと同時に、塗工速度を上げ、生産性を向上できる。また、50質量%以下とすることにより、塗料の粘度を適度なものとして、加工を容易にできる。
本発明における下塗り層用塗液については、液温25℃におけるハーキュレス粘度計の8800rpmにおける粘度が15〜40mPa・s程度であることが好ましい。また、液温25℃におけるBL粘度計の60rpmにおける粘度が500〜2000mPa・s程度であることが好ましい。前記粘度をそれぞれ15mPa・s以上または500mPa・s以上とすることにより、浸透ムラの発生を抑制し、結果として高感度高画質の感熱記録体が得やすく、同時に生産性も高くできる。また前記粘度をそれぞれ40mPa・sまたは2000mPa・s以下とすることにより、塗工が容易にできる結果、所望の感熱記録体を得易くできる。
下塗り層用塗液の粘度の調整については、下塗り層用塗液の調製で使用される顔料、接着剤、助剤等の種類及び配合量を選択することによって、適宜行えばよい。
下塗り層の塗工量については、特に制限はなく、下塗り層1層の厚さが3〜12μm程度(好ましくは5〜10μm程度)、下塗り層の総厚さが6〜30μm程度(好ましくは10〜25μm程度)になるように適宜調節すればよい。1層当りの乾燥後の塗工量は1〜15g/m程度であり、より好ましくは2.5〜10g/m程度である。下塗り層の総塗工量としては、2〜35g/m程度であり、より好ましくは7〜20g/m程度である。
特に、第1下塗り層と第2下塗り層との乾燥後の塗工量の割合が、2:8〜8:2程度であることが好ましく、より好ましくは4:6〜6:4程度である。この範囲とすることにより、下塗り層が十分な断熱層としての機能を発揮すると共に感熱記録層塗工時の余計な浸透を抑制する効果を高めることができ、厚さムラの少ない感熱記録層を形成することができる。
本発明において、下塗り層を形成する塗工方法としては、平滑性の高い塗工面が得易いこと、高速塗工適性に優れていること、及び塗工欠陥が少ないことから、第1下塗り層をブレード塗工方式、第2下塗り層以降はロッド塗工方式を用いて下塗り層を形成する。
ブレード塗工方式とは、塗料をロールやファウンテン方式で紙にアプリケートした後、ベベルタイプやベントタイプに代表される厚さ数ミリの薄い鋼板を押し付けて塗料を掻き落とすことにより、塗工量を制御する方式である。
ロッド塗工方式は薄い鋼板の代わりに、金属の円柱を回転させながら押し付けることで、塗工した塗料を掻き落として塗工量を制御する方式である。
本発明における下塗り層の塗工方法として、第1下塗り層がブレード塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成されると、均一で平滑性の高い塗工面が得られ、更に第2下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成されると、塗工欠陥の少ない均一で平滑性の高い塗工面が得られる。本発明の感熱記録体は、これらの塗工方式の相互作用により、高感度及び高画質を達成できる。
また、下塗り層の形成に際しては、例えば2層の下塗り層形成の場合は、アンワインダーから繰り出した原紙に1層目を塗工及び乾燥した後、巻取り工程を経ずにそのまま、2層目を塗工及び乾燥してから巻取る方式が好ましい。即ち、第1下塗り層を形成させた後、第1下塗り層形成紙支持体を巻取らずに、連続して第2下塗り層を形成させることが好ましい。1層目を塗工した後、第2下塗り層を塗工する前に、一旦巻取る工程を経ると、原紙裏面が接触することから、第1下塗り層表面に悪影響を及ぼす恐れがある。これに対し、上記巻取り工程を下塗り層形成途中に行わなくすることにより、第1下塗り層表面が高平滑な状態で第2下塗り層を形成できることから、第2下塗り層以降の塗工層は高平滑な塗工面が形成されることになる。
本発明において、下塗り層塗工後の下塗り層の平滑度は200〜1200秒程度であることが好ましく、より好ましくは300〜1000秒程度である。平滑度は、王研式平滑度計(J.TAPPI No.5−2:2000)で測定したものである。
本発明では、平滑度を上記範囲とするため、例えばロッド塗工方式で2層目以降の下塗り層を形成した後、スーパーカレンダー等の平滑化処理を施しても良い。
感熱記録層
本発明の感熱記録層は、各種公知のロイコ染料、呈色剤、増感剤、顔料、接着剤、本発明のポリエチレンディスパージョン等の各種助剤等が使用できる。
感熱記録層用塗液にソープフリーのポリエチレンディスパージョンを含有せしめることにより、ロッドコーティングやブレードコーティング等による保護層用塗料の塗工時に、感熱記録層に対してロッドやブレードが擦れて発生するスクラッチを抑制することができる。ソープフリーのポリエチレンディスパージョンは、例えばエチレンモノマー中に少量のエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸等を添加して重合反応させた後、アルカリで中和することにより得られる。
前記ディスパージョンの平均粒子径は1〜8μmであり、好ましくは1.5〜6μmである。平均粒子径が1μm未満ではスクラッチ抑制の効果が得られず、8μmを超えると形成される感熱記録層の表面平滑性が劣り、保護層を形成した感熱記録体において画質の低下を引き起こす。また前記ディスパージョンの含有量は、感熱記録層全固形分に対して1〜5質量%であり、好ましくは1〜3質量%である。含有量が1質量%未満ではスクラッチ抑制の効果が得られず、5質量%を超えると保護層形成時に塗工ムラが発生し易くなり、白紙品質に劣る結果となる。なお、前記エマルジョンは乳化剤を使用していないものであり、乳化剤が含有されると乳化剤の影響で地肌カブリを起こすなど、感熱記録層の耐水性が低下するなどの影響が現れるので好ましくない。なお、平均粒子径はコールターカウンター法により測定した値である。
ロイコ染料の具体例としては、例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(4−ジメチルアミノ)アリニノ−5,7−ジメチルフルオラン等が挙げられる。これらのうち、1種を単独で使用することもでき、2種以上を併用することも可能である。
呈色剤としては、単独または2種以上混合することができる。呈色剤の具体例として例えば、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物等が挙げられる。
増感剤としては、単独または2種以上を併用することができる。増感剤の具体例として例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、4−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタン、1,3−ジ(ナフチルオキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸ジベンジル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
顔料としては、例えば炭酸カルシウム、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、及び表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末等が挙げられる。
接着剤としては、種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等の水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体のラテックス等が挙げられる。
その他、各種助剤としては、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤等、公知のものを用いることができる。
本発明の感熱記録層において、上記ロイコ染料の感熱記録層中の含有率は、一般に3〜50質量%程度(好ましくは5〜20質量%程度)であり、呈色剤の含有率は一般に3〜60質量%程度(好ましくは5〜40質量%)程度である。接着剤の含有率は一般に3〜50質量%程度(好ましくは5〜30質量%程度)である。
増感剤が含まれる場合は、増感剤の含有率は10〜40質量%程度であることが好ましく、顔料は、2〜50質量%程度の含有率で含まれることが好ましい。
本発明の感熱記録層用塗液の調製方法及び塗工方法は、一般的に知られている方法により作成することができる。例えば、感熱記録層用塗液はロイコ染料、呈色剤を別々に接着剤水溶液と共に、ボールミル等の分散機により粉砕分散した後、必要に応じて増感剤、顔料、各種助剤と混合攪拌して調製する。ついで、前記下塗り層上に感熱記録層用塗液を公知の方法で塗布、乾燥すればよい。
感熱記録層用塗液の塗布方法は、特に限定されず、例えば、エアナイフコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の従来公知の塗布方法がいずれも採用できる。
感熱記録層用塗液の塗布量は特に制限はなく、乾燥重量で1〜15g/m程度、特に2〜10g/m程度であれば所望の品質を達成できる。
保護層
本発明の感熱記録体においては、保存性を向上させ、また記録時の走行性を向上させるために、感熱記録層上に保護層を設ける。
保護層は、水溶性高分子及び/または合成樹脂エマルジョンを主成分とすることが好ましい。
水溶性高分子としては、例えば、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられる。
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等のラテックスが挙げられる。
なかでも、重合度が1000以上の変性ポリビニルアルコールは表面のバリア性を向上させ、耐薬品性等の保存性を向上させることができるという理由で好ましく使用される。
水溶性高分子及び/または合成樹脂エマルジョンの含有量は、総計で、保護層の全固形分に対して30〜80質量%程度が好ましく、特に40〜75質量%程度がより好ましい。
30質量%未満ではバリア性が十分ではないばかりでなく、表面強度が低下し、紙粉の悪化等につながる。一方、80質量%を越えるとスティッキングが悪化する恐れがある。
水溶性高分子及び合成樹脂エマルジョンを併用する場合、その使用比率は、水溶性高分子100質量部に対して合成樹脂エマルジョンが5〜100質量部程度である。
保護層は、水を媒体とし、上記水溶性高分子及び/または合成樹脂エマルジョン、及び必要により添加される顔料や各種助剤を、混合攪拌して得られる保護層用塗液を、感熱記録層上に塗布、乾燥することにより、得ることができる。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。
なかでも、カオリンまたは水酸化アルミニウムは可塑剤、油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましい。
顔料の使用量は、保護層の全固形量に対して5〜80質量%程度であり、特に10〜60質量%程度の範囲が好ましい。
5質量%未満では、サーマルヘッドとの滑りが悪くなり、スティッキングを起こしたり、ヘッド粕の悪化を招いたりする。一方、80質量%を越えると、バリア性が悪くなり、保護層としての機能が大幅に低下する。
助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、グリオキザール、ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
保護層用塗液の塗布方法は特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーコーティング、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の公知の手段を用いることができるが、特に、バリバーコーティング、ブレードコーティング、ロッドコーティングを塗布方法で使用する場合に本発明の効果を得られ、得られた感熱記録体は、白紙品質に優れ、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、バリア性に優れたものとなる。
保護用塗液の塗布量は、乾燥重量で0.5〜3.0g/m程度、好ましくは0.8〜2.0g/m程度である。
0.5g/m未満の場合、感熱記録層を保護する効果がなくなり、保護層として機能できなくなる。一方、3.0g/mを超えると、記録感度が低下し、高速印字プリンターに対応できなくなる
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、LBKP、NBKP、DIP(古紙パルプ)等を主成分とするパルプに必要に応じて製紙用填料や紙力増強剤、歩留まり向上剤、サイズ剤等を少量の水溶性高分子と共に配合し、抄紙機で坪量30〜150g/m程度に抄造された原紙が適している。原紙に内添される填料としては、公知のものが使用でき、例えばカオリン、タルク、酸化チタン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が挙げられる。填料の含有量は紙力、剛度により適宜調整されるものであるが、10質量%以下にすることが好ましい。
なお、古紙パルプを製造する際には、脱墨工程中にノニオン系界面活性剤が使用され、このため感熱記録体の耐地肌カブリ性と記録部の経時的保存性に難がある恐れがあるが、本発明で形成された2層以上の下塗り層によって、前記品質も良好なものが得られる。
なお、本発明には、各種層を形成した後、或いは全ての層を形成した後に、スーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、必要に応じて感熱記録体の支持体の裏面側に保護層、印刷用塗被層、磁気記録層、帯電防止層、熱転写記録層、インクジェット記録層等を設けたり、支持体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、感熱記録体にミシン目を入れたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。更に、感熱記録体における感熱記録層を多色記録が可能な構成とすることもできる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(1a)下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製、吸油量90ml/100g)85部を水100部に分散して得られた分散物に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックス(固形分50%)40部と、酸化澱粉の10%水溶液50部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンAGガム、第一工業製薬社製)1部を混合攪拌し、下塗り層用塗液を得た。なお、下塗り層用塗液の粘度は、1380mPa・s(BL粘度計の60rpm)、34mPa・s(ハーキュレス粘度計の8800rpm、ボブはEタイプを使用)であった。
(1b)各成分の調製
・A液調製(ロイコ染料分散液の調製)
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液調製(呈色剤分散液の調製)
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液調製(増感剤分散液の調製)
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してC液を得た。
(1c)感熱記録層用塗液の調製
A液25部、B液50部、C液50部、微粒子無定形シリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、平均粒子径0.3μm、固形分濃度20%、グレースデビソン社製)20部、酸化デンプンの20%水溶液30部、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液の50部、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−400、平均粒子径4μm、固形分濃度40%、三井化学社製)2部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
(1d)保護層用塗液の調製
カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)50部を水100部に分散して得られた分散物に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、前出)の10%水溶液の600部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分36%、中京油脂社製)25部を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(1e)感熱記録体の作製
48g/mの原紙の1面上に、乾燥後の塗布量が7.0g/mになるようにブレード塗工方式にて下塗り層用塗液を塗布乾燥して第一下塗り層を形成し、更に巻き取らずに乾燥後の塗布量が8.0g/mになるようにロッド塗工方式にて第1下塗り層上に、下塗り層用塗液を塗布乾燥して、第2下塗り層を形成した。得られた2層からなる下塗り層上に乾燥後の塗布量が5.0g/mとなるようにロッド塗工方式にて感熱記録層用塗液を塗布乾燥した。さらに保護層用塗液をロッド塗工方式にて乾燥後の塗布量が1.3g/mとなるように前記保護層用塗液を塗布乾燥した。その後、線圧78N/mの加圧条件でスーパーカレンダーによって平滑化処理し感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−400、前出)2部の代わりに、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−700、平均粒子径1μm、固形分濃度40%、三井化学社製)4部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−400、前出)2部の代わりに、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−200、平均粒子径6μm、固形分40%、三井化学社製)2部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−400、前出)2部の代わりに、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−500、平均粒子径2.5μm、固形分40%、三井化学社製)3部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録体の作製において、第2下塗り層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録体の作製において、第1下塗り層の塗工量を15.0g/mとし、かつ第二下塗り層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ケミパールW−400(前出)を除いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ケミパールW−400(前出)の代わりに、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−900、平均粒子径0.6μm、固形分40%、三井化学社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ケミパールW−400(前出)の配合部数を2部から0.2部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ケミパールW−400(前出)の配合部数を2部から10部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た
比較例7
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、ケミパールW−400(前出)2部の代わりに、ソープフリーのポリエチレンディスパージョン(商品名:ケミパールW−410、平均粒子径9.5μm、固形分40%、三井化学社製)2部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた11種類の感熱記録体について以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
・スクラッチ
感熱記録体において、スクラッチを目視にて観察し、以下のように評価した。
◎:スクラッチの発生が無い。
○:スクラッチの発生は皆無ではないが、実用上問題ない。
△:スクラッチの発生が見られ、実用上問題がある。
×:全面にスクラッチの発生が見られ、実用上問題がある。
・画質
感熱評価機(商品名:TH−PMD、大倉電気社製)を用い、0.16mJ/dotで各感熱記録体を発色させ、発色状況をマイクロスコープで拡大観察し、以下のように評価した。
◎:ドットが均一に発色しており、濃淡ムラがない。
○:わずかにドットの未発色部分が見られるが、実用上問題ない。
△:明らかなドット未発色部分が見られ、目視評価でも濃淡ムラが大きく、実用上問題ある。
×:ドット未発色部分が多く、濃淡ムラが激しい。
・バリア性
感熱記録体の地肌部上に、50%濃度のエタノール溶液を塗布後に放置し、乾燥後の感熱記録体の発色状況を目視観察し、以下のように評価した。
◎:発色が全くなく、バリア性に優れていた。
○:極僅かに発色している部分が見られたが、実用上問題ない。
△:○よりは、発色している部分の面積や発色程度は大きく、実用上問題ある。
×:大部分で発色が見られ、発色程度もひどく、実用上問題ある。
Figure 2009166264

Claims (1)

  1. 紙支持体上に、下塗り層、感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体において、前記下塗り層が、少なくとも第1下塗り層及び該第1下塗り層上に形成された第2下塗り層からなる多層構造を有しており、前記第1下塗り層がブレード塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成され、更に第2下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工及び乾燥することにより形成されたものであり、且つ前記感熱記録層用塗液中にソープフリーのポリエチレンディスパージョンを含有するものであり、前記ディスパージョンの平均粒子径が1〜8μmの範囲にあり、前記ディスパージョンが前記感熱記録層全固形分に対して1〜5質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
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