JP6727082B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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Description
近年、このような感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンター、自動券売機、計測用レコーダー等に使用されている。さらに、感熱記録体の用途は、各種チケット用、レシート用、ラベル用、銀行のATM用、ガスや電気の検針用、車馬券等の金券用などにも拡大してきており、これまで以上の過酷な条件、例えば、真夏の車内の高温状態などの環境下における画像部及び白紙部の保存性が必要とされてきている。このような問題を解決するために、顕色剤や染料及び保護層の構成などが検討されている(特許文献1〜3等)。
また、支持体と感熱記録層との間に無機顔料やプラスチック粒子を含有する下塗り層を設けて、記録感度や印字走行性を改善することも提案されている(特許文献4、5等)。
本発明で使用するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムは、特定の形状と嵩密度を有しており、このような顔料を含有する下塗り層は、支持体側からの感熱記録層への熱の伝達を効果的に阻害するため、高温環境で保管しても感熱記録層への熱の伝達が軽減され、耐熱変色性が優れると考えられる(後述の参考例2及び3に対する参考例1(表1)を参照されたい。)。
また、下塗り層がこのような顔料を含有すると、下塗り層や隣接する感熱記録層に含まれる材料に対して特有の吸収性能を示すと考えられる。例えば、感熱記録層に含まれる発色材料、特に顕色剤が印字時のサーマルヘッドによる加熱により溶融した後に、発色に関与し得ない、即ちロイコ染料との化学反応機会が得られず余剰となった顕色剤が下塗り層に吸収されると考えられる。その結果、サーマルヘッドにカスが付きにくくなり、印字走行性(耐ヘッドカス性)が向上するものと考えられる。また、このような下塗り層に含まれるバインダーの発現にも影響すると考えられる(後述の参考例2及び3に対する参考例1(表1)を参照されたい。)。
本発明者らは、このような下塗り層に、カチオン性物質を加えると、感熱記録体の表面強度が更に改善されることを見出した。
すなわち、本発明は、支持体、該支持体上に設けられた、顔料とバインダーとを主成分として含有し、更にカチオン性物質を含有する下塗り層、及び該下塗り層上に設けられた、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを主成分として含有する感熱記録層、を有する感熱記録体であって、該下塗り層が含有する顔料が、紡錘形状の一次粒子が放射状に凝集して二次粒子を形成して成るロゼッタ型軽質炭酸カルシウムであり、その嵩密度が240g/L以下である、感熱記録体である。
この下塗り層は、顔料とバインダーとを主成分として含有し、この顔料は、紡錘形状の一次粒子が放射状に凝集して二次粒子を形成して成るロゼッタ型軽質炭酸カルシウムである。
また、このロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの嵩密度は240g/L以下であり、好ましくは150〜220g/Lである。この嵩密度は、JIS−K−5101−12−1(顔料試験方法−第12部:見掛け密度又は見掛け比容−第1節:静置法)に従って測定する。
本発明で使用するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムは、例えば、Specialty Minerals Inc.社製アルバカーLO(嵩密度:210g/L)や奥多摩工業社製TP221BM(嵩密度230g/L)等として入手可能である。
なお、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを、ボールミル、アトライター、サンドグライダー等の公知の粉砕装置による粉砕処理を施して使用してもよい。
下塗り層が、本発明のロゼッタ型軽質炭酸カルシウム以外の顔料を含有する場合、本発明のロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの含有量は、下塗り層が含有する全顔料(本発明のロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含む)の50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上が特に好ましい。
本発明の下塗り層が、更にカチオン性物質を含有することにより、静電的相互作用の発現が強く、顔料凝集体が形成しやすくなると考えられる。
このカチオン性物質として、カチオン性サイズ剤、カチオン化澱粉、水溶性金属塩、エピクロロヒドリン系樹脂、カチオン性ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
本発明のカチオン性ポリアクリルアミドは、ポリマー中にカチオン性基を主体に有するが、上述のとおり、水に溶解又は分散させた時にカチオン性を示せば、ポリマー中にアニオン性基を有していてもよい。
カチオン性ポリアクリルアミドの分子量は特に限定されないが、本発明では10万〜600万程度のものを使用すると静電的相互作用が適度に発現するため好ましい。
本発明で使用するカチオン性ポリアクリルアミドの具体例としては、DH4162、DH4196、HG5324(以上、星光PMC社製)、ハリフィックスUF−570(以上、ハリマ化成社製)などが挙げられる。これらは単独で使用又は併用してもよい。
この有機中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するものであり、既に発泡状態となっている微小中空粒子である。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、あるいはこれらの共重合体を挙げることが可能である。特にポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアクリル酸エステルやポリアクリルニトリル等のアクリル系樹脂、これらの共重合体、あるいはポリ塩化ビニリデンとポリアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。このような有機中空粒子は、具体的にはJSR社製商品名SX8782、日本ゼオン社製商品名MH5055、MH8103K、ローム&ハースジャパン社製商品名ローペイクHP−91等として入手可能である。
ここで、中空率とは、中空粒子の外径と内径から算出され、中空率=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)3×100(%)で示される。
ここで、平均粒子径とは、粒子を径により2つに区分した際、大きい側と小さい側の粒子が等量(体積基準)となるメジアン径d50で示され、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。
これらの中で、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール類、セルロースエーテル及びその誘導体、澱粉類が好ましく、ポリビニルアルコール類がより好ましい。水溶性樹脂は水などの溶媒に溶解して使用することができる。
また、非水溶性樹脂としては、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、スチレン−ブタジエン系樹脂がより好ましい。非水溶性樹脂は、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散したエマルションとして使用することができる。
これらのバインダーは、要求品質に応じて2種類以上を併用してもよい。
水溶性樹脂/非水溶性樹脂の重量比(固形分)は、好ましくは35/100以下、より好ましくは3/100〜30/100、更に好ましくは5/100〜25/100である。
水溶性樹脂/非水溶性樹脂の重量比が35/100を超えて大きくなると、耐熱変色性、印字画質、耐ヘッドカス性が低下する傾向がある。
また、水溶性樹脂が3/100未満であると、後述のマイグレーションの抑止効果が十分に得られず、塗工層の強度が低下することがある。
一方、スチレン−ブタジエン系樹脂などの非水溶性樹脂は、一般的に粘性や保水性が低く、本発明の特定の形状と嵩密度を有する顔料を含有する下塗り層を貫通して支持体にまで浸透してしまう、いわゆるマイグレーションが発生しやすい。
水溶性樹脂と非水溶性樹脂の配合比を適度に調整して併用することにより、マイグレーションを抑制しながら下塗り層を嵩高(低密度)状態とすることができ、適度な耐熱変色性、印字画質、耐ヘッドカス性を得ることができると考えられる。
本発明の下塗り層中のカチオン性物質の含有量は、下塗り層が含有するロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100重量部に対し、固形分で、好ましくは0.5〜3.0重量部である。この含有量は、固形分で、0.5〜2.5重量部であると、顔料の凝集体が形成しやすくなるためより好ましく、更に好ましくは1.0〜2.0重量部である。
下塗り層に更に有機中空粒子を含有させる場合は、下塗り層の全固形分100重量部に対する有機中空粒子の含有量は、好ましくは固形分で1〜18重量部、より好ましくは3〜15重量部である。有機中空粒子の含有量を多くすると発色感度が向上する傾向が見られるが、含有量が18重量部を超えると、サーマルヘッド等にカスが付着して、印字走行性(耐ヘッドカス性)が低下することがある。
下塗り層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、一般的な塗工量は固形分で1〜15g/m2程度、好ましくは4〜10g/m2である。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕、3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
下塗り層以外の塗工層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層の一般的な塗工量は固形分で2.0〜12.0g/m2程度であり、保護層の塗工量は固形分で0.5〜5.0g/m2が好ましい。
また、各塗工層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、下塗り層塗工液を調製した。
<下塗り層塗工液1>
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(Specialty Minerals
Inc.社製、商品名:アルバカーLO、嵩密度:210g/L)
100.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製、商品名:
ST5526、固形分48%) 40.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA
117、固形分10%) 30.0部
水 100.0部
顕色剤分散液(A液)
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン(エーピーア
イコーポレーション社製、商品名:NYDS) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA
117、固形分10%) 18.8部
水 11.2部
ロイコ染料分散液(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社
製、商品名:ODB−2) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA
117、固形分10%) 4.6部
水 2.6部
<感熱記録層塗工液1>
顕色剤分散液(A液) 36.0部
ロイコ染料分散液(B液) 13.2部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA
117、固形分10%) 25.0部
水酸化アルミニウム(昭和電工社製、商品名:ハイジライトH−32、
50%分散液) 12.0部
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対して、カチオン性サイズ剤(星光PMC社製、商品名:SE2250、固形分35%、以下「カチオン性サイズ剤A」という。)を0.6部(固形分換算で0.2部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例2]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対して、カチオン性サイズ剤Aを2.9部(固形分換算で1.0部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対して、カチオン性サイズ剤Aを4.3部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例4]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対して、カチオン性サイズ剤Aを7.1部(固形分換算で2.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例5]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対して、カチオン性サイズ剤(星光PMC社製、商品名:SS2753、固形分20%、以下「カチオン性サイズ剤B」という。)を7.5部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してカチオン化澱粉水溶液(アベベジャパン社製、商品名:アミロファックスT2600、固形分20%)を7.5部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例13]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対して硫酸マグネシウム水溶液(固形分5%)を30.0部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
下塗り層塗工液1中のロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカーLO)に代えてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(Specialty Minerals Inc.社製、商品名:アルバカー5970、嵩密度:250g/L)を使用した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[参考例3]
下塗り層塗工液1中のロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカーLO)に代えて焼成クレー(BASF社製、商品名:アンシレックス93)を使用した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4030、固形分25%)を0.8部(固形分換算で0.2部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例7]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4030)を4.0部(固形分換算で1.0部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例8]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4030)を6.0部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4030)を10.0部(固形分換算で2.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例10]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してポリアミンエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4010、固形分20%)を7.5部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例11]
下塗り層塗工液1に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100部に対してカチオン性ポリアクリルアミド(星光PMC社製、商品名:DH4196、固形分12%)を12.5部(固形分換算で1.5部)追加した以外は、参考例1と同様にして感熱記録体を作製した。
<発色感度(印字濃度)>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dot、印字速度50mm/secでベタ印字した。ベタ印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、発色感度を評価した。
作製した感熱記録体について、80℃の環境下で1時間処理した後、23℃、50%RH環境下に3時間静置した。
非印字部(白紙部)の濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値の差から地色発色値を算出し、非印字部(白紙部)の耐熱性を下記の基準で評価した。評価が良又は可であれば実用上問題はない。
地色発色値=(処理後の非印字部の濃度)−(処理前の非印字部の濃度)
良:地色発色値が0.3未満
可:地色発色値が0.3以上0.4未満
不可:地色発色値が0.4以上
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.15mJ/dot、印字速度50mm/secでベタ印字した。ベタ印字部を目視にて観察し、下記の基準で印字画質を評価した。評価が優、良、可であれば実用上問題はない。
優:白抜け部分が観察されない。
良:多少白抜け部分が観察されるが、全体としてはベタとなっている。
可:白抜け部分が観察されるが、全体としては概ねベタ状である。
不可:白抜け部分が多い。
作製した感熱記録体について、印字試験機(キヤノン社製、HT180)を用い、−10℃の環境下で印加エネルギー0.20mJ/dotでベタ印字した。1m印字後のサーマルヘッド付着物の状態について目視にて観察し、下記の基準で評価した。評価が優、良、可であれば実用上問題はない。
優:付着物がない。
良:ほとんど付着物がない。
可:若干の付着物がある。
不可:付着物が多い。
作製した感熱記録体について、RI印刷機(明製作所製、RI−3型印刷機)にて印刷用インキ(東洋インキ製造社製、PRINTING INK、墨、SMX、タック15)を1.0cc用いて感熱記録面に印刷を行った。インキによるピッキング(感熱記録層や支持体の剥け)の程度を目視にて観察し、下記の基準で評価した。評価が優、良、可であれば実用上問題はない。
優:感熱記録層や支持体の剥けが全くない。
良:僅かに部分的な感熱記録層の剥けが見られる。
可:感熱記録層の剥けが散見されるが、支持体の剥けは見られない。
不可:感熱記録層の剥けが多い、又は支持体の剥けが見られる。
作製した感熱記録体について、40℃、90%RHの環境下で24時間保存した。保存後の感熱記録体に、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dot、印字速度50mm/secでベタ印字した。ベタ印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、保存後の発色感度を評価した。
Claims (10)
- 支持体、該支持体上に設けられた、顔料とバインダーとを主成分として含有し、更にカチオン性物質を含有する下塗り層、及び該下塗り層上に設けられた、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを主成分として含有する感熱記録層、を有する感熱記録体であって、該下塗り層が含有する顔料が、紡錘形状の一次粒子が放射状に凝集して二次粒子を形成して成るロゼッタ型軽質炭酸カルシウムであり、その嵩密度が240g/L以下である、感熱記録体。
- 前記下塗り層に含まれるバインダーが水溶性樹脂と非水溶性樹脂とから成り、水溶性樹脂/非水溶性樹脂の重量比が35/100以下である請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコール類である請求項1又は2に記載の感熱記録体。
- 前記非水溶性樹脂がスチレン−ブタジエン系樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムが、前記下塗り層が含有する全顔料の70重量%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記カチオン性物質が、カチオン性サイズ剤、エピクロロヒドリン系樹脂、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、及び水溶性金属塩から成る群から選択される少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記カチオン性物質が、カチオン性サイズ剤であって、該カチオン性サイズ剤がスチレン系サイズ剤又はスチレンアクリレート系サイズ剤である請求項6に記載の感熱記録体。
- 前記カチオン性物質が、エピクロロヒドリン系樹脂であって、該エピクロロヒドリン系樹脂がポリアミドエピクロロヒドリン樹脂又はポリアミンエピクロロヒドリン樹脂である請求項6に記載の感熱記録体。
- 前記カチオン性物質が、カチオン性ポリアクリルアミドである請求項6に記載の感熱記録体。
- 前記下塗り層中のカチオン性物質の含有量が、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム100重量部に対し0.5〜3.0重量部である請求項1〜9のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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