JP2007083781A - カーテンエアバッグ取付金具及び取付構造 - Google Patents

Abstract

【課題】カーテンエアバッグ折畳体がＢピラーガーニッシュなどに当っても取付金具を隠すようには動くことがなく、カーテンエアバッグ折畳体の取り付け作業を効率よく行うことができるカーテンエアバッグ取付金具と、この取付金具を用いたカーテンエアバッグ取付構造を提供する。
【解決手段】取付金具１０は、ルーフサイドレール２に重なる基片１１と、該基片に連なり、車体前後方向の両側においてカーテンエアバッグ１の折畳体の上側に張り出す張出片１２とを有する。取付金具１０及びカーテンエアバッグ折畳体を取り囲むようにテープ１５が巻き付けられる。カーテンエアバッグ１をボルト等でルーフサイドレール２に取り付ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、カーテンエアバッグを車体の例えばルーフサイドレールに取り付けるための取付金具と、この取付金具を用いたカーテンエアバッグ取付構造とに関する。

カーテンエアバッグの車体への取付作業時に該取付金具を用いる従来技術として特開２００２−５３００３号及び特開２００２−５３００５号に記載のものがある。

この従来例では、カーテンエアバッグ折畳体を逆Ｔ字形（山形）の取付金具の底辺部に沿わせてテープで該折畳体を該金具に縛り付けている。この取付金具をボルトでルーフサイドレールに取り付ける。
特開２００２−５３００３号 特開２００２−５３００５号

上記特開２００２−５３００３号及び特開２００２−５３００５号のカーテンエアバッグ取付金具及び構造にあっては、取付金具付きカーテンエアバッグ折畳体をルーフサイドレールに取り付けるに際し、カーテンエアバッグ折畳体がＢピラーガーニッシュなどの車体部材に当り、カーテンエアバッグ折畳体の下側が室内側や上方側に押されて動き、取付金具がカーテンエアバッグ折畳体の陰になり、取付金具をルーフサイドレールに取り付ける作業の支障となることがある。

本発明は、カーテンエアバッグ折畳体がＢピラーガーニッシュなどに当っても取付金具を隠すようには動くことがなく、カーテンエアバッグ折畳体の取り付け作業を効率よく行うことができるカーテンエアバッグ取付金具と、この取付金具を用いたカーテンエアバッグ取付構造を提供することを目的とする。

請求項１のカーテンエアバッグ取付金具は、車体に沿って延在するカーテンエアバッグの折畳体を車体に取り付けるための取付金具であって、車体に重なる基片を有したカーテンエアバッグ取付金具において、該基片の両側においてそれぞれ該カーテンエアバッグ折畳体の上側に張り出す張出片を該基片と一体に備えたことを特徴とするものである。

請求項２のカーテンエアバッグ取付金具は、請求項１において、該張出片は、その先端側に、カーテンエアバッグ折畳体の室内側面に回り込む垂下部を有することを特徴とするものである。

請求項３のカーテンエアバッグ取付金具は、請求項２において、該張出片は、縦断面形状が下方に向って凹となる湾曲形状となっていることを特徴とするものである。

請求項４のカーテンエアバッグ取付金具は、請求項１ないし３のいずれか１項において、前記張出片の幅Ｌが１０ｍｍ以上であることを特徴とするものである。

請求項５のカーテンエアバッグ取付金具は、請求項１ないし４のいずれか１項において、車体に設けられた係止穴に係合する係止部が設けられていることを特徴とするものである。

請求項６のカーテンエアバッグ取付構造は、カーテンエアバッグ折畳体をカーテンエアバッグ取付金具によって車体に取り付けたカーテンエアバッグ取付構造において、該カーテンエアバッグ取付金具は請求項１ないし５のいずれか１項のカーテンエアバッグ取付金具であり、該カーテンエアバッグには、該カーテンエアバッグ取付金具の前記基片と重なる耳片が突設されており、該耳片が前記基片によって車体に取り付けられていることを特徴とするものである。

請求項７のカーテンエアバッグ取付構造は、請求項６において、前記基片の室内側面に前記耳片が重なり、該耳片の室内側面に押え片が重なっており、該押え片が前記基片と一体化されていることを特徴とするものである。

請求項８のカーテンエアバッグ取付構造は、請求項６又は７において、該カーテンエアバッグ折畳体と該カーテンエアバッグ取付金具とを取り巻くテープ状部材によって該カーテンエアバッグ折畳体とカーテンエアバッグ取付金具とが一体化されており、該テープ状部材は前記張出片の外周を取り巻いていることを特徴とするものである。

本発明のカーテンエアバッグ取付金具及び構造にあっては、カーテンエアバッグ折畳体がＢピラーガーニッシュなどの車体部位に当って上側へ動こうとした場合、この動きが張出片によって防止される。このため、取付金具がカーテンエアバッグ折畳体の陰になることがなく、取付金具の車体への取り付け作業を容易に行うことが可能となる。

なお、張出片を基片の両側に設けているから、カーテンエアバッグ折畳体が基片よりも離隔した箇所で上方に押されても、カーテンエアバッグ折畳体が取付金具を隠すことが十分に防止される。

請求項２のように、張出片の先端側に垂下部を設けると、カーテンエアバッグ折畳体が室内側から上方側へ回転するように押し上げられる動きを防止することができる。

請求項３のように、この張出片を下方に向って凹となる湾曲形状とし、請求項８のように該張出片の外周を取り巻くようにテープ状部材を巻き付けた場合、エアバッグ折畳体の動きがきわめて十分に防止される。また、テープ状部材が角ばった部分に当ることが解消し、テープ状部材の耐久性が向上する。

請求項４のように、張出片の車体前後方向長さを大きくとることにより、カーテンエアバッグ折畳体の動き防止効果が向上する。請求項５のように突部を車体の係止穴に係合させるようにした場合、取付金具の回り止め効果が向上する。

請求項７のように、押え片において耳片を基片との間に挟み付けるようにした場合、カーテンエアバッグの取付作業時に耳片がよじれることが防止され、取付作業性が向上する。

以下、図面を参照して実施の形態について説明する。

第１図（ａ）は実施の形態に係るカーテンエアバッグ取付金具の斜視図、第１図（ｂ）はその車体への取付構造を示す分解斜視図である。

この実施の形態では、自動車の乗員頭部拘束用カーテンエアバッグ１が自動車の車体のルーフサイドレール２に取り付けられている。このカーテンエアバッグ１は、２枚の布シートを重ね合わせ、その周縁部を縫糸や接着剤等により接合して袋状としたものである。このカーテンエアバッグ１の上縁部に沿って耳部３が上方に突設されており、この耳部３に該ルーフサイドレール２への留付用の開口（後述の図３の符号３ａ）が設けられている。この耳部３が取付金具１０を介してルーフサイドレール２に取り付けられる。

この際、カーテンエアバッグ１は、ルーフサイドレール２に沿うように細長く折り畳まれて折畳体とされている。このカーテンエアバッグ１の折畳体は、例えば不織布からなる筒状のカバー（図示略）に挿入されて保持される。前記カバーは複数の窓部を有し、耳部３が該窓部を介してカバーの外へと露出される。

この取付金具１０は、ルーフサイドレール２に重なる基片１１と、該基片に連なり、車体前後方向の両側においてカーテンエアバッグ１の折畳体の上側に張り出す張出片１２とを有する。この実施の形態では、基片１１の上部に、ボルトやビスの挿通孔１３が設けられている。また、この基片１１の上部の両側辺からルーフサイドレール２に向って係止部１４が突設されている。この係止部１４は、先端側が下方に曲ったＬ形片よりなる。

基片１１の下部は、車体前後方向に延出しており、この延出した部分の上辺から前記張出片１２がルーフサイドレール２と離反する室内方向に突設されている。この実施の形態では、基片１１、張出片１２及び係止部１４は、１枚の平板を折曲させることにより構成されている。なお、張出片１２の張出し長さは、カーテンエアバッグ１の折畳体の幅と略同等もしくはそれ以下の長さであり、カーテンエアバッグ１の折畳体が後述のように上方側へ跳ね上げられようとする動きを規制できる程度に設定される。

このカーテンエアバッグ取付金具１０は、カーテンエアバッグ１の折畳体が基片１１の前面側かつ張出片１２の下側に配置されるようにカーテンエアバッグ１の折畳体に当てがわれ、この際、カーテンエアバッグ１の耳部３が基片１１に重ね合わされる。

この取付金具１０及びカーテンエアバッグ折畳体を取り囲むようにテープ１５が巻き付けられることにより、取付金具１０とカーテンエアバッグ１の折畳体とが一体化される。なお、テープ１５は張出片１１の外周に巻き付けられる。テープ１５の幅は例えば１０ｍｍ程度であり、張出片１１の幅は、テープ１５の幅以上に設定される。なお、テープ１５はカーテンエアバッグ１の展開時には破断する。

この実施の形態では、基片１１との間で耳部３を挟むように、押え片２０が耳部３の上に重ね合わされる。この押え片２０には、耳部３の開口を通して基片１１の挿通孔１３に挿入される短い円筒部２１が設けられている。この円筒部２１は挿通孔１３の縁部に対しカシメにより固着される。基片１１と耳部３と押え片２０の固着については、前記のようにカシメ手段によるものでも良く、接着等の手段による固着でも構わない。また、押え片２０を用いず、基片１１と耳部３のみとしても良い。

ルーフサイドレール２には、挿通孔１３と対面するように孔２ａが設けられ、係止部１３と対面するようにスロット２ｂが設けられている。

上記のようにして取付金具１０が一体化されたカーテンエアバッグ１の折畳体がルーフサイドレール２に沿って配置され、係止部１４をスロット２ｂに差し込んで引っ掛ける。これにより、孔１３及び円筒部２１が孔２ａと同軸状となる。そこで、円筒部２１を通してボルト又はビス（図示略）を孔２ａにねじ込み、カーテンエアバッグ１をルーフサイドレール２に取り付ける。第４図に示すように、取付金具１０はＢピラーガーニッシュ部分に限定されず、全ての取付部において上記方法によって取り付けることが可能である。第４図の１’は膨張展開した状態のカーテンエアバッグを示しており、１’ｅは膨張部、１’ｆは非膨張部を示す。また、１’ｇは縫製線による非膨張部を示す。インフレータ（図示略）は、カーテンエアバッグ１の端部に接続されてもよく、長手方向の途中に接続されてもよい。

この取り付けに際し、カーテンエアバッグ１の折畳体がＢピラーガーニッシュなどの車体部材に当って第１図（ｂ）の矢印Ｒのように室内側から上方側へ跳ね上げられるように動こうとした場合、カーテンエアバッグ１の折畳体の上側に張り出した張出片１２及びテープ１５によってこの動きが阻止される。このため、取付金具１０がカーテンエアバッグ１の折畳体の陰になることが防止され、取付金具のルーフサイドレール２への取り付け作業を効率よく行うことが可能となる。特に、孔１３の左右脇に張出片１１が配設されることで、前記の通りのカーテンエアバッグ１の折畳体の上方側への動きを一層良好に規制できる。

なお、この実施の形態では、係止部１４によって取付金具１０をルーフサイドレール２に仮留めしておくことができるので、ボルト又はビスによる取付作業が容易である。また、ボルト又はビスを孔２ａにねじ込む際に取付金具１０が共回りすることも該係止部１４とスロット２ｂとの係合により阻止される。

第２図（ａ）は別の実施の形態に係る取付金具の斜視図、第２図（ｂ）はこの取付金具を用いたカーテンエアバッグ取付構造を示す分解斜視図である。

このカーテンエアバッグ取付金具１０Ａは、張出片１２Ａが下方に向って凹となる略半円弧状に湾曲した形状となっていること以外はカーテンエアバッグ取付金具１０と同一構成となっている。張出片１２Ａの湾曲部は、例えばＲが１３〜１５ｍｍで、カーテンエアバッグ１の折畳体の幅方向を覆う。前記の通り、カーテンエアバッグ１の折畳体は筒状のカバー部材に挿入されており、全体的な形状は略筒状となる。よって、張出片１２Ａは前記略円筒状のカーテンエアバッグ折畳体の上部に沿う形で配設される方が良好である。

この取付金具１０Ａも、前記実施の形態と同様にしてカーテンエアバッグ１の折畳体と一体化される。

この実施の形態では、張出片１２Ａは、その先端部がカーテンエアバッグ折畳体の上面から該折畳体の室内側面の上部にかけて延在している。このため、カーテンエアバッグ折畳体の矢印Ｒ方向の動きをより十分に防止することができる。なお、テープ１５はこの張出片１２Ａに巻き付けられる。この張出片１２Ａに角張った箇所がないので、テープ１５の耐久性が良好なものとなる。

第２図のその他の構成は第１図と同一であり、同一符号は同一部分を示している。

第３図（ａ）はさらに別の実施の形態に係るカーテンエアバッグ取付金具の斜視図、第３図（ｂ）はこの取付金具とカーテンエアバッグ折畳体との装着状況を示す斜視図である。

この実施の形態に係るカーテンエアバッグ取付金具３０は、ルーフサイドレール２（第３図では図示略）の室内側面に重なる基片３１と、この基片３１に連なり、基片３１の車体前後方向の両側に配置された張出片３２とを有する。この張出片３２は、下向きＵ字状に湾曲した形状の板材よりなる。基片３１は、平板状であり、ボルト又はビスの挿通孔３３が設けられている。基片３１は張出片３２よりも上方に延出している。

このカーテンエアバッグ取付金具３０は、１枚の平板を湾曲させて１対の張出片３２，３２を設けると共に、切り起しにより基片３１を形成したものである。カーテンエアバッグ取付金具３０には、基片３１の切り起しにより生じた開口３４があいている。この開口３４は、カーテンエアバッグ取付金具３０の長手方向の中央に位置している。各張出片３２の車体前後方向長さＬ（開口３４の縁部からカーテンエアバッグ取付金具３０の長手方向先端までの長さ）は１０〜２００ｍｍ、特に３０〜２００ｍｍ程度が好ましい。

カーテンエアバッグ１の折畳体が張出片３２内に納め込まれ、耳部３が基片３１に重ね合わされる。３ａは、この耳部３に設けられた開口を示す。この開口３ａは、基片３１の挿通孔３３と同軸状となるように配置される。

カーテンエアバッグ折畳体は、張出片３２よりも下方にはみ出している。張出片３２を取り巻くようにテープ１５が巻き付けられ、該カーテンエアバッグ折畳体とカーテンエアバッグ取付金具３０とが一体とされる。

耳部３側から開口３ａ及び挿通孔３３を通してボルト又はビスをルーフサイドレールの孔２ａ（第３図では図示略）にねじ込むことにより、カーテンエアバッグ１がルーフサイドレール２に取り付けられる。

この取り付けに際し、カーテンエアバッグ１の折畳体がＢピラーガーニッシュ等に当って矢印Ｒ方向へ動こうとした場合、張出片３２がカーテンエアバッグ１の折畳体の上面に重なっているので、この動きが阻止される。特に、この実施の形態では張出片３２の車体前後方向長さが大きいので、基片３１から離れた箇所でカーテンエアバッグ折畳体が上方に押された場合でも、基片３１付近でのカーテンエアバッグ折畳体の矢印Ｒ方向への動きが防止される。

この実施の形態でも、張出片３２がカーテンエアバッグ１の折畳体の上面から室内側面にまで回り込んでおり、カーテンエアバッグ１の折畳体のＲ方向への動きが十分に防止される。また、張出片３２が湾曲しているので、テープ１５の耐久性も良好である。

上記実施の形態は、本発明の一例であり、車体側の取付部位の形状との関連により、本発明は図示以外の形態をもとりうる。車体固定はボルト、ビスに限らず、クリップ等別の手段でもよい。

第１図（ａ）は実施の形態に係るカーテンエアバッグ取付金具の斜視図、第１図（ｂ）はその車体への取付構造を示す分解斜視図である。 第２図（ａ）は別の実施の形態に係る取付金具の斜視図、第２図（ｂ）はこの取付金具を用いたカーテンエアバッグ取付構造を示す分解斜視図である。 第３図（ａ）はさらに別の実施の形態に係るカーテンエアバッグ取付金具の斜視図、第３図（ｂ）はこの取付金具とカーテンエアバッグ折畳体との装着状況を示す斜視図である。 取付金具付きカーテンエアバッグ折畳体の斜視図である。

符号の説明

１ カーテンエアバッグ
２ ルーフサイドレール
２ａ 孔
２ｂ スロット
３ 耳部
１０，１０Ａ，３０ カーテンエアバッグ取付金具
１１，３１ 基片
１２，３２ 張出片
１３，３３ ボルト又はビスの挿通孔
１４ 係止部
１５ テープ
２０ 押え片
２１ 円筒部

Claims (8)

1. 車体に沿って延在するカーテンエアバッグの折畳体を車体に取り付けるための取付金具であって、
   車体に重なる基片を有したカーテンエアバッグ取付金具において、
   該基片の両側においてそれぞれ該カーテンエアバッグ折畳体の上側に張り出す張出片を該基片と一体に備えたことを特徴とするカーテンエアバッグ取付金具。
2. 請求項１において、該張出片は、その先端側に、カーテンエアバッグ折畳体の室内側面に回り込む垂下部を有することを特徴とするカーテンエアバッグ取付金具。
3. 請求項２において、該張出片は、縦断面形状が下方に向って凹となる湾曲形状となっていることを特徴とするカーテンエアバッグ取付金具。
4. 請求項１ないし３のいずれか１項において、前記張出片の幅Ｌが１０ｍｍ以上であることを特徴とするカーテンエアバッグ取付金具。
5. 請求項１ないし４のいずれか１項において、車体に設けられた係止穴に係合する係止部が設けられていることを特徴とするカーテンエアバッグ取付金具。
6. カーテンエアバッグ折畳体をカーテンエアバッグ取付金具によって車体に取り付けたカーテンエアバッグ取付構造において、
   該カーテンエアバッグ取付金具は請求項１ないし５のいずれか１項のカーテンエアバッグ取付金具であり、
   該カーテンエアバッグには、該カーテンエアバッグ取付金具の前記基片と重なる耳片が突設されており、
   該耳片が前記基片によって車体に取り付けられていることを特徴とするカーテンエアバッグ取付構造。
7. 請求項６において、前記基片の室内側面に前記耳片が重なり、該耳片の室内側面に押え片が重なっており、
   該押え片が前記基片と一体化されていることを特徴とするカーテンエアバッグ取付構造。
8. 請求項６又は７において、該カーテンエアバッグ折畳体と該カーテンエアバッグ取付金具とを取り巻くテープ状部材によって該カーテンエアバッグ折畳体とカーテンエアバッグ取付金具とが一体化されており、
   該テープ状部材は前記張出片の外周を取り巻いていることを特徴とするカーテンエアバッグ取付構造。

Images