JP2006137364A - 車両用空調装置および車両用空調制御方法 - Google Patents

車両用空調装置および車両用空調制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 乗員が快適に感じるように送風できる車両用空調装置および車両用空調制御方法を提供する。
【解決手段】 オートエアコンアンプ30では、IRカメラ31が撮像した熱画像のデータに基づいて、乗員の乗車を検出する。乗員が乗車したことを検出すると、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータから乗員の顔面温度TF−msrを検出して、車室内の温度設定値(目標室温)TR−tgtに基づいて算出される目標表面温度TF−tgtと比較し、その差の絶対値|ΔTF|が所定値Thを超えていれば、送風風量を増やして運転席乗員40に向けて送風する風量優先モードとする。風量優先モードが長時間継続すると乗員に不快感を与えてしまうので、風量優先モードで所定時間t2だけ継続して送風した後は、送風風量を下げるとともに空調空気の温度制御を精度よく行って送風する風温優先モードに切り替える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、乗員が快適に感じるように送風できる車両用空調技術に関する。
乗車直後の温感を低減させるために、乗員に向けて空調空気を送風する車両用空調装置が知られている。この車両用空調装置では、車両のイグニッションスイッチがONになってから所定時間が経過するまで、あるいは、車室内温度が所定の温度だけ下がるまで、運転席側および助手席側に向かって送風する空調空気の吹き出し口を運転席側および助手席側の乗員に向けて送風する(特許文献1参照)。
特開2002−46446号公報
しかし、この車両用空調装置では、エンジンがすでにかかっている車両に乗員が乗車した場合には、乗車した乗員に向けて空調空気を送風するように制御されないので、エンジンがすでにかかっている車両に乗車した乗員の温感を低減させることができない。
(1) 請求項1の発明による車両用空調装置は、車室内または車室外の空気を冷却および/または加熱して車室内に空調空気として送風する車両用空調装置において、車室内の乗員を検出する乗員検出手段と、乗員検出手段で乗員が乗車したことを検出すると、送風量を増やした風量優先モードを選択し、風量優先モードを選択した後、所定時間が経過した後に、空調空気の温度を優先して制御する風温優先モードを選択して、車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項8の発明による車両用空調制御方法は、車室内または車室外の空気を冷却および/または加熱して車室内に空調空気として送風する際に、乗員が乗車したことを検出すると、送風量を増やした風量優先モードを選択し、風量優先モードを選択した後、所定時間が経過した後に、空調空気の温度を優先して制御する風温優先モードを選択して、空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする。
本発明によれば、車室内に空調空気を送風する際に、乗員が乗車したことを検出すると、送風量を増やした風量優先モードを選択し、風量優先モードを選択した後、所定時間が経過した後に、空調空気の温度を優先して制御する風温優先モードを選択して、空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御するように構成した。これにより、エンジンの始動時期にかかわらず、乗車した乗員の温冷感を低減して、乗員に快適感を与えることができる。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜7を参照して、本発明による車両用空調装置の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の車両用空調装置を搭載した右ハンドル車を車両斜め後方から見た斜視図であり、図2は、空調ユニット100の全体構成を示す図である。車両用空調装置ACは、車両Vのインストルメントパネル200の内側に設けた空調ユニット100を備えている。インストルメントパネル200には、乗員が車両用空調装置ACのON、OFFや車室内温度の設定などの操作を行うための空調操作部1と、後述する空調制御に必要なIRカメラ31と、日射センサ32と、室温センサ34a,34bとが設けられている。車両用空調装置ACでは、空調操作部1の温度設定器35によって運転席側と助手席側とで異なる温度設定が可能である。また、室温センサ34aは運転席側の車室内温度を測定し、室温センサ34bは助手席側の車室内温度を測定する。
インストルメントパネル200には、前席乗員に対して直接送風することができる運転席窓側の吹き出し口である運転席側サイドベント口110と、運転席側中央の吹き出し口である運転席側センターベント口120と、助手席側中央の吹き出し口である助手席側センターベント口130と、助手席窓側の吹き出し口である助手席側サイドベント口140とが設けられている。インストルメントパネル200上面にはフロントガラスに沿って送風するためのデフ口20が設けられている。インストルメントパネル200の下部には、乗員の足下付近に調和空気を送風するための運転席側のフット口23aと、助手席側のフット口23bとが設けられている。なお、説明の便宜上、本実施の形態では、図1に示すように車両左右方向、車両前後方向、車両上下方向を規定する。
空調ユニット100は、空調空気の流路となるケース10の内部に、ファン11を駆動するブロアモータ12と、ファン11により送風された空気を除湿、冷却するエバポレータ13とを備えている。ケース10は、仕切板9によってエバポレータ13の下流側で、運転席側へ空調空気を送風するための流路14aと、助手席側へ空調空気を送風するための流路14bとに分割されている。後述するように、運転席側と助手席側とで、異なる空調制御を可能とするため、各流路14a,14bには、それぞれエバポレータ13で除湿、冷却された送風空気を再加熱するヒータコア15a,15bと、ヒータコア15a,15bへの配風比を調節するエアミックスドア16a,16bとが設けられている。
ケース10のインテーク部5には内外気切換ドア6が設けられている。この内外気切換ドア6により、内気導入口7からの吸気もしくは外気導入口8からの吸気の切替が行われる。電圧で制御されるブロアモータ12により駆動されるファン11で加圧、送風された送風空気は、エバポレータ13を通過して除湿、冷却される。エバポレータ13を通過した空気は、エアミックスドア16a,16bにより決定される配風比でヒータコア15a,15bを通過する空気と、ヒータコア15a,15bを通過しない空気とに分配される。エアミックスドア16a,16bで分配されてヒータコア15a,15bを通過した空気と、ヒータコア15a,15bを通過しなかった空気とは、ヒータコア15a,15bの下流で再び合流し、車室内に供給される。
空調ユニット100は、空調風を車室内へ配風するために、各ベント口110〜140に接続されるベントダクト19a,19bと、ベントダクト19a,19bを開閉するベントドア18a,18bと、フット口23a,23bに接続されるフットダクト25a,25bと、フットダクト25a,25bを開閉するフットドア24a,24bとを備えている。各流路14a,14bは、下流で再び合流している。この合流部分には、デフ口20に接続されるデフダクト22と、デフダクト22を開閉するデフドア21とが設けられている。
各ベント口110〜140には、車室内に送風される空調空気の送風方向を調節するためのルーバ111,121,131,141が設けられている。図示はしないが、各ルーバ111,121,131,141は、縦方向の送風方向を調節するルーバ機構と、横方向の送風方向を調節するルーバ機構とを備えており、各ベント口110〜140から吹き出される空調空気の流れを上下左右方向に偏向させる。
図3に示すように、この車両用空調装置ACは、オートエアコンアンプ30を備え、車両用空調装置ACの熱負荷を検出するための日射センサ32、外気温センサ33、および室温センサ34a,34bからの検出信号がオートエアコンアンプ30に入力される。また、オートエアコンアンプ30には、IRカメラ31で撮像された熱画像のデータと、温度設定器35からの信号と、車両Vのドアの開閉を検出するドアスイッチ36a,36bからの検出信号が入力される。室温センサ34aは車室内の運転席側の温度を検出し,室温センサ34bは車室内の助手席側の温度を検出する。ドアスイッチ36aは、運転席の右側のドアの開閉を検出し、ドアスイッチ36bは、助手席の左側のドアの開閉を検出する。なお、温度設定器35からの信号には、運転席側と助手席側の2箇所の温度設定の信号が含まれている。オートエアコンアンプ30は、運転席側および助手席側の車室内温度が空調操作部1の温度設定器35で設定された設定温度になるよう各センサ32〜33,34a,34bからの情報を基に空調運転条件の演算を行う。また、後述するように、オートエアコンアンプ30は、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータに基づいて、新たに乗車した乗員の表面温度を測定して、この乗員が快適と感じることができるように空調運転条件の演算を行う。
演算された空調運転条件に基づいて、オートエアコンアンプ30は、所定の風量となるようブロアモータ12の電圧VFを制御するとともに、エアミックスドア16a,16bの開度XMa,XMbおよび各ドア18a,18b,21,24a,24bの開度、各ルーバ111,121,131,141の駆動位置を、それぞれ運転席側と助手席側とで別々に制御する。また、オートエアコンアンプ30の演算による制御とは別に、乗員による空調操作部1の操作に基づいて各ドア18a,18b,21,24a,24bの開閉や、吹き出し口のモード設定、各ルーバ111,121,131,141の駆動制御も可能である。
エアミックスドア16a,16bの開度XMa,XMbおよび、ブロアモータ12の電圧VFは、次の式で表される。
XMa=f1(Tw,Tam,Tain,Ts,Taptc,Q,αa) ・・・(1)
XMb=f1(Tw,Tam,Tbin,Ts,Tbptc,Q,αb) ・・・(2)
VF=f2(XM,β) ・・・(3)
ここで、Twはエンジン出口水温、Tamは外気温度、TainおよびTbinはそれぞれ運転席側および助手席側の車室内温度、Tsはファン吸い込み空気温度、TaptcおよびTbptcはそれぞれ運転席側および助手席側の車両内設定温度、Qは日射量であり、これらは、車両用空調装置ACの熱負荷に関するパラメータである。αa,αb,βは、新たに乗車した乗員が快適と感じることができるように空調運転条件を演算するための係数であり、後述する条件によって値が変化する。
上記構成の車両用空調装置ACは、オートエアコンアンプ30によりブロアモータ12の電圧(回転数)と、エアミックスドア16a,16bの開度と、各ドア18a,18b,21,24a,24bの開度と、各ルーバ111,121,131,141の駆動位置とを制御して、車室内が設定温度になるよう風量、温度、風向を調節した空調空気を車室内に送風する。また、車両用空調装置ACは、新たに乗車した乗員が快適と感じることができるように、風量、温度、風向を調節した空調空気を車室内に送風する。以下、詳述する。
−−−空調制御について−−−
車両用空調装置ACは、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータに基づいて、新たに乗車した乗員の有無を検出するとともに、乗員の表面温度を測定して、乗員が熱的に快適であると感じる熱的定常状態であるか否かを判定することで、空調制御の制御内容を決定する。IRカメラ31は、撮像対象物からの赤外線を捉えることができるカメラであり、図1,4に示すように、車室内を撮像するようにインストルメントパネル200の左右方向略中央の上部に車両Vの後方に向けて設置され、図4,5に示すように、運転席側の乗員40および助手席側の乗員の上半身を含む車室内部の熱画像を撮像可能である。
オートエアコンアンプ30では、IRカメラ31で撮像した図5(a)に示すような熱画像のデータに基づいて、図5(b)に示すような運転席側の領域および助手席側の領域について画像処理をすることで、各座席の乗員の有無を検出する。なお、助手席側の空調制御は運転席側の空調制御と同じであるので、以下の説明では、運転席側の空調制御について説明し、助手席側の空調制御についての説明を省略する。イグニッションスイッチがONされて、車両用空調装置ACの電源がONされると、オートエアコンアンプ30は、IRカメラ31の設置位置と、IRカメラ31の撮像範囲とから、撮像された熱画像における乗員の運転席着座位置を特定し、その着座位置の温度分布から運転席の乗員の有無を検出する。
運転席または助手席の乗員の着座姿勢が変化すると、熱画像のデータにおける運転席着座位置の温度分布が変化するため、運転席の乗員の有無が変化したものとして検出されてしまう。そこで、ドアスイッチ36aからのドアの開閉信号が入力されたか否か、および、乗員の有無を所定時間以上継続して検出したか否かを加味することで、乗員の有無の検出結果の変化が着座姿勢の変化に起因する一時的なものであるか、または、乗員の乗降によるものであるかを判断して、運転席に乗員が着座しているか否かを判断する。
すなわち、熱画像のデータに基づく乗員の有無の検出結果が変化したときに、ドアスイッチ36aからドアの開閉信号が入力されていれば、運転席乗員40の乗降があり、運転席乗員40の有無に変化があったものと判断する。また、熱画像のデータに基づく乗員の有無の検出結果が変化したときに、ドアスイッチ36aからドアの開閉信号が入力されていなくても、同じ検出結果を所定時間t1(たとえば10秒)以上継続して検出した場合には、乗員の有無に変化があったものと判断する。熱画像のデータに基づく乗員の有無の検出結果が変化したときに、ドアスイッチ36aからのドアの開閉信号が入力されなかった場合であって、所定時間t1の経過前、または、同じ検出結果が所定時間t1以上継続して検出できなかった場合には、乗員の有無に変化がないものと判断する。すなわち、所定時間t1は、乗員の有無の誤検出によって乗員の有無の判断を誤ることがないように設けられた、判断を保留する時間(以下、保留時間と呼ぶ)である。
なお、イグニッションスイッチがONされて、車両用空調装置ACの電源がONされたときには、すでに運転席に乗員が着座していることが想定されるため、熱画像の温度分布から乗員の有無を検出する画像処理で最初から運転席の乗員を検出した場合、すなわち、乗員の有無の判断処理の初回の画像処理で運転席の乗員を検出した場合には、運転席に乗員が着座していると判断する。
運転席に乗員が着座していると判断した場合、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータから乗員の顔面温度を検出する。すなわち、オートエアコンアンプ30は、IRカメラ31の設置位置と、IRカメラ31の撮像範囲とから、図5(b)に示すように、撮像された熱画像における運転席乗員40の頭部41の存在位置を特定し、その領域内の温度分布から、たとえば領域内の平均温度や最大温度をその領域の代表温度(顔面温度)TF−msrとして検出する。
検出された顔面温度TF−msrは、乗員の目標表面温度TF−tgtと比較される。乗員の目標表面温度TF−tgtは、空調操作部1の温度設定器35によって設定された車室内の温度設定値(目標室温)TR−tgtに基づいて算出される。たとえば、車室内温度に応じて乗員が快適と感じているときの顔面温度を予めマップとして記憶しておき、温度設定器35によって設定された目標室温TR−tgtに応じて乗員の目標表面温度TF−tgtを決定してもよい。
顔面温度TF−msrと、乗員の目標表面温度TF−tgtとの差(表面温度差)ΔTFの絶対値が所定値Th以下であれば、運転席乗員40は温冷感を感じていない状態、すなわち暑いと感じることがなく、寒いと感じることもない熱的定常状態である。表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Thを超えていれば、運転席乗員40は温冷感を感じている状態、すなわち暑いもしくは寒いと感じている状態である。所定値Thは、予め定められた値である。
本実施の形態の車両用空調装置ACでは、乗車してきた運転席乗員40について、表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Thを超えていれば、運転席乗員40が感じている温冷感を速やかに解消できるように、すなわち、表面温度差ΔTFの絶対値が小さくなるように(顔面温度TF−msrと乗員の目標表面温度TF−tgtとが一致するように)、送風風量を増やして運転席乗員40に向けて送風する。このときの車両用空調装置ACの制御モードを風量優先モードと呼ぶ。風量優先モードでは、送風風量を増やして運転席乗員40に向けて送風するため、風量優先モードが長時間継続すると乗員に不快感を与えてしまう。そこで、本実施の形態の車両用空調装置ACでは、風量優先モードで所定時間t2だけ継続して送風した後は、送風風量を下げるとともに空調空気の温度制御を精度よく行って送風する。このときの車両用空調装置ACの制御モードを風温優先モードと呼ぶ。
乗車してきた運転席乗員40について、表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Th以内であれば、初めから風温優先モードで送風される。また、風量優先モードで送風を開始した場合に、表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Th以内となれば、所定時間t2が経過していなくても、風量優先モードから風温優先モードに切り替える。乗員が着座していないと判断された場合には、従来から行われている公知の車両用の空調制御で車室内に空調空気が送風される。このときの車両用空調装置ACの制御モードを通常モードと呼ぶ。
風量優先モードでは、送風風量が増えるように、上述した(1),(3)式に含まれる係数αa,βが変更されるとともに、運転席乗員40に向けて送風されるように、ルーバ111,121が駆動される。風温優先モードでは、エアミックスドア16aの開度XMaの制御を優先して空調空気の温度制御の精度が向上するように、上述した係数αa,βが変更される。
−−−フローチャート−−−
図6は、車両用空調装置ACで実行される空調運転プログラムの動作を示すフローチャートである。図6に動作を示したプログラムは、オートエアコンアンプ30で実行される。イグニッションスイッチがONになり、車両用空調装置ACのオートエアコンアンプ30に電源が供給された状態で空調操作部1の空調スイッチがONとなったとき、図6のプログラムは動作を開始する。ステップS1において、ステップS2以降の処理で用いられるタイマーやカウンタ、フラグなどを初期化する。なお、本プログラムにおける初回の処理であるか否かを示すフラグFlg_A、および、上述した保留時間の経過を待っているか否かを示すフラグFlg_Bに0がセットされる。ステップS2において、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータを読み込んでステップS3へ進む。ステップS3のサブルーチンにおいて、運転席の乗員の有無を判断してステップS4へ進む。なお、ステップS3のサブルーチンについては後述する。
ステップS4において、ステップS3のサブルーチンで運転席に乗員が存在していると判断されたか否かを判断する。ステップS4が肯定判断されるとステップS11へ進み、ステップS2で読み込んだ熱画像のデータから運転席乗員40の顔面温度TF−msrを検出してステップS13へ進む。ステップS13において、空調操作部1の温度設定器35によって設定された車室内の温度設定値である目標室温TR−tgtに基づいて乗員の目標表面温度TF−tgtを算出してステップS15へ進む。ステップS15において、ステップS11で検出した顔面温度TF−msrと、ステップS13で算出した乗員の目標表面温度TF−tgtとの差である表面温度差ΔTFを算出してステップS17へ進む。
ステップS17において、ステップS15で算出した表面温度差ΔTFの絶対値|ΔTF|が予め定められた所定値Th以下であるか否かを判断する。ステップS17が肯定判断されるとステップS21へ進み、風温優先モードで制御されるように上述した(1),(3)式に含まれる係数αa,βを変更してステップS25へ進む。ステップS25において、上述した(1),(3)式に基づいてブロアモータ12の電圧VFと、エアミックスドア16aの開度XMaと、各ドア18a,21,24aの開度と、各ルーバ111,121の駆動位置を演算し、その結果を出力してステップS35へ進む。ステップS35において、空調操作部1の空調スイッチがOFFされたか否かを判断する。ステップS35が否定判断されるとステップS2へ戻る。ステップS35が肯定判断されるとプログラムを終了する。
ステップS17が否定判断されるとステップS19へ進み、後述するステップS23が実行されて風量優先モードによる空調制御が開始されてから所定時間t2だけ経過したか否かを判断する。ステップS19が肯定判断されるとステップS21へ進む。ステップS19が否定判断されるとステップS23へ進み、風量優先モードで制御されるように上述した(1),(3)式に含まれる係数αa,βを変更してステップS25へ進む。
ステップS4が否定判断されるとステップS27へ進み、通常モードで制御されるように上述した(1),(3)式に含まれる係数αa,βを変更してステップS25へ進む。
−−−ステップS3のサブルーチン−−−
図7は、ステップS3のサブルーチンで実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。ステップS301において、ステップS2で読み込んだ熱画像のデータに基づいて、撮像された熱画像における乗員の運転席着座位置を特定し、その着座位置の温度分布から運転席の乗員の有無を検出してステップS303へ進む。ステップS303において、フラグFlg_Aから車両用空調装置ACの電源がONされた後の最初の処理であるか否かを判断する。
車両用空調装置ACの電源がONされた後の最初の処理である場合(Flg_A=0)は、ステップS323へ進み、フラグFlg_Aを1にセットしてステップS325へ進む。ステップS325において、ステップS301で検出した運転席の乗員の有無の検出結果が乗員有りであるか否かを判断する。ステップS325が肯定判断されるとステップS315へ進み、運転席に乗員が存在していると判断してステップS4へ進む。ステップS325が否定判断されると、ステップS317へ進み、運転席には乗員が存在しないと判断してステップS4へ進む。
車両用空調装置ACの電源がONされた後の最初の処理でない場合(Flg_A≠0)は、ステップS305へ進み、ステップS301で検出した運転席の乗員の有無の検出結果が前回の検出結果から変化したか否かを判断する。ステップS305が肯定判断されるとステップS307へ進み、保留時間を計時するタイマーTxをリセットした後、スタートしてステップS308へ進む。ステップS308において、ステップS307でスタートしたタイマーTxが動作中であることを示すフラグ、すなわち、保留時間の経過を待っているか否かを示すフラグFlg_Bに1をセットしてステップS309へ進む。ステップS309において、ドアスイッチ36aからドアの開閉信号が入力されたか否かを判断する。
ステップS309が否定判断されるとステップS311へ進み、タイマーTxによる計測時間が所定時間t1以上であるか否かを判断する。ステップS311が否定判断されるとステップS313へ進み、前回ステップS3のサブルーチンが実行されたときに乗員が着座(存在)していると判断したか否かを判断する。ステップS313が肯定判断されると、ステップS315へ進み、運転席に乗員が存在していると判断してステップS4へ進む。ステップS313が否定判断されると、ステップS317へ進み、運転席には乗員が存在しないと判断してステップS4へ進む。
ステップS305が否定判断されるとステップS319へ進み、保留時間の経過を待っているか否かを示すフラグFlg_Bに0がセットされているか否かを判断する。ステップS319が肯定判断されるとステップS325へ進む。ステップS319が否定判断されるとステップS309へ進む。
ステップS309またはステップS311が肯定判断されるとステップS321へ進み、タイマーTxを停止してステップS322へ進む。ステップS322において、保留時間の経過を待っているか否かを示すフラグFlg_Bに0をセットしてステップS325へ進む。
このように構成される車両用空調装置ACの動作をまとめると、次のようになる。イグニッションスイッチがONされて空調制御を開始すると、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータを読み込んで(ステップS2)、運転席乗員の有無を判断する(ステップS3)。運転席に乗員が着座していると判断されると(ステップS4肯定判断)、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータから運転席乗員40の顔面温度TF−msrを検出し(ステップS11)、乗員の目標表面温度TF−tgtとの差である表面温度差ΔTFを算出する(ステップS13,S15)。
表面温度差ΔTFの絶対値|ΔTF|が予め定められた所定値Th以下である場合(ステップS17肯定判断)、運転席乗員40が温冷感を感じていないものと判断して、空調制御を風温優先モードで制御するように設定して(ステップS21)、空調空気を車室内に送風する(ステップS25)。
表面温度差ΔTFの絶対値|ΔTF|が予め定められた所定値Thを超えている場合(ステップS17否定判断)、運転席乗員40が温冷感を感じているものと判断して、空調制御を風量優先モードで制御するように設定して(ステップS23)、空調空気を車室内に送風する(ステップS25)。ただし、表面温度差ΔTFの絶対値|ΔTF|が予め定められた所定値Thを超えている場合(ステップS17否定判断)であっても、長時間運転席乗員40の顔に向けて送風すると、運転席乗員40が煩わしく感じてしまうため、所定時間t2が経過した後(ステップS19肯定判断)は、空調制御を風温優先モードで制御するように設定する(ステップS21)。
一方、運転席に乗員が着座していないと判断されると(ステップS4否定判断)、従来から行われている公知の車両用の空調制御で車室内に空調空気が送風される(ステップS27,S25)。
また、運転席乗員の有無は、次のようにして判断される。IRカメラ31で撮像した熱画像のデータに基づいて、撮像された熱画像における乗員の運転席着座位置を特定し、その着座位置の温度分布から運転席の乗員の有無を検出する(ステップS301)。このとき、車両用空調装置ACの電源がONされた後の最初の処理であれば(ステップS303肯定判断)、すでに運転席に乗員が着座していることが想定されるため、熱画像の温度分布から乗員の有無を検出する画像処理で運転席の乗員を検出した場合(ステップS325肯定判断)には、乗員の姿勢変化による一時的な誤検出ではなく、運転席に乗員が着座しているものと判断する(ステップS315)。
車両用空調装置ACの電源がONされた後の最初の処理ではなく(ステップS303否定判断)、今回検出した乗員の有無の結果が前回の検出結果から変化している場合(ステップS305肯定判断)、ドアの開閉があれば(ステップS309肯定判断)、乗員の姿勢変化による一時的な誤検出ではなく、乗員が乗降したものと考えられるので、今回の乗員の有無の検出結果のとおり乗員の有無を判断する(ステップS325,S315,S317)。
車両用空調装置ACの電源がONされた後の最初の処理ではなく(ステップS303否定判断)、今回検出した乗員の有無の結果が前回の検出結果から変化している場合(ステップS305肯定判断)であっても、ドアの開閉がなければ(ステップS309否定判断)、乗員の姿勢変化による一時的な誤検出の可能性がある。そのため、乗員の有無の変化を検出してから所定時間t1が経過するまでは(ステップS311否定判断)、前回の乗員の有無の判断結果をそのまま保持する(ステップS313,S315,S317)。
乗員の有無の変化を検出してから所定時間t1が経過しても、再び元の検出結果に戻ることなく(ステップS305否定判断)、同じ検出結果が得られるのであれば(ステップS319否定判断、ステップS309否定判断、ステップS311肯定判断)、乗員の姿勢変化による一時的な誤検出ではないと判断できるので、今回の乗員の有無の検出結果のとおり乗員の有無を判断する(ステップS325,S315,S317)。
上述した第1の実施の形態の車両用空調装置ACでは、次の作用効果を奏する。
(1) IRカメラ31の熱画像データに基づいて、乗員が乗車したことを検出すると、乗員に向けて送風量を増やして送風する風量優先モードで空調制御を行い、所定時間t2の経過後は、空調空気の温度制御を精度よく行う風温優先モードで空調制御を行うように構成した。これにより、エンジンの始動時期にかかわらず、乗車してきた乗員の温冷感を低減して、乗員に快適感を与えることができる。また、乗車してきた乗員に向けて長時間送風することを防止しているので、乗員が自分に向けて送風される空調空気を煩わしく感じてしまうことを防止でき、快適性が向上する。
(2) 乗員の顔面温度TF−msrを検出するとともに、空調操作部1の温度設定器35によって設定された車室内の温度設定値(目標室温)TR−tgtから乗員の目標表面温度TF−tgtを算出し、乗員の顔面温度TF−msrと乗員の目標表面温度TF−tgtが一致するように、すなわち、表面温度差ΔTFの絶対値が小さくなるように、空調制御を行うように構成した。これにより、乗員の感じている温冷感に合わせて適切な空調制御ができるので、快適な車室内環境を提供できる。
(3) IRカメラ31の熱画像データに基づいて、空調制御を行うように構成したので、広い範囲の温度検出が可能であり、乗員の有無や乗員の顔面温度TF−msrを一度に検出できる。これにより、乗員の有無や乗員の顔面温度TF−msrを容易に検出でき、検出精度も高いので、空調制御の精度を向上できる。また、非接触で乗員の有無および乗員の顔面温度TF−msrの検出ができるので、これらの検出に際して乗員に何ら違和感を与えることがない。
(4) 乗員の顔面温度TF−msrと、乗員の目標表面温度TF−tgtとに基づいて、乗員が温冷感を感じているか否かを判断し、乗員が温冷感を感じていないと判断すると、所定時間t2を経過していなくても、風量優先モードから風温優先モードに切り替えて空調制御を行うように構成した。これにより、乗員が温冷感を感じなくなれば、乗員に向けた空調空気の送風をやめることができるので、乗員に不快感を与えることがない。
(5) 乗員の顔面温度TF−msrと、乗員の目標表面温度TF−tgtとの差である表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Th以下であれば、乗員は温冷感を感じていない状態であると判断するように構成した。これにより、乗員の温冷感に合ったタイミングで空調制御のモードを切り替えられるので、乗員の温冷感に合った適切な空調空気の送風ができ、快適感を向上できる。
(6) 熱画像のデータに基づく乗員の有無の検出結果が変化したときに、ドアスイッチ36a,36bからのドアの開閉信号が入力されなかった場合、所定時間t1の経過前は乗員の有無に変化がないものとして空調制御を行うように構成した。これにより、着座姿勢の変化に起因する一時的な検出結果の変化を排除できるので、乗員の有無を正確に判断できる。これにより、間違った空調制御のモードへの切り替えを防止できるので、乗員に不快感を与えることがない。
(7) 空調制御のモード切り替えも含め、運転席側と助手席側とで独立して空調制御ができるように構成した。これにより、運転席の乗員だけでなく他の座席の乗員が感じている温冷感を低減することができるので、他の座席の乗員に対しても快適な車室内環境を提供できる。また、一方の座席の空調制御のモードが切り替えられても、他の座席の空調制御には影響がないため、温冷感を感じている一方の乗員に対しては、温冷感を適切に低減できるとともに、温冷感を感じていない他方の乗員に対しては、一方の乗員の乗車によって、空調空気の送風方向が変更されてしまうということがないので、他方の乗員に不快感を与えることがない。
−−−第2の実施の形態−−−
図8〜10を参照して、本発明による車両用空調装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図8は、車両用空調装置ACのシステム構成を示す図である。本実施の形態の車両用空調装置ACでは、第1の実施の形態と異なり、日射センサ32、外気温センサ33、内気温センサ34a,34bおよびドアスイッチ36a,36bが設けられていない。その他の構成は、第1の実施の形態と同じである。図9(a)は、IRカメラ31が撮像した熱画像を示す図であり、図9(b)は、図9(a)の画像の運転席側の領域を示す図である。IRカメラ31が撮像した熱画像のデータから、運転席乗員40の温度だけではなく、熱画像として撮像された各部分(領域42〜45)の温度も検出できる。
図9(b)に示す領域42は、運転席側のドアに相当する部分であるが、この領域42は、運転席側のドアの開閉によって検出される温度が短時間で変化する。したがって、領域42の温度が短時間に変化したことを検出することで、運転席側のドアの開閉を検出できる。これにより、第1の実施の形態で記載したドアスイッチ36aを用いなくても、領域42の温度が短時間に変化したことを検出すれば、ドアの開閉を検出できる。
図9(b)に示す領域45は、車両Vの天井に相当する部分であり、この領域45の温度は車両Vの天井の温度Troofである。領域45の温度を検出することで、エアミックスドア16a,16bの開度XMa,XMbおよび、ブロアモータ12の電圧VFの算出に際して、車室内温度Tain,Tbinの代わりに天井の温度Troofを用いることができる。すなわち、IRカメラ31が撮像した熱画像のデータから領域45の温度を検出することで、第1の実施の形態で記載した内気温センサ34a,34bの配設を省略できる。同様に、IRカメラ31が撮像した熱画像を画像処理することで、空調制御に必要なパラメータの値を得ることができるので、第1の実施の形態で記載した日射センサ32、外気温センサ33についても配設を省略できる。
−−−フローチャート−−−
車両用空調装置ACで実行される空調運転プログラムの動作は、メインルーチンに関しては、図6に示した第1の実施の形態の車両用空調装置ACで実行される空調運転プログラムの動作と同様であるので説明を省略する。図10は、ステップS3のサブルーチンで実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。ステップS301からステップS308までは、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
ステップS308が実行されるとステップS409へ進み、ステップS2で読み込んだ熱画像のデータに基づいて、図9(b)に示す領域42の検出温度が短時間に変化したか否かを判断する。ステップS409が否定判断されるとステップS311へ進む。ステップS409が肯定判断されるとステップS321へ進む。ステップS311およびステップS321以降の動作については、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
このように構成される車両用空調装置ACでは、IRカメラ31が撮像した熱画像のデータに基づいて、ドアの開閉や、天井の温度Troofなど空調制御に必要なパラメータの値を検出することで、第1の実施の形態の車両用空調装置ACと同様に空調制御ができる。
上述した第2の実施の形態の車両用空調装置ACでは、第1の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) IRカメラ31が撮像した熱画像のデータに基づいて、ドアの開閉や、天井の温度Troofなど空調制御に必要なパラメータの値を検出するように構成した。これにより、ドアの開閉を検出するドアセンサや、空調制御に必要な日射センサ、外気温センサ、内気温センサを省略できるので、車両用空調装置ACの製造コストを削減できる。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、風量優先モードの継続時間である所定時間t2は不変であったが、本発明はこれに限定されず、所定時間t2を可変としてもよい。たとえば、表面温度差ΔTFの絶対値が大きいほど、所定時間t2が長くなるようにオートエアコンアンプ30でその値を変更するようにしてもよい。
(2) 上述の説明では、風量優先モードで送風開始後、表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Th以下となれば風温優先モードに切り替えるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、風量優先モードで送風開始後、表面温度差ΔTFの変化率が所定値以下となれば風温優先モードに切り替えるようにしてもよい。
(3) 上述の説明では、風量優先モードで送風開始後、所定時間t2が経過すると風温優先モードに切り替えるように構成しているが(図6ステップS19肯定判断)、本発明はこれに限定されない。たとえば、表面温度差ΔTFの絶対値が所定値Thを超えていれば、経過時間に関係なく風量優先モードで送風するようにしてもよい。
(4) 上述の説明では、運転席および助手席に着座する乗員に対して送風される空調制御について説明しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、運転席と助手席との間に後部座席用のリヤベント口を設け、IRカメラ31で撮像した熱画像のデータに基づいて後部座席の乗員の有無、および、顔面温度TF−msrを検出することで、リヤベント口から後部座席の乗員に対して送風される空調空気について、上述の説明と同様の空調制御が可能である。
(5) 上述の説明では、1台のIRカメラ31をインストルメントパネル200の左右方向略中央の上部に、運転席側および助手席側の乗員を撮像できるように配設されているが、本発明はこれに限定されない。運転席側に配設したIRカメラによって運転席側の乗員を含む熱画像を撮像し、助手席側に配設したIRカメラによって助手席側の乗員を含む熱画像を撮像するようにしてもよい。また、運転席側に配設したIRカメラによって助手席側の乗員を含む熱画像を撮像し、助手席側に配設したIRカメラによって運転席側の乗員を含む熱画像を撮像するようにしてもよい。特に後者の場合には、IRカメラが車室内を斜め後方に向けて配設されるため、撮像対象となる運転席側乗員および助手席側乗員の横にあるドアの開閉検出や、運転席と助手席との間の空間から運転席や助手席の後方の座席に着座した乗員の有無および顔面温度TF−msrを検出する上で有利である。また、運転席および助手席のシートバックの背面にIRカメラを配設して、後部座席の乗員の有無および顔面温度TF−msrを検出するようにしてもよい。
(6) 上述の説明では、IRカメラ31の熱画像のデータに基づいて乗員の有無を検出しているが、本発明はこれに限定されない。乗員が着座しているか否かが検出できればよいので、たとえば、車室内の天井に設けた非接触型の距離計で天井と乗員の体の一部分との距離を検出することで、乗員の有無を検出することもできる。非接触型の距離計には、超音波を利用して距離を検出するものや、光学的に距離を検出するものなどを用いることができる。また、接触型のセンサによって乗員の有無を検出してもよいので、シートに設けた圧力センサなど、着座を直接検出するセンサを用いることもできる。
(7) 上述の説明では、IRカメラ31の熱画像のデータに基づいて乗員の表面温度を検出しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、乗員の温冷感を反映する乗員の体の一部分の温度が計測できれば接触式のセンサを用いることができる。たとえば、シートやステアリング、ドアの取手部分など、乗員の体の一部が直接または着衣越しに接触する部分に接触式の温度センサを設けるようにしてもよい。
(8) 上述の説明では言及していないが、運転席側と助手席側とで空調制御のモードが異なった場合など、運転席側もしくは助手席側のいずれか一方の送風風量を増やす、もしくは減らすことになった場合、次のように制御することが望ましい。すなわち、送風風量を多く要求する一方の座席側の制御内容に合わせてブロアモータ12の電圧VFを算出するとともに、他方の座席側の各ドア(ドア18a,24aまたはドア18b,24b)の開度を閉じ気味に制御することが望ましい。このように制御することで、運転席側および助手席側のそれぞれの空調制御のモードに合わせた適切な送風風量が得られる。
(9) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
以上の実施の形態および変形例において、たとえば、制御手段および目標温度算出手段
はオートエアコンアンプ30に、温度設定手段は温度設定器35に、熱画像撮像手段はIRカメラ31にそれぞれ対応する。乗員検出手段、乗員表面温度測定手段、および乗員状態判定手段は、IRカメラ31およびオートエアコンアンプ30によって実現される。ドア開閉検出手段はドアスイッチ36a,36b、または、IRカメラ31およびオートエアコンアンプ30によって実現される。さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
本実施の形態の車両用空調装置を搭載した右ハンドル車を車両斜め後方から見た斜視図である。 空調ユニット100の全体構成を示す図である。 車両用空調装置ACのシステム構成を示す図である。 運転席に乗員が着座した状態を車両左側から見た図である。 IRカメラ31が撮像した熱画像を示す図であり、(a)は撮像した熱画像の全体を示し、(b)は(a)の熱画像のうち運転席側の領域を示す図である。 車両用空調装置ACで実行される空調運転プログラムの動作を示すフローチャートである。 ステップS3のサブルーチンで実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態の車両用空調装置ACのシステム構成を示す図である。 IRカメラ31が撮像した熱画像を示す図であり、(a)は撮像した熱画像の全体を示し、(b)は(a)の熱画像のうち運転席側の領域を示す図である。 ステップS3のサブルーチンで実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ケース 11 ファン
12 ブロアモータ 16a,16b エアミックスドア
18a,18b ベントドア 21 デフドア
24a,24b フットドア 30 オートエアコンアンプ
31 IRカメラ 32 日射センサ
33 外気温センサ 34a,34b 室温センサ
35 温度設定器 36a,36b ドアスイッチ
40 運転席乗員 41 頭部
42〜45 領域 100 空調ユニット
110 運転席側サイドベント口
111,121,131,141 ルーバ 120 運転席側センターベント口
130 助手席側センターベント口 140 助手席側サイドベント口

Claims (10)

  1. 車室内または車室外の空気を冷却および/または加熱して車室内に空調空気として送風する車両用空調装置において、
    車室内の乗員を検出する乗員検出手段と、
    前記乗員検出手段で乗員が乗車したことを検出すると、送風量を増やした風量優先モードを選択し、前記風量優先モードを選択した後、所定時間が経過した後に、空調空気の温度を優先して制御する風温優先モードを選択して、車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    乗員の表面温度を測定する乗員表面温度測定手段と、
    目標とする車室内の温度を設定する温度設定手段と、
    前記温度設定手段で設定された車室内の設定温度と、前記乗員表面温度測定手段で測定された乗員の表面温度とに基づいて、乗員の表面温度の目標値を算出する目標温度算出手段とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記乗員表面温度測定手段で測定した乗員の表面温度が前記目標温度算出手段で算出された乗員の表面温度の目標値と一致するように、車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項2に記載の車両用空調装置において、
    車室内の熱画像を撮像する熱画像撮像手段をさらに備え、
    前記乗員検出手段は、前記熱画像撮像手段が撮像した前記熱画像に基づいて車室内の乗員の有無を検出し、
    前記乗員表面温度測定手段は、前記熱画像撮像手段が撮像した前記熱画像に基づいて、前記乗員検出手段が検出した乗員の表面温度を測定することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記目標温度算出手段で算出された乗員の表面温度の目標値と、前記乗員表面温度測定手段で測定された乗員の表面温度とに基づいて、乗員が熱的に快適であると感じる熱的定常状態であるか否かを判定する乗員状態判定手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記乗員状態判定手段によって乗員が前記熱的定常状態であると判定されると、前記風量優先モードを選択した後、前記所定時間が経過する前であっても前記風温優先モードを選択して、車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記乗員状態判定手段は、前記目標温度算出手段で算出された乗員の表面温度の目標値と、前記乗員表面温度測定手段で測定された乗員の表面温度との差が所定値以下の場合、または、前記乗員表面温度測定手段で測定された乗員の表面温度の変化率が所定値以下の場合、前記乗員が前記熱的定常状態であると判定することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用空調装置において、
    乗員乗降用のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記乗員検出手段が検出した車室内の乗員の有無に変化があった場合でも、前記ドアの開閉が前記ドア開閉検出手段で検出されないときには、一定時間の間は車室内の乗員の有無の変化がないものとして車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、少なくとも運転席に着座した乗員および助手席に着座した乗員に対して送風される空調空気について、それぞれ独立して前記風量優先モードおよび前記風温優先モードを選択して空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 車室内または車室外の空気を冷却および/または加熱して車室内に空調空気として送風する際に、乗員が乗車したことを検出すると、送風量を増やした風量優先モードを選択し、
    前記風量優先モードを選択した後、所定時間が経過した後に、空調空気の温度を優先して制御する風温優先モードを選択して、空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調制御方法。
  9. 請求項8に記載の車両用空調制御方法において、
    乗員の表面温度を測定し、
    設定された車室内の目標温度と、測定した前記乗員の表面温度とに基づいて乗員の表面温度の目標値を算出し、
    算出した前記乗員の表面温度の目標値と、測定した前記乗員の表面温度とに基づいて、乗員が熱的に快適であると感じる熱的定常状態であるか否かを判定し、
    乗員が前記熱的定常状態であると判定されると、前記風量優先モードを選択した後、前記所定時間が経過する前であっても前記風温優先モードを選択して、車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調制御方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の車両用空調制御方法において、
    乗員乗降用のドアの開閉を検出し、
    車室内の乗員の有無の変化が検出された場合でも、前記ドアの開閉が検出されないときには、一定時間の間は車室内の乗員の有無の変化がないものとして車室内に送風される空調空気の風量、風向または温度の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする車両用空調制御方法。
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