JP3772421B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワンボックスカー等の車両に好適な車両用空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ワンボックスカー等の車両において、その車両の車室内を前後に2つに分けて、それぞれの空調空間内の空調を行う前席側空調ユニットと後席側空調ユニットを設けたデュアルエアコンが知られている。そして、このデュアルエアコンでは、前席側空調ユニットと後席側空調ユニットとを独立して制御することができるように、前席側操作パネルと後席側操作パネルとが設けられているものが多い。ところが、後席側空調空間内には、老人や子供等のエアコンの操作に不慣れな者や、ペット等の動物が乗る場合が多いことを考慮すると、後席側空調ユニットを前席側操作パネルにて操作できることが望ましい。
【0003】
そこで、上記のような要望を目的として、実開昭62−201111号公報には、次のような車両用空気調和装置が記載されている。この車両用空気調和装置は、後席側空調ユニットの操作を前席側操作パネルの操作スイッチにて操作できるように切り替えた場合に、後席側操作パネルの操作による空調状態の変更をキャンセルするようにして、前席側操作パネルの操作による空調状態の変更により後席側空調ユニットを制御するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実開昭62−201111号公報に記載の車両用空気調和装置においては、後席側空調ユニットの操作を前席側操作パネルの操作スイッチにて操作できるように切り替えた場合に、操作スイッチにて設定した空調状態となるように後席側空調ユニットが制御されるものであるので、後席側操作パネルの操作をキャンセルしている時には前席側空調ユニットの操作を行うことができないという問題が生じている。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的は、車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの一方側の空調空間の空調状態を所望の空調状態に設定できるようにしながらも、操作に不慣れな者や動物が乗る他方側の空調空間内の空調状態の悪化を防止することのできる車両用空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、有効無効選択手段により他方側空調操作手段を操作することによる他方側の空調空間内の空調状態の設定を有効にするよう選択された場合には、一方側空調操作手段を操作することにより設定された所望の空調状態となるように一方側空調ユニットが独立して制御され、且つ他方側空調操作手段を操作することにより設定された所望の空調状態となるように他方側空調ユニットが独立して制御される。
また、有効無効選択手段により他方側空調操作手段を操作することによる他方側の空調空間内の空調状態の設定を無効にするよう選択された場合には、他方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を無効にし、且つ一方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を有効にして、その一方側空調操作手段を操作することにより設定された所望の空調状態となるように一方側空調ユニットが制御される。
このとき、第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて他方側空調ユニットを制御しているか否かが判断される。そして、第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて他方側空調ユニットを制御している場合には、第1温度設定部で設定された目標設定温度を読み込んで他方側空調ユニットが制御される。また、第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて他方側空調ユニットを制御していない場合には、他方側空調操作手段の第2温度設定部で前回設定された目標設定温度を読み込んで他方側空調ユニットが制御される。
それによって、操作に不慣れな者等が他方側空調操作手段を誤操作することにより、操作に不慣れな者等が乗る他方側の空調空間内の空調状態を悪化させることを防止できる。さらに、他方側空調操作手段を操作することによる他方側の空調空間内の空調状態の設定を無効にしている時でも、一方側空調操作手段を操作することにより一方側空調ユニットを制御できるので、一方側の空調空間内の空調状態が悪化することも防止できる。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な作用を行うことによって、操作に不慣れな者等が他方側空調操作手段を誤操作することにより、操作に不慣れな者等が乗る前進方向後方側の空調空間内の空調状態を悪化させることを防止できる。さらに、他方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を無効にしている時でも、一方側空調操作手段を操作することにより前方側空調ユニットを制御できるので、前進方向前方側の空調空間内の空調状態が悪化することも防止できる。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な作用を行うことによって、操作に不慣れな者等が他方側空調操作手段を誤操作することにより、操作に不慣れな者等が乗る前進方向に対して助手席側の空調空間内の空調状態を悪化させることを防止できる。さらに、他方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を無効にしている時でも、一方側空調操作手段を操作することにより運転席側空調ユニットを制御できるので、前進方向に対して運転席側の空調空間内の空調状態が悪化することも防止できる。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、有効無効選択手段により他方側温度設定手段による操作、すなわち、他方側空調操作手段の第2温度設定部を操作することによる他方側の空調空間内の目標設定温度の変更を無効にするよう選択された場合には、他方側温度設定手段を操作することによる他方側の空調空間内の空調状態の設定を無効にし、且つ一方側温度設定手段を操作することによる空調状態の設定を有効にして、その一方側温度設定手段による操作により設定された目標設定温度となるように一方側空調ユニットが制御される。それによって、操作に不慣れな者等が他方側温度設定手段を誤操作することにより、操作に不慣れな者等が乗る他方側の空調空間内の温度が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりすることを防止できる。さらに、他方側温度設定手段を操作することによる他方側の空調空間内の空調状態の設定を無効にしている時でも、一方側温度設定手段を操作することにより一方側空調ユニットを制御できるので、一方側の空調空間内の温度が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりすることも防止できる。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、チャイルドロックスイッチを操作することにより他方側空調操作手段による操作を無効にするよう選択された場合には、他方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を無効にし、且つ一方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を有効にして、その一方側空調操作手段による操作により設定された空調状態となるように一方側空調ユニットが制御される。それによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、他方側ドア制限手段で他方側ドアの開閉を制限している場合には、他方側空調操作手段を操作することによる他方側の空調空間内の空調状態の設定を無効にし、且つ一方側空調操作手段を操作することによる空調状態の設定を有効にして、その一方側空調操作手段による操作により設定された所望の空調状態となるように一方側空調ユニットが制御される。
このとき、一方側空調操作手段の第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて他方側空調ユニットを制御しているか否かが判断される。そして、第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて他方側空調ユニットを制御している場合には、第1温度設定部で設定された目標設定温度を読み込んで他方側空調ユニットが制御される。また、第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて他方側空調ユニットを制御していない場合には、他方側空調操作手段の第2温度設定部で前回設定された目標設定温度を読み込んで他方側空調ユニットが制御される。
それによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔実施形態の構成〕
図1ないし図4は本発明の実施形態を示したものである。ここで、図1(a)はフロント操作パネルを示した図で、図1(b)はリヤ操作パネルを示した図で、図2はワンボックスカー等の車両を示した図で、図3は車両用空気調和装置を示した図である。
【0014】
車両用空気調和装置1は、例えばワンボックスカー等の車両2に搭載されたオーバーヘッド・デュアル・エアコンであって、フロント空調ユニット(前進方向の前方側空調ユニット)3、リヤ空調ユニット(前進方向の後方側空調ユニット)4、マイクロコンピュータ7、フロント操作パネル8およびリヤ操作パネル9等を備える。車両2は、例えば運転席と助手席との2つの座席が配設された前席空間(2つの空調空間のうちの一方側の空調空間)Fと、例えば4つの座席が配設された後席空間(2つの空調空間のうちの他方側の空調空間)Rとを有している。
【0015】
フロント空調ユニット3は、本発明の一方側空調ユニットであって、前席空間Fを冷暖房するためのフロントエアコンユニットで、空調ダクト10の最上流側に第1内気吸込口11と外気吸込口12とが形成され、内外気切替ドア13によりそれらを開閉することにより吸込口モードが内気循環モードと外気導入モードとに切り替えられるようになっている。また、空調ダクト10内には第1送風機14、第1エバポレータ15、エアミックスドア16および第1ヒータコア17が順次配設されている。そして、空調ダクト10の最下流側に形成されたデフロスタ吹出口18、フェイス吹出口19およびフット吹出口20は、第1、第2モード切替ドア21、22により開閉されることにより、吹出口モードがフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモードおよびデフロスタモードのいずれかに切り替えられる。なお、内外気切替ドア13、エアミックスドア16および第1、第2モード切替ドア21、22は、それぞれ第1〜第3アクチュエータ23〜25により駆動される。
【0016】
リヤ空調ユニット4は、本発明の他方側空調ユニットであって、後席空間Rを冷暖房するためのもので、リヤクーラユニット5とリヤヒータユニット6とに分かれる。
リヤクーラユニット5は、例えば車両2の天井の内側に取り付けられ、空調ダクト26内に第2送風機27および第2エバポレータ28が収容されている。空調ダクト26の最上流側には第2内気吸込口29が形成され、空調ダクト26の最下流側には天井吹出口30が形成されている。
リヤヒータユニット6は、例えば車両中央の座席の下方に設置され、空調ダクト31内に第3送風機32および第2ヒータコア33が収容されている。空調ダクト26の最上流側には第3内気吸込口34が形成され、空調ダクト26の最下流側には床吹出口35が形成されている。
【0017】
前述の第1、第2エバポレータ15、28は、車両2の走行用エンジンを駆動源とするコンプレッサ(図示せず)に第1、第2電磁弁36、37を介して並列に接続されている。また、前述した第1、第2ヒータコア17、33は、車両2の走行用エンジンの冷却水回路に第1、第2温水弁38、39と共に接続されている。そして、前述した第1〜第3送風機14、27、32、第1〜第3アクチュエータ23〜25、第1、第2電磁弁36、37および第1、第2温水弁38、39は駆動回路群40を介してマイクロコンピュータ7等の空調ユニット制御装置からの制御信号に基づいて制御される。なお、マイクロコンピュータ7からの制御信号により制御されるフロント空調ユニット3の各空調機器として、冷凍サイクルのコンプレッサ、第1送風機14、第1〜第3アクチュエータ23〜25、第1電磁弁36および第1温水弁38等が設けられている。また、マイクロコンピュータ7からの制御信号により制御されるリヤ空調ユニット4の各空調機器として、第2、第3送風機27、32、第2電磁弁37および第2温水弁39等が設けられている。
【0018】
マイクロコンピュータ7は、本発明の空調ユニット制御手段であって、中央処理装置CPU、リードオンリメモリROM、ランダムアクセスメモリRAM等を備え、それ自体は周知のものである。このマイクロコンピュータ7には、A/D変換器を含む入力回路41が接続されている。この入力回路41には、前席空間F内の空気温度(内気温)と後席空間R内の空気温度(内気温)をそれぞれ検出する前席、後席内気温センサ42、43、前席空間Fと後席空間Rとに射し込む日射量を検出する前席、後席日射センサ44、45、車室外の空気温度(外気温)を検出する外気温センサ46等のセンサ類が接続されている。また、入力回路41には、前席空間F内の空調状態を設定するためのフロント操作パネル8、後席空間R内の空調状態を設定するためのリヤ操作パネル9とが接続されている。なお、フロント操作パネル8とリヤ操作パネル9とは、目標設定温度を表示するためにバッファ47、48を介してマイクロコンピュータ7からの出力を受けるように配設されている。
【0019】
フロント操作パネル8は、本発明の一方側空調操作手段であって、図1(a)に示したように、車両2の車室内の前面に設けられ、エアコンスイッチ50、第1風量設定部51、吸込口モード切替部52、第1吹出口モード切替部53、第1温度設定部54およびリヤエアコンチャイルドロックスイッチ55を有している。
エアコンスイッチ50は、冷凍サイクルのコンプレッサの起動と停止を司る指令手段である。
第1風量設定部51は、第1送風機14の回転速度(送風量)を制御するための一方側風量設定手段で、OFF、AUTO、LO、HIの各風量設定スイッチ51a〜51dを有する。
【0020】
吸込口モード切替部52は、内外気切替ドア13を制御する一方側吸込口設定手段で、REC(内気循環)とFRE(外気導入)の各吸込口モード切替スイッチ52a、52bを有する。
第1吹出口モード切替部53は、第1、第2モード切替ドア21、22を制御する一方側吹出口設定手段で、FACE,B/L(バイレベル)、FOOT、F/D、DEFの各吹出口モード切替スイッチ53a〜53eを有する。
【0021】
第1温度設定部54は、本発明の一方側温度設定手段であって、第1の表示部56および第1温度設定スイッチ57よりなる。第1の表示部56は、デジタル式で、前席空間Fまたは後席空間Rの目標設定温度を例えば0.5℃間隔で表示する。第1温度設定スイッチ57は、第1アップスイッチ57aと第1ダウンスイッチ57bを有するアップダウン式で、第1アップスイッチ57aと第1ダウンスイッチ57bを押すことにより前席空間Fまたは後席空間Rの目標設定温度を設定する。
リヤエアコンチャイルドロックスイッチ55は、本発明の有効無効選択手段であって、第1温度設定部54の近傍に設置され、リヤ操作パネル9を操作することによる空調状態の設定を有効にするか無効(キャンセル)にするかを選択するためのものである。
【0022】
リヤ操作パネル9は、本発明の他方側空調操作手段であって、図1(b)に示したように、車両2の車室内の側面またはリモートコントローラに設けられ、第2風量設定部61、第2吹出口モード切替部63および第2温度設定部64を有している。
第2風量設定部61は、第2、第3送風機27、32の回転速度(送風量)を制御するための他方側風量設定手段で、OFF、AUTO、LO、HIの各風量設定スイッチ61a〜61dを有する。
第2吹出口モード切替部63は、第2、第3送風機27、32を選択的に作動させることにより、天井吹出口30または床吹出口35から選択的に空気流を得るように後席側の吹出口モードを設定する他方側吹出口設定手段で、FACE,B/L(バイレベル)、FOOTの各吹出口モード切替スイッチ63a〜63cを有する。
【0023】
第2温度設定部64は、本発明の他方側温度設定手段であって、第2の表示部65および第2温度設定スイッチ66よりなる。第2の表示部65は、デジタル式で、後席空間Rのみの目標設定温度を例えば0.5℃間隔で表示する。第2温度設定スイッチ66は、第1温度設定スイッチ57と同様に、第2アップスイッチ66aと第2ダウンスイッチ66bを有するアップダウン式である。
【0024】
〔マイクロコンピュータの作動〕
次に、本実施形態のマイクロコンピュータ7の作動を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はマイクロコンピュータ7の作動の一例を示したフローチャートである。
【0025】
最初に、第1送風機14が作動しているか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1の判断結果がNOの場合には、ステップS5の判断に移行する。
また、ステップS1の判断結果がYESの場合には、フロント操作パネル8を操作することにより空調状態の変更が指示されたか否かを判断する。特に第1温度設定部54を操作することにより目標設定温度が変更されたか否かを判断する(一方側空調操作判定手段:ステップS2)。
【0026】
このステップS2の判断結果がNOの場合には、第1温度設定部54で前回設定された目標設定温度を読み込み、さらに前席内気温センサ42、前席日射センサ44および外気温センサ46等のセンサ信号を読み込み、周知の方法で目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOに基づいてフロント空調ユニット3の各空調機器を制御する(空調ユニット制御手段:ステップS3)。次に、ステップS5の判断に移行する。
【0027】
また、ステップS2の判断結果がYESの場合には、第1温度設定部54で今回設定された目標設定温度を読み込み、さらに前席内気温センサ42、前席日射センサ44および外気温センサ46等のセンサ信号を読み込み、周知の方法で目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOに基づいてフロント空調ユニット3の各空調機器を制御する(空調ユニット制御手段:ステップS4)。
【0028】
次に、第2送風機27または第3送風機32のうち少なくとも一方の送風機が作動しているか否かを判断する(ステップS5)。このステップS5の判断結果がNOの場合には、ステップS1の判断に移行する。
また、ステップS5の判断結果がYESの場合には、リヤ操作パネル9を操作することにより空調状態の変更が指示されたか否かを判断する。特に第2温度設定部64を操作することにより後席側の目標設定温度が変更されたか否かを判断する(他方側空調操作判定手段:ステップS6)。
【0029】
このステップS6の判断結果がNOの場合には、第1温度設定部54で設定された目標設定温度に応じてリヤ空調ユニット4を制御しているか否かを判断する(ステップS7)。このステップS7の判断結果がYESの場合には、第1温度設定部54で設定された目標設定温度を読み込み、さらに後席内気温センサ43、後席日射センサ45および外気温センサ46等のセンサ信号を読み込み、周知の方法で目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOに基づいてリヤ空調ユニット4の各空調機器を制御する(空調ユニット制御手段:ステップS8)。次に、ステップS1の判断に移行する。
【0030】
また、ステップS7の判断結果がNOの場合には、第2温度設定部64で前回設定された目標設定温度を読み込み、さらに後席内気温センサ43、後席日射センサ45および外気温センサ46等のセンサ信号を読み込み、周知の方法で目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOに基づいてリヤ空調ユニット4の各空調機器を制御する(空調ユニット制御手段:ステップS9)。次に、ステップS1の判断に移行する。
【0031】
また、ステップS6の判断結果がYESの場合には、リヤエアコンチャイルドロックスイッチ55がオンされているか否かを判断する。すなわち、リヤ操作パネル9の第2温度設定部64を操作することによる後席側の目標設定温度の変更を無効にするか否かを判断する(有効無効判定手段:ステップS10)。このステップS10の判断結果がYESの場合には、ステップS7の判断に移行する。
【0032】
また、ステップS10の判断結果がNOの場合には、第2温度設定部64で今回設定された目標設定温度を読み込み、さらに後席内気温センサ43、後席日射センサ45および外気温センサ46等のセンサ信号を読み込み、周知の方法で目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOに基づいてリヤ空調ユニット4の各空調機器を制御する(空調ユニット制御手段:ステップS11)。次に、ステップS1の判断に移行する。
【0033】
ここで、図4のフローチャートでは、第1、第2温度設定部54、64を操作することによる目標設定温度の変更について説明したが、第1、第2風量設定部51、61を操作することによる第1〜第3送風機14、27、32の風量の変更、吸込口モード切替部52を操作することによる吸込口モードの変更、あるいは第1、第2吹出口モード切替部53、63を操作することによる吸込口モードの変更についても同様に制御が行われる。
【0034】
〔実施形態の作用〕
次に、本実施形態の車両用空気調和装置1の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
【0035】
リヤエアコンチャイルドロックスイッチ55がオフされている場合には、リヤ操作パネル9の第2温度設定部64を操作することにより後席空間R内の目標設定温度に変更があると、その目標設定温度に後席空間R内の空調状態が近づくようにリヤ空調ユニット4が制御される。すなわち、後席空間R内の乗員の好みに合わせて後席空間R内の空調状態を設定できるので、空調フィーリングに優れる。
【0036】
一方、後席空間R内に子供や老人等の操作に不慣れな者、あるいはペット等の動物を乗せた場合には、前席空間F内の操作に慣れた乗員(一般的には運転者)がリヤエアコンチャイルドロックスイッチ55がオンする。リヤエアコンチャイルドロックスイッチ55がオンされると、リヤ操作パネル9の第2温度設定部64を触ることにより後席空間R内の目標設定温度に変更があっても、マイクロコンピュータ7はその変更指令をキャンセルするよう働くので、操作に慣れた乗員の操作に応じてリヤ空調ユニット4が制御されることになる。これにより、後席空間R内の温度が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりする不具合を回避できる。
【0037】
〔実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の車両用空気調和装置1は、フロント操作パネル8の第1温度設定部54の近傍に、リヤ操作パネル9の操作をキャンセルするよう指令を出すリヤエアコンチャイルドロックスイッチ55を設けることによって、操作に不慣れな者等がリヤ操作パネル9を誤操作することによる後席空間R内の温度環境の悪化を防止できる。また、リヤ操作パネル9を操作することによる目標設定温度の変更をキャンセルしている時でも、フロント操作パネル8を操作することによりフロント空調ユニット3およびリヤ空調ユニット4を共に制御できるので、後席空間R内の温度環境だけでなく、前席空間F内の温度環境も前席側の乗員の空調フィーリングに合わすことができる。
【0038】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、一方側空調ユニットとして車両2の前席空間Fを空調するフロント空調ユニット3を設けたが、一方側空調ユニットとして車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの前進方向に対して運転席(右)側の空調空間を空調する運転席側空調ユニットを設けても良い。
本実施形態では、他方側空調ユニットとして車両2の後席空間Rを空調するリヤ空調ユニット4を設けたが、他方側空調ユニットとして車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの前進方向に対して助手席側の空調空間を空調する助手席側空調ユニットを設けても良い。
【0039】
本実施形態では、有効無効選択手段としてのリヤエアコンチャイルドロックスイッチ55をフロント操作パネル8に設置したが、リヤエアコンチャイルドロックスイッチ55をフロント操作パネル8を除く車両2の側壁等に設置しても良い。また、車両の後席用ドアに設置されているチャイルドロックレバー(他方側ドア制限手段)により、後席用ドアの開閉を制限するだけでなく、チャイルドロックすることによりリヤ操作パネル9の操作を無効にしても良い。
【0040】
本実施形態では、リヤ操作パネル9の操作を無効にしている時に、フロント操作パネル8の操作によりフロント空調ユニット3とリヤ空調ユニット4とを共に制御できるようにしたが、リヤ操作パネル9の操作を無効にしている時に、フロント操作パネル8の操作によりフロント空調ユニット3のみを制御できるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はフロント操作パネルを示した正面図で、(b)はリヤ操作パネルを示した正面図である(実施形態)。
【図2】ワンボックスカー等の車両を示した透視図である(実施形態)。
【図3】車両用空気調和装置の全体構成を示した構成図である(実施形態)。
【図4】マイクロコンピュータの作動の一例を示したフローチャートである(実施形態)。
【符号の説明】
F 前席空間(一方側の空調空間、前進方向前方側の空調空間)
R 後席空間(他方側の空調空間、前進方向後方側の空調空間)
1 車両用空気調和装置
2 ワンボックスカー等の車両
3 フロント空調ユニット(一方側空調ユニット、前方側空調ユニット)
4 リヤ空調ユニット(他方側空調ユニット、後方側空調ユニット)
7 マイクロコンピュータ(空調ユニット制御手段)
8 フロント操作パネル(一方側空調操作手段)
9 リヤ操作パネル(他方側空調操作手段)
54 第1温度設定部(一方側温度設定手段)
55 リヤエアコンチャイルドロックスイッチ(有効無効選択手段)
64 第2温度設定部(他方側温度設定手段)
Claims (6)
- (a)車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの一方側の空調空間を空調する一方側空調ユニットと、
(b)前記車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの他方側の空調空間を空調する他方側空調ユニットと、
(c)操作することによって前記一方側の空調空間内の空調状態を所望の空調状態に設定する第1温度設定部を有する一方側空調操作手段と、
(d)操作することによって前記他方側の空調空間内の空調状態を所望の空調状態に設定する第2温度設定部を有する他方側空調操作手段と、
(e)この他方側空調操作手段の操作による前記他方側の空調空間内の空調状態の設定を有効にするか無効にするかを選択する有効無効選択手段と、
(f)前記一方側空調操作手段の操作により設定された空調状態となるように前記一方側空調ユニットを制御すると共に、前記他方側空調操作手段の操作により設定された空調状態となるように前記他方側空調ユニットを制御する空調ユニット制御手段と
を備えた車両用空気調和装置であって、
前記空調ユニット制御手段は、前記有効無効選択手段で前記他方側空調操作手段の操作による設定を無効にすることを選択した場合に、
前記一方側空調操作手段の操作により設定された空調状態となるように前記一方側空調ユニットを制御すると共に、前記第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて前記他方側空調ユニットを制御しているか否かを判断し、
制御している場合には、前記第1温度設定部で設定された目標設定温度を読み込んで前記他方側空調ユニットを制御し、
制御していない場合には、前記第2温度設定部で前回設定された目標設定温度を読み込んで前記他方側空調ユニットを制御することを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
前記一方側空調ユニットは、車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの前進方向前方側の空調空間を空調する前方側空調ユニットであって、
前記他方側空調ユニットは、車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの前進方向後方側の空調空間を空調する後方側空調ユニットであることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
前記一方側空調ユニットは、車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの前進方向に対して運転席側の空調空間を空調する運転席側空調ユニットであって、
前記他方側空調ユニットは、車両の車室内を2つの空調空間に分割したうちの前進方向に対して助手席側の空調空間を空調する助手席側空調ユニットであることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
前記一方側空調操作手段は、前記第1温度設定部を操作することにより少なくとも前記一方側の空調空間内の目標設定温度を設定する一方側温度設定手段を含み、
前記他方側空調操作手段は、前記第2温度設定部を操作することにより少なくとも前記他方側の空調空間内の目標設定温度を設定する他方側温度設定手段を含むことを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空気調和装置において、
前記有効無効選択手段は、前記他方側空調操作手段の操作による設定を無効にするチャイルドロックスイッチであることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空気調和装置において、
前記車両は、前記他方側の空調空間内への乗員の乗り降りのために開閉する他方側ドアを備え、
前記有効無効選択手段は、前記他方側ドアの開閉を制限するだけでなく、前記他方側空調操作手段の操作による設定を無効にする他方側ドア制限手段であって、
前記空調ユニット制御手段は、前記他方側ドア制限手段で前記他方側ドアの開閉を制限している場合に、
前記一方側空調操作手段の操作により設定された空調状態となるように前記一方側空調ユニットを制御すると共に、前記第1温度設定部で設定された目標設定温度に応じて前記他方側空調ユニットを制御しているか否かを判断し、
制御している場合には、前記第1温度設定部で設定された目標設定温度を読み込んで前記他方側空調ユニットを制御し、
制御していない場合には、前記第2温度設定部で前回設定された目標設定温度を読み込んで前記他方側空調ユニットを制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
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