JPH0558148A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

Info

Publication number
JPH0558148A
JPH0558148A JP21956791A JP21956791A JPH0558148A JP H0558148 A JPH0558148 A JP H0558148A JP 21956791 A JP21956791 A JP 21956791A JP 21956791 A JP21956791 A JP 21956791A JP H0558148 A JPH0558148 A JP H0558148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
mode
outlet
state
blowing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21956791A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuaki Hagino
光明 萩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP21956791A priority Critical patent/JPH0558148A/ja
Publication of JPH0558148A publication Critical patent/JPH0558148A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吹き出し口の組み合わせ状態を乗員が手動選
択した場合に、この吹き出し口の吹き出し状態を、上記
手動選択に同期して自動的に変えることにより、快適性
を向上する。 【構成】 制御装置31の働きで空調装置本体1が検出
室温,設定室温,外気温,日射量などの熱環境情報によ
り空調駆動している状態において、複数の吹き出し口の
組み合わせ状態が、乗員による手動選択でベントモード
やバイレベルモードに変更された場合に、この手動選択
と同期して、制御装置31が風向設定器40を駆動し
て、ベンチレータ吹き出し口14の吹き出し状態を、空
調風が対象乗員に集中して吹き出される集中吹き出し状
態および車室内の対象乗員を含む広い領域に吹き出させ
る拡散吹き出し状態となるように、自動的に変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調風が吹き出される
吹き出し口を乗員が手動選択した場合に、この選択され
た吹き出し口の空調風の吹き出し状態を、上記吹き出し
口の手動選択に同期して自動的に変えることにより、快
適性を向上するようにした自動車用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用空調装置においては、図
6に示すように、ベンチレータ吹き出し口やデフロスタ
吹き出し口またはフット吹き出し口などの複数の吹き出
し口の中から、検出室温TICと設定室温TSETと外気温
Aと日射量QSUNなどの熱環境情報により、空調風を吹
き出させる特定の吹き出し口を自動的に選択するための
制御が知られている。この制御は、検出室温TICと設定
室温TSETと外気温TAと日射量QSUNなどの熱環境情報
を読み込み(ステップ203)、検出室温TICと設定室
温TSETとの温度差ΔT=TIC−TSETによりブロアファ
ンモータ印加電圧VFANを設定し(ステップ203)、
ステップ202で予め設定されている定数A〜Hと上記
ステップ203で読み込まれた熱環境情報とにより目標
吹き出し風温TOFを演算し(ステップ204)、この演
算された目標吹き出し風温TOFによりエアミックスドア
開度Xや吹き出し口の組み合わせ状態を表す吹き出し口
モードを決定する(ステップ206,207)。このス
テップ207での吹き出し口モードの決定にあっては、
目標吹き出し風温TOFの高い方から順に、フット吹き出
し口からのみ空調風を吹き出すフットモード、フット吹
き出し口とベンチレータ吹き出し口との両方から空調風
を吹き出すバイレベルモード、ベンチレータ吹き出し口
からのみ空調風を吹き出すベントモードを自動的に決定
している。
【0003】また、自動車用空調装置においては、例え
ば、特開昭57−107912号公報に示されているよ
うに、吹き出し口の空調風の吹き出し状態を検出室温T
ICと設定室温TSETなどの熱環境情報により自動的に選
択することも知られている。これは、検出室温TICと設
定室温TSETとの温度差ΔTのような熱負荷により、ベ
ンチレータ吹き出し口内に設置されたルーバの向きを自
動的に変える。これによれば、上記温度差ΔTが大きい
ことから、熱負荷が高い場合には、ベンチレータ吹き出
し口から空調風を対象乗員に集中させて吹き出させる。
これとは逆に、温度差ΔTが小さいことから、熱負荷が
低い場合には、ベンチレータ吹き出し口から空調風を車
室内の対象乗員を含む広い領域に拡散させて吹き出させ
る。つまり、熱負荷によりルーバを動かして、ベンチレ
ータ吹き出し口の空調風の吹き出し状態としての吹き出
しモードが最適な吹き出しモードとなるように、吹き出
しモードを選択している。
【0004】したがって、前記吹き出し口モードの自動
選択と、前記吹き出しモードの自動選択とを組み合わせ
ることにより、冷房時において、目標吹き出し風温TOF
が低いクールダウンのように、熱負荷が高い場合には、
ベンチレータ吹き出し口から空調風を対象乗員に集中さ
せて吹き出させる一方、目標吹き出し風温TOFが高い安
定時のように、熱負荷が低い場合には、ベンチレータ吹
き出し口から空調風を車室内の対象乗員を含む広い領域
に拡散させて吹き出させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した吹き
出し口モードの自動選択と、吹き出しモードの自動選択
とを組み合わせた場合にあっても、車室内の温度分布や
乗員の空調条件の好みなどにより、自動選択された吹き
出し口モードを乗員が手動操作により変更することがあ
り、この乗員による手動操作でベンチレータ吹き出し口
が選択された場合に、対象乗員が十分な快適性を体感で
きないことがある。例えば、暖房時において、吹き出し
口モードの自動選択でフットモードが選択されていて、
フット吹き出し口から空調風が吹き出させているとき
に、車室内の対象乗員の頭部付近に暖気が停滞し、対象
乗員が「もやもや感」を体感したため、対象乗員が、手
動操作により吹き出し口モードをフットモードからベン
トモードに変更した状況を考える。このような状況で
は、対象乗員は、空調風を頭部付近に集中的に吹き出さ
せて、もやもや感を可及的速やかに取り除くことを期待
しているのが普通である。ところが、前述の吹き出しモ
ードの自動選択によれば、安定時には、空調風を車室内
の対象乗員を含む広い範囲に拡散させて吹き出す、拡散
吹き出しモードになることから、対象乗員は、自分の期
待していた変更後の快適性を即座に体感できないという
問題がある。
【0006】そこで、本発明は、乗員の手動選択によっ
て複数の吹き出し口の組み合わせ状態が変更された場合
に、この選択された特定の吹き出し口の空調風の吹き出
し状態を、上記乗員の手動選択の操作に同期して自動的
に変化させることにより、手動選択による複数の吹き出
し口の組み合わせ状態の変更感を乗員に与えて、快適性
を向上することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱環境情報に
より、温度調節された空調風を、複数の吹き出し口から
車室内に吹き出して、車室内を空調するようにした自動
車用空調装置において、乗員による手動選択または前記
熱環境情報による自動選択により、前記複数の吹き出し
口の中から空調風を吹き出させる吹き出し口の組み合わ
せ状態を選択する吹き出し口選択手段と、吹き出し口か
ら空調風を対象乗員に集中して吹き出させる集中吹き出
し状態および車室内の対象乗員を含む広い領域に吹き出
させる拡散吹き出し状態に変更可能な風向設定手段と、
前記吹き出し口の組み合わせ状態の自動選択から手動選
択への変化に同期して、前記空調風の吹き出しモード変
化信号を前記風向設定手段に出力する吹き出し状態変更
手段と、を備えている。
【0008】
【作用】吹き出し口選択手段の働きにより、複数の吹き
出し口の組み合わせ状態が熱環境情報による自動選択か
ら乗員による手動選択で変更された場合に、吹き出し状
態変更手段が、この手動選択と同期して、吹き出しモー
ド変更信号を風向設定手段に出力することにより、吹き
出し口からの空調風の吹き出し状態も、空調風を対象乗
員に集中して吹き出させる集中吹き出し状態および車室
内の対象乗員を含む広い領域に吹き出させる拡散吹き出
し状態となるように、自動的に変更する。
【0009】
【実施例】図1は、一実施例の自動車用空調装置の全体
を示している。この自動車用空調装置の空調装置本体1
には、車室内の空気を導入する内気導入口2と、走行風
圧を受けて外気を導入する外気導入口3とが設けられて
いる。この内気導入口2と外気導入口3との分岐部分に
は、インテークドア4が設けられている。このインテー
クドア4は、制御装置31で駆動されるインテークドア
アクチュエータ5により、内気導入口2と外気導入口3
とを選択的に開閉する。内気導入口2と外気導入口3と
の下流側には、ブロアファン6が設けられている。この
ブロアファン6は、制御装置31で駆動されるアクチュ
エータとしてのブロアファンモータ7により回転駆動す
る。ブロアファン6の下流側には、図外のコンプレッサ
とコンデンサと膨張弁などで構成された冷凍サイクルか
ら供給される冷媒で通過する空気を冷却するエバポレー
タ8が設けられている。エバポレータ8の下流側には、
図外のエンジンと温水コックなどで構成された加熱サイ
クルから供給される温水で通過する空気を暖めるヒータ
コア9が設けられている。ヒータコア9の上流側には、
エアミックスドア11が設けられている。このエアミッ
クスドア11は、制御装置31で駆動されるエアミック
スドアアクチュエータ12により、エバポレータ8を通
過して冷えている空気がヒータコア9を迂回して冷えた
ままの冷気と、エバポレータ8を通過して冷えている空
気がヒータコア9を通過して暖められた暖気と、の割合
を調整するように開閉する。ヒータコア9の下流側に
は、上記冷気と暖気との混合を良くすることにより、温
度調節された空調風を作る部屋としてのエアミックスチ
ャンバ13が設けられている。このエアミックスチャン
バ13には、図外の対象乗員の上半身に向けて空調風を
吹き出すベンチレータ吹き出し口14と、図外のフロン
トウインドガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ
吹き出し口15と、対象乗員の足元に空調風を吹き出す
フット吹き出し口16とが連設されている。エアミック
スチャンバ13内には、ベンチレータドア17とデフロ
スタドア19とフットドア21とが設けられている。ベ
ンチレータドア17は、制御装置31で駆動されるベン
チレータドアアクチュエータ18により、ベンチレータ
吹き出し口14を開閉する。デフロスタドア19は、制
御装置31で駆動されるデフロスタドアアクチュエータ
20により、デフロスタ吹き出し口15を開閉する。フ
ットドア21は、制御装置31で駆動されるフットドア
アクチュエータ22により、フット吹き出し口16を開
閉する。また、ベンチレータ吹き出し口14は、インス
トルメントパネル23内に車幅方向左右に分離配置され
て複数個設けられている。これらの各ベンチレータ吹き
出し口14には、図2に示す風向設定器40が設けられ
ている。
【0010】また、図1に示した自動車用空調装置のマ
イクロコンピュータに構成された制御装置31は、室温
センサ26と室温設定器27と外気温センサ28と日射
量センサ29と吹き出し風温センサ30とからなる熱環
境情報入力手段25からの熱環境情報により、目標吹き
出し風温TOFやブロアファンモータ印加電圧VFANやエ
アミックスドア開度Xなどの目標空調条件を演算し、車
室内の空調条件が上記演算された目標空調条件を維持す
るように、空調装置本体1を駆動する。この駆動によ
り、空調装置本体1が温度調節された空調風を作る。
【0011】これと並行して、制御装置31に組み込ま
れた吹き出し口選択手段32が、乗員の図示を省略した
吹き出し口選択スイッチの手動操作による手動選択と、
上記目標吹き出し風温TOFによる自動選択とのいずれか
一方により、複数の吹き出し口としてのベンチレータ吹
き出し口14とデフロスタ吹き出し口15とフット吹き
出し口16などの中から、空調風を吹き出させる吹き出
し口の組み合わせ状態を選択する。この空調風を吹き出
させる吹き出し口の組み合わせ状態、つまり吹き出し口
モードは、この実施例では、下記に示すベントモードと
バイレベルモードとフットモードなどになっている。
【0012】ベントモードは、ベンチレータドア17が
ベンチレータ吹き出し口14を開き、デフロスタドア1
9がデフロスタ吹き出し口15を閉じ、フットドア21
がフット吹き出し口16を閉じる。これにより、空調風
がベンチレータ吹き出し口14からのみ吹き出される。
【0013】バイレベルモードは、ベンチレータドア1
7がベンチレータ吹き出し口14を開き、デフロスタド
ア19がデフロスタ吹き出し口15を閉じ、フットドア
21がフット吹き出し口16を開く。これにより、空調
風がベンチレータ吹き出し口14とフット吹き出し口1
6から吹き出される。
【0014】フットモードは、ベンチレータドア17が
ベンチレータ吹き出し口14を閉じ、デフロスタドア1
9がデフロスタ吹き出し口15を開き、フットドア21
がフット吹き出し口16を開く。これにより、空調風が
デフロスタ吹き出し口15とフット吹き出し口16から
吹き出される。
【0015】そして、この吹き出し口選択手段32がベ
ントモードやバイレバルモードまたはフットモードなど
の吹き出し口モードを選択することにより、特定された
吹き出し口から上記空調風を吹き出して、車室内を空調
する。
【0016】また、上記吹き出し口選択手段32の働き
により、ベントモードまたはバイレバルモードが選択さ
れた場合には、制御装置31に組み込まれた吹き出し状
態設定手段33が、上記目標吹き出し風温TOFにより、
ベンチレータ吹き出し口14の空調風の吹き出し状態と
しての集中吹き出しモードまたは拡散吹き出しモードな
どの吹き出しモードを選択することにより、ベンチレー
タ吹き出し口14内に組み込まれた風向設定器40を駆
動する。これにより、ベンチレータ吹き出し口14から
吹き出される空調風が、図外の対象乗員に集中して吹き
出される状態(集中吹き出しモード)か、または、車室
内の対象乗員を含む広い領域に拡散して吹き出される状
態(拡散吹き出しモード)となる。
【0017】さらに、上記吹き出し口モードの選択が自
動選択から手動選択に変更された場合には、制御装置3
1に組み込まれた吹き出し状態変更手段34が、上記目
標吹き出し風温TOFにより、クールダウン時やウォーム
アップ時や安定時などの車室内の空調条件を判断し、こ
の車室内の空調条件に応じて、上記自動選択から手動選
択への変化に同期して、空調風の吹き出しモード変更信
号を吹き出し状態設定手段33を通して風向設定器40
に出力し、ベンチレータ吹き出し口14における空調風
の吹き出しモードを、集中吹き出しモードまたは拡散吹
き出しモードに、自動的に変更する。
【0018】図2は、前記ベンチレータ吹き出し口14
に設けられた風向設定器40を示している。この風向設
定器40は、ベンチレータ吹き出し口14内に車幅方向
左右へ離間配置されて左右の水平方向に回転自在に組み
付けられた複数のルーバ41を持っている。ルーバ41
は、上リンクプレート42と下リンクプレート43とに
より、相互に連結されている。下リンクプレート43に
は、ベンチレータ吹き出し口14を形成しているダクト
底壁を貫通するガイドピン44が設けられている。この
ガイドピン44の端部は、ローラ45の周面に刻まれた
屈曲溝状のガイドレール46に摺接係合している。ロー
ラ45は、ローラ45の両端面より軸方向に突設された
支軸47により、ベンチレータ吹き出し口14を形成し
ているダクト底壁外側に設けられたブラケット48に回
転自在に取り付けられている。ローラ45の一方の支軸
47に固定されたギヤ49には、制御装置31で駆動さ
れる風向モータ50の出力軸に固定されたギヤ51を噛
合させてある。この風向モータ50は、ベンチレータ吹
き出し口14を形成しているダクト底壁外側に設けられ
たブラケット52に取り付けられている。したがって、
風向設定器40は、風向モータ50が回転駆動すること
により、ローラ45が回転駆動し、ガイドピン44がロ
ーラ45のガイドレール46により左右方向へ移動し、
もってルーバ41がベンチレータ吹き出し口14内で、
図2に矢印で示す左右方向に回転する。これにより、ベ
ンチレータ吹き出し口14から吹き出される空調風は、
対象乗員に集中して吹き出される集中吹き出しモード、
または、車室内の対象乗員を含む広い領域に吹き出され
る拡散吹き出しモードになって、車室内に吹き出され
る。
【0019】つまり、前記インストルメントパネル23
に設けられた複数個のベンチレータ吹き出し口14が、
前席24に着座した図外の対象乗員一人に対して左右2
個になっていることから、前記集中吹き出しモードで
は、風向モータ50の回転量制御により、一人の対象乗
員に対する左右2個のベンチレータ吹き出し口14個々
での複数のルーバ41が、ほぼ平行となって内側に向く
ことにより、空調風が、複数のルーバ41で誘導されつ
つ、ベンチレータ吹き出し口14から対象乗員に集中し
つつ車室内に吹き出される。また、拡散吹き出しモード
では、風向モータ50の回転量制御により、一人の対象
乗員に対する左右2個のベンチレータ吹き出し口14個
々での複数のルーバ41が、ほぼ平行となって車体前後
方向に向くことにより、空調風が、複数のルーバ41で
誘導されつつ、ベンチレータ吹き出し口14から上記対
象乗員を含む車室内の広い領域に吹き出される。
【0020】次に、一実施例の作用を、図3〜図5に示
したフローチャートを参照しながら説明する。
【0021】乗員が図外の空調スイッチをオン動作する
と、制御装置31が起動して図外の冷凍サイクルから冷
媒をエバポレータ8に供給するとともに、図外の加熱サ
イクルから温水をヒータコア9に供給する(ステップ1
01)。これと並行して、制御装置31が、定数A〜H
を格納メモリから読み出して演算メモリに設定するとと
もに、熱環境情報入力手段25としての室温センサ26
と室温設定器27と外気温センサ28と日射量センサ2
9と吹き出し風温センサ30とからの出力信号たる検出
室温TICと設定室温TSETと外気温TAと日射量QSUN
検出吹き出し風温TDなどの熱環境情報を読み込む(ス
テップ102,103)。引き続き、検出室温TICと設
定室温TSETとの温度差ΔTを演算し、この温度差ΔT
に対応するブロアファンモータ印加電圧VFANを決定す
る(ステップ104)。そして、ステップ102で設定
された定数A〜Eおよびステップ103で読み込まれた
外気温TAと検出室温TICと設定室温TSETと日射量Q
SUNとを、目標吹き出し風温式;TOF=A・TA+B・T
IC+C・TSET+D・QSUN+E、に代入して目標吹き出
し風温TOFを演算し(ステップ105)、さらに、この
目標吹き出し風温TOFとステップ102で設定された定
数F〜Hとを、エアミックスドア開度式;X=F・TOF
2+G・TOF+H、に代入して、エアミックスドア開度
Xを演算する(ステップ106)。この後、制御装置3
1が、上記ブロアファンモータ印加電圧VFANに相当す
る制御信号をブロアファンモータ7に出力し(ステップ
114)、上記エアミックスドア開度Xに相当する制御
信号をエアミックスドアアクチュエータ12に出力し
(ステップ114)、ブロアファン6の回転とエアミッ
クスドア11の開度とエバポレータ8の冷却とヒータコ
ア9の加熱とエアミックスチャンバ13での混合などの
空調装置本体1の働きで、温度調節された空調風がベン
チレータ吹き出し口14やデフロスタ吹き出し口15や
フット吹き出し口16などから車室内に吹き出されて車
室内を空調する。
【0022】ここで、吹き出し口モードが自動選択され
た場合と、手動選択された場合とに分けて説明する。
【0023】(1)吹き出し口モードが自動選択された
場合について、つまり、図外の吹き出し口選択スイッチ
がオフ動作になっていて、吹き出し口モードが自動選択
になっている場合(ステップ107がNO)は、吹き出
し口選択手段32が前記演算された目標吹き出し風温T
OFを、制御装置31に予め設定された目標吹き出し風温
と吹き出し口モードとの関係を規定する知識に照合し、
この知識のベントモードとバイレベルモードとフットモ
ードの中から、演算された目標吹き出し風温TOFに対応
する1つの吹き出し口モードを決定する(ステップ10
8)。
【0024】(イ)そして、目標吹き出し風温TOFより
フットモードが決定された場合(ステップ109がYE
S)は、フット吹き出し口16に風向設定器40が設け
られていないことから、吹き出し口16から吹き出され
る空調風の吹き出し状態を変更する必要がないので、決
定されたフットモードなる吹き出し口モードを、吹き出
し状態変更手段34のメモリに、変更前の吹き出し口モ
ードとして更新し(ステップ113)、制御装置31
が、フットモードなる制御信号をベンチレータドアアク
チュエータ18とデフロスタドアアクチュエータ20と
フットドアアクチュエータ22とに出力する(ステップ
114)。これにより、ベンチレータドア17がベンチ
レータ吹き出し口14を閉じ、デフロスタドア19がデ
フロスタ吹き出し口15を開き、フットドア21がフッ
ト吹き出し口16を開く。したがって、前記エアミック
スチャンバ13で作られた空調風が、デフロスタ吹き出
し口15とフット吹き出し口16とから対象乗員の足元
に吹き出される。
【0025】(ロ)前記目標吹き出し風温TOFよりバイ
レベルモードまたはベントモードが決定された場合(ス
テップ109がNO)は、決定されたバイレベルモード
またはベントモードなる吹き出し口モードを、吹き出し
状態変更手段34のメモリに、変更前の吹き出し口モー
ドとして更新し(ステップ113)、バイレベルモード
またはベントモードなる制御信号をベンチレータドアア
クチュエータ18とデフロスタドアアクチュエータ20
とフットドアアクチュエータ22とに出力する(ステッ
プ114)。具体的には、バイレベルモードの場合に
は、ベンチレータドア17がベンチレータ吹き出し口1
4を開き、デフロスタドア19がデフロスタ吹き出し口
15を閉じ、フットドア21がフット吹き出し口16を
開く。また、ベントモードの場合には、ベンチレータド
ア17がベンチレータ吹き出し口14を開き、デフロス
タドア19がデフロスタ吹き出し口15を閉じ、フット
ドア21がフット吹き出し口16を閉じる。このバイレ
ベルモードまたはベントモードの場合には、吹き出し状
態設定手段33が熱環境情報により、ベンチレータ吹き
出し口14から吹き出される空調風の吹き出し状態を設
定するようになっていることから、前記吹き出し口モー
ドの決定と並行して、吹き出し口状態設定手段33が、
前記演算された検出室温TICと設定室温TSETとの温度
差ΔT=TIC−TSETの絶対値を求める。そして、求め
た温度差ΔTの絶対値が、吹き出し口モード自動選択時
における集中吹き出しモードと拡散吹き出しモードとの
判定基準値たる集中拡散判定基準温度TC=4℃未満で
ある場合(ステップ110がYES)には、現在の検出
室温TICと設定室温TSETとの温度差ΔTが小さく、車
室内の熱負荷が低いことを意味するので、拡散吹き出し
モードを決定する(ステップ111)。これとは逆に、
上記温度差ΔTの絶対値が、集中拡散判定基準温度TC
=4℃以上である場合(ステップ110がNO)には、
現在の検出室温TICと設定室温TSETとの温度差ΔTが
大きく、車室内の熱負荷が高いことを意味するので、集
中吹き出しモードを決定する(ステップ112)。
【0026】つまり、バイレベルモードまたはフットモ
ードの場合において、温度差ΔTの絶対値が集中拡散判
定基準値Tc未満のときは、制御装置31が拡散吹き出
しモードなる制御信号を風向設定器40の風向モータ5
0に出力する(ステップ114)。これにより、一人の
対象乗員に対する左右2個のベンチレータ吹き出し口1
4内に組み込まれた風向設定器40の複数のルーバ41
が、ほぼ平行となって車体前後方向に向けられ、ベンチ
レータ吹き出し口14から吹き出される空調風が、車室
内の対象乗員を含む広い領域に、やわらかな風として吹
き出される。
【0027】また、バイレベルモードまたはベントモー
ドの場合において、温度差ΔTの絶対値が集中拡散判定
基準値Tc以上のときは、制御装置31が集中吹き出し
モードなる制御信号を風向設定器40の風向モータ50
に出力する(ステップ114)。これにより、一人の対
象乗員に対する左右2個のベンチレータ吹き出し口14
内に組み込まれた風向設定器40の複数のルーバ41
が、ほぼ平行となって内側に向けられ、ベンチレータ吹
き出し口14から吹き出される空調風が、対象乗員に集
中して吹き出される。
【0028】(2)吹き出し口モードが手動選択された
場合について、つまり、図外の吹き出し口選択スイッチ
がオン動作になっていて、吹き出し口モードが手動選択
になっている場合(ステップ107がYES)は、吹き
出し状態変更手段34が、吹き出し口モードの変更を判
断する。
【0029】(イ)そして、吹き出し口モードが変更さ
れなかった場合(ステップ115がNO)は、吹き出し
口から吹き出される空調風の吹き出し状態を変えて手動
選択による吹き出し口モードの変更感を乗員に与える必
要がないので、前述のステップ109〜114の処理に
より、空調風が手動選択された吹き出し口モードに応じ
た吹き出し口から車室内に吹き出される。
【0030】(ロ)これとは逆に、吹き出し口モードが
変更された場合(ステップ115がYES)は、吹き出
し口モード変更経過時間tcの計時を開始し(ステップ
116)、変更前の吹き出し口モードを吹き出し状態変
更手段のメモリから読み出す(ステップ117)。引き
続き、上記計時された吹き出し口モード変更経過時間t
cが、制御装置31に予め設定された風向固定時間t
0(吹き出し口の組み合わせ状態が変更されてから、こ
の風向固定時間t0を以て、空調風の吹き出し状態を変
更することにより、対象乗員が変更感を十分に感じるこ
とができるとして設定された時間)=60秒以上である
かを判断する(ステップ118)。
【0031】そして、計時された吹き出し口モード変更
経過時間tcが風向固定時間t0=60秒以上経過した場
合(ステップ118がYES)は、吹き出し口の組み合
わせ状態の変更感を感じさせるよりも、温度差ΔTによ
り空調風の吹き出し状態を制御して乗員の快適性を維持
する必要から、前述のステップ109〜114の処理に
より、空調風が手動選択された吹き出し口モードに応じ
た吹き出し口から車室内に吹き出される。
【0032】これとは逆に、計時された吹き出し口モー
ド変更経過時間tcが風向固定時間t0=60秒未満の場
合は(ステップ118)、吹き出し口の組み合わせ状態
の変更感を対象乗員に感じさせるために、手動選択によ
る変更後の吹き出し口モードがフットモードか判断する
(ステップ119)。
【0033】そして、手動選択による変更後の吹き出し
口モードがフットモードの場合(ステップ119がYE
S)は、吹き出し状態変更手段34が変更後の吹き出し
口モードを変更前の吹き出し口モードとして吹き出し状
態変更手段34のメモリに更新し(ステップ113)、
制御装置31が、フットモードなる制御信号をベンチレ
ータドアアクチュエータ18とデフロスタドアアクチュ
エータ20とフットドアアクチュエータ22とに出力す
る(ステップ114)。これにより、ベンチレータドア
17がベンチレータ吹き出し口14を閉じ、デフロスタ
ドア19がデフロスタ吹き出し口15を開き、フットド
ア21がフット吹き出し口16を開く。したがって、前
記エアミックスチャンバ13で作られた空調風が、デフ
ロスタ吹き出し口15とフット吹き出し口16とから対
象乗員の足元に吹き出される。
【0034】これとは逆に、手動選択による変更後の吹
き出し口モードがバイレベルモードかまたはベントモー
ドの場合(ステップ119がNO)であって、前記演算
された目標吹き出し風温TOFが暖房か冷房かの判定基準
値として予め設定された暖冷判定基準温度T0=25°
未満で冷房の場合(ステップ120がYES)は、吹き
出し口モードがベントモードからバイレベルに変更され
たかを判断する(ステップ121)。
【0035】そして、吹き出し口モードがベントモード
からバイレベルモードに変更された場合(ステップ12
1がYES)は、冷房時において、対象乗員が上半身の
冷え過ぎのため、手動選択により吹き出し口モードをベ
ントモードからバイレベルモードに変更したことを意味
するので、吹き出し状態変更手段34が拡散吹き出しモ
ードを決定するとともに(ステップ121)、手動選択
されたバイレベルモードなる吹き出し口モードを、吹き
出し状態変更手段34のメモリに、変更前の吹き出し口
モードとして更新し(ステップ113)、制御装置31
が吹き出し口モード変更経過時間tcが、予め設定され
た風向固定時間t0=60秒間は拡散吹き出しモードな
る制御信号を風向設定器40の風向モータ50に出力す
る(ステップ118がNO)とともに、制御装置31が
バイレベルモードなる制御信号をベンチレータドアアク
チュエータ18とデフロスタドアアクチュエータ20と
フットドアアクチュエータ22とに出力する(ステップ
114)。これにより、吹き出し口がベントモードから
バイレベルモードに変更されたことによる風量減少に加
えて、ベンチレータ吹き出し口14から吹き出される空
調風なる冷風が、車室内の対象乗員を含む広い領域に、
60秒間やわらかな風として吹き出されので、対象乗員
の上半身に向けて吹き出される空調風の風速感が、通常
のベントモードからバイレベルモードに変更された場合
よりも、一層弱められ、上半身の冷え過ぎを感じた対象
乗員の期待する空調風の吹き出し状態となる。
【0036】これとは逆に、吹き出し口モードがフット
モードからバイレベルモード、または、フットモードか
らベントモード、あるいは、ベントモードからバイレベ
ルモードに変更された場合(ステップ121がNO)
は、冷房時において、対象乗員が何らかの原因のため、
手動選択により吹き出し口モードをフットモードからバ
イレベルモード、または、フットモードからベントモー
ド、あるいは、ベントモードからバイレベルモードに変
更したことを意味するので、吹き出し状態変更手段34
が集中吹き出しモードを決定し(ステップ123)、手
動選択されたベントモードまたはバイレベルモードなる
吹き出し口モードを、吹き出し状態変更手段34のメモ
リに、変更前の吹き出し口モードとして更新し(ステッ
プ113)、制御装置31が、集中吹き出しモードなる
制御信号を風向設定器40の風向モータ50に出力する
とともに、ベントモードまたはバイレベルモードなる制
御信号をベンチレータドアアクチュエータ18とデフロ
スタドアアクチュエータ20とフットドアアクチュエー
タ22とに出力する(ステップ114)。これにより、
ベンチレータ吹き出し口14から吹き出される空調風な
る冷風が、対象乗員の上半身に向けて60秒間集中して
吹き出され、乗員が空調風の風速感がを強く感じ、以
て、乗員が吹き出し口モードを手動選択で変更したこと
感じることになる。
【0037】一方、手動選択による変更後の吹き出し口
モードがバイレベルモードかまたはベントモードの場合
(ステップ119がNO)であって、前記演算された目
標吹き出し風温TOFが暖冷判定基準温度T0=25°以
上で暖房の場合(ステップ120がNO)は、吹き出し
状態変更手段34が検出吹き出し風温TDにより拡散吹
き出しモードか集中吹き出しモードを決定する(ステッ
プ124)。具体的には、ステップ124に示すよう
に、検出吹き出し風温TDが上昇過程で手動選択時にお
ける集中吹き出しモードと拡散吹き出しモードとの判定
基準値たる集中拡散判定基準温度TB+1以上になった
場合は、拡散吹き出しモードを決定し、検出吹き出し風
温TDが下降過程で手動選択時の集中拡散判定基準温度
Bになった場合は、集中吹き出しモードを決定する。
また、吹き出し状態変更手段34が手動選択されたベン
トモードまたはバイレベルモードなる吹き出し口モード
を、吹き出し状態変更手段34のメモリに、変更前の吹
き出し口モードとして更新し(ステップ113)、制御
装置31が、集中吹き出しモードなる制御信号を風向設
定器40の風向モータ50に出力するとともに、ベント
モードまたはバイレベルモードなる制御信号をベンチレ
ータドアアクチュエータ18とデフロスタドアアクチュ
エータ20とフットドアアクチュエータ22とに出力す
る(ステップ114)。
【0038】ここで、上記手動選択時の集中拡散判定基
準温度TBは、手動選択による吹き出し口モードの変更
のされ方としての吹き出し口モードの変更パターンによ
り、例えば、(a)バイレベルモードからベントモード
に変更された場合は、集中拡散判定基準温度TB=40
℃、(b)フットモードからベントモードに変更された
場合は、集中拡散判定基準温度TB=35℃、(c)ベ
ントモードからバイレベルモードに変更された場合は、
集中拡散判定基準温度TB=25℃、(d)フットモー
ドからバイレベルモードに変更された場合は、集中拡散
判定基準温度TB=38℃、というように、異なる値に
予め設定されている。
【0039】この集中拡散判定基準温度TBを吹き出し
口モードの変更パターンにより異なる値に設定したの
は、ベンチレータ吹き出し口14から吹き出される空調
風なる温風を感じ易くして乗員に吹き出し口モードの変
更感を与えるためには、温風を乗員に集中して吹き出さ
せる方が良いけれども、乗員の快適性を考え合わせる
と、吹き出し口モードの変更パターンと、そのときの車
室内の熱環境の状態により、拡散吹き出しモードの方が
良い場合もあると考えられるからである。
【0040】つまり、上記(a)のバイレベルモードか
らベントモードへの変更パターンについて見ると、自動
選択で吹き出し口モードがバイレベルモードに選択され
ているのは暖房安定時か熱負荷のあまり高くない過渡期
であって、検出吹き出し風温TDが23〜27℃と比較
的低く、風量があまり高くない。したがって、この
(a)の変更パターンでは、対象乗員が「もやもや感」
を感じて吹き出し口モードのベントモードを手動選択し
たと考えられるので、暖房時であっても、対象乗員は頭
部付近に温風が来ることを期待している。また、(a)
のバイレベルモードからベントモードへの変更パターン
では、ベンチレータ吹き出し口14からの風速増加感が
(b)のフットモードからベントモードへの変更パター
ンや(d)のフットモードからバイレベルモードへの変
更パターンよりも少なく、すでにベンチレータ吹き出し
口14から吹き出されている空調風をさらに強くする意
味があるので、吹き出しモードは集中吹き出しモードの
方が変更感を強く与えることができる。したがって、こ
の(a)のバイレベルモードからベントモードへの変更
パターンでは、集中拡散判定基準温度TBを40℃に設
定し、集中吹き出しモードの温度範囲を広げてある。
【0041】また、上記(b)のフットモードからベン
トモードへの変更パターンと、(d)のフットモードか
らバイレベルモードへの変更パターンとについて見る
と、ベンチレータ吹き出し口14からの風速増加感が大
きく、集中吹き出しモードにすると、ベンチレータ吹き
出し口14から吹き出される空調風がかなり高温であっ
ても、乗員が空調風の移動感から寒く感じてしまう。特
に、自動選択で吹き出し口モードがフットモードに選択
されているのは、暖房初期のウォームアップでブロアフ
ァンモータ印加電圧VFANが高い場合であって、吹き出
し風速がかなり高いため、乗員が空調風の移動感を感じ
易いものである。また、一般に、人間は、温風などの強
い刺激を嫌うものである。さらに、ウォームアップ時に
は、風量が多いので、拡散吹き出しモードでも、吹き出
し口の変更感を十分に与えることができると考えられ
る。このようなことから、検出吹き出し風温TDが比較
的低いところまでは、拡散吹き出しモードとして気流感
を和らげる方が良い。そこで、ブロアファンモータ印加
電圧VFANが最大値の場合に、乗員が寒いと感じる吹き
出し風温の限界値は、約40℃とされていることを参考
にして、上記(b)のフットモードからベントモードへ
の変更パターンでは、集中拡散判定基準温度TBを35
℃に設定し、拡散吹き出しモードとなる温度範囲を広げ
るようにした。また、上記(d)のフットモードからバ
イレベルモードへの変更パターンでは、ブロアファンモ
ータ印加電圧VFANが同一ならば、バイレベルモードの
方がフットモードよりも集中吹き出しモード時の風速感
が弱いことから、集中拡散判定基準温度TBを38℃に
設定し、集中吹き出しモードとなる温度範囲を(b)の
フットモードからバイレベルモードへの変更パターンよ
りも広げるようにした。したがって、例えば、ウォーム
アップ時に、上半身の暖房感不足のため、乗員がフット
モードからベントモードに吹き出し口モードを変更した
場合、吹き出し口モードが60秒間は拡散吹き出しとな
り、ベンチレータ吹き出し口14から空調風が対象乗員
の上半身にやわらかに供給されることとなり、空調風に
よる移動感の少ないウォームアップが可能となる。ま
た、検出吹き出し風温TDが30℃以上の暖房安定時に
おいて、自動選択で吹き出し口モードがフットモードに
なっているときに、頭部付近に暖気が停滞し、乗員が
「もやもや感」を解消するしようとして、吹き出し口モ
ードをベントモードに変更した場合には、吹き出しモー
ドが60秒間は集中吹き出しモードとなり、ベンチレー
タ吹き出し口14から空調風が、対象乗員の上半身に向
けて集中的に吹き出され、「もやもや感」が一掃でき
る。
【0042】また、(c)のベントモードからバイレベ
ルモードへの変更パターンについて見ると、ベンチレー
タ吹き出し口14からの風速を弱める意味がある。しか
し、暖房時には、ベントモードが自動選択されることは
ほとんど無い。この点が、上記(a)のバイレベルモー
ドからベントモードへの変更パターンと、(b)のフッ
トモードからベントモードへの変更パターンと、(d)
のフットモードからバイレベルモードへの変更パターン
と異なるところであり、何らかの原因で、乗員が吹き出
し口モードをベントモードに手動選択していた状態にお
いて、乗員が吹き出し口モードをベントモードからバイ
レベルモードに手動選択した場合に限られると考えられ
る。したがって、乗員が変更後の風速感を弱まることを
期待していると考えられるので、集中拡散判定基準温度
Bを25℃と低い温度に設定し、ほんどの場合、風速
感が弱まる拡散吹き出しモードとなるようにしてある。
【0043】要するに、この一実施例によれば、乗員の
手動選択によって、複数の吹き出し口の組み合わせ状態
がベンチレータ吹き出し口14を含むモードが選択され
た場合に、車室内の空調条件により、変更から風向固定
時間tcの間は、ベンチレータ吹き出し口14からの空
調風の吹き出し状態を、自動的に集中吹き出しモードか
拡散吹き出しモードに固定することにより、手動選択に
よる吹き出し口の組み合わせ状態の変更感を、乗員に自
動的に与えることができる。
【0044】なお、風向固定時間tcは、60秒に限定
されるものではなく、乗員が吹き出し口の組み合わせ状
態の変更感を十分に感じることができる時間ならば何秒
でも良い。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数の吹
き出し口の組み合わせ状態が熱環境情報による自動選択
から乗員による手動選択で変更された場合に、この手動
選択と同期して吹き出し口からの空調風の吹き出し状態
も、空調風を対象乗員に集中して吹き出させる集中吹き
出し状態および車室内の対象乗員を含む広い領域に吹き
出させる拡散吹き出し状態となるように、自動的に変更
するので、手動選択による複数の吹き出し口の組み合わ
せ状態の変更感を、乗員に有効に付与して、快適性を向
上することができる。しかも、本発明によれば、吹き出
し口の組み合わせ状態を手動選択で変更すると、変更直
後の空調風の吹き出し状態を自動的に変更してくれるの
で、寒すぎや暑すぎなどの温冷感を申告する手段を設け
る必要がないので、構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体を示す構成図。
【図2】一実施例の風向設定器を示す正面図。
【図3】一実施例のフローチャート。
【図4】一実施例のフローチャート。
【図5】一実施例のフローチャート。
【図6】従来例を示すフローチャート。
【符号の説明】 1…空調装置本体 14…ベンチレータ吹き出し口 15…デフロスタ吹き出し口 16…フット吹き出し口 25…熱環境情報入力手段 33…吹き出し状態設定手段(風向設定手段) 34…吹き出し状態変更手段 40…風向設定器(風向設定手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱環境情報により、温度調節された空調
    風を、複数の吹き出し口から車室内に吹き出して、車室
    内を空調するようにした自動車用空調装置において、 乗員による手動選択または前記熱環境情報による自動選
    択により、前記複数の吹き出し口の中から空調風を吹き
    出させる吹き出し口の組み合わせ状態を選択する吹き出
    し口選択手段と、 吹き出し口から空調風を対象乗員に集中して吹き出させ
    る集中吹き出し状態および車室内の対象乗員を含む広い
    領域に吹き出させる拡散吹き出し状態に変更可能な風向
    設定手段と、 前記吹き出し口の組み合わせ状態の自動選択から手動選
    択への変化に同期して、前記空調風の吹き出しモード変
    化信号を前記風向設定手段に出力する吹き出し状態変更
    手段と、 を備えたことを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 冷房時であって、前記吹き出し口の組み
    合わせ状態の自動選択から手動選択への変化により、吹
    き出し口がバイレベルからベントに変化された時には、
    前記吹き出し状態変更手段が拡散吹き出しなるモード変
    化信号を前記風向設定手段に出力するようにしたことを
    特徴とする前記請求項1に記載した自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 暖房時であって、前記吹き出し口選択手
    段の自動選択から手動選択への変化時において、この変
    化時の空調風の吹き出し風温が適温の時には、前記吹き
    出し状態変更手段が拡散吹き出しなる同期変化信号を前
    記風向設定手段に出力し、前記変化時の空調風の吹き出
    し風温が低温時には、前記吹き出し状態変更手段が集中
    吹き出しなる同期変化信号を前記風向設定手段に出力す
    るようにしたことを特徴とする前記請求項1に記載した
    自動車用空調装置。
JP21956791A 1991-08-30 1991-08-30 自動車用空調装置 Pending JPH0558148A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21956791A JPH0558148A (ja) 1991-08-30 1991-08-30 自動車用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21956791A JPH0558148A (ja) 1991-08-30 1991-08-30 自動車用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0558148A true JPH0558148A (ja) 1993-03-09

Family

ID=16737538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21956791A Pending JPH0558148A (ja) 1991-08-30 1991-08-30 自動車用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0558148A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10343494B2 (en) 2015-12-10 2019-07-09 Hyundai Motor Company Air vent for vehicle
DE112018000819T5 (de) 2017-02-14 2019-10-24 Denso Corporation Fahrzeugklimaanlageneinheit
DE112018000880T5 (de) 2017-02-15 2019-10-24 Denso Corporation Fahrzeugluftkonditioniereinheit
US11247531B2 (en) 2017-02-15 2022-02-15 Denso Corporation Vehicle air conditioning unit

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10343494B2 (en) 2015-12-10 2019-07-09 Hyundai Motor Company Air vent for vehicle
DE112018000819T5 (de) 2017-02-14 2019-10-24 Denso Corporation Fahrzeugklimaanlageneinheit
DE112018000880T5 (de) 2017-02-15 2019-10-24 Denso Corporation Fahrzeugluftkonditioniereinheit
US11247531B2 (en) 2017-02-15 2022-02-15 Denso Corporation Vehicle air conditioning unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5569425B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0558148A (ja) 自動車用空調装置
JP2004330961A (ja) 車両用空調装置
JPH06143975A (ja) 自動車用空調装置
JP2002362142A (ja) 車両用空調装置
JP3028551B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3505726B2 (ja) 自動車用空調装置
JP2004243932A (ja) 車両用空調装置
JP2618761B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3669151B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002012020A (ja) オープンカー用空調装置
JP3399284B2 (ja) 車両用空調装置
JP2000177376A (ja) 車両用空調装置
JP3030352B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3186383B2 (ja) 車両用空調装置
JP2006069269A (ja) 車両用空調装置
JP4207708B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0569740A (ja) 自動車用空調装置
JP3417249B2 (ja) 自動車用空調装置
JPH01164617A (ja) 自動車用空調装置
JP2000142073A (ja) 車両用空調装置
JP2005067460A (ja) 車両用空調装置
JPH0241914A (ja) 車両空調用制御装置
JPH0966727A (ja) 車両用空調装置
JPH02296527A (ja) 自動車用空調装置