JP2005129335A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極に複数の開口を配設し、不均一な形状の被加熱物に対しても均一に誘電加熱ができる使い勝手の良い誘電加熱とマイクロ波加熱の両機能を付帯した装置を提供する。
【解決手段】被加熱物を挟む固定電極19と可動電極20に複数の開口19a、20aを設けることで電極間に平行電界分布41、43と湾曲電界分布42、44とを混在させることにより、不均一な被加熱物形状に対しても加熱の均一化を促進させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、被加熱物を電極間に挟んで誘電加熱する高周波加熱装置あるいは同装置にマイクロ波加熱を併用する高周波加熱装置に関するものである。
高周波加熱装置の代表である電子レンジは、被加熱物を直接的に加熱できるので、なべ釜を準備する必要がない簡便さでもって生活上の不可欠な機器になっている。また、この電子レンジのマイクロ波加熱の特徴は加熱エネルギを食品内部にまで供給できることであり、この特徴を冷凍食品の解凍に利用するということで冷凍食品が大量に流通してきた。
電子レンジは、被加熱物を収納する加熱室の大きさが大概、幅寸法および奥行き寸法がそれぞれ30〜40cm、高さ寸法が20cm前後である。一方使用しているマイクロ波の波長は約12cmであり、加熱室内には強弱の電界分布が必ず生じ、さらには被加熱物の形状やその物理特性の影響が相乗されて局所加熱が発生することがある。冷凍食品の解凍においては、氷が解けて水になった領域に加熱エネルギが集中するので局所加熱現象が顕著に現れ、部分煮えと未解凍とが共存してしまう問題を有している。
波長の長い高周波を利用し、被加熱物を電極に挟んで誘電加熱する方法は、歴史が古くいまでも工業用としてバッチ方式やベルトコンベア方式が用いられている。これらは大型の冷凍品の処理や冷凍品の多量処理のために大型の装置構成であり、かつ装置の操作も熟練者が行っている。
一方、この電極を用いた装置の家庭用装置への展開も古くから検討されてきたが、生活上の利便性あるいは使用上の利便性の価値をユーザに提供できるまでには至っていない。
家庭用装置としての実用価値を提供することを目的とした従来のこの種の高周波加熱装置は、誘電加熱時に使用する電極の一方がマイクロ波加熱時に被加熱物を載置するターンテーブルと兼用させ、他方の電極は上下方向に昇降する構成としている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1によれば、電極への高周波の給電は、電極に相対して配置した結合用電極を備え、結合用電極に給電された高周波を静電容量結合により電極側に伝える構成としている。またこの結合用電極は絶縁体を介して加熱室底部に配置されている。
特開平9−92455号公報
しかしながら、前記従来の構成では、結合用電極と加熱室壁面とがつくる領域はコンデンサとして作用し、結合用電極を加熱室壁面に近接配置すればするほどその領域でのコンデンサ容量が大きくなる。このコンデンサ容量は、被加熱物を挟む加熱用電極間に生じるコンデンサ容量に並列に繋がっているので、電極に供給する高周波電力はそれぞれのコンデンサ容量の値に比例して分配される。従って、結合用電極を加熱室壁面に近接配置すると、その領域でのコンデンサ容量が大きく、供給する高周波電力がいわゆる無効電力として消費されるので、被加熱物へ供給される高周波電力が低下し、高周波による高速加熱が損なわれるという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、誘電加熱用の電極の構成および配置を工夫し、使い勝手の良い高周波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室において被加熱物を挟む電極と、前記電極に供給する高周波を発生する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、少なくとも固定電極には複数の開口を配設したものである。
これによって、加熱室壁面と対面する固定電極の電極面が小さくなり加熱室壁面との間に生じるコンデンサ容量を小さくして無効電力を減少させ、電極が挟む被加熱物へ効率よく高周波を供給できる。また、固定電極と可動電極との間に生じる電界は開口が無い場合、ほぼ平行電界のみであるが、複数の開口を設けることで開口の周縁部から対面する可動電極への電界は湾曲した分布になるので、電極間には平行電界分布と湾曲電界分布とを混在させることができ、不均一な被加熱物形状に対しても加熱の均一化を促進させることができる。
本発明の高周波加熱装置は、電極に複数の開口を設けることで電極間に平行電界と湾曲電界とを形成し、様々な形状の被加熱物を高効率かつ均一に誘電加熱する使い勝手の良い高周波加熱装置を提供することができる。
第1の発明は、被加熱物を収納する加熱室において被加熱物を挟む電極と、前記電極に高周波電力供給する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、少なくとも固定電極には複数の開口を配設したことにより、加熱室壁面と対面する固定電極の電極面が小さくなり加熱室壁面との間に生じるコンデンサ容量を小さくして無効電力を減少させ、電極が挟む被加熱物へ効率よく高周波を供給できる。また、固定電極と可動電極との間に生じる電界は開口が無い場合、ほぼ平行電界のみであるが、複数の開口を設けることで開口の周縁部から対面する可動電極への電界は湾曲した分布になるので、電極間には平行電界分布と湾曲電界分布とを混在させることができ、不均一な被加熱物形状に対しても加熱の均一化を促進させることができる。
第2の発明は、被加熱物を収納する加熱室において被加熱物を挟む電極と、前記電極に高周波電力供給する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、それぞれの電極に複数の開口を配設したことにより、電極間に生じる湾曲した電界分布をさらに広範囲に形成させることができ、不均一な被加熱物形状の加熱の均一化をより促進させることができる。
第3の発明は、特に、第2の発明の固定電極と可動電極のそれぞれの電極に配設した開口の長手方向を同一方向に配設したことにより、電極間に生じる湾曲した電界分布を帯状に分散させて被加熱物を加熱できる。
第4の発明は、特に、第2の発明の固定電極と可動電極のそれぞれの電極に配設した開口の長手方向を直交する方向に配設したことにより、電極間に生じる湾曲した電界分布を格子状に分散させて被加熱物を加熱できる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の可動電極はスライド昇降する構成とし、固定電極に設けた開口の長手方向に直交する方向に可動電極をスライドさせる構成としたことにより、電極間の距離を変えることで電極間に生じる湾曲した電界分布を変化させることができ、被加熱物の加熱の均一化を促進できる。
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の開口の幅寸法は、電極の板肉部の幅寸法と略同一寸法としたことにより、電極間に生じる平行電界と湾曲電界とをほぼ同量に混合させることができ、被加熱物の誘電加熱を促進させることができる。
第7の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室に供給するマイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、前記加熱室において被加熱物を挟む電極と、前記電極に高周波電力供給する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、少なくとも固定電極には複数の開口を配設したことにより、マイクロ波加熱併用装置においても、誘電加熱において電極間に生じる湾曲した電界分布をさらに広範囲に形成させることができ、不均一な被加熱物形状の誘電加熱の均一化をより促進させることができる。
第8の発明は、特に、第7の発明の開口の長手寸法は、使用するマイクロ波の波長の略1/4以上としたことにより、マイクロ波加熱時に大きな被加熱物に対して開口に対面する被加熱物の部位にもマイクロ波を十分に供給でき被加熱物のマイクロ波加熱の均一化を図ることができる。
第9の発明は、特に、第1または第2または第7の発明の被加熱物を載置する誘電材料からなる載置板を備え、載置板の下方に固定電極を設けたことにより、マイクロ波加熱と誘電加熱とのそれぞれに対して被加熱物を同様の載置方法ですればよく使い勝手のよい装置を提供できる。また、この固定電極を高圧側電極とすれば、固定電極に触ることがない構成となり安全性の確保ができる。
第10の発明は、特に、第1または第2または第7の発明の固定電極が対面する加熱室壁面に複数の開孔を設けたことにより、固定電極と加熱室壁面との間に生じる容量成分を減少させて、無効電力を低減し、被加熱物を効率よく誘電加熱することができる。
第11の発明は、特に、第10の発明の加熱室壁面の開孔は、少なくとも固定電極に対面する壁面領域に配設したことにより、固定電極と加熱室壁面との間に生じる容量成分をさらに減少させて、無効電力を低減し、被加熱物を効率よく誘電加熱することができる。
第12の発明は、特に、第10の発明の開孔は対面する固定電極の中央部に対して周縁部での開孔率を大きくしたことにより、固定電極の周縁部側での容量成分をより多く減少させて、不要な湾曲電界の発生を抑制できる。
第13の発明は、特に、第10の発明の固定電極の対面領域外に設ける開孔の配設領域は、固定電極の周縁部において最も近接して対面する加熱室壁面との隙間寸法相当を固定電極の周縁部の投影線から延長させた領域としたことにより、固定電極の周縁部側での容量成分をさらに確実に減少させて、不要な湾曲電界の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘電加熱時の状態を示す高周波加熱装置の正面断面図、図2は図1の右側より見た断面構成図、図3は図1の各電極の平面構成図、図4は図1の加熱室底面の構成図である。
図1〜図4において、被加熱物を収納する加熱室10は、マイクロ波を閉じ込めることができる金属材料の境界面である左壁面11、右壁面12、底壁面13、上壁面14、奥壁面15および加熱室内を透視できるパンチング板を有する開閉扉16とで構成し、加熱室10内には被加熱物17を載置する誘電材料からなる載置板18を配置している。載置板18の下方には誘電加熱用の一方の電極である固定電極19を配し、載置板18の上方には他方の電極である可動電極20を配し、この可動電極20はスライドしながら上下方向に可動する構成としている。また、固定電極18の下方にはマイクロ波を放射する電波放射手段21を配置している。導波管22はマイクロ波発生手段であるマグネトロン23を一端側に配し、マグネトロン23が発生するマイクロ波を伝送して他端側に配した電波放射手段21に導く。電波放射手段21の回転軸は導波管22内に挿入している。モータ24は電波放射手段21の回転軸と嵌合する出力軸を有し、このモータ24を動作させることで電波放射手段21が回転する。電波放射手段21は、開口部を有する円板の構成からなり、回転に伴って電波の放射方向あるいは放射分布が変化するように構成している。なお、電波放射手段21は、長板、導波管型アンテナなどの構成も採れる。
固定電極19には、複数の開口19aを配設している。この開口19aはそれぞれ略同一形状とし、開口の幅寸法19bと電極の肉板部の幅寸法19cとは略同一寸法とし、開口の長手寸法19dはマイクロ波の波長の1/4以上の長さで構成している。
一方の可動電極20にも、複数の開口20aを配設している。この開口20aはそれぞれ略同一形状とし、開口の幅寸法20bと電極の肉板部の幅寸法20cとは略同一寸法とし、開口の長手寸法20dはマイクロ波の波長の1/4以上の長さで構成している。なお、図3には可動電極20のスライド方向を矢印SLで示す。すなわち、可動電極20は固定電極19に設けた開口19aの長手方向に直交する方向にスライドさせる。
開口19a、20aの長手寸法19d、20dは、2450MHz帯のマイクロ波を使用する場合、31mm以上とする。
また固定電極19と加熱室の壁面との距離G1、G2は、少なくとも使用するマイクロ波の波長の1/4以上としている。
一方、可動電極20の周縁部は、固定電極19の周縁部よりも加熱室の壁面側に近い構成(図1のW1、図2のW2が相当する)としている。そして可動電極20には、支持部25を介して二つの回転軸26、27を組立ている。これら二つの回転軸26、27はそれぞれ支持部25に設けた貫通穴の中を自由に回転できるような関係に構成し、回転軸26、27の回転に伴う可動電極20の昇降動作において、可動電極20が固定電極19に対して略平行に昇降する構成としている。そして一方の回転軸27には弾性体の金属ワイヤ28を設けている。この金属ワイヤ28は一端を可動電極20に接続し、他端は回転軸27に溶接固定している。そして可動電極20はこの金属ワイヤ28、回転軸27を介して加熱室10の金属壁面と導通させている。モータ29は、回転軸26、27を回転駆動させるものである。なお、この回転駆動には複数の歯車などを用いて構成した駆動系を用いることでモータ29の負荷を軽減し、小型モータを利用することができる。また、回転軸26、27は加熱室10の壁面を貫通させて回転支持しており、この支持部にはそれぞれ電波シール機構30を配している。
また、固定電極19は載置板18の下面に近接して配置するように絶縁材料からなる支持柱31にて加熱室の底壁面13から所定の間隙でもって支持させている。
高周波電源32は各電極に供給する高周波(たとえば13.56MHz、27.12MHz)を発生するものである。電力検知部33は高周波電源32から電極の方向に伝送する入射電力および電極側から高周波電源側に戻ってくる反射電力を検知する(CM型SWR回路など)ものである。整合回路34は電極に直列接続したコイルと並列接続したコンデンサとの回路構成からなり、少なくともコイルはそのインピーダンスを連続的に可変できる構成として被加熱物を含む電極インピーダンスを高周波電源32の出力インピーダンスに整合させるものである。整合回路34の高圧側は固定電極19に結線し、アース側は加熱室10の壁面に結線している。高圧側の給電線35は加熱室10の壁面部を貫通する領域を略同軸線構成36としている。
制御部37は、電力検知部33の検知信号に基づいて、高周波電源32の出力、整合回路34のコイルやコンデンサの値の可変制御あるいはモータ29の動作制御をする。なお、図2の破線は装置本体ボディ38を示す。
次に、加熱室底面13に配設した複数の開孔について説明する。固定電極19が対面する加熱室底壁面13には複数の開孔13aを設けている。この開孔13aは、マイクロ波に対しては漏洩防止構造として作用するものであり、固定電極の中央部側に対面する領域では直径3mmで開孔率40%の開孔群131aを、固定電極の周縁部に対面する領域には直径2.5mmで開孔率55%の開孔群132aを配設している。
また、開孔群132aは固定電極19との対面領域外にも配設している。この対面領域外の配設領域は、固定電極19の周縁部において最も近接して対面する加熱室壁面との隙間寸法相当を固定電極19の周縁部の投影線19Tから延長させた領域としている(図4において、延長寸法39、40で示す)。
次に、図5を用いて電極に設けた複数の開口に伴う作用を説明する。図5の(a)と(b)とは電極間の距離が異なるもので、可動電極20は図の矢印SLの方向にスライドしながら昇降する。従って、(a)の状態から可動電極20を下降させると(b)の状態になる。(a)の状態において、各電極19、20に配設した開口19a、20aは少しずれた状態であり、電極間には図示したような電界が発生する。すなわち、電極の板肉部が対向している部分では、電界は平行電界41が生じ、板肉部の周縁では湾曲電界42が生じる。一方、(b)の状態では、各開口19a、20aが完全に対向した状態を示しており、この場合、電極の板肉部の中央では平行電界43が生じ、板肉部の周縁では湾曲電界44が生じる。すなわち、少なくとも一方の電極に複数の開口を設けることで固定電極と可動電極との間に生じる電界は開口が無い場合、ほぼ平行電界のみであったものが、開口の周縁部から対面する電極への電界は湾曲した分布になるので、電極間には平行電界分布と湾曲電界分布とを混在させることができ、不均一な被加熱物形状に対しても加熱の均一化を促進させることができる。また、固定電極と可動電極との両方に複数の開口を配設することで、電極間に湾曲電界分布をより多く形成できるとともに、電極間の距離を変化させることで各電極間に形成される電界分布を変化させることができ、形状が不均一な被加熱物に対しても均一な誘電加熱をさらに促進させることができる。
以上のような構成において、固定電極19に複数の開口19aを配設したことにより、加熱室壁面と対面する固定電極の電極面が小さくなり加熱室壁面との間に生じるコンデンサ容量を小さくして無効電力を減少させ、電極が挟む被加熱物へ効率よく高周波を供給できる。また、対面する加熱室壁面には複数の開孔13aを配設したことにより、固定電極と加熱室壁面との間に生じる容量成分をさらに減少させて、無効電力を低減し、被加熱物を効率よく誘電加熱することができる。
また、開孔は対面する固定電極の中央部に対して周縁部での開孔率を大きくしたことにより、固定電極の周縁部側での容量成分をより多く減少させて、固定電極の周縁部と加熱室壁面との間に形成される不要な湾曲電界の発生を抑制できる。
さらに、固定電極との対面領域外にも開孔を配設することで、固定電極の周縁部側での容量成分をさらに確実に減少させて、不要な湾曲電界の発生をより抑制できる。
さらにまた、固定電極19の下方に電波放射手段21を設けた構成とすることで誘電加熱における電極間に生じる電界方向と同様の方向である被加熱物の下方からマイクロ波を放射させることにより、被加熱物の載置方法はターンテーブル無しの共用構成(載置板18構成)にでき、マイクロ波加熱と誘電加熱使用とのそれぞれに対して被加熱物を同様の載置方法ですればよく使い勝手のよい装置を提供できる。また、この固定電極19を高圧側電極とすれば、固定電極に触ることがない構成となり安全性の確保ができる。
また、固定電極19と加熱室の壁面との距離は、少なくとも使用するマイクロ波の波長の1/4以上としたものであり、これにより固定電極19の周辺からも満遍なくマイクロ波を被加熱物側に供給し被加熱物の加熱の均一化を図ることができる。
また、可動電極20の周縁部は、固定電極19の周縁部よりも加熱室の壁面側に近い構成としたことにより被加熱物の収納位置が広いという印象の安心感を使用者に与えるとともに、電極周辺部における端部での電界分布の集中を緩和して使い勝手の良い装置を提供できる。
さらに可動電極20は、単なる上下昇降ではなく、スライドしながら昇降するものである。そして、上壁面14の直下に収納する構成としている。この昇降動作の中で、可動電極20は固定電極19に対して略平行に対面しながら対面間隔を可変するように動作させており、これにより被加熱物の厚みに応じた対面間隔の調整を可能にし被加熱物に供給する誘電加熱エネルギを最大化し短時間加熱を図ることができる。
次に、制御部37の誘電加熱時の動作を説明する。
被加熱物が収納された後、誘電加熱の開始キーが押されると、モータ29を動作させて可動電極20を下降し被加熱物と所定の間隙を有する位置にセットする。その後、高周波電源32を50W程度の小電力出力にて動作させ、電力検知部33から得られる反射電力を最小にするように整合回路を動作させる。反射電力が最小になった後、高周波電源32の出力を最大化し、被加熱物を誘電加熱していく。この加熱中にモータ29を動作させて可動電極20を小刻みに昇降させて電極間の電界分布を変化させる。この際にも電力検知部33からの検知信号を随時取りこみ、反射電力が最小になるように整合回路34を動作制御する。その後、所定の加熱時間の経過、あるいは電力検知部の信号変化などに基づく加熱終了時期判定により誘電加熱の終了時期が来ると高周波電源32の動作を停止し、モータ29を動作して可動電極20を加熱室の上壁面14直下に上昇移動して収納する。
なお、誘電加熱時には加熱室10内の空気を対流あるいは給排気させることが望ましい。
次にマイクロ波加熱の場合の主要動作について説明する。マイクロ波加熱の場合、可動電極20は、加熱室上壁面14の直下に収納した状態のままで加熱を実行する。
被加熱物を載置板18の上に載置した後、開閉扉16を閉じ、操作パネル(図示していない)内の操作キーを用いて加熱条件を入力し加熱開始キーを押すことでマイクロ波加熱が開始する。装置に組込んだ制御部(図示していない)は、この加熱開始キーが押されたことを認識すると、マグネトロン23を駆動する電源(図示していない)を動作させる。これによりマグネトロン23がマイクロ波を発生する。発生したマイクロ波は、導波管22を伝送し、導波管22の終端側に設けた電波放射手段21に供給され、加熱室10に放射される。ここで放射されたマイクロ波は、固定電極19の周縁と加熱室壁面との間隙部および固定電極19に設けた複数の開孔19aを通り、載置板18を透過して被加熱物にマイクロ波エネルギを供給し、被加熱物を均一にマイクロ波加熱する。
次に誘電加熱とマイクロ波加熱とを併用する場合の主要動作について説明する。
このような加熱として、冷凍食品の「解凍温め」がある。「解凍温め」に対して、まず誘電加熱を行い、引続いてマイクロ波加熱を実行する。各加熱方法の引渡し時の動作について説明する。誘電加熱の終了に伴って高周波電源32の動作を停止するとともに可動電極20を上壁面14の直下に上昇移動させる。その後直ちにマグネトロン23を動作させてマイクロ波加熱への移行を完成させる。
対面する電極間に生じる高周波電界は冷凍食品を貫通するので、冷凍食品は食品内部まで確実に昇温されるので均一解凍の状態になる。この状態からマイクロ波加熱をすることで、解凍された食品は融解のための熱エネルギ消費を抑制でき、食品全体は所望の適温まで短時間に昇温する。
なお、マイクロ波加熱時に可動電極20を動作させて加熱室内のマイクロ波分布を変化させる方法も採用して構わない。
またなお、本発明の実施の形態1に用いた加熱室および電極の構成寸法の一例は、加熱室の形状は、幅415mm、奥行315mm、高さ230mm、固定電極19の外形形状は、幅280mm、奥行200mm、可動電極20の外形形状は、幅300mm、奥行220mm、各開口の幅10mm、固定電極19と加熱室壁面13との間隙は30mmである。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における高周波加熱装置の各電極の平面構成図である。実施の形態2が実施の形態1と相違する構成は、各電極に配設した複数の開口の長手方向を直交するように配置した点である。
すなわち、固定電極190は実施の形態1と同様に複数の開口190aを配設し、可動電極200は、固定電極190に配設した開口190aの長手方向に直交する方向に長手方向を有する開口200aを複数配設している。
この構成により、電極間に生じる湾曲した電界分布を格子状に分散させ、被加熱物の加熱の均一化を促進することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の第3の実施の形態における高周波加熱装置の各電極の平面構成図である。実施の形態3が他の実施の形態と相違する構成は、各電極に配設した複数の開口の長手方向を短縮し、開口の数を増加させた点である。この場合でも開口の長手方向の寸法はマイクロ波の波長の1/4以上としている。
すなわち、固定電極191および可動電極201にはそれぞれ開口の長手寸法を短くした複数の開口191a、201aを配設している。
この構成により、加熱作用は同様のままで電極の機械的強度を保証できるので、電極の熱歪を抑制し、初期特性を長期間に亘って維持させることができる。
なお、以上に示した実施の形態はさまざまに組み合わせて実施できる。また、開口の形状は四角形である必要はなく、円形、楕円形、他の多角形あるいはそれらの組み合わせでも構わない。さらに開口の長手方向を電極の周縁部に平行に配置することに限定されるものではない。
以上のように、本発明にかかる高周波加熱装置は、マイクロ波加熱と誘電加熱との併用が可能になるので、食品加熱、解凍装置、陶芸加熱装置、乾燥装置あるいは生体化学反応装置等の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1の高周波加熱装置の誘電加熱時の正面断面図 同高周波加熱装置の右側から見た断面図 (a)は同高周波加熱装置の可動電極の平面構成図(b)は同高周波加熱装置の固定電極の平面構成図同高周波加熱装置の各電極の平面構成図 同高周波加熱装置の加熱室底面の構成図 (a)は同高周波加熱装置の電極間の電界分布の作用を示す図(b)は同高周波加熱装置の電極間の他の電界分布の作用を示す図 (a)は本発明の実施の形態2の高周波加熱装置の可動電極の平面構成図(b)は本発明の実施の形態2の高周波加熱装置の固定電極の平面構成図 (a)は本発明の実施の形態3の高周波加熱装置の可動電極の平面構成図(b)は本発明の実施の形態3の高周波加熱装置の固定電極の平面構成図
符号の説明
10 加熱室
13a、131a、132a 複数の開孔(加熱室壁面の開孔)
17 被加熱物
18 載置板
19、190、191 固定電極
19a、190a、191a 固定電極の複数の開口
19b、20b 開口の幅寸法
19c、20c 電極の板肉部の幅寸法
19d、20d 開口の長手寸法
19T 固定電極の周縁部の投影線
20、200、201 可動電極
20a、200a、201a 可動電極の複数の開口
23 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
32 高周波電源
39、40 固定電極の対面外の開口配設領域の延長寸法
SL 電極のスライド方向

Claims (13)

  1. 被加熱物を収納する加熱室に配した被加熱物を挟む電極と、前記電極に高周波電力供給する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、少なくとも固定電極には複数の開口を配設した高周波加熱装置。
  2. 被加熱物を収納する加熱室において被加熱物を挟む電極と、前記電極に供給する高周波を発生する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、それぞれの電極に複数の開口を配設した高周波加熱装置。
  3. 電極に配設した開口の長手方向は、一方の電極の開口の長手方向に対し他方の電極の開口の長手方向を同一方向に配設した請求項2に記載の高周波加熱装置。
  4. 電極に配設した開口の長手方向は、一方の電極の開口の長手方向に対し他方の電極の開口の長手方向が直交する方向に配設した請求項2に記載の高周波加熱装置。
  5. 可動電極はスライド昇降する構成とし、固定電極に設けた開口の長手方向に直交する方向に可動電極をスライドさせる構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  6. 開口の幅寸法は、電極の板肉部の幅寸法と略同一寸法とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  7. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室に供給するマイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、前記加熱室において被加熱物を挟む電極と、前記電極に高周波を供給する高周波電源とを備え、前記電極は固定電極と可動電極とで構成し、少なくとも固定電極には複数の開口を配設した高周波加熱装置。
  8. 開口の長手寸法は、使用するマイクロ波の波長の略1/4以上とした請求項7に記載の高周波加熱装置。
  9. 被加熱物を載置する誘電材料からなる載置板を備え、載置板の下方に固定電極を設けた請求項1または2または7に記載の高周波加熱装置。
  10. 固定電極が対面する加熱室壁面に複数の開孔を設けた請求項1または2または7に記載の高周波加熱装置。
  11. 加熱室壁面の開孔は、少なくとも固定電極に対面する壁面領域に配設した請求項10に記載の高周波加熱装置。
  12. 開孔は対面する固定電極の中央部に対して周縁部での開孔率を大きくした請求項10に記載の高周波加熱装置。
  13. 固定電極の対面領域外に設ける開孔の配設領域は、固定電極の周縁部において最も近接して対面する加熱室壁面との隙間寸法相当を固定電極の周縁部の投影線から延長させた領域とした請求項10に記載の高周波加熱装置。
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