JP2015076292A - 被加熱物の誘電加熱方法及び加熱電極 - Google Patents

被加熱物の誘電加熱方法及び加熱電極 Download PDF

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Abstract

【課題】冷凍食品を表面の過加熱を生じることなく短時間に良好に効率よく急速解凍できる被加熱物の誘電加熱方法及びその加熱電極を提供する。【解決手段】対向して配列された加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、複数の凸部を有し、凸部同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と接触する面の面積が、凸部に隣接する各凸部の外周を結んだときの面積を100としたとき40〜75の範囲で略均一な面積率で接触して通電することにより被加熱物を加熱する。加熱電極がピン電極の場合は、ピン間隔Lとピン径Dとの関係が1≰D/L≰4の関係となるようにピンを配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、被加熱物の誘電加熱方法及び誘電加熱電極に関し、特に冷凍食品等の急速解凍に適する高周波誘電加熱方法及びそれに使用する高周波誘電加熱電極に関する。
従来、冷凍食品の急速解凍手段として利用されている高周波誘電加熱方法における加熱電極は、一般に平板平行電極が採用されている(例えば、特許文献1,2)。しかしながら、平板電極では、被解凍物の表面形状が不定形の場合、被解凍物との接触面に場所によってエアーギャップが生じ、均一加熱が困難であるという問題点があった。本発明者らは、上記誘電加熱の問題点を解決するために、冷凍食品の急速解凍を誘電加熱等の電気的加熱により行なうための加熱電極として、ピン電極の集合体からなる加熱電極を先に提案した(特許文献3、4)。これらピン電極集合体からなる加熱電極は、例えば図6に示すように、圧力可変チャンバー21の底板を構成する導電性のピン支持台22に複数のピン電極25を軸方向摺動自在に支持して加熱電極20を構成し、各ピン電極は高周波電源23からピン支持台22を介して通電しながら、軸方向に個々に独立して相対変位して冷凍食品等の表面形状に追従して被加熱物Mの表面に当接して、被加熱物を高周波誘電加熱して解凍する。従って、ピン電極は、平板電極と比べて被加熱物の表面形状に追従でき効果的に被加熱物を加熱でき、冷凍食品等を効率よく良好に解凍できる利点がある。
特開2003−31350号公報 特開平8−185966号公報 特開2012−99263号公報 再公表2009/008421号公報
誘電加熱等による急速解凍の場合、上記のように平板電極であってもピン電極であっても解凍が進むにつれて電力半減深度が減少するので、被加熱物である食品等の解凍物表面に電界が集中して表面温度が中心温度と比べて上昇することは避けられない現象である。一方電界を弱めて加熱することによって、中心温度上昇と表面温度上昇差を小さくして表面の過加熱を防止することができるが、その場合、所定の温度上昇、例えば冷凍食品の解凍等に長時間を要し、解凍効率が悪いという問題点があった。
そこで、本発明は冷凍食品の急速解凍等における従来の高周波誘電加熱の上記問題点を解決して、被加熱物の中心温度と表面温度差を小さくして表面の過加熱を防ぐことができ、且つ効率よく短時間に加熱できる被加熱物の誘電加熱方法及びその加熱電極を提供すること目的とする。
上記課題を解決する本発明の被加熱物の誘電加熱方法は、対向して配列された加熱電極により被加熱物を電気的に加熱する方法であって、該加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、複数の凸部を有し、凸部同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と接触する面の面積が、凸部に隣接した各凸部の外周を結んだときの面積を100としたとき40〜75の範囲で略均一な面積率で接触することにより被加熱物を加熱することを特徴とするものである。
加熱電極が被加熱と接触する面積を上記所定の面積に対して40〜75の範囲で略均一な面積率で接触することによって、被加熱物である冷凍食品表面に弱電界部を略均一分布で生じさせ、電極直下の電界集中の抑制が可能であり、冷凍食品表面の過度な温度上昇を抑え且つ短時間に効率よく均一な加熱ができ、急速解凍による高品質な解凍が可能となる。
加熱電極が上記所定の面積に対して面積率40以下であると、表面の弱電界分布が大きくなり、電界分布の電界分布の強度差が増大し、解凍時間が長くなり効率が悪くなり、また75以上であると弱電界域が小さく、表面温度が過度に上昇して表面が過加熱となり解凍品質に悪影響を与える。
前記誘電加熱方法において、前記加熱電極の少なくとも一方の電極が、被加熱物の形状に沿って追従するピン電極の集合体であり、被加熱物と接触する部分が、円形又は多角形のピン電極が規則的に配列されているのが望ましい。
そして、前記加熱電極がピン電極の集合体である場合、前記ピン間隔とピン径との関係が1≦D/L≦4となるように配列されているのが望ましい。
ここで、Dはピン電極が円形断面の場合のピン径、多角形断面の場合はその外接円の直径であり、Lはピン最小間隔である。
また、前記誘電加熱方法において、前記加熱電極の少なくとも一方の電極が平板電極であり、該平板電極に円形又は多角形状の穴又は凹部を規則的に形成することによっても均一な弱電界域を形成することが可能である。すなわち、前記課題を解決する他の誘電加熱方法は、対向して配列された加熱電極により被加熱物を電気的に加熱する方法であって、該加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、平板電極であり、該平板電極に非加熱部と非接触部となる円形又は多角形状の穴又は凹部が規則的に形成され、前記穴又は凹部同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と非接触する面の面積が、前記穴又は凹部に隣接する各穴又は凹部の外周を結んだ面積を100としたとき25〜60の範囲で略均一な面積率で非加熱物との非接触部を形成することにより被加熱物を誘電加熱することを特徴とするものである。
その場合、前記平板電極における円形又は多角形状の穴又は凹部と該穴間又は凹部間の間隔と、該穴又は凹部の径との関係が1≦D/L≦4となるように配列するとよい。ここで、Dは前記穴又は凹部が円形の場合の直径、多角形の場合はその外接円の直径であり、Lは穴又は凹部の最小間隔である。
また、上記課題を達成する本発明の加熱電極は、対向して配列された被加熱物を電気的に加熱する加熱電極であって、該加熱電極の少なくとも一方の電極は、被加熱物と接触する部分が、円形又は多角形の複数の凸部であり、該凸部同士の間隔は略一定に配置されており、非加熱物と接触する面の面積が、凸部に隣接する各凸部の外周を結んだ面積を100としたとき40〜75の面積率で規則的に配列されていることを特徴とするものである。
前記加熱電極の少なくとも一方の電極は、ピン電極の集合体で前記複数の凸部を構成し、該ピン電極の間隔とピン径との関係が1≦D/L≦4とするのが望ましい。
ここで、Dはピン電極が円形断面の場合のピン径、多角形断面の場合はその外接円の直径であり、Lはピン最小間隔である。前記ピンは、ピン間の間隔が等間隔となるように規則的に配列されているのが望ましい。
さらに、上記課題を達成する本発明の他の加熱電極は、対向して配列され被加熱物を誘電加熱する加熱電極であって、該加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、平板電極であり、該平板電極に非加熱部と非接触部となる円形又は多角形状の穴又は凹部が規則的に形成され、前記穴又は凹部同士の間隔は略一定に配置されており、該穴又は凹部により、前記穴又は凹部に隣接する各穴又は凹部の外周を結んだ面積を100としたとき25〜60の範囲で略均一な面積率で非加熱物との非接触部を形成するようにしてなることを特徴とするものである。
なお、本明細書における「略」は、±3%を意味する。
請求項1及び請求項6に記載の発明によれば、加熱電極が被加熱と接触する面積を凸部に隣接する各凸部の外周を結んだときの面積を100としたとき40〜75の範囲で略均一な面積率で接触することによって、被加熱物表面では電極が接触する部分直下の強電界域と、該強電界域との間に略等ピッチで弱電界域ができ、表面に電界分布が形成され表面での電界集中が緩和されて表面の過加熱を防止することができる。一方、被加熱内部については表面での隣接する加熱電極接触部間に被加熱物深部方向に円弧状の電界が生じるので、内部の加熱効率を低下させることなく、表面の加熱上昇を抑えることができ、冷凍食品を効率よく良好に解凍することができる。
そして、請求項2及び7の発明によれば、請求項1又は6に記載の発明において前記加熱電極の少なくとも一方の電極をピン電極集合体で形成することによって、電界方向に厚さ分布が不定な被加熱物であってもピン電極が被加熱物の形状に追従して確実に接触し、上記効果をより効率的に達成することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、ピン間隔とピン径との関係を1≦D/L≦4となるように配列することによって、内部の加熱効率を低下させることなく、表面の加熱上昇を抑えることができ、冷凍食品をより効率よく良好に解凍することができる。
請求項4、8の発明によれば、平板電極であっても該平板電極に上記面積率となるように円形又は多角形状の穴又は凹部を形成することによって、表面の過加熱を抑えて効率よく加熱することができる。
請求項5の発明によれば、円形又は多角形状の穴又は凹部の径Dと前記穴又は凹部の最小間隔を1≦D/L≦4とすることによって、内部の加熱効率を低下させることなく、表面の加熱上昇を抑えることができ、冷凍食品をより効率よく良好に解凍することができる。
ピン電極の集合体におけるピン径、ピン間隔の一例を示すピンの配置正面模式図である。 図1における本発明の実施形態及び比較例に係るピン電極の基本単位部(繰り返し単位部)における配置を示す平面模式図であり、(b)(c)は実施例、(a)(d)は比較例である。 本発明で規定する被加熱物と接触する面の面積率を説明する模式図である。 図2の各ピン電極配置における解凍時間と内部温度の関係を示すグラフである。 図2の各ピン電極配置における内部温度と表面平均温度の関係を示すグラフである。 従来のピン電極集合体からなる加熱電極による加熱(解凍)状態を示す模式図である。
以下、図面を基に本発明に係るピン電極集合体からなる加熱電極の実施形態を詳細に説明する。
上記課題を達成するために、本発明者はピン電極におけるピン径、ピン間隔に注目して研究した結果、それらについて適切な関係を満たした配列にすることによって、食品表面に弱電界部を形成し、ピン直下の電界集中を抑制可能とすることが判明し、本発明に到達したものである。
即ち、ピン電極が被加熱物と接触する部分が円形又は多角形であり、被加熱物と接触する面の面積が、凸部に隣接する各凸部の外周を結んだときの面積を100としたとき40〜75の面積率で略等間隔に配置され、且つピン電極の直径と間隔との関係が1≦D/L≦4を満たすようにするように配置することによって、ピン電極で被加熱物を所望温度まで効率的に加熱することができ、良好に冷凍食品等を解凍することができた。
図1は、直径3mmのピン電極1と、8mmのピン電極2を用いて、それぞれのピン電極の間隔を0.7mm、2.5mm、5mmに配列して被加熱物を加熱した場合の被加熱物表面での電界強度E[V/m]の状態を示す模式図である。これらのピン電極は、例えば図6に示すように圧力可変チャンバー21の底板を構成する導電性のピン支持台22に上下方向に摺動自在に支持され、被加熱部表面に適宜の手段で垂直方向から接触可能に配置されている。
図1に示すように、ピン電極1、2が間隔0.7mmと密に配置されている場合、ピン電極直下部とその間隔部の電界強度の変化は殆んどなく、且つ被加熱物表面と内部電界は略均一であることがわかる。即ち、被加熱物表面と内部とが同じ電界強度で加熱されている。その結果、冷凍食品の中心部の解凍が進むまで加熱すると表面が過加熱になってしまうという不具合が発生する。
一方、ピン電極1、2の間隔を2.5mmとしてピン電極を疎に配置した場合、ピン電極間に弱電解部5が生じ、電極接触面に電界集中が生じるが、弱電界部5と電界集中部6がバランスし、表面に適正な電界分布が形成されて、内部の加熱に対して表面加熱が低減して過度の加熱が防げる。しかしながら、電極の間隔を例えば5mmと広げすぎると、弱電界部5が大きくなり、被加熱物表面の電界分布の強度差が増大し、被加熱物10の全体の均一加熱に長時間を要し、冷凍食品の解凍の場合解凍効率が悪くなる。
以上のことからピン電極のピン間隔とピン径との関係が1≦D/L≦4にすることによって、急速且つ表面温度の上昇を抑えた高品質の解凍が可能となる。ここで1>D/Lであると、ピン電極間の間隔が大き過ぎ加熱効率が悪く、急速解凍が困難であり、逆にD/L>4であるとピン電極間の間隔が密になり、内部温度に対して表面温度が過度に上昇し、解凍品質を損なうので、1≦D/L≦4の関係にあるのが望ましい。ここで、Dはピン電極が円形断面の場合のピン径、多角形断面の場合はその外接円の直径であり、Lはピン最小間隔である。ピン電極の断面形状は円形に限らず、六角形等の多角形断面等、任意断面形状のピン電極が採用できる。
上記実施形態では、電極がピン電極の場合について説明したが、本発明は必ずしもピン電極に限るものでなく、被加熱物表面に弱電界部を形成でき表面の電界分布を適正に制御できる電極構造であれば達成できる。
例えば、対向して配列された加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、平板電極であり、該平板電極に円形又は多角形状の凸部を規則的に形成して、被加熱物と接触する面の面積が互いに隣接する各凸部の外周を結んだときの面積を100としたとき40〜75の範囲で略均一な面積率で接触するように形成することによって達成できる。また、逆に凸部に換えて平板電極に穴または凹部を形成することによっても表面電界強度を調整することができる。その場合、平板電極の穴又は凹部がピン電極間の間隔部に相当し、この部分に弱電界5が形成される。前記穴又は凹部は平板電極面全体に同じ径で均一に等間隔で形成することが望ましい。その場合、前記穴又は凹部により、前記穴又は凹部に隣接する各穴又は凹部の外周を結んだ面積を100としたとき25〜60の範囲で略均一な面積率で非加熱物との非接触部を形成することにより、該穴又は凹部により表面電界の強度を調節することができる。
図3(1)〜(4)は、被加熱物と接触する面の面積率について説明する模式図である。円形または多角形の凸部11同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と接触する面の面積が、凸部11に隣接する凸部11’、即ち、凸部11と当該凸部11のその周りにある凸部11’の外周を結んだときの面積12とし、当該凸部11と凸部11’の摺動方向垂直断面の合計面積を除したものを被加熱物と接触する面の面積率とした。なお、前記合計面積に凸部11、凸部11’以外の凸部11”が含む場合には、凸部11”はないものとして算出する。該構造の平板電極における前記穴又は凹部を除く被加熱物と接触する面の面積が、上記所定の面積に対して40〜75の面積率で接触するように、前記穴又は凹部を均等に規則的に配置する。そして、前記穴又は凹部の直径Dと間隔Lが1≦D/L≦4の関係を満たすように配置する。
被加熱物に接触する凸の数は、凸の形状や被加熱物の大きさによっても異なるのでこれに限定されないが、表面の過加熱を防ぐことができ、効率よく短時間加熱でき、また、形状の加工のしやすさから、40〜75、特に、45〜65、さらに、45〜60が好ましい。
以上のように本発明では、被解凍物表面の過加熱を防ぎ、良好な解凍を達成する手段として、表面に弱電界域を均一に形成し、電界集中域と弱電界域とのバランスを調整することによって、内部電界域の均一な形成に大きな影響を与えることなく、表面の過加熱を防ぎながら効率よく解凍することができた。
図1は、ピン電極の集合体におけるピン径、ピン間隔の一例を示すピンの配置正面模式図である。従来のピン電極集合体からなる誘電加熱電極による誘電加熱による表面の過加熱を防ぎ且つ短時間効率よく解凍するために、図1、2に示すように個々のピン電極の平面大きさ(ピン電極が円形断面の場合は直径D、多角形断面の場合はその外接円の直径)を変え、且つそのピン間の間隔Lを変えて高周波誘電加した場合被加熱物の中心温度と表面温度の時間ごとの変化を調べた。
実施例として、豚冷凍ヒレ肉を用いてピン電極として直径D=8mmの電極2を各ピン間の間隔L=2.5mm(D/L=3.2)(実施例1)と5mm(D/L=1.6)(実施例2)にそれぞれ配置し、それぞれをフローズンチルドである−1℃〜4℃を目標解凍温度帯として解凍を行なった。また、比較例として、ピン電極の直径D=3mmのピン電極1を各ピン間の間隔Lを0.7mm(D/L=4.3)(比較例1)に配置し、さらに、直径D=6mmのピン電極3を間隔L=11mm(D/L=0.54)(比較例2)に配置して、それぞれを実施例と同様にフローズンチルドである−1℃〜4℃を目標解凍温度帯として解凍を行なった。
その結果、それぞれピン電極配置における内部温度と解凍時間との関係を図4のグラフに示し、内部温度と表面平均温度との関係を図5に示す。これらのグラフから明らかなように、D/L=4.3(比較例1)の電極配置では、表面温度が上記目標温度に解凍するまでに、75分間の長時間を要し解凍効率が悪かった。これに対して、D/L=3.2(実施例1)、1.6(実施例2)、4.3(比較例1)の場合は、それぞれ45分以内に内部温度がほぼ−1℃に達し急速解凍ができた。
一方、内部温度と表面平均温度の変化は、実施例1、実施例2、比較例2の場合は、それぞれ内部温度が上記目標温度に達した時の平均表面温度は、略9℃以下であったのに対し、比較例1の場合は平均表面温度が13℃以上と過度に上昇し、過加熱が生じた。
以上の実施例・比較例の結果から、実施例1、2のピン配列では、解凍効率が良く且つ表面温度が過度に上昇しないで良好に解凍できたのに対し、比較例1では急速解凍はできるが、表面温度が過度に上昇し、また比較例2では表面温度の過加熱は防止されるが、解凍時間に長時間を要し、何れも良好な解凍結果が得られなかった。
本発明の高周波加熱方法及び加熱電極は、被加熱物表面に弱電界部を形成し電極直下の電界集中が抑制可能で被加熱物の表面の過加熱を防止できて、且つ短時間で内部加熱もできるので、冷凍食品等の急速解凍に好適であるばかりでなく、工業用の誘電加熱方法及びその電極として広く適用でき、産業上の利用可能性が高い。
1、2、3 ピン電極
5 弱電界部
6 電界集中部
10 被加熱物

Claims (8)

  1. 対向して配列された加熱電極により被加熱物を電気的に加熱する方法であって、該加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、複数の凸部を有し、凸部同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と接触する面の面積が、凸部に隣接する各凸部の外周を結んだ面積を100としたとき40〜75の範囲で略均一な面積率で接触することにより被加熱物を誘電加熱することを特徴とする被加熱物の誘電加熱方法。
  2. 前記加熱電極の少なくとも一方の電極が、被加熱物の形状に沿って追従するピン電極の集合体であり、被加熱物と接触する部分が、円形又は多角形のピン電極が規則的に配列されている請求項1に記載の被加熱物の誘電加熱方法。
  3. 前記ピン間隔とピン径との関係が下記の内容となるように配列されている請求項2に記載の被加熱物の誘電加熱方法。
    1≦D/L≦4
    ここで、Dはピン電極が円形断面の場合のピン径、多角形断面の場合はその外接円の直径であり、Lは隣接するピン間の最小間隔である。
  4. 対向して配列された加熱電極により被加熱物を電気的に加熱する方法であって、該加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、平板電極であり、該平板電極に非加熱部と非接触部となる円形又は多角形状の穴又は凹部が規則的に形成され、前記穴又は凹部同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と非接触する面の面積が、前記穴又は凹部に隣接する各穴又は凹部の外周を結んだ面積を100としたとき25〜60の範囲で略均一な面積率で非加熱物との非接触部を形成することにより被加熱物を誘電加熱することを特徴とする被加熱物の誘電加熱方法。
  5. 前記平板電極における円形又は多角形状の穴又は凹部と該穴間又は凹部間の間隔と、該穴又は凹部の径との関係が下記の内容となるように配列されている請求項4に記載の被加熱物の誘電加熱方法。
    1≦D/L≦4
    ここで、Dは前記穴又は凹部が円形の場合の直径、多角形の場合はその外接円の直径であり、Lは穴又は凹部間の最小間隔である。
  6. 対向して配列され被加熱物を誘電加熱する加熱電極であって、該加熱電極の少なくとも一方の電極は、被加熱物と接触する部分が円形又は多角形である複数の凸部を有し、該凸部同士の間隔は略一定に配置されており、被加熱物と接触する面の面積が、凸部に隣接する各凸部の外周を結んだ面積を100としたとき40〜75の面積率で規則的に配列されていることを特徴とする加熱電極。
  7. 前記加熱電極の少なくとも一方の電極は、ピン電極の集合体で前記複数の凸部を構成し、該ピン電極の間隔とピン径との関係が下記の内容となるように配列されている請求項6に記載の加熱電極。
    1≦D/L≦4
    ここで、Dはピン電極が円形断面の場合のピン径、多角形断面の場合はその外接円の直径であり、Lはピン最小間隔である。
  8. 対向して配列され被加熱物を誘電加熱する加熱電極であって、該加熱電極の少なくとも一方の加熱電極は、平板電極であり、該平板電極に非加熱部と非接触部となる円形又は多角形状の穴又は凹部が規則的に形成され、前記穴又は凹部同士の間隔は略一定に配置されており、該穴又は凹部により、前記穴又は凹部に隣接する各穴又は凹部の外周を結んだ面積を100としたとき25〜60の範囲で略均一な面積率で非加熱物との非接触部を形成するようにしてなることを特徴とする加熱電極。
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