JP4635294B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波エネルギを用いて被加熱物を誘電加熱する高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波加熱装置のマイクロ波空間である加熱室は、加熱室内に収納された被加熱物の加熱の均一化を図ることに主眼がおかれこの加熱の均一化の手段として、電波攪拌方式、被加熱物回転方式、複数給電方式あるいは加熱室壁面の凹凸形状などが実用化されている。
【0003】
電波攪拌方式は、加熱室内に設けた金属性の板状羽根を回転駆動させる構成からなる。この方式は、加熱室を形成する金属境界面や被加熱物の表面で反射を繰り返しながら伝搬しているマイクロ波が金属性の板状羽根によっても反射する。この金属性の板状羽根からのマイクロ波の反射は、板状羽根が無い場合と比べて、加熱室内でのマイクロ波の伝搬経路を増加させるものであり、被加熱物全体にマイクロ波を乱反射させて被加熱物の加熱の均一化を促進させるものである。
【0004】
被加熱物回転方式は、被加熱物を載置する載置皿を回転駆動させる構成からなる。この方式では、加熱室の構造とその内部に収納した被加熱物の種類や形状等により決定された加熱室内に生じるマイクロ波の伝搬分布に対して、被加熱物の方を移動させ被加熱物全体にマイクロ波を伝搬させ被加熱物の加熱の均一化を促進させるものである。
【0005】
複数給電方式は、加熱室を形成する金属境界面の複数の個所から加熱室内にマイクロ波を給電する構成からなる。この方式は、単一の給電と比べて最も大きな特徴は、位相の異なった複数のマイクロ波が加熱室内に給電されることである。加熱室内に位相の異なるマイクロ波を伝搬させることにより、上記電波攪拌方式と同様に加熱室内にマイクロ波の乱反射状態を生じさせるものである。
【0006】
加熱室壁面の凹凸形状方式は、加熱室を形成する金属境界面に凹凸を設けた構成からなる。この方式は、凹凸を有する金属境界面によってマイクロ波を乱反射させるものである。
【0007】
また特開平8−330066号公報の高周波加熱装置は、加熱室の壁面に流れる高周波電流の流れる方向を可変することにより、加熱室内に生じる励振モードを切換える技術を開示している。この技術は、同一面上に複数個の開口を整列配設した板体を用い、前記板体の前記開口が配設された板体面をマイクロ波キャビティ壁面と略同一面上に配置させ、板体を回転駆動する構成としている。そして、板体を回転して開口の長軸の向きを変えることで加熱室壁面を流れる高周波電流の方向を変えている。この高周波電流の方向を変えることでキャビティ内の励振モードを変更させるものである。これにより、被加熱物に適応した励振モードを選択して被加熱物に合った加熱分布を得ようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電波攪拌方式の加熱室は、金属性板状羽根に入射したマイクロ波の反射方向を四方八方に反射させるものであり、特定領域に向けて反射させることは難しい。また金属性板状羽根を所定位置に停止させた場合でも特定領域を加熱することは難しい。このため、被加熱物の特定領域を選択的に誘電加熱することは困難である。
【0009】
また、被加熱物回転方式は、加熱室内に生じるマイクロ波分布に対して被加熱物自身を回転移動させて被加熱物の加熱の均一化を図るものであり、加熱室内に生じたマイクロ波分布を故意に変化させるものではなく選択された特定領域を加熱することは難しい。
【0010】
複数給電方式は、理想的な挙動としては前述したとおりであるが、一つの給電部から放射されるマイクロ波の挙動が他の給電部から放射されたマイクロ波からの影響を受ける。このため、給電部が複数個あっても、その複数の給電構成によって決定される特定のマイクロ波伝搬が加熱室内に生じ、加熱領域を選択することは難しい。
【0011】
さらに、加熱室壁面の凹凸形状構造は被加熱物の加熱の均一化を促進できうる乱反射を加熱室内に生じさせるものであり、加熱領域を選択することは難しい。
【0012】
さらにまた特開平8−330066号公報の技術は開口を回転させる構成であり、加熱室内で金属部材を回転させることに付随するスパーク発生の解消などの構造の複雑化を伴っている。また、加熱室に放射されたマイクロ波の波長に対して開口の長軸寸法を波長寸法の1/2以上とする開口を回転させる構成であり、この開口を回転させるために必要な回転領域は開口を配設した加熱室の一壁面上で大きな面積を占める。このような大きな構造の場合、加熱室全体のマイクロ波分布が変化するので選択された特定領域にマイクロ波を集中させることが難しい。
【0013】
本発明は、加熱室に生じたマイクロ波分布を故意に可変制御し、被加熱物の加熱の均一化を図るとともに加熱室内の選択された特定領域にマイクロ波を集中させることで被加熱物の中央加熱や周辺加熱を図ることができる高周波加熱装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波加熱装置は上記課題を解決するために、被加熱物を収納する加熱室内に生じたマイクロ波分布を偏向させる手段を備えたもので、この手段としては例えば前記加熱室を形成する金属壁面を流れる高周波電流を分断するように設けた開孔部と、前記開孔部のインピーダンスを可変するインピーダンス可変手段とからなる。
【0015】
上記発明によれば、被加熱物の存在下で加熱室に生じたマイクロ波分布に対してそのマイクロ波分布を偏向させることで、被加熱物に応じたマイクロ波分布の偏向制御により、被加熱物に応じた加熱室内でのマイクロ波の分散化あるいは集中化をすることができ、これによって被加熱物の加熱の均一化を図ったり被加熱物の選択された特定領域にマイクロ波を集中させることができる。そして上記例えばで例示した構成によれば、加熱室に給電されたマイクロ波は加熱室を形成する金属壁面で反射し加熱室内には特定のマイクロ波分布が生じる。そしてこのマイクロ波分布に対応して加熱室を形成する壁面には特定の高周波電流の分布が生じる。この高周波電流の流れを分断するように設けた開孔部のインピーダンス特性を変化させることで、開孔部周辺の高周波電流の流れを変化させる。開孔部周辺の高周波電流を流れにくくすることで、開孔部周辺からマイクロ波を遠ざけることができ、この結果、加熱室内に生じたマイクロ波分布を開孔部と遠い側に偏向することができる。従って開孔部のインピーダンスを可変制御することで加熱室内に生じるマイクロ波分布をさまざまに偏向制御し、被加熱物の加熱の均一化を図るとともに加熱室内の選択された特定領域にマイクロ波を集中させることで被加熱物の中央加熱や周辺加熱を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1の高周波加熱装置は、被加熱物を収納するとともに給電されたマイクロ波をその内部に実質的に閉じ込める金属壁面で構成した加熱室と、前記加熱室を開閉扉側からみて左右方向に3等分して得られる3区分の左右の区分をそれぞれ形成する前記金属壁面を流れる高周波電流を分断するように設けた開孔部と、前記それぞれの開孔部を開放端とし終端を閉じた溝部とその溝部内に回転可能に支持した回転体とその回転体の幅広面を前記溝部の終端面に対して回転駆動する手段とで構成し前記回転体を回転されることで前記開孔部におけるインピーダンス値を少なくとも略零と容量性リアクタンスとに可変するインピーダンス可変手段とを備え、前記インピーダンス可変手段を制御して一方の開孔部に対応する回転体の幅広面をその溝部の終端面に対して略平行に支持することで一方の開孔部のインピーダンス値を略零とし、他方の開孔部に対応する回転体の幅広面をその溝部の終端面に対して略垂直に支持することで他方の開孔部のインピーダンス値を容量性リアクタンスとすることで前記加熱室内に生じたマイクロ波分布を前記容量性リアクタンスのインピーダンス値とした前記他方の開孔部側に偏向させることで前記加熱室内のマイクロ波分布を開閉扉側からみて左右方向に偏向させ、前記被加熱物を加熱することを特徴とするものである。そして、加熱室内に生じるマイクロ波分布は加熱室壁面や被加熱物表面で反射を繰り返しながら伝搬するマイクロ波によって決定される。被加熱物の存在下で加熱室に生じたマイクロ波分布に対してそのマイクロ波分布を偏向させることで、被加熱物に応じたマイクロ波分布の偏向制御により、被加熱物に応じた加熱室内でのマイクロ波の分散化あるいは集中化をすることができ、これによって被加熱物の加熱の均一化を図ったり被加熱物の選択された特定領域にマイクロ波を集中させることができる。
【0017】
また、偏向させる手段である開孔部は複数とし、それぞれの開孔部に形成させるインピーダンス値の組み合わせにより、マイクロ波分布を相反する方向に偏向させることを特徴としている。そして、マイクロ波分布を相反する方向に偏向させることにより被加熱物の加熱したい領域への偏向制御を容易にすることができる。
【0018】
また、偏向させる手段は、前記加熱室を形成する金属壁面を流れる高周波電流を分断するように設けた開孔部と、前記開孔部のインピーダンスを可変するインピーダンス可変手段とから構成したことを特徴としている。そして、開孔部のインピーダンスを零にすると、開孔部周辺の加熱室壁面を流れる高周波電流の流れは分断されない。一方、開孔部のインピーダンスを無限大にすると開孔部周辺の加熱室壁面では高周波電流は全く流れなくなる。開孔部のインピーダンスの変化は、被加熱物を含む加熱室内に生じたマイクロ波分布に直接的に作用しその分布を変化させる。開孔部のインピーダンスを変えることで加熱室内ではマイクロ波伝搬が変わるとともにマイクロ波分布を変えることができる。被加熱物の種類や大きさによって変化するマイクロ波伝搬に直接作用させることで被加熱物に応じた加熱室内のマイクロ波分布の分散化と集中化を図ることができる。
【0019】
また、開孔部のインピーダンスをそれぞれ可変することにより加熱室内のマイクロ波分布を前記開閉扉からみて左右方向に偏向させることを特徴としている。そして、開閉扉からみてマイクロ波分布を左右方向に偏向させることにより、複数の被加熱物を加熱する際に、強めに加熱したい被加熱物の収納領域を明確にさせることができるとともに収納自体が容易にできる利便性を図ることができる。
【0020】
また、インピーダンス可変手段は、それぞれの開孔部を開放端とし終端を閉じた溝部と、前記溝部内に回転可能に支持した回転体と、前記回転体を回転駆動する手段とから構成し、制御手段はそれぞれの回転駆動手段を独立制御および/または連動制御させることを特徴としている。そして、回転体の駆動制御により開孔部のインピーダンスを可変制御するので、可変に要する時間は被加熱物の上昇温度変化に対して極めて短時間に行なうことができる。また、この容易な制御により複数の回転駆動手段をそれぞれ独立に制御することでマイクロ波分布の偏向を維持し特定領域の選択加熱を図ったり、複数の回転駆動手段を連動制御することによりマイクロ波分布の偏向方向を時間的に変化させて加熱の均一化を図ることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施例1を示す高周波加熱装置の外観構成図、図2は図1の要部断面構成図である。
【0022】
図1および図2において、加熱室10は金属材料から構成された金属境界部である右側壁面11、左側壁面12、奥壁面13、上壁面14、底壁面15及び被加熱物を加熱室10内に出し入れする開閉壁面である開閉扉16により略直方体形状に構成され、給電されたマイクロ波をその内部に実質的に閉じ込めるように形成している。17は加熱室10に給電するマイクロ波を発生するマイクロ波発生手段であるマグネトロン、18はマグネトロン17が発生したマイクロ波を加熱室10に導く導波管、19は加熱室10と導波管18とをマイクロ波的に結合するとともにマグネトロン17が発生したマイクロ波を加熱室10内に放射する給電口であり開閉扉16から見て奥壁面13の左右方向の略中央に設けている。20は周回線を示し、給電口19の左右方向の略中央に生じる電気力線の方向と同じ方向に加熱室10を周回した時の基準線である。
【0023】
21、22は周回線20を線対称として奥壁面13に形成した開孔部であり、略矩形の孔形状としている。開孔部21、22にはそれぞれの開孔部のインピーダンスを変化させるためのインピーダンス可変手段23、24を加熱室10の外側に設けている。このインピーダンス可変手段は、それぞれの開孔部21、22と空間的に連続して形成している。インピーダンス可変手段の詳細な説明は後述するが、概要を図2を用いて説明する。図2では開孔部21に接続したインピーダンス可変手段23の断面構成を示している。インピーダンス可変手段23は、開孔部21を開放端とし終端25を閉じた溝部26と、溝部26内において回転可能に支持した使用するマイクロ波周波数帯において誘電損失が小さくかつ材料の比誘電率が望ましくは7以上の誘電体材料の回転体27とから構成している。また、回転体27の回転支持角度を検出する角度検出手段28と回転体27を回転駆動する回転駆動手段29を備えている。なお、一方の開孔部22も同様のインピーダンス可変手段を設けている。また底壁面15および上壁面14の加熱室10の外側には輻射加熱用のヒータ(図示していない)を設けている。
【0024】
また、30は装置本体前面に設けられた操作部であり、操作部30内には被加熱物の加熱領域を選択する加熱領域選択入力部31と被加熱物へのマイクロ波の流れを表示する表示手段32を設けている。これらについての詳細は後述する。
【0025】
33はマグネトロン17を駆動するインバータ駆動電源部、34は装置全体の
動作を制御する制御手段である。35は赤外線温度検出手段であり右側壁面11に設けた孔36を介して被加熱物の表面温度を検出し検出した信号は制御手段34に入力させている。制御手段34は、操作部30から入力された加熱情報、赤外線温度検出手段35および角度検出手段28からの信号に基いて、インバータ駆動電源部33の動作および回転体27を回転駆動する回転駆動手段29の動作を制御して加熱室10内に収納された被加熱物を誘電加熱する。
【0026】
また37は被加熱物を載置するセラミック材料からなる載置台、38は開閉扉16の略中央部に配設され加熱室10内を透視できるパンチング孔構成の透視窓、39は開閉扉16の閉成状態を判別するドアラッチスイッチである。
【0027】
図3は図1の操作部の拡大構成図、図4(a)から図4(d)は図3の要部の制御内容に伴う表示例を示す。図において、本発明に係る特徴的な構成について説明する。操作部30には、被加熱物を加熱調理する際に使用者が選択入力する様々な入力アイテムを配置している。その一つは、被加熱物の加熱方法メニューに係る選択入力アイテムであり、「解凍」キー40、再加熱用の「あたため」キー41および「オーブン」キー42を配置している。これらの入力キーは被加熱物の誘電加熱あるいは輻射加熱を自動制御するものであり、各入力情報に基いて制御手段34はインピーダンス可変手段23、24を予め決定した制御内容に基いて制御する。
【0028】
一方被加熱物の誘電加熱を使用者の意図に基いて実行する入力キーとして、操作部30内には被加熱物の加熱領域を選択する加熱領域選択入力部31と被加熱物へのマイクロ波の流れを表示する表示手段32を配設している。加熱領域選択入力部31は、加熱室10内に収納され誘電加熱される被加熱物に対して開閉扉16から見た時に、加熱室10の左側にマイクロ波分布を偏向させて被加熱物の左側あるいは左側に置かれた被加熱物を加熱する加熱アイテム「左」キー43、加熱室10の略中央を加熱領域とする加熱アイテム「中央」キー44、加熱室10の右側にマイクロ波分布を偏向させて被加熱物を加熱する加熱アイテム「右」キー45および加熱室10全体にマイクロ波を分散して被加熱物全体を加熱する加熱アイテム「全体」キー46を配置させている。また、表示手段32は、表示手段の中央に被加熱物の絵柄47を配置するとともに被加熱物に対して左右および上方からマイクロ波が伝搬される様子を矢印48〜50にて表現した表示内容を表示できるようにしている。図1ないし図3に示した表示手段32は、加熱アイテムとして「中央」が選択入力された場合を示し、マイクロ波の伝搬を示す矢印は上方向50が表示されることを示したものである。なお、左右の破線で示した矢印48、49は、表示内容の説明をするために示したものであり、実使用環境においては図4に示したように表示されない。また、表示手段32の中央に表示させる被加熱物の絵柄47a〜47dは図4に示したように各加熱アイテムに対応してその内容を変更させ、使用者が所望する加熱モードを使用者は視覚的に確認でき利便性を高めている。
【0029】
すなわち、図4(a)は、絵柄47aがコーヒーとハンバーグを加熱することを表示しコーヒーをハンバーグに対してより強く加熱させることを示している。図4(b)は、絵柄47bが偏平で小さな容器に盛られた食材を加熱することを表示しその食材の空間領域にマイクロ波を集中させることを示している。図4(c)は、絵柄47cが混載食材を加熱することを表示し例えば右のハンバーグを左の野菜に対してより強く加熱させることを示している。また図4(d)は、絵柄47dが量の多い被加熱物を加熱することを表示しマイクロ波を全体的に分散させて加熱することを意味している。なお、上述した絵柄については、形状選択キー51を押すことで異なる絵柄を表示させることができる。
【0030】
52〜54は被加熱物の加熱時間を入力指定するキーであり、55は加熱開始を入力する「スタート」キー、56は入力条件をクリアしたり加熱を中断する場合に使用する「取消」キーである。
【0031】
図5は本発明の実施例1を示すインピーダンス可変手段の外観構成図である。図5において、インピーダンス可変手段60は、金属部材で構成した箱型部61を本体とし、加熱室壁面に組立実装することで溝部を形成する構成としている。その箱型部61内には、板状構造の回転体62を設けている。この回転体62の両端には回転体62を回転させるための回転軸63、64を設け、回転軸63は箱型部61の壁面に設けた孔に挿入しその孔で回転支持している。一方、回転軸64には回転体62を回転駆動する手段であるステッピングモータ65の出力シャフトと連結させている。66は回転軸64に設けた回転角度検出のための遮光部であり、回転角度検出手段としてフォトインタラプタ(図示していない)を用いている。67〜70は加熱室実装用フランジであり、加熱室壁面にスポット溶接組立する。71は回転体62を箱型部61内に実装するための孔である。箱型部61の具体的な構成寸法としては、幅が80mm、長さがLa+Lb、高さが20mmである。LaおよびLb寸法は回転体62の中心から箱型部61のそれぞれの端面までの長さである。このような構成のインピーダンス可変手段を加熱室に実装する場合、箱型部62のLa寸法側の所定位置に開孔部72を配置する。この結果、箱型部61と加熱室壁面で形成される溝部の終端は図5において箱型部61を形成する壁面73である。回転体62の支持角度は回転体62の幅広面62aが壁面73に対して略平行の状態を0度と規定する。回転体62は、200℃以上の耐熱温度を有しマイクロ波帯で低誘電損失の特性を有する樹脂材料あるいは無機材料の非金属材料を基材とし、その基材を所定の板厚さにそれぞれ成形あるいは焼成成形加工して構成している。
【0032】
次に図6について説明する。図6は本発明のインピーダンス可変手段の特性を示すもので、開孔部における電圧反射係数の位相値特性を示している。なお、インピーダンス可変手段の構成は、以下の通りである。開孔部形状は、長軸が80mm、その短軸が20mmである。また箱型部61のLb寸法は20mm、回転体62は、比誘電率が12.3、板厚さtが5.0mm、板部の幅寸法と長さ寸法はそれぞれ18mm、78mmである。
【0033】
図6は上記構成のインピーダンス可変手段においてLa寸法の変化に対する開孔部72における電圧反射係数S11の位相値の特性を示し、実線74は回転体62の支持角度が0度、破線75は支持角度が90度の特性である。
【0034】
図6において、矢印76すなわちLa=30mmの構成とすることで開孔部72における電圧反射係数S11の位相値を略±180度から略−30度の範囲で可変させることができることが認められる。また、矢印77すなわちLa=50mmの構成とすることで開孔部における電圧反射係数S11の位相値を略+90度から±180度を通って略−135度の範囲に可変させることができる。すなわち、この場合、回転体62を回転させることで開孔部72には誘導性リアクタンス成分(位相値範囲:+90度から±180度)と容量性リアクタンス成分(位相値範囲:±180度から略−135度)値を存在させることができることが認められる。
【0035】
そして矢印76で示す特性を備えたインピーダンス可変手段を用いれば、回転体62の支持角度を0度とすると開孔部における電圧反射係数の位相値が±180度、すなわち開孔部のインピーダンスが零となるので開孔部を金属壁面と同様の作用にさせることができ、インピーダンス可変手段を使用しない加熱室のマイクロ波特性との偏向性能比較を容易にチェックできる。
【0036】
一方矢印77で示す特性を備えたインピーダンス可変手段を用いれば、回転体62を回転させることで開孔部には誘導性リアクタンス成分と容量性リアクタンス成分との両者のインピーダンスを形成させることができる。
【0037】
このように回転体62の支持角度を変化させることで、開孔部72のインピーダンスを変化させる開孔部72を設けた加熱室においては、回転体の支持角度を変化させて加熱室に生じるマイクロ波分布を変化させてマイクロ波分布を偏向させることができる。この現象を利用することで被加熱物の加熱領域の可変制御が実現できる。そしてこのような制御を用いることで被加熱物の誘電加熱においてユーザが希望する加熱領域を指定することを可能にできる。また誘電体材料からなる回転体を回転させる簡易な構成により誘電加熱中にもスパーク発生することなくすばやくマイクロ波分布を変化させることができ、加熱進行に伴うきめ細やかな加熱制御を行なうことができる。
【0038】
次に以上の構成からなる本発明の高周波加熱装置の動作と作用について説明する。まず加熱室10内に生じさせるマイクロ波分布について説明する。載置台37の存在を含めて加熱室10には開閉扉16からみた加熱室10の左右方向にマイクロ波分布を偏向させることを目的としてこの左右方向に生じる定在波の山の数を奇数に選択している。加熱室容積が30リットルクラスの場合、選択するマイクロ波分布は、例えばTE531、TE342、TE522などである。ここでTEは高周波電界がマイクロ波の伝搬方向に対して垂直方向に生じるマイクロ波分布のモードを示し、添え字の数値はそれぞれ加熱室10の図1においては右側壁面11と左側壁面12との間に生じる定在波の山の数、図1において奥壁面13と開閉扉16との間に生じる定在波の山の数および底壁面15と上壁面14との間に生じる定在波の山の数を示す。
【0039】
次に開孔部21、22について説明する。開孔部21、22は加熱室10内に生じさせたマイクロ波分布によって生じる各金属壁面を流れる高周波電流の流れを分断する方向に長軸寸法を有する略矩形形状にて構成している。図1の加熱室10はマイクロ波分布としてTE342を選択して構成したものである。そして開孔部の配設位置は以下の通りである。まず開閉扉16からみて加熱室10の左右方向における開孔部の配設位置は、加熱室10の左右方向寸法を3等分して得られる3区分の左右の区分とする。真中の区分には給電口19を設ける。また、加熱室10の高さ方向における開孔部の配設位置は、高さ方向の定在波の山の数が2であることから、底壁面15からの配設高さ方向寸法を加熱室10の高さ寸法の略4分の3とする。このように開孔部を配設することでマイクロ波分布TE342に対応して加熱室壁面に分布する高周波電流を分断することができる。開孔部21、22のインピーダンスを零にすると高周波電流の流れは分断されないので加熱室10内に生じさせたマイクロ波分布は何ら変化しない。一方、開孔部21、22のインピーダンスを零以外の値に変化させることで高周波電流の流れが変わり加熱室10内に生じさせたマイクロ波分布は初期の分布から変化する。そして開孔部のインピーダンスを時間的に変化させることで加熱室内ではマイクロ波が多重伝搬し、マイクロ波分布の偏向方向を変化させることができるので、加熱室10内に載置された被加熱物の加熱分布を変化させて被加熱物をより均一に加熱させたり特定領域を選択的に加熱することができる。
【0040】
次に以上に説明したインピーダンス可変手段を図1に示す加熱室に実装した時の加熱室に生じるマイクロ波分布への作用および被加熱物への加熱分布作用について図7および図8を用いて説明する。
【0041】
図7は、La寸法を30mmとしたインピーダンス可変手段を実装した加熱室10の略中央に擬似負荷を収納した状態における加熱室10の上壁面14近傍に生じたマイクロ波分布特性を示す。擬似負荷は、底面が100mm平方の容器にアドヘア合成糊200gを入れた負荷を用いた。図7(a)は開孔部21、22におけるインピーダンス値をそれぞれ略零、すなわち開孔部21、22のそれぞれに対応するインピーダンス可変手段23、24の回転体の支持角度を0度(0/0と記す。以下同様の表記とする)とした時を示し、図7(b)は開孔部22のインピーダンス値を略零としてままで開孔部21のインピーダンス値を容量性リアクタンスとした時(90/0)を示す。また図8(a)、(b)は図7(a)、(b)にそれぞれ示したマイクロ波分布のもとで擬似負荷であるアドヘア合成糊を誘電加熱した時の加熱分布を示す。図8においてアドヘア合成糊の白濁領域を斜線にて示す。アドヘア合成糊は約45℃以上になるとその領域が白濁することから、図8において斜線で示した領域が強めに加熱されることを示している。図7および図8より、開孔部21のインピーダンス値を容量性にすることで加熱室10の上壁面14近傍のマイクロ波分布は開孔部21を設けた加熱室側(すなわち開閉扉16からみて加熱室10の左側)に偏向した分布となり、載置台37上の被加熱物は開孔部21を配設した加熱室側と相反する側(すなわち開閉扉16からみて加熱室10の右側)が強めに加熱されているが認められ、開孔部のインピーダンスを可変制御することで加熱室10内に生じるマイクロ波分布を特定の方向に偏向させることができることが認められた。
【0042】
この特性に基づいて、図3に示した操作部30に示した加熱アイテムの個々に対し開閉扉16からみて左側にあるインピーダンス可変手段23と右側にあるインピーダンス可変手段24のそれぞれの回転体の回転支持角度の規定内容の具体的な実施形態としては、「左」キー43は左側のインピーダンス可変手段23の回転体の支持角度が0度であり右側にあるインピーダンス可変手段24の回転体の支持角度が90度(0/90と記す、以下同様)、「中央」キー44はそれぞれの支持角度が(90/90)、「右」キー45はそれぞれの支持角度が(90/0)および「全体」キー46はそれぞれの回転体を所定速度で連続回転、例えば左側が毎分15回転とし右側が毎分3回転(*15/*3と記す、以下同様)、としている。そして加熱室内のマイクロ波の流れを表示したことにより、ユーザは選択した加熱アイテムの内容を容易に確認できるとともに加熱後の加熱状態と選択した加熱アイテムとの整合性を認識できるので使い勝手の良い装置とすることができる。
【0043】
次に上記構成からなる高周波加熱装置の操作手順と制御内容について図9を用いて説明する。被加熱物を加熱室内に収納載置した後、使用者はその被加熱物を加熱するための加熱条件を決めて上述した入力アイテムの一つを選択する(S101)。次に加熱時間を入力(図3の52〜54で指定する)した後、図3に示した「スタート」キー55を押す(S102)ことで被加熱物の誘電加熱が開始される。なお、S103は「スタート」キー55が押されたことを確認するものであり、「スタート」キー55に先立って「取消」キー56が押されるとS101に戻る。なお、入力アイテムの選択において、自動加熱調理アイテムである「あたため」キーあるいは「解凍」キーが選択された場合は、加熱時間を入力することなくS102に進む。また、この場合において被加熱物の表面温度を検出する手段を備えている場合には、希望の加熱終了温度を加熱時間を入力するキー52〜54を用いて入力するようにしても構わない。
【0044】
制御手段34は、操作部30からの入力情報に基いて、回転体の回転駆動手段を動作させて回転体をそれぞれ所望の支持角度にセットしたり連続回転させたりする。回転体を所望の支持角度にセットする場合は、回転体の支持角度が0度の位置を検知した後、所望の支持角度に回転体をセットする(S104)。S105でインバータ駆動電源部33の動作を開始させマグネトロン17からマイクロ波を発生させる。
【0045】
S106で被加熱物の加熱状態を監視し、S107の加熱終了判定が「Yes」になると加熱終了と判定してS108でインバータ駆動電源部33の動作を停止し、S109で回転体の支持角度を0度にリセットして回転駆動手段の通電を停止させて被加熱物の誘電加熱を完了する。
【0046】
S106からS107の加熱状態の監視とそれに基づく終了判定の内容は、操作部30から入力された加熱時間の情報や赤外線温度検出手段35の検出信号に基いて時々刻々の加熱情報を終了判定基準と照合あるいはインピーダンス可変条件と比較して実行させる。
【0047】
なお、加熱情報は上記の情報に限定されるものではなく、例えば被加熱物が発生するガスや水蒸気を検知するセンサ情報に基づいても構わない。
【0048】
次に制御手段34のより具体的な制御内容を図10から図13を用いて説明する。
【0049】
図10は、「全体」加熱アイテムの制御例であり、制御手段34はマイクロ波発生手段であるマグネトロン17のマイクロ波出力の制御とインピーダンス可変手段のそれぞれの回転体の回転速度の連動制御とを行う。すなわち、加熱室全体にマイクロ波を分散させることを目的としてそれぞれの回転体の回転速度を連動制御し一方を毎分15回転とし他方を毎分3回転(*15/*3)とする。また、加熱開始初期はマイクロ波出力を大きくし、入力された加熱時間の80%の時間以降はマイクロ波出力を低下させるように制御し、被加熱物の加熱の均温化を図る。なお、マイクロ波出力の制御は行わなくても構わない。
【0050】
図11は、「解凍」キーの自動加熱調理制御例であり、終了温度は5℃とした場合の制御例である。制御手段34は赤外線温度検出手段35から得られる温度情報に基づいてそれぞれの回転体およびインバータ駆動電源部を制御する。赤外線温度検出手段35は複数の検出素子、たとえば32個(8x4配列)で構成し、加熱室10の左右方向と奥行き方向のそれぞれの8個所と4個所の領域の温度を検出するように配置している。また、制御手段34は検出した温度情報を加熱室10の左右方向に対して8つの領域に区分し、各区分における温度情報の最高温度に基づいて各種の制御を実行する。
【0051】
制御手段34は加熱初期は回転体をそれぞれ(*15/*3)とし、被加熱物の存在位置を確認する。これにより制御手段34は被加熱物の存在位置に対応する検出素子の温度情報のみを制御用の信号として取り扱う。制御手段34は制御信号として取り扱う温度情報の最高値が0℃を超過するまでは回転体の制御条件は(*15/*3)としてマイクロ波を分散させるとともにマイクロ波は最大出力で加熱室に供給する。検出した温度の最高値が0℃を超過するとマイクロ波の出力を約200Wに低下させる。この条件の下での加熱継続期間において、制御手段34は加熱室10の左右方向の8個の温度情報に基づいて制御する。加熱室の左側に相当する3個の温度情報の中の最高温度と中央に相当する2個の温度情報と右側に相当する3個の温度情報の中の最高温度とを比較しそれぞれの最高温度の温度差が3℃を超過すると回転体の支持角度を制御して温度の低い領域に相当する側にマイクロ波分布を偏向させるように制御する((90/0)、(0/90)および(90/90)から自動選択)。被加熱物の存在位置に対応する温度情報の最高温度が終了温度である5℃を超過するまで自動的にこの制御を実行し、終了温度を超過すると加熱を終了する。
【0052】
図12は、使用者の意図に基づく選択加熱アイテム条件と加熱時間条件とが入力された加熱制御例を示し、制御手段34は回転体の動作に対しては入力された選択加熱条件に対応する角度に回転体をそれぞれ規定制御する。また、マイクロ波出力に関しては入力指定された時間の90%までは最大出力とし、90%を超過した時間においては、出力を低下させるとともに回転体の動作を(*15/*3)として終了時間まで加熱を実行する。なお、この角度規定に対しては、規定の支持角度を中心として支持角度を前後に振動させることで被加熱物の載置場所に余裕度を持たせ使い勝手をより高めることができる。また、マイクロ波出力の制御はなくても構わない。
【0053】
図13は、「あたため」キーの自動加熱制御例であり、終了温度を75℃とした場合の制御例を示す。制御手段34は加熱開始から30秒間は回転体をそれぞれ(*15/*3)とし、被加熱物の存在位置を確認する。また、30秒経過以降は上述したとおり8個の温度情報に基づいて制御する。左側、中央および右側の各領域のそれぞれの最高温度の温度差が7℃を超過すると回転体の支持角度を制御して温度の低い側にマイクロ波分布を領域偏向させるように制御する((90/0)、(0/90)および(90/90)から自動選択)。検出した温度情報の最高値が指定の終了温度の−10℃に到達するまで自動的にこの制御を実行し指定の終了温度の−10℃に到達すると回転体の制御条件は(*15/*3)としてマイクロ波を分散させるとともにマイクロ波出力を初期の約50%に低下させる。この後、検出した最高温度が指定した終了温度を超過することで加熱を終了する。
【0054】
以上の制御例が示すように、インピーダンス可変手段を時々刻々と変化する被加熱物からの物理情報に基いて制御することで被加熱物をより効果的に全体加熱あるいは領域選択加熱することができる。また、左右の加熱領域を指定して被加熱物を誘電加熱することができる機能を操作パネルに付与したことで高周波加熱装置の取り扱いをガスコンロを使用するがごとくの取り扱いにさせることができユーザの利便性を飛躍的に向上させることができる装置を提供する。
【0055】
なお、加熱情報は被加熱物の加熱方法として使用者が選択入力する情報において高周波加熱装置が検出困難な情報として位置づけされる情報(たとえば被加熱物の種類、被加熱物の形状、収納された容器の個数)は、操作上の煩雑さを考慮すれば、音声入力やバーコード入力によって識別させるのが望ましい。
【0056】
また、オーブン加熱においてマイクロ波を供給する場合にも上述したインピーダンス可変手段の制御内容を用いることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば以下の効果を有する。
【0058】
請求項1の高周波加熱装置によれば、加熱室内に生じたマイクロ波分布をさまざまに偏向制御することで、収納された被加熱物に応じて加熱室内でのマイクロ波の分散化あるいは集中化をすることができ、これによって被加熱物の加熱の均一化を図ったり被加熱物の特定領域にマイクロ波を集中させることができる。
【0059】
また、マイクロ波分布を相反する方向に偏向させることにより被加熱物の加熱したい領域への偏向制御を容易にすることができる。
【0060】
偏向手段は、加熱室を形成する金属壁面を流れる高周波電流を分断するように設けた開孔部と、前記開孔部のインピーダンスを可変するインピーダンス可変手段とから構成したことにより、開孔部のインピーダンスを変えることで加熱室内ではマイクロ波伝搬が変わるとともにマイクロ波分布を変えることができる。被加熱物の種類や大きさによって変化するマイクロ波伝搬に直接作用させることで被加熱物に応じた加熱室内のマイクロ波分布の分散化と集中化を図ることができる。
【0061】
また、加熱室内のマイクロ波分布を開閉扉からみて左右方向に偏向させることにより、複数の被加熱物を加熱する際に、強めに加熱したい被加熱物の収納領域を明確にさせることができるとともに収納自体が容易にできる利便性を図ることができる。
【0062】
また、回転体の駆動制御により開孔部のインピーダンスを可変制御するので、可変に要する時間は被加熱物の上昇温度変化に対して極めて短時間に行なうことができる。また、この容易な制御により複数の回転駆動手段をそれぞれ独立に制御することでマイクロ波分布の偏向を維持し特定領域の選択加熱を図ったり、複数の回転駆動手段を連動制御することによりマイクロ波分布の偏向方向を時間的に変化させて加熱の均一化を図ることができる。
【0063】
また、インピーダンス可変手段は、開孔部のインピーダンス値を少なくとも零を含む範囲に可変できる構成としたことにより、開孔部のインピーダンス値が零ということは開孔部を設けない場合に相当し、加熱室内に生じさせるマイクロ波分布およびマイクロ波分布の偏向性能の良し悪しの評価を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の高周波加熱装置の外観構成図
【図2】 図1の高周波加熱装置の要部断面図
【図3】 図1の操作部の拡大構成図
【図4】 (a)〜(d)は図3の操作部のそれぞれの操作に対する表示例を示す図
【図5】 本発明の実施例1のインピーダンス可変手段の外観構成図
【図6】 図5のインピーダンス可変手段の特性図
【図7】 (a)(b)は図1の高周波加熱装置に生じる電界分布特性図
【図8】 (a)(b)は図1の高周波加熱装置を用いて擬似負荷を加熱した時の加熱分布図
【図9】 本発明の実施例1の高周波加熱装置の制御内容を示すフローチャート
【図10】 図1の高周波加熱装置の第一の制御内容を示す図
【図11】 図1の高周波加熱装置の第二の制御内容を示す図
【図12】 図1の高周波加熱装置の第三の制御内容を示す図
【図13】 図1の高周波加熱装置の第四の制御内容を示す図
【符号の説明】
10 加熱室
16 開閉扉
17 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
19 給電口
20 周回線
21、22、72 開孔部
23、24、60 インピーダンス可変手段
25、73 溝部の終端
26 溝部
27、62 回転体
29、65 回転駆動手段
30 操作部
34 制御手段
35 赤外線温度検出手段

Claims (1)

  1. 被加熱物を収納するとともに給電されたマイクロ波をその内部に実質的に閉じ込める金属壁面で構成した加熱室と、前記加熱室を開閉扉側からみて左右方向に3等分して得られる3区分の左右の区分をそれぞれ形成する前記金属壁面を流れる高周波電流を分断するように設けた開孔部と、前記それぞれの開孔部を開放端とし終端を閉じた溝部とその溝部内に回転可能に支持した回転体とその回転体の幅広面を前記溝部の終端面に対して回転駆動する手段とで構成し前記回転体を回転されることで前記開孔部におけるインピーダンス値を少なくとも略零と容量性リアクタンスとに可変するインピーダンス可変手段とを備え、前記インピーダンス可変手段を制御して一方の開孔部に対応する回転体の幅広面をその溝部の終端面に対して略平行に支持することで一方の開孔部のインピーダンス値を略零とし、他方の開孔部に対応する回転体の幅広面をその溝部の終端面に対して略垂直に支持することで他方の開孔部のインピーダンス値を容量性リアクタンスとすることで前記加熱室内に生じたマイクロ波分布を前記容量性リアクタンスのインピーダンス値とした前記他方の開孔部側に偏向させることで前記加熱室内のマイクロ波分布を開閉扉側からみて左右方向に偏向させ、前記被加熱物を加熱することを特徴とする高周波加熱装置。
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