JP2003212175A - 自動二輪車の車体前部構造 - Google Patents

自動二輪車の車体前部構造

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JP2003212175A
JP2003212175A JP2002017300A JP2002017300A JP2003212175A JP 2003212175 A JP2003212175 A JP 2003212175A JP 2002017300 A JP2002017300 A JP 2002017300A JP 2002017300 A JP2002017300 A JP 2002017300A JP 2003212175 A JP2003212175 A JP 2003212175A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンス作業に際してラジエータを回動
させる構成とされている場合に、その作業性の向上を図
る。 【解決手段】 エンジン121の前側シリンダ131の
メンテナンス(例えば、スパークプラグの点検、交換)
に際して、ラジエータ50の下部を前方に移動させるよ
うにして、ラジエータ50を上部支持位置を軸にして回
動させる。このとき、ラジエータ50の両側部がカウリ
ングインナー4の導風板部9L、9Rに形成された傾斜
部19に当接し、ラジエータ50の回動に伴ってラジエ
ータ50により傾斜部19が押圧されて樹脂製のカウリ
ング1(カウリングサイド3L、3R、カウリングイン
ナー4の導風板部9L、9R)が側方に押し広げられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車の車体
前部構造に関し、特に、エンジンの前方に配置されたラ
ジエータの上部が車体の前後方向に回動可能に支持さ
れ、下部が取り外し可能に支持される構成とした場合に
用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開2000−177404号
公報には、V型2気筒のエンジンが搭載された自動二輪
車において、エンジンの前方に、エンジンの前側シリン
ダの前上方を覆うように車体フレームとエンジンとによ
り支持されるラジエータを搭載することが開示されてい
る。
【0003】この種の自動二輪車では、エンジンの前側
シリンダのメンテナンス作業(例えば、前側シリンダの
スパークプラグの点検、交換)に際して、ラジエータの
下部(エンジン側)の取付ボルトを取り外し、ラジエー
タの下部を前方に移動させるようにして、ラジエータを
上部(車体フレーム側)の取付ボルトを軸にして回動さ
せる。
【0004】これにより、エンジンの前側シリンダとラ
ジエータとの間の隙間が拡大するので、その隙間にプラ
グレンチ等の工具を挿入することができ、ラジエータ等
を取り外さなくても、前側シリンダのメンテナンス作業
を容易に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車種によっ
ては自動二輪車の車体前部をカウリングで覆うことがあ
る。この場合に、ラジエータに走行風を効率よく導入す
るために、カウリングの内側には、ラジエータの前方の
左右両側でラジエータに対してほぼ垂直に配設される導
風板部が設けられる。
【0006】しかしながら、ラジエータの前方にカウリ
ング(導風板部)が位置すると、上述したようにラジエ
ータを回動させるときにラジエータが導風板部にぶつか
ってしまい、それ以上ラジエータを回動させることがで
きず、エンジンの前側シリンダとラジエータとの間の隙
間を十分に確保することができない。そのため、カウリ
ングを車体から取り外したり、作業者がカウリングを側
方に押し広げつつラジエータを左右両側の導風板部間ま
で動かしたりしなければならず、作業性が悪くなってい
た。
【0007】本発明は上記のような点に鑑みてなされた
ものであり、メンテナンス作業に際してラジエータを回
動させる構成とされている場合に、その作業性の向上を
図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の自動二輪車の車
体前部構造は、車体フレームにより支持され前方に傾斜
して配置されるシリンダを備えたエンジンと、上記エン
ジンの前方に配置されたラジエータと、上記エンジン及
び上記ラジエータを含む車体前部を覆う弾性変形可能な
材質からなるカウリングとを備え、上記ラジエータの上
部は車体の前後方向に回動可能に支持され、下部は取り
外し可能に支持される構成とした自動二輪車の車体前部
構造であって、上記カウリングには、上記ラジエータの
前方にラジエータへの冷却風取り入れ口を開口するとと
もに、上記冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端から
上記ラジエータの前面近傍まで延在して上記ラジエータ
のコア部へ冷却風をガイドする導風板部を設け、この導
風板部の後端に上記ラジエータの左右方向外側へ向かっ
て傾斜する傾斜部が形成され、上記ラジエータの回動に
伴って上記導風板部の傾斜部が押圧されて左右方向に押
し広げられる構成とした点に特徴を有する。
【0009】また、本発明の自動二輪車の車体前部構造
の他の特徴とするところは、上記カウリングの導風板部
に上記ラジエータを前方に回動させた状態に保持するス
トッパ構造が設けられている点にある。
【0010】本発明の別の自動二輪車の車体前部構造
は、車体フレームにより支持され前方に傾斜して配置さ
れるシリンダを備えたエンジンと、上記エンジンの前方
に配置されたラジエータと、上記エンジン及び上記ラジ
エータを含む車体前部を覆う弾性変形可能な材質からな
るカウリングとを備え、上記ラジエータの上部は車体の
前後方向に回動可能に支持され、下部は取り外し可能に
支持される構成とした自動二輪車の車体前部構造であっ
て、上記ラジエータの左右方向一側に前方へ突出するよ
うにリザーバタンクを固定して、上記カウリングの外壁
を形成するカウリングサイドと、上記ラジエータの前方
に開口するラジエータへの冷却風取り入れ口の左右両側
に開口前端から上記ラジエータの前面近傍まで延在して
上記ラジエータのコア部へ冷却風をガイドする導風板部
との間に配設するとともに、上記リザーバタンクの外形
を上記ラジエータの上部回動軸と略同心円弧のカーブ状
に形成した点に特徴を有する。
【0011】また、本発明の別の自動二輪車の車体前部
構造の他の特徴とするところは、上記導風板部に上記リ
ザーバタンクの外形と略同心円弧状の切欠き部を設ける
とともに、上記リザーバタンクの側面を上記導風板部の
側面と面一に形成して上記冷却取り入れ口に臨ませた点
にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
よる自動二輪車の車体前部構造の好適な実施の形態を説
明する。
【0013】図1、2には、本実施の形態の自動二輪車
の全体構成を示す。まず、自動二輪車100の全体構成
を説明すると、鋼製或いはアルミニウム合金材でなる車
体フレーム101の前部には、ヘッドパイプに内挿され
たステアリングステムによって左右に回動可能に支持さ
れる2本のフロントフォーク102が設けられる。ステ
アリングステムの上端にはハンドルバー103が固定さ
れ、ハンドルバー103に左右一対のサイドミラー10
4が立設するとともに、ハンドルバー103の両端にグ
リップ105が備えられる。グリップ105の前部には
プロテクタ106が配置される。
【0014】フロントフォーク102の下部には前輪1
07が回転可能に支持されるとともに、前輪107の上
部を覆うようにフロントフェンダ108が固定される。
前輪107は、前輪107と一体回転するブレーキディ
スク109と、フロントフォーク102によって支持さ
れるブレーキパッド110とを有する。
【0015】前輪107の上方で車体フレーム101の
前部には、ヘッドパイプや燃料タンク124等を覆うカ
ウリング1が被着する。カウリング1は上部のスクリー
ン112や前端部のヘッドライト113等を含み、また
左右両外側に一対の方向指示灯(ウィンカ)114が突
設される。カウリング1の内側においてフロントフォー
ク102の上部付近には、スピードメータ、タコメータ
或いは各種インジケータランプ等を含むメータユニット
が搭載される。
【0016】車体フレーム101の後部には、スイング
アーム116がピボット117を介して揺動可能に設け
られるとともに、車体フレーム101とスイングアーム
116の間にリヤサスペンションが装架される。スイン
グアーム116の後端には後輪118が回転可能に支持
され、後輪118はチェーン119が巻回されたドリブ
ンスプロケット120を介して回転駆動されるようにな
っている。また、後輪118の上部を覆うようにリヤフ
ェンダ115が固定される。
【0017】車両の略中央部には、車体フレーム101
により支持されるV型2気筒のエンジン121が搭載さ
れる。エンジン121には空気と燃料との混合気が供給
され、エンジン121での燃焼後の排気ガスは、エキゾ
ーストパイプ122及びこれに接続するマフラ123を
介して車両後部より排気される。エンジン121の前方
には、詳しくは後述するが、ラジエータ50が配置され
る。
【0018】エンジン121の上方には、燃料タンク1
24が設けられる。また、燃料タンク124の後方に
は、シート125が連設される。シート125はシート
レール上に支持され、シート125の側部下方にはサイ
ドカバー126が、シート125の後方にはリヤキャリ
ヤ127が取り付けられる。
【0019】図3には、本実施の形態の自動二輪車のエ
ンジンまわりを示す。同図に示すように、本実施の形態
の自動二輪車ではバックボーン型の車体フレーム101
が採用されており、ヘッドパイプ128、ヘッドパイプ
128から左右両側に分かれて伸延するトラスフレーム
129、トラスフレーム129の後端から略下方に突出
するボディフレーム130等により構成される。
【0020】エンジン121は、複数のエンジンマウン
ト135を介してトラスフレーム129及びボディフレ
ーム130により支持される。本実施の形態の自動二輪
車で採用されているV型2気筒のエンジン121は、前
側シリンダ131と後側シリンダ132とが前後に約9
0度ずらして設けられており、車体への搭載状態で、前
側シリンダ131は前方に傾斜して、トラスフレーム1
29より下方でトラスフレーム129と略平行に配置さ
れ、後側シリンダ132は斜め上方に傾斜して、左右の
トラスフレーム129間に配置される。
【0021】また、左右のトラスフレーム129間に
は、エンジン121の前側シリンダ131及び後側シリ
ンダ132に挟まれる形でエアクリーナ133が配置さ
れる。エアクリーナ133はスロットルボディ134を
介して前側シリンダ131及び後側シリンダ132に接
続されており、エアクリーナ133から供給される空気
と各スロットルボディ134に取り付けられたインジェ
クタから噴射される燃料との混合気がエンジン121に
供給される。なお、図1に示した燃料タンク124は、
エアクリーナ133の上方、側方、及び後方から覆う形
で搭載される。
【0022】エンジン121の前方にはトラスフレーム
129のヘッドパイプ128側とエンジン121の前側
シリンダ131とを掛け渡すようにラジエータ50が配
置される。
【0023】図4は、図3のIV方向矢視図である。ラ
ジエータ50の上面には左右位置でブラケット51、5
2が上方に突出するよう固定されており、右側(図面
左)のブラケット52は右側トラスフレーム129に差
し込まれて回動自在に支持され、左側(図面右)のブラ
ケット51は左側トラスフレーム129にボルト53等
を介して締結される。なお、後述するようにラジエータ
50にはリザーバタンク58が固定されることから、ブ
ラケット51とトラスフレーム129の間にクッション
部材を介在させるのが望ましい。
【0024】また、ラジエータ50の下面には左位置
(図面右)でブラケット54が下方に突出するよう固定
され、ブラケット54がエンジン121の前側シリンダ
131のシリンダヘッドカバー131aに対してボルト
55等を介して締結される。
【0025】ラジエータ50の裏側には図示しないクー
リングファンが取り付けられるとともに、両側には入口
側タンク56及び出口側タンク57が設けられる。各図
では、ラジエータ50の接続関係については省略する
が、入口側タンク56はラジエータインレットホースを
介して、エンジン121のウォータジャケットに接続す
るサーモスタットに接続される。また、出口側タンク5
7はラジエータアウトレットホースを介してエンジン1
21側のウォータポンプに接続される。すなわち、エン
ジン121の冷却水はウォータジャケットからサーモス
タット、ラジエータインレットホース、ラジエータ5
0、ラジエータアウトレットホース、ウォータポンプを
介してエンジン121のウォータジャケットに戻るよう
にして循環する。なお、出口側タンク57の上端にはラ
ジエータキャップ59が設けられる。
【0026】また、ラジエータ50の右側には、リザー
バタンク58が前方に突出するように固定される。リザ
ーバタンク58は、図3に示すように、ラジエータ50
の前面に対して略垂直方向に突出するとともに、途中か
ら上方に伸延する形状とされており、リザーバタンク5
8の前面58aがカーブ状とされる。また、リザーバタ
ンク58の上面には筒状の給水部61が設けられる。
【0027】このようにしたリザーバタンク58は、図
7に示すように、ラジエータ50の出口側タンク57の
側面に対して支持プレート60を介して固定され、図示
しないオーバフローホースを介してラジエータ50のラ
ジエータキャップ59側に接続される。なお、リザーバ
タンク58を透明或いは半透明の合成樹脂製とすれば、
冷却水の残量を確認することが可能となる。
【0028】図5には、カウリング1の構成例を示す。
カウリング1は樹脂製であり、カウリングボディ2、カ
ウリングボディ2の両側下方に配置される左右のカウリ
ングサイド3L、3R、左右のカウリングサイド3L、
3Rに挟まれた状態でカウリングボディ2の前部下方に
配置されるカウリングインナー4等により構成される。
【0029】カウリングボディ2はヘッドパイプ128
やメータユニット等を覆うものであり(図1参照)、ス
クリーン112を取り付けるためのスクリーン取付部5
やヘッドライト113を露出させるための孔6等が形成
されている。
【0030】左右のカウリングサイド3L、3Rはカウ
リング1の外壁を形成してフロントフォーク102の上
部や燃料タンク124の前方側部、更にはラジエータ5
0の上方側部等を覆うものであり(図1参照)、カウリ
ングボディ2の側部にネジ7等を介して固定される。ま
た、カウリングサイド3L、3Rには、ラジエータ50
のタンク56、57の側面にネジ等を介して連結するた
めの貫通穴が形成されたボス24が形成されている。
【0031】カウリングインナー4は、カウリングボデ
ィ2のアンダー部分を構成するカウリングボディアンダ
ー部8と、そのカウリングボディアンダー部8の両端か
ら垂下する導風板部9L、9Rとからなる。カウリング
ボディアンダー部8は、カウリングボディ2の前部下方
に沿ってネジ10、11等を介してカウリングボディ2
及びカウリングサイド3L、3Rに固定される。また、
左右の導風板部9L、9Rはカウリングサイド3L、3
R内面に突設されたボス12に対してネジ13等を介し
て固定される。導風板部9L、9Rの前端部14はカウ
リングサイド3L、3Rの前端部15に沿って位置し、
カウリングサイド3L、3Rの前部から内部にかけての
内壁を構成することになる(図8参照)。
【0032】ここで、カウリングインナー4の導風板部
9Lの後端は略直線的とされている(後端部16)のに
対して、導風板部9Rの後端は下方のみが略直線的とさ
れ(後端部17)、それより上方では切欠き部18が形
成される。この切欠き部18は、後述するように、ラジ
エータ50のリザーバタンク58に干渉しないようにリ
ザーバタンク58の前面58aのカーブ状に合わせて形
成されたものである。
【0033】このようにしたカウリング1が車体前部に
被着すると、図2にも示すように、カウリングサイド3
L、3Rがラジエータ50の両側に位置し、ラジエータ
50の前方に冷却風取り入れ口を開口する状態となる。
そして、カウリングインナー4の導風板部9L、9R
が、この冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端からラ
ジエータ50の前面近傍まで延在して、ラジエータ50
のコア部50aへ走行風(冷却風)をガイドすることに
なる。したがって、走行風がラジエータ50へと導入さ
れ、このときにカウリングインナー4の導風板部9L、
9Rにより効率よく走行風をラジエータ50のコア部5
0aへと導入することができる。
【0034】次に、図6、7を参照して、カウリング1
(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置関
係について説明する。上述したように、ラジエータ50
は、ブラケット51、52を介してトラスフレーム12
9に、ブラケット54を介してエンジン121の前側シ
リンダ131のシリンダヘッドカバー131aに支持さ
れる。
【0035】そして、カウリング1が車体前部を覆った
状態で、図6に示すように、カウリングインナー4の導
風板部9Lの後端部16がラジエータ50の前方の左側
(入口側タンク56)に位置する。
【0036】また、図7に示すように、導風板部9Rの
後端の下方(後端部17)がラジエータ50の前方の右
側(出口側タンク57)に位置するとともに、切欠き部
18に沿ってリザーバタンク58の前面58aが配置さ
れる。
【0037】すなわち、リザーバタンク58と導風板部
9Rとは同一平面上に位置することになる。上述したよ
うに導風板部9L、9Rは走行風をラジエータ50へと
導入する機能を果たすが、その導風板9Rにカーブ状に
切り欠いた切欠き部18を形成するのでは導風板部とし
ての機能が低下する。ただし、上記のように切欠き部1
8に沿ってリザーバタンク58が配置されることによ
り、導風板部9R及びリザーバタンク58の側面が相ま
って導風板部としての機能を果たすことになり、その機
能が妨げられることはない。さらに、導風板部9Rの内
側面とリザーバタンク58の内側面とが面一となるよう
にしておけば、走行風をより効率的にラジエータ50へ
と導入することができる。
【0038】ここで、図8に示すように、カウリングイ
ンナー4の導風板部9Lの後端部16には、ラジエータ
50の外側方(カウリングサイド3L側)に向かって傾
斜する傾斜部19が形成される。同様に、カウリングイ
ンナー4の導風板部9Rの後端部17(切欠き部18は
除く)にも、ラジエータ50の外側方(カウリングサイ
ド3R側)に向かって傾斜する傾斜部19(図示せず)
が形成される。これら傾斜部19は、その最端部がラジ
エータ50の側端(タンク56、57の側端)よりも外
側方に位置し、ラジエータ50の移動軌跡上から逃げる
ようにされている。
【0039】次に、図8、9を参照して、本実施の形態
の自動二輪車における動作を説明する。エンジン121
の前側シリンダ131のメンテナンス(例えば、スパー
クプラグの点検、交換)に際して、まず、図8に示すよ
うに、カウリングサイド3L、3Rとラジエータ50の
タンク56、57の側面とを連結するネジ20をボス2
4から取り外す。
【0040】そして、図9に示すように、ラジエータ5
0の下側のボルト55を取り外す。これにより、ラジエ
ータ50は車体の前後方向に回動可能な状態となるの
で、図中矢印Rに示すように、ラジエータ50の下部を
前方に移動させるようにして、ラジエータ50を上部支
持位置を軸にして回動させる。
【0041】このとき、図8に示すように、ラジエータ
50の両側部のタンク56、57がカウリングインナー
4の導風板部9L、9Rに形成された傾斜部19に当接
する。そして、ラジエータ50の回動に伴ってラジエー
タ50が傾斜部19を押圧して樹脂製のカウリング1
(カウリングサイド3L、3R、カウリングインナー4
の導風板部9L、9R)を側方(図中矢印X方向)に押
し広げる。なお、図8では、ラジエータ50が動いてい
るように図示したが、実際にはカウリング1(カウリン
グサイド3L、3R、カウリングインナー4の導風板部
9L、9R)が弾性変形するものである。
【0042】この場合に、上記従来例で述べたようにカ
ウリングインナー4の導風板部9L、9Rに傾斜部19
が形成されていないと(図8中破線を参照)、ラジエー
タが導風板部にぶつかってしまうのに対して、上記のよ
うにカウリングインナー4の導風板部9L、9Rに傾斜
部19を形成することにより、ラジエータ50を動かす
だけで自然にカウリング1が側方に押し広げられるの
で、作業性を大幅に向上させることができる。
【0043】なお、カウリング1の材質としては弾性変
形可能なものであればよいが、例えば、軟質のポリエチ
レン系の樹脂を用いることで、容易に弾性変形させるこ
とが可能となり、ひび割れ等のおそれも少なくなる。
【0044】また、ラジエータ50の回動とともにラジ
エータ50に固定されたリザーバタンク58も移動する
が、リザーバタンク58のカーブ状の前面58aがカウ
リングインナー4の導風板部9Rに形成された切欠き部
18に沿って移動するので、リザーバタンク58がカウ
リング1に干渉することがない。したがって、リザーブ
タンク58を取り外す必要もなくなり、作業性を大幅に
向上させることができる。
【0045】なお、導風板部9Rの切欠き部18やリザ
ーバタンク58の前面58aのカーブ状としては、リザ
ーバタンク58がカウリング1に干渉しないものであれ
ばどのような形状であってもよいが、ラジエータ50の
回動軸を中心とした略同心円弧部分とするのが理想的で
ある。この場合、導風板部9Rの切欠き部18とリザー
バタンク58の前面58aとの間の隙間はほぼ一定に保
たれるので、リザーバタンク58の移動軌跡分の隙間を
確保する必要がなくなる。したがって、図7等に示した
通常状態において導風板部9Rとリザーバタンク58と
の間の隙間を狭くすることができ、これら導風板部9R
及びリザーバタンク58の側面が相まって果たす導風板
部としての機能を向上させることができる。また、リザ
ーバタンク58の容量を多く確保することも可能とな
る。
【0046】以上述べたようにしてラジエータ50を傾
斜部19を超えるまで動かしたならば、ラジエータ50
とエンジン121の前側シリンダ131との間に十分な
隙間を確保することができるので、プラグレンチ等の工
具を挿入することができる。したがって、ラジエータ5
0等を取り外さなくても、前側シリンダ131のメンテ
ナンス作業を容易に行うことができる。
【0047】(他の実施の形態)図10に示すように、
カウリングインナー4の導風板部9L、9Rにストッパ
21を設けておき、ラジエータ50を前方に回動させた
状態に保持できるようにしてもよい。図10に示すスト
ッパ21は、導風板部9L、9Rの傾斜部19に連続す
る傾斜面22と、傾斜面22の裏側すなわち前方に形成
されたストッパ面23とを有する。なお、ストッパ21
は、導風板部9L、9Rに一体に形成されるようにして
もよいし、別部材を取り付けるようにしてもよい。
【0048】このようにストッパ21を設けておけば、
ラジエータ50を回動させたときに、ラジエータ50が
ストッパ21の傾斜面22を乗り越えて、ストッパ面2
3側に移動する。この状態では、ストッパ21のストッ
パ面23によりラジエータ50の傾斜部19側への移動
が規制されるので、弾性変形したカウリングによってラ
ジエータ50が押し戻されるのを防ぐことができる。し
たがって、ラジエータ50を前方に回動させた状態に保
持することができ、作業性を向上させることができる。
【0049】なお、上記ストッパ21が本発明でいうス
トッパ構造を構成するが、ストッパ構造としてはどのよ
うなものであってもよい。例えば、ラジエータ50の側
面及び導風板部9L、9Rのいずれか一方に凸部を設
け、いずれか他方に凹部を設け、それら凹凸部が係合す
ることによりストッパ機能が発揮されるような形態とし
てもよい。
【0050】以上、本発明を種々の実施形態とともに説
明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定される
ものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、上記実施の形態では、V型2気筒のエンジン1
21を例に説明したが、それに限定されるものではな
く、例えばL型のエンジンに適用してもかまわない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、メ
ンテナンス作業に際して、ラジエータを回動させるとき
に、カウリングを車体から取り外したり、作業者がカウ
リングを側方に押し広げつつラジエータを左右両側の導
風板部間まで動かしたりする必要がなくなり、また、ラ
ジエータにリザーバタンクが固定されている場合でもリ
ザーバタンクを取り外す必要がなくなり、作業性を大幅
に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る自動二輪車の全体構成を示す
側面図である。
【図2】実施の形態に係る自動二輪車の全体構成を示す
前面図である。
【図3】実施の形態に係る自動二輪車のエンジンまわり
を示す側面図である。
【図4】図3のIV方向矢視図である。
【図5】カウリング1の構成例を示す図である。
【図6】カウリング1(カウリングインナー4)とラジ
エータ50との位置関係を示す左側面図である。
【図7】カウリング1(カウリングインナー4)とラジ
エータ50との位置関係を示す右側面図である。
【図8】カウリング1(カウリングインナー4)とラジ
エータ50との位置関係を示す図1のVIII−VIII線断面
図である。
【図9】ラジエータ50を回動させたときのカウリング
1(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置
関係を示す左側面図である。
【図10】ストッパ21を設けた例を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 カウリング 2 カウリングボディ 3L、3R カウリングサイド 4 カウリングインナー 9L、9R 導風板部 18 切欠き部 21 ストッパ 50 ラジエータ 51、52 ブラケット 54 ブラケット 58 リザーバタンク 58a 前面 101 車体フレーム 121 エンジン 128 ヘッドパイプ 129 トラスフレーム 130 ボディフレーム 131 前側シリンダ 132 後側シリンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレームにより支持され前方に傾斜
    して配置されるシリンダを備えたエンジンと、 上記エンジンの前方に配置されたラジエータと、 上記エンジン及び上記ラジエータを含む車体前部を覆う
    弾性変形可能な材質からなるカウリングとを備え、 上記ラジエータの上部は車体の前後方向に回動可能に支
    持され、下部は取り外し可能に支持される構成とした自
    動二輪車の車体前部構造であって、 上記カウリングには、上記ラジエータの前方にラジエー
    タへの冷却風取り入れ口を開口するとともに、上記冷却
    風取り入れ口の左右両側に開口前端から上記ラジエータ
    の前面近傍まで延在して上記ラジエータのコア部へ冷却
    風をガイドする導風板部を設け、この導風板部の後端に
    上記ラジエータの左右方向外側へ向かって傾斜する傾斜
    部が形成され、上記ラジエータの回動に伴って上記導風
    板部の傾斜部が押圧されて左右方向に押し広げられる構
    成としたことを特徴とする自動二輪車の車体前部構造。
  2. 【請求項2】 上記カウリングの導風板部に上記ラジエ
    ータを前方に回動させた状態に保持するストッパ構造が
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動
    二輪車の車体前部構造。
  3. 【請求項3】 車体フレームにより支持され前方に傾斜
    して配置されるシリンダを備えたエンジンと、 上記エンジンの前方に配置されたラジエータと、 上記エンジン及び上記ラジエータを含む車体前部を覆う
    弾性変形可能な材質からなるカウリングとを備え、 上記ラジエータの上部は車体の前後方向に回動可能に支
    持され、下部は取り外し可能に支持される構成とした自
    動二輪車の車体前部構造であって、 上記ラジエータの左右方向一側に前方へ突出するように
    リザーバタンクを固定して、上記カウリングの外壁を形
    成するカウリングサイドと、上記ラジエータの前方に開
    口するラジエータへの冷却風取り入れ口の左右両側に開
    口前端から上記ラジエータの前面近傍まで延在して上記
    ラジエータのコア部へ冷却風をガイドする導風板部との
    間に配設するとともに、上記リザーバタンクの外形を上
    記ラジエータの上部回動軸と略同心円弧のカーブ状に形
    成したことを特徴とする自動二輪車の車体前部構造。
  4. 【請求項4】 上記導風板部に上記リザーバタンクの外
    形と略同心円弧状の切欠き部を設けるとともに、上記リ
    ザーバタンクの側面を上記導風板部の側面と面一に形成
    して上記冷却取り入れ口に臨ませたことを特徴とする請
    求項3に記載の自動二輪車の車体前部構造。
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