JP4265135B2 - 自動二輪車の車体前部構造 - Google Patents

自動二輪車の車体前部構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車の車体前部構造に関し、特に、エンジンの前方に配置されたラジエータの上部が車体の前後方向に回動可能に支持され、下部が取り外し可能に支持される構成とした場合に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開2000−177404号公報には、V型2気筒のエンジンが搭載された自動二輪車において、エンジンの前方に、エンジンの前側シリンダの前上方を覆うように車体フレームとエンジンとにより支持されるラジエータを搭載することが開示されている。
【0003】
この種の自動二輪車では、エンジンの前側シリンダのメンテナンス作業(例えば、前側シリンダのスパークプラグの点検、交換)に際して、ラジエータの下部(エンジン側)の取付ボルトを取り外し、ラジエータの下部を前方に移動させるようにして、ラジエータを上部(車体フレーム側)の取付ボルトを軸にして回動させる。
【0004】
これにより、エンジンの前側シリンダとラジエータとの間の隙間が拡大するので、その隙間にプラグレンチ等の工具を挿入することができ、ラジエータ等を取り外さなくても、前側シリンダのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車種によっては自動二輪車の車体前部をカウリングで覆うことがある。この場合に、ラジエータに走行風を効率よく導入するために、カウリングの内側には、ラジエータの前方の左右両側でラジエータに対してほぼ垂直に配設される導風板部が設けられる。
【0006】
しかしながら、ラジエータの前方にカウリング(導風板部)が位置すると、上述したようにラジエータを回動させるときにラジエータが導風板部にぶつかってしまい、それ以上ラジエータを回動させることができず、エンジンの前側シリンダとラジエータとの間の隙間を十分に確保することができない。そのため、カウリングを車体から取り外したり、作業者がカウリングを側方に押し広げつつラジエータを左右両側の導風板部間まで動かしたりしなければならず、作業性が悪くなっていた。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、メンテナンス作業に際してラジエータを回動させる構成とされている場合に、その作業性の向上を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動二輪車の車体前部構造は、車体フレームにより支持され前方に傾斜して配置されるシリンダを備えたエンジンと、上記エンジンの前方に配置されたラジエータと、上記エンジン及び上記ラジエータを含む車体前部を覆う弾性変形可能な材質からなるカウリングとを備え、上記ラジエータの上部は車体の前後方向に回動可能に支持され、下部は取り外し可能に支持される構成とした自動二輪車の車体前部構造であって、上記カウリングには、上記ラジエータの前方にラジエータへの冷却風取り入れ口を開口するとともに、上記冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端から上記ラジエータの前面近傍まで延在して上記ラジエータのコア部へ冷却風をガイドする導風板部を設け、この導風板部の後端に上記ラジエータの左右方向外側へ向かって傾斜する傾斜部が形成され、上記ラジエータの回動に伴って上記導風板部の傾斜部が押圧されて左右方向に押し広げられる構成とし、上記カウリングの導風板部に上記ラジエータを前方に回動させた状態に保持するストッパ構造が設けられている点に特徴を有する。
【0010】
本発明の別の自動二輪車の車体前部構造は、車体フレームにより支持され前方に傾斜して配置されるシリンダを備えたエンジンと、上記エンジンの前方に配置されたラジエータと、上記エンジン及び上記ラジエータを含む車体前部を覆う弾性変形可能な材質からなるカウリングとを備え、上記ラジエータの上部は車体の前後方向に回動可能に支持され、下部は取り外し可能に支持される構成とした自動二輪車の車体前部構造であって、上記ラジエータの左右方向一側に前方へ突出するようにリザーバタンクを固定して、上記カウリングの外壁を形成するカウリングサイドと、上記ラジエータの前方に開口するラジエータへの冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端から上記ラジエータの前面近傍まで延在して上記ラジエータのコア部へ冷却風をガイドする導風板部との間に配設するとともに、上記リザーバタンクの外形を上記ラジエータの上部回動軸と略同心円弧のカーブ状に形成し、上記導風板部に上記リザーバタンクの外形と略同心円弧状の切欠き部を設けるとともに、上記リザーバタンクの側面を上記導風板部の側面と面一に形成して上記冷却取り入れ口に臨ませた点に特徴を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明による自動二輪車の車体前部構造の好適な実施の形態を説明する。
【0013】
図1、2には、本実施の形態の自動二輪車の全体構成を示す。まず、自動二輪車100の全体構成を説明すると、鋼製或いはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101の前部には、ヘッドパイプに内挿されたステアリングステムによって左右に回動可能に支持される2本のフロントフォーク102が設けられる。ステアリングステムの上端にはハンドルバー103が固定され、ハンドルバー103に左右一対のサイドミラー104が立設するとともに、ハンドルバー103の両端にグリップ105が備えられる。グリップ105の前部にはプロテクタ106が配置される。
【0014】
フロントフォーク102の下部には前輪107が回転可能に支持されるとともに、前輪107の上部を覆うようにフロントフェンダ108が固定される。前輪107は、前輪107と一体回転するブレーキディスク109と、フロントフォーク102によって支持されるブレーキパッド110とを有する。
【0015】
前輪107の上方で車体フレーム101の前部には、ヘッドパイプや燃料タンク124等を覆うカウリング1が被着する。カウリング1は上部のスクリーン112や前端部のヘッドライト113等を含み、また左右両外側に一対の方向指示灯(ウィンカ)114が突設される。カウリング1の内側においてフロントフォーク102の上部付近には、スピードメータ、タコメータ或いは各種インジケータランプ等を含むメータユニットが搭載される。
【0016】
車体フレーム101の後部には、スイングアーム116がピボット117を介して揺動可能に設けられるとともに、車体フレーム101とスイングアーム116の間にリヤサスペンションが装架される。スイングアーム116の後端には後輪118が回転可能に支持され、後輪118はチェーン119が巻回されたドリブンスプロケット120を介して回転駆動されるようになっている。また、後輪118の上部を覆うようにリヤフェンダ115が固定される。
【0017】
車両の略中央部には、車体フレーム101により支持されるV型2気筒のエンジン121が搭載される。エンジン121には空気と燃料との混合気が供給され、エンジン121での燃焼後の排気ガスは、エキゾーストパイプ122及びこれに接続するマフラ123を介して車両後部より排気される。エンジン121の前方には、詳しくは後述するが、ラジエータ50が配置される。
【0018】
エンジン121の上方には、燃料タンク124が設けられる。また、燃料タンク124の後方には、シート125が連設される。シート125はシートレール上に支持され、シート125の側部下方にはサイドカバー126が、シート125の後方にはリヤキャリヤ127が取り付けられる。
【0019】
図3には、本実施の形態の自動二輪車のエンジンまわりを示す。同図に示すように、本実施の形態の自動二輪車ではバックボーン型の車体フレーム101が採用されており、ヘッドパイプ128、ヘッドパイプ128から左右両側に分かれて伸延するトラスフレーム129、トラスフレーム129の後端から略下方に突出するボディフレーム130等により構成される。
【0020】
エンジン121は、複数のエンジンマウント135を介してトラスフレーム129及びボディフレーム130により支持される。本実施の形態の自動二輪車で採用されているV型2気筒のエンジン121は、前側シリンダ131と後側シリンダ132とが前後に約90度ずらして設けられており、車体への搭載状態で、前側シリンダ131は前方に傾斜して、トラスフレーム129より下方でトラスフレーム129と略平行に配置され、後側シリンダ132は斜め上方に傾斜して、左右のトラスフレーム129間に配置される。
【0021】
また、左右のトラスフレーム129間には、エンジン121の前側シリンダ131及び後側シリンダ132に挟まれる形でエアクリーナ133が配置される。エアクリーナ133はスロットルボディ134を介して前側シリンダ131及び後側シリンダ132に接続されており、エアクリーナ133から供給される空気と各スロットルボディ134に取り付けられたインジェクタから噴射される燃料との混合気がエンジン121に供給される。なお、図1に示した燃料タンク124は、エアクリーナ133の上方、側方、及び後方から覆う形で搭載される。
【0022】
エンジン121の前方にはトラスフレーム129のヘッドパイプ128側とエンジン121の前側シリンダ131とを掛け渡すようにラジエータ50が配置される。
【0023】
図4は、図3のIV方向矢視図である。ラジエータ50の上面には左右位置でブラケット51、52が上方に突出するよう固定されており、右側(図面左)のブラケット52は右側トラスフレーム129に差し込まれて回動自在に支持され、左側(図面右)のブラケット51は左側トラスフレーム129にボルト53等を介して締結される。なお、後述するようにラジエータ50にはリザーバタンク58が固定されることから、ブラケット51とトラスフレーム129の間にクッション部材を介在させるのが望ましい。
【0024】
また、ラジエータ50の下面には左位置(図面右)でブラケット54が下方に突出するよう固定され、ブラケット54がエンジン121の前側シリンダ131のシリンダヘッドカバー131aに対してボルト55等を介して締結される。
【0025】
ラジエータ50の裏側には図示しないクーリングファンが取り付けられるとともに、両側には入口側タンク56及び出口側タンク57が設けられる。各図では、ラジエータ50の接続関係については省略するが、入口側タンク56はラジエータインレットホースを介して、エンジン121のウォータジャケットに接続するサーモスタットに接続される。また、出口側タンク57はラジエータアウトレットホースを介してエンジン121側のウォータポンプに接続される。すなわち、エンジン121の冷却水はウォータジャケットからサーモスタット、ラジエータインレットホース、ラジエータ50、ラジエータアウトレットホース、ウォータポンプを介してエンジン121のウォータジャケットに戻るようにして循環する。なお、出口側タンク57の上端にはラジエータキャップ59が設けられる。
【0026】
また、ラジエータ50の右側には、リザーバタンク58が前方に突出するように固定される。リザーバタンク58は、図3に示すように、ラジエータ50の前面に対して略垂直方向に突出するとともに、途中から上方に伸延する形状とされており、リザーバタンク58の前面58aがカーブ状とされる。また、リザーバタンク58の上面には筒状の給水部61が設けられる。
【0027】
このようにしたリザーバタンク58は、図7に示すように、ラジエータ50の出口側タンク57の側面に対して支持プレート60を介して固定され、図示しないオーバフローホースを介してラジエータ50のラジエータキャップ59側に接続される。なお、リザーバタンク58を透明或いは半透明の合成樹脂製とすれば、冷却水の残量を確認することが可能となる。
【0028】
図5には、カウリング1の構成例を示す。カウリング1は樹脂製であり、カウリングボディ2、カウリングボディ2の両側下方に配置される左右のカウリングサイド3L、3R、左右のカウリングサイド3L、3Rに挟まれた状態でカウリングボディ2の前部下方に配置されるカウリングインナー4等により構成される。
【0029】
カウリングボディ2はヘッドパイプ128やメータユニット等を覆うものであり(図1参照)、スクリーン112を取り付けるためのスクリーン取付部5やヘッドライト113を露出させるための孔6等が形成されている。
【0030】
左右のカウリングサイド3L、3Rはカウリング1の外壁を形成してフロントフォーク102の上部や燃料タンク124の前方側部、更にはラジエータ50の上方側部等を覆うものであり(図1参照)、カウリングボディ2の側部にネジ7等を介して固定される。また、カウリングサイド3L、3Rには、ラジエータ50のタンク56、57の側面にネジ等を介して連結するための貫通穴が形成されたボス24が形成されている。
【0031】
カウリングインナー4は、カウリングボディ2のアンダー部分を構成するカウリングボディアンダー部8と、そのカウリングボディアンダー部8の両端から垂下する導風板部9L、9Rとからなる。カウリングボディアンダー部8は、カウリングボディ2の前部下方に沿ってネジ10、11等を介してカウリングボディ2及びカウリングサイド3L、3Rに固定される。また、左右の導風板部9L、9Rはカウリングサイド3L、3R内面に突設されたボス12に対してネジ13等を介して固定される。導風板部9L、9Rの前端部14はカウリングサイド3L、3Rの前端部15に沿って位置し、カウリングサイド3L、3Rの前部から内部にかけての内壁を構成することになる(図8参照)。
【0032】
ここで、カウリングインナー4の導風板部9Lの後端は略直線的とされている(後端部16)のに対して、導風板部9Rの後端は下方のみが略直線的とされ(後端部17)、それより上方では切欠き部18が形成される。この切欠き部18は、後述するように、ラジエータ50のリザーバタンク58に干渉しないようにリザーバタンク58の前面58aのカーブ状に合わせて形成されたものである。
【0033】
このようにしたカウリング1が車体前部に被着すると、図2にも示すように、カウリングサイド3L、3Rがラジエータ50の両側に位置し、ラジエータ50の前方に冷却風取り入れ口を開口する状態となる。そして、カウリングインナー4の導風板部9L、9Rが、この冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端からラジエータ50の前面近傍まで延在して、ラジエータ50のコア部50aへ走行風(冷却風)をガイドすることになる。したがって、走行風がラジエータ50へと導入され、このときにカウリングインナー4の導風板部9L、9Rにより効率よく走行風をラジエータ50のコア部50aへと導入することができる。
【0034】
次に、図6、7を参照して、カウリング1(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置関係について説明する。上述したように、ラジエータ50は、ブラケット51、52を介してトラスフレーム129に、ブラケット54を介してエンジン121の前側シリンダ131のシリンダヘッドカバー131aに支持される。
【0035】
そして、カウリング1が車体前部を覆った状態で、図6に示すように、カウリングインナー4の導風板部9Lの後端部16がラジエータ50の前方の左側(入口側タンク56)に位置する。
【0036】
また、図7に示すように、導風板部9Rの後端の下方(後端部17)がラジエータ50の前方の右側(出口側タンク57)に位置するとともに、切欠き部18に沿ってリザーバタンク58の前面58aが配置される。
【0037】
すなわち、リザーバタンク58と導風板部9Rとは同一平面上に位置することになる。上述したように導風板部9L、9Rは走行風をラジエータ50へと導入する機能を果たすが、その導風板9Rにカーブ状に切り欠いた切欠き部18を形成するのでは導風板部としての機能が低下する。ただし、上記のように切欠き部18に沿ってリザーバタンク58が配置されることにより、導風板部9R及びリザーバタンク58の側面が相まって導風板部としての機能を果たすことになり、その機能が妨げられることはない。さらに、導風板部9Rの内側面とリザーバタンク58の内側面とが面一となるようにしておけば、走行風をより効率的にラジエータ50へと導入することができる。
【0038】
ここで、図8に示すように、カウリングインナー4の導風板部9Lの後端部16には、ラジエータ50の外側方(カウリングサイド3L側)に向かって傾斜する傾斜部19が形成される。同様に、カウリングインナー4の導風板部9Rの後端部17(切欠き部18は除く)にも、ラジエータ50の外側方(カウリングサイド3R側)に向かって傾斜する傾斜部19(図示せず)が形成される。これら傾斜部19は、その最端部がラジエータ50の側端(タンク56、57の側端)よりも外側方に位置し、ラジエータ50の移動軌跡上から逃げるようにされている。
【0039】
次に、図8、9を参照して、本実施の形態の自動二輪車における動作を説明する。エンジン121の前側シリンダ131のメンテナンス(例えば、スパークプラグの点検、交換)に際して、まず、図8に示すように、カウリングサイド3L、3Rとラジエータ50のタンク56、57の側面とを連結するネジ20をボス24から取り外す。
【0040】
そして、図9に示すように、ラジエータ50の下側のボルト55を取り外す。これにより、ラジエータ50は車体の前後方向に回動可能な状態となるので、図中矢印Rに示すように、ラジエータ50の下部を前方に移動させるようにして、ラジエータ50を上部支持位置を軸にして回動させる。
【0041】
このとき、図8に示すように、ラジエータ50の両側部のタンク56、57がカウリングインナー4の導風板部9L、9Rに形成された傾斜部19に当接する。そして、ラジエータ50の回動に伴ってラジエータ50が傾斜部19を押圧して樹脂製のカウリング1(カウリングサイド3L、3R、カウリングインナー4の導風板部9L、9R)を側方(図中矢印X方向)に押し広げる。なお、図8では、ラジエータ50が動いているように図示したが、実際にはカウリング1(カウリングサイド3L、3R、カウリングインナー4の導風板部9L、9R)が弾性変形するものである。
【0042】
この場合に、上記従来例で述べたようにカウリングインナー4の導風板部9L、9Rに傾斜部19が形成されていないと(図8中破線を参照)、ラジエータが導風板部にぶつかってしまうのに対して、上記のようにカウリングインナー4の導風板部9L、9Rに傾斜部19を形成することにより、ラジエータ50を動かすだけで自然にカウリング1が側方に押し広げられるので、作業性を大幅に向上させることができる。
【0043】
なお、カウリング1の材質としては弾性変形可能なものであればよいが、例えば、軟質のポリエチレン系の樹脂を用いることで、容易に弾性変形させることが可能となり、ひび割れ等のおそれも少なくなる。
【0044】
また、ラジエータ50の回動とともにラジエータ50に固定されたリザーバタンク58も移動するが、リザーバタンク58のカーブ状の前面58aがカウリングインナー4の導風板部9Rに形成された切欠き部18に沿って移動するので、リザーバタンク58がカウリング1に干渉することがない。したがって、リザーブタンク58を取り外す必要もなくなり、作業性を大幅に向上させることができる。
【0045】
なお、導風板部9Rの切欠き部18やリザーバタンク58の前面58aのカーブ状としては、リザーバタンク58がカウリング1に干渉しないものであればどのような形状であってもよいが、ラジエータ50の回動軸を中心とした略同心円弧部分とするのが理想的である。この場合、導風板部9Rの切欠き部18とリザーバタンク58の前面58aとの間の隙間はほぼ一定に保たれるので、リザーバタンク58の移動軌跡分の隙間を確保する必要がなくなる。したがって、図7等に示した通常状態において導風板部9Rとリザーバタンク58との間の隙間を狭くすることができ、これら導風板部9R及びリザーバタンク58の側面が相まって果たす導風板部としての機能を向上させることができる。また、リザーバタンク58の容量を多く確保することも可能となる。
【0046】
以上述べたようにしてラジエータ50を傾斜部19を超えるまで動かしたならば、ラジエータ50とエンジン121の前側シリンダ131との間に十分な隙間を確保することができるので、プラグレンチ等の工具を挿入することができる。したがって、ラジエータ50等を取り外さなくても、前側シリンダ131のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0047】
(他の実施の形態)
図10に示すように、カウリングインナー4の導風板部9L、9Rにストッパ21を設けておき、ラジエータ50を前方に回動させた状態に保持できるようにしてもよい。図10に示すストッパ21は、導風板部9L、9Rの傾斜部19に連続する傾斜面22と、傾斜面22の裏側すなわち前方に形成されたストッパ面23とを有する。なお、ストッパ21は、導風板部9L、9Rに一体に形成されるようにしてもよいし、別部材を取り付けるようにしてもよい。
【0048】
このようにストッパ21を設けておけば、ラジエータ50を回動させたときに、ラジエータ50がストッパ21の傾斜面22を乗り越えて、ストッパ面23側に移動する。この状態では、ストッパ21のストッパ面23によりラジエータ50の傾斜部19側への移動が規制されるので、弾性変形したカウリングによってラジエータ50が押し戻されるのを防ぐことができる。したがって、ラジエータ50を前方に回動させた状態に保持することができ、作業性を向上させることができる。
【0049】
なお、上記ストッパ21が本発明でいうストッパ構造を構成するが、ストッパ構造としてはどのようなものであってもよい。例えば、ラジエータ50の側面及び導風板部9L、9Rのいずれか一方に凸部を設け、いずれか他方に凹部を設け、それら凹凸部が係合することによりストッパ機能が発揮されるような形態としてもよい。
【0050】
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上記実施の形態では、V型2気筒のエンジン121を例に説明したが、それに限定されるものではなく、例えばL型のエンジンに適用してもかまわない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、メンテナンス作業に際して、ラジエータを回動させるときに、カウリングを車体から取り外したり、作業者がカウリングを側方に押し広げつつラジエータを左右両側の導風板部間まで動かしたりする必要がなくなり、また、ラジエータにリザーバタンクが固定されている場合でもリザーバタンクを取り外す必要がなくなり、作業性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
【図2】実施の形態に係る自動二輪車の全体構成を示す前面図である。
【図3】実施の形態に係る自動二輪車のエンジンまわりを示す側面図である。
【図4】図3のIV方向矢視図である。
【図5】カウリング1の構成例を示す図である。
【図6】カウリング1(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置関係を示す左側面図である。
【図7】カウリング1(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置関係を示す右側面図である。
【図8】カウリング1(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置関係を示す図1のVIII−VIII線断面図である。
【図9】ラジエータ50を回動させたときのカウリング1(カウリングインナー4)とラジエータ50との位置関係を示す左側面図である。
【図10】ストッパ21を設けた例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 カウリング
2 カウリングボディ
3L、3R カウリングサイド
4 カウリングインナー
9L、9R 導風板部
18 切欠き部
21 ストッパ
50 ラジエータ
51、52 ブラケット
54 ブラケット
58 リザーバタンク
58a 前面
101 車体フレーム
121 エンジン
128 ヘッドパイプ
129 トラスフレーム
130 ボディフレーム
131 前側シリンダ
132 後側シリンダ

Claims (2)

  1. 車体フレームにより支持され前方に傾斜して配置されるシリンダを備えたエンジンと、
    上記エンジンの前方に配置されたラジエータと、
    上記エンジン及び上記ラジエータを含む車体前部を覆う弾性変形可能な材質からなるカウリングとを備え、
    上記ラジエータの上部は車体の前後方向に回動可能に支持され、下部は取り外し可能に支持される構成とした自動二輪車の車体前部構造であって、
    上記カウリングには、上記ラジエータの前方にラジエータへの冷却風取り入れ口を開口するとともに、上記冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端から上記ラジエータの前面近傍まで延在して上記ラジエータのコア部へ冷却風をガイドする導風板部を設け、この導風板部の後端に上記ラジエータの左右方向外側へ向かって傾斜する傾斜部が形成され、上記ラジエータの回動に伴って上記導風板部の傾斜部が押圧されて左右方向に押し広げられる構成とし、
    上記カウリングの導風板部に上記ラジエータを前方に回動させた状態に保持するストッパ構造が設けられていることを特徴とする自動二輪車の車体前部構造。
  2. 車体フレームにより支持され前方に傾斜して配置されるシリンダを備えたエンジンと、
    上記エンジンの前方に配置されたラジエータと、
    上記エンジン及び上記ラジエータを含む車体前部を覆う弾性変形可能な材質からなるカウリングとを備え、
    上記ラジエータの上部は車体の前後方向に回動可能に支持され、下部は取り外し可能に支持される構成とした自動二輪車の車体前部構造であって、
    上記ラジエータの左右方向一側に前方へ突出するようにリザーバタンクを固定して、上記カウリングの外壁を形成するカウリングサイドと、上記ラジエータの前方に開口するラジエータへの冷却風取り入れ口の左右両側に開口前端から上記ラジエータの前面近傍まで延在して上記ラジエータのコア部へ冷却風をガイドする導風板部との間に配設するとともに、上記リザーバタンクの外形を上記ラジエータの上部回動軸と略同心円弧のカーブ状に形成し、
    上記導風板部に上記リザーバタンクの外形と略同心円弧状の切欠き部を設けるとともに、上記リザーバタンクの側面を上記導風板部の側面と面一に形成して上記冷却取り入れ口に臨ませたことを特徴とする自動二輪車の車体前部構造。
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