JP2001072674A - 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体 - Google Patents

4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体

Info

Publication number
JP2001072674A
JP2001072674A JP24808399A JP24808399A JP2001072674A JP 2001072674 A JP2001072674 A JP 2001072674A JP 24808399 A JP24808399 A JP 24808399A JP 24808399 A JP24808399 A JP 24808399A JP 2001072674 A JP2001072674 A JP 2001072674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
ring
adamantanone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24808399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4562829B2 (ja
Inventor
Tatsuya Nakano
達也 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP24808399A priority Critical patent/JP4562829B2/ja
Priority to US09/648,755 priority patent/US6486330B1/en
Priority to EP00118867A priority patent/EP1081150B1/en
Priority to DE60006201T priority patent/DE60006201T2/de
Priority to KR1020000051042A priority patent/KR20010050290A/ko
Publication of JP2001072674A publication Critical patent/JP2001072674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4562829B2 publication Critical patent/JP4562829B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/08Bridged systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D313/00Heterocyclic compounds containing rings of more than six members having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D313/02Seven-membered rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1位にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有する新規な4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体を
提供する。 【解決手段】 4−オキサトリシクロ[4.3.1.1
3,8]ウンデカン−5−オン誘導体は、下記式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示
す。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加
えて他の置換基を有していてもよい)で表される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂などの
機能性高分子の原料、医薬、農薬その他の精密化学品の
原料などとして有用な4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】2−アダマンタノンのカルボニル基の隣
接位に酸素原子を導入した化合物4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンは有機合
成中間体として知られている(例えば、Synthes
is,1986,741−743)。しかし、1位の炭
素原子にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキ
シ基の結合した4−オキサトリシクロ[4.3.1.1
3,8]ウンデカン−5−オン誘導体は知られていない。
【0003】一方、半導体集積回路の微細パターンの形
成には、薄膜を形成した基板上をレジストで被覆し、選
択露光により所望のパターンの潜像を形成した後、現像
によりレジストパターンを形成し、このパターンをマス
クとしてドライエッチングを行い、その後にレジストを
除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ
技術が利用されている。このリソグラフィ技術において
は、露光源として、g線、i線などの紫外線が使用され
ているが、パターンの微細化に伴い、より短波長の遠紫
外線、真空紫外線、エキシマレーザー光線、電子線、X
線などの放射線が利用されるようになっている。上記の
ような短波長の露光源(ArFエキシマレーザーなど)
を用いて微細なパターンを形成するには、用いるレジス
トが露光源の波長において透明性に優れているととも
に、基板に対する密着性に優れ、ドライエッチング耐性
を有し、且つ現像時における現像液溶解性に優れている
ことが要求される。近年、このようなレジスト材料とし
て橋かけ環やラクトン環を有する重合性モノマーの重合
体が注目されている(例えば、特開平9−73173号
公報など)が、上記の特性を十分に満足させるものは得
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、1位にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオ
キシ基を有する新規な4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、フォトレジスト用樹脂
のモノマー原料として有用な4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定構造のイミド化
合物を触媒として用い、特定化合物の共存下で1位にヒ
ドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有す
る4−アダマンタノン誘導体を分子状酸素により酸化す
ると、いわゆるBaeyer−Villiger型の反
応が進行して、対応する4−オキサトリシクロ[4.
3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体が効率よ
く生成することを見いだし本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化2】 (式中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示
す。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加
えて他の置換基を有していてもよい)で表される4−オ
キサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5
−オン誘導体を提供する。なお、本明細書では、アクリ
ロイル基とメタクロイル基とを(メタ)アクリロイル基
と総称する。
【0007】
【発明の実施の形態】式(1)で表される4−オキサト
リシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン
誘導体において、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイ
ル基を示す。また、環を構成する炭素原子は式中に示さ
れる置換基(−OR基及びオキソ基)に加えて他の置換
基を有していてもよい。このような置換基としては、特
に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基などのC1-4アルキル基、保護基を有してい
てもよいヒドロキシル基、保護基を有していてもよいカ
ルボキシル基などが例示される。前記保護基としては、
有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
【0008】式(1)で表される4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体の
代表的な例として、例えば、1−ヒドロキシ−4−オキ
サトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−
オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサト
リシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オ
ン、1−ヒドロキシ−3,8−ジメチル−4−オキサト
リシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オ
ン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,8−ジメチ
ル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウン
デカン−5−オン、1−ヒドロキシ−3,6−ジメチル
−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13, 8]ウンデ
カン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−
3,6−ジメチル−4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン、1,8−ジヒドロ
キシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウ
ンデカン−5−オン、8−ヒドロキシ−1−(メタ)ア
クリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン、1,6−ジヒドロ
キシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウ
ンデカン−5−オン、6−ヒドロキシ−1−(メタ)ア
クリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン、1,3−ジヒドロ
キシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウ
ンデカン−5−オン、3−ヒドロキシ−1−(メタ)ア
クリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン、8−カルボキシ−
1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.
3,8]ウンデカン−5−オン、8−カルボキシ−1−
(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、6−カ
ルボキシ−1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、6−カ
ルボキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキ
サトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−
オン、3−カルボキシ−1−ヒドロキシ−4−オキサト
リシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オ
ン、3−カルボキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ
−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデ
カン−5−オンなどが挙げられる。
【0009】[式(1)で表される化合物の製造]式
(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.
3,8]ウンデカン−5−オン誘導体は、例えば、下記
式(2)
【化3】 (式中、Rは前記に同じ。環を構成する炭素原子は式中
に示される置換基に加えて他の置換基を有していていも
よい)で表されるアダマンタノン誘導体を、下記式
(3)
【化4】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式(3)中に示されるN
−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていて
もよい)で表されるイミド化合物の存在下、第1級又は
第2級アルコールと共に、分子状酸素により酸化するこ
とにより得ることができる。なお、前記第1級又は第2
級アルコールは共酸化剤[(式(2)で表される化合物
と共に酸化される化合物]として機能する。
【0010】前記式(2)において、環を構成する炭素
原子が有していてもよい置換基としては、前記式(1)
において環を構成する炭素原子が有していてもよい置換
基として例示した基が挙げられる。
【0011】式(2)で表される化合物の代表的な例と
しては、5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、5−
(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、5
−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−2−アダマンタノ
ン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−3,7−ジメチ
ル−2−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−1,3−ジ
メチル−2−アダマンタノン、5−(メタ)アクリロイ
ルオキシ−1,3−ジメチル−2−アダマンタノン、
5,7−ジヒドロキシ−2−アダマンタノン、7−ヒド
ロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマ
ンタノン、1,5−ジヒドロキシ−2−アダマンタノ
ン、1−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ
−2−アダマンタノン、3,5−ジヒドロキシ−2−ア
ダマンタノン、3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロ
イルオキシ−2−アダマンタノン、7−カルボキシ−5
−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、7−カルボキシ−
5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノ
ン、1−カルボキシ−5−ヒドロキシ−2−アダマンタ
ノン、1−カルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキ
シ−2−アダマンタノン、3−カルボキシ−5−ヒドロ
キシ−2−アダマンタノン、3−カルボキシ−5−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノンなどが挙
げられる。
【0012】前記式(3)で表されるイミド化合物にお
いて、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基に
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基など
の炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基
が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、炭
素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキル
基が挙げられる。
【0013】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程
度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0014】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0015】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0016】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(3)において、R1及び
2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル
基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、
ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置
換基を有していていもよい。
【0017】前記式(3)において、Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は単結
合又は二重結合である。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式(3)中に示されるN
−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていて
もよい。例えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル
基である場合、このアルキル基を構成する隣接する2つ
の炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成さ
れていてもよい。また、R1及びR2が互いに結合して二
重結合を形成する場合、該二重結合を含んで前記N−置
換環状イミド基が形成されていてもよい。さらに、R1
及びR2が互いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性
の環を形成する場合、該環を構成する隣接する2つの炭
素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されて
いてもよい。
【0018】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化5】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
(3f)中、A1はメチレン基又は酸素原子を示す。R1
2は前記に同じ。式(3c)のベンゼン環には、式(3
c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は
2個結合していてもよい)
【0019】置換基R3〜R6において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシ
カルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程
度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、ア
シル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1
〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3
〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級ア
ルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子で
ある場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環
としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環
と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12
員環が好ましい。
【0020】好ましいイミド化合物の代表的な例とし
て、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロ
フタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサ
ンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N
−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げら
れる。
【0021】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経
てイミド化する方法により調製できる。
【0022】前記式(3)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,
2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カ
ルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カル
ボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水
フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメット酸、メ
チルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメ
リット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸
無水物が含まれる。
【0023】特に好ましい化合物は、脂環式多価カルボ
ン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、なかでも
芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−ヒドロ
キシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミドなどが含まれる。
【0024】式(3)で表されるイミド化合物は酸化反
応において1種又は2種以上使用できる。前記イミド化
合物は、担体に担持した形態で用いてもよい。担体とし
ては、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミ
ナ、ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多
い。
【0025】前記イミド化合物の使用量は、広い範囲で
選択でき、例えば、前記式(2)で表される化合物1モ
ルに対して0.0001〜1モル、好ましくは0.00
1〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.4モ
ル程度であり、0.05〜0.35モル程度である場合
が多い。
【0026】上記方法において、反応速度や反応の選択
性を向上するため、前記式(3)で表される触媒と助触
媒とを併用することもできる。このような助触媒には、
例えば、(i)電子吸引基が結合したカルボニル基を有
する化合物、(ii)金属化合物、(iii)少なくとも1
つの有機基が結合した周期表15族又は16族元素を含
む多原子陽イオン又は多原子陰イオンとカウンターイオ
ンとで構成された有機塩などが含まれる。これらの助触
媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0027】前記電子吸引基が結合したカルボニル基を
有する化合物(i)において、カルボニル基に結合する
電子吸引基としては、例えば、フルオロメチル、トリフ
ルオロメチル、テトラフルオロエチル、フェニル、フル
オロフェニル、ペンタフルオロフェニル基などのフッ素
原子で置換された炭化水素基などが挙げられる。前記化
合物(i)の具体例として、例えば、ヘキサフルオロア
セトン、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロフェニル
(メチル)ケトン、ペンタフルオロフェニル(トリフル
オロメチル)ケトン、安息香酸などが挙げられる。
【0028】これらの化合物を用いると、系内で反応性
の高い過酸化物に変換されるためか、Baeyer−V
illiger型の反応の反応速度が促進される。前記
化合物(i)の使用量は、式(2)で表される化合物1
モルに対して、0.0001〜1モル、好ましくは0.
01〜0.7モル、さらに好ましくは0.05〜0.5
モル程度である。
【0029】金属化合物(ii)を構成する金属元素とし
ては、特に限定されず、周期表1〜15族の金属元素の
何れであってもよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも
金属元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素
として、周期表1族元素(Li、Na、Kなど)、2族
元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、3族元素(S
c、ランタノイド元素、アクチノイド元素など)、4族
元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素(Vなど)、
6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnな
ど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、
Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、1
1族元素(Cuなど)、12族元素(Znなど)、13
族元素(B、Al、Inなど)、14族元素(Sn、P
bなど)、15族元素(Sb、Biなど)などが挙げら
れる。好ましい金属元素には、遷移金属元素(周期表3
〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期表5〜11
族元素、特に、6族、7族及び9族元素が好ましく、と
りわけ、Mo、Co、Mnなどが好ましい。金属元素の
原子価は特に制限されないが、0〜6価程度である場合
が多い。
【0030】金属化合物(ii)としては、前記金属元素
の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロ
ゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オ
キソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ
酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩な
ど)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を
構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコ
キシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
ど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコ
キシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニ
ル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、
酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニル
ホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン
化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、
NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有
化合物などが挙げられる。金属化合物(ii)は、単独で
又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0031】金属化合物(ii)を用いると、反応の選択
性が向上する場合がある。特に、金属化合物(ii)とし
て、V、Mo、Co、Mnなどの遷移金属元素(Feを
除く)を含む化合物(特に、Co化合物)と、白金族金
属元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)又はF
eを含む化合物(特に、Pt(dppb)(μ−O
H)]2(BH42などの白金族金属水素錯化合物等)
とを組み合わせて用いると、選択率が著しく向上し、高
い収率で目的化合物を得ることができる。
【0032】金属化合物(ii)の使用量は、例えば、式
(2)で表される化合物1モルに対して、0.0001
〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さ
らに好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、
0.005〜0.05モル程度である場合が多い。
【0033】前記有機塩(iii)において、周期表15
族元素には、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周
期表16族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれ
る。好ましい元素としては、N、P、As、Sb、Sが
挙げられ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0034】前記元素の原子に結合する有機基には、置
換基を有していてもよい炭化水素基、置換オキシ基など
が含まれる。炭化水素基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシ
ル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリ
ルなどの炭素数1〜30程度(好ましくは炭素数1〜2
0程度)の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(ア
ルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜8程度の脂環
式炭化水素基;フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭化水素
基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン
原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例え
ば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基
など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置
換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置
換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、
エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキ
ル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基な
ど)、複素環基などが例示できる。好ましい炭化水素基
には、炭素数1〜30程度のアルキル基、炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基(特に、フェニル基又はナフ
チル基)などが含まれる。前記置換オキシ基には、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基など
が含まれる。
【0035】前記多原子陽イオンは、例えば、下記式
(4)で表される。この多原子陽イオンは、カウンター
アニオンとともに、下記式(5)で表される有機オニウ
ム塩を構成する。 [Ra mA]+ (4) [Ra mA]+- (5)
【0036】上記式中、Raは炭化水素基又は水素原子
を示す。4個のRaは互いに同一又は異なっていてもよ
く、少なくとも1つのRaは炭化水素基である。Aは周
期表15族又は16族元素の原子を示す。2つのRa
互いに結合して隣接するAと共に環を形成してもよく、
また、2つのRaが一体となってAと二重結合を形成す
ると共に他のRaと結合してAとで環を形成してもよ
い。mは3又は4を示す。Y-は、カウンターアニオン
を示し、Yは酸基を示す。なお、上記炭化水素基は、例
えば前記の置換基を有していてもよい。
【0037】2つのRaが互いに結合して隣接するAと
共に形成する環としては、ピロリジン環、ピペリジン環
などの3〜8員(好ましくは、5〜6員)程度の含窒素
(又は含リン)複素環などが挙げられる。また、2つの
aが一体となってAと二重結合を形成すると共に他の
aと結合してAとで形成する環としては、ピリジン環
などの5〜8員の含窒素複素環などが挙げられる。これ
らの環にはベンゼン環などの環が縮合していてもよい。
このような縮合環として、キノリン環などが挙げられ
る。Aが周期表15族元素の原子のとき、mは4である
場合が多く、Aが周期表16族元素の原子のとき、mは
3である場合が多い。
【0038】前記Aは、好ましくは、N、P、As、S
b、又はSであり、さらに好ましくは、N、P、又はS
であり、特に、N又はPが好ましい。また、好ましい多
原子陽イオンでは、4個のRaのすべてが有機基である
(Aを含む環が形成されている場合を含む)。
【0039】酸基Yとしては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;硝酸基(N
3)、硫酸基(SO4)、リン酸基(PO4)、過塩素
酸基(ClO4)などの無機酸基;酢酸基(CH3
2)、メタンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基な
どの有機酸基などが挙げられる。好ましい酸基には、ハ
ロゲン原子及び無機酸基が含まれ、特に塩素原子、臭素
原子などのハロゲン原子が好ましい。
【0040】前記有機オニウム塩のなかでも、有機アン
モニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩
などが特に好ましい。有機アンモニウム塩の具体例とし
ては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
ルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムク
ロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、トリオ
クチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニ
ルアンモニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)
アンモニウムクロリド、ジ(オクタデシル)ジメチルア
ンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウムクロリ
ド、及び対応する第4級アンモニウムブロミドなどの、
窒素原子に4つの炭化水素基が結合した第4級アンモニ
ウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデシ
ルピリジニウムクロリド、メチルキノリニウムクロリド
などの環状第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0041】また、有機ホスホニウム塩の具体例として
は、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチル
ホスホニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホ
スホニウムクロリド、トリエチルフェニルホスホニウム
クロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応
する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4
つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが
挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、ト
リエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスル
ホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素
基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0042】前記多原子陰イオンは、例えば、下記式
(6)で表される。この多原子陰イオンは、カウンター
カチオンとともに、下記式(7)で表される有機塩を構
成する。 [RbAO3q- (6) Zq+[RbAO3q- (7)
【0043】上記式中、Rbは炭化水素基又は水素原子
を示す。Aは周期表15族又は16族元素の原子を示
す。qは1又は2を示し、Zq+は、カウンターカチオン
を示す。Rbで示される炭化水素基としては、前記と同
様の基のほか、樹脂(ポリマー鎖又はその分岐鎖)が挙
げられる。好ましいAには、S、Pなどが含まれる。A
がSなどのとき、qは1であり、AがPなどのとき、q
は2である。Zとしては、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカ
リ土類金属などが挙げられる。好ましいZにはアルカリ
金属が含まれる。Zq+は、前記の多原子陽イオンであっ
てもよい。
【0044】前記式(7)で表される有機塩としては、
メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、オクタンス
ルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスル
ホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、デシルベンゼンスル
ホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキ
ル基で置換されていてもよいアリールスルホン酸塩;ス
ルホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン
酸型イオン交換樹脂(イオン交換体)などが挙げられ
る。なかでも、C6-18アルキルスルホン酸塩、C6-18
ルキル−アリールスルホン酸塩を用いる場合が多い。
【0045】有機塩(iii)の使用量は、例えば、前記
式(2)で表される化合物1モルに対して0.0001
〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さ
らに好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、
0.005〜0.05モル程度である場合が多い。有機
塩(iii)の使用量が多すぎると、反応速度が低下する
場合がある。
【0046】酸化に利用される分子状酸素は、特に制限
されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、
アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素
を使用してもよい。操作性及び安全性のみならず経済性
などの点から、空気を使用するのが好ましい。
【0047】分子状酸素の使用量は、通常、式(2)で
表される化合物1モルに対して、0.5モル以上(例え
ば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに
好ましくは2〜50モル程度である。式(2)で表され
る化合物に対して過剰モルの分子状酸素を使用する場合
が多い。
【0048】上記の方法において、共酸化剤として用い
る第1級又は第2級アルコールには、広範囲のアルコー
ルが含まれる。アルコールは、1価、2価又は多価アル
コールの何れであってもよい。また、前記第1級又は第
2級アルコールは、種々の置換基、例えば、ハロゲン原
子、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オ
キシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
シルオキシ基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置
換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル
基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキ
ル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェ
ニル、ナフチル基など)、アラルキル基、複素環基など
を有していてもよい。
【0049】第1級アルコールとしては、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−
メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘ
キサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−
ヘキサデカノール、2−ブテン−1−オール、エチレン
グリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ペンタエリスリトールなどの炭素数1〜3
0(好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜15)
程度の飽和又は不飽和脂肪族第1級アルコール;シクロ
ペンチルメチルアルコール、シクロヘキシルメチルアル
コール、2−シクロヘキシルエチルアルコールなどの飽
和又は不飽和脂環式第1級アルコール;ベンジルアルコ
ール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプ
ロピルアルコール、桂皮アルコールなどの芳香族第1級
アルコール;2−ヒドロキシメチルピリジンなどの複素
環式アルコールが挙げられる。好ましい第1級アルコー
ルには、脂肪族第1級アルコール(例えば、炭素数1〜
20程度の飽和脂肪族第1級アルコールなど)などが含
まれる。
【0050】第2級アルコールとしては、2−プロパノ
ール、s−ブチルアルコール、2−ペンタノール、3−
ペンタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、
4−デカノール、2−ヘキサデカノール、2−ペンテン
−4−オールなどの炭素数3〜30(好ましくは3〜2
0、さらに好ましくは3〜15)程度の飽和又は不飽和
脂肪族第2級アルコール;シクロブタノール、シクロペ
ンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノー
ル、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、2
−シクロヘキセン−1−オール、3,5,5−トリメチ
ル−2−シクロヘキセン−1−オール、1,3−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロオクタンジオール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)メタン、4−(4−ヒドロキシ
シクロヘキシル)シクロヘキサノールなどの3〜20員
(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜15
員、特に5〜8員)程度の飽和又は不飽和脂環式第2級
アルコール;1−フェニルエタノール、1−フェニルプ
ロパノール、1−フェニルメチルエタノール、ジフェニ
ルメタノール(ベンズヒドロール)などの芳香族第2級
アルコール;1−(2−ピリジル)エタノールなどの複
素環式第2級アルコールなどが含まれる。
【0051】好ましい第1級又は第2級アルコールに
は、第2級アルコール[例えば、s−ブチルアルコール
などの脂肪族第2級アルコール、シクロヘキサノールな
どの脂環式第2級アルコール、1−フェニルエタノー
ル、ジフェニルメタノール(ベンズヒドロール)などの
芳香族第2級アルコール]が含まれる。前記アルコール
は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0052】前記共酸化剤としての第1級又は第2級ア
ルコールは、通常、反応によりアルデヒド、カルボン
酸、又はケトンに変換される。前記共酸化剤は単独で又
は2種以上混合して使用できる。共酸化剤の使用量は、
式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば、
0.1〜200モル、好ましくは0.5〜100モル、
さらに好ましくは1〜50モル(特に、2〜30モル)
程度である。共酸化剤を反応溶媒として用いることもで
きる。
【0053】上記の方法においては、共酸化剤として用
いる第1級又は第2級アルコールが系内で酸化されて生
成する過酸化物が、式(2)で表される化合物を対応す
るラクトン[式(1)で表される化合物]に変換する反
応に関与するものと考えられる。なお、前記の方法にお
いて、共酸化剤として、第1級又は第2級アルコール以
外の化合物を用いることもできる。このような化合物に
は、前記イミド化合物と酸素とにより酸化可能な種々の
化合物が含まれる(特開平8−38909号公報、特開
平9−327626号公報参照)。
【0054】酸化反応は、通常、有機溶媒中で行われ
る。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸な
どの有機酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトア
ミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド類;ヘキサン、オクタンなどの脂
肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロ
メチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベン
ゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合
物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;これら
の混合溶媒など挙げられる。溶媒としては、酢酸などの
有機酸類、アセトニトリルやベンゾニトリルなどのニト
リル類、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などを用いる場
合が多い。
【0055】反応温度は、例えば0〜300℃、好まし
くは20〜200℃、さらに好ましくは30〜150℃
程度であり、通常、40〜100℃程度で反応する場合
が多い。反応は、常圧または加圧下で行うことができ、
加圧下で反応させる場合には、通常、1〜100atm
(例えば、1.5〜80atm)、好ましくは2〜70
atm程度である。反応時間は、反応温度及び圧力に応
じて、例えば、30分〜48時間程度の範囲から適当に
選択できる。
【0056】反応は、分子状酸素の存在下又は分子状酸
素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方
法により行うことができる。反応終了後、反応生成物
は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶
析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段
や、これらを組み合わせた分離手段により、容易に分離
精製できる。
【0057】また、前記式(1)で表される化合物は、
一般的なBaeyer−Villiger反応、すなわ
ち、式(2)で表される化合物と過酸化水素等の過酸化
物やm−クロロ過安息香酸等の過酸との反応により得る
こともできる。
【0058】さらに、前記式(1)で表される4−オキ
サトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−
オン誘導体のうち、Rがアクリロイル基又はメタクリロ
イル基である化合物は、(i)前記式(1)で表される
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカ
ン−5−オン誘導体のうちRが水素原子である化合物
(アルコール誘導体)と(メタ)アクリル酸とを、塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒の存在
下で反応させる方法、(ii)前記アルコール誘導体と
(メタ)アクリル酸ハライドとを、トリエチルアミンな
どの塩基の存在下で反応させる方法、(iii)前記アル
コール誘導体と(メタ)アクリル酸エステルとを、エス
テル交換触媒の存在下でエステル交換する方法などによ
り製造できる。前記(i)及び(ii)の方法において、
反応は通常のエステル化条件下で行うことができる。ま
た、前記(iii)の方法において、エステル交換反応
は、ナトリウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシ
ド、チタン酸エステルなどの慣用のエステル交換触媒を
用いて行ってもよいが、(メタ)アクリル酸エステルと
して(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸プ
ロペニルなどの(メタ)アクリル酸C2-4アルケニルエ
ステルなどを用いると共に、エステル交換触媒として周
期表3族元素化合物(例えば、ヨウ化サマリウム、サマ
リウムトリフレート、サマリウム錯体などのサマリウム
化合物等)を用いることにより高い収率で対応する(メ
タ)アクリロイルオキシ誘導体を得ることができる。
【0059】[式(2)で表される化合物の製造]前記
式(1)で表される化合物の製造方法において原料とし
て用いる式(2)で表されるアダマンタノン誘導体のう
ち、Rが水素原子である化合物は、例えば以下の方法に
より得ることができる。すなわち、下記式(8)
【化6】 (式中、Rcは水素原子を示す。式中に示されるオキソ
基又はRcの結合した炭素原子以外の炭素原子は置換基
を有していてもよい)で表されるアダマンタノン誘導体
を、前記式(3)で表されるイミド化合物と、バナジウ
ム化合物及びマンガン化合物の存在下、酸素と反応させ
ることにより、下記式(2a)
【化7】 (式中に示されるオキソ基又はヒドロキシル基の結合し
た炭素原子以外の炭素原子は置換基を有していてもよ
い)で表されるアダマンタノン誘導体を製造することが
できる。
【0060】前記式(8)において、オキソ基又はRc
の結合した炭素原子以外の炭素原子が有していてもよい
置換基、及び式(2a)において、オキソ基又はヒドロキ
シル基の結合した炭素原子以外の炭素原子が有していて
もよい置換基としては、前記式(1)において環を構成
する炭素原子が有していてもよい置換基として例示した
基が挙げられる。
【0061】式(8)で表される化合物の代表的な例と
しては、例えば、2−アダマンタノン、3,7−ジメチ
ル−2−アダマンタノン、1,3−ジメチル−2−アダ
マンタノン、7−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、1
−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、7−カルボキシ−
2−アダマンタノン、1−カルボキシ−2−アダマンタ
ノンなどが挙げられる。
【0062】式(8)で表される化合物は、例えば、対
応するアダマンタン誘導体を、前記式(3)で表される
イミド化合物及び前記金属化合物、並びに強酸(例えば
濃硫酸など)の存在下、酸素と反応させてオキソ化する
ことにより得ることができる(特開平10−30946
9号公報参照)。
【0063】前記式(2a)で表されるアダマンタノン誘
導体を製造するに際し、前記イミド化合物の使用量は、
広い範囲で選択でき、例えば、式(8)で表される化合
物1モルに対して0.0001〜1モル、好ましくは
0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜
0.4モル程度であり、0.05〜0.35モル程度で
ある場合が多い。
【0064】バナジウム化合物及びマンガン化合物とし
ては、それぞれ、バナジウム原子及びマンガン原子を有
する広範な化合物を使用できる。バナジウム化合物及び
マンガン化合物は、それぞれ1種又は2種以上混合して
用いることができる。バナジウム化合物におけるバナジ
ウム元素の原子価は2〜5価、マンガン化合物における
マンガン元素の原子価は1〜7価である。
【0065】バナジウム化合物及びマンガン化合物とし
ては、それぞれの元素の水酸化物、酸化物(複合酸化物
を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、
ヨウ化物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リ
ン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ
酸、ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例え
ば、酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、
ステアリン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げら
れる。前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒド
ロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニル
など)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、
エトキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シク
ロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素な
ど)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフ
ィン(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホス
フィンなど)のリン化合物、NH3(アンミン)、N
O、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナント
ロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。
【0066】バナジウム化合物の代表的な例には、水酸
化バナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化
バナジル、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸
ナトリウムなどの無機化合物;バナジウムアセチルアセ
トナト、バナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2
〜5価のバナジウム化合物などが含まれる。マンガン化
合物の代表的な例には、水酸化マンガン、酸化マンガ
ン、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、硫酸
マンガン、リン酸マンガンなどの無機化合物;酢酸マン
ガン、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸マンガンなど
の有機酸塩;マンガンアセチルアセトナトなどの錯体等
の2価又は3価のマンガン化合物などが含まれる。
【0067】バナジウム化合物及びマンガン化合物の総
使用量は、例えば、式(8)で表される化合物1モルに
対して、0.0001〜0.7モル、好ましくは0.0
01〜0.5モル、さらに好ましくは0.0015〜
0.1モル程度であり、0.0015〜0.05モル
(特に、0.002〜0.01モル)程度である場合が
多い。
【0068】バナジウム化合物とマンガン化合物との比
率(金属原子比)は、例えば、前者/後者=99/1〜
1/99、好ましくは95/5〜10/90、さらに好
ましくは90/10〜30/70程度であり、80/2
0〜50/50程度である場合が多い。なお、反応速度
や反応の選択性を損なわない範囲で、他の金属触媒など
を助触媒として併用してもよい。
【0069】酸素は分子状の酸素及び発生機の酸素の何
れであってもよい。分子状酸素としては、純粋な酸素を
用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素
などの不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよい。操
作性及び安全性のみならず経済性などの点から、空気を
使用するのが好ましい。酸素の使用量は、通常、式
(8)で表される化合物1モルに対して、0.5モ
【0070】ル以上(例えば、1モル以上)、好ましく
は1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度
である。式(8)で表される化合物に対して過剰モルの
酸素を使用する場合が多い。
【0071】反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有
機溶媒の種類、反応温度、反応圧力等の反応条件は、前
記式(2)の化合物から式(1)の化合物を製造する方
法について記載した条件と同様である。反応は、酸素の
存在下又は酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式な
どの慣用の方法により行うことができる。この方法によ
れば、ヒドロキシル基がアダマンタン環の特定位に位置
選択的に導入され、式(2a)で表される化合物が収率よ
く生成する。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、
例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み
合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0072】前記式(2)で表されるアダマンタノン誘
導体のうち、Rが(メタ)アクリロイル基である化合物
は、上記(2a)で表される化合物を用い、前記式(1)
で表される化合物のうちRが水素原子である化合物から
前記式(1)で表される化合物のうちRがアクリロイル
基又はメタクリロイル基である化合物を得る方法として
記載した方法((i)〜(iii))に準じて製造でき
る。
【0073】本発明の式(1)で表される4−オキサト
リシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン
誘導体は、感光性樹脂等の機能性高分子の原料、医薬、
農薬その他の精密化学品の原料などとして有用である。
特に、Rが(メタ)アクリロイル基である化合物は、レ
ジスト用樹脂の単量体成分として用いた場合、アダマン
タン骨格により優れたドライエッチング耐性が発現され
るだけでなく、親水性の高いラクトン環を有しているた
め、溶解性に優れ、しかも基板に対して優れた密着性を
示す。すなわち、該化合物は、ドライエッチング耐性、
溶解性及び密着性という3つの要素を1分子で体現する
理想的な化合物といえる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、1位にヒドロキシル基
又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有する新規な4−
オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−
5−オン誘導体が提供される。これらの化合物は、フォ
トレジスト用樹脂組成物を構成する酸感応性重合体など
の感光性樹脂等の原料、精密化学品の原料などとして有
用である。
【0075】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0076】製造例1 2−アダマンタノン0.1モル、N−ヒドロキシフタル
イミド10ミリモル、バナジウムアセチルアセトナトV
(AA)3 0.33ミリモル、マンガンアセチルアセト
ナトMn(AA)2 0.17ミリモル、及び酢酸250
mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、85℃で
10時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、酢酸エチルで
抽出した。有機層を一部濃縮した後、冷却することによ
り晶析し、下記式で表される5−ヒドロキシ−2−アダ
マンタノン(収率48%)を得た。2−アダマンタノン
の転化率は74%であった。 [5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンのスペクトルデ
ータ] IR(cm-1):3410,2920,2810,17
20,1440,1330,1240,1060,88
0 MS m/e:166([M+]),148,119
【化8】
【0077】実施例1 5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン100ミリモル、
ベンズヒドロール200ミリモル、N−ヒドロキシフタ
ルイミド10ミリモル、酢酸コバルト(II)0.1ミリ
モル、及びベンゾニトリル200mlの混合物を、酸素
雰囲気下(1気圧)、75℃で6時間撹拌した。反応混
合液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付すことにより、下記式で表される1−ヒドロキシ
−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデ
カン−5−オンを収率48%で得た。5−ヒドロキシ−
2−アダマンタノンの転化率は67%であった。 [1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オンのスペクトルデー
タ] MS m/e:182([M+]),138,120
【化9】
【0078】実施例2 1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.
3,8]ウンデカン−5−オン50ミリモル、アクリル
酸クロリド150ミリモル、トリエチルアミン150ミ
リモル、及びトルエン250mlの混合物を60℃で4
時間攪拌した。反応混合液を濃縮した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付すことにより、下記式で表
される1−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンを収率5
0%で得た。1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンの転化率
は73%であった。 [1−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンのスペク
トルデータ] MS m/e:236([M+]),192,120
【化10】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示
    す。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加
    えて他の置換基を有していてもよい)で表される4−オ
    キサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5
    −オン誘導体。
JP24808399A 1999-09-01 1999-09-01 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体 Expired - Fee Related JP4562829B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24808399A JP4562829B2 (ja) 1999-09-01 1999-09-01 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体
US09/648,755 US6486330B1 (en) 1999-09-01 2000-08-28 4-oxatricyclo[4.3.1.1 3,8]undecan-5-one derivative and process for producing the same
EP00118867A EP1081150B1 (en) 1999-09-01 2000-08-31 4-Oxatricyclo(4.3.1.1-3,8)undecan-5-one derivatives and process for producing the same
DE60006201T DE60006201T2 (de) 1999-09-01 2000-08-31 4-Oxatricyclo(4.3.1.1-3,8)undecan-5-on-Derivate und Verfahren zu ihrer Herstellung
KR1020000051042A KR20010050290A (ko) 1999-09-01 2000-08-31 4-옥사트리시클로[4.3.1.1(3,8)]운데칸-5-온 유도체 및그의 제조 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24808399A JP4562829B2 (ja) 1999-09-01 1999-09-01 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001072674A true JP2001072674A (ja) 2001-03-21
JP4562829B2 JP4562829B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=17172968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24808399A Expired - Fee Related JP4562829B2 (ja) 1999-09-01 1999-09-01 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6486330B1 (ja)
EP (1) EP1081150B1 (ja)
JP (1) JP4562829B2 (ja)
KR (1) KR20010050290A (ja)
DE (1) DE60006201T2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284785A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Daicel Chem Ind Ltd ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン及びその(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
WO2012020546A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 出光興産株式会社 ホモアダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト組成物
US10877374B2 (en) 2017-09-15 2020-12-29 Toshiba Memory Corporation Pattern formation method and pattern formation material

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW581941B (en) * 2001-06-21 2004-04-01 Fuji Photo Film Co Ltd Positive resist composition
JP3912767B2 (ja) * 2001-06-21 2007-05-09 富士フイルム株式会社 ポジ型感光性組成物
JP4149154B2 (ja) * 2001-09-28 2008-09-10 富士フイルム株式会社 ポジ型レジスト組成物
JP3827290B2 (ja) * 2001-10-03 2006-09-27 富士写真フイルム株式会社 ポジ型感光性組成物
US7488565B2 (en) 2003-10-01 2009-02-10 Chevron U.S.A. Inc. Photoresist compositions comprising diamondoid derivatives
RU2637941C1 (ru) * 2017-03-14 2017-12-08 Ангелина Геннадьевна Миловидова Способ получения 7-имино-6-оксабицикло[3.2.1]окт-3-ен-1,8,8-трикарбонитрилов

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0838909A (ja) * 1994-08-02 1996-02-13 Daicel Chem Ind Ltd 酸化触媒およびそれを用いた酸化方法
JPH10309469A (ja) * 1997-05-13 1998-11-24 Daicel Chem Ind Ltd オキソ化用触媒およびそれを用いたケトン類の製造方法
JP2000122294A (ja) * 1998-08-10 2000-04-28 Toshiba Corp 感光性組成物及びパタ―ン形成方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3911060B2 (ja) * 1996-02-07 2007-05-09 ダイセル化学工業株式会社 酸化触媒系およびそれを用いた酸化方法
CN1098124C (zh) 1996-02-07 2003-01-08 大赛璐化学工业株式会社 氧化催化体系和使用该氧化催化体系的氧化方法
US6303266B1 (en) 1998-09-24 2001-10-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Resin useful for resist, resist composition and pattern forming process using the same

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0838909A (ja) * 1994-08-02 1996-02-13 Daicel Chem Ind Ltd 酸化触媒およびそれを用いた酸化方法
JPH10309469A (ja) * 1997-05-13 1998-11-24 Daicel Chem Ind Ltd オキソ化用触媒およびそれを用いたケトン類の製造方法
JP2000122294A (ja) * 1998-08-10 2000-04-28 Toshiba Corp 感光性組成物及びパタ―ン形成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284785A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Daicel Chem Ind Ltd ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン及びその(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP4659251B2 (ja) * 2001-03-26 2011-03-30 ダイセル化学工業株式会社 ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン及びその(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
WO2012020546A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 出光興産株式会社 ホモアダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト組成物
JP2012041274A (ja) * 2010-08-12 2012-03-01 Idemitsu Kosan Co Ltd ホモアダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト組成物
US9513545B2 (en) 2010-08-12 2016-12-06 Osaka Organic Chemical Industry Ltd. Homoadamantane derivatives, process for preparing same, and photoresist compositions
US10877374B2 (en) 2017-09-15 2020-12-29 Toshiba Memory Corporation Pattern formation method and pattern formation material

Also Published As

Publication number Publication date
DE60006201T2 (de) 2004-04-15
EP1081150A1 (en) 2001-03-07
US6486330B1 (en) 2002-11-26
KR20010050290A (ko) 2001-06-15
JP4562829B2 (ja) 2010-10-13
EP1081150B1 (en) 2003-10-29
DE60006201D1 (de) 2003-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4052943B2 (ja) 電子吸引性基含有単量体及びその製造法
JP4390394B2 (ja) イミド化合物触媒を用いた有機化合物の製造法
JP2001072674A (ja) 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体
US6429314B1 (en) Methods of acylating adamantane, tricyclo[5.2.1.02,6], and decalin compounds
EP1754693B9 (en) Process for the production of esters or lactones
KR20010014005A (ko) 아다만탄메탄올 유도체 및 그의 제조 방법
JP2000229898A (ja) ヒドロキシメチル基含有脂環式化合物とその製造法、及び重合性脂環式化合物
EP1070678B1 (en) Process for producing hydrogen peroxide
JP4197207B2 (ja) 有機硫黄酸又はその塩の製造法
JP2002226423A (ja) イミド化合物を触媒とするケトンの製造方法
JP5000043B2 (ja) イミド化合物と窒素酸化物とを触媒とする有機化合物の製造法
JP4448677B2 (ja) ビニルエーテル化合物の製造法
JPH11228484A (ja) キノン類の製造法
JP2000212116A (ja) ヒドロキシケトンの製造法
JP4067163B2 (ja) ビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、及びその製造法
JP2002155047A (ja) 有機過酸化物の製造方法
JPH11315036A (ja) エーテル類の酸化方法、及びアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法
JPH11302211A (ja) アダマンタノール誘導体及びその製造法
JP4606209B2 (ja) ラクトン化合物及びラクトン化合物の製造法
JP2001247536A (ja) 有機硫黄酸又はその塩の製造法
JP2003160542A (ja) ニトロ化合物の製造法
JP2001072627A (ja) エーテル類の酸化方法、及びアセタール化合物又はカルボニル化合物の製造法
JP2001247486A (ja) ニトロ化合物の製造法
JP2002155049A (ja) ラクタムの製造方法
JP2001253852A (ja) リンゴ酸及びオキサル酢酸誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100728

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees