JP4562829B2 - 4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体 - Google Patents
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂などの機能性高分子の原料、医薬、農薬その他の精密化学品の原料などとして有用な4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−アダマンタノンのカルボニル基の隣接位に酸素原子を導入した化合物4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンは有機合成中間体として知られている(例えば、Synthesis,1986,741−743)。しかし、1位の炭素原子にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基の結合した4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体は知られていない。
【0003】
一方、半導体集積回路の微細パターンの形成には、薄膜を形成した基板上をレジストで被覆し、選択露光により所望のパターンの潜像を形成した後、現像によりレジストパターンを形成し、このパターンをマスクとしてドライエッチングを行い、その後にレジストを除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術が利用されている。このリソグラフィ技術においては、露光源として、g線、i線などの紫外線が使用されているが、パターンの微細化に伴い、より短波長の遠紫外線、真空紫外線、エキシマレーザー光線、電子線、X線などの放射線が利用されるようになっている。上記のような短波長の露光源(ArFエキシマレーザーなど)を用いて微細なパターンを形成するには、用いるレジストが露光源の波長において透明性に優れているとともに、基板に対する密着性に優れ、ドライエッチング耐性を有し、且つ現像時における現像液溶解性に優れていることが要求される。近年、このようなレジスト材料として橋かけ環やラクトン環を有する重合性モノマーの重合体が注目されている(例えば、特開平9−73173号公報など)が、上記の特性を十分に満足させるものは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、1位にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有する新規な4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体及びその製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、フォトレジスト用樹脂のモノマー原料として有用な4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体及びその製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定構造のイミド化合物を触媒として用い、特定化合物の共存下で1位にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有する4−アダマンタノン誘導体を分子状酸素により酸化すると、いわゆるBaeyer−Villiger型の反応が進行して、対応する4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体が効率よく生成することを見いだし本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記式(3)
【化6】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(3)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい)
で表されるイミド化合物の存在下、下記式(2)
【化7】
(式中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示す。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加えてC1-4アルキル基、保護基を有していてもよいヒドロキシル基、保護基を有していてもよいカルボキシル基から選択される少なくとも1つを有していていもよい)
で表されるアダマンタノン誘導体を、ベンズヒドロール及びMo、Co、Mnから選択される金属元素の有機酸塩若しくはアセチルアセトナト錯体の共存下で分子状酸素により酸化して、下記式(1)
【化8】
(式中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示す。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加えてC1-4アルキル基、保護基を有していてもよいヒドロキシル基、保護基を有していてもよいカルボキシル基から選択される少なくとも1つを有していてもよい)
で表される化合物を得る4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体の製造法を提供する。
また、前記4−オキサトリシクロ[4.3.1.1 3,8 ]ウンデカン−5−オン誘導体の製造法により下記式(1a)
【化9】
(式中、環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加えてC1-4アルキル基、保護基を有していてもよいヒドロキシル基、保護基を有していてもよいカルボキシル基から選択される少なくとも1つを有していてもよい)
で表される化合物を製造し、得られた上記式(1a)で表される化合物と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを反応させて、下記式(1b)
【化10】
(式中、環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加えてC1-4アルキル基、保護基を有していてもよいヒドロキシル基、保護基を有していてもよいカルボキシル基から選択される少なくとも1つを有していてもよい)
で表される化合物を製造してもよい。なお、本明細書には、上記発明の他、下記式(1)
【化11】
(式中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示す。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加えて他の置換基を有していてもよい)
で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体についても記載する。
なお、本明細書では、アクリロイル基とメタクロイル基とを(メタ)アクリロイル基と総称する。
【0007】
【発明の実施の形態】
式(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体において、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示す。また、環を構成する炭素原子は式中に示される置換基(−OR基及びオキソ基)に加えて他の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのC1-4アルキル基、保護基を有していてもよいヒドロキシル基、保護基を有していてもよいカルボキシル基などが例示される。前記保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
【0008】
式(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体の代表的な例として、例えば、1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−ヒドロキシ−3,8−ジメチル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,8−ジメチル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−ヒドロキシ−3,6−ジメチル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,6−ジメチル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1,8−ジヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、8−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1,6−ジヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、6−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1,3−ジヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、3−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、8−カルボキシ−1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、8−カルボキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、6−カルボキシ−1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、6−カルボキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、3−カルボキシ−1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、3−カルボキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンなどが挙げられる。
【0009】
[式(1)で表される化合物の製造]
式(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体は、例えば、下記式(2)
【化12】
(式中、Rは前記に同じ。環を構成する炭素原子は式中に示される置換基に加えて他の置換基を有していていもよい)
で表されるアダマンタノン誘導体を、下記式(3)
【化13】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(3)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい)で表されるイミド化合物の存在下、第1級又は第2級アルコールと共に、分子状酸素により酸化することにより得ることができる。なお、前記第1級又は第2級アルコールは共酸化剤[(式(2)で表される化合物と共に酸化される化合物]として機能する。
【0010】
前記式(2)において、環を構成する炭素原子が有していてもよい置換基としては、前記式(1)において環を構成する炭素原子が有していてもよい置換基として例示した基が挙げられる。
【0011】
式(2)で表される化合物の代表的な例としては、5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−2−アダマンタノン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−3,7−ジメチル−2−アダマンタノン、5−ヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−アダマンタノン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−1,3−ジメチル−2−アダマンタノン、5,7−ジヒドロキシ−2−アダマンタノン、7−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、1,5−ジヒドロキシ−2−アダマンタノン、1−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、3,5−ジヒドロキシ−2−アダマンタノン、3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、7−カルボキシ−5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、7−カルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、1−カルボキシ−5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、1−カルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノン、3−カルボキシ−5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、3−カルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アダマンタノンなどが挙げられる。
【0012】
前記式(3)で表されるイミド化合物において、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0013】
アリール基には、フェニル、ナフチル基などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0014】
アルコキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキシカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。
【0015】
アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6程度のアシル基が例示できる。
【0016】
前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっていてもよい。また、前記式(3)において、R1及びR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。このような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していてもよい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有していていもよい。
【0017】
前記式(3)において、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は単結合又は二重結合である。
前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(3)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成する場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
【0018】
好ましいイミド化合物には、下記式で表される化合物が含まれる。
【化14】
(式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式(3f)中、A1はメチレン基又は酸素原子を示す。R1、R2 、Xは前記に同じ。式(3c)のベンゼン環には、式(3c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個結合していてもよい)
【0019】
置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度のハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環が好ましい。
【0020】
好ましいイミド化合物の代表的な例として、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。
【0021】
前記イミド化合物は、慣用のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンNH2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経てイミド化する方法により調製できる。
【0022】
前記式(3)で表されるイミド化合物に対応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0023】
特に好ましい化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれる。
【0024】
式(3)で表されるイミド化合物は酸化反応において1種又は2種以上使用できる。前記イミド化合物は、担体に担持した形態で用いてもよい。担体としては、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多い。
【0025】
前記イミド化合物の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、前記式(2)で表される化合物1モルに対して0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.4モル程度であり、0.05〜0.35モル程度である場合が多い。
【0026】
上記方法において、反応速度や反応の選択性を向上するため、前記式(3)で表される触媒と助触媒とを併用することもできる。このような助触媒には、例えば、(i)電子吸引基が結合したカルボニル基を有する化合物、(ii)金属化合物、(iii)少なくとも1つの有機基が結合した周期表15族又は16族元素を含む多原子陽イオン又は多原子陰イオンとカウンターイオンとで構成された有機塩などが含まれる。これらの助触媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0027】
前記電子吸引基が結合したカルボニル基を有する化合物(i)において、カルボニル基に結合する電子吸引基としては、例えば、フェニル;フルオロメチル、トリフルオロメチル、テトラフルオロエチル、フルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル基などのフッ素原子で置換された炭化水素基などが挙げられる。前記化合物(i)の具体例として、例えば、ヘキサフルオロアセトン、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロフェニル(メチル)ケトン、ペンタフルオロフェニル(トリフルオロメチル)ケトン、安息香酸などが挙げられる。
【0028】
これらの化合物を用いると、系内で反応性の高い過酸化物に変換されるためか、Baeyer−Villiger型の反応の反応速度が促進される。前記化合物(i)の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、0.0001〜1モル、好ましくは0.01〜0.7モル、さらに好ましくは0.05〜0.5モル程度である。
【0029】
金属化合物(ii)を構成する金属元素としては、特に限定されず、周期表1〜15族の金属元素の何れであってもよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも金属元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素として、周期表1族元素(Li、Na、Kなど)、2族元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、3族元素(Sc、ランタノイド元素、アクチノイド元素など)、4族元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素(Vなど)、6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnなど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、11族元素(Cuなど)、12族元素(Znなど)、13族元素(B、Al、Inなど)、14族元素(Sn、Pbなど)、15族元素(Sb、Biなど)などが挙げられる。好ましい金属元素には、遷移金属元素(周期表3〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期表5〜11族元素、特に、6族、7族及び9族元素が好ましく、とりわけ、Mo、Co、Mnなどが好ましい。金属元素の原子価は特に制限されないが、0〜6価程度である場合が多い。
【0030】
金属化合物(ii)としては、前記金属元素の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。金属化合物(ii)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0031】
金属化合物(ii)を用いると、反応の選択性が向上する場合がある。特に、金属化合物(ii)として、V、Mo、Co、Mnなどの遷移金属元素(Feを除く)を含む化合物(特に、Co化合物)と、白金族金属元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)又はFeを含む化合物(特に、Pt(dppb)(μ−OH)]2(BH4)2などの白金族金属水素錯化合物等)とを組み合わせて用いると、選択率が著しく向上し、高い収率で目的化合物を得ることができる。
【0032】
金属化合物(ii)の使用量は、例えば、式(2)で表される化合物1モルに対して、0.0001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、0.005〜0.05モル程度である場合が多い。
【0033】
前記有機塩(iii)において、周期表15族元素には、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期表16族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれる。好ましい元素としては、N、P、As、Sb、Sが挙げられ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0034】
前記元素の原子に結合する有機基には、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換オキシ基などが含まれる。炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリルなどの炭素数1〜30程度(好ましくは炭素数1〜20程度)の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜8程度の脂環式炭化水素基;フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭化水素基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、複素環基などが例示できる。好ましい炭化水素基には、炭素数1〜30程度のアルキル基、炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基(特に、フェニル基又はナフチル基)などが含まれる。前記置換オキシ基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基などが含まれる。
【0035】
前記多原子陽イオンは、例えば、下記式(4)で表される。この多原子陽イオンは、カウンターアニオンとともに、下記式(5)で表される有機オニウム塩を構成する。
[Ra mA]+ (4)
[Ra mA]+Y- (5)
【0036】
上記式中、Raは炭化水素基又は水素原子を示す。4個のRaは互いに同一又は異なっていてもよく、少なくとも1つのRaは炭化水素基である。Aは周期表15族又は16族元素の原子を示す。2つのRaは互いに結合して隣接するAと共に環を形成してもよく、また、2つのRaが一体となってAと二重結合を形成すると共に他のRaと結合してAとで環を形成してもよい。mは3又は4を示す。Y-は、カウンターアニオンを示し、Yは酸基を示す。なお、上記炭化水素基は、例えば前記の置換基を有していてもよい。
【0037】
2つのRaが互いに結合して隣接するAと共に形成する環としては、ピロリジン環、ピペリジン環などの3〜8員(好ましくは、5〜6員)程度の含窒素(又は含リン)複素環などが挙げられる。また、2つのRaが一体となってAと二重結合を形成すると共に他のRaと結合してAとで形成する環としては、ピリジン環などの5〜8員の含窒素複素環などが挙げられる。これらの環にはベンゼン環などの環が縮合していてもよい。このような縮合環として、キノリン環などが挙げられる。Aが周期表15族元素の原子のとき、mは4である場合が多く、Aが周期表16族元素の原子のとき、mは3である場合が多い。
【0038】
前記Aは、好ましくは、N、P、As、Sb、又はSであり、さらに好ましくは、N、P、又はSであり、特に、N又はPが好ましい。また、好ましい多原子陽イオンでは、4個のRaのすべてが有機基である(Aを含む環が形成されている場合を含む)。
【0039】
酸基Yとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;硝酸基(NO3)、硫酸基(SO4)、リン酸基(PO4)、過塩素酸基(ClO4)などの無機酸基;酢酸基(CH3CO2)、メタンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基などの有機酸基などが挙げられる。好ましい酸基には、ハロゲン原子及び無機酸基が含まれ、特に塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が好ましい。
【0040】
前記有機オニウム塩のなかでも、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩などが特に好ましい。有機アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニルアンモニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)アンモニウムクロリド、ジ(オクタデシル)ジメチルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウムクロリド、及び対応する第4級アンモニウムブロミドなどの、窒素原子に4つの炭化水素基が結合した第4級アンモニウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、メチルキノリニウムクロリドなどの環状第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0041】
また、有機ホスホニウム塩の具体例としては、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホスホニウムクロリド、トリエチルフェニルホスホニウムクロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、トリエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスルホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0042】
前記多原子陰イオンは、例えば、下記式(6)で表される。この多原子陰イオンは、カウンターカチオンとともに、下記式(7)で表される有機塩を構成する。
[RbAO3]q- (6)
Zq+[RbAO3]q- (7)
【0043】
上記式中、Rbは炭化水素基又は水素原子を示す。Aは周期表15族又は16族元素の原子を示す。qは1又は2を示し、Zq+は、カウンターカチオンを示す。
Rbで示される炭化水素基としては、前記と同様の基のほか、樹脂(ポリマー鎖又はその分岐鎖)が挙げられる。好ましいAには、S、Pなどが含まれる。AがSなどのとき、qは1であり、AがPなどのとき、qは2である。Zとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。好ましいZにはアルカリ金属が含まれる。Zq+は、前記の多原子陽イオンであってもよい。
【0044】
前記式(7)で表される有機塩としては、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、オクタンスルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキル基で置換されていてもよいアリールスルホン酸塩;スルホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体)などが挙げられる。なかでも、C6-18アルキルスルホン酸塩、C6-18アルキル−アリールスルホン酸塩を用いる場合が多い。
【0045】
有機塩(iii)の使用量は、例えば、前記式(2)で表される化合物1モルに対して0.0001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、0.005〜0.05モル程度である場合が多い。有機塩(iii)の使用量が多すぎると、反応速度が低下する場合がある。
【0046】
酸化に利用される分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよい。操作性及び安全性のみならず経済性などの点から、空気を使用するのが好ましい。
【0047】
分子状酸素の使用量は、通常、式(2)で表される化合物1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。式(2)で表される化合物に対して過剰モルの分子状酸素を使用する場合が多い。
【0048】
上記の方法において、共酸化剤として用いる第1級又は第2級アルコールには、広範囲のアルコールが含まれる。アルコールは、1価、2価又は多価アルコールの何れであってもよい。また、前記第1級又は第2級アルコールは、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキル基、複素環基などを有していてもよい。
【0049】
第1級アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ヘキサデカノール、2−ブテン−1−オール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ペンタエリスリトールなどの炭素数1〜30(好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜15)程度の飽和又は不飽和脂肪族第1級アルコール;シクロペンチルメチルアルコール、シクロヘキシルメチルアルコール、2−シクロヘキシルエチルアルコールなどの飽和又は不飽和脂環式第1級アルコール;ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコールなどの芳香族第1級アルコール;2−ヒドロキシメチルピリジンなどの複素環式アルコールが挙げられる。好ましい第1級アルコールには、脂肪族第1級アルコール(例えば、炭素数1〜20程度の飽和脂肪族第1級アルコールなど)などが含まれる。
【0050】
第2級アルコールとしては、2−プロパノール、s−ブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、4−デカノール、2−ヘキサデカノール、2−ペンテン−4−オールなどの炭素数3〜30(好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜15)程度の飽和又は不飽和脂肪族第2級アルコール;シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、2−シクロヘキセン−1−オール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロオクタンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、4−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)シクロヘキサノールなどの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜15員、特に5〜8員)程度の飽和又は不飽和脂環式第2級アルコール;1−フェニルエタノール、1−フェニルプロパノール、1−フェニルメチルエタノール、ジフェニルメタノール(ベンズヒドロール)などの芳香族第2級アルコール;1−(2−ピリジル)エタノールなどの複素環式第2級アルコールなどが含まれる。
【0051】
好ましい第1級又は第2級アルコールには、第2級アルコール[例えば、s−ブチルアルコールなどの脂肪族第2級アルコール、シクロヘキサノールなどの脂環式第2級アルコール、1−フェニルエタノール、ジフェニルメタノール(ベンズヒドロール)などの芳香族第2級アルコール]が含まれる。前記アルコールは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0052】
前記共酸化剤としての第1級又は第2級アルコールは、通常、反応によりアルデヒド、カルボン酸、又はケトンに変換される。
前記共酸化剤は単独で又は2種以上混合して使用できる。共酸化剤の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.1〜200モル、好ましくは0.5〜100モル、さらに好ましくは1〜50モル(特に、2〜30モル)程度である。共酸化剤を反応溶媒として用いることもできる。
【0053】
上記の方法においては、共酸化剤として用いる第1級又は第2級アルコールが系内で酸化されて生成する過酸化物が、式(2)で表される化合物を対応するラクトン[式(1)で表される化合物]に変換する反応に関与するものと考えられる。なお、前記の方法において、共酸化剤として、第1級又は第2級アルコール以外の化合物を用いることもできる。このような化合物には、前記イミド化合物と酸素とにより酸化可能な種々の化合物が含まれる(特開平8−38909号公報、特開平9−327626号公報参照)。
【0054】
酸化反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;これらの混合溶媒など挙げられる。溶媒としては、酢酸などの有機酸類、アセトニトリルやベンゾニトリルなどのニトリル類、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などを用いる場合が多い。
【0055】
反応温度は、例えば0〜300℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは30〜150℃程度であり、通常、40〜100℃程度で反応する場合が多い。反応は、常圧または加圧下で行うことができ、加圧下で反応させる場合には、通常、1〜100atm(例えば、1.5〜80atm)、好ましくは2〜70atm程度である。反応時間は、反応温度及び圧力に応じて、例えば、30分〜48時間程度の範囲から適当に選択できる。
【0056】
反応は、分子状酸素の存在下又は分子状酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0057】
また、前記式(1)で表される化合物は、一般的なBaeyer−Villiger反応、すなわち、式(2)で表される化合物と過酸化水素等の過酸化物やm−クロロ過安息香酸等の過酸との反応により得ることもできる。
【0058】
さらに、前記式(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体のうち、Rがアクリロイル基又はメタクリロイル基である化合物は、(i)前記式(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体のうちRが水素原子である化合物(アルコール誘導体)と(メタ)アクリル酸とを、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒の存在下で反応させる方法、(ii)前記アルコール誘導体と(メタ)アクリル酸ハライドとを、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で反応させる方法、(iii)前記アルコール誘導体と(メタ)アクリル酸エステルとを、エステル交換触媒の存在下でエステル交換する方法などにより製造できる。前記(i)及び(ii)の方法において、反応は通常のエステル化条件下で行うことができる。また、前記(iii)の方法において、エステル交換反応は、ナトリウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、チタン酸エステルなどの慣用のエステル交換触媒を用いて行ってもよいが、(メタ)アクリル酸エステルとして(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸プロペニルなどの(メタ)アクリル酸C2-4アルケニルエステルなどを用いると共に、エステル交換触媒として周期表3族元素化合物(例えば、ヨウ化サマリウム、サマリウムトリフレート、サマリウム錯体などのサマリウム化合物等)を用いることにより高い収率で対応する(メタ)アクリロイルオキシ誘導体を得ることができる。
【0059】
[式(2)で表される化合物の製造]
前記式(1)で表される化合物の製造方法において原料として用いる式(2)で表されるアダマンタノン誘導体のうち、Rが水素原子である化合物は、例えば以下の方法により得ることができる。すなわち、下記式(8)
【化15】
(式中、Rcは水素原子を示す。式中に示されるオキソ基又はRcの結合した炭素原子以外の炭素原子は置換基を有していてもよい)
で表されるアダマンタノン誘導体を、前記式(3)で表されるイミド化合物と、バナジウム化合物及びマンガン化合物の存在下、酸素と反応させることにより、下記式(2a)
【化16】
(式中に示されるオキソ基又はヒドロキシル基の結合した炭素原子以外の炭素原子は置換基を有していてもよい)
で表されるアダマンタノン誘導体を製造することができる。
【0060】
前記式(8)において、オキソ基又はRcの結合した炭素原子以外の炭素原子が有していてもよい置換基、及び式(2a)において、オキソ基又はヒドロキシル基の結合した炭素原子以外の炭素原子が有していてもよい置換基としては、前記式(1)において環を構成する炭素原子が有していてもよい置換基として例示した基が挙げられる。
【0061】
式(8)で表される化合物の代表的な例としては、例えば、2−アダマンタノン、3,7−ジメチル−2−アダマンタノン、1,3−ジメチル−2−アダマンタノン、7−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、1−ヒドロキシ−2−アダマンタノン、7−カルボキシ−2−アダマンタノン、1−カルボキシ−2−アダマンタノンなどが挙げられる。
【0062】
式(8)で表される化合物は、例えば、対応するアダマンタン誘導体を、前記式(3)で表されるイミド化合物及び前記金属化合物、並びに強酸(例えば濃硫酸など)の存在下、酸素と反応させてオキソ化することにより得ることができる(特開平10−309469号公報参照)。
【0063】
前記式(2a)で表されるアダマンタノン誘導体を製造するに際し、前記イミド化合物の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、式(8)で表される化合物1モルに対して0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.4モル程度であり、0.05〜0.35モル程度である場合が多い。
【0064】
バナジウム化合物及びマンガン化合物としては、それぞれ、バナジウム原子及びマンガン原子を有する広範な化合物を使用できる。バナジウム化合物及びマンガン化合物は、それぞれ1種又は2種以上混合して用いることができる。バナジウム化合物におけるバナジウム元素の原子価は2〜5価、マンガン化合物におけるマンガン元素の原子価は1〜7価である。
【0065】
バナジウム化合物及びマンガン化合物としては、それぞれの元素の水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。
【0066】
バナジウム化合物の代表的な例には、水酸化バナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナジル、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナトリウムなどの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナト、バナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5価のバナジウム化合物などが含まれる。マンガン化合物の代表的な例には、水酸化マンガン、酸化マンガン、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガンなどの無機化合物;酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸マンガンなどの有機酸塩;マンガンアセチルアセトナトなどの錯体等の2価又は3価のマンガン化合物などが含まれる。
【0067】
バナジウム化合物及びマンガン化合物の総使用量は、例えば、式(8)で表される化合物1モルに対して、0.0001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ましくは0.0015〜0.1モル程度であり、0.0015〜0.05モル(特に、0.002〜0.01モル)程度である場合が多い。
【0068】
バナジウム化合物とマンガン化合物との比率(金属原子比)は、例えば、前者/後者=99/1〜1/99、好ましくは95/5〜10/90、さらに好ましくは90/10〜30/70程度であり、80/20〜50/50程度である場合が多い。
なお、反応速度や反応の選択性を損なわない範囲で、他の金属触媒などを助触媒として併用してもよい。
【0069】
酸素は分子状の酸素及び発生機の酸素の何れであってもよい。分子状酸素としては、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよい。操作性及び安全性のみならず経済性などの点から、空気を使用するのが好ましい。
酸素の使用量は、通常、式(8)で表される化合物1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。式(8)で表される化合物に対して過剰モルの酸素を使用する場合が多い。
【0071】
反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒の種類、反応温度、反応圧力等の反応条件は、前記式(2)の化合物から式(1)の化合物を製造する方法について記載した条件と同様である。反応は、酸素の存在下又は酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。この方法によれば、ヒドロキシル基がアダマンタン環の特定位に位置選択的に導入され、式(2a)で表される化合物が収率よく生成する。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0072】
前記式(2)で表されるアダマンタノン誘導体のうち、Rが(メタ)アクリロイル基である化合物は、上記(2a)で表される化合物を用い、前記式(1)で表される化合物のうちRが水素原子である化合物から前記式(1)で表される化合物のうちRがアクリロイル基又はメタクリロイル基である化合物を得る方法として記載した方法((i)〜(iii))に準じて製造できる。
【0073】
本発明の式(1)で表される4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体は、感光性樹脂等の機能性高分子の原料、医薬、農薬その他の精密化学品の原料などとして有用である。特に、Rが(メタ)アクリロイル基である化合物は、レジスト用樹脂の単量体成分として用いた場合、アダマンタン骨格により優れたドライエッチング耐性が発現されるだけでなく、親水性の高いラクトン環を有しているため、溶解性に優れ、しかも基板に対して優れた密着性を示す。すなわち、該化合物は、ドライエッチング耐性、溶解性及び密着性という3つの要素を1分子で体現する理想的な化合物といえる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、1位にヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有する新規な4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体が提供される。これらの化合物は、フォトレジスト用樹脂組成物を構成する酸感応性重合体などの感光性樹脂等の原料、精密化学品の原料などとして有用である。
【0075】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0076】
製造例1
2−アダマンタノン0.1モル、N−ヒドロキシフタルイミド10ミリモル、バナジウムアセチルアセトナトV(AA)3 0.33ミリモル、マンガンアセチルアセトナトMn(AA)2 0.17ミリモル、及び酢酸250mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、85℃で10時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、酢酸エチルで抽出した。有機層を一部濃縮した後、冷却することにより晶析し、下記式で表される5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(収率48%)を得た。2−アダマンタノンの転化率は74%であった。
[5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンのスペクトルデータ]
IR(cm-1):3410,2920,2810,1720,1440,1330,1240,1060,880
MS m/e:166([M+]),148,119
【化17】
【0077】
実施例1
5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン100ミリモル、ベンズヒドロール200ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド10ミリモル、酢酸コバルト(II)0.1ミリモル、及びベンゾニトリル200mlの混合物を、酸素雰囲気下(1気圧)、75℃で6時間撹拌した。反応混合液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、下記式で表される1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンを収率48%で得た。5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの転化率は67%であった。
[1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンのスペクトルデータ]
MS m/e:182([M+]),138,120
【化18】
【0078】
実施例2
1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン50ミリモル、アクリル酸クロリド150ミリモル、トリエチルアミン150ミリモル、及びトルエン250mlの混合物を60℃で4時間攪拌した。反応混合液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、下記式で表される1−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンを収率50%で得た。1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンの転化率は73%であった。
[1−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンのスペクトルデータ]
MS m/e:236([M+]),192,120
【化19】
Claims (2)
- 下記式(3)
で表されるイミド化合物の存在下、下記式(2)
で表されるアダマンタノン誘導体を、ベンズヒドロール及びMo、Co、Mnから選択される金属元素の有機酸塩若しくはアセチルアセトナト錯体の共存下で分子状酸素により酸化して、下記式(1)
で表される化合物を得る4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体の製造法。 - 請求項1に記載の4−オキサトリシクロ[4.3.1.1 3,8 ]ウンデカン−5−オン誘導体の製造法により下記式(1a)
で表される化合物を製造し、得られた上記式(1a)で表される化合物と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを反応させて、下記式(1b)
で表される化合物を得る4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン誘導体の製造法。
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