JPH11228484A - キノン類の製造法 - Google Patents

キノン類の製造法

Info

Publication number
JPH11228484A
JPH11228484A JP5444698A JP5444698A JPH11228484A JP H11228484 A JPH11228484 A JP H11228484A JP 5444698 A JP5444698 A JP 5444698A JP 5444698 A JP5444698 A JP 5444698A JP H11228484 A JPH11228484 A JP H11228484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
aromatic
ring
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5444698A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Ishii
康敬 石井
Tatsuya Nakano
達也 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP5444698A priority Critical patent/JPH11228484A/ja
Publication of JPH11228484A publication Critical patent/JPH11228484A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C46/00Preparation of quinones
    • C07C46/02Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures
    • C07C46/06Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures of at least one hydroxy group on a six-membered aromatic ring
    • C07C46/08Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures of at least one hydroxy group on a six-membered aromatic ring with molecular oxygen

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温和な条件下、芳香族炭化水素を分子状酸素
により酸化し、対応するキノン類を良好な収率で得る。 【解決手段】 キノン類の製造法は、芳香族炭化水素
を、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化合物の
存在下、分子状酸素により酸化して対応するキノン類を
製造する方法であって、前記イミド化合物と酸素とによ
り酸化可能な化合物の共存下に前記芳香族炭化水素を酸
化する。イミド化合物と酸素とにより酸化可能な化合物
として、(a)不飽和結合に隣接する部位に炭素−水素
結合を有する化合物(例えば、フルオレンなど)、
(b)メチン炭素原子を有する化合物などを使用でき
る。この方法によれば、アントラセンからアントラキノ
ンが収率よく生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キノン類の製造
法、より詳細には、芳香族炭化水素を分子状酸素で酸化
して対応するキノン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族炭化水素を酸化して対応するキノ
ン類を得る方法として、硫酸セリウム−硫酸アンモニウ
ム−希硫酸を用いる方法(Synthesis, 1977, 330)、ピ
リジン−フッ化水素−酸化クロムを用いる方法(Synthe
sis, 1982, 588)、酸化バナジウム−塩素酸を用いる方
法[J. Am. Chem. Soc., 58, 646(1936)]、パラ過ヨウ
素酸を用いる方法(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 19
67, 1087)などが知られている。しかし、これらの方法
では、金属を含む酸化剤を多量に用いるため、後処理工
程が煩雑となるだけでなく、多量の廃棄物が排出すると
いう問題や、爆発性を有するため、取り扱いにくいとい
う問題がある。
【0003】一方、コスト上及び環境上有利なことか
ら、有機基質の酸化方法として、分子状酸素を直接利用
する触媒的酸化方法が種々検討されている。例えば、特
開平8−38909号公報及び特開平9−327626
号公報には、分子状酸素により基質を酸化するための触
媒として、特定の構造を有するイミド化合物、又は前記
イミド化合物と遷移金属化合物などとで構成された酸化
触媒が提案されている。この触媒を用いると、温和な条
件下で有機基質を酸化でき、カルボン酸類などの酸化生
成物を比較的高い収率で製造することができる。しか
し、この方法では、有機基質として芳香族炭化水素を用
いた場合には、ほとんど反応が進行せず、対応するキノ
ン類を得ることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、温和な条件下、芳香族炭化水素を分子状酸素により
酸化し、対応するキノン類を良好な収率で得る方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定構造のイミド化
合物を触媒として用い、特定化合物の共存下で芳香族炭
化水素を分子状酸素により酸化すると、反応が円滑に進
行して対応するキノン類が良好な収率で生成することを
見いだし、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、芳香族炭化水素を、
下記式(1)
【化2】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
されるイミド化合物の存在下、分子状酸素により酸化し
て対応するキノン類を製造する方法であって、前記イミ
ド化合物と酸素とにより酸化可能な化合物の共存下に前
記芳香族炭化水素を酸化するキノン類の製造法を提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】[芳香族炭化水素]芳香族炭化水
素としては、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、
フェナントレン、アントラセン、ナフタセン、アセアン
スリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタ
セン、ピセン、ペリレン、ペンタセン、コロネン、ピラ
ンスレン、オバレンなどの、少なくともベンゼン環を1
つ有する芳香族化合物、好ましくは、少なくともベンゼ
ン環が複数個(例えば、2〜10個)縮合している縮合
多環式芳香族化合物などが挙げられる。
【0008】これらの芳香族炭化水素は、酸化によりキ
ノン環を形成しうる範囲で、1又は2以上の置換基を有
していてもよい。該置換基としては、例えば、ハロゲン
原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オキシ基
(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置換オキ
シカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シア
ノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基
(例えば、メチル、エチル、t−ブチル基などのC1-4
アルキル基など)、アルケニル基(例えば、アリル基な
どのC1-4アルケニル基など)、アルキニル基、シクロ
アルキル基、シクロアルケニル基、アリール基(例え
ば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキル基、複素
環基などが挙げられる。
【0009】置換基を有する芳香族炭化水素の具体例と
して、例えば、2−クロロナフタレン、2−メトキシナ
フタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレ
ン、2−メチルアントラセン、2−t−ブチルアントラ
セン、2−カルボキシアントラセン、2−エトキシカル
ボニルアントラセン、2−シアノアントラセン、2−ニ
トロアントラセン、2−メチルペンタレンなどが挙げら
れる。
【0010】また、前記ベンゼン環には、非芳香族性炭
素環、芳香族性複素環、非芳香族性複素環が縮合してい
てもよい。非芳香族性炭素環には、シクロペンタン、シ
クロヘキサン、シクロオクタン環などの3〜15員程度
のシクロアルカン環及びシクロアルケン環が含まれる。
芳香族性複素環には、フラン、チオフェン、ピロール、
オキサゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、
ピラジン、ピリダジン環などの、酸素原子、イオウ原子
及び窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原
子を1〜3個程度有する芳香族性複素環などが含まれ
る。非芳香族性複素環には、テトラヒドロフラン、テト
ラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジ
ン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペ
ラジン、モルホリン環などの酸素原子、イオウ原子及び
窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を
1〜3個程度有する非芳香族性複素環などが含まれる。
【0011】[イミド化合物]前記式(1)に表される
イミド化合物において、置換基R1及びR2のうちハロゲ
ン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が含まれ
る。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、
t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分
岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基とし
ては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルキル基が挙げられる。
【0012】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程
度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0013】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0014】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0015】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1及び
2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル
基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、
ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置
換基を有していていもよい。
【0016】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化3】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。
1、R2およびnは前記に同じ) 置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示の
アルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程度
のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基には、トリフル
オロメチル基などの炭素数1〜4程度のハロアルキル
基、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特
に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、アルコキシカ
ルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル
基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程度の低級ア
ルコキシカルボニル基が含まれる。また、アシル基とし
ては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1〜6程度の
アシル基が例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3〜R6は、通
常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カ
ルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多
い。R3〜R6が互いに結合して形成する環としては、前
記R1及びR2が互いに結合して形成する環と同様であ
り、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環が好ま
しい。
【0017】前記一般式(1)において、Xは酸素原子
又はヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は
単結合又は二重結合である。nは、通常、1〜3程度、
好ましくは1又は2である。式(1)で表される化合物
は酸化反応において一種又は二種以上使用できる。
【0018】前記式(1)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,
2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カ
ルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カル
ボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水
フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメット酸、メ
チルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメ
リット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸
無水物が含まれる。
【0019】好ましいイミド化合物としては、例えば、
N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイ
ン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミ
ド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカル
ボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒ
ドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシ
テトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸
イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒド
ロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ
ピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタ
レンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。特に好
ましい化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香
族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン
酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、
例えば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれ
る。
【0020】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経
てイミド化する方法により調製できる。前記イミド化合
物は、担体に担持した形態で用いてもよい。担体として
は、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミナ、
ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多い。
【0021】前記イミド化合物の使用量は、広い範囲で
選択でき、例えば、被酸化物質である芳香族炭化水素1
モルに対して0.0001〜1モル、好ましくは0.0
01〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.3
0モル程度であり、0.02〜0.25モル程度である
場合が多い。
【0022】[助触媒]本発明の方法では、前記式
(1)で表される触媒と助触媒とを併用することもでき
る。このような助触媒には、例えば、(i)金属化合
物、(ii)少なくとも1つの有機基が結合した周期表1
5族又は16族元素を含む多原子陽イオン又は多原子陰
イオンとカウンターイオンとで構成された有機塩などが
含まれる。
【0023】金属化合物(i)を構成する金属元素とし
ては、特に限定されず、周期表1〜15族の金属元素の
何れであってもよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも
金属元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素
として、周期表1族元素(Li、Na、Kなど)、2族
元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、3族元素(S
c、ランタノイド元素、アクチノイド元素など)、4族
元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素(Vなど)、
6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnな
ど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、
Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、1
1族元素(Cuなど)、12族元素(Znなど)、13
族元素(B、Al、Inなど)、14族元素(Sn、P
bなど)、15族元素(Sb、Biなど)などが挙げら
れる。好ましい金属元素には、遷移金属元素(周期表3
〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期表5〜11
族元素、特に、5族及び9族元素が好ましく、とりわ
け、Co、Vなどが好ましい。金属元素の原子価は特に
制限されず、1〜6価程度であってもよいが、2価又は
3価程度である場合が多い。
【0024】金属化合物(i)としては、前記金属元素
の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロ
ゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オ
キソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ
酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩な
ど)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を
構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコ
キシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
ど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコ
キシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニ
ル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、
酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニル
ホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン
化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、
NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有
化合物などが挙げられる。
【0025】金属化合物(i)の具体例としては、例え
ば、コバルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸
化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバル
ト、硫酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;
酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバ
ルトなどの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなど
の錯体等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げら
れる。また、バナジウム化合物の例としては、水酸化バ
ナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナ
ジル、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナト
リウムなどの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナ
ト、バナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5
価のバナジウム化合物などが挙げられる。他の金属元素
の化合物としては、前記コバルト又はバナジウム化合物
に対応する化合物などが例示される。金属化合物(i)
は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0026】前記金属化合物(i)の使用量は、例え
ば、被酸化物質である芳香族炭化水素0.0001〜
0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さら
に好ましくは0.002〜0.1モル程度であり、0.
005〜0.05モル程度である場合が多い。
【0027】前記有機塩(ii)において、周期表15族
元素には、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期
表16族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれ
る。好ましい元素としては、N、P、As、Sb、Sが
挙げられ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0028】前記元素の原子に結合する有機基には、置
換基を有していてもよい炭化水素基、置換オキシ基など
が含まれる。炭化水素基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシ
ル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリ
ルなどの炭素数1〜30程度(好ましくは炭素数1〜2
0程度)の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(ア
ルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜8程度の脂環
式炭化水素基;フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭化水素
基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン
原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例え
ば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基
など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置
換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置
換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、
エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキ
ル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基な
ど)、複素環基などが例示できる。好ましい炭化水素基
には、炭素数1〜30程度のアルキル基、炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基(特に、フェニル基又はナフ
チル基)などが含まれる。前記置換オキシ基には、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基など
が含まれる。
【0029】前記多原子陽イオンは、例えば、下記式
(2)で表される。この多原子陽イオンは、カウンター
アニオンとともに、下記式(3)で表される有機オニウ
ム塩を構成する。 [Ra mA]+ (2) [Ra mA]+- (3) 上記式中、Raは炭化水素基又は水素原子を示す。4個
のRaは互いに同一又は異なっていてもよく、少なくと
も1つのRaは炭化水素基である。Aは周期表15族又
は16族元素の原子を示す。2つのRaは互いに結合し
て隣接するAと共に環を形成してもよく、また、2つの
aが一体となってAと二重結合を形成すると共に他の
aと結合してAとで環を形成してもよい。mは3又は
4を示す。Y-は、カウンターアニオンを示し、Yは酸
基を示す。なお、上記炭化水素基は、例えば前記の置換
基を有していてもよい。
【0030】2つのRaが互いに結合して隣接するAと
共に形成する環としては、ピロリジン環、ピペリジン環
などの3〜8員(好ましくは、5〜6員)程度の含窒素
(又は含リン)複素環などが挙げられる。また、2つの
aが一体となってAと二重結合を形成すると共に他の
aと結合してAとで形成する環としては、ピリジン環
などの5〜8員の含窒素複素環などが挙げられる。これ
らの環にはベンゼン環などの環が縮合していてもよい。
このような縮合環として、キノリン環などが挙げられ
る。Aが周期表15族元素の原子のとき、mは4である
場合が多く、Aが周期表16族元素の原子のとき、mは
3である場合が多い。
【0031】前記Aは、好ましくは、N、P、As、S
b、又はSであり、さらに好ましくは、N、P、又はS
であり、特に、N又はPが好ましい。また、好ましい多
原子陽イオンでは、4個のRaのすべてが有機基である
(Aを含む環が形成されている場合を含む)。
【0032】酸基Yとしては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;硝酸基(N
3)、硫酸基(SO4)、リン酸基(PO4)、過塩素
酸基(ClO4)などの無機酸基;酢酸基(CH3
2)、メタンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基な
どの有機酸基などが挙げられる。好ましい酸基には、ハ
ロゲン原子及び無機酸基が含まれ、特に塩素原子、臭素
原子などのハロゲン原子が好ましい。
【0033】前記有機オニウム塩のなかでも、有機アン
モニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩
などが特に好ましい。有機アンモニウム塩の具体例とし
ては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
ルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムク
ロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、トリオ
クチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニ
ルアンモニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)
アンモニウムクロリド、ジ(オクタデシル)ジメチルア
ンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウムクロリ
ド、及び対応する第4級アンモニウムブロミドなどの、
窒素原子に4つの炭化水素基が結合した第4級アンモニ
ウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデシ
ルピリジニウムクロリド、メチルキノリニウムクロリド
などの環状第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0034】また、有機ホスホニウム塩の具体例として
は、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチル
ホスホニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホ
スホニウムクロリド、トリエチルフェニルホスホニウム
クロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応
する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4
つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが
挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、ト
リエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスル
ホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素
基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0035】前記多原子陰イオンは、例えば、下記式
(4)で表される。この多原子陰イオンは、カウンター
カチオンとともに、下記式(5)で表される有機塩を構
成する。 [RbAO3q- (4) Zq+[RbAO3q- (5) 上記式中、Rbは炭化水素基又は水素原子を示す。Aは
周期表15族又は16族元素の原子を示す。qは1又は
2を示し、Zq+は、カウンターカチオンを示す。
【0036】Rbで示される炭化水素基としては、前記
と同様の基のほか、樹脂(ポリマー鎖又はその分岐鎖)
が挙げられる。好ましいAには、S、Pなどが含まれ
る。AがSなどのとき、qは1であり、AがPなどのと
き、qは2である。Zとしては、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどの
アルカリ土類金属などが挙げられる。好ましいZにはア
ルカリ金属が含まれる。Zq+は、前記の多原子陽イオン
であってもよい。
【0037】前記式(5)で表される有機塩としては、
メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、オクタンス
ルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスル
ホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、デシルベンゼンスル
ホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキ
ル基で置換されていてもよいアリールスルホン酸塩;ス
ルホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン
酸型イオン交換樹脂(イオン交換体)などが挙げられ
る。なかでも、C6-18アルキルスルホン酸塩、C6-18
ルキル−アリールスルホン酸塩を用いる場合が多い。
【0038】有機塩(ii)の使用量は、例えば、前記芳
香族炭化水素1モルに対して0.0001〜0.7モ
ル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好まし
くは0.002〜0.1モル程度であり、0.005〜
0.05モル程度である場合が多い。有機塩(ii)の使
用量が多すぎると、反応速度が低下する場合がある。本
発明では、さらに他の触媒成分を併用してもよい。
【0039】[酸素]芳香族炭化水素の酸化に利用され
る分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸素を用いて
もよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの
不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよい。操作性及
び安全性のみならず経済性などの点から、空気を使用す
るのが好ましい。分子状酸素の使用量は、芳香族炭化水
素の種類に応じて選択でき、通常、芳香族炭化水素1モ
ルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、
好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50
モル程度である。芳香族炭化水素に対して過剰モルの分
子状酸素を使用する場合が多い。
【0040】[前記イミド化合物と酸素とにより酸化可
能な化合物]前記イミド化合物と酸素とにより酸化可能
な化合物(A)としては、前記イミド化合物を触媒とす
る酸化反応について開示している前記特開平8−389
09号公報、特開平9−327626号公報において、
基質として記載されている化合物などが含まれる。
【0041】例えば、前記化合物(A)として、(a)
不飽和結合に隣接する部位に炭素−水素結合を有する化
合物、(b)メチン炭素原子を有する化合物、(c)非
芳香族性環状炭化水素、(d)ヘテロ原子の隣接位に炭
素−水素結合を有する非芳香族性複素環化合物、(e)
共役化合物、(f)チオール類、(g)エーテル類、
(h)スルフィド類、(i)アルデヒド若しくはチオア
ルデヒド類、および(j)アミン類などが挙げられる。
これらの化合物は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原
子、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オ
キシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
シルオキシ基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置
換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル
基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキ
ル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェ
ニル、ナフチル基など)、アラルキル基、複素環基など
を有していてもよい。
【0042】(a)不飽和結合に隣接する部位に炭素−
水素結合を有する化合物 不飽和結合に隣接する部位に炭素−水素結合を有する化
合物(a)としては、(a1)芳香族性環の隣接位(いわ
ゆるベンジル位)にメチル基又はメチレン基を有する芳
香族化合物、(a2)不飽和結合(例えば、炭素−炭素不
飽和結合、炭素−酸素二重結合など)の隣接位にメチル
基又はメチレン基を有する非芳香族性化合物などが挙げ
られる。
【0043】前記芳香族性化合物(a1)において、芳香
族性環は、芳香族炭化水素環、芳香族性複素環の何れで
あってもよい。芳香族炭化水素環には、ベンゼン環、縮
合炭素環(例えば、ナフタレン、アズレン、インダセ
ン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、
ピレンなどの2〜10個の4〜7員炭素環が縮合した縮
合炭素環など)などが含まれる。芳香族性複素環として
は、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環
(例えば、フラン、オキサゾール、イソオキサゾールな
どの5員環、4−オキソ−4H−ピランなどの6員環、
ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−
クロメンなどの縮合環など)、ヘテロ原子としてイオウ
原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、
イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環、4−オ
キソ−4H−チオピランなどの6員環、ベンゾチオフェ
ンなどの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含
む複素環(例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾー
ル、トリアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジンなどの6員環、インドール、
キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プ
リンなどの縮合環など)などが挙げられる。
【0044】なお、芳香族性環の隣接位のメチレン基
は、前記芳香族性環に縮合した非芳香族性環を構成する
メチレン基であってもよい。また、芳香族性化合物(a
1)において、芳香族性環と隣接する位置にメチル基と
メチレン基の両方の基が存在していてもよい。
【0045】芳香族性環の隣接位にメチル基を有する芳
香族化合物としては、例えば、芳香環に1〜6個程度の
メチル基が置換した芳香族炭化水素類(例えば、トルエ
ン、キシレン、1−エチル−4−メチルベンゼン、1−
エチル−3−メチルベンゼン、1−t−ブチル−4−メ
チルベンゼン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、メ
シチレン、デュレン、メチルナフタレン、メチルアント
ラセン、4,4′−ジメチルビフェニルなど)、複素環
に1〜6個程度のメチル基が置換した複素環化合物(例
えば、2−メチルフラン、3−メチルフラン、3−メチ
ルチオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジ
ン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、
2,4,6−トリメチルピリジン、4−メチルインドー
ル、2−メチルキノリンなど)などが例示できる。
【0046】芳香族性環の隣接位にメチレン基を有する
芳香族化合物としては、例えば、炭素数2以上のアルキ
ル基又は置換アルキル基を有する芳香族炭化水素類(例
えば、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1,4−ジ
エチルベンゼン、ジフェニルメタンなど)、炭素数2以
上のアルキル基又は置換アルキル基を有する芳香族性複
素環化合物(例えば、2−エチルフラン、3−プロピル
チオフェン、4−エチルピリジン、4−ブチルキノリン
など)、芳香族性環に非芳香族性環が縮合した化合物で
あって、該非芳香族性環のうち芳香族性環に隣接する部
位にメチレン基を有する化合物(ジヒドロナフタレン、
インデン、インダン、テトラリン、フルオレン、アセナ
フテン、フェナレン、インダノン、キサンテン等)など
が例示できる。
【0047】不飽和結合の隣接位にメチル基又はメチレ
ン基を有する非芳香族性化合物(a2)には、例えば、
(a2-1)いわゆるアリル位にメチル基又はメチレン基を
有する鎖状不飽和炭化水素類、(a2-2)カルボニル基の
隣接位にメチル基又はメチレン基を有する化合物が例示
できる。
【0048】前記鎖状不飽和炭化水素類(a2-1)として
は、例えば、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1,5−ヘ
キサジエン、1−オクテン、3−オクテン、ウンデカト
リエンなどの炭素数3〜20程度の鎖状不飽和炭化水素
類が例示できる。前記化合物(a2-2)には、ケトン類
(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタ
ノン、アセトフェノンなどの鎖状ケトン類;シクロヘキ
サノンなどの環状ケトン類)、カルボン酸又はその誘導
体(例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、及びこ
れらのエステルなど)などが含まれる。
【0049】(b)メチン炭素原子を有する化合物 メチン炭素原子(又は第3級炭素原子)を有する化合物
(b)には、(b1)環の構成単位としてメチン基(すな
わち、メチン炭素−水素結合)を含む環状化合物、(b
2)メチン炭素原子を有する鎖状化合物が含まれる。
【0050】環状化合物(b1)には、(b1-1)少なくと
も1つのメチン基を有する橋かけ環式化合物、(b1-2)
環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状化合物(脂環
式炭化水素など)などが含まれる。なお、前記橋かけ環
式化合物には、2つの環が2個の炭素原子を共有してい
る化合物、例えば、縮合多環式芳香族炭化水素類の水素
添加生成物なども含まれる。
【0051】橋かけ環式化合物(b1-1)としては、例え
ば、デカリン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサン、ビシ
クロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]
オクタン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカン、ツジョ
ン、カラン、ピナン、ピネン、ボルナン、ボルニレン、
ノルボルナン、ノルボルネン、カンファー、ショウノウ
酸、カンフェン、トリシクレン、トリシクロ[4.3.
1.12,5]ウンデカン、トリシクロ[5.2.1.0
3,8]デカン、エキソトリシクロ[5.2.1.02,6
デカン、エンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン、エンドトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカ
ン、アダマンタン、1−アダマンタノール、1−クロロ
アダマンタン、1−メチルアダマンタン、1,3−ジメ
チルアダマンタン、1−メトキシアダマンタン、1−カ
ルボキシアダマンタン、1−メトキシカルボニルアダマ
ンタン、1−ニトロアダマンタン、テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]ドデカン、ペルヒドロアント
ラセン、ペルヒドロアセナフテン、ペルヒドロフェナン
トレン、ペルヒドロフェナレン、ペルヒドロインデン、
キヌクリジンなどの2〜4環式の橋かけ環式炭化水素又
は橋かけ複素環化合物及びそれらの誘導体などが挙げら
れる。これらの橋かけ環式化合物は、橋頭位(2環が2
個の原子を共有している場合には接合部位に相当)にメ
チン炭素原子を有する。
【0052】環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状
化合物(b1-2)としては、1−メチルシクロペンタン、
1−メチルシクロヘキサン、リモネン、メンテン、メン
トール、カルボメントン、メントンなどの、炭素数1〜
20(好ましくは1〜10)程度の炭化水素基(例え
ば、アルキル基など)が環に結合した3〜15員程度の
脂環式炭化水素及びその誘導体などが挙げられる。環に
炭化水素基が結合した非芳香族性環状化合物(b1-2)
は、環と前記炭化水素基との結合部位にメチン炭素原子
を有する。
【0053】メチン炭素原子を有する鎖状化合物(b2)
としては、第3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類、例
えば、イソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、3−
メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチル
ヘキサン、3−メチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキ
サン、3−メチルオクタンなどの炭素数4〜20(好ま
しくは、4〜10)程度の脂肪族炭化水素類およびその
誘導体などが例示できる。
【0054】(c)非芳香族性環状炭化水素 非芳香族性環状炭化水素(c)には、(c1)シクロアル
カン類及び(c2)シクロアルケン類が含まれる。シクロ
アルカン類(c1)としては、3〜30員のシクロアルカ
ン環を有する化合物、例えば、シクロプロパン、シクロ
ブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプ
タン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、
シクロドデカン、シクロテトラデカン、シクロヘキサデ
カン、シクロテトラコサン、シクロトリアコンタン、及
びこれらの誘導体などが例示できる。好ましいシクロア
ルカン環には、5〜30員、特に5〜20員のシクロア
ルカン環が含まれる。
【0055】シクロアルケン類(c2)には、3〜30員
のシクロアルケン環を有する化合物、例えば、シクロプ
ロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、シクロヘキセン、1−メチル−シクロヘキセン、イ
ソホロン、シクロヘプテン、シクロドデカエンなどのほ
か、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエ
ン、1,5−シクロオクタジエンなどのシクロアルカジ
エン類、シクロオクタトリエンなどのシクロアルカトリ
エン類、及びこれらの誘導体などが含まれる。好ましい
シクロアルケン類には、3〜20員環、特に3〜12員
環を有する化合物が含まれる。
【0056】(d)ヘテロ原子の隣接位に炭素−水素結
合を有する非芳香族性複素環化合物 ヘテロ原子の隣接位に炭素−水素結合を有する非芳香族
性複素環化合物(d)における非芳香族性複素環には、
窒素原子、酸素原子及びイオウ原子から選択された少な
くとも1種のヘテロ原子を有する3〜20員(好ましく
は5〜12員、さらに好ましくは5又は6員)の複素環
などが含まれる。前記複素環には、ベンゼン環、シクロ
ヘキサン環、ピリジン環などの芳香族性又は非芳香族性
の環が1又は2以上縮合していてもよい。前記複素環と
しては、例えば、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラ
ン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピ
ロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、イン
ドリン、クロマン、イソクロマンなどが例示される。
【0057】(e)共役化合物 共役化合物(e)には、共役ジエン類(e1)、α,β−
不飽和ニトリル(e2)、α,β−不飽和カルボン酸又は
その誘導体(例えば、エステル、アミド、酸無水物等)
(e3)などが挙げられる。共役ジエン類(e1)として
は、例えば、ブタジエン、イソプレン、2−クロロブタ
ジエン、2−エチルブタジエンなどが挙げられる。な
お、共役ジエン類(e1)には、二重結合と三重結合とが
共役している化合物、例えば、ビニルアセチレンなども
含めるものとする。共役ジエン類(e1)の酸化によりア
ルケンジオールなどが生成する。例えば、ブタジエンを
酸化すると、2−ブテン−1,4−ジオール、1−ブテ
ン−3,4−ジオールなどが得られる。
【0058】α,β−不飽和ニトリル(e2)としては、
例えば、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体(e3)として
は、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸−2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸エ
ステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミドなど(メタ)アクリルアミド誘導体
などが挙げられる。
【0059】(f)チオール類 チオール類としては、メタンチオール、エタンチオー
ル、1−プロパンチオール、1−ブタンチオール、1−
ヘキサンチオール、1−オクタンチオール、1−デカン
チオール、1−プロペンチオール、エチレンチオグリコ
ール、プロピレンチオグリコール、1,3−ブタンジチ
ールなどの脂肪族チオール;シクロペンタンチオール、
シクロヘキサンチオール、メチルシクロヘキサンチオー
ル、シクロヘキセン−1−チオールなどの脂環式チオー
ル;フェニルメタンチオール、2−フェニルエタンチオ
ールなどの芳香族チオールなどが挙げられる。
【0060】(g)エーテル類 エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、エチル
ブチルエーテル、ジアリルエーテル、メチルビニルエー
テル、エチルアリルエーテルなどの脂肪族エーテル類;
アニソール、フェネトール、ジベンジルエーテル、フェ
ニルベンジルエーテル等の芳香族エーテルなどが挙げら
れる。
【0061】(h)スルフィド類 スルフィド類としては、ジエチルスルフィド、ジプロピ
ルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジブチルス
ルフィド、メチルエチルスルフィド、メチルブチルスル
フィド、エチルブチルスルフィド、ジアリルスルフィド
などの脂肪族スルフィド類;メチルフェニルスルフィ
ド、エチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィ
ド、ジベンジルスルフィド、フェニルベンジルスルフィ
ドなどの芳香族スルフィド類などが挙げられる。
【0062】(i)アルデヒド若しくはチオアルデヒド
類 アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ヘキサナール、デカナール、スクシンアル
デヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒドなど
の脂肪族アルデヒド;ホルミルシクロヘキサン、シトラ
ール、シトロネラールなどの脂環式アルデヒド;ベンズ
アルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、シンナムアルデ
ヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、フタル
アルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデ
ヒドなどの芳香族アルデヒド;フルフラール、ニコチン
アルデヒドなどの複素環アルデヒドなどが挙げられる。
チオアルデヒド類としては、前記アルデヒド類に対応す
るチオアルデヒド類が挙げられる。
【0063】(j)アミン類 アミン類(j)としては、第1級または第2級アミン、
例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジブチルアミン、エチレンジアミン、1,4−ブタンジ
アミン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミンなどの
脂肪族アミン;シクロペンチルアミン、シクロヘキシル
アミンなどの脂環式アミン;ベンジルアミン、トルイジ
ンなどの芳香族アミンなどが例示される。
【0064】これらの化合物の中でも、(a)不飽和結
合に隣接する部位に炭素−水素結合を有する化合物、
(b)メチン炭素原子を有する化合物などが好ましく、
特に、(a1)芳香族性環の隣接位(いわゆるベンジル
位)にメチル基又はメチレン基を有する芳香族化合物
(例えば、フルオレンなどのように、芳香族性環に非芳
香族性環が縮合した化合物であって、該非芳香族性環の
うち芳香族性環に隣接する部位にメチレン基を有する化
合物など)が好ましい。前記化合物(A)は、1種で又
は2種以上混合して使用できる。前記化合物(A)の使
用量は、芳香族化合物1モルに対して、例えば、0.0
1〜100モル、好ましくは0.05〜50モル、さら
に好ましくは0.1〜10モル(特に、0.5〜2モ
ル)程度である。
【0065】本発明によれば、単に酸素と前記イミド化
合物と金属化合物のみではほとんど酸化されない芳香族
炭化水素が円滑に酸化され、対応するキノン類が良好な
収率で生成する。例えば、アントラセンからはアントラ
キノンが生成する。この詳細な理由は不明であるが、前
記化合物(A)が酸素及び前記イミド化合物により酸化
される際に生成する反応性の高いペルオキシドが芳香族
炭化水素の酸化に関与しているものと考えられる。な
お、前記化合物(A)は、通常、反応条件下で酸化さ
れ、対応する酸化生成物が生成する。例えば、フルオレ
ンはフルオレノンに酸化される。
【0066】[酸化方法]反応は、通常、有機溶媒中で
行われる。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオ
ン酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミド、
アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オクタン
などの脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ト
リフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;
ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニ
トロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類;これらの混合溶媒など挙げられる。溶媒としては、
酢酸などの有機酸類、ベンゾニトリルなどのニトリル
類、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素などを用いる場合が多い。
【0067】本発明の方法は比較的温和な条件であって
も円滑に酸化反応が進行する。反応温度は、芳香族炭化
水素の種類などに応じて適当に選択でき、例えば、0〜
300℃、好ましくは30〜250℃、さらに好ましく
は40〜200℃程度であり、通常、50〜150℃程
度で反応する場合が多い。反応は、常圧または加圧下で
行うことができ、加圧下で反応させる場合には、通常、
1〜100atm(例えば、1.5〜80atm)、好
ましくは2〜70atm程度である。反応時間は、反応
温度及び圧力に応じて、例えば、30分〜48時間程度
の範囲から適当に選択できる。
【0068】反応は、分子状酸素の存在下又は分子状酸
素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方
法により行うことができる。反応終了後、反応生成物
は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶
析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段
や、これらを組み合わせた分離手段により、容易に分離
精製できる。
【0069】
【発明の効果】本発明の方法によれば、温和な条件下、
芳香族炭化水素を分子状酸素により容易に酸化でき、対
応するキノン類を良好な収率で得ることができる。
【0070】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0071】実施例1 アントラセン2ミリモル、フルオレン2ミリモル、N−
ヒドロキシフタルイミド0.2ミリモル、コバルトアセ
チルアセトナト(II)[Co(acac)2]0.04
ミリモル、及び酢酸6mlの混合物を、酸素雰囲気下
(1気圧)、80℃で20時間攪拌した。反応液中の生
成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたとこ
ろ、アントラセンの転化率16%で、アントラキノン
(9,10−アントラキノン)が収率12%で生成して
いた。なお、フルオレンの転化率45%で、フルオレノ
ンが収率31%で生成していた。
【0072】比較例1 フルオレンを使用しなかった点以外は実施例1と同様の
操作を行ったところ、反応は進行しなかった。
【0073】実施例2 アントラセン2ミリモル、フルオレン2ミリモル、N−
ヒドロキシフタルイミド0.2ミリモル、テトラブチル
アンモニウムブロミド0.04ミリモル、トリフルオロ
メチルベンゼン6ml、及び水2滴の混合物を、酸素雰
囲気下(1気圧)、80℃で20時間攪拌した。反応液
中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べた
ところ、アントラセンの転化率12%で、アントラキノ
ン(9,10−アントラキノン)が収率12%で生成し
ていた。なお、フルオレンの転化率34%で、フルオレ
ノンが収率32%で生成していた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族炭化水素を、下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
    されるイミド化合物の存在下、分子状酸素により酸化し
    て対応するキノン類を製造する方法であって、前記イミ
    ド化合物と酸素とにより酸化可能な化合物の共存下に前
    記芳香族炭化水素を酸化するキノン類の製造法。
  2. 【請求項2】 イミド化合物と酸素とにより酸化可能な
    化合物として、(a)不飽和結合に隣接する部位に炭素
    −水素結合を有する化合物、(b)メチン炭素原子を有
    する化合物、(c)非芳香族性環状炭化水素、(d)ヘ
    テロ原子の隣接位に炭素−水素結合を有する非芳香族性
    複素環化合物、(e)共役化合物、(f)チオール類、
    (g)エーテル類、(h)スルフィド類、(i)アルデ
    ヒド若しくはチオアルデヒド類、及び(j)アミン類か
    ら選択された少なくとも1種の化合物を用いる請求項1
    記載のキノン類の製造法。
JP5444698A 1998-02-18 1998-02-18 キノン類の製造法 Pending JPH11228484A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5444698A JPH11228484A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 キノン類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5444698A JPH11228484A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 キノン類の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11228484A true JPH11228484A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12970940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5444698A Pending JPH11228484A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 キノン類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11228484A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233809A (ja) * 1999-12-14 2001-08-28 Sumitomo Chem Co Ltd 炭化水素類の酸化方法
WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs
KR100352081B1 (ko) * 1999-12-27 2002-09-12 동양제철화학 주식회사 방향족 퀴논 및 케톤의 제조방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233809A (ja) * 1999-12-14 2001-08-28 Sumitomo Chem Co Ltd 炭化水素類の酸化方法
KR100352081B1 (ko) * 1999-12-27 2002-09-12 동양제철화학 주식회사 방향족 퀴논 및 케톤의 제조방법
WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7741514B2 (en) Catalyst comprising N-substituted cyclic imide compound and process for producing organic compound using the catalyst
EP1273343B1 (en) Method of separating imide compound
EP1459804B1 (en) Catalysts comprising cyclic acylurea compounds and oxidation and nitration reactions of organic compounds in the presence of the same
KR100905829B1 (ko) N-치환 환상 이미드 화합물로 구성된 촉매, 및 이 촉매를이용한 유기 화합물의 제조 방법
JP4533469B2 (ja) 有機化合物の共酸化法、エポキシ化合物の製造法、及びエステル又はラクトンの製造法
JP5176080B2 (ja) 環状イミド固定化触媒、及びそれを用いた有機化合物の酸化方法
EP1238704B1 (en) Catalyst comprising a cyclic imide compound and process for producing organic compounds using the catalyst
JPH10309469A (ja) オキソ化用触媒およびそれを用いたケトン類の製造方法
JP4039730B2 (ja) 酸化触媒系及びそれを用いた酸化方法
JPH11349493A (ja) 有機基質の酸化方法
JP4112877B2 (ja) 環状イミド系化合物で構成された触媒、及びこの触媒を用いた有機化合物の製造法
JP4095281B2 (ja) 有機化合物製造用触媒、及びこの触媒を用いた有機化合物の製造法
JPH11228484A (ja) キノン類の製造法
JP4046402B2 (ja) 酸化触媒系及びそれを用いた酸化方法
JP2000256304A (ja) 有機硫黄酸又はその塩の製造法
JP5000043B2 (ja) イミド化合物と窒素酸化物とを触媒とする有機化合物の製造法
JP4841468B2 (ja) 窒素原子含有環状化合物で構成された触媒、及びそれを用いた有機化合物の酸化方法
JP5709195B2 (ja) 含酸素有機化合物の製造方法
JP4686046B2 (ja) イミド化合物と硝酸類を用いた有機化合物の製造法
JP4073205B2 (ja) ニトロ化合物の製造法
JP2001247486A (ja) ニトロ化合物の製造法
JP2002265406A (ja) イミド化合物を触媒として用いた有機化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041014

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090106

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090512