JP2000025285A - プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 プリンタのキャリッジに搭載された既存のイ
メージスキャナを利用して、記録に供される用紙の有無
や各用紙の搬送状態までをも検出しつつ、複数枚の用紙
の同時搬送、同時記録を可能とするプリンタ。 【解決手段】 用紙の搬送方向に対して直交する方向に
並列させて配設された用紙収納部１４を有する給紙手段
と、搬送ローラを回転させて給紙手段から複数枚の用紙
ＰＡ，ＰＢを並行に搬送可能とする搬送モータと、キャ
リッジ４をプラテン２に沿って往復移動可能とするキャ
リッジ駆動モータと、キャリッジ４に搭載されたイメー
ジスキャナ９と、搬送モータ、キャリッジ駆動モータ、
イメージスキャナの駆動を制御するとともに、各用紙Ｐ
Ａ，ＰＢの搬送経路におけるイメージスキャナ９のスキ
ャン結果によりそれぞれ搬送された用紙ＰＡ，ＰＢの有
無の検出を行う制御手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタに係り、
特に、複数枚の用紙を並行に同時に搬送し、記録するこ
とを可能とする機構のプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、給紙手段から並行して同時に供給
される複数枚の用紙に対し、それぞれの用紙に対応する
記録データをほぼ同時に記録可能とされたプリンタが開
発されている。

【０００３】このプリンタは、従来のプリンタが用紙の
用紙幅に関係なく、常に１枚ずつ供給して記録するよう
に構成されていたため、用紙幅が狭い用紙に対して記録
を行う場合に記録性能の一部しか使用されないという効
率の悪さや、用紙供給手段としての給紙トレーや給紙カ
セット等に用紙厚の厚い用紙を積層して収納する場合
に、収納可能な枚数がそれだけ少なくなるので、頻繁に
用紙を補充しなければならなくなるという煩雑さを回避
し、所定枚数の用紙の記録に要する時間を短縮すること
を目的に開発されたものである。

【０００４】そして、このプリンタは、前記給紙トレー
等の給紙手段に用紙を収納する用紙収納部を並列させて
設け、各用紙収納部から用紙を同時に給紙し、同時に記
録に施す構成とされており、前記給紙手段に配設された
前記各用紙収納部に対応するように用紙検出センサを配
設して用紙の有無について検出するようになされてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように各用紙収納部に対応する複数の用紙検出センサを
配設するプリンタは、当然ながらコストが嵩むという問
題点を有している。

【０００６】また、給紙手段の前記各用紙収容部に対応
するようにして配設された用紙検出センサは、給紙され
る用紙の有無の検出のみを可能とするものであり、実際
に記録部へ用紙が供給されたか否かの判断や、搬送量が
正常であるか否かの判断をするためには、別の検出手段
を必要とするため、さらにコストアップするという問題
があった。

【０００７】本発明は前記した点に鑑みなされたもの
で、プリンタのキャリッジに搭載された既存のイメージ
スキャナを利用して、記録に供される用紙の有無や各用
紙の搬送状態までをも検出しつつ、複数枚の用紙の同時
搬送、同時記録を可能とするプリンタを提供することを
目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の請求項１に記載のプリンタは、用紙の搬送方向
に対して直交する方向に並列させて配設された用紙収納
部を有する給紙手段と、搬送ローラを回転させて前記給
紙手段から複数枚の用紙を並行に搬送可能とする搬送モ
ータと、キャリッジをプラテンに沿って往復移動可能と
するキャリッジ駆動モータと、前記キャリッジに搭載さ
れたイメージスキャナと、前記搬送モータ、キャリッジ
駆動モータ、イメージスキャナの駆動を制御するととも
に、前記各用紙の搬送経路における前記イメージスキャ
ナのスキャン結果によりそれぞれ搬送された用紙の有無
の検出を行う制御手段とを有し、搬送ローラを所定ステ
ップ数分だけ回転させて複数枚の用紙を給紙手段から並
行に搬送した後、一旦、用紙の搬送を停止し、プラテン
に沿って往復移動可能とされたキャリッジを移動させな
がら、前記キャリッジに搭載されたイメージスキャナに
より、前記各用紙の有無の検出を行うことを特徴とす
る。

【０００９】本発明によれば、１のイメージスキャナを
走査させることにより、搬送される複数の用紙の有無を
その搬送経路において検出することができるものであ
る。

【００１０】また、本発明の請求項２に記載のプリンタ
は、請求項１に記載のプリンタであって、給紙手段から
並行して同時に供給される複数枚の用紙のうちいずれか
一方の用紙が供給されていないことを検出した場合は、
供給されている用紙に対する記録のみを行う制御を行う
ことを特徴とするものである。

【００１１】本発明によれば、供給がされなかったと判
断した用紙に対して施される記録データに基づく記録を
中止し、供給された用紙に対してのみ所望の記録を施す
ことができる。

【００１２】本発明の請求項３に記載のプリンタは、請
求項１または請求項２に記載のプリンタであって、さら
に、各用紙の先端辺の位置検出を行う用紙搬送手段を有
することを特徴とする。

【００１３】本発明によれば、１のイメージスキャナを
走査させることにより、搬送される複数の用紙の有無と
先端辺の位置とをその搬送経路において検出することが
できるものである。

【００１４】さらに、本発明の請求項４に記載のプリン
タは、請求項３に記載のプリンタであって、給紙手段か
ら並行して同時に供給される複数枚の用紙のうちいずれ
か一方の用紙の論理的搬送位置と検出された搬送位置と
の差が許容範囲を越えた場合は、正常な用紙搬送が行わ
れている用紙に対する記録のみを行うことを特徴とする
ものである。

【００１５】本発明によれば、さらに、用紙搬送が正常
でないと判断した用紙に対する記録を中止させ、正常に
用紙搬送が行われた用紙に対してのみ、所望の記録を施
すことができる。

【００１６】また、本発明の請求項５に記載のプリンタ
は、請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載のプリン
タであって、前記イメージスキャナの走査は、キャリッ
ジの移動方向における最下流に退避していたキャリッジ
を記録開始時に最上流のホームポジションに移動させる
際に行うことを特徴とするものである。

【００１７】本発明によれば、イメージスキャナの走査
のために前記キャリッジを往復移動させる必要がなくな
る。複数回の記録動作を行う場合の所要時間を短縮する
ことができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１及
び図３を参照して説明する。

【００１９】図１は本発明のプリンタの用紙搬送方法が
適用されるプリンタの概略説明図であり、図２は図１の
プリンタの要部断面図である。

【００２０】このプリンタのフレーム１には、長手方向
に沿って延在する平板状のプラテン２が記録面を上方に
向けて配設されており、前記プラテン２の上方には前記
プラテン２と平行に延在するキャリッジシャフト３が支
持されている。このキャリッジシャフト３には、キャリ
ッジ４がこのキャリッジシャフト３に沿って往復動自在
に取付けられており、このキャリッジ４には、前記プラ
テン２に対向するように記録ヘッドとしてのサーマルヘ
ッド５が接離動作自在に取付けられている。また、前記
キャリッジ４には、図示しないインクリボンを収納し、
このインクリボンを前記サーマルヘッド５とプラテン２
との間に案内するリボンカセット６が着脱自在に装着さ
れるようになされており、さらに前記リボンカセット６
のインクリボンを巻取るための巻取りボビン７およびイ
ンクリボンを送り出す送出しボビン８がそれぞれ配設さ
れている。

【００２１】また、本実施形態においては、前記キャリ
ッジ４の一側（図において右側）には、イメージスキャ
ナ９が配設されている。

【００２２】また、前記フレーム１の一端側には、図示
しないキャリッジ駆動モータがその出力軸１０を前記フ
レーム１の上面に貫通するように配設されており、この
キャリッジ駆動モータの前記出力軸１０には、キャリッ
ジ駆動モータにより回転駆動される駆動プーリ１１が配
設されている。また、前記フレーム１の他端部上面に
は、従動プーリ１２が回転自在に配設されており、前記
駆動プーリ１１と従動プーリ１２との間には、一部が前
記キャリッジ４の下面に連結されたキャリッジ駆動ベル
ト１３が掛け渡されている。そして、前記キャリッジ駆
動モータを回転駆動して前記駆動プーリ１１を介してキ
ャリッジ駆動ベルト１３を駆動させることにより、前記
キャリッジ４をキャリッジシャフト３に沿ってプラテン
２と平行に往復動させるようになされている。

【００２３】また、本実施形態のプリンタにおいては、
前記キャリッジ４の記録時における移動方向最下流位置
（図１において、右側）を記録終了時のキャリッジ４の
停止位置（以下、キャリッジ退避位置と記す。）とされ
ており、記録開始時に、キャリッジ４の記録時における
移動方向最上流のホームポジションに前記キャリッジ４
が移動する構成とされている。

【００２４】さらに、前記フレーム１の後方には、給紙
手段としての給紙カセット１４が係合される係合部（図
示せず）を備えたカセット装着部１５が設けられてお
り、本実施形態においては、前記給紙カセット１４に
は、用紙幅の狭い、例えば葉書などを縦方向（用紙の長
手方向が搬送方向に対して一致する方向）にして積層配
置可能とされた用紙収容部Ａ，Ｂを前記搬送方向に直交
する方向に並列させて形成されており、各用紙収容部
Ａ，Ｂには、複数枚づつの用紙Ｐ（以下、必要に応じ
て、用紙収容部Ａに積層された（用紙収容部Ａから搬送
された）用紙Ｐを用紙ＰＡ、用紙収容部Ｂに積層された
（用紙収容部Ｂから搬送された）用紙Ｐを用紙ＰＢとす
る）が収容されている。

【００２５】また、カセット装着部１５の上方には、前
記給紙カセット１４の内底面に配設された図示しない摩
擦パッドに対向するようにして、ステッピングモータか
らなる図示しない搬送モータにより回転駆動される給紙
ローラ１７が配設されている。この給紙ローラ１７は、
ねじりコイルばねなどの適宜な付勢部材１８により給紙
カセット１４に向かって付勢されているとともに、搬送
モータの回転駆動にともなって図２に両矢印にて示すよ
うに給紙カセット１７に向かって接離するように上下移
動可能に形成されている。そして、給紙ローラ１７は、
常には、図２に破線にて示すように給紙カセット１４か
ら離間した上方に位置して待機状態とされおり、給紙カ
セット１４の用紙収容部Ａ，Ｂに収納された最上層に位
置する用紙ＰＡ，ＰＢを前記サーマルヘッド５とプラテ
ン２との間の記録位置ＰＰに向かって搬送する際にのみ
図２に実線にて示すように、それぞれの用紙収容部Ａ，
Ｂの最上層に位置する用紙ＰＡ，ＰＢの上面に圧接する
ように降下し、用紙ＰＡ，ＰＢを搬送するように形成さ
れている。

【００２６】また、給紙ローラ１７は、用紙ＰＡ，ＰＢ
の送出に寄与する円周の一部が切りかかれているととも
に、用紙ＰＡ，ＰＢの送出に寄与する用紙ＰＡ，ＰＢと
当接する部位は、図２に矢印にて示す搬送方向に対して
直交する方向に複数に分割されて配設されている。

【００２７】前記記録位置ＰＰより矢印にて示す用紙搬
送方向の上流側（図２において左側）には、給紙ローラ
１７によって給紙カセット１４から搬送された用紙Ｐを
受け取り、所定速度で記録位置ＰＰに向かって搬送する
搬送ローラ１９および案内ガイド２０が配設されてい
る。この搬送ローラ１９は、給紙ローラ１７を駆動する
搬送モータにより回転駆動されるようになっており、搬
送ローラ１９の上方には、搬送ローラ１９の外周面に当
接される補助ローラ２１が回転自在に配設されている。
この補助ローラ２１は、搬送ローラ１９に従動回転する
ようにされている。つまり、給紙カセット１４から分離
されて給紙された用紙ＰＡ，ＰＢは、用紙搬送機構を構
成する搬送ローラ１９と補助ローラ２１との間に挟持さ
れるようにしてそれぞれ記録位置ＰＰに向かって搬送可
能とされている。なお、用紙ＰＡ，ＰＢがともに給紙ロ
ーラ１７から搬送ローラ１９へ受け渡されると、用紙Ｐ
の最上層に位置する用紙ＰＡ，ＰＢの上面に圧接するよ
うに降下している給紙ローラ１７は、待機状態に復帰す
るようにされている。なお、給紙ローラ１７と搬送ロー
ラ１９とをそれぞれ個別の駆動モータにより駆動させる
構成であってもよい。

【００２８】前記記録位置ＰＰより矢印Ｂにて示す用紙
搬送方向の下流側（図２において右側）には、記録の終
了した用紙ＰＡ，ＰＢを外部に排出する排紙ローラ２２
が配設されている。この排紙ローラ２２は図示しないス
テッピングモータ等の駆動モータにより回転駆動される
ようになっており、排紙ローラ２２の上方には、排紙ロ
ーラ２２の外周面に当接される圧接ローラ（図示せず）
が回転自在に配設されており、この圧接ローラは、排紙
ローラ２２に従動回転するようにされている。つまり、
記録が施された用紙Ｐは、排紙ローラ２２と圧接ローラ
との間に挟持されるようにして外部に排出されるように
なっている。

【００２９】また、図３は前記プリンタの電気的な概略
構成を示すものである。前記熱転写プリンタは制御部と
してのＣＰＵ２３によって制御されており、このＣＰＵ
２３には、使用される記録媒体Ｐの種類毎にそれに適し
た記録条件等が記憶されたＲＯＭ２４、各種データ等を
記憶するＲＡＭ２５を備えている。

【００３０】前記ＣＰＵ２３には、インターフェースを
介してコンピュータ等の入力装置から記録データが送ら
れ、また、イメージスキャナ９で読取られた画像データ
がインターフェースを介して送られる。

【００３１】一方、前記ＣＰＵ２３からは、サーマルヘ
ッド５の駆動回路に記録パターンの情報が送られ、この
記録情報に応じてサーマルヘッド５の発熱素子の発熱が
行われる。更に、イメージスキャナ９の駆動回路、サー
マルヘッド５の用紙Ｐへの圧接・離間を行なうヘッドア
ップダウン機構の駆動回路、キャリッジ４の移動を制御
するキャリッジ４の駆動回路、及び用紙Ｐを搬送するた
めのステッピングモータの駆動回路等へ制御信号がそれ
ぞれ送られるように構成されている。

【００３２】このように構成されたプリンタにおいて、
本発明の用紙搬送及び記録は、前記ＣＰＵ２３により、
次のような制御のもとで実行するように構成されてい
る。

【００３３】用紙Ｐの搬送方向に直交する方向に並列さ
れた各用紙収容部１６Ａ，１６Ｂに複数枚づつの葉書を
収容した給紙カセット１４をカセット装着部１５に装着
させた状態で、前記ＣＰＵ２３により、図示しない搬送
モータを所定ステップ数だけ駆動させ、給紙ローラ１７
および搬送ローラ１９を回転駆動させるとともに、給紙
ローラ１７を給紙カセット１４の各用紙収容部１６に向
かって降下させて給紙カセット１４の各用紙収容部１６
に収納した複数枚の用紙Ｐの最上層の用紙ＰＡ，ＰＢに
当接させる。そして、最上層の用紙ＰＡ，ＰＢをそれぞ
れ下層の用紙Ｐから分離させて矢印にて示す搬送方向に
搬送し、用紙搬送機構を構成する搬送ローラ１９と補助
ローラ２１との間に向かって搬送させる。このとき、前
記給紙ローラ１７は、用紙ＰＡ，ＰＢの走行方向の先端
辺が搬送ローラ１９と補助ローラ２１との間に達すると
用紙Ｐから離間し、用紙Ｐの走行を搬送ローラ１９に引
き渡すこととなる。

【００３４】なお、通常、用紙搬送においては一定量の
給紙ローラ１７の回転により、用紙Ｐの先端辺を搬送ロ
ーラ１９に突き当てて、用紙の空搬送を防止する構成と
なっているが、本実施形態においては、同時搬送される
用紙ＰＡ，ＰＢのいずれかの用紙Ｐがスリップすること
等により、その先端辺の位置が揃わないことを防止すべ
く、前記突き当てのための給紙ローラ１７の回転量を通
常よりも多くする制御とする。このように突き当て量を
多くするように制御することで、同時搬送されるはずで
あった用紙のうち、一方の用紙Ｐが空搬送となるような
事態や、用紙ＰＡ，ＰＢの先端辺の位置が位相する事態
を効果的に防止することができる。

【００３５】次いで、ステッピングモータの駆動により
搬送ローラ１９を所定ステップ数だけ回転させて、用紙
ＰＡ，ＰＢを並行状態のままで先端辺をプラテン２上に
搬送した後、一旦、用紙ＰＡ，ＰＢの搬送を停止させ
る。このとき、前記ステップ数を、正常な給紙と搬送が
行われたならば搬送される用紙ＰＡ，ＰＢの先端辺がプ
ラテン２のほぼ中央部に位置することとなるステップ数
とする。

【００３６】そして、プラテン２に沿って往復移動可能
とされたキャリッジ４をその退避位置から前記ホームポ
ジションへ移動させながら、前記キャリッジ４に搭載さ
れたイメージスキャナ９を走査させることにより、並行
に搬送される前記各用紙ＰＡ，ＰＢのそれぞれ搬送経路
において、前記用紙ＰＡ，ＰＢの先端辺の検出を行う。
このように、キャリッジ４の退避位置をその移動方向の
最下流に設けたことにより、イメージスキャナ９の走査
のためのキャリッジ４の往復動作が不要となり、記録の
所要時間を短縮することが可能となる。

【００３７】続いて、前記ＣＰＵ２３のＲＡＭ２５にお
いて、スキャンバッファ（スキャナの読取展開データ）
における前記プラテン２と用紙ＰＡ，ＰＢとの位置関係
から、用紙ＰＡ，ＰＢの給紙の有無を検出し、さらに本
実施形態においては、並行して搬送された用紙ＰＡ，Ｐ
Ｂのそれぞれの搬送状態を判断する。この搬送状態の判
断とは、具体的には、基準を越えた用紙搬送、またはそ
れに足りない用紙搬送を検出することとなるが、さら
に、各用紙ＰＡ，ＰＢの斜行搬送を検出する制御を行う
ことも可能である。そして、用紙ＰＡ，ＰＢの先端辺の
検出結果に応じ、用紙ＰＡ，ＰＢに対する記録開始行の
記録位置ＰＰへの搬送を一律に調整し、搬送する制御を
行う。具体的には、スキャン結果から、過不足のステッ
プ数を割り出し、用紙の頭だし搬送のためのステップ数
から加減する調整を行うこととなる。

【００３８】また、本実施形態においては、給紙手段か
ら並行して同時に供給される用紙ＰＡ，ＰＢのうちいず
れか一方の用紙Ｐ（以下、便宜上、用紙ＰＢとする）が
供給されていないことを検出した場合は、ＣＰＵ２３に
より、供給されている用紙ＰＡに対する記録データの記
録のみを行う制御を行う。この制御により記録の誤動作
を防止することができる。また、供給されなかった用紙
ＰＢに対する記録データが当該用紙ＰＢの搬送経路にあ
るプラテン２に対し記録されてしまうことを防止するこ
とができ、その場合、後にこの搬送経路に搬送される用
紙Ｐを汚すことを防止することができる。

【００３９】さらに、用紙ＰＡ，ＰＢの先端辺の検出に
より、給紙カセット１４から並行して同時に供給される
複数枚の用紙ＰＡ，ＰＢのうちいずれか一方の用紙Ｐ
（以下、便宜上、用紙ＰＢとする）の論理的搬送位置と
検出された搬送位置との差が許容範囲を越えた場合は、
正常な用紙搬送が行われている用紙ＰＡに対する記録の
みを行う。このように制御することにより、所望の記録
結果を得られないような記録をしなくて済むので、不正
常な搬送がされた用紙を無駄に使うことを防止すること
が可能となり、さらに、例えばブラックＢの単色の記録
を単色のインクリボンを用いて行う場合には、インクリ
ボンの無駄使いをも防止することができる。

【００４０】なお、前記記録は、プラテン２の上方に、
給紙カセット１４から分離されて送出された用紙Ｐとイ
ンクリボンとが支持され、用紙Ｐおよびインクリボンを
介してプラテン２と圧接させたサーマルヘッド５をキャ
リッジ４とともにプラテン２に沿って往復動させなが
ら、用紙Ｐ上に所望の文字等の画像を形成する場合には
インクリボンを繰り出し、サーマルヘッド５に整列配置
されている複数の発熱素子を記録情報に基づいて選択的
に発熱させることにより、インクリボンのインクを部分
的に溶融させて用紙Ｐの所定の位置に転写するものであ
る。

【００４１】そして、所望の記録を終了したら、キャリ
ッジ４を前記退避位置に退避させ、この状態で記録が施
された用紙Ｐを排紙ローラ２２と圧接ローラとの間に挟
持して外部に排出する。

【００４２】このように、イメージスキャナをもって並
列して搬送される用紙の検出や先端辺の検出等を行う構
成としたことで、センサ等の部材数を減らして安価なも
のとすることができ、さらには、前記制御により、複数
枚の用紙の同時搬送や同時記録を行う際に、前記制御を
行うことで記録ミスを減少させるとともに、インクリボ
ン等の有効利用を図ることでランニングコストの削減を
も可能なものとする。

【００４３】また、記録開始時の用紙検出のためのイメ
ージスキャナの走査をキャリッジがホームポジションへ
移動する際に行うこととしたことで、記録開始時の用紙
検出のためのキャリッジの往復動作が不要となり、記録
の所要時間を短縮することが可能となる。さらに、用紙
ＰＡ，ＰＢ間の間隙Ｌ１が、サーマルヘッド５の幅Ｌ２
よりも狭くなるように設定して、サーマルヘッド５をダ
ウンしたままで前記間隙Ｌ１も移動させて記録動作を行
うことにより、高速記録を行うことができる。なお、用
紙ＰＡ，ＰＢ間の間隙Ｌ１をサーマルヘッド５の幅Ｌ２
よりも狭くなるようにすることで、サーマルヘッド５が
ダウンした状態で移動しても、サーマルヘッド５の基板
エッジあるいは端子接続部によってインクリボンが切れ
ることを防止できるものである。

【００４４】なお、本実施形態においては、用紙の有無
の検出と先端辺の位置検出を合わせて行う制御を行った
が、前記スキャン結果から、用紙の有無のみを検出する
制御とすることも可能である。その場合に検出する用紙
の部位は、用紙の先端辺に限ることなく、例えば、用紙
の側辺を検出する構成とすることもできる。

【００４５】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係るプリンタ
は、プリンタのキャリッジに搭載された既存のイメージ
スキャナを利用して、記録に供される用紙の有無や各用
紙の搬送量までをも検出しつつ、複数枚の用紙の同時搬
送、同時記録を効率よく行うことができる等の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のプリンタの用紙搬送方法が適用され
るプリンタの概略説明図

【図２】 図１のプリンタの要部断面図

【図３】 図１のプリンタの電気的な概略構成を示す説
明図

【符号の説明】 １ フレーム ２ プラテン ３ キャリッジシャフト ４ キャリッジ ５ サーマルヘッド ６ リボンカセット ７ 巻取りボビン ８ 送出しボビン ９ イメージスキャナ １０ 出力軸 １１ 駆動プーリ １２ 従動プーリ １３ キャリッジ駆動ベルト １４ 給紙カセット １５ カセット装着部 １７ 給紙ローラ １８ 付勢部材 １９ 搬送ローラ ２０ 案内ガイド ２１ 補助ローラ ２２ 排紙ローラ ２３ ＣＰＵ ２４ ＲＯＭ ２５ ＲＡＭ Ｐ（ＰＡ，ＰＢ） 用紙

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Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙の搬送方向に対して直交する方向に
   並列させて配設された用紙収納部を有する給紙手段と、
   搬送ローラを回転させて前記給紙手段から複数枚の用紙
   を並行に搬送可能とする搬送モータと、キャリッジをプ
   ラテンに沿って往復移動可能とするキャリッジ駆動モー
   タと、前記キャリッジに搭載されたイメージスキャナ
   と、前記搬送モータ、キャリッジ駆動モータ、イメージ
   スキャナの駆動を制御するとともに、前記各用紙の搬送
   経路における前記イメージスキャナのスキャン結果によ
   りそれぞれ搬送された用紙の有無の検出を行う制御手段
   とを有し、搬送ローラを所定ステップ数分だけ回転させ
   て複数枚の用紙を給紙手段から並行に搬送した後、一
   旦、用紙の搬送を停止し、プラテンに沿って往復移動可
   能とされたキャリッジを移動させながら、前記キャリッ
   ジに搭載されたイメージスキャナにより、前記各用紙の
   搬送経路においてそれぞれ搬送された用紙の有無の検出
   を行うことを特徴とするプリンタ。
2. 【請求項２】 給紙手段から並行して同時に供給される
   複数枚の用紙のうちいずれか一方の用紙が供給されてい
   ないことを検出した場合は、供給されている用紙に対す
   る記録のみを行う制御を行うことを特徴とする請求項１
   に記載のプリンタ。
3. 【請求項３】 前記制御部は、前記スキャン結果によ
   り、各用紙の先端辺の位置検出を行う用紙搬送手段を有
   することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の
   プリンタ。
4. 【請求項４】 給紙手段から並行して同時に供給される
   複数枚の用紙のうちいずれか一方の用紙の論理的搬送位
   置と検出された搬送位置との差が許容範囲を越えた場合
   は、正常な用紙搬送が行われている用紙に対する記録の
   みを行うことを特徴とする請求項３に記載のプリンタ。
5. 【請求項５】 前記イメージスキャナの走査は、キャリ
   ッジの移動方向における最下流に退避していたキャリッ
   ジを記録開始時に最上流のホームポジションに移動させ
   る際に行うことを特徴とする請求項１乃至請求項４のい
   ずれか１項に記載のプリンタ。